JP3126838B2 - 有機ケイ素重合体の製造方法及びそれを用いたセラミックスの製造方法 - Google Patents
有機ケイ素重合体の製造方法及びそれを用いたセラミックスの製造方法Info
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Description
ミックスの原料として有用な有機ケイ素重合体の製造
法、及びその重合体を用いた炭化ケイ素系セラミックス
の製造方法に関する。
としての有機ケイ素重合体としては、ポリカルボシラン
の1種であるポリ(1,4−ジシラブタニレン)類、お
よび/またはポリ(1,4−ジシラ−2−ブテニレン)
類の利用が注目されている。
成する方法としては、従来より1,2−ビス(クロロシ
リル)エタン類をカリウム/またはナトリウムと相互作
用させる方法や1−シリル−2−シリルエタン類をヘキ
サン、ベンゼン等の希釈剤の存在下アルカリ金属によっ
て重縮合する方法が提案されている。
で得たポリ(1,4−ジシラブタニレン)類のうち、前
者の方法は低分子量のものしか得られない欠点を有し、
かつ、操作上も実用的ではなかった。
ることができるが、炭化ケイ素系セラミックスへの転化
の割合が低く、これを高めるためさらなる改善が望まれ
ている。
レン)類の利用は注目されているものの効率的なセラミ
ックス化の提案は未だなされていない。
用的で、かつ安価に、さらに高収率で得るための前駆体
の製造方法、及び該前駆体を用いて高収率に炭化ケイ素
系セラミックスを得る製造法を提供することを目的とす
る。
来のポリ(1,4−ジシラブタニレン)類の炭化ケイ素
系セラミックス前駆体としての活用について鋭意研究を
重ねた結果、1−シリル−2−シリル−エタン類、およ
び/または、1−シリル−2−シリルエチレン類に、ビ
ニルシラン化合物を添加してアルカリ金属存在下で重合
することにより、1,4−ジシラブタニレン類、および
/または、1,4−ジシラ−2−ブテニレン類とビニル
シリレン類との共重合体が高収率で得られ、かつ炭化ケ
イ素系セラミックスへの転化割合が高い共重合体が得ら
れることを見出し、さらに、これらの重合体を窒素ガス
等の不活性雰囲気下、少くとも1000℃以上に熱処理
すれば、炭化ケイ素系セラミックスへの転化割合が高く
得られるとの知見を得て本発明を完成した。
アルキル基を表わす)の1−シリル−2−シリルエタン
類、および/または、 一般式(B)
アルキル基を表わす)の1−シリル−2−シリルエチレ
ン類に、ビニルシラン化合物を添加し、アルカリ金属存
在下で重合して得た有機ケイ素重合体の製造方法、並び
にこれらの重合体を窒素ガス等の不活性雰囲気下、少く
とも1000℃以上に熱処理して炭化ケイ素系セラミッ
クスを得る製造方法を要旨とするのである。
般式(B)のアルキル基としては、特に炭素数に制限は
ないが、炭素数1〜8のものが好ましい。
性置換基を有していてもよい。
ビス(クロロジメチルシリル)エタン、1,2−ビス
(クロロジエチルシリル)エタン、1−(クロロジメチ
ルシリル)−2−(クロロメチルエチルシリル)エタ
ン、1,2−ビス(クロロメチルエチルシリル)エタン
などが使用できる。
ビス(クロロジメチルシリル)エチレン、1,2−ビス
(クロロジエチルシリル)エチレン、1−(クロロジメ
チルシリル)−2−(クロロメチルエチルシリル)エチ
レン、1,2−ビス(クロロメチルエチルシリル)エチ
レンなどが使用出来る。
ルジクロロシラン、ビニルエチルジクロロシランのビニ
ルジクロロシラン類が好ましく使用できる。
ウム、カリウムを挙げることができ、これらは単独で
も、混合物または合金としても用いることができる。
ましいが、反応条件によっては塊りのままでも用いるこ
とができる。
/または、(B)とビニルシラン化合物とのモル比は
3:1で十分であるが20:1〜3:2の範囲で任意に
選ぶことができる。
は室温以上の任意の温度で行なうことができるが、塊状
のアルカリ金属を用いたり、室温に近い温度で反応を行
なう場合には超音波照射等により、アルカリ金属表面を
活性化することが望ましい。
は、反応液の加水分解後、加温した溶媒による抽出で容
易に行なうことができる。
は、分子量100000以上の1,4−ジシラ−2−ブ
テニレン類であり、または、1,4−ジシラ−2−ブテ
ニレン類、および/または1,4−ジシラ−ブタニレン
類と、ビニルシリレン類との共重合体で成形性も良好な
ものである。
合体を用い炭化ケイ素系セラミックスを製造するには、
有機ケイ素重合体を型込め成形などして成形したのち、
不活性雰囲気下で少くとも1000℃以上に加熱処理す
る。このとき、室温から250〜350℃の温度までは
20℃/hr以下のゆっくりした昇温速度で行うことが
炭化ケイ素系セラミックスへの転化割合を高めるために
好ましく、また、350℃から1200℃以上の熱処理
は、前記昇温速度より早くてもよい。
スへの転化割合(収率)が極めて高く高収率で炭化ケイ
素系セラミックスを得ることができる。
(0.034mol)およびビニルメチルジクロロシラ
ン1.6g(0.011mol)の混合液を80℃に加
熱した40%ナトリウムディスパージョン(軽油)5.
25gのトルエン(20ml)スラリーに滴下し、さら
に12時間、80℃で加熱した。冷却後、エタノール
3.3mlを加え、さらに蒸留水を加えpHが7になる
まで洗浄を繰り返した。次いで、沸騰ベンゼン(10m
l)により3回抽出し、溶媒除去後、エタノール(10
ml×3回)で洗浄し、灰色粉末4.12gを得た。
は、3020(νC−H)、2940(νC−H)、2
860(νC−H)、1700(νC=C)、1240
(δSi−CH3)、1132(δSi−CH3)、10
00、930の吸収を示した。このIR吸収ピークから
この重合体は1,4−ジシラブタニレンとメチルビニル
シリレンの共重合物であることが分る。
溶解し、高温GPCを用いて温度135℃で分子量分布
を測定した。このデータから標準ポリスチレンの分子量
を基準として平均分子量を算出したところ、153,0
00であった。
ボートに入れ管状電気炉を用いAr雰囲気中で室温から
300℃までを10℃/hr加熱した後、300℃で1
時間保持し、300℃から1300℃を50℃/hrで
昇温し、さらに1300℃で1時間保持した後冷却して
取出したところ黒色固体が0.70g(収率70%)得
られた。
1に示す様に2θ=35.7゜、および60.3゜にβ
−SiCの回折ピークが認められた。
g(0.034mol)及びビニルエチルジクロロシラ
ン1.7g(0.011mol)の混合液を室温で40
%ナトリウムデスパージョン(軽油)5.25gのトル
エン(20ml)スラリーに滴下し、超音波振動を加え
ながら、3時間反応させた。
4mlを加え、残留ナトリウムを失活させた後、多量の
イソプロピルアルコールを投入すると茶色の固形物が析
出した。この固形物を5mlのトルエンに溶解した後、
100mlのイソプロピルアルコールを加え、再沈殿さ
せ精製し、茶色の粘性を有する固形物4.3gを得た。
sk)は3020(m)、2940(S)、2892
(S)、1700(m)、1395(S)、1238
(S)、1167(W)、997(S)、930
(S)、753(S)、722(m)、679(S)、
489(S)の吸収を示した。このIR吸収からこの重
合体は1,4−ジシラ−2−ブテニレンとエチルビニル
シリレンの共重合体であることが分る。
した平均分子量は103,000であった。
と同様な条件でAr雰囲気中、1300℃1時間の熱処
理を行ったところ黒色固体が0.75g(収率75%)
得られた。この固体をX線回折法で分析した結果β−S
iCの回折ピークが確認された。
(0.017mol)、1,2−ビス(クロロジメチル
シリル)エチレン3.6g(0.017mol)および
ビニルメチルジクロロシラン1.6g(0.011mo
l)の混合液を実施例2と同様な方法でナトリウムと反
応させ精製し、茶色の固形物4.55gを得た。得られ
た共重合物の高温GPCを測定したところ平均分子量1
48,000であった。
条件で、Ar雰囲気中、1300℃で1時間の熱処理を
行ったところ、0.72gの黒色固体が得られた(熱処
理収率72%)。この固体をX線回折法で分析した結
果、β−SiCの回折ピークが確認された。
g(0.05mol)のみを実施例1と同様な方法でナ
トリウムと反応させ、精製した結果白色の固形物6.5
gを得た。得られた重合物はIRスペクトルからポリ
(1,4−ジシラブタニレン)であることが確認され
た。又、平均分子量は192,000であった。
1.0gを実施例1と同様な条件で、Ar雰囲気中、1
300℃で1時間の熱処理を行ったところ、0.03g
の白色粉末が得られた。従って熱処理収率は3%と著し
く少なかった。
ラン化合物、エチレンまたはアセチレン等の安価な原料
から得られる1−シリル−2−シリルエタン類、または
1−シリル−2−シリルエチレン類を出発原料として用
い、これに安価で入手の容易なビニルシラン化合物を添
加し、アルカリ金属を用いて比較的簡易な条件で重合せ
しめた有機ケイ素重合体の製造方法である。また、該有
機ケイ素重合体あるいはポリ(1,4−ジシラ−2−ブ
テニレン)類を用いて安価、かつ容易に高収率に炭化ケ
イ素系セラミックスを得ることができ、工業的に有用な
ものである。
Claims (5)
- 【請求項1】一般式(A) 【化1】 (式中R1、R2、R3、R4は置換基を有していてもよい
アルキル基を表わす)の1−シリル−2−シリルエタン
類、および/または、 一般式(B) 【化2】 (式中R5、R6、R7、R8は置換基を有していてもよい
アルキル基を表わす)の1−シリル−2−シリルエチレ
ン類に、ビニルシラン化合物を添加し、アルカリ金属存
在下で重合する有機ケイ素重合体の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の一般式(A)の1−シリル
−2−シリルエタン類が1,2−ビス(クロロジメチル
シリル)エタンで、かつ、一般式(B)の1−シリル−
2−シリルエチレン類が1,2−ビス(クロロジメチル
シリル)エチレンである有機ケイ素重合体の製造方法。 - 【請求項3】請求項1又は2記載のビニルシラン化合物
がビニルメチルジクロロシラン、ビニルエチルジクロロ
シランのビニルジクロロシラン類である有機ケイ素重合
体の製造方法。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ
金属がリチウム、ナトリウム、カリウムの単独、混合物
または合金である有機ケイ素重合体の製造方法。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の方法によ
り得られる有機ケイ素重合体を不活性雰囲気下、少くと
も1000℃以上に熱処理することを特徴とする炭化ケ
イ素系セラミックスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04359453A JP3126838B2 (ja) | 1991-12-27 | 1992-12-25 | 有機ケイ素重合体の製造方法及びそれを用いたセラミックスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-359874 | 1991-12-27 | ||
JP35987491 | 1991-12-27 | ||
JP04359453A JP3126838B2 (ja) | 1991-12-27 | 1992-12-25 | 有機ケイ素重合体の製造方法及びそれを用いたセラミックスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05320355A JPH05320355A (ja) | 1993-12-03 |
JP3126838B2 true JP3126838B2 (ja) | 2001-01-22 |
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ID=18466747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04359453A Expired - Lifetime JP3126838B2 (ja) | 1991-12-27 | 1992-12-25 | 有機ケイ素重合体の製造方法及びそれを用いたセラミックスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002167438A (ja) * | 2000-11-29 | 2002-06-11 | Jsr Corp | ケイ素ポリマー、膜形成用組成物および絶縁膜形成用材料 |
-
1992
- 1992-12-25 JP JP04359453A patent/JP3126838B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05320355A (ja) | 1993-12-03 |
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