JP3136893B2 - 四輪駆動式移動車輌の前輪回転駆動制御装置 - Google Patents

四輪駆動式移動車輌の前輪回転駆動制御装置

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JP3136893B2
JP3136893B2 JP06065046A JP6504694A JP3136893B2 JP 3136893 B2 JP3136893 B2 JP 3136893B2 JP 06065046 A JP06065046 A JP 06065046A JP 6504694 A JP6504694 A JP 6504694A JP 3136893 B2 JP3136893 B2 JP 3136893B2
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文顕 西川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、四輪駆動式移動車輌
の前輪回転駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術としては、四輪駆動車の旋回時
に前車輪の駆動を切って後二輪で旋回を行なう旋回時二
輪駆動のものや、この旋回時に前車輪の平均周速を後車
輪に対して約二倍程度に増速して旋回を行なう旋回時前
輪増速四輪駆動のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のもの
は、最初に設定した標準的な作動順序に合わせて機械的
に制御を行なうだけであって、地面状態が変化し制御動
作に無理が生じても無視して最初の設定での制御作動を
行なっていた。このような従来のものは、一定条件の続
く標準的な状態の地面上を走行する場合は問題無いが、
泥濘地や凹凸路面が入り混じった場所で直進走行や旋回
走行を行なうと、走行性能が悪化したり走行できない場
合が生じる。
【0004】即ち、旋回時に単純に後二輪駆動に切り換
えると、泥濘地であって後輪の一方がスリップすると、
後輪の中間中央部のデファレンシャル装置の働きにより
車体が前進できなくなったり、凹凸路面で旋回時点が下
り坂部になって後輪がスリップすると、車体の重量を支
えるのが後輪だけと成りエンジンブレーキが作用せずに
車体が低地側に暴走する等の恐れが生じる。
【0005】
【発明が解決するための手段】この発明は、従来装置
の、このような課題を解消しようとするものであって、
次のような技術的手段を講じた。即ち、「後輪二駆状態
C」と「前後四輪駆動状態H」と「前輪増速四駆状態
D」とに切換可能な直結クラッチ7と増速クラッチ8を
有する移動車輌であって、該車輌には前後輪の回転数を
検出する後軸回転センサー9及び前軸回転センサー10
と、前記前車輪の操舵角を検出する操舵角センサー11
とを設けると共に操舵角センサー11が所定以上の
操舵角度αを検出すると、一旦「後輪二駆状態C」に切
り換わった後に前記後軸回転センサー9と前軸回転セン
サー10の検出値から車両のスリップ状態を判定し、こ
のスリップ状態により車両を「後輪二駆状態C」、「前
後四輪駆動状態H」、若しくは「前輪増速四駆状態D」
に切り換える制御部13を設けたことを特徴とした四輪
駆動式移動車輌の前輪回転駆動制御装置とした。また、
前記請求項1に記載の「前輪増速四駆状態D」は、機体
端部に上下昇降自在に取り付けた作業機が上げ位置であ
る場合に切替可能とする四輪駆動式移動車輌の前輪回転
駆動制御装置とした。
【0006】
【実施例】以下に、図面を参照して、この発明の実施例
をくわしく説明する。図例は農用トラクター14であっ
て、この農用トラクター14の前車輪4,4駆動部に、
この発明を折り込んだものである。農用トラクター14
である前後四輪駆動式の移動車両は、機体の前後四隅部
に前後車輪4,4、3,3を取付けており、エンジン1
の動力を利用して駆動している。
【0007】前後車輪4,4、3,3は、夫れ夫れ前後
の車軸ケース15,16に連結されて外側に突設し、そ
の基端部を前フレーム17や主フレームであるギヤーケ
ース18等に取付けられる。前フレーム17の後端は主
フレーム側に一体に組み付けられた機枠となっており、
この機枠である前フレーム17の前方部にエンジン1が
着脱自在に取付けられている。
【0008】前車軸ケース15の左右方向中央部は、前
フレーム17に対し左右揺動自在に軸着19され、地面
の凹凸により前車輪4,4が上下動する。この前車軸ケ
ース15の左右方向中央部には、前部デファレンシャル
装置20を内装しており、後述する伝動ケース21から
外部に突出する前駆動軸6を介して入力している。
【0009】22はラジエター、23は冷却ファンであ
って、エンジン1の前方に配設される。12はエンジン
回転センサーであって、図例では冷却ファン23近傍に
設けられてエンジン1の回転数を測定して制御部である
CPU13に伝えているが、エンジン1と比例的に回転
していれば、クランク軸(図示省略)や他の回転部の回
転を検出しても良い。
【0010】24はボンネットであって、エンジン1や
補器類(図示省略)の前方や側方を覆っている。26は
クラッチハウジングであって、内部に主クラッチ27を
内装しておりエンジン1の後部に取付けられ、後部の伝
動ケース21部に駆動力を伝達している28はハンド
ル、29はハンドルポストであって、ハンドルポスト2
9の下端部は機枠に取付けられ、図示しないがハンドル
28を左右回転すると、前車輪4,4が左右に舵取り揺
動する。
【0011】この前車輪4,4の左右操舵角度を舵角セ
ンサー11で読み取ってCPU13に伝えている。左右
の後車輪3,3の前方から上方にかけてフェンダー3
0,30が取り付けられ、この左右フェンダー30,3
0間に座席31が設けられる。左右の後車輪3,3は後
車軸ケース16で左右連結され、左右中間部に後部デフ
ァレンシャル装置25を設けている。
【0012】後部デファレンシャル装置25を内装する
ギヤーケース18は、前述の伝動ケース21の後部に取
付けられ、伝動ケース21はクラッチハウジング26の
後端部に一体に連結されている。座席31下部の運転者
足元部からハンドルポスト29下部の両側方にかけて、
略平板状のフロア32を取付けている。
【0013】フロア32は、略左右方向平板状でその外
幅は左右のフェンダー30,30の外縁部近傍まで、即
ち、機体全幅に近い広さとしている。エンジン1から主
クラッチ27を経た駆動力は、伝動ケース21の前部か
ら入力する。入力した駆動力は、詳細は図示省略するが
前後進の変速を行なうリバーサー装置33や主変速装置
34や副変速装置35等の、一部または全部から成る変
速機構2を経て後部デファレンシャル装置25に達する
走行車輪駆動系と、伝動ケース21の入り口部で伝動分
岐した外部動力取出であるPTO駆動系36との二系統
に分かれる。
【0014】37はPTO軸であって、ギヤーケース1
8から後方に突出し、この突出部に各種の作業機(図示
省略)への入力軸を着脱自在とする。後部デファレンシ
ャル装置25から左右に出力軸75,75を突出し、こ
の出力軸75中間部に左右のブレーキ76,76を備え
た伝動経路後位に左右の後車輪3,3を取り付けてい
る。
【0015】この左右の後車輪3,3は、図示しないが
独立した左右のブレーキペタルにより夫れ夫れ別個にま
たは同時に制動される。変速機構2から出力し後部デフ
ァレンシャル装置25に入力する間の駆動軸ならどこで
も良いが、この駆動軸である後車輪駆動回転軸5部の駆
動力を出力ギヤー38、カウンターギヤー39を経て主
ギヤー40に伝達する。
【0016】主ギヤー40は、第一クラッチボス41の
スプライン部に係合しており、ボスと一体回転する。ま
た、このスプライン部に係合して別の副ギヤー42が取
付けられ、主副ギヤー40,42は同時回転する。これ
らは図例で二枚のギヤーとしているが、歯数が問題無け
れば主副ギヤー40,42は一枚としても良い。
【0017】副ギヤー42には、カウンター入口ギヤー
43が常時噛み合っており、連結駆動軸44で連結され
たカウンター出口ギヤー45も一体回転可能としてい
る。カウンター出口ギヤー45は第二クラッチギヤー4
6と常時噛み合っており、この第二クラッチギヤー46
と一体の第二クラッチボス47まで同時回転可能として
いる。
【0018】言葉を換えると、主ギヤー40が回転する
と、前駆動クラッチ軸48上に対向して回転自由に設け
た第一クラッチボス41と第二クラッチボス47は同時
に回転し、主ギヤー40が停止すると第一、第二クラッ
チボス41,47は同時に停止する。副ギヤー42によ
りカウンター入口ギヤー43が増速され、さらに、カウ
ンター出口ギヤー45により第二クラッチギヤー46が
増速されており、第一クラッチボス41が一回転する時
第二クラッチボス47は略々二回転する。
【0019】この第一、第二クラッチボス41,47間
には、第一ピストン49と第二ピストン50が配設され
ると共に、複数の摩擦板51,51を内装した駆動ドラ
ム52で外周を覆われている。駆動ドラム52は、仕切
壁53で前後に仕切られており、後部の第一クラッチボ
ス41と摩擦板51と第一ピストン49で直結クラッチ
7を構成し、前部の第二クラッチボス47と摩擦板51
と第二ピストン50で増速クラッチ8を構成している。
【0020】駆動ドラム52は、前駆動クラッチ軸48
のスプライン部に一体に組み付けられている。伝動ケー
ス21内には潤滑油54が保持され、各伝動歯車や軸類
を潤滑している。この潤滑油54の一部をオイルポンプ
55で吸引し加圧すると共に、油路切替弁58を介して
前述の直結クラッチ7の第一ピストン49と仕切壁53
間の第一油室56部、または、増速クラッチ8の第二ピ
ストン50と仕切壁53間の第二油室57部、のいずれ
か一方に供給する。
【0021】図2の油路切替弁58は中立状態を示して
おり、この中立状態では直結クラッチ7と増速クラッチ
8は共にOFF状態になっている。次に第一ソレノイド
59に通電すると油路切替弁58は弁58a部に切り替
わって高圧油が第一油室56に流入し、直結クラッチ7
が繋がって後車輪駆動回転軸5の回転を前駆動クラッチ
軸48に伝える。
【0022】第二ソレノイド60に通電すると油路切替
弁58は弁58b部に切り替わって高圧油が第二油室5
7に流入し、増速クラッチ8が繋がって後車輪駆動回転
軸5の回転を略々二倍として前駆動クラッチ軸48に伝
える。この前駆動クラッチ軸48に入力した後車輪駆動
回転軸5の回転は、前述した前駆動軸6に連動連結され
ており、前部デファレンシャル装置20を経て前車輪
4,4を駆動する。
【0023】このように、直結クラッチ7がONで増速
クラッチ8がOFFの場合の前駆動軸6の回転は略等速
で駆動される「前後四輪駆動状態H」であり、直結クラ
ッチ7がOFFで増速クラッチ8がONの場合の前駆動
軸6の回転は略二倍の速度で駆動される「前輪増速四駆
状態D」であり、両クラッチ7,8がOFF状態の時の
前駆動軸6は単に転輪状態となり駆動されない「後輪二
駆状態C」となっている。(転輪状態とは前車輪4が、
機体が移動すれば引かれて回転し、機体停止時は止まっ
ていることである。)61はドレン油路であって、油路
切替弁58が切り替わると連携した油路内の圧油を、伝
動ケース21に逃がす。
【0024】図例では、伝動ケース21を油溜りとして
使用しているが、別体のオイルタンクを専用に設けても
良い。カウンター出口ギヤー45近傍には後軸回転セン
サー9が配設され、駆動ドラム52近傍には前軸回転セ
ンサー10が配設されて、夫れ夫れの回転部の回転数を
読み取って制御部であるCPU13に伝えている。
【0025】この発明の農用トラクター14は、先ず、
後車輪3のみを駆動する「後輪二駆状態C」で走行し、
この走行中にハンドル28の操舵角度を舵角センサー1
1で検知し、設定角度を超えた操舵を行なうと「旋回制
御F」での制御を行ない、設定角度を超えないと「直進
制御G」での制御を、後述する「制御手段I」の制御指
令に基づいて行なっている。
【0026】この制御について、図5で示すフローチャ
ートに従って説明する。制御装置が作動すると、先ず初
期設定として第一ソレノイド59と第二ソレノイド60
がOFFとなって、前車輪4,4への駆動力が切られ後
車輪3,3のみでの走行である「後輪二駆状態C」での
走行を開始し、さらに、各種データが読み込まれてい
く。
【0027】先ず、前方に向かって「後輪二駆状態C」
で走行中の農用トラクター14がハンドル28を操舵
し、前車輪4,4の操舵角が舵角センサー11により設
定角度「α」(仮に5度とする。)を超すと判断される
と、サブルーチンである「旋回制御F」の作動を「制御
手段I」の指令に基づいて処理し、前車輪4,4の操舵
角が舵角センサー11により設定角度「α」以下と判断
されると別のサブルーチンである「直進制御G」の作動
を「制御手段I」の指令に基づいて処理する。
【0028】サブルーチンである「旋回制御F」での制
御は、さらに図6フローチャートで示すように、条件の
全てを満足すると大操舵角度での「フルターン制御」の
制御を行ない、条件の一部が否定されると小操舵角度で
の「小舵角旋回制御」へと制御が換わる。図6に従って
詳述すると、「旋回制御F」がスタートすると、先ず初
期設定として後述する「直進制御G」でのデータを初期
化、即ち、第一ソレノイド59と第二ソレノイド60を
OFFとし、前車輪4,4への駆動力が切られた「後輪
二駆状態C」での走行を開始する。
【0029】手動でON;OFFする増速旋回スイッチ
64がONとなっているかどうか判断しONの場合は、
後軸回転センサー9により読み取った後車輪3,3の左
右平均した車速が設定車速「V」(4Km/H程度)に
達していないかどうか判断し、設定車速「V」に達せ
ず、しかも、操舵角センサー11で読み取った前車輪
4,4の操舵角がγ(直進状態から片側に略40度)を
超え、農用トラクター14の機体端部に上下昇降自在に
取り付けた作業機(図示せず)の昇降位置を操作するポ
ジションレバー66が上げ操作をされている場合、「前
輪増速四駆状態D」で走行することがある「フルターン
制御」を作動させる。
【0030】次に、前述した、増速旋回スイッチ64が
OFFの場合と、後車輪3,3の左右平均した車速が設
定車速「V」を超した場合と、前車輪4,4の操舵角が
γに達しない場合と、作業機の昇降位置を操作するポジ
ションレバー66が下げ位置操作を保っている場合の、
全てもしくは何れかの条件を満たしている場合には、
「小舵角旋回制御」を作動させる。
【0031】このように、ここでは後軸回転センサー9
により車速を検出し、車速が低速度のときには「前輪増
速四駆状態D」を作動して、農用トラクター14の旋回
時の機体前部の移動速度が早くなることを認め、車速が
高速度のときには「前輪増速四駆状態D」を作動する
と、農用トラクター14の旋回時の機体前部の移動速度
が早くなり過ぎて危険が増すから「前輪増速四駆状態
D」の指令を規制し、操舵角センサー11により前車輪
4の操舵角を検出して、操舵角度が片側に略40度を超
さないときは「前輪増速四駆状態D」の指令を規制して
いる。
【0032】ここで、「フルターン制御」と「小舵角旋
回制御」について、簡単に説明する「フルターン制御」
は、図7で示すように、スタート時点で「後輪二駆状態
C」での旋回走行を開始した農用トラクター14におい
て、この「後輪二駆状態C」での前車輪4の後車輪3に
対するオーバラン率を、「検出機構E」で検出すること
により後車輪3の対地面駆動の効率を判断し、後車輪3
の対地面駆動の効率が良いときは「後輪二駆状態C」と
して旋回走行することにより圃場表面の傷みを少なくす
るものである。
【0033】ここで、「検出機構E」での検出について
述べると、先ず「前輪増速四駆状態D」や「前後四輪駆
動状態H」となっている制御指令を、制御部であるCP
U13内に設ける「制御手段I」により、「前輪増速四
駆状態D」や「前後四輪駆動状態H」を中止し「後輪二
駆状態C」に制御変更する。次に、「後輪二駆状態C」
として前後軸回転センサー10,9により前後車輪4,
3の回転周速を検出し制御部であるCPU13に伝達
し、CPU13内の各種データにより単なる直進状態で
の回転周速差からハンドル28の操舵角の変化に応じた
前後車輪の回転周速差までを検出し、例えば直進状態で
説明すると、前車輪4と後車輪3間が同じ速度で移動し
両者に回転周速差がなければ、駆動輪である後車輪3は
確実に地面に駆動力を伝達しておりスリップが0と判断
し、これに対し前車輪4が停止状態で後車輪3が回転し
ていればそれは後車輪3は対地スリップが100%と判
断し、また逆に、後車輪3の回転周速より前車輪4の回
転周速が速い場合は、後車輪3が制動中であるか、急な
下り坂において機体が後車輪3の駆動速度以上の速さで
暴走していると判断される。これらの判断に基づき、制
御部内の「制御手段I」によりその後の制御を決定し指
令する。
【0034】図例ではこの機体進行速度を前後軸の回転
から割り出しているが、前車輪4部と後車輪3部の対地
速度を、ドップラーセンサー式の速度計等で直接検出し
ても良い。また、「後輪二駆状態C」での前車輪4の後
車輪3に対するオーバラン率を「検出機構E」で検出し
たところ、後車輪3の対地面駆動の効率が悪いと判断さ
れたときは、一度フルターンフラグをONして「前輪増
速四駆状態D」での旋回作動を略1秒程度継続した後で
「後輪二駆状態C」での旋回に戻すと共に目印のカウン
トを一回加算する。
【0035】そして、この1秒程度の「前輪増速四駆状
態D」での旋回走行により泥濘地を脱出してしまえば、
農用トラクター14は「後輪二駆状態C」で旋回し、泥
濘地の脱出ができず再度後車輪3の対地面駆動の効率が
悪いと判断されたときは、再度フルターンフラグをON
して、「前輪増速四駆状態D」での旋回作動を再度略1
秒程度継続した後で「後輪二駆状態C」に戻すと共に目
印のカウントを再加算する。
【0036】この目印のカウント数が、仮りに設定した
3回を超えるまでは、「前輪増速四駆状態D」の制御指
令があっても短時間の「前輪増速四駆状態D」での旋回
として、「前輪増速四駆状態D」での旋回作動の可否
を、制御部であるCPU13で判断し制御変更を行な
う。「小舵角旋回制御」は、図8で示すように、「後輪
二駆状態C」で走行する農用トラクター14を、後車輪
3の対地面駆動の効率をスリップの有無で判断し、後車
輪3の対地面スリップがないときは「後輪二駆状態C」
として走行することにより圃場表面の傷みを少なくする
ものである。
【0037】また、「後輪二駆状態C」での後車輪3の
対地面駆動の効率をスリップの有無で判断するため「検
出機構E」でスリップを検出したところ、後車輪3のス
リップありと判断されたときは、一度4WDフラグをO
Nして「前後四輪駆動状態H」での走行とし、後述する
「スリップ制御」に制御変更する。「直進制御G」につ
いては、図10で示すように各種条件により、「スリッ
プ制御」または「ブレーキ制御」に制御が分かれてい
る。「直進制御G」は農用トラクター14のハンドル2
8の操舵角が「α」以下の時の制御であって、図10に
基づいて詳述すると、先ず、図9で示す「スリップ制
御」の制御作動を指令する場合としての、ブレーキ作動
中の指令である「ブレーキフラグ」と「前後四輪駆動状
態H」を指令する「4WDフラグ」がONされていない
「後輪二駆状態C」の時の後車輪3のスリップを検出し
て、後車輪3が仮に8%減程度以上のスリップがある時
に(後輪が地面に駆動力を完全に伝えていない時。)、
4WDフラグをONして第一ソレノイド59をONして
「前後四輪駆動状態H」の4WD走行とする制御が開示
されている。次に、図11で示す「ブレーキ制御」の制
御作動を直ちに指令する場合として、ブレーキ作動中の
指令である「ブレーキフラグ」がONして「前後四輪駆
動状態H」を指令した場合が開示されている。さらに、
「ブレーキ制御」の制御作動を指令する場合として、
「ブレーキフラグ」と「4WDフラグ」がONされてい
ない「後輪二駆状態C」の時後述する「検出機構E」の
検出により後車輪3が仮に決めた8%減程度以上のスリ
ップがないと検出の場合には、この「検出機構E」で前
車輪4が後車輪3より速く廻っているかどうかを検出判
断し、前車輪4のオーバーラン率が仮に決めた5%増程
度の所定の数値「A」を超えた場合、ブレーキフラグ7
4をONして「前後四輪駆動状態H」とする場合を開示
している。
【0038】このように「直進制御G」は、「スリップ
制御」と「ブレーキ制御」の二通りの制御に分かれて継
続する。「スリップ制御」は、前後車輪4,3を同時に
略等回転周速の「前後四輪駆動状態H」として指令スタ
ートした「スリップ制御」において、「前後四輪駆動状
態H」を続けるか否かを「検出機構E」で検出し判定し
ようとするものであり、4WDロックフラグがONの場
合には、この「スリップ制御」は即座に完了し、一定時
間後に「直進制御G」の制御となる。4WDロックと
は、第一ソレノイド59をONすることにより、直結ク
ラッチ7を作用させて前車輪4,4と後車輪3,3を略
同回転周速で常時四輪駆動の「前後四輪駆動状態H」で
走行することである。
【0039】図9のフローチャートでは、4WDロック
フラグがONでない場合、判定するための範囲として時
間「S」秒(略30秒)のカウントが開始されたかどう
か判断し、カウントされていない場合30秒の間のカウ
ントを開始する。次に後車輪3が圃場表面でスリップし
ているかどうかを判定し、スリップしている場合はその
まま「前後四輪駆動状態H」で走行するが、最初の一回
目は前提条件により「前後四輪駆動状態H」での制御と
してスタートしているから、後車輪3はスリップしてい
ないと判定され、「R」秒(略2秒)のウェイト処理7
2が処理中であるか判断し、ウェイト処理72が処理中
でない場合には、略2秒のウェイト処理を開始する。
【0040】「R」秒のウェイト処理が処理中の場合に
は、そのまま略2秒間が経過するまで4WD状態の制御
が続いたかどうかを判断し、「R」秒(2秒)が経過す
ると「2WD(後輪二駆状態C)と4WD(前後四輪駆
動状態H)」間の駆動変更の数を自分の目印として一回
カウント加算73し、4WDフラグをクリアし第一ソレ
ノイド59と第二ソレノイド60を共にOFFして「後
輪二駆状態C」で走行し、この略30秒間の走行中に前
後車輪4,3の回転数に一定以上の差がでて再度、4W
D(前後四輪駆動状態H)の制御指示が有るかどうかを
待つ。
【0041】走行中にこの略30秒のカウントが経過す
ると、時間「S」秒(略30秒)のカウントをクリアす
ると共に「2WDと4WD」間の駆動変更のカウント数
が、この略30秒間に定数「M」(仮に10回とす
る。)を超えたかどうか判定する「2WDと4WD」間
の駆動変更のカウント数が定数「M」を超えない判定の
場合、「2WDと4WD」間の駆動変更のカウントをク
リアし「スリップ制御」71は完了し、後述する「直進
制御G」等の制御を継続する。
【0042】「2WDと4WD」間の駆動変更のカウン
ト数が定数「M」を超える判定の場合、「2WDと4W
D」間の駆動変更のカウントをクリアすると共に4WD
ロックフラグをONして「スリップ制御」は完了し、4
WDロック制御を一定時間継続する。次に、ブレーキ制
御」の作動について、図11のフローチャートで説明す
る。
【0043】制御については後述するが、「ブレーキ制
御」77は、運転者が農用トラクター14で走行中急ブ
レーキをかけた際、後車輪3,3のブレーキ76,76
は制動されて機体が停止しようとするが、前車輪4,4
を同時に制動しない場合機体の前車輪4側はそのままの
走行速度で進むため、ブレーキ76の効きが悪くなる
が、この状態を、自動的に判断し、瞬時に4WDロック
の走行とするから、後車輪3の制動力が駆動連動してい
る前車輪4部にも影響して作用するから、制動力を増す
ことになる。4WDロックフラグがONの場合にはこの
「ブレーキ制御」は完了する。
【0044】図11では先ず、時間「X」秒(略30
秒)のカウントが成されていない場合には判定するため
の範囲として略30秒のカウントを開始すると共に、こ
の判定範囲の時間中に前車輪4のオーバーラン率が所定
の5%増程度に達しているかどうか判断しているが、前
述のとおり「ブレーキ制御」作動開始時には「前後四輪
駆動状態H」走行でのスタートとしているから、最初の
一回目は前後車輪4,3に回転差は生じない。
【0045】この場合、前車輪4のオーバーラン率は所
定の数値「A」以下となり、時間「Y」秒(略2秒)の
ウェイト処理ががカウント中かどうかを判断し、略30
秒の判定範囲内での略2秒間のウェイト処理を開始す
る。このウェイト処理は、「前後四輪駆動状態H」が時
間「Y」である略2秒間に亘って制御指令が出ていたか
どうか判断するものであって、略2秒間のウェイト処理
の経過があった場合「2WD(後輪二駆状態C)と4W
D(前後四輪駆動状態H)」間の駆動変更のカウント数
を自分の目印のため一回加算し、4WDフラグをクリア
し農用トラクター14を後車輪3,3のみで駆動する
「後輪二駆状態C」で走行し、この30秒のカウント走
行中に再度4WD走行の指示が成されるかどうかを待
つ。
【0046】略30秒のカウントが経過すると、「X」
秒のカウントをクリアし、「2WDと4WD」間の駆動
変更の目印として付けたカウント数が定数「M」(仮り
に5回とする。)を超えたかどうか判定する。「2WD
と4WD」間の駆動変更のカウント数が「X」秒である
30秒間に定数「M」を超えたと判定されている時は、
「2WDと4WD」間の駆動変更のカウントをクリア
し、4WDロックフラグを所定時間ONして「ブレーキ
制御」77を完了し、前述した「直進制御G」での制御
を行なう。
【0047】「2WDと4WD」間の駆動変更のカウン
ト数が「X」秒である30秒間に定数「M」を超えてい
ないと判定された時は、「2WDと4WD」間の駆動変
更の目印であるカウント数をクリアし「ブレーキ制御」
77を完了し、前述した「直進制御G」での制御を行な
う。また、「ブレーキ制御」の副次的作用として、2W
D走行中の急な下り坂で後車輪3は変速機構2を低速の
変速状態で走行している際に、「検出機構E」を働かせ
るために「後輪二駆状態C」とした瞬間に、地面が滑り
やすくて車輪の走行速度以上に機体が走行した場合であ
っても、「検出機構E」により前車輪4のオーバーラン
を前後軸回転センサー10,9で検出判定し制御手段で
あるコントローラ13により4WDに即座に制御して暴
走を防ぐ。
【0048】また、平坦地であっても「検出機構E」の
作動検出により、例えば30秒間に6回以上も「2WD
と4WD」間の駆動変更のカウント数が作動する判定の
走行の場合は、運転者による制動操作が多い圃場である
と判断し「前後四輪駆動状態H」を保持して制御動を少
なくして部材の耐久性を増す。言葉を換えると「前後四
輪駆動状態H」である4WDを指示しても、「検出機構
E」である前後軸回転センサー10,9で検出しその指
示が必要でないと判断すると、即座に制御手段であるコ
ントローラ13により自動的に2WDとして走行する
し、2WDを指示して走行中に「検出機構E」である前
後軸回転センサー10,9により危険な状態を感知する
と、自動的に制御手段であるコントローラ13により4
WDに切り換えるものである。
【0049】
【発明の作用効果】この発明は、以上述べたように、各
センサーの検出値を制御部に伝え、この制御部13によ
り車両のスリップ状態を判定し、旋回に適した前輪駆動
形態を判定するものであるので、走行面を傷めず、或い
は旋回性能の良い走行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
図は、この発明の実施例を示す。
【図1】要部の説明線図である。
【図2】要部の側面断面図である。
【図3】全体側面図である。
【図4】全体を展開した伝動平面線図である。
【図5】自動制御全体のフローチャート図である。
【図6】サブルーチンである、旋回制御Fのフローチャ
ート図である。
【図7】サブルーチンである、フルターン制御のフロー
チャート図である。
【図8】サブルーチンである、小舵角旋回制御のフロー
チャート図である。
【図9】サブルーチンである、スリップ制御のフローチ
ャート図である。
【図10】サブルーチンである、直進制御Gのフローチ
ャート図である。
【図11】サブルーチンである、ブレーキ制御のフロー
チャート図である。
【符号の説明】
7 直結クラッチ 8 増速クラッチ 9 後軸回転センサー 10 前軸回転センサー 11 操舵角センサー 13 制御手段 C 後輪二駆状態 D 前輪増速四駆状態 E 検出機構 F 旋回制御 G 直進制御 H 前後四輪駆動状態 I 制御手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 「後輪二駆状態C」と「前後四輪駆動状
    態H」と「前輪増速四駆状態D」とに切換可能な直結ク
    ラッチ7と増速クラッチ8を有する移動車輌であって、
    該車輌には前後輪の回転数を検出する後軸回転センサー
    及び前軸回転センサー10と、前記前車輪の操舵角を
    検出する操舵角センサー11とを設けると共に、該操舵
    角センサー11が所定以上の操舵角度αを検出すると、
    一旦「後輪二駆状態C」に切り換わった後に前記後軸回
    転センサー9と前軸回転センサー10の検出値から車両
    のスリップ状態を判定し、このスリップ状態により車両
    を「後輪二駆状態C」、「前後四輪駆動状態H」、若し
    くは「前輪増速四駆状態D」に切り換える制御部13を
    設けたことを特徴とした四輪駆動式移動車輌の前輪回転
    駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の「前輪増速四駆状態
    D」は、機体端部に上下昇降自在に取り付けた作業機が
    上げ位置である場合に切替可能とする四輪駆動式移動車
    輌の前輪回転駆動制御装置。
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