JP3868243B2 - 溶接性、耐食性に優れたクロメートフリー処理溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板 - Google Patents

溶接性、耐食性に優れたクロメートフリー処理溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶接性、耐食性に優れたクロメートフリー処理溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
溶融亜鉛−アルミニウムめっき鋼板は溶融亜鉛めっき鋼板と比較し耐食性に優れることから、建材、自動車、家電製品等の広い用途への適用が検討されている。中でもMgとSiを含有するZn−Al−Mg−Si合金めっきは非常に優れた耐食性を持つことから次世代のめっき鋼板として様々の用途への展開が期待されている。しかし優れた耐食性を持つ反面、Alを含有することにより、溶接性が劣るという欠点がある。これは通常の亜鉛の融点が約419℃であるのに対し、Alを含有することで融点が400℃以下に降下し溶接時にめっき層が容易に溶解、電極との接触面積が広くなり溶接電流密度が低下し、形成するナゲットが小さくなるとともに、電極表面にCu−Zn合金が生成し易く電極の損耗が激しくなる為である。
【0003】
こうした合金化溶融亜鉛めっきにおける溶接性の改善方法としてZnOを主成分とする酸化皮膜をめっき表面に形成させる技術(特開平2-004983号公報)、Zn−5%AlめっきへのTi添加によるFe合金化の促進による溶接性の改善技術(特開平5-263210号公報)、亜鉛−アルミニウム系溶融めっき表面にシリカ皮膜を形成し溶接性を改善する技術(特開平6-336664号公報)等が提示されているが、いずれも実用に際しては設備的な制約やコスト、性能バランス等の問題を抱えている。
【0004】
また、耐食性に優れる溶融亜鉛−アルミニウム系合金めっきではあるが、海水等の塩分を含む環境や高温多湿環境下においては通常の溶融亜鉛めっきと同様にめっき表層に白錆が発生し外観や表面の導電性といった表面特性を著しく損なう問題を有している。
【0005】
この白錆発生を防ぐ手段として、従来よりクロメート処理と称する化成処理が用いられてきた。このクロメート処理としては、電解型クロメート、塗布型クロメート、反応型クロメート等が挙げられる。
【0006】
これらの処理によって得られるクロメート皮膜の内、電解処理等によって形成されたクロメート皮膜は3価クロム主体であり6価クロムの溶出性は少ないものの防食性は十分とは言えず、特に加工時などの皮膜損傷が大きい場合、その耐食性は低下する。一方、塗布型クロメート処理等により形成された6価クロムを多く含有する皮膜の耐食性は高く、特に加工部耐食性に優れているが、クロメート皮膜からの6価クロムの溶出が大きいという問題を有している。このため、6価クロムを含有するクロメート処理は処理工程での廃液処理や作業者への安全性について問題があるだけではなく、6価クロムの溶出による環境への影響が問題とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、こうした状況に鑑み、従来の亜鉛−アルミニウム系合金めっきの溶接性を改善するとともに耐食性についても優れた性能を有するクロメートフリー処理溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
溶接性の劣化はめっき合金の融点降下による通電面積の拡大と電極上でのCu−Zn合金生成による電極の損耗による。そのため、これらの不良要因の抑制が可能で、且つ耐食性も優れるクロメートフリーな皮膜をめっき表層に付与することで解決することを指向した。種々の皮膜について鋭意検討を行った結果、ジルコニウム化合物、バナジル化合物を含有する皮膜を付与することにより目的の溶接性と耐食性が得られることを確認した。
【0009】
溶接性、耐食性の発現メカニズムは明らかではないが、炭酸ジルコニウム錯イオンと、バナジルイオンを含有する処理液をAlを含有するめっき鋼板上に塗布、乾燥することにより、ジルコニウム化合物及びバナジル化合物による緻密な3次元構造の皮膜を形成する。この緻密な皮膜が溶接性に対しては、鋼板表面の電気抵抗を上げることで発熱量を増加させ溶接ナゲットの形成を促進するとともに、緻密な皮膜の存在により電極とめっき金属の直接接触を防ぎCu−Zn合金の形成を抑制、電極の損耗が抑制されているものと考えられる。
【0010】
また、耐食性については、皮膜の緻密な構造が、優れたバリヤー性を発揮し、腐食因子をめっき金属から遮蔽することにより、優れた耐食性が得られるものと考えられる。尚、皮膜中のバナジル化合物は湿潤環境下において、層欠陥部のめっき金属と反応し保護層を形成する、いわゆる自己補修作用が期待でき、これも優れた耐食性の発現に寄与しているものと考えられる。
【0011】
つまり、本発明の要旨とするところは、以下に示すとおりである。
(1)鋼板の表面に、
Mg:1〜10質量%、
Al:2〜19質量%、
Si:0.01〜2質量%含有し、
かつ、MgとAlが下式
Mg(質量%)+Al(質量%)≦20質量%
を満たし、残部がZn及び不可避的不純物よりなるZn合金めっき層を有し、更にその表層に、
ジルコニウム化合物をジルコニウムとして10〜30質量%、
バナジルイオン(VO 2+ )の塩として供給されるバナジル化合物をバナジウムとして5〜20質量%
含有している皮膜を付着量として少なくとも片面に200〜1200mg/m2有することを特徴とする、溶接性及び耐食性に優れるクロメートフリー処理亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
(2)皮膜中に有機酸を固形分として20〜50質量%含有することを特徴とする前記(1)に記載のクロメートフリー処理亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
(3)皮膜中にリン酸化合物をPO4として10〜30質量%含有することを特徴とする前記(1)〜(2)の何れかに記載のクロメートフリー処理亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
(4)皮膜中にシリカ化合物をSiO2として10〜30質量%含有することを特徴とする前記(1)〜(3)の何れかに記載のクロメートフリー処理亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
(5)皮膜中にフッ素化合物をFとして5〜20質量%含有することを特徴とする前記(1)〜(4)の何れかに記載のクロメートフリー処理亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
(6)皮膜中に潤滑成分を0.1〜15質量%含有することを特徴とする前記(1)〜(5)の何れかに記載のクロメートフリー処理亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
まずめっき成分について述べる。
めっき層中のAlは耐食性向上のために添加される。2質量%未満では充分な耐食性の向上が得られず、19質量%を超えると耐食性向上効果が飽和するとともに溶接性が大幅に低下するため、Al含有量は2〜19質量%とした。
Mgの添加の目的も耐食性の向上である。1質量%未満では耐食性向上効果が不充分であり、10質量%を超えるとめっき層が脆くなり密着性を低下させてしまうため、Mg含有量は1〜10質量%とした。
【0013】
Siの添加目的は耐食性の向上とめっき層中のAlとFeの反応の抑制によるめっき密着性の向上である。0.01質量%未満ではその添加効果が不充分であり、2質量%を超えるとめっき密着性向上効果が認められなくなるためである。
【0014】
尚、MgとAlの含有量を式 Mg(質量%)+Al(質量%)≦20(質量%)に限定した理由であるが、めっき層中のZn含有量が低くなると犠牲防食効果が低下し耐食性が低下するためである
【0015】
また、めっき層中には上記の組成以外にFe、Ti、Ni、Sb、Pb等の元素を単独あるいは複合で1質量%以内含有しても良い。
めっき付着量については特に限定するものではないが、耐食性の観点から10g/m2以上、また溶接性、加工性の観点からは350 g/m2以下であることが望ましい。
【0016】
尚、溶融めっきの製造方法としては フラックス法、ゼンジミア法やNi等のプレめっきを施して濡れ性を確保する方法等があるが、いずれでも構わない。また、めっき後の外観を変化させる目的で、水スプレー、気水スプレーを噴霧したり、リン酸ソーダ水溶液やZn粉末、さらにはリン酸Zn粉末、リン酸水素Mg粉末もしくはそれらの水溶液を噴霧しても良い。まためっき後、本発明の皮膜を形成する前にめっきの変色防止等のため硫酸Co溶液や硫酸Ni溶液等による表面調整を施しても良い。
【0017】
皮膜の形成方法としては炭酸ジルコニウム錯イオン:[Zr(CO3)2(OH)22-、若しくは[Zr(CO3)3(OH)]3-と、バナジルイオン:VO2+を含有する処理液を鋼板表面に塗布、加熱によって水分を除去し乾燥させることで、優れたバリヤー性を有する緻密な3次元構造の皮膜を形成する。
【0018】
ここで、炭酸ジルコニウム錯イオンは[Zr(CO3)2(OH)22- 又は[Zr(CO3)3(OH)]3-のアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩などから供給される。
バナジルイオン(VO2+)は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸などの無機酸、若しくは蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸等の有機酸アニオンとの塩によって供給されるオキソバナジウムカチオンである。
【0019】
皮膜中に含まれるジルコニウム化合物はジルコニウムとして10〜30質量%、バナジル化合物はバナジウムとして5〜20質量%が好ましい。ジルコニウムの含有量が10質量%未満もしくはバナジウムの含有量が5質量%未満の場合には、目標とする耐食性を得ることができず、一方、ジルコニウムの含有量が30質量%を超えるもしくはバナジウムの含有量が20質量%を超える場合には、耐食性向上効果が飽和するため経済的でない。
【0020】
皮膜中に有機酸を添加することにより、更なる耐食性の向上を図ることができる。有機酸としては、例えば、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、デヒドロ酢酸、デヒドロ安息香酸、デヒドロアスコルビン酸、没食子酸、タンニン酸、若しくはこれらのアンモニウム塩が挙げられる。処理液中において、これらの有機酸はバナジルイオンと安定なキレート錯体を形成している。
【0021】
バナジルイオンの供給源として、グリコール酸バナジル、酒石酸バナジル、デヒドロアスコルビン酸バナジルのように、既に有機酸を配位子としてバナジルイオンに錯形成させた化合物を用いることができるが、この場合は、有機酸を改めて添加する必要はない。
【0022】
皮膜中に含まれる有機酸の含有量としては、固形分として20〜50質量%が好ましい。有機酸の含有量が20質量%未満の場合は、バナジルイオンとのキレート錯体の形成力が弱いため耐食性の向上効果が乏しく、一方、50質量%を超える場合はバナジルイオンとのキレート形成力が飽和するので経済的でない。
【0023】
また、皮膜中にリン酸化合物、シリカ化合物、フッ素化合物を添加することにより、更なる耐食性の向上を図ることができる。リン酸化合物としては、リン酸アンモニウム塩、リン酸カリウム塩、リン酸ナトリウム塩等が挙げられる。シリカ化合物としては、気相シリカ、シリカゾル等が挙げられる。フッ素化合物としては、フッ化水素酸塩、錯フッ化物塩等が挙げられる。
【0024】
皮膜中に含まれる含有量としては、リン酸化合物の場合はPO4として10〜30質量%が好ましい。PO4の含有量を10質量%以上とすることで、更なる耐食性向上効果が得られる。一方、30質量%を超えると耐食性向上効果は飽和するので、これ以上の添加は経済的でない。
シリカ化合物の場合は、SiO2として10〜30質量%が好ましい。SiO2の含有量を10質量%以上とすることで、更なる耐食性向上効果が得られる。一方、30質量%を超えると耐食性向上効果は飽和するので、これ以上の添加は経済的ではない。
フッ素化合物の場合は、Fとして5〜20質量%が好ましい。Fの含有量が5質量%未満の場合には耐食性向上効果が乏しく、20質量%を超える場合には耐食性向上効果が飽和するため経済的でない。
【0025】
尚、本発明においては皮膜中に潤滑成分として、二硫化モリブデン、グラファイト、二硫化タングステン、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、フッ化セリウム、メラミンシアヌレート、フッ素樹脂系ワックス、ポリオレフィン系ワックス等を添加することにより、加工性、耐傷付き性などを改善することができる。皮膜中に含まれる潤滑成分の含有量としては、0.1〜15質量%が好ましい。潤滑成分の含有量が0.1質量%未満では、加工性、耐傷付き性の向上効果が乏しく、15質量%を超える場合には加工性、対傷付き性の向上効果が飽和するので経済的でない。
【0026】
また、本来の性能を損なわない範囲内で消泡剤やレベリング剤を皮膜中に添加してもさしつかえない。
【0027】
皮膜の付着量は200〜1,200mg/m2が好ましい。付着量が200mg/m2未満においては十分な耐食性を得ることができない。また付着量が1,200mg/m2を超えたとしてもそれ以上の耐食性の向上は期待できず、むしろ密着性の低下や加工部におけるダメージの増加等による耐食性の劣化が懸念されることから、付着量は1,200mg/m2以下が望ましい。
【0028】
本発明での皮膜の形成方法については特に限定するものでは無く、スプレー法、浸漬法、コーターロール法、リンガーロール法、エア−ナイフ法等いずれの方法によっても可能である。
【0029】
また、上記方法によって形成した後に加熱乾燥が必要であるが、加熱乾燥方法については特に規定するものではなく、熱風、直火、誘導加熱等、いずれの方法においても可能である。また、乾燥時の到達板温については処理設備、処理条件等によるが、50℃〜200℃の間で皮膜の乾燥が可能な任意の温度とする。
【0030】
【実施例】
次に本発明について実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
【0031】
めっき原板としては板厚0.8mmのSPCCを使用した。めっきはゼンジミアタイプの連続溶融亜鉛めっきラインを使用し、加熱、焼鈍、めっきを行った。焼鈍雰囲気は10%水素、残90%窒素ガス雰囲気であり、露点を−30度とした。焼鈍温度は730℃、焼鈍時間は3分である。めっき組成は Al:11質量%、Mg:3質量%、Si:0.2質量%、残部がZn及び不可避的不純物からなり、めっき浴温度460℃でめっきを行った。めっき浴への漬浸後は窒素ガスワイピングによりめっき付着量を片面当たり90g/m2とした。めっき後、調質圧延を伸び率1%で行った。
【0032】
めっき付着量及びめっき層成分%の確認は蛍光X線装置による亜鉛の測定及び、めっき層を酸で溶解剥離しその溶液をICPにて分析、Zn、Al、Mg、Siについての定量を行った。
【0033】
めっき後の皮膜の形成については、実験室にて表1に示す条件に調整した処理液をバーコーターにて塗布、到達板温80℃で乾燥した。付着量の調整は処理液の濃度調整(水希釈)とバーコーターの番手によって実施した。付着量の確認は蛍光X線装置により皮膜中のZrを測定しその指標とした。
【0034】
比較材として、表2に示す条件の供試材を以下に示す手順にて作成、同じ手順で評価した。付着量の確認は蛍光X線装置により各々皮膜中のSi、Zr、Crを測定しその指標とした。
【0035】
鋼板処理条件
・水準 1〜100:
表1に示す条件に調整した処理液をバーコーターにて塗布、到達板温80℃で乾燥した。付着量の調整は処理液の濃度調整(水希釈)とバーコーターの番手によって実施した(付着量の条件は表3, 4に示す)。なお、ポリエチレンワックスはケミパールW950(三井化学製)を用いた。
・水準 102:
ジルコニウム化合物としてジルコゾールAC−7(松本製薬工業製)を用いバーコーターにて乾燥質量で0.5 g/m2となる様塗布、到達板温80℃で乾燥した。付着量の調整は処理液の濃度調整(水希釈)とバーコーターの番手によって実施した。
・水準 103:
シリカ化合物としてスノーテックス−O(日産化学製)を用いバーコーターにて乾燥質量0.5g/m2となるよう塗布、到達板温80℃で乾燥した。付着量の調整は処理液の濃度調整(水希釈)とバーコーターの番手によって実施した。
・水準 104、105:
市販のアクリル樹脂系エマルション(三井化学製)に、コロイダルシリカ(スノーテックス−O:日産化学製)を乾燥質量で樹脂:シリカ=75:25となるように加え、バーコーターを用いて供試材に塗布し、200℃の乾燥炉で10秒乾燥した。付着量の調整は処理液の濃度調整(水希釈)とバーコーターの番手によって実施した。
供試材の付着量は水準104:0.5g/m2、水準105:1.0g/m2とした。
・水準 106、107:
部分還元クロム酸(クロム還元率40%)とコロイダルシリカの混合物(CrO3:SiO2=1:3)を水希釈してバーコーターにて供試板に塗布し、板温60℃で乾燥した。
Cr付着量は水準106:Cr:20mg/m2、水準107:Cr:40mg/m2とした。
【0036】
溶接性試験は同条件で作製したサンプル鋼板を2枚重ね合わせてスポット溶接の連続打点性試験を実施した。
試験条件としては、電極形状:ドーム状、先端径:12mmφ、加圧力:220kgf、溶接時間は12サイクル(AC 50サイクル)、溶接電流は12KAとし、溶接済みサンプルを剪断引っ張り試験のナゲット径が4.5mm以下となった回数を電極寿命とした。
【0037】
連続打点の評価は、この電極寿命が2,000点以上を○、1,000以上2,000未満を△、1,000点未満を×とした。
溶接安定性の評価は、連続打点性が○(2,000点以上)のものを対象に、2,000〜2,010点までのナゲット径のばらつきで評価、最大ナゲット径と最小ナゲット径の差が0.5mm以下を合格とし○で表した。
【0038】
耐食性試験は、試験に供する鋼鈑を150mm×70mmに切り出し、高さ8mmのエリクセン加工を施し、さらに端面をテープシールした後、JIS Z 2371の塩水噴霧試験を実施し、試験時間72時間における平板部及びエリクセン加工部の白錆発生状況を評価した。
平板部、加工部の評価指標は以下の通り。
平板部 ◎:白錆0%、○:白錆0%超5%以下、△:白錆5%超30%以下、×:白錆30%超
加工部 ◎:白錆0%、○:白錆0%超30%以下、△:白錆30%超50%以下、×:白錆50%超
【0039】
加工性試験は、試験に供する鋼板を150mm×70mmに切り出し、バウデン試験(荷重500g、圧子10mmφSUJ−2、摺動距離50mm、摺動速度50mm/秒)を行い、摺動回数10回目の摩擦係数で評価した。
加工性の評価指標は以下の通り。
加工性 ○:摩擦係数0.2未満、△:摩擦係数0.2〜0.4、×:摩擦係数0.4超
【0040】
各試験の評価結果は表3〜5に示した通りである。本発明に記載の皮膜を有するめっき鋼板は優れた溶接性、耐食性を示しており、更に潤滑成分を添加した水準は加工性も優れていることが分かる。
【0041】
【表1】
Figure 0003868243
【0042】
【表2】
Figure 0003868243
【0043】
【表3】
Figure 0003868243
【0044】
【表4】
Figure 0003868243
【0045】
【表5】
Figure 0003868243
【0046】
【表6】
Figure 0003868243

Claims (6)

  1. 鋼板の表面に、
    Mg:1〜10質量%、
    Al:2〜19質量%、
    Si:0.01〜2質量%含有し、
    かつ、MgとAlが下式
    Mg(質量%)+Al(質量%)≦20質量%
    を満たし、残部がZn及び不可避的不純物よりなるZn合金めっき層を有し、更にその表層に、
    ジルコニウム化合物をジルコニウムとして10〜30質量%、
    バナジルイオン(VO 2+ )の塩として供給されるバナジル化合物をバナジウムとして5〜20質量%
    含有している皮膜を付着量として少なくとも片面に200〜1200mg/m2有することを特徴とする、溶接性及び耐食性に優れるクロメートフリー処理亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
  2. 皮膜中に有機酸を固形分として20〜50質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のクロメートフリー処理亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
  3. 皮膜中にリン酸化合物をPO4として10〜30質量%含有することを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載のクロメートフリー処理亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
  4. 皮膜中にシリカ化合物をSiO2として10〜30質量%含有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のクロメートフリー処理亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
  5. 皮膜中にフッ素化合物をFとして5〜20質量%含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のクロメートフリー処理亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
  6. 皮膜中に潤滑成分を0.1〜15質量%含有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のクロメートフリー処理亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板。
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