JP3104479B2 - 表示パネルと該表示パネルを用いた投写型表示装置 - Google Patents

表示パネルと該表示パネルを用いた投写型表示装置

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JP3104479B2
JP3104479B2 JP18997493A JP18997493A JP3104479B2 JP 3104479 B2 JP3104479 B2 JP 3104479B2 JP 18997493 A JP18997493 A JP 18997493A JP 18997493 A JP18997493 A JP 18997493A JP 3104479 B2 JP3104479 B2 JP 3104479B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として入射光を変調
し光学像を形成する表示パネルと前記表示パネルの表示
画像をスクリーンに拡大投映する投写型表示装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルを用いた表示デバイスは軽
量、薄型化が可能であることから研究開発が盛んであ
る。近年では、液晶の旋光性を画像表示に応用したツイ
ストネマチック(TN)モード液晶パネルを用いたポケ
ットテレビが実用化されている。また、前記液晶パネル
をライトバルブとして用いる液晶投写型テレビおよびビ
ューファインダ等も実用化されている。
【0003】しかし、TN液晶を用いた液晶パネルは光
変調を行うためには偏光板が必要であるため、表示輝度
が低いという課題があり、また、液晶分子を配向させる
ためラビング工程が必要であるなど製造工程も複雑であ
る。そこで近年、ラビングが不要かつ、光変調に偏光板
を用いない高分子分散液晶を用いた液晶パネルが注目を
集めている。高分子分散液晶パネルの一例として米国特
許第4435047号明細書が、高分子分散液晶パネル
をライトバルブとして用いた投写型表示装置の一例とし
て米国特許第4613207号明細書がある。
【0004】以下、簡単に(図17)を用いて高分子分
散液晶について説明しておく。高分子分散液晶は、液晶
と高分子の分散状態によって大きく2つのタイプに分け
られる。1つは、水滴状の液晶が高分子中に分散してい
るタイプである。液晶は、高分子中に不連続な状態で存
在する。以後、このような液晶をPDLCと呼び、ま
た、前記液晶を用いた液晶パネルをPD液晶パネルと呼
ぶ。もう1つは、液晶層に高分子のネットワークを張り
巡らせたような構造をとるタイプである。ちょうどスポ
ンジに液晶を含ませたような格好になる。液晶は、水滴
状とならず連続に存在する。以後、このような液晶をP
NLCと呼ぶ。前記2種類の液晶パネルで画像を表示す
るためには光の散乱・透過を制御することにより行う。
【0005】PDLCは、液晶が配向している方向で屈
折率が異なる性質を利用する。電圧を印加していない状
態では、それぞれの水滴状液晶は不規則な方向に配向し
ている。この状態では、高分子と液晶に屈折率の差が生
じ、入射光は散乱する。電圧を印加すると液晶の配向方
向がそろう。液晶が一定方向に配向したときの屈折率を
あらかじめ高分子の屈折率と合わせておくと、入射光は
散乱せずに透過する。
【0006】これに対して、PNLCは液晶分子の配向
の不規則さそのものを使う。不規則な配向状態、つまり
電圧を印加していない状態では入射した光は散乱する。
一方、電圧を印加し配列状態を規則的にすると光は透過
する。
【0007】(図17(a)(b))において、173
は水滴状液晶、174はポリマーである。画素電極17
2には薄膜トランジスタ(以後、TFTと呼ぶ。図示せ
ず)等が接続され、TFTのオン・オフにより画素電極
172に電圧が印加される。電圧により画素電極172
上の水滴液晶173の液晶配向方向を可変させて光を
変調する。(図17(a))に示すように電圧を印加し
ていない状態(OFF)では、それぞれの水滴状液晶1
73内の液晶分子は不規則な方向に配向している。この
状態ではポリマー174と液晶とに屈折率差が生じ、入
射光が散乱する。(図17(b))に示すように画素電
極172に電圧を印加すると液晶分子の方向が揃う。液
晶分子が一定方向に配向したときの屈折率をあらかじめ
ポリマー174の屈折率と合わせておくと、入射光は散
乱せずにアレイ基板12の画素電極172側から出射す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】高分子分散液晶パネル
は光変調に偏光板が必要でないため、TN液晶パネルに
比較して2倍以上の高輝度表示が可能である。しかし、
課題も多い。その課題の1つに、ある画素で散乱した光
が、前記画素と隣接した画素に伝搬し(光もれ)、画素
の輪郭がぼやけるという現象がある。特に微小間隔で黒
白表示された画像ではその影響度合が高い。つまり、本
来黒表示または白表示である画素に、隣接した画素から
の散乱光がまわりこみ、黒表示もしくは白表示が灰色表
示になる。
【0009】このような課題を解決する方法の一例が、
特開平4−84121号公報に開示されている。この公
報で開示されている液晶表示パネルは、液晶として高分
子分散液晶を用い、画素電極間に黒色に着色された飽和
炭化水素類からなる壁が形成されている。この壁によ
り、ある画素で散乱した光を吸収し、隣接画素に前記光
もれが生じることを防止している。
【0010】高分子分散液晶の膜厚は10μm以上に形
成する必要がある。したがって、前記壁は10μm以上
必要である。10μm以上の高さは公報に開示されてい
るように高分子分散液晶を印刷工法で行なう場合には実
現できる可能性はある。しかし、有効表示領域が3〜4
インチの液晶パネルに100万画素以上を形成する高精
細液晶パネルで実現することは不可能である。なぜなら
ば、前記液晶パネルの画素サイズは50μm角程度であ
り、画素電極間も5μm程度である。したがって、壁は
幅5μm高さかつ10μm以上にしなければならない。
幅5μmは微細すぎ、パターン印刷方法で実現はできな
い。スパッタ等の蒸着技術を用いれば5μmの幅のパタ
ーンの実現はできるが、高さを10μm以上にすること
は実現できない。
【0011】また、壁に炭化物材料を用いていることも
課題である。炭化物は絶縁性が悪いものが多い。壁は画
素電極と対向電極間に形成されるから、画素電極と対向
電極内の絶縁抵抗を低下させる可能性が高い。また、炭
化物は液晶材料の成分と反応し、液晶を劣化させること
が多い。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の表示パネルは、
第1の電極基板と第2の電極基板間に高分子分散液晶を
狭持させている。表示パネルが透過型表示パネルの場合
は、ブラックマトリックス上および/または画素電極間
に光吸収薄膜を形成する。反射型表示パネルの場合は、
反射電極間に光吸収薄膜を形成する。また、光書き込み
型表示パネルの場合は、誘電体ミラー上に光吸収薄膜を
形成する。光吸収薄膜は、液晶層に入射する光の色に対
して補色の関係にある色素を含有させる。
【0013】表示パネルが光書き込み型または反射型の
場合は、対向電極を誘電体薄膜とITO薄膜の多層膜構
成にしている。ITO薄膜はλ/2(ただし、λは設計
主波長)、誘電体薄膜の光学的膜厚はλ/4にする。前
記多層膜には反射防止膜として機能する。
【0014】電極基板に透明基板を接着し、前記透明基
板が空気と接する位置から高分子分散液晶層までの距離
tを、透明基板の屈折率をn、表示パネルの有効表示領
域の最大径をdとしたとき、(数1)なる関係を満足さ
せることが好ましい。
【0015】
【数1】
【0016】本発明の投写型表示装置は、本発明の表示
パネルをライトバルブとして用いる。メタルハライドラ
ンプから放射される白色光を青色光、緑色光および赤色
光の3つの光路に分離し、それぞれの光路に本発明の表
示パネルを配置する。表示パネルは印加される映像信号
に応じて液晶層を透過と散乱状態とをきりかえて入射光
を変調する。変調された光は投写レンズによりスクリー
ンに拡大投映される。
【0017】
【作用】本発明の表示パネルは、少なくとも一方が光透
過性を有する第1および第2の電極基板間に高分子分散
液晶層を挟持させ、前記第1と第2の電極基板のうち少
なくとも一方上で、かつ、高分子分散液晶と接する面に
光吸収薄膜を形成したものである。前記光吸収薄膜は前
記高分子分散液晶層で変調される光を吸収される色素を
含有しており、好ましくは前記光の色に対し、補色の関
係にある色素を含有させる。前記光吸収薄膜により液晶
層内で散乱した光を吸収でき、画素間の光もれ等を防止
できる。
【0018】表示パネルが透過型表示パネルの場合は、
画素電極間と、画素電極と高分子分散液晶層をはさんで
対面する基板(以後、対向電極基板と呼ぶ)上に形成さ
れた遮光パターン(以後、ブラックマトリックスと呼
ぶ)のうち少なくとも一方に前記光吸収薄膜を形成す
る。ブラックマトリックスは光吸収薄膜に直接入射する
光を反射する。そのため、光吸収薄膜が入射光を吸収す
ることにより加熱されることを抑制できる。光吸収薄膜
は液晶層で散乱した光を吸収する。そのため、ハレーシ
ョンが抑制され、表示コントラストを向上できる。
【0019】表示パネルが反射型の表示パネルの場合
は、マトリックス状に形成された反射電極間もしくは誘
電体ミラー等の反射手段上に前記光吸収薄膜を形成す
る。反射電極上に光吸収薄膜を形成し、研磨することに
より反射電極上の光吸収薄膜を除去する。反射電極面が
研磨により鏡面化され、反射率が向上するとともに、反
射電極間のみに光吸収薄膜を形成することができる。
た、前記反射手段と高分子分散液晶層をはさんで対面す
る対向電極基板上には、誘電体薄膜と高分子分散液晶層
に電界を印加するために用いるITO薄膜からなる多層
膜を形成する。前記多層膜は、誘電体薄膜の光学的膜厚
をλ/4(λは光の設計主波長)、ITO薄膜の光学的
膜厚をλ/2の2層から構成される。その際、誘電体薄
膜の屈折率は1.5以上1.7以下の光透過性のある材
料を選定する。さらに好ましくは、前記多層膜は、第1
の誘電体薄膜と、ITO薄膜と、第2の誘電体薄膜の3
層で構成する。第1および第2の誘電体薄膜の光学的膜
厚はλ/4、ITO薄膜の光学的膜厚はλ/4にする。
また、前記第1および第2の誘電体薄膜の屈折率は1.
6以上1.8以下の光透過性のある材料を選定する。前
述の多層膜は、液晶層へ入射しようとしてITO薄膜の
界面で反射する光を防止する光反射防止機能と、液晶へ
の電界印加機能をあわせもつ。
【0020】第1の電極基板と第2の電極基板のうち少
なくとも一方は以下の条件もしくは形状を満足させるこ
とが好ましい。前記電極基板の両面が平面形状の時、前
記基板が空気と接する面から、高分子分散液晶層までの
距離をt、高分子分散液晶層の有効表示領域をd、基板
の屈折率をnとしたとき、(数2)なる関係を満足させ
る。
【0021】
【数2】
【0022】また、電極基板の無効面(有効表示領域以
外の部分)に黒色塗料等を用いて光吸収膜を形成する。
前記関係を満足させれば、液晶層で散乱し、基板と空気
との界面で反射する光を光吸収膜で吸収することがで
き、表示コントラストを向上できる。前記基板は、対向
電極基板と透明基板をはりあわせたものを用いて、前記
関係式を満足させてもよい。また、基板が空気と接する
面が曲面の時は前記関係式のtの値を満足せずともよ
い。ただし、前記曲面は凹レンズ形状にしておくことが
好ましい。
【0023】本発明の投写型表示装置は、本発明の表示
装置をライトバルブとして用いる。メタルハライドラン
プ、キセノンランプ等のランプからの光をダイクロイッ
クミラーあるいはダイクロイックプリズムを用いて、赤
色光(R光)、青色光(B光)および緑色光(G光)の
3原色光の光路に分離する。それぞれの光路には本発明
の表示パネルが配置される。表示パネルは反射型および
透過型表示パネルのどちらでもよい。前記表示パネルは
入射光を変調する。変調された光は投写光学系でスクリ
ーンに拡大投映される。
【0024】
【実施例】(図1)は本発明の表示パネルの一実施例の
断面図である。なお、以下の各図面はモデル的に描いて
おり、物理的な膜厚あるいは形状とは一致しない。ま
た、説明に不要な箇所は省略している。
【0025】アレイ基板13上にはAlからなる反射電
極18、反射電極18に信号を印加するための薄膜トラ
ンジスタ(TFT)16およびTFT16に信号を伝達
するためのソース信号線23等が形成されており、TF
T16の一端子と反射電極18とはコンタクト部19に
より接続されている。また、コンタクト19部以外の部
分は絶縁膜17により分離されている。絶縁膜17の材
料としてはポリイミド等の有機材料、SiO2,SiNx
等の無機材料が用いられる。反射電極18は鏡面性を良
好にするため反射電極18をパターニング後、研磨工程
にて反射電極の表面を研磨し、鏡面にしている。
【0026】対向電極基板14はガラス基板であり、光
変調層である高分子分散液晶層15と接する面には反射
防止構造をかねた対向電極12または25が形成されて
いる。また、対向電極と反射電極18間はビーズ(図示
せず)等により所定間隔あけて保持され、この間隔には
光変調を行う高分子分散液晶15が狭持されている。対
向電極基板14は厚さ1mmのガラス基板であり、屈折
率は1.52である。
【0027】光変調層を構成する高分子分散液晶層15
の液晶材料としてはネマティック液晶、スメクティック
液晶、コレステリック液晶が好ましく、単一もしくは2
種類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質も含
んだ混合物であってもよい。なお、先に述べた液晶材料
のうち異常光屈折率neと常光屈折率noの差の比較的大
きいシアノビフェニル系のネマティック液晶が好まし
い。もしくは耐光性、耐熱性が良好なフッ素系のネマテ
ィック液晶が好ましい。
【0028】高分子マトリックス材料としては透明なポ
リマーが好ましく、ポリマーとしては、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれであっても良い
が、製造工程の容易さ、液晶相との分離等の点より紫外
線硬化タイプの樹脂を用いるのが好ましい。具体的な例
として紫外線硬化性アクリル系樹脂が例示され、特に紫
外線照射によって重合硬化するアクリルモノマー、アク
リルオリゴマーを含有するものが好ましい。
【0029】このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールドアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールアクリレート等々である。
【0030】オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0031】また重合を速やかに行なう為に重合開始剤
を用いても良く、この例として、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1173」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、1−ビド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイキー社
製「イルガキュア184」)、ベンジルメチルケタール
(チバガイギー社製「イルガキュア651」)等が掲げ
られる。その他に任意成分として連鎖移動剤、光増感
剤、染料、架橋剤等を適宜併用することができる。
【0032】なお、樹脂材料が硬化した時の屈折率np
と、液晶の常光屈折率noとは略一致するようにする。
液晶層に電界が印加された時に液晶分子が一方向に配向
し、液晶層の屈折率がnoとなる。したがって、樹脂の
屈折率npと一致し、液晶層は光透過状態となる。屈折
率npとnoとの差異が大きいと液晶層に電圧を印加して
も完全に液晶層が透明状態とならず、表示輝度が低下す
る。
【0033】高分子分散液晶層中の液晶材料の割合はこ
こで規定していないが、一般には20重量%〜90重量
%程度がよく、好ましくは50重量%〜85重量%程度
がよい。20重量%以下であると液晶滴の量が少なく、
散乱の効果が乏しい。また90重量%以上となると、高
分子と液晶が上下2層に相分離する傾向が強まり、界面
の割合は小さくなり散乱特性は低下する。高分子分散液
晶層の構造は液晶の比率によって変わり、だいたい50
重量%以下では液晶滴は独立したドロップレト状として
存在し、50重量%以上となると高分子と液晶が互いに
入り組んだ連続層となる。
【0034】液晶層15の膜厚は5〜25μmの範囲が
好ましく、さらには8〜15μmの範囲が好ましい。膜
厚が薄いと散乱特性が悪くコントラストがとれず、逆に
厚いと高電圧駆動を行わなければならなくなり、TFT
を駆動するドライブICの設計等が困難となる。
【0035】11および24は、空気と対向電極基板1
4との界面反射を防止する反射防止膜である。反射防止
膜として比較的広い可視光の波長帯域で反射率を低減さ
せるマルチコート方式、特定の波長帯域で反射率を低減
させるVコート方式がある。狭い光の波長帯域で極力反
射光を防止するのにはVコートが適する。白色光、つま
り広い波長帯域を変調する場合はマルチコート方式を用
いる。(図1(a))はVコート方式(反射防止膜1
1)を、(図1(b))はマルチコート方式(反射防止
膜24)を施した構成を示している。
【0036】(図1(b)に示す)マルチコート方式で
はAl2324aを光学的膜厚がλ/4、ZrO224
bを光学的膜厚がλ/2、MgF224cを光学的膜厚
がλ/4の3層の薄膜を蒸着して形成する。Vコート方
式の場合は(図1(a))に示すように、Y2311a
を光学的膜厚がλ/4、MgF211bを光学的膜厚が
λ/4の2層の薄膜を蒸着して形成する。なお、Y22
のかわりにSiOを用いてもよいがSiOは青色光で吸
収帯域があるため、Y23を用いる方がよい。(図1
8)の実線はVコートの分光反射率を、点線はマルチコ
ートの分光反射率を示す。
【0037】対向電極基板14の片面には、対向電極と
反射防止膜が形成される。正確には、対向電極とするI
TO膜の前後もしくは一方に誘電体薄膜を形成して反射
防止膜にする。以後、対向電極と反射防止膜とが一体と
なった構造を反射防止電極と呼ぶ。
【0038】(図1)に示す実施例の表示パネルは、反
射防止電極12または25上にブラックマトリックスが
形成されていない。ブラックマトリックスが形成されて
いると、液晶パネルの製造時、アレイ基板13と対向電
極基板14間に液晶と樹脂が混合された溶液を注入し、
紫外線を照射して、液晶と樹脂を相分離させる際に、ブ
ラックマトリックスの下層の溶液が未重合となるためで
ある。未重合状態は光変調層15の物質的安定性を欠く
結果となり、性能劣化をひきおこす。また、ブラックマ
トリックスは画素開口率を低下させる。その上、(図1
に示すような)反射方式の表示パネルではブラックマト
リックスで入射光が反射し、スクリーン上に白くブラッ
クマトリックスの模様が表示されてしまう。このこと
は、後に示す(図10)の実施例の表示パネルでも同様
である。
【0039】従来の、反射型のライトバルブ構成では、
空気と対向電極基板の界面、対向電極となるITO薄膜
と前記基板の界面、前記ITO薄膜と液晶層の界面でそ
れぞれ生ずる反射光がコントラストを低下させている。
【0040】異なる2つの屈折率nA、nBの境界面で生
ずる反射率R(%)は(数3)で求められる。
【0041】
【数3】
【0042】対向電極基板をガラスで形成した場合、通
常、ガラス基板の屈折率を1.52、空気の屈折率を
1.0とすると、ガラス基板と空気との境界面で生じる
反射率は約4%となる。
【0043】また、2つの屈折率nA、nBの間に屈折率
C、膜厚dの薄膜が形成されている場合、波長λでの
反射率R(%)は(数4)で求められる。
【0044】
【数4】
【0045】対向電極としてITO薄膜を用いた場合、
ITO薄膜の屈折率を2.0とし、ガラス基板の屈折率
を1.52、液晶層の屈折率を1.6とすると、反射率
は薄膜の膜厚によって、ある特定の波長では最大約6%
にもなる。
【0046】したがって、上記のような表示パネルを用
いて反射型構成とした場合、最大約10%の光が液晶層
に入射せず反射されてしまう。反射光はコントラストの
低下をまねく。
【0047】対向電極にすぐれた反射防止機能を有する
ように構成するには、対向電極となるITO薄膜の一面
もしくは両面に形成する誘電体薄膜の光学的膜厚が重要
となる。
【0048】従来のTN液晶は配向膜を形成する必要が
ある。前記配向膜の膜厚は10Å程度の精度で膜厚制御
を行いつつ形成することはできない。したがって、IT
O薄膜の片面に配向膜を形成して、配向膜とITO薄膜
で干渉させ、反射防止機能を有するように作用させるこ
とはできない。逆にいえば、ITOにAl23などの誘
電体薄膜を形成し、反射防止機能をもたせても、配向膜
の形成により反射防止機能が低下もしくは反射防止の機
能は消滅する。
【0049】高分子分散液晶は配向膜の形成の必要がな
い。したがって、対向電極となるITO薄膜を用いてそ
の前後に無機材料からなる誘電体薄膜を形成すれば良好
な反射防止膜を形成できる。
【0050】対向電極となるITO薄膜の前後の境界面
でおこる反射を低減するには、特定の条件を満たした屈
折率、および膜厚を有する透明誘電体薄膜とITO薄膜
から構成される、少なくとも2層の多層膜を形成すれば
良い。(図1(b))に示すような2層構成の反射防止
膜25の場合、反射率を最も低くするための条件は次式
のようになる。
【0051】
【数5】
【0052】
【数6】
【0053】
【数7】
【0054】
【数8】
【0055】nGはガラス基板14の屈折率、nLCは液
晶層15の屈折率、n1はガラス基板14とITO薄膜
25との間に形成する薄膜の屈折率、n2はITO薄膜
25の屈折率、d1はガラス基板14とITO薄膜25
bとの間に形成する薄膜の膜厚、d2はITO薄膜25
bの膜厚、λは設計主波長である。なお、ガラス基板1
4とITO薄膜25bとの間に形成する薄膜は、液晶層
15とITO薄膜25bとの間に形成してもよい。ここ
で、膜厚dii=1,2)は物理的膜厚、niiは光学
的膜厚を意味する。
【0056】以上の条件式はいずれも波長λにおける無
反射条件であるが、広い波長帯域で反射を低減させる場
合は、(数7)、(数8)の条件よりも(数5)、(数
6)の条件を満たす場合の方が望ましい。さらに、IT
O薄膜15bは充分に低い抵抗値を得るため、少なくと
も物理的膜厚として100nm以上が望ましい。この点
からも、ITO薄膜の光学的膜厚n22の条件がλ/2
となる(数5)、(数6)の条件が好ましい。
【0057】(図1(b))に示した反射防止電極25
は以上の条件式に基づいて構成したものである。対向電
極基板14の屈折率より高く、対向電極となるITO薄
膜25bの屈折率より低い屈折率を有する誘電体薄膜2
5aと、対向電極となるITO薄膜25bとの2層構成
であり、ITO薄膜25bの光学的膜厚がλ/2、誘電
体薄膜25aの光学的膜厚がλ/4である。また、前記
誘電体薄膜25aの屈折率は、電界無印加状態の液晶層
15の屈折率よりも高くする。つまり、誘電体薄膜の屈
折率n1、ITO薄膜の屈折率n2、電界無印加状態での
液晶層の屈折率n3とすれば、n2>n1>n3となるよう
にする。これは(図1(a))の反射防止電極でも同様
である。
【0058】具体的な構成の一実施例を(表1)に、ま
た、その分光反射率を(図20)の実線に示す。(図2
0)からわかるように、(表1)の構成によると波長帯
域幅100nm以上にわたり反射率0.3%以下の特性
を実現でき、大幅に反射光を低減できる。
【0059】
【表1】
【0060】高分子分散液晶15の電圧無印加状態での
屈折率nxは、理論的には次式で示される。
【0061】
【数9】
【0062】noは液晶の常光屈折率、neは異常光屈折
率である。シアノビフェニール系の液晶の場合、no
約1.50、neは約1.75のものがある。neとno
の屈折率差△nが大きいほど散乱特性は向上する。フッ
素系の液晶はneおよび△nとも比較的小さく、あまり
高い散乱特性は得られない。しかし、耐熱性、耐光性が
良好であり比較的、液晶の比誘電率も低い。したがっ
て、シアノビフェニール系の液晶よりもフッ素系の液晶
は電圧が印加されやすい。ゆえに、膜厚あたりの散乱特
性は低いが、液晶の膜厚を厚くすることにより、良好な
散乱特性が得られる。
【0063】先のシアノビフェニール系のnoとne
(数9)に代入するとnx≒1.6程度となる。実際の
光変調層15はポリマーと液晶の混合層である。ポリマ
ーの屈折率npはnoと略一致させる場合が多いから、高
分子分散液晶の電界無印加状態での屈折率nxは1.6
よりもさらに小さくなる。
【0064】本明細書での表中あるいは文章中に示す液
晶の屈折率は1.6としている。これは先の説明でも明
らかなように実現上で最も高い屈折率であり、実際はそ
れよりも小さくなる。分光反射率は、ガラス基板の屈折
率と液晶層の屈折率が一致した時、最も小さい値とな
る。液晶層の屈折率は1.6を大幅にこえることはな
く、実際は1.6より小さく、ガラス基板の屈折率に近
い。
【0065】薄膜25aの屈折率は1.50以上1.7
0以下が望ましく、さらに好ましくは1.6以上1.7
以下が望ましい。(表1)の実施例ではAl23を用い
たが、他にCeF3、SiO、WO3、LaF3、NdF3
のいずれかを用いても良い。
【0066】(表2)にAl23をSiOに変化させた
例を示す。また、(図20)の点線でSiOを用いた場
合の分光反射率を示す。
【0067】
【表2】
【0068】SiOを用いれば、400nmから700
nmの波長帯域にわたり、分光反射率1%以下を実現で
きる。本発明の投写型表示装置ではR光、G光およびB
光を変調する3枚の表示パネルをライトバルブとして用
いる。(図20)の実線で示す分光反射率特性(Al2
O3)ではG光近傍の反射率は極めて小さいが、B光お
よびR光では反射率が高くなる。したがって、R、Gお
よびB光に対応して反射防止電極25を形成する必要が
あり、1台の投写型表示装置では3種類の表示パネルを
用いなければならない。(図20)の点線で示す分光反
射率特性(SiO)ではR光、G光、およびB光全域に
わたり反射率が1%以下であるので、一種類のパネルで
共用できる可能性が高い。
【0069】本発明の表示パネルで重要なことは、対向
電極とするITO薄膜を用いて反射防止膜を形成したこ
とにある。当然のことながらITO薄膜は電圧を印加で
きるように構成もしくは形成する。なお、ITO薄膜
は、酸化インジウム、酸化スズなどの膜でもよい。その
場合も光学的干渉効果により、反射率を低減させる光学
的薄膜で誘電体薄膜を積層すれば良い。
【0070】TFT16上には、絶縁膜17を介して反
射電極18が形成されている。反射電極18とTFT1
6とは接続端子19で電気的に接続されている。絶縁膜
17の材料としては、ポリイミド等を代表とする有機材
料あるいはSiO2,SiNxなどの無機材料が用いら
れる。反射電極18は表面をアルミニウム(Al)の薄
膜で形成される。Cr等を用いて形成してもよいが、反
射率がAlより低く、また硬質のため反射電極18周辺
部がかけるなど、問題が生じやすい。
【0071】反射電極18の接続端子19部は0.5〜
1μmの落ちくぼみができるが、高分子分散液晶15は
配向などの処理が不要なため、TN液晶のように凹凸に
より配向不良が生じない。開口率は画素サイズが100
μm角の場合80%以上、50μm角の場合でも70%
以上の開口率が得られる。ただし、TFT16上の反射
電極18はTFTのパターンが転写され凹凸が生じ多少
反射効率は低下する。前記凹凸をなくするためには反射
電極18の表面を研摩すればよい。研摩により反射電極
18は平滑化され反射率は90%以上を達成できる。
【0072】(図1(a))に示すように、対向電極と
なるITO薄膜12bの前後に透明誘電体薄膜12a、
12cを形成して3層構成とすれば、2層の場合よりも
さらに反射率を小さく、かつ広い波長帯域にわたる反射
防止効果を実現できる。この場合の屈折率、および膜厚
の条件は次式のようになる。
【0073】
【数10】
【0074】
【数11】
【0075】
【数12】
【0076】
【数13】
【0077】n3はITO薄膜と液晶層との間に形成す
る薄膜の屈折率、d3はITO薄膜と液晶層との間に形
成する薄膜の膜厚である。また、その他の記号は(数
5)〜(数8)と同様である。
【0078】以上の条件数においても、いずれも波長λ
における無反射条件であるが、広い波長帯域で反射を低
減させる場合は(数12)、(数13)の条件よりも
(数10)、(数11)の条件を満たす場合の方が望ま
しい。さらに、ITO薄膜は充分に低い抵抗値を得るた
め、少なくとも物理的膜厚として100nm以上が望ま
しいため、この点からも、ITO薄膜の光学的膜厚n2
2の条件がλ/2となる(数10)、(数11)の条
件が好ましい。
【0079】反射防止電極12は、対向電極基板14側
から順に第1の誘電体薄膜12a、ITO薄膜12b、
第2の誘電体薄膜12cで構成される3層構成であり、
ITO薄膜12bの光学的膜厚はλ/2、第1の誘電体
薄膜12a、および第2の誘電体薄膜12cの光学的膜
厚はそれぞれλ/4である。
【0080】誘電体薄膜12aおよび12cとしてSi
Oを用いた構成の一実施例を(表3)に、また、その分
光反射率を(図19)に示す。(図19)からわかるよ
うに、(表3)の構成によると波長帯域幅200nm以
上にわたり反射率0.1%以下の特性を実現でき、極め
て高い反射防止効果を得ることができる。なお、(図1
9)において、グラフの説明文字は上段を誘電体薄膜1
2aの使用材料を、中段はITO薄膜12bを、下段は
誘電体薄膜12cの使用材料を示す。
【0081】
【表3】
【0082】第1の誘電体薄膜12aおよび第2の誘電
体薄膜12cの屈折率は1.60以上1.80以下が望
ましい。(表3)の実施例ではいずれもSiOを用いた
が、どちらか一方または両方の誘電体薄膜を、他にAl
23、Y23、MgO、CeF3、WO3、PbF2のい
ずれかを用いても良い。
【0083】(表4)に第1の誘電体薄膜12aおよ
び、第2の誘電体薄膜12cをY23にした場合を示
す。また、その分光反射率を(図20)に示す。なお、
23は蒸着条件等により屈折率が1.78から1.8
8程度のものを作製できる。
【0084】
【表4】
【0085】誘電体薄膜12aおよび12bにY23
用いた時の分光反射率はAl23の場合に比較してB光
およびR光で反射率が多少高くなる傾向がある。
【0086】同様に、(表5)に第1の誘電体薄膜12
aをSiOに、第2の誘電体薄膜12cをY23にした
場合を示す。また、その分光反射率を(図20)に示
す。可視光領域全般にわたり0.1%以下の極めてすぐ
れた反射防止効果を実現している。
【0087】
【表5】
【0088】さらに、(表6)に第1の誘電体薄膜12
aをAl23に、第2の誘電体薄膜12cをSiOにし
た場合を示す。また、その分光反射率を(図20)に示
す。R光およびB光の領域では反射率が0.5%を越
え、適当とは言えない。
【0089】
【表6】
【0090】以上のようにITO薄膜12bの両面に誘
電体薄膜12aおよび12cを3層に形成することによ
り反射光防止効果をもたせることができる。全般的に
(図1(b))に示す2層構成に比較して(図1
(a))の3層構成の方が可視光領域全般にわたり反射
防止効果が高い。
【0091】高分子分散液晶層15とITO薄膜が直接
接していると高分子分散液晶層15の劣化が進みやす
い。これはITO薄膜中の不純物等が液晶層15に溶出
するためと考えられる。前述の3層構成のように、IT
O薄膜12bと液晶層15との間に誘電体薄膜12cを
形成すると液晶層15の劣化することがなくなる。特に
誘電体薄膜12cがAl23あるいはY23の時に良好
であった。
【0092】誘電体薄膜12cがSiOの時はSiOの
屈折率が低下する傾向がみられる。これは液晶層15中
に微量に含まれたH2O、O2等の酸素原子とSiOが結
びつき、SiOがSiO2に変化していくためと考えら
れる。その意味では(表3)および(表6)の構成はふ
さわしくない。しかし、SiOは短期間でSiO2に変
化することはなく、実用上は採用できることが多い。な
お、以上の反射防止電極12または25の構成は(図1
0)に示す電極107に適用できる。
【0093】20は反射電極周辺部に形成された光吸収
薄膜である。(図2)は反射電極18を上方からみたと
きの平面図である。光吸収薄膜は反射電極周辺部および
接続端子19上に形成する。接続端子19上は凹状とな
っており、光はまっすぐに反射しない。したがって、光
吸収膜を形成して、表示コントラストの向上に起与させ
る。
【0094】光吸収薄膜20の形成方法としては、スパ
ッタなどで膜を蒸着し、パターニングして形成する方法
がある。また、反射電極18を形成後、全面に光吸収樹
脂を塗布して、前記樹脂反射電極18間に充填した後、
反射電極面を研磨して、反射電極18上の樹脂だけを取
り除く方法等が例示される。光吸収薄膜20は精度よく
パターニングする必要はない。多少、塗布されていない
箇所が発生しても光吸収効果は十分である。
【0095】光吸収薄膜20の使用材料としては、スパ
ッタにより形成されたPrMnO3膜、プラズマ重合に
より形成されたフタロシアニン膜等が例示される。
【0096】その他、光吸収膜20を形成する光吸収材
料としては電気絶縁性が高く、液晶層15に悪影響を与
えない材料であればよい。例えば、黒色の色素あるいは
顔料を樹脂中に分散したものを用いても良いし、カラー
フィルターの様に、ゼラチンやカゼインを黒色の酸性染
料で染色してもよい。黒色色素の例としては、単一で黒
色となるフルオラン系色素を発色させて用いることもで
き、緑色系色素と赤色系色素とを混合した配向ブラック
を用いることもできる。
【0097】以上の材料はすべて黒色の材料であるが、
本発明の表示パネルを投写型表示装置のライトバルブと
して用いる場合はこれに限定されるものではない。投写
型表示装置は3枚の表示パネルでR,G,Bの3色の光
をそれぞれ変調するものである。R光を変調する表示パ
ネルの光吸収膜20としてはR光を吸収させれば良い。
つまり特定波長を吸収できるように、例えば、カラーフ
ィルタ用の光吸収材料を望ましい光吸収特性が得られる
ように改良して用いれば良い。基本的には前記した黒色
吸収材料と同様に、色素を用いて天然樹脂を染色した
り、色素を合成樹脂中に分散した材料を用いることがで
きる。色素の選択の範囲は黒色色素よりもむしろ幅広
く、アゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染
料、トリフェニルメタン染料などから適切な1種、もし
くはそれらのうち2種類以上の組み合わせでも良い。
【0098】黒色色素は液晶層15に悪影響を与える材
料が多い。そのため、使用は好ましくない。そこで、前
述のように特定波長を吸収できる色素を光吸収薄膜の含
有色素として採用することが好ましい。
【0099】R光用、B光用およびG光用の3枚の表示
パネルをライトバルブとして用いる投写型表示装置では
採用が容易である。つまり、変調する光の色に対して、
補色の関係にある色素を光吸収薄膜中に含有させればよ
い。補色の関係とは、たとえば、B光に対しては黄色で
ある。黄色に着色された光吸収薄膜はB光を吸収する。
したがって、B光を変調する表示パネルは黄色の光吸収
薄膜20を形成する。
【0100】光吸収薄膜20を形成した効果として大き
く2つあげられる。前記効果を(図3)および(図4)
を用いて説明をする。第1の効果として表示コントラス
トの向上がある。(図3)に示すように、入射光Aは水
滴状液晶173にあたり散乱し、進行方向がわかる。一
部光はソース信号線23で反射し、再び液晶層15にも
どってくる。もどってきた光は再び水滴状液晶にあた
り、対向電極板14より出射する。対向電極基板14か
ら出射し、所定範囲内の角度の光は投写レンズで集光さ
れ、スクリーン(図示せず)に投映される。つまり、黒
表示レベルが高くなり、表示コントラストが悪くなる。
液晶層15が散乱状態の時は入射光Aは対向電極基板1
4から出射されないことが望ましい。(図4)に示すよ
うに光吸収膜20bがあれば、入射光Aは吸収される。
したがって、表示コントラストは向上する。第2の効果
として、TFT16のホトコンダクタ現象の防止があ
る。ホトコンダクタ現象とは、TFT16の半導体層に
光が照射されると、光励起され、TFTがオン状態とな
る現象である。TFTがオフにならなければ、電荷を反
射電極18と対向電極間に保持できないから、液晶層1
5が透過状態とならず、白表示ができなくなる。(図
3)に示す入射光Bはソース信号線23および反射電極
18間で反射され、TFT16に達する。TFT16は
光が照射されると前述のホトコンダクタ現象が発生す
る。(図4)に示すように光吸収薄膜20aがあれば、
入射光Bは遮光されホトコンダクタ現象は発生しない。
【0101】(図1)は反射型の表示パネルの実施例で
あった。(図1)で説明した光吸収薄膜および反射防止
電極は、光書き込み型の表示パネルにも用いることがで
きる。(図10)は光書き込み型表示パネルの構成図で
ある。ガラス基板102上には導電性薄膜103、アモ
ルファスシリコンからなる光導電層104、遮光膜10
5、誘電体ミラー106が順次積層されている。誘電体
ミラー106上には光吸収薄膜101が形成されてい
る。一方、対向電極基板108上には反射防止電極10
7が形成されている。導電性薄膜103と反射防止電極
107間に交流が印加され、光伝導層104の光励起状
態により液晶層15に電圧の印加状態が変化する。
【0102】(図10)に示す反射防止電極107は
(図1)に示す反射防止電極12または25と構成が同
じであり、また、その効果も同様である。同様に光吸収
薄膜101も(図1)の光吸収薄膜20と構成は同様で
ある。
【0103】光吸収薄膜101は(図11)に示すよう
にストライプ状に形成される。(図11)中のH方向は
画面の横方向、V方向は画面の縦方向である。ストライ
プ状に光吸収薄膜101を形成すれば、横方向への光も
れを防止できる。光吸収薄膜101の形成ピッチは、一
画素の幅に対応させることが好ましい。光吸収薄膜10
1はブラックマトリックスのようにマトリックス状に形
成する方が光もれ防止に効果がある。しかし、光吸収薄
膜101の形成箇所は光を反射しないため、マトリック
ス状に形成してしまうと、マルチスキャン表示に対応し
にくくなる。光書き込み型の表示パネルの1つの大きな
特徴はマルチスキャンができることである。(図10)
のようにストライプ状であれば、H方向に画面サイズを
可変することはやりにくいが、V方向には可変すること
が可能である。
【0104】(図5)は本発明の透過型の表示パネルの
断面図である。12は対向電極である。ただし、(図
1)のように反射防止電極構成を採用する必要はない。
アレイ基板13上にはITO薄膜からなる画素電極51
が形成され、一方、対向電極基板12上にはブラックマ
トリックス52が形成されている。ブラックマトリック
ス52は通常Crを用いて形成される。ソース信号線3
2等の信号線上およびブラックマトリックス上には光吸
収薄膜53が形成される。光吸収薄膜53の形成材料は
(図1)で説明した構成であり、また、材料等も同一で
ある。なお、光吸収薄膜の色は液晶層15に入射する光
の色に対して補色の関係にある色にすることが好まし
い。
【0105】(図5)に示す本発明の表示パネルの効果
について考える。(図6)および(図7)は効果を説明
するための説明図である。(図6)は光吸収薄膜53が
形成されていない従来の表示パネルの構成であり、(図
7)は光吸収薄膜が形成された本発明の表示パネルの構
成である。
【0106】(図6)のように光線A〜Eを考える。光
線Aは水滴状液晶173で散乱され、入射光側に戻る光
である。光線Bは水滴状液晶で散乱されつつ出射側にも
れる光である。光線Cはブラックマトリックス52で反
射され入射側に戻る光である。光線Dはブラックマトリ
ックス52で反射して、出射側にもれる光である。光線
Eもソース信号線23で反射して出射側にもれる光であ
る。つまり、光線B、D、Eが光変調層15が散乱時の
もれ光になる。ブラックマトリックス53および信号線
23は金属薄膜で形成されるため、比較的反射率が高
い。したがって、前記部分により反射し、出射側にもれ
る光となる量も多い。液晶層15が散乱状態の時に出射
側にもれる光は表示コントラストを低下させる。
【0107】近年、画素サイズは微小化の影響にあり、
それにつれ、ブラックマトリックスが一画素に占める面
積も高くなりつつある。一例としてパネルサイズが3イ
ンチの時、30万画素クラスではブラックマトリックス
が一画素に占める割合は約70%である。100万画素
クラスでは90%になるという予測値もある。
【0108】以上のようにブラックマトリックス52の
占める割合は非常に大きく、したがって、液晶層15内
で散乱された光が再びブラックマトリックス52で反射
されて出射側に出力され、コントラストを低下させるこ
とは大きな課題である。また、ブラックマトリックスな
どで反射した光が隣接画素等に入り込み、画素輪郭をに
じませること、さらには表示領域全体のコントラストを
低下させることも課題である。同様に、ソース信号線2
3、ゲート信号線(図示せず)、TFT(図示せず)等
で反射する光も無視できない。
【0109】(図7)で示すように、光吸収薄膜53を
形成すれば、入射光Dは水滴状液晶173にあたって散
乱し、その一部は光吸収薄膜53bに入射する。前記光
は光吸収薄膜53bで吸収される。また、入射光Eも水
滴状液晶173にあたって散乱し、その一部はソース信
号線23上に形成された光吸収膜53aに入射して吸収
される。したがって、出射側に出力される光を少なくす
ることができる。
【0110】高分子分散液晶を用いた表示パネルの課題
として、アレイ基板および対向電極基板の空気との界面
で反射する光による、表示コントラストの低下がある。
たとえば、(図8)の入射光Fのように基板14の空気
との界面およびブラックマトリックス52で反射し、再
び液晶層15に入射する光である。前記入射光Fを防止
するために表示パネル121が透過型表示パネルの場合
は(図12)に示すように表示パネルに透明板93a、
93bを接着する。反射型表示パネルの場合は(図1
3)に示すように、入射光側に透明板93bを接着す
る。
【0111】透明板93a、93bは光透過性のある厚
みのある板であり、より具体的には表示パネルの有効表
示領域の最大径d以上の直径をもつ円柱状もしくは四角
柱状のガラス板である。他にアクリル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂などの透明樹脂も用いることができ、これら
は比較的安価であり、形状も任意のものを容易に作製で
きる。また、重量も軽く好ましい。透明基板93は光結
合剤92により光学的に接続されている。光結合剤92
とは具体的には透明シリコーン樹脂、紫外線硬化型接着
剤、エポキシ系透明接着剤、エチレングリコール等が例
示される。前記光結合剤の屈折率は1.4〜1.5前後
の物を用い、表示パネル121もしくは131の対向電
極基板等ガラス基板との屈折率差は0.05以内にする
ことが好ましい。
【0112】透明基板93の無効表示面には黒色塗料1
22が塗布されており、空気と透明基板93の界面で反
射する光を吸収できるように構成されている。
【0113】透明板93bと表示パネルの対向電極基板
あるいは透明基板93aと表示パネルのアレイ基板を加
えた中心厚tは、屈折率n、液晶パネルの有効表示領域
の最大径をdとしたとき、次式を満足するようにする。
【0114】
【数14】
【0115】(数14)を満足させなければならない理
由は特願平4−145277号明細書に記載しているの
で説明を省略する。なお、ガラス板の空気と接する面を
凹面にするつまり凹レンズ状にすることにより中心厚t
を短くすることができる。この事項も特願平4−145
277号明細書に記載しているので説明を省略する。
【0116】以上のように、(数14)に示されるよう
に、透明板93の中心厚dを所定値以上にすること、あ
るいは透明基板93の一面を凹面にすることにとによ
り、表示パネルの液晶層15より発し、透明板93と空
気との界面で反射する光は光吸収塗料122で吸収され
る。したがって、再び表示パネルの液晶層15に戻って
くることはない。
【0117】なお、透明板93を表示パネルに光結合剤
92により接続するとしたが、これに限定するものでは
なく、表示パネルの対向電極基板あるいはアレイ基板の
厚みが(数14)を満足するのであれば、透明基板93
を用いる必要がないことは明かである。
【0118】(図9)に示すように入射光Aは水滴状液
晶173にあたり散乱される。散乱された光A1は光入
射面94bで反射し、黒色塗料122に入射して吸収さ
れる。従来の表示パネルのように透明基板93がないと
対向電極基板14と空気との界面で反射し、反射光A2
となり再び液晶層15に入射する。これは液晶に電圧が
印加されていないオフ時の液晶層15の輝度を上層させ
ることになり、表示コントラストを低下させる。(図
9)に示すように透明基板93bを配置することにより
反射光A2はなくなる。したがって、第1の実施例に比
較して表示コントラストが低下する。
【0119】表示コントラストを低下させる原因にTF
T16のリークがある。これは、TFT16の半導体層
に光が入射し、前記光により励起されてホトコンダクタ
現象が生じることにより起因している。その防止をする
ため、本発明の透明型の表示パネルではTFT16上に
遮光膜91を形成している。しかし、これだけでは完全
でない。入射光Bが液晶層15で散乱され、戻ってくる
場合があるからである。本発明の表示パネルでは、透明
基板93aを配置しているため散乱した光B1となり透
明基板93aと空気の界面94aで反射し、黒色塗料1
22に入射して吸収される。したがって、再びTFT1
6に戻ってくることはない。透明基板93aがないとア
レイ基板13と空気の界面で反射し、反射光B2となり
TFT16にもどってくる。したがって、従来の構成で
は反射光B2によりTFTのホトコンダクタ現象が発生
し、TFT16のリークが発生し表示コントラストは低
くなる。第2の実施例では完全に防止できるため、表示
コントラストは高くできる。
【0120】なお、第1および第2の実施例において、
アレイ基板13側からみたブラックマトリックス52は
鏡面性を有し、光を反射できるようにしておく。ブラッ
クマトリックス52にあたった入射光は反射されるか
ら、表示パネルを加熱することがない。もし、光吸収薄
膜53でブラックマトリックス52の上下の位置を反転
させれば、光吸収薄膜53が入射光を吸収し、表示パネ
ルを加熱して劣化させてしまう。
【0121】以下、図面を参照しながら本発明の投写型
表示装置について説明する。(図14)は本発明の投写
型表示装置の一実施例の構成図である。ただし、説明に
不要な構成要素は省略している。(図14)において、
141は集光光学系であり、内部に凹面鏡および光発生
手段としてのメタルハライドランプあるいはキセノンラ
ンプを配置している。前記ランプはアーク長ができるだ
け短いものを使用することが望ましい。一般的にキセノ
ンランプのアーク長は2mm以下であり、本発明の液晶
投写型テレビの用途として十分である。しかし、寿命が
短いという欠点がある。メタルハライドランプは250
Wクラスのもので、アーク長は6mm程度である。これ
はアーク長が長すぎ、好ましくない。アーク長は5mm
以下が好ましい。メタルハライドランプは消費電力が小
さいものであれば短アークのものが販売されている。一
例として岩崎電気株式会社より120Wでアーク長3m
m強のものがある。本発明の液晶投写型テレビではメタ
ルハライドランプを用い、そのランプのアーク長は5m
m以下のものを用いた。凹面鏡はランプのアーク長にあ
わせて適正値に設計する。また、投写レンズのF値も同
様である。一例としてアーク長が5mmであれば投写レ
ンズのF値はF7程度にし、アーク長が4mmであれば
投写レンズのF値はF8程度にし、3mmであればF値
はF10程度に設定する。
【0122】142は赤外線および紫外線を反射させて
有視光のみを透過させるUVIRカットフィルタであ
る。また、143aはB光を反射させるダイクロイック
ミラー(以後、BDMと呼ぶ)、143bはG光を反射
させるダイクロイックミラー(以後、GDMと呼ぶ)、
143cはR光を反射させるダイクロイックミラー(以
後、RDMと呼ぶ)である。なお、BDM143aから
RDM143cの配置は同図の順序に限定するものでは
ない。また、最後のRDM143cは全反射ミラーにお
きかえてもよいことは言うまでもない。
【0123】144は本発明の表示パネルである。本発
明の投写型表示装置では本発明の表示パネルをライトバ
ルブとして用いる。なお、R光を変調する表示パネルを
他の表示パネルに比較して水滴状液晶粒子径を大きく、
もしくは液晶膜厚を厚めにして構成する。これは光が長
波長になるほど散乱特性が低下しコントラストが低くな
ってしまうためである。水滴状液晶の粒子径は、重合さ
せるときの紫外線光を制御すること、あるいは使用材料
を変化させることにより制御できる。液晶膜厚は液晶層
15のビーズ径を変化することにより調整できる。14
5はレンズ、147は投写レンズ、146はしぼりとし
てのアパーチャである。なお、145、146および1
47で投写光学系を構成している。なお、アパーチャ
は、投写型表示装置の動作の説明上図示したものであ
る。アパーチャは投写レンズの集光角を規定するもので
あるから、投写レンズの機能に含まれるものとして考え
ればよい。つまり、F値が大きければアパーチャの穴径
は小さいと考えることができる。高コントラスト表示を
得るためには投写レンズのF値は大きいほどよい。しか
し、大きくなると白表示の輝度は低下する。
【0124】以下、本発明の投写型表示装置の動作につ
いて説明する。なお、R、G、B光のそれぞれの変調系
については、ほぼ同一動作であるのでB光の変調系につ
いて例にあげて説明する。まず、集光光学系141から
白色光が照射され、この白色光のB光成分はBDM14
3aにより反射される。このB光は表示パネル144a
に入射する。表示パネル144aは、(図17(a)
(b))に示すように画素電極に印加された信号により
入射した光の散乱と透過状態とを制御し光を変調する。
【0125】散乱した光はアパーチャ146aで遮光さ
れ、逆に平行光または所定角度内の光はアパーチャ14
6aを通過する。変調された光は投写レンズ147aに
よりスクリーン(図示せず)に拡大投映される。以上の
ようにして、スクリーンには画像のB光成分が表示され
る。同様に表示パネル144bはG光成分の光を変調
し、また、表示パネル144cはR光成分の光を変調し
て、スクリーン上にはカラー画像が表示される。なお、
表示パネル144に透明板が接着され、前記透明板の片
面が平凹レンズ形状の場合は、前記凹レンズの屈折を考
慮して投写光学系を構成する。
【0126】(図14)は3つの投射レンズ147によ
りスクリーンに拡大投映画する方式であるが、一つの投
写レンズで拡大投映する方式もある。その構成図を(図
15)に示す。157は本発明の表示パネルである。こ
こでは説明を容易にするため、157GをG光の映像を
表示する表示パネル、157RをR光の映像を表示する
表示パネル、157BをB光の映像を表示する表示パネ
ルとする。したがって、各ダイクロイックミラーを透過
および反射する波長は、ダイクロイックミラー155a
はR光を反射し、G光とB光を透過する。また、ダイク
ロイックミラー155bはG光を反射し、R光を透過さ
せる。また、ダイクロイックミラー155dはB光を反
射させ、G光およびR光を透過する。
【0127】メタルハライドランプ152から出射され
た光は全反射ミラー153aにより反射され、光の方向
を変化させられる。次に前記光はUVIRカットフィル
タ154により、紫外線領域および赤外線領域の波長の
光がカットされる。紫外線および赤外線をカットされた
光はダイクロイックミラー155a、155bによりR
・G・B光の3つの波長領域の分離され、R光はフィー
ルドレンズ156Rに、G光はフィールドレンズ156
Gに、B光はフィールドレンズ156bに入射する。各
フィールドレンズ156は各光を集光し、表示パネル1
57はそれぞれ映像信号に対応して液晶の配向を変化さ
せ、光を変調する。このように変調されたR・G・B光
はダイクロイックミラー157c、157dにより合成
され、投映レンズ158によりスクリーンに拡大投映さ
れる。
【0128】一方、投写型表示装置を反射方式で構成し
た例が(図16)である。ライトバルブとして、(図
1)に示す表示パネルあるいは(図10)に示す表示パ
ネルを用いる。光源162はランプ162a、凹面鏡1
62b、フィルタ162cで構成される。ランプ162
aはメタルハライドランプであり、凹面鏡162bはガ
ラス製で、反射面に可視光を反射し赤外光を反射する多
層膜を蒸着したものである。ランプ162aからの放射
光に含まれる可視光は、凹面鏡162bの反射面により
反射する。凹面鏡162bから出射する反射光は、フィ
ルタ162cにより赤外線と紫外線とが除去されて出射
する。
【0129】投写レンズ161は、表示パネル165側
の第1レンズ群161bと、スクリーン側の第2レンズ
群161aとで構成され、第1レンズ群161bと第2
レンズ群161aとの間には平面ミラー163が配置さ
れている。表示パネル165の画面中心にある画素から
出射する散乱光は、第1レンズ群161bを透過した
後、約半分が平面ミラー163に入射し、残りが平面ミ
ラー163に入射せずに第2レンズ群161aに入射す
る。平面ミラー163の反射面の放線は投写レンズ16
1の光軸166に対して45゜傾いている。
【0130】光源162からの光は平面ミラー163で
反射されて第1レンズ群161bを透過し、表示パネル
165に入射する。表示パネル165からの反射光は、
第1レンズ群161b、第2レンズ群161aの順に透
過してスクリーン167に到達する。投写レンズ161
の絞りの中心から出て表示パネル165に向かう光線
は、液晶層15にほぼ垂直に入射するように、つまりテ
レセントリックとしている。ここでは説明を容易にする
ために、165bをG光を変調する表示パネル、165
cをB光を変調する表示パネル、165aをR光を変調
する表示パネルであるとして説明する。
【0131】(図16)において、164はダイクロイ
ックミラーであるが、これは色合成系と色分離系を兼用
している。光源からの出射された白色光は平面ミラー1
63により折り曲げられ、投写レンズ161の第1群に
入射する。この際、フィルタ162cによって、不要な
B光およびR光はカットされる。フィルタ162cの帯
域は半値幅の値で430nm〜690nmである。以
後、光の帯域を記述する際は半値幅で表現する。ダイク
ロイックミラー164aはG光を反射し、R光およびB
光を透過させる。G光はダイクロイックミラー164c
で帯域制限され、表示パネル164bに入射する。G光
の帯域は510〜570nmにする。
【0132】一方、ダイクロイックミラー164bはB
光を反射し、R光を透過させる。B光は表示パネル16
5cに、R光は表示パネル165aに入射する。入射す
るB光の帯域は430nm〜490nm、R光の帯域は
600nm〜690nmである。表示パネルはそれぞれ
の映像信号に応じて散乱状態の変化として光学像が形成
する。表示パネルで形成された光学像はダイクロイック
ミラー164a、164bで色合成され、投写レンズ1
61に入射し、スクリーン167上に拡大投写される。
なお、これらのR、G、B光の帯域は本発明の投写型表
示装置でほぼ共通の値である。
【0133】反射型の表示パネルを用いれば、透過型に
比較してコントラストも良好であり、画素開口率も高い
ので高輝度表示を行うことができる。その上、表示パネ
ルの裏面には障害物がないのでパネル冷却が容易であ
る。たとえば、裏面からの強制空冷冷を容易に行え、ま
た、裏面にヒートシンク等も容易に取り付けることがで
きる。
【0134】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ブラッ
クマトリックスの表面に光吸収薄膜を形成することによ
り、散乱時、液晶層で乱反射する光を吸収することがで
き、表示パネルのコントラストを向上することができ
る。また、(図12)、(図13)および段落011
1、0115などで説明したように、表示パネルの光入
射面などに光透過性を有し、厚みのあるガラス板を配置
することによりTFTに光が照射されることがなくな
り、TFTのホトコンダクタ現象の発生を防止すること
ができる。また、表示コントラストも向上できる。さら
に表示パネルの表面で反射し、液晶層に再び戻る光の位
置を分散することができるから、ゴースト等を防止でき
る。また、ガラス板は厚みを有するため、ガラス板の表
面にゴミなどが付着しても、このゴミは投写光学系の結
像位置から離れているため、スクリーン上の結像するこ
とがない。したがって、従来の投写型表示装置では、表
示パネルの表面にゴミが付着し、このゴミがスクリーン
に投影されるという問題点があったが、本願発明ではこ
の問題がなく、高品位表示を実現できる。
【0135】また、高分子分散液晶を用いることによ
り、偏光板が不要となり、TN液晶表示パネルに比較し
て3倍以上の高輝度表示が実現できる。これは光利用効
率を向上できることのみならず、光が熱に変換されるこ
とを大幅に減少でき、加熱によるパネルの性能劣化を引
き起こすことがなくなることを意味する。これは、投写
型表示装置のように一枚の表示パネルに入射する光の強
さが数万ルクスと大きい場合に、非常に有効である。
【0136】また、本発明の投写型表示装置では、本発
明の表示パネルをライトバルブとして用いているため、
高輝度表示を実現でき、200インチ以上の大画面化に
も対応できる。また、変調する光の波長に応じて、表示
パネルの液晶膜厚、水滴状液晶の平均粒子径を適正にし
ているので、ホワイトバランスおよびコントラストが良
好な画像表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示パネルの断面図
【図2】本発明の表示パネルの平面図
【図3】本発明の表示パネルの説明図
【図4】本発明の表示パネルの説明図
【図5】本発明の他の実施例における表示パネルの断面
【図6】本発明の表示パネルの説明図
【図7】本発明の表示パネルの説明図
【図8】本発明の表示パネルの説明図
【図9】本発明の表示パネルの説明図
【図10】本発明の他の実施例における表示パネルの構
成図
【図11】本発明の表示パネルの一部平面図
【図12】本発明の表示パネルの他の実施例の構成図
【図13】本発明の他の実施例における表示パネルの構
成図
【図14】本発明の投写型表示装置の一実施例における
構成図
【図15】本発明の他の実施例における投写型表示装置
の構成図
【図16】本発明の他の実施例における投写型表示装置
の構成図
【図17】高分子分散液晶の動作の説明図
【図18】本発明の投写型表示装置の説明図
【図19】本発明の投写型表示装置の説明図
【図20】本発明の投写型表示装置の説明図
【符号の説明】
11、12 反射防止膜 12、25、171 対向電極 13 アレイ基板 14 対向基板 15 液晶層 16 TFT 17 絶縁層 18 反射電極 19 接続部 20 光吸収膜 23 ソース信号線 51 画素電極 52 ブラックマトリックス 53a、53b 光吸収膜 91 遮光膜 92a、92b オプティカルカップリング剤 93a、93b 透明板 94a、94b 界面 101 光吸収膜 102 基板 103、107 透明電極 104 光導電層 105 遮光膜 106 誘電体ミラー 108 ガラス基板 121 液晶パネル 122 黒色塗料 141、152 集光光学系 142、154、162c UVIRカットフィルタ 143a、143b、143c、155a、155b、
155c、164a、164b、164c ダイクロイ
ックミラー 144a、144b、144c、157R、157G、
157B、165a、165b、165c 液晶パネル 145a、145b、145c レンズ 146a、146b、146c アパーチャ 147a、147b、147c、158、161 投写
レンズ 153a、153b、153c、163 ミラー 156R、156G、157B フィールドレンズ 162a メタルハライドランプ 162b 凹面鏡 172 画素電極 173 水滴状液晶 174 ポリマー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−195381(JP,A) 特開 昭57−20779(JP,A) 特開 昭59−202435(JP,A) 特開 平3−98021(JP,A) 特開 平4−168423(JP,A) 特開 平2−285302(JP,A) 特開 昭47−20224(JP,A) 特開 平3−241312(JP,A) 特開 平3−211528(JP,A) 特開 平4−303821(JP,A) 特開 平3−146926(JP,A) 特開 昭63−144323(JP,A) 実開 平3−66276(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335 G02F 1/13 505 G02F 1/1334 G02F 1/1368

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が光透過性を有する第1お
    よび第2の基板と、前記第1および第2の基板間に挟持
    された、光散乱状態の変化として光学像を形成する光変
    調層と、 前記第1の基板と第2の基板のうち少なくとも一方の基
    板上で、かつ前記光変調層と接する面に形成された光吸
    収膜とを具備し、 前記光吸収膜は樹脂材料から構成され、前記樹脂中に色
    素または染料を含有し、前記色素または染料は、光変調
    層が変調する光の色に対して補色の関係にあることを
    徴とする表示パネル。
  2. 【請求項2】光透過性を有する第1の電極が形成された
    第1の基板と、 マトリックス状に配置された反射電極を有する第2の基
    板と、 前記第1の電極と前記反射電極間に挟持された高分子分
    散液晶層と、 隣接した反射電極間に形成された光吸収膜を具備し、 前記光吸収膜は樹脂材料から構成され、前記樹脂中に色
    素または染料を含有し、前記色素または染料は、光変調
    層が変調する光の色に対して補色の関係にあることを
    徴とする表示パネル。
  3. 【請求項3】多層膜が形成された第1の基板と、 マトリックス状に配置された画素電極を有する第2の基
    板と、 前記多層膜と前記画素電極間に挟持された液晶層とを具
    備し、 前記多層膜は、少なくとも第1の誘電体薄膜とITO薄
    膜から構成され、前記第1の誘電体薄膜の屈折率n1は
    1.6以上1.8以下であり、かつ前記第1の誘電体薄
    膜の光学的膜厚が略λ/4(λは光の設計主波長)であ
    り、前記ITO薄膜の屈折率n2は1.8以上2.0以
    下であり、かつ前記ITO薄膜の光学的膜厚が略λ/4
    またはλ/2であり、電界を印加していない時の液晶
    の屈折率をn3としたとき、n2>n1>n3なる関係があ
    ることを特徴とする表示パネル。
  4. 【請求項4】前記第1の誘電体薄膜は、三酸化二アルミ
    ニウム(Al2O3)、三酸化二イットリウム(Y2O
    3)、一酸化シリコン(SiO)、三酸化タングステン
    (WO3)、三弗化セリウム(CeF3)、酸化マグネシ
    ウム(MgO)、二弗化鉛(PbF2)のいずれかの薄
    膜であることを特徴とする請求項記載の表示パネル。
  5. 【請求項5】光反射防止機能を有するように多層膜が形
    成された第1の基板と、 マトリックス状に配置された反射電極を有する第2の基
    板と、 前記第1の基板と第2の基板間に挟持された液晶層と、 前記反射電極間からの光の進入を阻止する、前記反射電
    極間に配置または構成された遮光膜とを具備し、 前記多層膜は、少なくとも第1の誘電体薄膜とITO薄
    膜から構成され、前記第1の誘電体薄膜の屈折率n1は
    1.6以上1.8以下であり、かつ前記第1の誘電体薄
    膜の光学的膜厚が略λ/4(λは光の設計主波長)であ
    り、前記ITO薄膜の屈折率n2は1.8以上2.0以
    下であり、かつ前記ITO薄膜の光学的膜厚が略λ/4
    またはλ/2であり、電界を印加していない時の液晶層
    の屈折率をn3としたとき、n2>n1>n3なる関係があ
    ることを 特徴とする表示パネル。
  6. 【請求項6】前記遮光膜は、PrMnO3膜またはフタ
    ロシアニン膜から構成されていることを特徴とする請求
    記載の表示パネル。
  7. 【請求項7】前記遮光膜は、フルオラン系色素または配
    向ブラックを含有する樹脂から構成されていることを特
    徴とする請求項記載の表示パネル。
  8. 【請求項8】光透過性を有する第1の電極が形成された
    第1の基板と、 第2の電極、光導電層、光遮光層、誘電体薄膜からなる
    光反射層が、積層された第2の基板と、 前記第1の電極と前記光反射層間に挟持された液晶層
    と、 前記第1の電極上と前記光反射層のうち少なくとも一方
    が前記液晶層に対面する面に形成された光吸収膜とを具
    備することを特徴とする表示パネル。
  9. 【請求項9】前記光吸収膜は、略ストライプ状に形成さ
    れ、かつ、前記液晶層が変調する光を吸収する色素また
    は染料を含有していることを特徴とする請求項記載の
    表示パネル。
  10. 【請求項10】アーク放電ランプを有する光発生手段
    と、 前記光発生手段が放射する光を変調する請求項1から請
    求項9のいずれかに記載の表示パネルと、 前記表示パネルが変調して光を投写する投写手段とを具
    備し、 前記表示パネルの光入射面と光出射面の少なくとも一方
    に、光透過性を有し厚みのある透明板または透明樹脂
    光結合剤を介して接続されていることを特徴とする投写
    型表示装置。
  11. 【請求項11】光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を赤色光の第1の光路と、
    緑色光の第2の光路と、青色光の第3の光路とに分離す
    る光分離手段と、 前記第1の光路と第2の光路と第3の光路のそれぞれの
    光路に配置された請求項1から請求項のいずれかに記
    載の表示パネルと、 前記表示パネルが変調した光を投写する投写手段とを具
    備し、 前記表示パネルは高分子分散液晶表示パネルであり、 第1の光路に配置された赤色光を変調する表示パネルの
    液晶層の水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーネット
    ワークの平均孔径が、青色光を変調する表示パネルのそ
    れよりも大きいことを特徴とする投写型表示装置。
  12. 【請求項12】アーク放電ランプを有する光発生手段
    と、 前記光発生手段が放射する光を赤色光の第1の光路と、
    緑色光の第2の光路と、青色光の第3の光路とに分離す
    る光分離手段と、 前記第1の光路と前記第2の光路と前記第3の光路のそ
    れぞれの光路に配置された請求項1から請求項9のいず
    れかに記載の表示パネルと、 前記表示パネルが変調した光を投写する投写レンズとを
    具備し、 前記表示パネルの光入射面と光出射面の少なくとも一方
    に、光透過性を有し厚みのある透明板または透明樹脂
    接着されていることを特徴とする投写型表示装置。
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