JP3105082B2 - エンジンの吸入空気量制御装置 - Google Patents

エンジンの吸入空気量制御装置

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JP3105082B2 JP04180957A JP18095792A JP3105082B2 JP 3105082 B2 JP3105082 B2 JP 3105082B2 JP 04180957 A JP04180957 A JP 04180957A JP 18095792 A JP18095792 A JP 18095792A JP 3105082 B2 JP3105082 B2 JP 3105082B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの吸入空気量
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、燃料噴射式ガソリンエンジンに
おいては、吸気通路にエアフローセンサが介設され、該
エアフローセンサによって検出される吸入空気量に対応
する噴射パルス幅で燃料噴射弁から燃料が噴射され、空
燃比が目標値に保持されるようになっているが、かかる
エアフローセンサとしては、従来よりホットワイヤ式エ
アフローセンサ等の質量流量計測エアフローセンサが多
用されている。
【0003】そして、ホットワイヤ式エアフローセンサ
においては、普通、その温度に応じて電気抵抗値が変化
するホットワイヤ(抵抗体)がエアの流れ中に配置され、
かかるホットワイヤの温度が一定値に保持されるよう
に、すなわち抵抗値が一定値に保持されるように通電さ
れ、その電流値からホットワイヤまわりのエア流速が演
算され、このエア流速と通路断面積とから吸入空気量が
演算されるようになっている。すなわち、ホットワイヤ
からエア中への放熱速度はエア流速によって決まり、他
方ホットワイヤでの発熱速度はホットワイヤの電流値に
よって決まるが、上記の放熱速度と発熱速度とはつり合
う(等しい)ので、電流値からエア流速を求めることがで
きるわけである。
【0004】しかしながら、かかるホットワイヤ式エア
フローセンサにおいては、ホットワイヤまわりのエア流
速がその流れ方向とは無関係に検出され、したがって流
れ方向には関係なくエアの流れはすべて吸入空気量とし
てカウントされることになり、例えば吸気通路内をエア
が逆流した場合、この逆流分も吸入空気量としてカウン
トされてしまう。
【0005】そして、一般に、エンジンにおいては、吸
気弁の開閉に伴って吸気脈動が発生するが、かかる吸気
脈動がエアフローセンサに波及すると、エアフローセン
サはこの吸気脈動により逆流するエアの流量をも吸入空
気量としてカウントしてしまい、エアフローセンサによ
って検出される吸入空気量は、実際の吸入空気量より多
くなってしまうことになる。しかしながら、一般にスロ
ットル弁まわりの吸気通路には、かかる燃焼室側の吸気
脈動の上流側への波及を抑制する効果、いわゆるフィル
タ効果が生じるので、かかる燃焼室側の吸気脈動は、そ
のままエアフローセンサに波及するわけではない。そし
て、かかるフィルタ効果は、スロットル弁の下流側と上
流側との間に、ある程度の圧力差がないと十分には生じ
ない。このため、スロットル開度が大きく吸気負圧の小
さい領域では、かかるフィルタ効果が十分には得られ
ず、したがって燃焼室側の吸気脈動がエアフローセンサ
に強く波及し、エアフローセンサによって検出される吸
入空気量が実際の吸入空気量よりもかなり多くなってし
まう。
【0006】そこで、エアフローセンサによる吸入空気
量検出値に、運転状態に応じて所定の上限ガードをか
け、エアフローセンサ検出値が上限ガード値を超える場
合でも、空燃比制御に用いる吸入空気量は上限ガード値
にとどめるようにしたエンジンの吸入空気量制御装置が
提案されている。そして、かかる吸入空気量制御装置に
おいては、通常大気圧が低いときにはその分だけ吸入空
気量が減少するので、かかる上流ガード値には、大気圧
補正が施されるようになっている。
【0007】そして、かかる上限ガード値の大気圧補正
を行うには大気圧を検出する必要があるが、大気圧セン
サはかなり高価であり、かかる大気圧センサを設けると
大幅なコストアップを招いてしまう。そこで、かかる大
気圧センサを設けずに、既設のエアフローセンサと回転
数センサとスロットルセンサとによって、夫々検出され
る吸入空気量とエンジン回転数とスロットル開度とに基
づいて、大気圧を推算する大気圧推算手段(コントロー
ルユニット)を設けたエンジンの吸入空気量制御装置が
提案されている(例えば、特開昭64−100335号
公報、特開平1−159446号公報参照)。
【0008】このような大気圧推算手段においては、普
通、スロットル開度とエンジン回転数とをパラメータと
する、標準大気状態(例えば、0℃、1気圧)における標
準充填効率をマップ化して予めコントロールユニット内
に記憶しておき、運転時には上記マップを用いてスロッ
トル開及びエンジン回転数から標準充填効率CEを求め
る一方、エアフローセンサによって検出される吸入空気
量とエンジン回転数とに基づいて実充填効率CE0を求
め、これらの標準充填効率CEと実充填効率CE0のず
れから大気圧を推算するようにしている。なお、この場
合、大気圧の推算の精度を高めるために、エンジンの運
転状態が、例えば標準大気圧下では、図4中の領域Aで
示すような所定の領域に入っている場合にのみ行なわれ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そして、かかる大気圧
推算手段においては、エアフローセンサによって検出さ
れる吸入空気量が正確であることが必須条件であるが、
前記したとおりホットワイヤ式エアフローセンサでは、
スロットル弁の上流側と下流側との間の圧力差が小さい
ときには吸気脈動の影響によりエアフローセンサ検出値
の精度が低下する。このため、大気圧が低い状態、例え
ば高地走行時等においては、全体的に上記圧力差が小さ
くなりエアフローセンサの検出精度が低下するので、こ
れに伴って大気圧推算値の精度も低下してしまうといっ
た問題がある。そして、このような精度の低い大気圧推
算値に基づいて、前記したような上限ガード値の補正を
行った場合、空燃比制御が大幅に乱れ、例えば高回転時
に空燃比が極端にリーン化したような場合には、エンジ
ンダメージが発生するおそれすらある。
【0010】そこで、一般的には、大気圧を推算する運
転領域を、高地でも十分な精度を確保するため、図4中
の領域Bで示すように非常に狭い領域に限定している
が、このようにすると、走行中大気圧を推算(更新)でき
る機会(頻度)が少なくなり、走行環境に即応した大気圧
を得ることができなくなるといった問題がある。本発明
は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので
あって、大気の状態にかかわりなく広い運転領域で大気
圧を正確に推算することができ、かつ大気圧推算値を吸
入空気量の上限ガードに利用した場合でもエンジンダメ
ージを発生させないエンジンの吸入空気量制御装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、図1に示すように、第1の発明は、基準となる大気
状態における吸気の基準充填効率をスロットル開度とエ
ンジン回転数とに対してあらわした充填効率マップを記
憶するマップ記憶手段Aと、吸入空気量を検出する質量
式の吸入空気量検出手段Bと、運転時に上記充填効率マ
ップを用いてスロットル開度とエンジン回転数とに基づ
いて得られた基準充填効率と、吸入空気量検出手段Bに
よって検出された吸入空気量に基づいて得られた実充填
効率とのずれから大気圧を推算する大気圧推算手段Cと
が設けられたエンジンの吸入空気量制御装置において、
吸入空気量検出手段Bによって検出された吸入空気量に
平均化処理を施して吸入空気量平均化処理値を求める吸
入空気量平均化手段Dと、該吸入空気量平均化手段Dに
よって求められた吸入空気量平均化処理値と、吸入空気
量検出手段Bによって検出された吸入空気量とを比較す
る吸入空気量比較手段Eと、該吸入空気量比較手段Eに
よる比較の結果において、吸入空気量平均化処理値と吸
入空気量との間のずれが脈動限界判定値よりも大きく吸
入空気量検出手段Bが吸気脈動の影響を受けていると判
断されたときには、大気圧推算手段Cに対して大気圧の
推算を禁止する大気圧推算禁止手段Fとが設けられてい
ることを特徴とするエンジンの吸入空気量制御装置を提
供する。
【0012】第2の発明は、第1の発明にかかるエンジ
ンの吸入空気量制御装置において、大気圧推算手段C
が、所定のスロットル開度領域においてのみ大気圧を推
算するようになっていることを特徴とするエンジンの吸
入空気量制御装置を提供する。
【0013】第3の発明は、基準となる大気状態におけ
る吸気の基準充填効率をスロットル開度とエンジン回転
数とに対してあらわした充填効率マップを記憶するマッ
プ記憶手段Aと、吸入空気量を検出する質量式の吸入空
気量検出手段Bと、運転時に上記充填効率マップを用い
てスロットル開度とエンジン回転数とに基づいて得られ
た基準充填効率と、吸入空気量検出手段Bによって検出
された吸入空気量に基づいて得られた実充填効率とのず
れから大気圧を推算する大気圧推算手段Cとが設けられ
たエンジンの吸入空気量制御装置において、吸入空気量
検出手段Bによって検出された吸入空気量に平均化処理
を施して吸入空気量平均化処理値を求める吸入空気量平
均化手段Dと、該吸入空気量平均化手段Dによって求め
られた吸入空気量平均化処理値と、吸入空気量検出手段
によって検出された吸入空気量とを比較する吸入空気量
比較手段Eと、該吸入空気量比較手段Eによる比較の結
果において、吸入空気量平均化処理値と吸入空気量との
間のずれが脈動限界判定値よりも大きく吸入空気量検出
手段Bが吸気脈動の影響を受けていると判断されたとき
には、大気圧推算手段Cに対して大気圧の推算を禁止す
る大気圧推算禁止手段Fと、吸入空気量検出手段Bによ
って検出される吸入空気量の上限値を設定する吸入空気
量上限値設定手段Gと、大気圧推算手段Cによって推算
された大気圧に基づいて、上記の吸入空気量の上限値を
補正する吸入空気量上限値補正手段Hと、混合気の過リ
ーン化によりエンジンダメージが発生するおそれがある
高回転領域では、吸入空気量上限値補正手段Hによる吸
入空気量の上限値の補正を禁止する吸入空気量上限値補
正禁止手段Iとが設けられていることを特徴とするエン
ジンの吸入空気量制御装置を提供する。
【0014】第4の発明は、第3の発明にかかるエンジ
ンの吸入空気量制御装置において、大気圧推算手段C
が、所定のスロットル開度領域においてのみ大気圧を推
算するようになっていることを特徴とするエンジンの吸
入空気量制御装置を提供する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図2に示すように、燃料噴射式ガソリンエンジンCE
は、吸気弁1が開かれたときに吸気ポート2から燃焼室
3内に混合気を吸入し、この混合気をピストン4で圧縮
して点火プラグ5で着火・燃焼させ、排気弁6が開かれ
たときに燃焼ガスを排気ポート7を介して排気通路8に
排出するようになっている。なお、排気通路8には、上
流側から順に、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)を検出す
るO2センサ9と、排気ガスを浄化する触媒コンバータ
10とが設けられている。また、点火プラグ5へは、デ
ィストリビュータ11と点火制御装置12とによって、
コントロールユニット13によって設定される所定のタ
イミングで高電圧の点火用電力が供給されるようになっ
ている。なお、ディストリビュータ11ではクランク角
(エンジン回転数)を検出できるようになっている。
【0016】そして、エンジンCE(燃焼室3)に燃料燃
焼用のエアを供給するために、下流端が吸気ポート2と
連通する吸気通路14が設けられ、この吸気通路14に
は、上流側から順に、吸入空気量を検出するホットワイ
ヤ式エアフローセンサ15(質量式エアフローセンサ)
と、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に対応して
開閉されるスロットル弁16と、エアの流れを安定させ
るサージタンク17とが設けられている。そして、吸気
ポート2近傍において、吸気通路14内に燃料を噴射す
る燃料噴射弁18が、噴射口が吸気ポート2方向に向く
ようにして設けられている。ここで、燃料噴射弁18の
燃料噴射量(噴射パルス幅)及び噴射タイミングは、後で
説明するように、コントロールユニット13によって、
エアフローセンサ15で検出される吸入空気量に応じて
設定されるようになっている。なお、エアフローセンサ
15は、請求項1,3に記載された「吸入空気量検出手
段」に相当する。
【0017】また、スロットル弁16より上流側の吸気
通路14内のエアを、スロットル弁16をバイパスして
サージタンク17に案内するバイパス吸気通路19が設
けられ、このバイパス吸気通路19は途中で、第1分岐
バイパス吸気通路19aと第2分岐バイパス吸気通路1
9bとに分岐した後、再び1つのバイパス吸気通路19
に集合されている。そして、第1分岐バイパス吸気通路
19aにはISCバルブ20が介設され、第2分岐バイ
パス吸気通路19bにはエアバルブ21が介設されてい
る。ここで、ISCバルブ20は、コントロールユニッ
ト13からの信号に従って開閉され、エアコンコンプレ
ッサ駆動時等、アイドル回転数を高める必要があるとき
に開かれるようになっている。さらに、スロットル弁1
6をバイパスするアイドルアジャスト通路22が設けら
れ、このアイドルアジャスト通路22には、アイドル回
転数を調整するためのアイドルアジャストスクリュ23
が介設されている。
【0018】コントロールユニット13は、請求項1〜
4に記載された「マップ記憶手段」と「大気圧推算手段」と
「吸入空気量平均化手段」と「吸入空気量比較手段」と「大
気圧推算禁止手段」と「吸入空気量上限値設定手段」と「吸
入空気量上限値補正手段」と「吸入空気量上限値補正禁止
手段」とを含む、マイクロコンピュータで構成されたエ
ンジンCEの総合的な制御装置であって、O2センサ9
によって検出される排気ガス中の酸素濃度(空燃比)、デ
ィストリビュータ11から出力されるクランク角信号
(エンジン回転数)、エアフローセンサ15によって検出
される吸入空気量、水温センサ24によって検出される
エンジン水温、スロットルセンサ25によって検出され
るスロットル開度等を入力情報として、所定の各種制御
を行うようになっているが、以下では、本発明にかか
る、大気圧の推算と該大気圧推算値の吸入空気量上限ガ
ード値への利用とを含む吸入空気量制御についてのみ、
図3に示すフローチャートに従って、適宜図2を参照し
つつ、制御方法を説明する。
【0019】制御が開始されると、まずステップ#1で
吸入空気量Q、エンジン回転数Ne、スロットル開度T
VO、エンジン水温THW等の各種制御情報が入力され
る。次に、ステップ#2で、エンジンCEの運転状態
が、大気圧を推算することが可能な領域(予測ゾーン)に
入っているか否かが比較・判定される。この予測ゾーン
は、例えば図4中の領域Aで示すように、標準大気状態
(例えば、0℃、760mmHg)において大気圧を正確に
推算できるような運転領域であって、スロットル開度T
VOとエンジン回転数Neとをパラメータとして設定さ
れている。
【0020】ステップ#2で、エンジンCEの運転状態
が、予測ゾーンに入っていないと判定された場合は(N
O)、どのようにしても正確に大気圧を推算することは
無理なので、以下の全ステップ(ステップ#3〜ステッ
プ#14)をスキップしてステップ#1に復帰する。他
方、予測ゾーンに入っていると判定された場合は(YE
S)、大気圧の推算を行うために、まずステップ#3
で、吸入空気量Qのなまし処理(平均化処理)が行なわ
れ、吸入空気量なまし値QAVE(吸入空気量平均化処
理値)が演算される。このなまし処理は、例えば、次の
式1に示すように、前回のなまし処理値QAVE'に、
所定のなまし係数K(1未満の正数)を用いて今回の吸入
空気量Qを反映させるといった普通のなまし処理であ
る。
【数1】 QAVE=K・Q+(1−K)・QAVE'…………………………式1 エアフローセンサ15によって検出される吸入空気量Q
には、通常、吸気脈動等に起因する振動ないしノイズが
含まれているが、このなまし処理によって演算されるな
まし処理値QAVEは、かかる振動ないしノイズが除去
された平均的な吸入空気量である。
【0021】ステップ#4では、吸入空気量Qと吸入空
気量なまし値QAVEの比(Q/QAVE)が演算され
る。続いて、ステップ#5で、上記の比Q/QAVEが
所定の脈動限界判定値より大きいか否かが比較・判定さ
れる。
【0022】前記したとおり、大気圧の推算を行う上に
おいては、吸入空気量Qの正確な値を必要とするが、ス
ロットル弁16の上流側と下流側との間の差圧が小さく
なると、吸気ポート側の吸気脈動がエアフローセンサ1
5に波及し、エアフローセンサ15の検出精度を低下さ
せてしまう。ここで、上記差圧は、吸気ブーストと大気
圧とによって決定されるので、結局吸入空気量Qを正確
に検出できるか否かはエンジンCEの運転状態と環境と
によることになる。したがって、従来の大気圧推算方法
のように推算を行う運転領域を固定してしまうと、正確
に大気圧を推算できる領域で大気圧の推算が行われなか
ったり、逆に正確に大気圧の推算を行うことができない
領域で大気圧の推算を行ってしまうなどといった不具合
が生じることになる。
【0023】そこで、本実施例では、Q/QAVEに基
づいて、エアフローセンサ15が吸入空気量Qを正確に
検出できる状態にあるか否かを判定するようにしてい
る。すなわち、エアフローセンサ15が吸気脈動の影響
を受けていない場合はQ/QAVEがほぼ1となるが、
エアフローセンサ15が吸気脈動の影響を受け、したが
って吸入空気量検出値の精度が以下するような状態にお
いてはQ/QAVEは1より大きくなる。ここで、Q/
QAVEは、吸気脈動の影響が大きいときほど大きくな
るので、このQ/QAVEが所定の脈動限界判定値より
大きいときには、エアフローセンサ15の検出値が正確
ではないものと判定して、大気圧の推算を禁止するよう
にしている。かかる大気圧推算方法によれば、大気圧を
正確に推算できる領域では必ず大気圧の推算が行なわ
れ、かつ大気圧を正確に推算することができない領域で
は、絶対に大気圧の推算が行なわれない。したがって、
大気圧を推算する領域が最大限に広げられ、大気圧の推
算の頻度が多くなり、大気圧の推算値の精度が高められ
る。
【0024】ステップ#5で、Q/QAVEが所定の脈
動限界判定値より大きいと判定された場合は(YES)、
大気圧を正確に推算することができないので、以下の全
ステップ(ステップ#6〜ステップ#14)をスキップし
てステップ#1に復帰する。他方、Q/QAVEが所定
の脈動限界判定値以下であると判定された場合は(N
O)、以下のステップ#6〜ステップ#10で大気圧の
推算が行なわれる。
【0025】ステップ#6では、例えば次の式2で示す
ように、吸入空気量なまし値QAVEとエンジン回転数
Neとに基づいて、実際の吸気充填効率CE0(以下、こ
れを実充填効率CE0という)が演算される。
【数2】 CE0=Ka・(QAVE/Ne)……………………………………式2 なお、式2中のKaは、エンジン水温THW、気温等を
考慮した所定の換算係数である。
【0026】ステップ#7では、ベースCEマップか
ら、スロットル開度TVOとエンジン回転数Neとに基
づいて、エンジンCEが基準となる大気状態下(例え
ば、0℃、760mmHg)で運転されているとすれば得ら
れる吸気充填効率CE(以下、これを基準充填効率CE
という)が読み取られる。なお、ベースCEマップは、
大気圧及び気温が一定であれば充填効率はスロットル開
度とエンジン回転数とによって定まるといった原理に基
づいて作成された、スロットル開度とエンジン回転数と
をパラメータとする普通のマップである。
【0027】ステップ#8では、基準充填効率CEと実
充填効率CE0の比CE/CE0が演算され、続いてス
テップ#9でCE/CE0に基づいて大気圧が推算され
る。この大気圧の推算方法は、一般に用いられている普
通の大気圧推算方法であるので、詳しい説明は省略する
が、大気が基準状態にある場合は実充填効率CE0は基
準充填効率CEに一致し、その他の場合には大気圧と上
記比CE/CE0との間には一定の関数関係があるとい
った原理に基づいて、CE/CE0から大気圧を演算す
るようになっている。ステップ#10では、大気圧推算
値の更新が行なわれる。すなわち、ステップ#9で演算
された最新の大気圧推算値が、各種制御で実際に用いら
れる大気圧とされる。
【0028】この後、ステップ#11〜ステップ#14
で、上記の大気圧推算値を用いて、吸入空気量に上限ガ
ードがかけられる。前記したとおり、エアフローセンサ
15に燃焼室側の吸気脈動が波及すると、エアフローセ
ンサ15の検出値が実際の吸入空気量よりも大きくなる
ので、エンジンCEの運転状態に応じて、理論的にこれ
以上の吸入空気量はありえない上限値(以下、これをQ
AMAXガード値という)を設定し、エアフローセンサ
検出値に上限ガードをかけるようにしている。しかしな
がら、かかるQAMAXガード値は大気圧に応じて変化
するので、基本的にはかかるQAMAXガード値を大気
圧推算値に基づいて補正する一方、高回転時には上記補
正を禁止するようにしている。
【0029】具体的には、ステップ#11でエンジン回
転数Neが、所定の限界回転数を超えているか否かが比
較・判定される。本実施例では、エンジン回転数Neが
限界回転数以下の場合は、QAMAXガード値を大気圧
推算値で補正する一方、限界回転数を超える場合は、大
気圧推算値による補正を禁止して基準となる大気圧下に
おけるQAMAXガード値(ベースQAMAXガード値)
を用いるようにしている。
【0030】すなわち、QAMAXガード値を大気圧推
算値で補正した場合、もし大気圧推算値にマイナス誤差
があれば、高負荷時等において上限ガードがかけられた
ときには、空燃比制御等で実際に用いられる吸入空気量
は実際の吸入空気量より少なくなる。そして、このよう
な場合には、かかる少なめに見積もられた吸入空気量に
応じて燃料噴射量が決定されるので、混合気が過リーン
となるが、エンジン高回転時に混合気が過リーンとなる
と、エンジンダメージ等の不具合が発生するおそれがあ
る。そこで、本実施例では、所定の高回転時にはQAM
AXガード値に対する大気圧補正を禁止して、エンジン
ダメージ等の不具合が発生しないようにしている。
【0031】ステップ#11で、エンジン回転数Neが
所定の限界回転数以下であると判定された場合は(N
O)、ステップ#12でQAMAXガード値に対して大
気圧推算値に基づいて大気圧補正が施され、他方限界回
転数を超えていればステップ#13でかかる大気圧補正
が禁止されて、ベースとなるQAMAXガード値がその
まま用いられる。続いて、ステップ#14で、吸入空気
量に対して実際に上限ガード(QAMAXガード)がかけ
られた後、ステップ#1に復帰する。このような上限ガ
ードによって吸入空気量がより正確に求められる。以
上、本実施例によれば、広い運転領域にわたって大気圧
を正確に推算することができるとともに、かかる大気圧
推算値に基づいてQAMAXガード値に大気圧を施す場
合において、万一大気圧推算値にマイナス誤差が生じて
いる場合でも、エンジンダメージ等の不具合の発生を防
止することができる。
【0032】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、エンジンの
運転状態に応じて、吸入空気量と吸入空気量平均化処理
値との間のずれから、吸入空気量検出手段が吸気脈動の
影響を受ける領域、すなわち吸入空気量検出手段の検出
精度が低下する領域であるか否かが判定され、かかる検
出精度が低下する領域では、吸入空気量検出値に基づく
大気圧の推算が禁止される。したがって、吸入空気量検
出値の精度が高く大気圧の正確な推算が可能な領域では
確実に大気圧の推算が行なわれ、かつ大気圧の正確な推
算が困難な領域では確実に大気圧の推算が禁止される。
このため、大気圧の推算を行うことができる領域が可及
的に広げられ、かつ大気圧の推算精度が高められる。
【0033】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、大気圧を推
算する領域がスロットル開度に応じて制限されるので、
大気圧の推算精度が一層高められる。
【0034】第3の発明によれば、エンジンの運転状態
に応じて、吸入空気量と吸入空気量平均化処理値との間
のずれから、吸入空気量検出手段が吸気脈動の影響を受
ける領域、すなわち吸入空気量検出手段の検出精度が低
下する領域であるか否かが判定され、かかる検出精度が
低下する領域では、吸入空気量検出値に基づく大気圧の
推算が禁止される。したがって、吸入空気量検出値の精
度が高く大気圧の正確な推算が可能な領域では確実に大
気圧の推算が行なわれ、かつ大気圧の正確な推算が困難
な領域では確実に大気圧の推算が禁止される。このた
め、大気圧の推算を行うことができる領域が可及的に広
げられ、かつ大気圧の推算精度が高められる。また、混
合気の過リーン化によりエンジンダメージが発生するお
それがある高回転領域では、大気圧推算値による吸入空
気量上限値の補正が禁止されるので、万一大気圧推算値
に誤差が生じている場合でも、高回転時における混合気
の過リーン化が防止されエンジンダメージ等の不具合が
生じない。
【0035】第4の発明によれば、基本的には第3の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、大気圧を推
算する領域がスロットル開度に応じて制限されるので、
大気圧の推算精度が一層高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明にかかる吸入空気量制御装置を備えた
エンジンのシステム構成図である。
【図3】 吸入空気量制御の制御方法を示すフローチャ
ートである。
【図4】 大気圧の推算を行うべき領域を、スロットル
開度とエンジン回転数とに対してあらわした図である。
【符号の説明】
CE…エンジン 11…ディストリビュータ 13…コントロールユニット 14…吸気通路 15…エアフローセンサ 16…スロットル弁 25…スロットルセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/04 330 F02D 41/18 F02D 41/34 F02D 45/00 312 F02D 45/00 366

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準となる大気状態における吸気の基準
    充填効率をスロットル開度とエンジン回転数とに対して
    あらわした充填効率マップを記憶するマップ記憶手段
    と、吸入空気量を検出する質量式の吸入空気量検出手段
    と、運転時に上記充填効率マップを用いてスロットル開
    度とエンジン回転数とに基づいて得られた基準充填効率
    と、吸入空気量検出手段によって検出された吸入空気量
    に基づいて得られた実充填効率とのずれから大気圧を推
    算する大気圧推算手段とが設けられたエンジンの吸入空
    気量制御装置において、 吸入空気量検出手段によって検出された吸入空気量に平
    均化処理を施して吸入空気量平均化処理値を求める吸入
    空気量平均化手段と、 該吸入空気量平均化手段によって求められた吸入空気量
    平均化処理値と、吸入空気量検出手段によって検出され
    た吸入空気量とを比較する吸入空気量比較手段と、 該吸入空気量比較手段による比較の結果において、吸入
    空気量平均化処理値と吸入空気量との間のずれが脈動限
    界判定値よりも大きく吸入空気量検出手段が吸気脈動の
    影響を受けていると判断されたときには、大気圧推算手
    段に対して大気圧の推算を禁止する大気圧推算禁止手段
    とが設けられていることを特徴とするエンジンの吸入空
    気量制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたエンジンの吸入空
    気量制御装置において、 大気圧推算手段が、所定のスロットル開度領域において
    のみ大気圧を推算するようになっていることを特徴とす
    るエンジンの吸入空気量制御装置。
  3. 【請求項3】 基準となる大気状態における吸気の基準
    充填効率をスロットル開度とエンジン回転数とに対して
    あらわした充填効率マップを記憶するマップ記憶手段
    と、吸入空気量を検出する質量式の吸入空気量検出手段
    と、運転時に上記充填効率マップを用いてスロットル開
    度とエンジン回転数とに基づいて得られた基準充填効率
    と、吸入空気量検出手段によって検出された吸入空気量
    に基づいて得られた実充填効率とのずれから大気圧を推
    算する大気圧推算手段とが設けられたエンジンの吸入空
    気量制御装置において、 吸入空気量検出手段によって検出された吸入空気量に平
    均化処理を施して吸入空気量平均化処理値を求める吸入
    空気量平均化手段と、 該吸入空気量平均化手段によって求められた吸入空気量
    平均化処理値と、吸入空気量検出手段によって検出され
    た吸入空気量とを比較する吸入空気量比較手段と、 該吸入空気量比較手段による比較の結果において、吸入
    空気量平均化処理値と吸入空気量との間のずれが脈動限
    界判定値よりも大きく吸入空気量検出手段が吸気脈動の
    影響を受けていると判断されたときには、大気圧推算手
    段に対して大気圧の推算を禁止する大気圧推算禁止手段
    と、 吸入空気量検出手段によって検出される吸入空気量の上
    限値を設定する吸入空気量上限値設定手段と、 大気圧推算手段によって推算された大気圧に基づいて、
    上記の吸入空気量の上限値を補正する吸入空気量上限値
    補正手段と、混合気の過リーン化によりエンジンダメージが発生する
    おそれがある 高回転領域では、吸入空気量上限値補正手
    段による吸入空気量の上限値の補正を禁止する吸入空気
    量上限値補正禁止手段とが設けられていることを特徴と
    するエンジンの吸入空気量制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載されたエンジンの吸入空
    気量制御装置において、 大気圧推算手段が、所定のスロットル開度領域において
    のみ大気圧を推算するようになっていることを特徴とす
    るエンジンの吸入空気量制御装置。
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