JP3114758B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物Info
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Description
定のポリフェニレンスルフィドと不飽和カルボン酸及び
/又はその誘導体をグラフト共重合したポリエチレン系
共重合体からなることを特徴とする樹脂組成物に関する
ものであり、特に耐衝撃性,靭性,耐熱性及び耐溶剤性
に優れた性質を示す樹脂組成物に関するものである。
難燃性,耐薬品性,成形性,電気特性などに優れた性質
を示す高性能樹脂として知られており、近年、電気・電
子部品や自動車部品などの用途において広く使用されて
いる。
炭素繊維等の繊維状強化材、タルク,クレーやマイカ等
の無機充填剤を配合することにより、強度,剛性,耐熱
性,靭性,寸法安定性等の性能を大きく向上させること
ができる。しかし、ポリフェニレンスルフィドはナイロ
ン,ポリカ−ボネ−ト,ポリブチレンテレフタレ−ト,
ポリアセタ−ル等のエンジニアリングプラスチックと比
較すると延性に乏しく、脆弱であるといった重大な欠点
を有している。そのため多くの用途への適用が制限され
ている。
耐衝撃特性を改良するための技術として、柔軟性ポリマ
−をブレンドすることは良く行われている。例えば、ポ
リフェニレンスルフィド樹脂に不飽和カルボン酸または
その無水物、またはそれらの誘導体をグラフト共重合し
たα−オレフィン共重合体エラストマー及びエポキシ樹
脂を混合する方法(特開昭59−207921号公報)
やポリフェニレンスルフィド樹脂にエチレン−メタクリ
ル酸グリシジル共重合体を含有させる方法(特開昭58
−1547号公報,特開昭59−152953号公報
等)に開示されている。しかしながら、通常のポリフェ
ニレンスルフィドの分子鎖は反応性に乏しいため、エポ
キシ基や不飽和カルボン酸を含む反応性に富んだオレフ
ィン系共重合体を添加しても、ポリフェニレンスルフィ
ドとの界面の付着性が不十分であり、充分な衝撃特性の
改良効果が得られず、しかも得られたブレンド材の耐熱
性及び耐溶剤性が低下するという問題点を有している。
ポリマ−との界面の付着性を改善するために、種々の方
法で処理したポリフェニレンスルフィドを用いた組成物
が開示されている。例えば、酸処理を施されたのち洗浄
されたポリフェニレンスルフィドに不飽和カルボン酸ま
たはその無水物をグラフト共重合したα−オレフィン系
共重合体を配合せしめてなる組成物(特開昭62−16
9854号公報)やα−オレフィンとα,β−不飽和酸
のグリシジルエステルからなるオレフィン系共重合体を
配合せしめてなる組成物(特開昭62−153343号
公報)が挙げられる。しかしながら、これらの組成物に
おいても衝撃特性の改良効果は不十分である。
ポリマ−との界面の付着性を改善するために、種々の方
法で変性されたポリフェニレンスルフィドを用いた組成
物が開示されている。例えば、アミノ基及び/又はアミ
ド基含有ポリフェニレンスルフィドに熱可塑性エラスト
マ−を配合せしめてなる組成物(特開昭61−2074
62号公報)が挙げられる。ここでは、ポリフェニレン
スルフィド樹脂と熱可塑性エラストマ−との界面の付着
性は改善されているが、その改良効果は未だ不十分であ
る。
術の課題を解消した衝撃特性及び靭性の改良効果が顕著
な樹脂組成物を提供するものである。
の溶融粘度を調整し、さらにアミノ基により変性された
特定のポリフェニレンスルフィドに不飽和カルボン酸及
び/又はその誘導体を0.5〜10重量%グラフト共重
合したポリエチレン系共重合体を配合した樹脂組成物に
関するものであり、界面の付着性を高め、均一に混合分
散することが可能である。以下、詳細に説明する。
度が400ポイズ以上で、加熱硬化後の溶融粘度が50
0〜30000ポイズであり、かつフェニレンスルフィ
ド単位あたりアミノ基を0.05〜5モル%含有するポ
リフェニレンスルフィド60〜99.5重量%、及び
(B)不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を0.1
〜10重量%グラフト共重合したポリエチレン系共重合
体40〜0.5重量%からなることを特徴とするポリフ
ェニレンスルフィド樹脂組成物である。
ニレンスルフィドのアミノ基の含有量は0.05〜5モ
ル%が好ましい。特に好ましくは0.1〜3モル%であ
る。ポリフェニレンスルフィドのアミノ基含有量が0.
05モル%未満では、ポリフェニレンスルフィドにアミ
ノ基を含有させた効果が少なく、また5モル%を超える
と機械的強度の低下が見られ、好ましくない。
ニレンスルフィドは、硬化前の溶融粘度(測定温度30
0℃、荷重10kgの条件下、直径0.5mm、長さ2
mmのダイスを用いて高化式フロ−テスタ−で測定)が
400ポイズ以上、特に好ましくは500ポイズ以上で
あり、加熱硬化後の溶融粘度は500〜30000ポイ
ズ、特に好ましくは1000〜20000ポイズであ
る。加熱硬化前の溶融粘度が400ポイズ未満や加熱硬
化後の溶融粘度が500ポイズ未満であると、靭性の改
良効果が乏しく、好ましくない。また30000ポイズ
を超えると成形加工がし難く、好ましくない。
ニレンスルフィドの製造方法は、特に限定されるもので
はないが、好ましい製造方法として、有機アミド溶媒中
でアルカリ金属硫化物とジハロベンゼンとを反応させる
際にアミノ基含有芳香族ハロゲン化物を共存させて重合
する方法が挙げられる。構造的にアミノ基はポリフェニ
レンスルフィドの分子末端に存在するものが特に好まし
い。
ム,硫化ナトリウム,硫化カリウム,硫化ルビジウム,
硫化セシウム及びそれらの混合物が挙げられ、これらは
水和物の形で使用してもさしつかえない。これらアルカ
リ金属硫化物は、水硫化アルカリ金属とアルカリ金属塩
基とを反応させることによって得られるが、ジハロベン
ゼンの重合系内への添加に先立ってその場で調製されて
も、また系外で調製されたものを用いてもさしつかえな
い。
ポリフェニレンスルフィドはその構成単位として、
しているものが好ましい。
0モル%未満であれば、m−フェニレンスルフィド単
位、
は、一般式、
Rは炭素数1〜12の炭化水素基、nは0〜4の整数で
ある)で示される化合物である。
ン、m−クロルアニリン、3,5−ジクロルアニリン、
3,5−ジアミノクロルベンゼン、2−アミノ−4−ク
ロルトルエン、2−アミノ−6−クロルトルエン、4−
アミノ−2−クロルトルエン、3−クロル−m−フェニ
レンジアミン、m−ブロムアニリン、3,5−ジブロム
アニリン、m−ヨードアニリン及びそれらの混合物が挙
げられる。特に3,5−ジアミノクロルベンゼンが好ま
しい。
ロルベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベ
ンゼン、m−ジクロルベンゼン、m−ジブロモベンゼ
ン、m−ジヨードベンゼン、1−クロル−4−ブロモベ
ンゼンなどが挙げられる。
ゼン+アミノ基含有芳香族ハロゲン化物)の仕込量はモ
ル比で、(アルカリ金属硫化物):(ジハロベンゼン+
アミノ基含有芳香族ハロゲン化物)=1.00:0.9
0〜1.10の範囲が好ましい。
特に非プロトン性で高温でアルカリに対して安定な有機
アミドが好ましい溶媒である。有機アミドの若干の例と
しては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−
メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル−2−ピロリ
ドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン、テトラメチル尿素等及びそれらの混合物が挙げられ
る。
は、重合によって生成するポリマーに対し、150〜3
500重量%、好ましくは250〜1500重量%とな
る範囲で使用することができる。
0〜280℃にて0.5〜30時間、好ましくは1〜1
5時間撹拌下に行われる。
は、酸素雰囲気下での加熱処理又は過酸化物等を添加し
ての加熱処理により硬化させ、重合度を上げることがで
きる。例えば、空気雰囲気下で温度範囲200〜280
℃で1〜12時間処理することにより行われる。
得るためには、アミノ基含有のポリフェニレンスルフィ
ドを非酸化性の不活性ガス中で約200〜約280℃の
温度範囲で1〜24時間硬化することが好ましい。本発
明で用いることができる非酸化性の不活性ガスとして
は、ヘリウム,アルゴン,窒素,二酸化炭素,水蒸気等
又はこれらの混合物が挙げられるが、経済的見地から見
れば窒素が好ましい。
体は、ポリエチレンに不飽和カルボン酸及び/又はその
誘導体を0.1〜10重量%グラフト共重合したもので
ある。
は、高密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,直鎖状
低密度ポリエチレン等の少なくとも1つを指し、好まし
くは、高密度ポリエチレンである。
体の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の含有率は
0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲で
ある。0.1重量%未満では不飽和カルボン酸及び/又
はその誘導体で変性した効果がなく、10重量%を超え
ると機械的強度の低下が生じ、好ましくない。
(以下、総称としてモノマ−という)の具体例として
は、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,フマル
酸,イタコン酸,シトラコン酸等及びこれらの誘導体を
示し、具体的な誘導体としては、酸無水物,エステル,
アミド,イミド及び金属塩等であり、例えば、無水マレ
イン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、アクリル
酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メ
タクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブ
チル、アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエ
ステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメ
チルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸
モノエチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミ
ド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−N−モノエチル
アミド、マレイン酸−N,N−ジエチルアミド、マレイ
ン酸−N−モノブチルアミド、マレイン酸−N,N−ジ
ブチルアミド、フマル酸アミド、フマル酸ジアミド、フ
マル酸−N−モノエチルアミド、フマル酸−N,N−ジ
エチルアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマ
ル酸−N,N−ジブチルアミド、マレイミド、N−ブチ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸ナ
トリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウ
ム、メタクリル酸カリウム等が挙げられる。これらのモ
ノマ−を1種又は2種以上用いることができるが、無水
マレイン酸が最も好ましい。
ト共重合する方法としては、ポリエチレン,モノマ−及
び過酸化物のようなラジカル発生剤を混合し、溶融押出
し法でグラフト共重合する方法、適当な溶媒中に懸濁ま
たは溶解したポリエチレンにモノマ−及びラジカル開始
剤を添加し、加熱することによってグラフト共重合する
方法等が挙げられる。
できる過酸化物としては、有機過酸化物が好ましく、公
知の有機過酸化物が全て使用できる。具体例としては、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパー
オキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,2−ビ
ス(tert−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピ
ルベンゼンジクミルパーオキサイド、ジ(tert−ブ
チルパーオキサイド)、tert−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,4
−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、ア
ゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられ、好ましくは
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
ert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3である。
ンに対して0.005〜2重量%、好ましくは0.1〜
1重量%である。
割合は、アミノ基含有ポリフェニレンスルフィド60〜
99.5重量%、好ましくは80〜97重量%及び不飽
和カルボン酸及び/又はその誘導体を0.5〜10重量
%グラフト共重合したポリエチレン系共重合体40〜
0.5重量%、好ましくは20〜3重量%である。ポリ
エチレン系共重合体の配合量が0.5重量%未満では目
的とする改良効果が得られず、40重量%を越えるとポ
リフェニレンスルフィド自体の耐熱性,耐薬品性,剛性
が損なわれるばかりでなく、成形性が損なわれる傾向で
あるため好ましくない。
製造可能である。原料のアミノ基含有ポリフェニレンス
ルフィドは、予め熱処理によって硬化したものを用い
る。続いて、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を
グラフト共重合したポリエチレン系共重合体とタンブラ
−,ヘンシェルミキサ−,ボ−ルミル,リボンブレンダ
−等のような混合機で混合した粉体またはペレットを溶
融混合機に供給して樹脂組成物を製造してもよいし、ま
た、原料の樹脂を別々に溶融混合機に供給し、樹脂組成
物を製造してもよい。溶融混合は、ニ−ダ−,バンバリ
−ミキサ−,押出機等を用い、250〜350℃の温度
で溶融混練する等の方法を用いることができる。特に制
限はないが、操作性を考慮すると押出機を用いるのが好
ましい。
明の目的を損なわない範囲で、従来公知の繊維状及び粉
末状充填剤、すなわちガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊
維、アルミナ繊維、炭化硅素繊維、ジルコニア繊維、チ
タン酸カルシウム繊維、ウォラストナイト、硫酸カルシ
ウム繊維、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、
クレイ、シリカ、アルミナ、カオリン、ゼオライト、石
膏、硅酸カルシウム、硅酸マグネシウム、硫酸カルシウ
ム、酸化チタン、酸化マグネシウム、カ−ボンブラッ
ク、黒鉛、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化銅、ガラスビ−ズ、
ガラスパウダ−、ガラスバル−ン、石英及び石英ガラス
等を配合することもできる。また、これらの充填剤は2
種以上を併用することも可能であり、さらに必要により
シラン系又はチタン系等のカップリング剤で予備処理し
て使用することもできる。
〜12mm,繊維径3〜24μmのチョップドストラン
ド、繊維径3〜8μmのミルドファイバ−、325メッ
シュ以下のガラスフレ−クやガラスパウダ−を挙げるこ
とができる。
目的を損なわない範囲で、従来公知の離型剤、滑剤、熱
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、発泡
剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、染
料,顔料などの着色剤、帯電防止剤などの添加剤、ワッ
クスや少量の他のポリマ−を1種以上併用してもよい。
ン系,スチレン系,ウレタン系,エステル系,フッ素
系,アミド系,アクリル系等の熱可塑性エラストマ−、
ポリブタジエン,ポリイソプレン,ポリクロロプレン,
ポリブテン,スチレンブタジエンゴム及びその水添物、
アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレン
共重合体、エチレンプロピレンエチリデンノルボルネン
共重合体等のゴム成分、ナイロン6,ナイロン66,ナ
イロン46,ナイロン610,ナイロン12,ナイロン
11等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−
ト,ポリブチレンテレフタレ−ト,ポリアリレ−ト等の
ポリエステル系樹脂、ポリスチレン、ポリα−メチルス
チレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリ
ロニトリル、ポリウレタン、ポリアセタ−ル、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリカ−ボネ−ト、ポリスルホン、ポ
リエ−テルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリフェニ
レンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケ
トン、ポリエ−テルケトン、ポリエ−テルエ−テルケト
ン、ポリアミドイミド、ポリイミド、シリコ−ン樹脂、
フェノキシ樹脂、フッ素樹脂及び異方性溶融相を形成す
る溶融加工可能な樹脂等の単独重合体、ランダム又はブ
ロック、グラフト共重合体及びそれらの混合物又はその
改質物等が挙げられる。
ことができる。例えば、組成物の形成前又は形成中に個
々の樹脂に添加する方法、あるいは組成物の形成後に、
引いては組成物を融解する際に添加する方法等が挙げら
れる。
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
ルフィドの合成) 15lオートクレーブに、N−メチル−2−ピロリドン
(以下、NMPと略す)を5l仕込み、120℃に昇温
した後、Na2S・2.8H2O 1866gを仕込
み、約2時間かけて攪拌しながら徐々に205℃まで昇
温して、水を407g留出させた。この系を140℃ま
で冷却した後、p−ジクロロベンゼンを2080g加え
て、225℃に昇温し、3時間重合させた後、250℃
に昇温し、250℃に達したときに3,5−ジアミノク
ロロベンゼン 20.2g(p−ジクロロベンゼンに対
して約1モル%添加)をNMP 50mlに溶かした溶
液を系内に圧入し、さらに250℃にて3時間重合し
た。
一部サンプリングし、濾液を採取して、濾液中に残存す
る未反応の3,5−ジアミノクロルベンゼンをガスクロ
マトグラフィー(島津製作所製GC−12A)で測定し
たところ、3,5−ジアミノクロルベンゼンの転化率は
38%であった。また、残りのスラリーは、大量の水中
に投入してポリマーを析出させ、濾別、純水による洗浄
を行った後、一晩加熱真空乾燥を行うことによりポリマ
ーを単離した。得られたPPSの溶融粘度(ダイス;直
径0.5mm,長さ2mm、300℃、10kg荷重で
高化式フローテスターにより測定した)は500ポイズ
であった。さらに、このポリマ−を、空気雰囲気下23
5℃で2時間加熱硬化し、溶融粘度8000ポイズのポ
リマ−を得た。この様にして得られたアミノ基含有ポリ
フェニレンスルフィドをPPS−Iとする。
化) 参考例1と同様にして合成した未硬化のPPSを窒素雰
囲気下230℃に昇温して10時間加熱硬化を行った。
硬化終了後の溶融粘度は1500ポイズであった。この
様にして得られたアミノ基含有ポリフェニレンスルフィ
ドをPPS−IIとする。
ルフィドの合成) p−ジクロロベンゼン 2009g、3,5−ジアミノ
クロルベンゼン 19.0g(p−ジクロロベンゼンに
対して約1モル%添加)を添加し、250℃まで1時間
20分かけて昇温、250℃にて3時間重合したことを
除いては参考例1と同様の操作にてアミノ基含有ポリフ
ェニレンスルフィドを製造した。得られたポリマ−の粘
度は110ポイズであった。また、濾液中に残存する未
反応の3,5−ジアミノクロルベンゼンをガスクロマト
グラフィー(島津製作所製GC−12A)で測定したと
ころ、3,5−ジアミノクロルベンゼンの転化率は36
%であった。さらに、このポリマ−を、空気雰囲気下2
35℃で2時間加熱硬化させ、溶融粘度8000ポイズ
のポリマ−を得た。この様にして得られたアミノ基含有
ポリフェニレンスルフィドをPPS−IIIとする。
成) p−ジクロロベンゼン 2080g(アミノ基含有芳香
族ハロゲン化物を添加しないで)を添加し、他は参考例
1と同様の操作で重合を行った。得られたポリマーの粘
度は550ポイズであった。この様にして得られたポリ
マーを、空気雰囲気下235℃で2時間加熱硬化させ、
溶融粘度8000ポイズのポリマーを得た。この様にし
て得られたポリフェニレンスルフィドをPPS−IVと
する。
ルフィドの合成) p−ジクロロベンゼン 2080g、2−塩化アニリン
18.4g(p−ジクロロベンゼンに対して約1モル
%添加)を添加し、250℃まで1時間20分かけて昇
温、250℃にて3時間重合したことを除いては参考例
1と同様の操作にてアミノ基含有ポリフェニレンスルフ
ィドを製造した。得られたポリマ−の粘度は480ポイ
ズであった。また、濾液中に残存する未反応の2−塩化
アニリンをガスクロマトグラフィー(島津製作所製GC
−12A)で測定したところ、2−塩化アニリンの転化
率は35%であった。さらに、このポリマ−を、空気雰
囲気下235℃で2時間加熱硬化させ、溶融粘度800
0ポイズのポリマ−を得た。この様にして得られたアミ
ノ基含有ポリフェニレンスルフィドをPPS−Vとす
る。
ルフィドの合成) p−ジクロロベンゼン 1789g、3,5−ジアミノ
クロルベンゼン 310g(p−ジクロロベンゼンと
3,5−ジアミノクロルベンゼンの総量に対して約15
モル%添加)を添加し、250℃まで1時間20分かけ
て昇温、250℃にて3時間重合したことを除いては参
考例1と同様の操作にてアミノ基含有ポリフェニレンス
ルフィドを製造した。得られたポリマ−の粘度は低すぎ
て測定できなかった。また、濾液中に残存する未反応の
3,5−ジアミノクロルベンゼンをガスクロマトグラフ
ィー(島津製作所製GC−12A)で測定したところ、
3,5−ジアミノクロルベンゼンの転化率は38%であ
った。さらに、このポリマ−を、空気雰囲気下235℃
で10時間加熱硬化させ、溶融粘度6600ポイズのポ
リマ−を得た。この様にして得られたアミノ基含有ポリ
フェニレンスルフィドをPPS−VIとする。
ン系共重合体の製造) 高密度ポリエチレン 97.5重量%と無水マレイン酸
2重量%、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert
−ブチルパーオキシ)ヘキサン 0.5重量%を予め予
備混合し、シリンダ−温度210℃に設定した押出機に
供給し、混練反応させ、ペレット状のグラフト共重合し
た高密度ポリエチレンを得た。
系共重合体の製造) エチレン−ブテン−1共重合体(タフマ−A4090)
100重量部と無水マレイン酸 1重量部、1,3−
ビス(tert−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン
0.5重量部を予め予備混合し、シリンダ−温度22
0℃に設定した押出機に供給し、混練反応させ、ペレッ
ト状のカルボキシル基含有オレフィン系共重合体得た。
赤外線吸収スペクトルにて無水マレイン酸のグラフト量
を測定したところ、このオレフィン系共重合体はエチレ
ン−ブテン−1共重合体 100重量部に対して0.7
5重量部の無水マレイン酸がグラフトしていることが確
認された。これを変性POと略す。
で得られたポリエチレン系共重合体 10重量%を混合
し、ベント孔付き減圧二軸押出機により300℃、ベン
ト孔で減圧(ベント圧30Torr)で溶融混練を行
い、ペレット化した。得られたペレットを300℃で射
出成形してテストピ−スを作製し、アイゾット衝撃強度
(ASTM D−256に準拠して測定、ノッチ付
き)、引張伸び(ASTM D−638に準拠して測
定、引張速度5mm/分)、熱変形温度(ASTM D
−648に準拠して測定、荷重18.6kg/cm2)
を測定した。また、1/8インチ厚の熱変形温度測定用
のテストピ−スを125℃のガソホ−ル(ガソリン/メ
タノ−ルの重量比が80/20)に8時間浸漬させた後
の重量の変化を測定し、耐溶剤性の評価とした。結果を
表1に示す。
7で得られたポリエチレン系共重合体 10重量%を混
合し、実施例1と同様の方法で調整し、物性を測定し
た。結果を表1に示す。
で得られたポリエチレン系共重合体 7重量%とガラス
繊維 30重量%を混合し、実施例1と同様の方法で調
整し、物性を測定した。結果を表1に示す。
で得られたポリエチレン系共重合体 10重量%を混合
し、実施例1と同様の方法で調整し、物性を測定した。
結果を表1に示す。
I又はPPS−IVを用いたことを除いては、実施例1
と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
リエチレン系共重合体、さらにガラス繊維を表1に示す
組成で混合し、実施例1と同様の操作を行った。結果を
表1に示す。
高密度ポリエチレン10重量%を混合し、実施例1と同
様の方法で調整し、物性を測定した。結果を表1に示
す。
7で得られたポリエチレン系共重合体 10重量%を混
合し、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示
す。
で得られた変性PO10重量%を混合し、実施例1と同
様の操作を行った。しかし、二軸押出機での溶融混練時
にベント孔から樹脂が出てきてしまい安定した押出しが
できず、得られたペレットには気泡が見られた。また、
得られた成形品の外観は悪かった。物性測定の結果を表
1に示す。
有した特定のポリフェニレンスルフィドと特定のポリエ
チレン系共重合体を配合することにより、ポリフェニレ
ンスルフィド本来の耐熱性,耐薬品性を保持し、引張り
伸びや衝撃強度等の靭性が改良されたポリフェニレンス
ルフィド樹脂組成物を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】(A)硬化前の溶融粘度が400ポイズ以
上で、加熱硬化後の溶融粘度が500〜30000ポイ
ズであり、かつフェニレンスルフィド単位あたりアミノ
基を0.05〜5モル%含有するポリフェニレンスルフ
ィド60〜99.5重量%、及び(B)不飽和カルボン
酸及び/又はその誘導体を0.1〜10重量%グラフト
共重合したポリエチレン系共重合体40〜0.5重量%
からなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹
脂組成物。
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