JP3356799B2 - エンジンの吸入空気量検出装置 - Google Patents

エンジンの吸入空気量検出装置

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JP3356799B2
JP3356799B2 JP16742492A JP16742492A JP3356799B2 JP 3356799 B2 JP3356799 B2 JP 3356799B2 JP 16742492 A JP16742492 A JP 16742492A JP 16742492 A JP16742492 A JP 16742492A JP 3356799 B2 JP3356799 B2 JP 3356799B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの吸入空気量
検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、燃料噴射式ガソリンエンジンに
おいては、吸気通路にエアフローセンサが介設され、該
エアフローセンサによって検出される吸入空気量に応じ
て燃料噴射弁から燃料が噴射され、空燃比が目標値(例
えば、理論空燃比、A/F=14.7)に保持されるよう
になっているが、かかるエアフローセンサとして、従来
より熱式エアフローセンサの1種であるホットワイヤ式
エアフローセンサ(熱線式エアフローセンサ)が多用され
ている。
【0003】そして、ホットワイヤ式エアフローセンサ
においては、普通、その温度に応じて電気抵抗値が変化
するホットワイヤ(抵抗体)が吸入空気の流れ中に配置さ
れ、かかるホットワイヤの温度が所定値に保持されるよ
うに、すなわち抵抗値が所定値に保持されるように通電
され、その電流値から吸入空気量が算出されるようにな
っている。すなわち、ホットワイヤから吸入空気中への
放熱速度と吸入空気流速との間には一定の関数関係があ
り、他方ホットワイヤでの発熱速度は、その抵抗値が一
定値に保持されているので、ホットワイヤを流れる電流
の2乗に比例する。ここで、ホットワイヤでの発熱速度
と放熱速度とはほぼ等しくなるので、ホットワイヤを流
れる電流から発熱速度すなわち放熱速度を求めることが
でき、該放熱速度から吸入空気流速を求めることがで
き、さらに該流速と通路断面積とから吸入空気量を求め
ることができるわけである。
【0004】ところで、かかるホットワイヤ式エアフロ
ーセンサにおいては、ホットワイヤの剛性ないし強度は
それほど高くはないので、普通、ホットワイヤは基板
(支持体)によって支持されるようになっているが、かか
る基板は比較的大きな熱容量をもつ。したがって、ホッ
トワイヤからの放熱速度は、この基板の熱容量による影
響を受けることになる。このため、吸入空気流速(吸入
空気量)が変化したときには、基板が熱的に定常状態に
達するまでの間、ホットワイヤを流れる電流が正確には
吸入空気流速に対応せず、したがって実際の流速の変化
に対して、電流値すなわち流速検出値の変化に応答遅れ
が生じることになり、吸入空気量の検出精度が低下し、
ひいては燃料制御(空燃比制御)の精度が低下するといっ
た問題があった。
【0005】そこで、ホットワイヤと基板と吸入空気と
の間での熱移動現象を理論的あるいは実験的に解明し、
これに基づいて応答遅れ補正を行うようにしたホットワ
イヤ式エアフローセンサが提案されている(例えば、特
開昭59−176450号公報参照)。そして、このよ
うな従来の応答遅れ補正においては、通常、エアフロー
センサ検出値が上昇しているとき(加速時)には検出値を
プラス側に補正して応答遅れを埋め合わせ、エアフロー
センサ検出値が下降しているとき(減速時)には検出値を
マイナス側に補正して応答遅れを埋め合わせるようにし
ている。具体的には、例えば、エアフローセンサの最新
の検出値に、該最新の検出値と前回の検出値との差に応
じた補正を施すことによって応答遅れを補償するといっ
た補正が行われる。最新の検出値と前回の検出値との差
は、エアフローセンサ検出値の時間に対する変化率すな
わち微分値を示しているので、これを検出値に加味すれ
ば、吸入空気量変化を先取りすることができ、応答遅れ
を補正できるわけである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに、吸入空気量変化を見込んで、ないしは先取りする
ことによって応答遅れを補正すると、吸入空気量が小刻
みに変動するような場合は、かかる変動に敏感に応答し
て上記変動が増幅されることになる。このため、吸入空
気量の変動が比較的激しい運転状態例えば高負荷状態に
おいては、吸入空気量補正値がサイクリングあるいはハ
ンチングを起こしてしまい、かかる吸入空気量補正値に
基づいて行われる燃料制御(空燃比制御)に乱れが生じる
といった問題があった。本発明は、上記従来の問題点を
解決するためになされたものであって、吸気脈動時に吸
入空気量検出の安定性を低下させるなどといった不具合
を招くことなく、有効に吸入空気量検出における応答遅
れを補正することができるエンジンの吸入空気量検出装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、図1に示すような、(i)吸入空気
の流れ中に配置される基板Aと該基板Aによって支持さ
れる吸入空気量検出部Bとを備えた熱式エアフローセン
サCと、(ii)熱式エアフローセンサCの最新の検出値
に、該最新の検出値と前回の検出値との差に所定の比例
定数を乗じた補正値を加算するといった1次進み補正に
より、該熱式エアフローセンサCの熱伝達特性に起因す
る応答遅れを補正する応答遅れ補正手段Dと、(iii)
エンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて、吸気脈動
が激しくなる運転状態であるか否かを判定し、吸気脈動
が激しくなる運転状態であれば、応答遅れ補正手段Dに
よる応答遅れ補正を制限する補正制限手段Eとが設けら
れていることを特徴とするエンジンCEの吸入空気量検
出装置を提供する。
【0008】また、第2の発明は、第1の発明にかかる
エンジンの吸入空気量検出装置において、補正制限手段
Eが、吸気脈動が激しくなる運転状態のときに、1次進
み補正を停止することによって、応答遅れ補正手段Dに
よる応答遅れ補正を禁止するようになっていることを特
徴とするエンジンCEの吸入空気量検出装置を提供す
る。
【0009】
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図2に示すように、燃料噴射式ガソリンエンジンCE
は、吸気弁1が開かれたときに吸気ポート2から燃焼室
3内に混合気を吸入し、この混合気をピストン4で圧縮
して点火プラグ5で着火・燃焼させ、排気弁6が開かれ
たときに燃焼ガスを排気ポート7を介して排気通路8に
排出するようになっている。なお、排気通路8には、上
流側から順に、排気ガス中の酸素濃度(空燃比)を検出す
るO2センサ9と、排気ガスを浄化する触媒コンバータ
10とが設けられている。また、点火プラグ5へは、デ
ィストリビュータ11と点火制御装置12とによって、
コントロールユニット13によって設定される所定のタ
イミングで高電圧の点火用電力が供給されるようになっ
ている。なお、ディストリビュータ11ではクランク角
(エンジン回転数)を検出できるようになっている。
【0011】そして、エンジンCE(燃焼室3)に燃料燃
焼用の空気を供給するために、下流端が吸気ポート2と
連通する吸気通路14が設けられ、この吸気通路14に
は、上流側から順に、吸入空気量を検出するホットワイ
ヤ式エアフローセンサ15(熱線式エアフローセンサ)
と、アクセルペダル(図示せず)と連動して開閉されるス
ロットル弁16と、吸入空気の流れを安定させるサージ
タンク17とが設けられている。そして、吸気ポート2
近傍において、吸気通路14内に燃料を噴射する燃料噴
射弁18が、噴射口が吸気ポート2方向に向くようにし
て設けられている。ここで、燃料噴射弁18の燃料噴射
量(噴射パルス幅)及び噴射タイミングは、後で説明する
ように、コントロールユニット13によって、エアフロ
ーセンサ15で検出される吸入空気量に応じて設定され
るようになっている。なお、エアフローセンサ15は、
請求項1に記載された「熱式エアフローセンサ」に相当
する。
【0012】また、スロットル弁16より上流側の吸気
通路14内の空気を、スロットル弁16をバイパスして
サージタンク17に案内するバイパス吸気通路19が設
けられ、このバイパス吸気通路19は途中で、第1分岐
バイパス吸気通路19aと第2分岐バイパス吸気通路1
9bとに分岐した後、再び1つのバイパス吸気通路19
に集合されている。そして、第1分岐バイパス吸気通路
19aにはISCバルブ20が介設され、第2分岐バイ
パス吸気通路19bにはエアバルブ21が介設されてい
る。ここで、ISCバルブ20は、コントロールユニッ
ト13からの信号に従って開閉され、エアコンコンプレ
ッサ駆動時等、アイドル回転数を高める必要があるとき
に開かれるようになっている。さらに、スロットル弁1
6をバイパスするアイドルアジャスト通路22が設けら
れ、このアイドルアジャスト通路22には、アイドル回
転数を調整するためのアイドルアジャストスクリュ23
が介設されている。
【0013】コントロールユニット13は、請求項1、
2に記載された「応答遅れ補正手段」及び「補正制限手段」
を含む、マイクロコンピュータで構成されたエンジンC
Eの総合的な制御装置であって、Oセンサ9によって
検出される排気ガス中の酸素濃度(空燃比)、ディストリ
ビュータ11から出力されるクランク角信号(エンジン
回転数)、エアフローセンサ15によって検出される吸
入空気量、水温センサ24によって検出されるエンジン
水温等を制御情報として、点火時期制御、燃料制御(空
燃比制御)等の所定の制御を行うようになっている。
【0014】図3に示すように、ホットワイヤ式エアフ
ローセンサ15は、吸気通路14内に配置されたベンチ
ュリ部26と、該ベンチュリ部26内に広がり面が吸入
空気の流れ方向にほぼ直交するように配置された基板2
7と、吸入空気流れ方向にみて基板27の後面(背面)に
取り付けられたホットワイヤ28(電気抵抗体)と、図示
していない制御回路とで構成されている。ここで、ベン
チュリ部26は吸入空気の流れを安定させるために設け
られ、また基板27はホットワイヤ28を支持するため
に設けられている。このホットワイヤ式エアフローセン
サ15は、一般に用いられている普通の熱線式エアフロ
ーセンサであるのでその詳しい説明は省略するが、図示
していない制御回路によりホットワイヤ28を所定の温
度に保持し、このときホットワイヤ28を流れる電流か
らホットワイヤ28まわりの吸入空気流速を演算し、こ
の流速と通路断面積とから吸入空気量を演算するように
なっている。
【0015】しかしながら、前記したとおり、かかるホ
ットワイヤ式エアフローセンサ15においては、基板2
7の熱容量がホットワイヤ28の熱容量に比べてかなり
大きいので、ホットワイヤ28からの放熱速度はこの基
板27の熱容量による影響を受け、何らかの対策を講じ
なければ、吸入空気量が変化したとき、すなわちエンジ
ン負荷が変化したときには、吸入空気量の検出に応答遅
れが生じることになる。そこで、本実施例では、後で説
明するように、コントロールユニット13によって、基
本的にはエアフローセンサ検出値に1次進み補正を施し
て応答遅れを補正する一方、吸気脈動等により吸入空気
量が小刻みに変動する高負荷時には1次進み補正を禁止
して、かかる変動が増幅されないようにしている。そし
て、このようにして補正された吸入空気量に基づいて、
燃料噴射弁18からの燃料噴射パルス幅(燃料噴射量)を
設定するといった燃料制御(空燃比制御)を行うようにな
っている。
【0016】以下、図4及び図5に示すフローチャート
に従って、適宜図2及び図3を参照しつつ、コントロー
ルユニット13による、吸入空気量の1次進み補正を含
む燃料制御の制御方法を説明する。なお、この制御ルー
チンは4〜6msの所定の周期で実行される。制御が開始
されると、まずステップ#1で、エアフローセンサ15
の出力電圧aafsと、エンジン回転数neとが読み込まれ
る。なお、エンジン回転数neは、ディストリビュータ1
1からコントロールユニット13に入力されたクランク
角に基づいて演算されたものである。
【0017】ステップ#2では、次の式1に示す線形補
間法により、エアフローセンサ出力電圧aafs[V]が、質
量流量である吸入空気量gat[g/s]に換算される。
【数1】 gat←sipol(TSVTG,aafs)……………………………………式1 なお、式1は、エアフローセンサ出力電圧と吸入空気量
との関係を示すテーブルTSVTGを用いて、線形補間
法により今回のエアフローセンサ出力電圧aafsに対応す
る吸入空気量の値を求め、この値をgatとするというこ
とを意味する。
【0018】例えば、図6に示すように、吸入空気量ga
tとエアフローセンサ出力電圧aafsとの間の関数関係は
非線形な特性を示す。このため、コントロールユニット
13では、単純にaafsをgatに換算することはできな
い。そこで、いくつかのポイントにおいてaafsに対応す
るgatをメモリしたテーブルをつくっておき、線形補間
法によりgatを演算するようにしている。例えば、aafs
=s1のポイントでgat=t1であり、aafs=s2のポイント
でgat=t2であるとすると、s1≦aafs≦s2において、aaf
sに対応するgatは、次の式2により演算される。
【数2】 gat=t1+(t2−t1)・(aafs−s1)/(s2−s1)……………………式2
【0019】ステップ#3では、gatbストア済フラグxg
atbが1であるか否かが比較・判定される。このgatbス
トア済フラグxgatbは、1回目のルーチンでは、後で説
明する前回吸入空気量gatbが未定であるので、このgatb
が決定されていることを前提とするステップ#4〜ステ
ップ#8をスキップさせるために用いられるフラグであ
って、制御開始時(リセット時)には0がセットされてい
る。つまり、xgatb=1の場合は、原則としてステップ
#3の次に、ステップ#4〜ステップ#8と、ステップ
#12〜ステップ#17とが実行され、xgatb=0の場
合は、ステップ#3の次に、ステップ#9〜ステップ#
11と、ステップ#12〜ステップ#17とが実行され
る。換言すれば、1回目のルーチンのみ、ステップ#9
〜ステップ#11が実行され、2回目以後の各ルーチン
では、ステップ#4〜ステップ#8が実行される。
【0020】1回目のルーチンでは、当然xgatb=0で
あるので(NO)、ステップ#3の次にはステップ#9が
実行され、ここでgatbストア済フラグxgatbに1がたて
られる。したがって、次回のルーチンからはステップ#
3の次にステップ#4が実行されることになる。続い
て、ステップ#10で、充填効率Ceに初期値Cesetが
セットされる。充填量Ceは、後で説明するように、ス
テップ#16で燃料噴射パルス幅(燃料噴射量)の演算に
用いられる最終的な充填効率であって、ステップ#15
で演算(更新)される値であるが、ステップ#15での充
填効率Ceの演算には前回のCeが必要とされる。しかし
ながら、1回目のルーチンではCeの前回値はまだない
ので、このステップ#10で、Ceに初期値Cesetをセ
ットするようにしている。
【0021】次に、ステップ#11で、ステップ#2で
得られた吸入空気量gatが、そのまま吸入空気量補正値g
at0とされる。後で説明するように、吸入空気量補正値g
at0は、基本的にはステップ#6で吸入空気量gatに対し
て1次進み補正を施して得られる最終的な吸入空気量で
あるが、前記したとおり1回目のルーチンではステップ
#6は実行されないので、とりあえず吸入空気量gatを
吸入空気量補正値gat0としておくわけである。
【0022】他方、ステップ#3でxgatb=1であると
判定された場合(YES)、すなわち2回目以後のルーチ
ンでは、ステップ#3の次に、ステップ#4で、次の式
3を用いて線形補間法により、エンジン回転数neに対応
する脈動限界負荷Kcが演算される。
【数3】 Kc←sipol(TKC,ne)……………………………………………式3 式3は、エンジン回転数と脈動限界負荷との関係を示す
テーブルTKCを用い、線形補間法によりエンジン回転
数neに対応する脈動限界負荷の値を求め、この値をKc
とするということを意味する。なお、脈動限界負荷Kc
とは、これ以上の負荷状態では吸気脈動が激しくなり、
かかる吸気脈動によってエアフローセンサ検出値が小刻
みに変動してしまう限界となるエンジン負荷量である。
図7に示すように、脈動限界負荷Kcとエンジン回転数n
eの関係は非線形な特性をもつので、前記のステップ#
2の場合と同様に、線形補間法を用いて、エンジン回転
数neに対応する脈動限界負荷Kcを演算するようにして
いる。
【0023】次に、ステップ#5で、充填効率Ceすな
わち燃料噴射量の演算に用いられる最終的な充填効率
が、脈動限界負荷Kcより小さいか否かが比較・判定さ
れる。Ce≧Kcとなる高負荷状態では、吸気脈動により
エアフローセンサ検出値が小刻みに変動し、このまま吸
入空気量gatに対して1次進み補正を行うとサイクリン
グあるいはハンティングが生じ、吸入空気量の検出ない
し演算に乱れが生じる。このため、本実施例では、Ce
≧Kcの場合は1次進み補正を禁止するようにしてい
る。したがって、ステップ#5で、Ce≧Kcであると判
定された場合は(NO)、1次進み補正を行わず、ステッ
プ#11で吸入空気量gatがそのまま吸入空気量補正値g
at0とされる。
【0024】他方、ステップ#5でCe<Kcであると判
定された場合は(YES)、吸気脈動が生じるおそれがほ
とんどないので、ステップ#6で、次の式4により、吸
入空気量gatに対して1次進み補正が施され、吸入空気
量補正値gat0が演算される。
【数4】 gat0←(gat−Kn・gatb)/(1−Kn)……………………………式4 式4において、gatbは前回の吸入空気量すなわちgatの
前回値であり、Knは1次進み係数(熱応答補正係数)で
あって0<Kn<1の範囲内で任意に設定できる定数で
ある。
【0025】以下、式4の誘導方法を説明する。本実施
例において、1次進み補正は、次の式5で示すように、
今回の吸入空気量gatに対して、該吸入空気量gatと前回
の吸入空気量gatbの差(gat−gatb)に所定の比例定数α
(>0)を乗算した値を加えて吸入空気量補正値gat0とす
る。
【数5】 gat0=gat+α・(gat−gatb)…………………………………………式5 すなわち、(gat−gatb)は、該制御ルーチンの1周期毎
(4〜6ms)の吸入空気量の変化量であり、したがって吸
入空気量の時間に対する変化率すなわち微分値を示して
いる。そこで、gatにα(gat−gatb)を加えることにより
gatの変化を見込んで先取りさせ、換言すれば微分動作
を加え、基板27の熱容量に起因する応答遅れを補償さ
せるようにしている。ここで、式5において、αが大き
いときほど変化率(gat−gatb)の影響が大きくなり、微
分動作が強められる。そして、式5は次のように変形す
ることができる。
【数6】 gat =(α+1)・gat−α・gatb =[gat−(α/(α+1))・gatb]/[1/(α+1)] =[gat−(α/(α+1))・gatb]/[1−α/(α+1)]………式6 ここで、α/(α+1)=Knと置けば、 gat =(gat−Kn・gatb)/(1−Kn)…………………………………式4' となり、式4が得られることになる。なお、α>0であ
るから、Kn=α/(α+1)より、0<Kn<1となる。
このようにして、1次進み補正が行われ、吸入空気量検
出における応答遅れが有効に補正される。
【0026】次に、ステップ#7で、吸入空気量補正値
gat0が、予め設定された吸入空気量下限値K0より小さ
いか否かが比較・判定される。1次進み補正によって、
吸入空気量補正値gat0が非常に小さくなった場合、かか
る吸入空気量補正値gat0に基づいて燃料噴射量を設定す
るとエンストを起こすおそれがある。そこで、本実施例
では、吸入空気量補正値gat0に下限値を設定し、エンス
トの発生を防止するようにしている。ステップ#7で、
gat0<K0であると判定された場合は(YES)、ステッ
プ#8で吸入空気量補正値gat0が下限値K0に置き換え
られた後ステップ#12に進められ、gat0≧K0である
と判定された場合は(NO)、ステップ#8をスキップし
てステップ#12に進められる。
【0027】ステップ#12では、次回のルーチンに備
えて前回吸入空気量gatbが更新される。すなわち、今回
の吸入空気量gatが前回吸入空気量gatbとされる。続い
て、ステップ#13で、次の式7により、見かけ充填効
率Ce0、すなわち吸入空気量補正値gat0に基づいて得ら
れる基本的な充填効率が演算される。
【数7】 Ce0←120・gat0/(Kv・Kg・ne)………………………………式7 ただし、 gat0 ; 吸入空気量補正値 [g/s] Kv ; エンジン総排気量 [cc] Kg ; 標準空気密度 [g/cc] ne ; エンジン回転数 [r.p.m.] なお、式7中の数字120は、エンジン回転数[r.p.m.]
から1秒あたりの吸気行程の回数を求めるための定数で
ある。
【0028】次に、ステップ#14で、次の式8を用い
て線形補間法により、エンジン回転数neに対応するなま
し処理係数Keが演算される。
【数8】 Ke←sipol(TKE,ne)…………………………………………………式8 式8は、エンジン回転数となまし処理係数との関係を示
すテーブルTKEを用い、線形補間法によりエンジン回
転数neに対応するなまし処理係数の値を求め、この値を
Keとするということを意味する。ここで、なまし処理
係数Keとは、見かけ充填効率Ce0になまし処理を施す
際の、なましの程度を設定するための定数である。図8
に示すように、なまし処理係数Keとエンジン回転数ne
の関係は非線形な特性をもつので、前記のステップ#2
の場合と同様に、線形補間法を用いて、エンジン回転数
neに対応するなまし処理係数Keを演算するようにして
いる。
【0029】ステップ#15では、次の式9により、見
かけ充填効率Ce0になまし処理を施して充填効率Ceが
演算される。
【数9】 Ce←Ke・Ce+(1−Ke)・Ce0……………………………………式9 なお、式9において、右辺のCeは前回の燃料噴射パル
ス幅(燃料噴射量)の演算に用いられた充填効率である。
他方、左辺のCeは、このステップ#15で新たに演算
された充填効率であって、今回のルーチンにおいて、次
のステップ#16で燃料噴射パルス幅の演算に用いられ
る充填効率である。
【0030】ステップ#16では、次の式10により燃
料噴射パルス幅taが演算される。
【数10】 ta←Kf・Ce……………………………………………………………式10 式10において、Kfは、充填効率から燃料の噴射パル
ス幅を演算するための普通の係数である。続いて、ステ
ップ#17で、所定のタイミングで、すなわち所定のク
ランク角毎に、上記パルス幅taで燃料噴射弁18から燃
料が噴射される。
【0031】図10に、このような吸入空気量検出ない
しは燃料制御が行われた場合の、スロットル開度変化
(折れ線G1)に対する、吸入空気量gat(曲線G2)、吸入
空気量補正値gat0(曲線G3)、見かけ充填効率Ce0(曲線
5)、及び充填効率Ce(曲線G6)の経時変化の一例を示
す。この例では、t1〜t2の期間は、高負荷状態であるの
で、吸入空気量gatに対する1次進み補正(熱応答補正)
は停止されている。
【0032】図10から明らかなように、加速時すなわ
ちスロットル開度増加時、あるいは減速時すなわちスロ
ットル開度減少時には、スロットル開度変化に対して吸
入空気量gat(G2)に応答遅れが生じている。しかしなが
ら、吸入空気量補正値gat0(G3)にはほとんど応答遅れ
が生じていない。したがって、かかる吸入空気量補正値
gat0に基づいて演算される見かけ充填効率Ce0(G5)及
び充填効率Ce(G6)にも応答遅れが生じていない。な
お、加速時において1次進み補正を行わない場合には充
填効率は曲線G7のような特性を示し、この場合斜線で
示すように充填効率が実際よりも少なく算出されるの
で、混合気がリーンとなるいわゆる加速リーンが発生す
ることになる。また、減速時において1次進み補正を行
わない場合には充填効率は曲線G8のような特性を示
し、この場合斜線で示すように充填効率が実際よりも多
く算出されるので、混合気がリッチとなるいわゆる減速
リッチが発生することになる。
【0033】また、高負荷時(t1〜t2)には1次進み補正
が停止されているので、G3で示すように、吸入空気量
補正値gat0にはサイクリングあるいはハンティングが生
じない。なお、t1〜t2で1次進み補正を行った場合は、
曲線G4で示すようにサイクリングを起こすことにな
る。このように、本実施例によれば、吸気脈動が生じる
高負荷時に吸入空気量検出の乱れを生じさせるなどとい
った不具合を招くことなく、吸入空気量ないし充填効率
の検出遅れないし応答遅れを防止することができる。
【0034】なお、図4〜図5のフローチャートでは、
高負荷時には、1次進み補正を停止するようにしている
が、高負荷時には1次進み補正における1次進み係数K
nを小さくするようにしても、あるいは負荷の増加に応
じて1次進み係数Knを徐々に小さくするようにしても
よい。この場合は、例えば、図4中のステップ#4〜ス
テップ#5を削除する一方、ステップ#6で、1次進み
係数Knを、図9に示すような特性で、エンジン負荷に
応じて設定すればよい。
【0035】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、通常時に
は、応答遅れ補正手段によって、1次進み補正により基
板の熱容量に起因する吸入空気量検出の応答遅れが補正
され、吸入空気量の検出精度が高められる。また、吸気
脈動が激しくなる運転状態では、補正制限手段が上記補
正を制限するので、負荷に応じて補正の程度を変化させ
つつ、吸気脈動による吸入空気量検出の乱れを有効に防
止することができる。
【0036】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、吸気脈動が
激しくなる運転状態では、1次進みを停止することによ
り吸入空気量の応答遅れ補正を禁止するようにしている
ので、吸気脈動による吸入空気量検出の乱れをさらに有
効に防止することができる。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1、第2の発明の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 本発明にかかる吸入空気量検出装置を備えた
エンジンのシステム構成図である。
【図3】 エアフローセンサの側面断面説明図である。
【図4】 吸入空気量補正を含む燃料制御の制御方法を
示すフローチャートの前半部である。
【図5】 吸入空気量補正を含む燃料制御の制御方法を
示すフローチャートの後半部である。
【図6】 吸入空気量のエアフローセンサ出力電圧に対
する特性を示す図である。
【図7】 脈動限界負荷のエンジン回転数に対する特性
を示す図である。
【図8】 なまし処理係数のエンジン回転数に対する特
性を示す図である。
【図9】 1次進み係数のエンジン負荷に対する特性を
示す図である。
【図10】 スロットル開度の変化に伴う、エアフロー
センサ出力値(吸入空気量)、吸入空気量補正値、見かけ
充填効率、及び充填効率の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
CE…エンジン 13…コントロールユニット 14…吸気通路 15…エアフローセンサ 18…燃料噴射弁 27…基板 28…ホットワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 45/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入空気の流れ中に配置される基板と該
    基板によって支持される吸入空気量検出部とを備えた熱
    式エアフローセンサと、 熱式エアフローセンサの最新の検出値に、該最新の検出
    値と前回の検出値との差に所定の比例定数を乗じた補正
    値を加算するといった1次進み補正により、該熱式エア
    フローセンサの熱伝達特性に起因する応答遅れを補正す
    る応答遅れ補正 手段と、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて、
    吸気脈動が激しくなる運転状態であるか否かを判定し、
    吸気脈動が激しくなる運転状態であれば、応答遅れ補正
    手段による応答遅れ補正を制限する補正制限手段とが設
    けられていることを特徴とするエンジンの吸入空気量検
    出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたエンジンの吸入空
    気量検出装置において、 補正制限手段が、上記吸気脈動が激しくなる運転状態の
    ときに、上記1次進み補正を停止することによって、応
    答遅れ補正手段による応答遅れ補正を禁止するようにな
    っていることを特徴とするエンジンの吸入空気量検出装
    置。
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