JP3106634B2 - プレス成形性およびスポット溶接性に優れた合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法 - Google Patents
プレス成形性およびスポット溶接性に優れた合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法Info
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Description
スポット溶接性に優れた合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を製
造するための方法に関するものである。
れた特性を有しているため、各種の防錆鋼板として広く
使用されている。この合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を、自
動車用の防錆鋼板として使用する場合には、耐食性およ
び塗装適合性に優れるとともに、自動車の車体製造工程
において要求される、プレス成形性およびスポット溶接
性に優れることが必要である。
キ鋼板は、母材の鋼板(例えば、冷延鋼板)と比較し
て、プレス成形性およびスポット溶接性に関して、以下
の問題を有している。
ッキ鋼板をプレス成形するに当たり、鋼板の表面上に形
成された亜鉛−鉄合金メッキ層とプレス金型との間に形
成される摺動面に加わる摺動抵抗力は、母材の鋼板とプ
レス金型との間のそれよりも高い。従って、合金化溶融
亜鉛メッキ鋼板においては、ビードとの摺動面のように
摺動の激しい部分において、鋼板が流入しにくくなり、
鋼板の破断が起こり易くなる。このように、合金化溶融
亜鉛メッキ鋼板は、母材の冷延鋼板のみよりも破断が起
こり易い。合金化溶融亜鉛メッキ鋼板がプレス成形性に
劣るのは、以上のことが原因となっている。
を向上させる方法として、従来から、合金化溶融亜鉛メ
ッキ鋼板の表面上に高粘度の潤滑油を塗布し、プレス金
型との間の摺動面に加わる摺動抵抗力を低下する方法
が、広く一般的に用いられている。しかしながら、この
方法は、プレス成形前に潤滑油を塗布する作業、およ
び、プレス成形後に潤滑油を脱脂する作業が必要であ
る。そのため、コスト高であり、および、プレス作業場
の環境を悪くする問題がある。
ト溶接は、互いに重ね合わされた2枚の合金化溶融亜鉛
メッキ鋼板を、銅製の1対の電極チップで挟み、そし
て、1対の電極チップで合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を相
互に押圧しながら、電極チップに通電して、上記2枚の
合金化溶融メッキ鋼板を、相互に電気抵抗溶接すること
からなっている。
ト溶接するに当たり、次に述べる問題が生じる。即ち、
スポット溶接時に生ずる溶接熱によって、2枚の合金化
溶融亜鉛メッキ鋼板の、溶接部の亜鉛−鉄合金メッキ層
が溶融する。亜鉛−鉄合金メッキ層のこのように溶融し
た合金化溶融亜鉛めっき鋼板が、1対の電極チップに含
有されている銅と反応して、1対の電極チップの各々の
上に、硬くそして脆い亜鉛−銅合金層が生成する。その
結果、電極チップの損耗が激しい。従って、母材の冷延
鋼板のみをスポット溶接する場合と比較して、電極チッ
プの寿命が短くなり、連続打点数が減少し、スポット溶
接性が低下する。
接性に優れたメッキ鋼板として、従来、次に示すメッキ
鋼板が提案されている。
からなる、スポット溶接性の優れた表面処理鋼板が開示
されている。亜鉛メッキ層または亜鉛合金メッキ層の上
に、酸化アルミニウム( Al2 O 3 )、二酸化ケイ素(SiO
2 ) および二酸化チタン(TiO 2 ) のうちの少なくとも
1つからなる酸化物被膜を有する表面処理鋼板(以下、
「先行技術1」という)。
接性に優れたメッキ鋼板を得ることができる。酸化アル
ミニウム( Al2 O 3 ) 、二酸化ケイ素(SiO2 ) および二
酸化チタン(TiO 2) のうちの少なくとも1つからなる
酸化物被膜は、電気抵抗が大きく、且つ、高い融点を有
しており、亜鉛系メッキ鋼板のスポット溶接性を非処理
鋼板と同等の程度まで向上させることができる。
らなる、スポット溶接性に優れた合金化亜鉛鉄板が開示
されている。合金化亜鉛鉄板のメッキ層の表面層の酸化
率を、70%以下(IZnO/IZn+IZnO、但しIZnO:X線光電
子分光分析による酸化合金層の光電子強度、IZn :X線
電子分光分析による未酸化合金層の光電子強度)にした
合金化亜鉛鉄板(以下、「先行技術2」という)。
鋼板のメッキ層の表面上に、酸化亜鉛(ZnO) を主体とす
る酸化物被膜を形成するものであり、先行技術2によれ
ば、スポット溶接性に優れたメッキ鋼板を得ることがで
きる。
からなる、プレス成形性に優れた亜鉛メッキ鋼板および
その製造方法が開示されている。 亜鉛メッキ鋼板の表面に酸化物被膜を形成せしめた
亜鉛メッキ鋼板。 亜鉛メッキ鋼板の表面に酸化亜鉛(ZnO )を主体と
する酸化膜を酸化亜鉛(ZnO )量で30〜3000mg/m2 (片
面あたり)形成せしめた亜鉛メッキ鋼板。 亜鉛メッキ鋼板のメッキ層表面を電解酸化、浸漬酸
化または塗布酸化処理により亜鉛または鉄を主体とする
酸化物を形成せしめる亜鉛メッキ鋼板の製造方法。 メッキ層表面が固相状態または、メッキ層表面が合
金化し粗面化後、加熱し酸化亜鉛(ZnO )を主体とする
酸化膜を生成せしめる亜鉛メッキ鋼板の製造方法。 (以下、「先行技術3」という)。
メッキ層の表面上に、電解処理、浸漬処理、塗布酸化処
理または加熱処理により、酸化亜鉛(ZnO)を主体とする
酸化物被膜を形成するものであり、先行技術3によれ
ば、プレス成形性に優れた亜鉛メッキ鋼板を得ることが
できる。
た先行技術1は、次のような問題を有している。即ち、
上述したように、酸化アルミニウム( Al2 O 3 ) 、二酸
化ケイ素(SiO2 ) および二酸化チタン(TiO 2 ) 等から
なる酸化物被膜は、亜鉛メッキ鋼板の表面上に、酸化ア
ルミニウム( Al2 O 3 ) 、二酸化ケイ素(SiO2 ) および
二酸化チタン(TiO 2 ) 等の酸化物を含む溶液を塗布
し、次いで、鋼板を乾燥することにより形成される。し
かしながら、先行技術1は、このような方法で形成され
た酸化物被膜と、亜鉛メッキ層または亜鉛合金メッキ層
との密着力が弱いために、塗装後の塗料密着性に劣って
いる。
有している。即ち、上述したように、合金化亜鉛メッキ
層の表面上に形成された、酸化亜鉛(ZnO)を主体とする
酸化物被膜は、プレス成形するに当たり、鋼板の表面と
プレス金型との間の摺動面に加わる摺動抵抗力を低減す
る作用が小さく、プレス成形性に劣っている。
およびスポット溶接性に優れた合金化溶融亜鉛メッキ鋼
板の製造方法を提供することにある。
ら、良好な塗料密着性を有し、プレス成形時の、鋼板の
表面とプレス金型との間の摺動面に加わる摺動抵抗力、
即ち、鋼板の表面上に形成された亜鉛−鉄合金メッキ層
とプレス金型との間の摺動面に加わる摺動抵抗力が小さ
く、更に、スポット溶接時に、電極チップの上に、亜鉛
−銅合金層が生成することのない、プレス成形性および
スポット溶接性に優れた合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を製
造するための方法を開発すべく、鋭意、研究を重ねた。
その結果、我々は、次の知見を得た。
合金メッキ層の表面上に、前記亜鉛−鉄合金メッキ層よ
りも硬く、且つ、融点が高い、ニッケル(Ni)、マンガン
(Mn)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V) および銅(Cu)の
うちの少なくとも1つの酸化物被膜を形成することによ
り、鋼板の表面とプレス金型との間の摺動面に加わる摺
動抵抗力を低減してプレス成形性を改善することがで
き、および、銅製の電極チップと亜鉛−鉄合金メッキ層
とが直接接触することを防ぐことにより、1対の電極チ
ップの各々の上に、亜鉛−銅合金層が生成するのを防
ぎ、スポット溶接性を改善することができる。 (2) 上記酸化物被膜を、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の加
熱処理工程において形成することにより、亜鉛−鉄合金
メッキ層と上記酸化物被膜との密着性が改善され、良好
な塗料密着性が得られる。
たものである。この発明の方法は、鋼板を溶融亜鉛メッ
キ浴に通し、鋼板の少なくとも1つの表面上に亜鉛メッ
キ層を形成し、次いで、前記亜鉛メッキ層が形成された
前記鋼板の表面上に、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、モ
リブデン(Mo)、バナジウム(V)および銅(Cu)のうちの少
なくとも1つの金属イオンを含有する水溶液を噴霧し、
次いで、前記鋼板を加熱して前記亜鉛メッキ層と前記鋼
板とを合金化させて亜鉛−鉄合金メッキ層を形成すると
ともに、前記亜鉛−鉄合金メッキ層の表面上に、前記鋼
板の片面当たり、金属イオン量換算で10から1500mg/m2
の範囲内の量の、前記金属イオンの酸化物被膜を形成す
ることに特徴を有するものである。前記水溶液が、硝酸
塩溶液、塩化物塩溶液または水酸化物溶液であることに
特徴を有するものである。前記亜鉛−鉄合金メッキ層中
の鉄の含有量は、7から15wt%の範囲内であることに特
徴を有するものである。前記亜鉛−鉄合金メッキ層の量
は、前記鋼板の片面当たり、20から150 g/m2の範囲内で
あることに特徴を有するものである。
を溶融亜鉛メッキ浴に通し、鋼板の少なくとも1つの表
面上に、亜鉛メッキ層を形成し、次いで、亜鉛メッキ層
が形成された鋼板の表面上に、ニッケル(Ni)、マンガン
(Mn)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V) および銅(Cu)の
うちの少なくとも1つの金属イオンを含有する水溶液を
噴霧し、次いで、鋼板を加熱して亜鉛メッキ層と鋼板と
を合金化させて亜鉛−鉄合金メッキ層を形成するととも
に、前記亜鉛−鉄合金メッキ層の表面上に、鋼板の片面
当たり、金属イオン量換算で10から1500mg/m2 の範囲内
の量の、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、モリブデン(M
o)、バナジウム(V) および銅(Cu)のうちの少なくとも1
つの金属イオンの酸化物被膜を形成する。
された、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、モリブデン(M
o)、バナジウム(V)および銅(Cu)のうちの少なくとも1
つの金属イオンの酸化物被膜は、例えば、NiO 、MnO2、
MoO2、V2O3、V4O7、Cu2O等の酸化物からなる被膜であ
り、前記亜鉛−鉄合金メッキ層の表面との密着性に優れ
ている。そして、この、酸化物被膜は、亜鉛−鉄合金メ
ッキ層と比較して硬いため、プレス成形時における鋼板
の表面とプレス金型との間に加わる摺動抵抗力が低減し
て、鋼板がプレス金型へ流入し易くなり、プレス成形性
が向上する。
ッキ層と比較して融点が高いため、スポット溶接時に、
銅製の電極チップと亜鉛−鉄合金メッキ層とが直接接触
するのを防ぎ、これにより銅と亜鉛との合金化が抑制さ
れる。このため、1対の電極チップの各々の上に、亜鉛
−銅合金層が生成せず、電極の損耗が少なく、スポット
溶接性(連続打点性)が向上する。
(Mo)、バナジウム(V) および銅(Cu)のうちの少なくとも
1つの金属イオンを含有する水溶液は、鋼板を加熱炉に
導入する前に、鋼板の表面上へ噴霧する。酸化物被膜の
付着量は、噴霧する水溶液(以下、「噴霧溶液」とい
う)の濃度および噴霧量によって調整することができ
る。酸化物被膜の付着量は、金属イオン量に換算して、
鋼板の片面当たり、10から1500mg/m2 の範囲内とすべき
である。酸化物被膜の付着量が、鋼板の片面当たり、10
mg/m2 未満では、上述したプレス成形性およびスポット
溶接性の向上作用に、所望の効果が得られない。一方、
酸化物被膜の付着量が、鋼板の片面当たり、1500mg/m2
を超えると、スポット溶接時の電気抵抗が大きくなり過
ぎて、電極自体が発熱し、損耗し易くなる。
鉛−鉄合金メッキ層の付着量は、耐食性を満足させるた
めに、鋼板の片面当たり、20g/m 2 以上が好ましい。ま
た、150g/m 2を超えるとスポット溶接性が悪くなる。
鉛−鉄合金メッキ層中の鉄の含有量は、7から15wt%の
範囲内であることが好ましい。鉄の含有量が7wt%未満
では、塗装後耐食性が劣化する。一方、鉄の含有量が15
wt%を超えると、プレス成形加工時にメッキ層の粉状の
剥離、即ち、パウダリングが発生する。
鉛−鉄合金メッキ層の表面上への、酸化物被膜の被覆状
態は、必ずしも均一である必要はなく、島状に分布して
いても、上記作用に影響はない。亜鉛−鉄合金メッキ層
の表面は平滑でなく、従って、凸になった部分に酸化物
被膜があれば、亜鉛−鉄合金メッキ層と金型との直接的
な接触、および、電極と亜鉛との直接的な接触を防ぐこ
とができるためである。
は、片面合金化溶融亜鉛メッキ鋼板および両面合金化溶
融亜鉛メッキ鋼板の、何れも含まれる。
液および水酸化物溶液等を使用する。その理由は、合金
化処理時の熱により、水分が蒸発すると同時に、塩であ
る陰イオンを分解する必要があるからであり、このよう
な作用を有する塩の例として、上記の、硝酸塩溶液、塩
化物塩溶液および水酸化物溶液等が用いられる。
(Mo)、バナジウム(V) および銅(Cu)のうちの少なくとも
1つの金属イオンを含有する水溶液に、酸化剤を含有さ
せると、更に安定な酸化物被膜を形成することができ
る。被膜の安定化とは、前記酸化剤の作用により、亜鉛
−鉄合金メッキ層中の亜鉛が酸化されるために、酸化物
被膜がより緻密で強固になることをいう。上述のよう
に、合金化処理時の熱により、水分が蒸発すると同時
に、塩である陰イオンを分解する必要があるので、この
ような作用を有する、硝酸、硝酸塩、過マンガン酸塩、
過塩素酸塩および過酸化水素等が、酸化剤として用いら
れる。
対比しながら、更に詳細に説明する。合金化溶融亜鉛メ
ッキ鋼板の、連続溶融メッキラインにおいて、メッキ浴
出側に設けられた加熱炉の直前に、簡易型のスプレー設
備を設けた。そして、下記に示す条件により、合金化溶
融亜鉛メッキ鋼板を調製した。即ち、板厚0.8 mmの冷延
鋼板を溶融亜鉛メッキ浴に通し、鋼板の両面または片面
上に、亜鉛メッキ層を形成した。次いで、上記スプレー
設備によって、鋼板の両面上に、表1に示す、ニッケル
(Ni)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)
および銅(Cu)のうちの少なくとも1つの金属イオンを含
有する、60℃の温度の水溶液を噴霧した。次いで、加熱
炉において鋼板を加熱して、亜鉛メッキ層と鋼板とを合
金化させて、亜鉛−鉄合金メッキ層を形成するととも
に、前記亜鉛−鉄合金メッキ層の表面上に前記金属イオ
ンの酸化物被膜を形成し、この発明の範囲内の合金化溶
融亜鉛メッキ鋼板の供試体(以下、「本発明供試体」と
いう)Nos.1から7を調製した。 メッキ浴化学成分組成:Al;0.12 wt%、Zn; 残り メッキ浴温度 :460 ℃ メッキ浴浸入鋼板温度:470 ℃ 合金化温度 :510 ℃ 合金化時間 :所定の鉄含有量(7から15wt%
の範囲内)が得られるように調整。
れた鋼板の表面上に、なにも噴霧しない以外は、本発明
供試体と同一の条件により、この発明の範囲外の合金化
溶融亜鉛メッキ鋼板の供試体(以下、「比較用供試体」
という)No. 1を調製した。
れた鋼板の表面上に、本発明水溶液の代わりに水を噴霧
した以外は、本発明供試体と同一の条件により、この発
明の範囲外の合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の供試体(以
下、「比較用供試体」という)No. 2を調製した。
れた鋼板の表面上に、マンガン(Mn)イオンを含有する水
溶液を、マンガンイオンの酸化物被膜の付着量が、この
発明の範囲を超えるように噴霧した以外は、本発明供試
体と同一の条件により、この発明の範囲外の合金化溶融
亜鉛メッキ鋼板の供試体(以下、「比較用供試体」とい
う)No. 3を調製した。
よび、比較用供試体Nos.1から3の、亜鉛−鉄合金メッ
キ層および酸化物被膜の付着量を、表1に示す。
によって行った。即ち、供試体を、試薬特級濃塩酸(12
モル/リットル)を5倍の量の蒸留水で薄めた塩酸(以
下、「塩酸(1+5)」という)に浸漬して、酸化物被
膜を亜鉛−鉄合金メッキ層とともに溶解し、そして、I
CP(Inductively Coupled Plasma・高周波誘導結合プ
ラズマ)発光分光分析法によって定量分析して金属イオ
ンの付着量を決定した。また、酸不溶性酸化物からなる
酸化物被膜の付着量の測定は、供試体を、塩酸(1+
5)に浸漬して、酸化物被膜を亜鉛−鉄合金メッキ層と
ともに溶解し、次いで、溶解した溶液中の残渣を濾過
し、次いで、濾過した残渣を、硼砂(Na2 B 4 O 7 )、
炭酸ナトリウム( Na 2 CO3 )および炭酸カリウム( K
2 CO 3)からなる混合融剤(硼砂:炭酸ナトリウム:炭
酸カリウム=4:3:3)によって溶融し、次いで、塩
酸(1+5)によって溶解し、そして、ICP発光分光
分析法によって定量分析して金属イオンの付着量を決定
した。
明供試体Nos.1から7、および、比較用供試体Nos.1か
ら3について、下記に示す方法によって、スポット溶接
性およびプレス成形性を調べた。その結果を表1に示
す。
から7、および、比較用供試体Nos.1から3の各2枚に
対し、1対の電極チップによって、スポット溶接を連続
的に行った。スポット溶接性の評価は、各2枚の合金化
溶融亜鉛メッキ鋼板の供試体の継手部に、下記に示す試
験条件により、所定の直径以上の適切なナゲットを形成
し得る、前記1対の電極チップの溶接回数(連続打点
数)を調べ、その結果によって行った。試験条件は、以
下の通りであった。 電極 :先端径6mm、ドーム形 加圧力 :250 Kg 溶接時間:12サイクル 溶接電流:11.0 kA 溶接速度:1点/sec 電極寿命:ナゲット径が、数1を下回った溶接回数(連
続打点数)を電極の寿命とした。但し、t:板厚。
ら7、および、比較用供試体Nos.1から3の摩擦係数
を、下記に示す測定方法により測定し、その値によって
各供試体のプレス成形性を評価した。図1は、摩擦係数
測定装置を示す正面図である。摩擦係数測定装置は、そ
の上面に供試体1が載置される水平移動可能なスライド
テーブル2と、スライドテーブル2上の供試体1をその
上方から押さえる接触子3と、スライドテーブル2の下
方における、接触子3と対称位置に設けられた、スライ
ドテーブル2の下面に接触するローラー4を有する上下
動可能なスライドテーブル支持台5と、スライドテーブ
ル支持台5に取り付けられた、スライドテーブル支持台
5による押し付け荷重Nを測定するための第1ロードセ
ル6と、スライドテーブル2の水平移動方向の端部に取
り付けられたスライドテーブル2による摺動抵抗力Fを
測定するための第2ロードセル7とからなっている。8
はレールである。図示しない駆動機構により、スライド
テーブル支持台5を上方に押し上げて、スライドテーブ
ル2上に載置された供試体1を、接触子3に矢印で示す
ように押し付け荷重Nで接触させるとともに、図示しな
い別の駆動機構により、スライドテーブル2を、供試体
1とともに、矢印で示すように摺動抵抗力Fで、下記に
示す引き抜き速度によって水平移動させる。この水平移
動時における押し付け荷重Nと摺動抵抗力Fとの比か
ら、下記式によって、摩擦係数μを算出した。 μ=F/N 測定条件は、以下の通りであった。 接触子 :直径10mmφ 押し付け荷重:400 Kgf 引き抜き速度:100 cm/min 。
o. 1は、水溶液の噴霧を行わなかったため、スポット
溶接性およびプレス成形性が劣っていた。
わず、水の噴霧を行ったため、スポット溶接性およびプ
レス成形性が劣っていた。
量が、この発明の範囲を外れて高いため、スポット溶接
時の電気抵抗が大きくなり過ぎて、スポット溶接性が著
しく劣っていた。また、電極自体が発熱してスパーク
し、電極が溶損した。
は、スポット溶接性およびプレス成形性のいずれも良好
であった。
よれば、プレス成形性およびスポット溶接性に優れた合
金化溶融亜鉛メッキ鋼板が得られ、かくして、工業上有
用な効果がもたらされる。
Claims (4)
- 【請求項1】 鋼板を溶融亜鉛メッキ浴に通し、鋼板の
少なくとも1つの表面上に亜鉛メッキ層を形成し、次い
で、前記亜鉛メッキ層が形成された前記鋼板の表面上
に、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、バ
ナジウム(V) および銅(Cu)のうちの少なくとも1つの金
属イオンを含有する水溶液を噴霧し、次いで、前記鋼板
を加熱して前記亜鉛メッキ層と前記鋼板とを合金化させ
て亜鉛−鉄合金メッキ層を形成するとともに、前記亜鉛
−鉄合金メッキ層の表面上に、前記鋼板の片面当たり、
金属イオン量換算で10から1500mg/m2 の範囲内の量の、
前記金属イオンの酸化物被膜を形成することを特徴とす
る、プレス成形性およびスポット溶接性に優れた合金化
溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 前記水溶液が、硝酸塩溶液、塩化物塩溶
液または水酸化物溶液である、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記亜鉛−鉄合金メッキ層中の鉄の含有
量は、7から15wt%の範囲内である、請求項1記載の方
法。 - 【請求項4】 前記亜鉛−鉄合金メッキ層の量は、前記
鋼板の片面当たり、20から150 g/m2の範囲内である、請
求項1記載の方法。
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JPH05148605A JPH05148605A (ja) | 1993-06-15 |
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KR101311491B1 (ko) * | 2011-12-13 | 2013-09-25 | 주식회사 케이씨디 | 아연 도금 강판의 저항용접 방법, 아연 도금 강판 저항용접용 전극 팁의 재생 방법 |
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1991
- 1991-11-28 JP JP03339615A patent/JP3106634B2/ja not_active Expired - Fee Related
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