JP2004202329A - 機能性材料及びその製造方法 - Google Patents

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隆児 大谷
Tomohiro Yamaguchi
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Abstract

【課題】基材からの機能性粉体の脱落が発生しにくく、脱臭性能等の機能を高くすることができる機能性材料を提供する。
【解決手段】触媒作用と吸着作用の少なくとも一方を有する機能性粉体1をバインダ2により基材3に固着した機能性材料に関する。機能性粉体1の一部をバインダ2に埋設すると共に機能性粉体1の他の一部をバインダ2から露出させる。機能性粉体1の一部をバインダ2から露出させることによって、機能性粉体1に臭気成分が接触しやすくなる。また、機能性粉体1の一部をバインダ2に埋設することによって、基材3に機能性粉体1を強固に固着することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱臭機能付フィルタなどとして用いられる機能性材料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、脱臭作用等を有する機能性粉体を基材の表面に固着した機能性材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような機能性材料を形成するにあたっては、例えば、図13(a)に示すように、触媒作用や吸着作用を有する機能性粉体1とバインダ2(および溶剤または懸濁液)とを混合し、機能性粉体1を分散させたバインダ2を基材3に含浸したり塗布したりして基材3に機能性粉体1を付着させ、この後、バインダ2を乾燥硬化して機能性粉体1を基材3の表面に固着するようにしていた。しかし、この方法では、図13(b)に示すように、基材3の表面に固着された機能性粉体1の表面がバインダ2に覆われることになり、機能性粉体1に臭気成分が接触しにくくなるために、機能性材料の脱臭性能等の機能を高くすることができないという問題があった。
【0003】
そこで、図14に示すように、バインダを用いずに基材3の表面に接着性を持たせ、この接着性により基材3の表面に機能性粉体1を付着させる方法が提案されている。この方法で形成された機能性材料は、機能性粉体1と基材3とが一点で接触(点接触)して付着しているので、機能性粉体1の表面の大部分が露出することになり、これにより、機能性粉体1に臭気成分が接触しやすくなるために、機能性材料の脱臭性能等の機能を高くすることができるものである。しかしながら、この方法では、基材3からの機能性粉体1の脱落が起きやすいという問題があり、機能性粉体1を大量に基材3の表面に付着することが難しくて機能性材料の脱臭性能等の機能を高くすることができないという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−309957号公報(特許請求の範囲等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、基材からの機能性粉体の脱落が発生しにくく、脱臭性能等の機能を高くすることができる機能性材料及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る機能性材料は、触媒作用と吸着作用の少なくとも一方を有する機能性粉体1をバインダ2により基材3に固着した機能性材料において、機能性粉体1の一部をバインダ2に埋設すると共に機能性粉体1の他の一部をバインダ2から露出させて成ることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項2に係る機能性材料の製造方法は、請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、バインダ2から露出させる機能性粉体1の一部の表面とバインダ2との親和性及び接着性を低下させる処理を施すことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項3に係る機能性材料の製造方法は、請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、バインダ2に埋設する機能性粉体1の一部の表面とバインダ2との親和性及び接着性を向上させる処理を施すことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項4に係る機能性材料の製造方法は、請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、バインダ2との親和性及び接着性を向上させるために機能性粉体1の全表面にカップリング剤の皮膜4を形成し、バインダ2から露出させる機能性粉体1の一部の表面に形成されたカップリング剤の皮膜4を除去する処理を施すことを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項5に係る機能性材料の製造方法は、請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、機能性粉体1の全体をバインダ2に埋設して基材3に固着した後、機能性粉体1の一部をバインダ2から露出させるようにバインダ2を除去することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項6に係る機能性材料の製造方法は、請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、機能性粉体1の少なくとも一つとして光触媒を用い、機能性粉体1の全体をバインダ2に埋設して基材3に固着した後、上記光触媒が活性化する光を照射して機能性粉体1の表面を覆っているバインダ2の一部を光触媒作用で分解除去することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項7に係る機能性材料の製造方法は、請求項5又は6において、−Si−O−Si−結合鎖成分2aと有機成分2bとを有するバインダ2を用い、機能性粉体1の全体をバインダ2に埋設して基材3に固着した後、機能性粉体1を覆っているバインダ2の有機成分2bを分解除去することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項8に係る機能性材料の製造方法は、請求項2乃至7のいずれかに加えて、複数個の機能性粉体1を凝集して凝集粒子5を形成し、凝集粒子5の一部をバインダ2に埋設すると共に凝集粒子5の他の一部をバインダ2から露出させて凝集粒子5をバインダ2により基材3に固着することを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項9に係る機能性材料の製造方法は、請求項8に加えて、吸着作用を有する機能性粉体1aを凝集させた吸着性粒子8の表面の少なくとも一部に触媒作用を有する機能性粉体1bを付着させた凝集粒子5を用いることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項10に係る機能性材料の製造方法は、請求項8に加えて、触媒作用と吸着作用の少なくとも一方を有する機能性粉体1を核材6の表面に付着させて凝集した凝集粒子5を用いることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項11に係る機能性材料の製造方法は、請求項8乃至10のいずれかに加えて、内部に空隙部7を有する凝集粒子5を用いることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項12に係る機能性材料の製造方法は、請求項8乃至11のいずれかに加えて、針状または鱗片状に凝集した凝集粒子5を用いることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図1に本発明の機能性材料の一例を示す。この機能性材料は基材3の片面に多数個の機能性粉体1を層状のバインダ2で固着して形成したものであるが、機能性粉体1の一部をバインダ2に埋設すると共に機能性粉体1の他の一部をバインダ2から露出させるようにしたものである。ここで、機能性粉体1は重ならずに一層に並んで基材3の表面に固着されている。また、機能性粉体1の基材3側(下側)の略半分がバインダ2に埋められていると共に機能性粉体1の基材3と反対側(上側)の略半分がバインダ2に覆われずに露出しているものである。従って、図1の機能性材料は、図13(b)の従来の機能性材料に比べて機能性粉体1に臭気成分が接触しやすくなるために、機能性材料の脱臭性能等の機能を高くすることができるものである。また、図14の従来の機能性材料に比べて基材3に機能性粉体1を強固に固着することができ、基材3からの機能性粉体1の脱落が発生しにくくなるものである。
【0020】
上記の機能性粉体1としては、臭気成分(例えば、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等)を吸着する吸着作用を有するゼオライトやモルデナイト、臭気成分を分解する触媒作用(光触媒作用)を有する酸化チタンや酸化マンガンや白金などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、本発明では上記各種の機能性粉体1を単独で用いたり複数種併用したりすることができる。
【0021】
また、上記の基材3としては、例えば、厚み0.1〜2mmで、不織布、織布、紙、フィルムなどを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0022】
図1の機能性材料の製造方法の一例を図2に示す。この請求項3に対応する例では、機能性粉体1として平均粒径が0.1〜5μm程度のゼオライトの粉末と、平均粒径が0.05〜5μm程度の酸化チタン及び/又は酸化マンガンの粉末とを用い、重量比でゼオライト:酸化チタン=50:50〜90:10になるように秤量して概ね均一になるように混合して用いる。尚、他の種類や平均粒径の機能性粉体1を用いても良く、また、複数種の機能性粉体1の混合比率も任意である。
【0023】
そして、まず、上記の機能性粉体1の略半分の表面にバインダ2との親和性及び接着性を向上させる処理を施す。この処理としては、図2(a)に示すように、処理台10の片面(上面)に多数個の機能性粉体1を重ねずに一層に並ぶように散布した後、機能性粉体1の一方(上方)からプラズマ11を照射して機能性粉体1のプラズマ照射側の略半分の表面にプラズマ11を作用させるようにするプラズマ処理を用いることができる。このプラズマ処理は、機能性粉体1を散布した処理台10を密閉容器に入れ、一旦真空にした後、例えば、アルゴンガス等の不活性ガスと酸素とを体積比で1:1の割合で密閉容器に導入して数百Paの圧力にし、密閉容器内のプラズマ放電電極に高周波電圧を印加してプラズマ11を発生させ、このプラズマ11に処理台10上に載せた機能性粉体1の上側略半分の表面のみを暴露させてプラズマ11を作用させるようにする。プラズマ11を作用させる時間は通常数秒から数十秒が適切であるが、これに限定されるものではない。
【0024】
そして、このように酸素を含むプラズマ11を作用させると、機能性粉体1のプラズマ処理した表面(図2にクロス斜線で示す部分)に酸素イオン又は酸素原子が通常の表面(プラズマ処理していない表面であって、図2に点々模様で示す部分)よりも多く付着した状態となるが、酸素は電気陰性度が大きいので、水素結合で接着するタイプのバインダ(接着剤)2との親和性及び接着性が大きくなるものである。尚、機能性粉体1に付着させる酸素イオン又は酸素原子の量は、ガスの混合比、ガス圧、処理時間、プラズマ放電電極に供給する電力、プラズマ放電電極と機能性粉体1との距離、処理台10のバイアス電圧などにより制御可能である。
【0025】
上記のようにして機能性粉体1をプラズマ処理した後、図2(b)に示すように、処理した機能性粉体1をバインダ2と混合する。ここで、バインダ2としては、プラズマ11が作用していない機能性粉体1の表面よりもプラズマ11が作用した機能性粉体1の表面との親和性及び接着性が大きいものを使用することが好ましい。このようなバインダ2としては水素結合により接着するものを用いることができ、具体的には、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂などを用いることができる。機能性粉体1とバインダ2とを混合するにあたっては、体積比でバインダ(の固型分)2:機能性粉体1=20:80〜50:50程度となるように、水などの薄め液に両者を分散して混合することができ、これにより、機能性粉体1とバインダ2と薄め液からなる塗料状の混合液(バインダ2及び溶剤又は懸濁液)12が調製されるものである。
【0026】
次に、混合液12に基材3を浸漬して含浸させたり混合液12を基材3にロールコータやフローコータ等で塗布したりして、混合液12を基材3の表面に付着させる。この時、混合液12中の成分が分離、沈殿しないように、混合液12を攪拌しながら行う。
【0027】
次に、基材3に付着させた混合液12から薄め液を加熱蒸発させて、さらに加熱(例えば、100〜130℃)してバインダ(の固型分)2を硬化させることによりバインダ2を機能性粉体1と基材3に接着する。このようにして機能性粉体1をバインダ2により基材3の表面に固着して図1及び図2(c)に示すような機能性材料を形成することができる。ここで、バインダ2は機能性粉体1のプラズマ処理された表面との親和性及び接着性が高いために、バインダ2と機能性粉体1とはプラズマ処理された部分で接合接着され、機能性粉体1のプラズマ処理されていない部分はバインダ2との濡れ性が低いためにバインダ2がほとんど付着せず、機能性粉体1の表面がバインダ2で覆われずに露出した状態で機能性粉体1が基材3に固着するものである。
【0028】
このように、プラズマ処理により機能性粉体1の一部の表面にバインダ2との親和性及び接着性の強い部分を形成することにより、機能性粉体1のバインダ2との親和性及び接着性の強い部分とバインダ2とが強固に接着し、その他の部分にはバインダ2がほとんど付着せず、機能性粉体1の表面がバインダ2で覆われないで強固に基材3に固着した機能性材料を製造することができるものである。
【0029】
次に、図1の機能性材料の製造方法の他例を図3に示す。この請求項2に対応する例では、機能性粉体1として平均粒径が0.1〜5μm程度のゼオライトの粉末と、平均粒径が0.05〜5μm程度の酸化チタン及び/又は酸化マンガンの粉末とを用い、重量比でゼオライト:酸化チタン=50:50〜90:10になるように秤量して概ね均一になるように混合して用いる。尚、他の種類や平均粒径の機能性粉体1を用いても良く、また、複数種の機能性粉体1の混合比率も任意である。
【0030】
そして、まず、上記の機能性粉体1の略半分の表面にバインダ2との親和性及び接着性を低下させる(阻害させる)処理を施す。この処理としては、図3(a)に示すように、処理台10の片面(上面)に多数個の機能性粉体1を重ねずに一層に並ぶように散布した後、機能性粉体1の一方(上方)からプラズマ11を照射して機能性粉体1のプラズマ照射側の略半分の表面にプラズマ11を作用させるようにするプラズマ処理を用いることができる。このプラズマ処理は、機能性粉体1を散布した処理台10を密閉容器に入れ、一旦真空にした後、例えば、アルゴンガス等の不活性ガスを密閉容器に導入して数百Paの圧力にし、密閉容器内のプラズマ放電電極に高周波電圧を印加してプラズマ11を発生させ、このプラズマ11に処理台10上に載せた機能性粉体1の上側略半分の表面のみを暴露させてプラズマ11を作用させるようにする。プラズマ11を作用させる時間は通常数秒から数十秒が適切であるが、これに限定されるものではない。
【0031】
そして、このようにアルゴンガス等の不活性ガスのみのプラズマ11を作用させると、機能性粉体1のプラズマ処理した表面(図3にクロス斜線で示す部分)にアルゴンガス(アルゴン原子やアルゴンイオンを含む)等の不活性ガスが通常(プラズマ処理していない表面であって、図3に点々模様で示す部分)よりも多く付着した状態となるが、アルゴンガス等の不活性ガスは不活性であるのでバインダ(接着剤)2との親和性及び接着性が小さくなるものである。尚、機能性粉体1に付着させるアルゴン原子やアルゴンイオン(アルゴンガス)等の不活性ガスの量は、ガスの混合比、ガス圧、処理時間、プラズマ放電電極に供給する電力、プラズマ放電電極と機能性粉体1との距離、処理台10のバイアス電圧などにより制御可能である。
【0032】
上記のようにして機能性粉体1をプラズマ処理した後、図3(b)に示すように、処理した機能性粉体1をバインダ2と混合する。ここで、バインダ2としては、プラズマ11が作用していない機能性粉体1の表面よりもプラズマ11が作用した機能性粉体1の表面との親和性及び接着性が小さいものを使用することが好ましい。このようなバインダ2としては、具体的には、上記と同様のアクリル系樹脂やウレタン系樹脂などを用いることができる。機能性粉体1とバインダ2とを混合するにあたっては、体積比でバインダ(の固型分)2:機能性粉体1=20:80〜50:50程度となるように、水などの薄め液に両者を分散して混合することができ、これにより、機能性粉体1とバインダ2と薄め液からなる塗料状の混合液(バインダ2及び溶剤又は懸濁液)12が調製されるものである。
【0033】
次に、混合液12に基材3を浸漬して含浸させたり混合液12を基材3にロールコータやフローコータ等で塗布したりして、混合液12を基材3の表面に付着させる。この時、混合液12中の成分が分離、沈殿しないように、混合液12を攪拌しながら行う。
【0034】
次に、基材3に付着させた混合液12から薄め液を加熱蒸発させて、さらに加熱(例えば、100〜130℃)してバインダ(の固型分)2を硬化させることによりバインダ2を機能性粉体1と基材3に接着する。このようにして機能性粉体1をバインダ2により基材3の表面に固着して図1及び図3(c)に示すような機能性材料を形成することができる。ここで、バインダ2は機能性粉体1のプラズマ処理されていない表面との親和性及び接着性が高いために、バインダ2と機能性粉体1とはプラズマ処理されていない部分で接合接着され、機能性粉体1のプラズマ処理された部分はバインダ2との濡れ性が低いためにバインダ2がほとんど付着せず、機能性粉体1の表面がバインダ2で覆われずに露出して基材3に固着するものである。また、機能性粉体1に付着しているアルゴンガス等の不活性ガスはバインダ2の硬化の際の加熱で飛散して除去されるものであり、これにより、機能性粉体1の活性な表面が得られるものである。
【0035】
このように、プラズマ処理により機能性粉体1の一部の表面にバインダ2との親和性及び接着性の弱い部分を形成することにより、機能性粉体1のバインダ2との親和性及び接着性の強い部分(プラズマ処理していない部分)とバインダ2とが強固に接着し、その他の部分にはバインダ2が付着しにくく、機能性粉体1の表面がバインダ2で覆われないで強固に基材3に固着した機能性材料を製造することができるものである。
【0036】
次に、図1の機能性材料の製造方法の他例を図4に示す。この請求項4に対応する例では、機能性粉体1として平均粒径が0.1〜5μm程度のゼオライトの粉末と、平均粒径が0.05〜5μm程度の酸化チタン及び/又は酸化マンガンの粉末とを用い、重量比でゼオライト:酸化チタン=50:50〜90:10になるように秤量して概ね均一になるように混合して用いる。尚、他の種類や平均粒径の機能性粉体1を用いても良く、また、複数種の機能性粉体1の混合比率も任意である。
【0037】
そして、まず、図4(a)に示すような未処理の機能性粉体1にカップリング処理を施すことによって、図4(b)に示すように、バインダ2との親和性及び接着性が高いカップリング剤の皮膜4を機能性粉体1の全表面に形成する。カップリング剤としてはシラン系カップリング剤を用いることができ、これをアルコールや水と混合して処理液を調製し、この処理液に上記の機能性粉体1を浸漬した後引き上げて乾燥するようにしてカップリング処理することにより、機能性粉体1の全表面を覆う1分子層レベルのカップリング剤の皮膜4を形成することができる。
【0038】
次に、カップリング処理した上記の機能性粉体1の略半分の表面にバインダ2との親和性及び接着性を低下させる処理を施す。この処理としては、図4(c)に示すように、処理台10の片面(上面)に多数個の機能性粉体1を重ねずに一層に並ぶように散布した後、機能性粉体1の一方(上方)からプラズマ11を照射して機能性粉体1のプラズマ照射側の略半分の表面にプラズマ11を作用させるようにするプラズマ処理を用いることができる。このプラズマ処理は、機能性粉体1を散布した処理台10を密閉容器に入れ、一旦真空にした後、例えば、アルゴンガス等の不活性ガスと酸素とを体積比で10:1の割合で密閉容器に導入して数百Paの圧力にし、密閉容器内のプラズマ放電電極に高周波電圧を印加してプラズマ11を発生させ、このプラズマ11に処理台10上に載せた機能性粉体1の上側略半分の表面のみを暴露させてプラズマ11を作用させるようにする。プラズマ11を作用させる時間は通常数秒から数十秒が適切であるが、これに限定されるものではない。
【0039】
そして、このように機能性粉体1にプラズマ11を作用させると、機能性粉体1の表面の略半分に付着した皮膜4(図4にクロス斜線で示す部分)がプラズマ11により分解されて除去されるものであり、これにより、皮膜4が除去された機能性粉体1の略半分の表面(図4に点々模様で示す部分)とバインダ(接着剤)2との親和性及び接着性が小さくなるものである。尚、機能性粉体1から除去される皮膜4の面積は、ガスの混合比、ガス圧、処理時間、プラズマ放電電極に供給する電力、プラズマ放電電極と機能性粉体1との距離、処理台10のバイアス電圧などにより制御可能である。また、プラズマ11を生成するにあたって酸素は必ずしも必要でないが、酸素を少量含むと、酸化作用で皮膜4の除去がより容易になるので好ましい。
【0040】
上記のようにして機能性粉体1をプラズマ処理した後、図4(d)に示すように、処理した機能性粉体1をバインダ2と混合する。ここで、バインダ2としては、プラズマ11が作用していない機能性粉体1の表面に残存するカップリング剤の皮膜4よりもプラズマ11が作用してカップリング剤の皮膜4が残存していない機能性粉体1の表面との親和性及び接着性が小さいものを使用することが好ましい。このようなバインダ2としては、具体的には、上記と同様のアクリル系樹脂やウレタン系樹脂などを用いることができる。機能性粉体1とバインダ2とを混合するにあたっては、体積比でバインダ(の固型分)2:機能性粉体1=20:80〜50:50程度となるように、水などの薄め液に両者を分散して混合することができ、これにより、機能性粉体1とバインダ2と薄め液からなる塗料状の混合液(バインダ2及び溶剤又は懸濁液)12が調製されるものである。
【0041】
次に、混合液12に基材3を浸漬して含浸させたり混合液12を基材3にロールコータやフローコータ等で塗布したりして、混合液12を基材3の表面に付着させる。この時、混合液12中の成分が分離、沈殿しないように、混合液12を攪拌しながら行う。
【0042】
次に、基材3に付着させた混合液12から薄め液を加熱蒸発させて、さらに加熱(例えば、100〜130℃)してバインダ(の固型分)2を硬化させることによりバインダ2を機能性粉体1と基材3に接着する。このようにして機能性粉体1をバインダ2により基材3の表面に固着して図1及び図4(e)に示すような機能性材料を形成することができる。ここで、バインダ2は機能性粉体1のプラズマ処理されていない表面に残存するカップリング剤の皮膜4との親和性及び接着性が高いために、バインダ2と機能性粉体1とはプラズマ処理されていない部分の皮膜4を介して接合接着され、機能性粉体1のプラズマ処理された部分には皮膜4が無くてバインダ2との濡れ性が低いためにバインダ2がほとんど付着せず、機能性粉体1の表面がバインダ2で覆われずに露出して基材3に固着するものである。
【0043】
このように、機能性粉体1にカップリング処理して皮膜4を形成した後プラズマ処理を施すことにより、機能性粉体1の一部の表面から皮膜4を除去してバインダ2との親和性及び接着性の弱い部分を形成することにより、機能性粉体1のバインダ2との親和性及び接着性の強い部分(皮膜4が残存する部分)とバインダ2とが強固に接着し、その他の部分(皮膜4を除去した部分)にはバインダ2がほとんど付着せず、機能性粉体1の表面がバインダ2で覆われないで強固に基材3に固着した機能性材料を製造することができるものである。
【0044】
尚、図2、3に示すプラズマ処理と図4に示すカップリング処理とを組み合わせて行うようにしても良い。
【0045】
次に、図1の機能性材料の製造方法の他例を図5に示す。この請求項5に対応する例では、機能性粉体1として平均粒径が0.1〜5μm程度のゼオライトの粉末と、平均粒径が0.1〜5μm程度のモルデナイトの粉末とを用い、重量比でゼオライト:モルデナイト=50:50〜90:10になるように秤量して概ね均一になるように混合して用いる。尚、他の種類や平均粒径の機能性粉体1を用いても良く、また、複数種の機能性粉体1の混合比率も任意である。
【0046】
そして、まず、図5(a)に示すように、上記の機能性粉体1をバインダ2により基材3の片面に固着する。ここで、バインダ2としては、機能性粉体1及び基材3との親和性及び接着性が高いものを用いることができ、例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などの合成樹脂のエマルジョン等を用いることができる。
【0047】
機能性粉体1をバインダ2により基材3の片面に固着するにあたっては、体積比でバインダ(の固型分)2:機能性粉体1=20:80〜50:50程度となるように、水などの薄め液に両者を分散して混合することにより、機能性粉体1とバインダ2と薄め液からなる塗料状の混合液(バインダ2及び溶剤又は懸濁液)を調製する。この時、混合液に界面活性剤などを配合しても良い。次に、混合液に基材3を浸漬して含浸させたり混合液を基材3にロールコータやフローコータ等で塗布したりして、混合液を基材3の表面に付着させる。この時、混合液中の成分が分離、沈殿しないように、混合液を攪拌しながら行う。次に、基材3に付着させた混合液から薄め液を加熱蒸発させて、さらに加熱(例えば、100〜130℃)してバインダ(の固型分)2を硬化させることによりバインダ2を機能性粉体1と基材3に接着する。このようにして機能性粉体1をバインダ2により基材3の表面に固着することができる。
【0048】
上記のように機能性粉体1をバインダ2により基材3の表面に固着した後、固着した機能性粉体1の上側略半分をバインダ2から露出させるようにバインダ2を除去する処理を施す。この処理としては、図5(b)に示すように、基材3の片面(上面)に重ならずに一層に並ぶようにして固着された多数個の機能性粉体1の一方(上方)からプラズマ11を照射することによって、機能性粉体1のプラズマ照射側の略半分を覆うバインダ2にプラズマ11を作用させるようにするプラズマ処理を用いることができる。このプラズマ処理は、機能性粉体1を固着した基材3を密閉容器に入れ、一旦真空にした後、例えば、アルゴンガス等の不活性ガスと酸素とを体積比で7:3の割合で密閉容器に導入して数百Paの圧力にし、密閉容器内のプラズマ放電電極に高周波電圧を印加してプラズマ11を発生させ、このプラズマ11に機能性粉体1を覆っているバインダ2の全表面を暴露させてプラズマ11を作用させるようにする。プラズマ11を作用させる時間は通常数秒から数十秒が適切であるが、これに限定されるものではない。
【0049】
そして、このようにバインダ2にプラズマ11を作用させると、バインダ2がプラズマ11のエネルギーで分解して除去され、機能性粉体1の上側略半分の表面が露出するものである。また、プラズマ11のエネルギーにより機能性粉体1の表面が活性化されて吸着作用や触媒作用等の機能が向上するものである。尚、バインダ2を除去する量は、ガスの混合比、ガス圧、処理時間、プラズマ放電電極に供給する電力、プラズマ放電電極とバインダ2との距離などにより制御可能である。また、プラズマ11を生成するにあたって酸素は必ずしも必要でないが、酸素を少量含むと、酸化分解作用でバインダ2の除去がより効率的になるので好ましい。
【0050】
このようにして、機能性粉体1をバインダ2により基材3の表面に固着した後、機能性粉体1の表面を覆うバインダ2をプラズマ処理にて分解除去することによって、機能性粉体1の表面がバインダ2で覆われずに露出した状態で機能性粉体1が基材3に強固に固着した図1及び図5(c)に示すような機能性材料を形成することができるものである。
【0051】
次に、図1の機能性材料の製造方法の他例を図6に示す。この請求項6に対応する例では、機能性粉体1として、例えば、臭気成分を吸着するゼオライトやモルデナイトと、光触媒作用を有する光触媒である酸化チタンとを用いる。この場合、平均粒径が0.1〜5μm程度のゼオライトあるいはモルデナイトの粉末と、平均粒径が0.001〜0.1μm程度のアナターゼ型の酸化チタンとを用いることができ、重量比でゼオライトあるいはモルデナイト:酸化チタン=10:90〜90:10になるように秤量して概ね均一になるように混合して用いる。尚、他の種類や平均粒径の機能性粉体1を用いても良く、また、複数種の機能性粉体1の混合比率も任意である。
【0052】
そして、まず、図6(a)に示すように、上記の機能性粉体1をバインダ2により基材3の片面に固着する。ここで、バインダ2としては、機能性粉体1及び基材3との親和性及び接着性が高いものを用いることができ、例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などの合成樹脂のエマルジョン等を用いることができる。
【0053】
機能性粉体1をバインダ2により基材3の片面に固着するにあたっては、体積比でバインダ(の固型分)2:機能性粉体1=20:80〜50:50程度となるように、水などの薄め液に両者を分散して混合することにより、機能性粉体1とバインダ2と薄め液からなる塗料状の混合液(バインダ2及び溶剤又は懸濁液)を調製する。この時、混合液に界面活性剤などを配合しても良い。次に、混合液に基材3を浸漬して含浸させたり混合液を基材3にロールコータやフローコータ等で塗布したりして、混合液を基材3の表面に付着させる。この時、混合液中の成分が分離、沈殿しないように、混合液を攪拌しながら行う。次に、基材3に付着させた混合液から薄め液を加熱蒸発させて、さらに加熱(例えば、100〜130℃)してバインダ(の固型分)2を硬化させることによりバインダ2を機能性粉体1と基材3に接着する。このようにして機能性粉体1をバインダ2により基材3の表面に固着することができる。
【0054】
上記のように機能性粉体1をバインダ2により基材3の表面に固着した後、固着した機能性粉体1の上側略半分をバインダ2から露出させるようにバインダ2を除去する処理を施す。この処理としては、図6(b)に示すように、基材3の片面(上面)に重ならずに一層に並ぶようにして固着された多数個の機能性粉体1の一方(上方)から紫外線(矢印で示す)を照射することによって、機能性粉体1の紫外線照射側の略半分を覆うバインダ2に光触媒の触媒作用を及ぼすようにする。すなわち、バインダ2を通して機能性粉体1の光触媒に紫外線を照射することによって光触媒が活性化されることになり、光触媒の触媒作用により機能性粉体1の表面を覆うバインダ2が空気中の酸素と反応して酸化分解して除去され、基材3の固着された機能性粉体1の上側略半分がバインダ2から露出するものである。紫外線照射は、基材3と機能性粉体1との間においてはバインダ2が酸化分解されず、機能性粉体1の上側略半分の表面を覆っているバインダ2のみを酸化分解して除去する程度の強さや時間を選定するものである。
【0055】
このようにして、機能性粉体1をバインダ2により基材3の表面に固着した後、機能性粉体1の表面を覆うバインダ2を紫外線と光触媒の触媒作用にて分解除去することによって、機能性粉体1の表面がバインダ2で覆われずに露出した状態で機能性粉体1が基材3に強固に固着した図1及び図6(c)に示すような機能性材料を形成することができるものである。
【0056】
尚、図5、6に示す実施の形態においては、プラズマ処理あるいは紫外線と光触媒の触媒作用にてバインダ2を分解除去しているが、これらの代わりに、例えば、酸化雰囲気中での加熱処理やエッチング処理等によりバインダ2を分解除去するようにしてもよい。
【0057】
図5、6に示す実施の形態において、−Si−O−Si−結合鎖成分2aと有機成分2bとを有するバインダ2を用いるのが好ましい(請求項7)。このようなバインダ2としては、アルコキシシランを含む樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、シリコーン樹脂などを用いることができる。また、有機成分2bとしては上記と同様のアクリル系樹脂やウレタン系樹脂などを用いることができる。また、バインダ2中における−Si−O−Si−結合鎖成分2aの含有量は5〜50重量%とすることができるが、これに限定されるものではない。
【0058】
上記のように−Si−O−Si−結合鎖成分2aと有機成分2bとを有するバインダ2を用いる場合も図5、6と同様にして機能性材料を形成することができる。すなわち、まず、図7(a)に示すように、上記の機能性粉体1をバインダ2により基材3の片面に固着する。機能性粉体1をバインダ2により基材3の片面に固着するにあたっては図5、6の場合と同様にして行うことができるが、硬化後のバインダ2には、有機成分2bの硬化部分に−Si−O−Si−結合鎖成分2aの硬化部分が点在して−Si−O−Si−結合鎖成分2aで有機成分2bが結合された状態となり、しかも、複数の−Si−O−Si−結合鎖成分2aの硬化部分で機能性粉体1が囲まれた状態となっている。
【0059】
上記のように機能性粉体1をバインダ2により基材3の表面に固着した後、図5、6と同様にしてプラズマ照射や紫外線照射を行い、固着した機能性粉体1の上側略半分をバインダ2から露出させるようにバインダ2を除去する処理を施すが、硬化したバインダ2中の有機成分2bは−Si−O−Si−結合鎖成分2aよりも分解されやすいので、硬化したバインダ2中の有機成分2bが優先的に除去され、図7(b)に示すように、−Si−O−Si−結合鎖成分2aのみが機能性粉体1の上側略半分の表面に残ることになる。尚、プラズマ照射や紫外線照射は、−Si−O−Si−結合鎖成分2aが除去されない条件で行うようにする。この他は図5、6と同様にして機能性材料を形成することができる。
【0060】
そして、この実施の形態の機能性材料では、機能性粉体1をバインダ2により基材3の表面に固着した後、機能性粉体1の表面を覆うバインダ2の有機成分2bをプラズマ処理や紫外線と光触媒の触媒作用にて分解除去することによって、有機成分2bが存在していた部分に孔13があき、この孔13から機能性粉体1の活性な表面が露出して機能性粉体1の機能が効果的に発揮させることができるものであり、しかも、この機能性材料では機能性粉体1の表面に−Si−O−Si−結合鎖成分2aが残存しているために、機能性粉体1を基材3により強固に固着することができるものである。
【0061】
図2〜7に示す実施の形態において、複数個の機能性粉体1を凝集して凝集粒子5を形成し、複数個の凝集粒子5の一部をバインダ2に埋設すると共に凝集粒子5の他の一部をバインダ2から露出させて凝集粒子5をバインダ2により基材3に固着するようにしてもよい(請求項8)。この場合、機能性粉体1としては、例えば、平均粒径が0.1〜0.5μm程度のゼオライトなどを用い、複数個の機能性粉体1を吸湿させたり、複数個の機能性粉体1を水に分散させた後スプレードライヤで顆粒になるように乾燥したり、複数個の機能性粉体1を仮焼したりする方法で機能性粉体1を凝集させ、平均粒径が1〜5μmの凝集粒子5を形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0062】
このような凝集粒子5は図2〜7の機能性粉体1とほぼ同等に扱うことができ、図2〜7の実施の形態と同様にして凝集粒子5を基材3の表面にバインダ2により固着して図8(b)に示すような機能性材料を形成することができる。また、バインダ2を基材3に塗布した際の厚みが1〜2μm程度になるように、バインダ2の濃度や粘度を調整し、機能性粉体1の凝集状態が保持されるようにして凝集粒子5とバインダ2と薄め液を混合して混合液を調製し、この混合液を上記と同様にして基材3の表面に塗布した後、バインダ2を硬化させるようにして凝集粒子5を基材3の表面にバインダ2により固着してもよい。この場合、凝集粒子5の粒子サイズが基材3上のバインダ2の厚みよりも大きいので、凝集粒子5の一部の機能性粉体1がバインダ2に被覆されずに露出し、機能性粉体1の機能が十分に発揮されるものである。また、図1に示す機能性材料に比べて、バインダ2で覆われないで突出する機能性粉体1の量を多くすることができ、機能性材料の脱臭性能等を高くすることができるものである。尚、この実施の形態においては、凝集粒子5のみを用いて機能性材料を形成してもよいし、凝集粒子5と凝集されていない機能性粉体1とを併用して機能性材料を形成してもよい。
【0063】
また、複数個の機能性粉体1を凝集して凝集粒子5を形成する場合、吸着作用を有する機能性粉体1aを凝集させた吸着性粒子8の表面の少なくとも一部に触媒作用を有する機能性粉体1bを付着させるようにしてもよい(請求項9)。この場合、吸着作用を有する機能性粉体1aとしては、例えば、平均粒径が0.1〜0.5μm程度のゼオライトなどを用い、複数個の機能性粉体1aを吸湿させたり、複数個の機能性粉体1aを水に分散させた後スプレードライヤで顆粒になるように乾燥したり、複数個の機能性粉体1aを仮焼したりする方法で機能性粉体1aを凝集させ、平均粒径が1〜5μmの吸着性粒子8を形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0064】
また、触媒作用を有する機能性粉体1bとしては、例えば、平均粒径が0.01μm程度の酸化チタンや白金などを用いることができるが、これに限定されるものではない。そして、触媒作用を有する機能性粉体1bを分散させた懸濁液に上記の吸着性粒子8を浸漬し、この後、吸着性粒子8を引き上げて乾燥することによって、図9(a)に示すように、吸着性粒子8の表面の少なくとも一部に触媒作用を有する機能性粉体1bが付着した凝集粒子5を形成することができる。
【0065】
このような凝集粒子5は図2〜7の機能性粉体1とほぼ同等に扱うことができ、図2〜7の実施の形態と同様にして凝集粒子5を基材3の表面にバインダ2により固着して図9(b)に示すような機能性材料を形成することができる。また、バインダ2を基材3に塗布した際の厚みが1〜2μm程度になるように、バインダ2の濃度や粘度を調整し、機能性粉体1の凝集状態が保持されるようにして凝集粒子5とバインダ2と薄め液を混合して混合液を調製し、この混合液を上記と同様にして基材3の表面に塗布した後、バインダ2を硬化させるようにして凝集粒子5を基材3の表面にバインダ2により固着して図9(b)に示すような機能性材料を形成することができる。この場合、凝集粒子5の粒子サイズが基材3上のバインダ2の厚みよりも大きいので、凝集粒子5の一部の機能性粉体1がバインダ2に被覆されずに露出し、機能性粉体1の機能が十分に発揮されるものである。また、図1に示す機能性材料に比べて、バインダ2で覆われないで突出する機能性粉体1の量を多くすることができ、機能性材料の脱臭性能等を高くすることができるものである。尚、この実施の形態においては、凝集粒子5のみを用いて機能性材料を形成してもよいし、凝集粒子5と凝集されていない機能性粉体1とを併用して機能性材料を形成してもよい。
【0066】
また、複数個の機能性粉体1を凝集して凝集粒子5を形成する場合、上記と同様の機能性粉体1を核材(骨材)6の表面に付着させるようにしてもよい(請求項10)。この場合、核材6としてはタルクや酸化カルシウムなどの機能性粉体1よりも安価な材料のものを用いるのが好ましく、これにより、図10(a)に示すように、脱臭機能等を発揮する機能性粉体1で凝集粒子5の表面を形成すると共に凝集粒子5の内部は安価な材料の核材6で形成することができ、図8(a)に示すような機能性粉体1のみで形成した凝集粒子5とほぼ同性能でありながら安価な凝集粒子5とすることができ、機能性材料を安価に形成することができるものである。
【0067】
このような凝集粒子5は図2〜7の機能性粉体1とほぼ同等に扱うことができ、図2〜7の実施の形態と同様にして凝集粒子5を基材3の表面にバインダ2により固着して図10(b)に示すような機能性材料を形成することができる。また、バインダ2を基材3に塗布した際の厚みが1〜2μm程度になるように、バインダ2の濃度や粘度を調整し、機能性粉体1の凝集状態が保持されるようにして凝集粒子5とバインダ2と薄め液を混合して混合液を調製し、この混合液を上記と同様にして基材3の表面に塗布した後、バインダ2を硬化させるようにして凝集粒子5を基材3の表面にバインダ2により固着して図10(b)に示すような機能性材料を形成することができる。この場合、凝集粒子5の粒子サイズが基材3上のバインダ2の厚みよりも大きいので、凝集粒子5の一部の機能性粉体1がバインダ2に被覆されずに露出し、機能性粉体1の機能が十分に発揮されるものである。また、図1に示す機能性材料に比べて、バインダ2で覆われないで突出する機能性粉体1の量を多くすることができ、機能性材料の脱臭性能等を高くすることができるものである。尚、この実施の形態においては、凝集粒子5のみを用いて機能性材料を形成してもよいし、凝集粒子5と凝集されていない機能性粉体1とを併用して機能性材料を形成してもよい。
【0068】
また、複数個の機能性粉体1を凝集して凝集粒子5を形成する場合、凝集粒子5の内部に空隙部7を形成しても良い(請求項11)。空隙部7を有する凝集粒子5を形成するには、まず、ワックスや樹脂などの有機成分を結合材料(バインダ)として上記と同様の複数個(多数個)の機能性粉体1を凝集する。次に、ワックスや樹脂などの有機成分が分解又は蒸発する温度(例えば、500℃)に加熱して有機成分を除去すると共に隣接する機能性粉体1同士が接触点のみで結合する温度(例えば、700℃)まで加熱して仮焼することによって、図11(a)に示すような凝集粒子5を形成することができる。このようにして形成される凝集粒子5は有機成分を除去するので、有機成分が抜けた部分が空隙部7となるものである。そして、この凝集粒子5はその表面で臭気成分を吸着したり分解したりするだけでなく、内部の空隙部7にまで臭気成分が侵入して吸着したり分解したりすることができ、図8(a)に示すような空隙部7がない凝集粒子5に比べて脱臭性能が高い凝集粒子5とすることができ、機能性材料の性能を向上させることができるものである。
【0069】
このような凝集粒子5は図2〜7の機能性粉体1とほぼ同等に扱うことができ、図2〜7の実施の形態と同様にして凝集粒子5を基材3の表面にバインダ2により固着して図11(b)に示すような機能性材料を形成することができる。また、バインダ2を基材3に塗布した際の厚みが1〜2μm程度になるように、バインダ2の濃度や粘度を調整し、機能性粉体1の凝集状態が保持されるようにして凝集粒子5とバインダ2と薄め液を混合して混合液を調製し、この混合液を上記と同様にして基材3の表面に塗布した後、バインダ2を硬化させるようにして凝集粒子5を基材3の表面にバインダ2により固着して図11(b)に示すような機能性材料を形成することができる。この場合、凝集粒子5の粒子サイズが基材3上のバインダ2の厚みよりも大きいので、凝集粒子5の一部の機能性粉体1がバインダ2に被覆されずに露出し、機能性粉体1の機能が十分に発揮されるものである。また、図1に示す機能性材料に比べて、バインダ2で覆われないで突出する機能性粉体1の量を多くすることができ、機能性材料の脱臭性能等を高くすることができるものである。尚、この実施の形態においては、凝集粒子5のみを用いて機能性材料を形成してもよいし、凝集粒子5と凝集されていない機能性粉体1とを併用して機能性材料を形成してもよい。
【0070】
また、複数個の機能性粉体1を凝集して凝集粒子5を形成する場合、凝集粒子5を針状または鱗片状に形成しても良い(請求項12)。鱗片状の凝集粒子5を形成するには、まず、水などの溶媒に上記と同様の複数個(多数個)の機能性粉体1を分散させたスラリーを、平滑な板あるいはフィルムに塗布して乾燥させる。この時、乾燥を急激に行う(比較的速くする)ことで、スラリー中の機能性粉体1からなる塗膜の表面が先に乾燥して収縮し、この塗膜にひび割れと反りが生じる。そして、この塗膜を平滑な板やフィルムから剥離することにより、図12(a)に示すような鱗片状の凝集粒子5を得ることができる。この凝集粒子5は針状又は鱗片状に形成されているために、図8(a)に示すような顆粒状の凝集粒子5に比べて、表面積を大きくすることができ、脱臭性能が高い凝集粒子5とすることができ、機能性材料の性能を向上させることができるものである。
【0071】
このような凝集粒子5は図2〜7の機能性粉体1とほぼ同等に扱うことができ、図2〜7の実施の形態と同様にして凝集粒子5を基材3の表面にバインダ2により固着して図12(b)に示すような機能性材料を形成することができる。また、バインダ2を基材3に塗布した際の厚みが1〜2μm程度になるように、バインダ2の濃度や粘度を調整し、機能性粉体1の凝集状態が保持されるようにして凝集粒子5とバインダ2と薄め液を混合して混合液を調製し、この混合液を上記と同様にして基材3の表面に塗布した後、バインダ2を硬化させるようにして凝集粒子5を基材3の表面にバインダ2により固着して図12(b)に示すような機能性材料を形成することができる。この場合、凝集粒子5の粒子サイズが基材3上のバインダ2の厚みよりも大きいので、凝集粒子5の一部の機能性粉体1がバインダ2に被覆されずに露出し、機能性粉体1の機能が十分に発揮されるものである。また、図1に示す機能性材料に比べて、バインダ2で覆われないで突出する機能性粉体1の量を多くすることができ、しかも、図8〜図11に示す凝集粒子5に比べてバインダ2から突出する部分を大きくすることができ、機能性材料の脱臭性能等を高くすることができるものである。尚、この実施の形態においては、凝集粒子5のみを用いて機能性材料を形成してもよいし、凝集粒子5と凝集されていない機能性粉体1とを併用して機能性材料を形成してもよい。
【0072】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、触媒作用と吸着作用の少なくとも一方を有する機能性粉体をバインダにより基材に固着した機能性材料において、機能性粉体の一部をバインダに埋設すると共に機能性粉体の他の一部をバインダから露出させるので、機能性粉体の一部をバインダから露出させることによって、機能性粉体に臭気成分が接触しやすくなって機能性材料の脱臭性能等の機能を高くすることができるものであり、また、機能性粉体の一部をバインダに埋設することによって、基材に機能性粉体を強固に固着することができ、基材からの機能性粉体の脱落が発生しにくくなるものである。
【0073】
本発明の請求項2の発明は、請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、バインダから露出させる機能性粉体の一部の表面とバインダとの親和性及び接着性を低下させる処理を施すので、機能性粉体の処理していない部分とバインダとが強固に接着すると共にその他の部分にはバインダがほとんど付着せずに機能性粉体の表面がバインダで覆われないようにすることができ、機能性粉体の機能を損なうことなく強固に基材に機能性粉体を固着することができるものである。
【0074】
本発明の請求項3の発明は、請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、バインダに埋設する機能性粉体の一部の表面とバインダとの親和性及び接着性を向上させる処理を施すので、機能性粉体の処理した部分とバインダとが強固に接着すると共にその他の部分にはバインダがほとんど付着せずに機能性粉体の表面がバインダで覆われないようにすることができ、機能性粉体の機能を損なうことなく強固に基材に機能性粉体を固着することができるものである。
【0075】
本発明の請求項4の発明は、請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、バインダとの親和性及び接着性を向上させるために機能性粉体の全表面にカップリング剤の皮膜を形成し、バインダから露出させる機能性粉体の一部の表面に形成されたカップリング剤の皮膜を除去する処理を施すので、機能性粉体の被膜で覆われた部分とバインダとが強固に接着すると共に機能性粉体の被膜で覆われていない部分にはバインダがほとんど付着せずに機能性粉体の表面がバインダで覆われないようにすることができ、機能性粉体の機能を損なうことなく強固に基材に機能性粉体を固着することができるものである。
【0076】
本発明の請求項5の発明は、請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、機能性粉体の全体をバインダに埋設して基材に固着した後、機能性粉体の一部をバインダから露出させるようにバインダを除去するので、機能性粉体の一部をバインダから露出させることによって、機能性粉体に臭気成分が接触しやすくなって機能性材料の脱臭性能等の機能を高くすることができるものであり、また、機能性粉体の一部をバインダに埋設することによって、基材に機能性粉体を強固に固着することができ、基材からの機能性粉体の脱落が発生しにくくなるものである。
【0077】
本発明の請求項6の発明は、請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、機能性粉体の少なくとも一つとして光触媒を用い、機能性粉体の全体をバインダに埋設して基材に固着した後、上記光触媒が活性化する光を照射して機能性粉体の表面を覆っているバインダの一部を光触媒作用で分解除去するので、機能性粉体の一部をバインダから露出させることによって、機能性粉体に臭気成分が接触しやすくなって機能性材料の脱臭性能等の機能を高くすることができるものであり、また、機能性粉体の一部をバインダに埋設することによって、基材に機能性粉体を強固に固着することができ、基材からの機能性粉体の脱落が発生しにくくなるものである。
【0078】
本発明の請求項7の発明は、−Si−O−Si−結合鎖成分と有機成分とを有するバインダを用い、機能性粉体の全体をバインダに埋設して基材に固着した後、機能性粉体を覆っているバインダの有機成分を分解除去するので、機能性粉体の一部をバインダから露出させることによって、機能性粉体に臭気成分が接触しやすくなって機能性材料の脱臭性能等の機能を高くすることができるものであり、また、機能性粉体の一部をバインダに埋設すると共に−Si−O−Si−結合鎖成分で機能性粉体を部分的に覆うことによって、基材に機能性粉体をより強固に固着することができ、基材からの機能性粉体の脱落が発生しにくくなるものである。
【0079】
本発明の請求項8の発明は、複数個の機能性粉体を凝集して凝集粒子を形成し、凝集粒子の一部をバインダに埋設すると共に凝集粒子の他の一部をバインダから露出させて凝集粒子をバインダにより基材に固着するので、バインダで覆われないで突出する機能性粉体の量を多くすることができ、脱臭性能等の機能を高くすることができるものである。
【0080】
本発明の請求項9の発明は、吸着作用を有する機能性粉体を凝集させた吸着性粒子の表面の少なくとも一部に触媒作用を有する機能性粉体を付着させた凝集粒子を用いるので、バインダで覆われないで突出する機能性粉体の量を多くすることができ、脱臭性能等の機能を高くすることができるものである。
【0081】
本発明の請求項10の発明は、触媒作用と吸着作用の少なくとも一方を有する機能性粉体を核材の表面に付着させて凝集した凝集粒子を用いるので、凝集粒子の内部を安価な材料の核材で形成することによって、機能性粉体のみで形成した凝集粒子とほぼ同性能でありながら安価な凝集粒子とすることができ、機能性材料を安価に形成することができるものである。
【0082】
本発明の請求項11の発明は、内部に空隙部を有する凝集粒子を用いるので、凝集粒子はその表面で臭気成分を吸着したり分解したりするだけでなく、内部の空隙部にまで臭気成分が侵入して吸着したり分解したりすることができ、空隙部がない凝集粒子に比べて脱臭性能が高い凝集粒子とすることができ、機能性材料の性能を向上させることができるものである。
【0083】
本発明の請求項12の発明は、針状または鱗片状に凝集した凝集粒子を用いるので、顆粒状の凝集粒子に比べて、表面積を大きくすることができ、脱臭性能が高い凝集粒子とすることができ、機能性材料の性能を向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能性材料の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の機能性材料の製造方法の実施の形態の一例を示し、(a)乃至(c)は概略の説明図である。
【図3】本発明の機能性材料の製造方法の実施の形態の他例を示し、(a)乃至(c)は概略の説明図である。
【図4】本発明の機能性材料の製造方法の実施の形態の他例を示し、(a)乃至(e)は概略の説明図である。
【図5】本発明の機能性材料の製造方法の実施の形態の他例を示し、(a)乃至(c)は概略の説明図である。
【図6】本発明の機能性材料の製造方法の実施の形態の他例を示し、(a)乃至(c)は概略の説明図である。
【図7】本発明の機能性材料の製造方法の実施の形態の他例を示し、(a)(c)は概略の説明図、(b)は(a)のA部分を拡大した断面図である。
【図8】本発明の機能性材料の製造方法の実施の形態の他例を示し、(a)(b)は概略の説明図である。
【図9】本発明の機能性材料の製造方法の実施の形態の他例を示し、(a)(b)は概略の説明図である。
【図10】本発明の機能性材料の製造方法の実施の形態の他例を示し、(a)(b)は概略の説明図である。
【図11】本発明の機能性材料の製造方法の実施の形態の他例を示し、(a)(b)は概略の説明図である。
【図12】本発明の機能性材料の製造方法の実施の形態の他例を示し、(a)(b)は概略の説明図である。
【図13】従来例を示し、(a)(b)は概略の説明図である。
【図14】他の従来例を示す概略の断面図である。
【符号の説明】
1 機能性粉体
1a 吸着作用を有する機能性粉体
1b 触媒作用を有する機能性粉体
2 バインダ
2a −Si−O−Si−結合鎖成分
2b 有機成分
3 基材
4 皮膜
5 凝集粒子
6 核材
7 空隙部
8 吸着性粒子

Claims (12)

  1. 触媒作用と吸着作用の少なくとも一方を有する機能性粉体をバインダにより基材に固着した機能性材料において、機能性粉体の一部をバインダに埋設すると共に機能性粉体の他の一部をバインダから露出させて成ることを特徴とする機能性材料。
  2. 請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、バインダから露出させる機能性粉体の一部の表面とバインダとの親和性及び接着性を低下させる処理を施すことを特徴とする機能性材料の製造方法。
  3. 請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、バインダに埋設する機能性粉体の一部の表面とバインダとの親和性及び接着性を向上させる処理を施すことを特徴とする機能性材料の製造方法。
  4. 請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、バインダとの親和性及び接着性を向上させるために機能性粉体の全表面にカップリング剤の皮膜を形成し、バインダから露出させる機能性粉体の一部の表面に形成されたカップリング剤の皮膜を除去する処理を施すことを特徴とする機能性材料の製造方法。
  5. 請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、機能性粉体の全体をバインダに埋設して基材に固着した後、機能性粉体の一部をバインダから露出させるようにバインダを除去することを特徴とする機能性材料の製造方法。
  6. 請求項1に記載の機能性材料を製造するにあたって、機能性粉体の少なくとも一つとして光触媒を用い、機能性粉体の全体をバインダに埋設して基材に固着した後、上記光触媒が活性化する光を照射して機能性粉体の表面を覆っているバインダの一部を光触媒作用で分解除去することを特徴とする機能性材料の製造方法。
  7. −Si−O−Si−結合鎖成分と有機成分とを有するバインダを用い、機能性粉体の全体をバインダに埋設して基材に固着した後、機能性粉体を覆っているバインダの有機成分を分解除去することを特徴とする請求項5又は6に記載の機能性材料の製造方法。
  8. 複数個の機能性粉体を凝集して凝集粒子を形成し、凝集粒子の一部をバインダに埋設すると共に凝集粒子の他の一部をバインダから露出させて凝集粒子をバインダにより基材に固着することを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の機能性材料の製造方法。
  9. 吸着作用を有する機能性粉体を凝集させた吸着性粒子の表面の少なくとも一部に触媒作用を有する機能性粉体を付着させた凝集粒子を用いることを特徴とする請求項8に記載の機能性材料の製造方法。
  10. 触媒作用と吸着作用の少なくとも一方を有する機能性粉体を核材の表面に付着させて凝集した凝集粒子を用いることを特徴とする請求項8に記載の機能性材料の製造方法。
  11. 内部に空隙部を有する凝集粒子を用いることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の機能性材料の製造方法。
  12. 針状または鱗片状に凝集した凝集粒子を用いることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の機能性材料の製造方法。
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