JPH1124063A - 反射型液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

反射型液晶表示装置およびその製造方法

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JPH1124063A
JPH1124063A JP17872097A JP17872097A JPH1124063A JP H1124063 A JPH1124063 A JP H1124063A JP 17872097 A JP17872097 A JP 17872097A JP 17872097 A JP17872097 A JP 17872097A JP H1124063 A JPH1124063 A JP H1124063A
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JP17872097A
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Osamu Yamazaki
修 山崎
Masafumi Hoshino
雅文 星野
Naotoshi Shino
直利 篠
Hiroshi Sakama
弘 坂間
Takakazu Fukuchi
高和 福地
Teruo Ebihara
照夫 海老原
Shunichi Motte
俊一 物袋
Shigeru Senbonmatsu
茂 千本松
Ko Taniguchi
香 谷口
Shuhei Yamamoto
修平 山本
Masanori Fujita
政則 藤田
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Seiko Instruments Inc
Seiko Precision Inc
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Seiko Instruments Inc
Seiko Precision Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーフィルタ方式の反射型高分子分散液晶
表示装置では、液晶と高分子前駆体を相分離する紫外線
を照射するため、反射層は透明基板の外側に設けられ
る。従って、液晶層と反射層の間に基板厚分の間隔が生
じ、視差(二重映り)の発生、低い視認性、且つ悪い色
再現、等の問題があった。 【解決手段】 上基板の光変調層に接する面側に、可視
光領域の特定波長範囲の光と前記高分子分散型液晶の紫
外線硬化に必要な特定波長範囲の紫外線を透過する分光
特性を有する複数色のカラーフィルタを形成し、下基板
の光変調層に接する面側に反射層を形成する。さらに、
各色カラーフィルタの特定波長範囲の紫外線透過率がカ
ラーフィルタ相互間で2.5倍以下であることとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光散乱型の液晶表
示素子を用いた反射型液晶表示装置に関するものであ
り、時計、携帯電話や携帯情報端末などに利用される。
詳しくは、輝度が高く鮮明なカラー表示が可能で、さら
に低電圧でかつ低電流駆動動作可能な反射型液晶表示装
置に関する。
【0002】
【従来技術】液晶表示装置は、薄型で消費電力が少ない
など多くの優れた特徴を有するため色々な用途の機器の
表示パネルとして多用されている。近年、バックライト
を使用しない反射型液晶表示装置が精力的に開発されて
おり、その中でも、偏向板が不要で明るい表示が可能な
高分子分散型液晶を用いた光散乱モードの反射型液晶表
示装置が注目を集めている。
【0003】これら光散乱モード液晶パネルのカラー化
手段としては、上基板内部の高分子分散型液晶層の前面
にカラーフィルタを配置し、かつ前記高分子分散型液晶
層の背後に鏡面反射特性を有する反射層を配置した特開
平8−184815、及び、高分子分散型液晶層の前面
にカラーフィルタを配置し且つ高分子分散型液晶層の背
後に干渉フィルタと散乱反射層を配置した特開平7−1
52029号などが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
反射型高分子分散液晶表示装置のカラー化技術では、以
下の様な欠点を有していた。第一に、下基板に鏡面反射
特性を有する画素電極が形成され、カラーフィルターが
上基板に形成された構成の場合、紫外線の照射がカラー
フィルターを通して行われることになるので、2枚の基
板間に封入した液晶/高分子前駆体まで紫外線が充分に
届かず、高分子前駆体を充分に重合できないため、液晶
の光散乱度および電圧特性(閾値電圧や飽和電圧など)
が著しく悪化し、実用的な表示品質が得られないと言っ
た問題があった。
【0005】この問題を解決する方法として、紫外線を
透過するカラーフィルタを用いることも検討されたが、
実用レベルを満足する表示品質を得ることができなかっ
た。具体的には、1画素がRGBの三原色のカラーフィ
ルタで三分割された構成の場合、これらのカラーフィル
タを通して紫外線を照射し液晶と高分子を相分離させて
光変調層を形成すると、各カラーフィルタに対応して光
変調層の光散乱性および電圧特性(閾値電圧や飽和電圧
など)が大幅に異なる結果となり、実用に耐える色調お
よびコントラストが得られなかった。さらに、見る方向
により、各画素の色調が大幅に変化し、カラーバランス
がズレると言った問題も生じ、表示品質が非常に悪かっ
た。
【0006】さらに、別の解決方法として、下基板の液
晶が接する面側にカラーフィルターと鏡面反射特性を有
する反射層を隣接して形成する方法が提案されている。
この方式では、上基板にカラーフィルタが形成されてい
ないので、上基板側から紫外線を照射することによっ
て、高分子前駆体の重合を均一かつ充分に行うことがで
きる。しかしながら、この方式では、カラーフィルタが
高分子分散型液晶層の背後にあるので、高分子分散型液
晶層の後方散乱特性により、入射した光のうちカラーフ
ィルタの手前の高分子分散型液晶層で散乱反射する光の
割合が多くなる。この結果、表示色の色純度が大幅に低
下すると言った根本問題を有していた。
【0007】第二に、上記の問題を解決する方法とし
て、特開平8ー184815の反射型液晶表示装置の構
成と製造方法が開示されている。この開示例では、カラ
ーフィルタが形成されていない下基板側から紫外線を照
射し、液晶と高分子を相分離させ、その後、紫外線を照
射した下基板の液晶に接していない面側に反射層(鏡
面)を配置している。従って、紫外線が高分子前駆体に
均一に且つ充分に届く様になり、高分子前駆体の重合が
均一に且つ充分に行われる。この為、各カラーフィルタ
ーの液晶と高分子の相分離状態が均一で良好な状態とな
る。この結果として、各カラーフィルターに対応した高
分子分散型液晶層の光散乱度および電圧特性(閾値電圧
や飽和電圧など)は、均一で安定した状態となり、色再
現およびコントラストが良好となる。しかしながら、こ
の方法は、反射層(鏡面)が下基板に外付けに配置され
た構造をとるため、”視差(または、二重映り)”と言
う表示品質上重大な問題が生じる。”視差”とは、本来
の像(実像)に影(虚像)が重なって見える二重映り現
象で、カラーフィルタおよび光変調層と反射層(鏡面)
との間にガラスが存在する場合、このガラスの厚みに比
例した距離(即ち、鏡面による実像と虚像との距離)が
存在する事となり、視差(二重映り)が生じる。
【0008】反射型カラー液晶表示装置を設計する場
合、最も気を付けなければいけない点は、”視差”の存
在である。”視差”が有ると、二重映りの問題だけでな
く、出射光が入射光と異なる色のカラーフィルタを通る
と言う問題が生じる。カラーフィルタおよび光変調層と
反射層との間に、少なくともガラスが存在する場合、ガ
ラスの厚みに比例した距離(即ち、鏡面による実像と虚
像との距離)があるので、液晶パネルに入射する光と反
射して戻ってくる光が、必ずしも同じ色のカラーフィル
タを通るとは限らなくなり、入射光の入射角によって
は、別の色のカラーフィルタを通る場合もある。この場
合、各カラーフィルタで所定の色に対応した波長範囲の
光が吸収されてしまうため、明るさや色純度が低下す
る。従って、”視差”が存在する反射型カラー液晶表示
装置では、二重映りにより表示の視認性が大幅に悪化す
るだけでなく、明るさや色純度もかなり悪化することに
なるので、大変好ましくない。
【0009】第三に、光散乱モード表示素子として動的
散乱モード(DSM)や相転移モード(PCM)や高分
子分散モードなどの光散乱モード液晶が使用されている
従来の液晶表示装置の問題点について説明する。動的散
乱モードの液晶表示素子に関しては、電流駆動であり、
一般的なTNモードやSTNモードに比較して、その消
費電流は10倍〜100倍であり、また動的散乱モード
自身の信頼性にも問題があった。従って、従来の動的散
乱モードの液晶表示装置が時計や小型携帯機器などの様
なバッテリー寿命を特に重視する機器類に搭載されるこ
とは困難であった。
【0010】相転移モードの液晶表示素子に関しては、
散乱状態に熱白濁を使用する事がある。この熱白濁は、
外部応力や熱サイクルなどの影響で著しく劣化するとい
う問題があった。従って、従来の相転移モードの液晶表
示装置が、時計などの小型携帯機器に搭載され実用化さ
れることは困難であった。高分子分散モードの液晶表示
素子に関しては、従来より、特開平7−152029に
開示されている様に、低分子のネマチック液晶が高分子
のマイクロカプセルに包含されたマイクロカプセル化構
造の液晶表示素子や低分子のネマチック液晶が多孔質体
の高分子マトリクスに包含された高分子マトリクス構造
の液晶表示素子があるが、これら高分子の中に液晶ドロ
ップレットが配置された構造の高分子分散型液晶表示素
子では、液晶ドロップレットの高分子壁面に沿って液晶
分子が並び、この高分子壁面近傍の液晶分子は高分子壁
面の影響を強く受ける。この為、電圧を印加しても、な
かなか電界方向に配列することが出来ず、ある角度をも
って配列するので、斜め入射光に対しては、液晶分子の
長軸方向の屈折率と高分子の屈折率に不一致が生じ、少
し散乱が残ることは避けられなかった。その結果、高い
電圧を印加しても良好な透明状態が得られないと言う問
題があった。また、散乱性を上げる為にセルギャップを
厚くすると、電圧印加状態の時、斜め入射光に対して散
乱が生じ易くなる為、表示色が白く濁り鮮やかな色再現
が出来なくなり、コントラストが低下する。また、ドロ
ップレットタイプの高分子分散型液晶表示素子では、駆
動電圧を低電圧化する一法として、セルギャップを薄く
する方法があるが、しかし、例えばセルギャップを10
μm以下にした場合、散乱状態がかなり悪化し実用レベ
ルに達しない散乱状態となる。故に、ドロップレットタ
イプの高分子分散型液晶表示素子では、充分な散乱状態
と透明状態を両立させ、良好なコントラストを実現させ
ることは困難であった。従って、従来のドロップレット
タイプの高分子分散型液晶表示素子が、時計などの低電
圧・低消費電力タイプの小型携帯機器に搭載され実用化
されることは難しかった。
【0011】第四に、反射型液晶表示装置の場合、液晶
パネル表面における外光の不必要な反射のため、表示内
容が視認し難いといった問題や、外光の利用効率が低下
するといった問題があった。さらに、外光は紫外線をふ
くんでおり、紫外線に対して比較的弱い上記の様な従来
の光散乱モードの液晶表示素子の場合、紫外線による光
変調層の劣化の問題があった。
【0012】第五に、二端子型のMSI素子(金属−半
絶縁膜−金属)をアクティブ素子として用いれば、通常
の電圧平均化法によって駆動することができる。この場
合、MSI素子の駆動電圧Vopと液晶にかかる実効電
圧Vlc(選択電圧Vonおよび非選択電圧Voff)
の関係(図11参照)に於いて、選択電圧Vonは、ロ
ジスティック曲線の様に、比較的急激な増加状態からあ
る領域を境としてかなりなだらかな漸増状態に変化する
特性を有している。従って、MSI素子の駆動電圧Vo
pをかなり大きくしても、液晶にかかる実効電圧Vlc
はあるレベルにほぼ飽和する様になる。よって、液晶の
飽和電圧(Vsat)が大きい場合、MSI素子の実用
的な駆動電圧Vopでは対応できないといった問題があ
った。
【0013】第6に、1画素がRGBの三原色のカラー
フィルタで三分割された構成の表示素子を電圧平均化法
によって駆動するパッシブマトリクスタイプの時分割駆
動(マルチプレックス駆動)により駆動する場合、これ
らのカラーフィルタを通して紫外線を照射し液晶と高分
子を相分離させて光変調層を形成すると、各カラーフィ
ルタに対応した光変調層の電圧特性(閾値電圧:Vth
や飽和電圧:Vsatなど)が大幅にばらつく結果とな
り、動作マージン(Von/Voff)がかなり悪化し
た。具体的には、電圧特性のバラツキ範囲の中で最小の
閾値電圧(Vth−min)が時分割駆動の非選択電圧
(Voff)より低くなり、クロストークが発生した
り、あるいは、最大の飽和電圧(Vsat−max)が
時分割駆動の選択電圧(Von)より高くなり、液晶分
子が電界方向に充分に配列せずコントラストや色再現が
悪化すると言った問題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の反射型
液晶表示装置は、この様な問題を解決するためになされ
たもので、1画素を分割して構成する各カラーフィルタ
に対応した光変調層の光散乱度および電圧特性(閾値電
圧や飽和電圧など)のバラツキを低く抑え、さらに、良
好な散乱状態を可能とした反射型液晶表示装置およびそ
の製造方法を提供する事を目的としたものである。
【0015】また、大幅な低電圧駆動が可能で、視差
(二重映り)が無く、さらに、高いコントラストと色再
現性に優れた高品位な表示品質を実現する反射型液晶表
示装置およびその製造方法を提供する事を目的としたも
のである。また、外光の反射による表示内容の視認性の
悪さを改善し、且つ、紫外線による光変調層の劣化を防
止して、信頼性の高い反射型液晶表示装置およびその製
造方法およびその製造方法を提供する事を目的としたも
のである。
【0016】さらに、夜間など暗い場所でも良好なカラ
ー表示が可能な反射型液晶表示装置およびその製造方法
を提供する事を目的としたものである。また、従来と同
様なカラーフィルタの製法と設備を使用可能とした低コ
ストな反射型液晶表示装置およびその製造方法を提供す
る事を目的としたものである。また、カラーフィルタの
平坦化処理工程と配向処理工程が不要で、製造工程が簡
素化した低コストな反射型液晶表示装置およびその製造
方法を提供する事を目的としたものである。
【0017】また、アクティブ素子としてMIS素子、
MIM素子、TFT素子などのアクティブマトリクスを
用いて、明るく、色再現に優れ、良好なコントラストの
表示品質の反射型カラー液晶表示装置を提供する事を目
的とする。また、パッシブマトリクス(単純マトリク
ス)を用いて、時分割駆動(マルチプレクス駆動)した
場合でも、非選択(Voff)の時はクロストークの発
生が無く、選択(Von)の時は明るく、色再現に優
れ、良好なコントラストの表示品質の反射型カラー液晶
表示装置を提供する事を目的とする。本発明の反射型液
晶表示装置は、上述した目的を達成するために、透明な
電極が形成された透明基板と、透明基板に対向して設け
られた対向基板と、 互いに対向する前記対の基板間に
設けられた光変調層と、透明基板の光変調層に接する面
側に設けられた、可視光領域の特定波長範囲の光と高分
子分散型液晶層の紫外線硬化に必要な特定波長範囲の紫
外線を透過する分光特性を有するカラーフィルタと、対
向基板の光変調層に接する面側に設けられた反射層とを
備えるとともに、光変調層が、電圧無印加の時に光散乱
状態を、電圧印加の時に透明状態を呈す液晶層で、液晶
が形成する連続層中に3次元網目状の光硬化性樹脂を有
する高分子分散型液晶層であり、カラーフィルタは、同
一平面上に、互いに異なる可視光を透過する2種類以上
の領域にパターニングされているとともに、パターニン
グされた各カラーフィルタの特定波長範囲の紫外線透過
率が、カラーフィルタ相互間で2.5倍以下であること
とした。
【0018】さらに、以下に示す項目の少なくとも1つ
の特徴を備えることとした。 a)カラーフィルタは、赤、緑、青、透明の組み合わ
せ、若しくはイエロー、マゼンタ、シアン、透明の組み
合わせより成る。 b)カラーフィルタが、赤、緑、青の組み合わせ、若し
くはイエロー、マゼンタ、シアンより成り、少なくとも
1色のカラーフィルタがカラーフィルタの領域内に透明
部分を含む。
【0019】c)各カラーフィルタの端部が互いに所定
の幅で重なり合う構造である。 d)カラーフィルタは、顔料分散時の平均粒径が0.1
μm以下である着色感光性レジスト、または染料を色材
としたカラーフィルタである。 e)反射層は、アルミニウム・銀・ニッケル・クロム・
パラジウム・ロジウム等の金属やその合金あるいはその
酸化物のうちの少なくとも一つ以上を含む金属あるいは
誘電体多層膜である。
【0020】f)電極が反射層の機能を備えている。 g)反射型液晶表示装置の下基板には、アクティブ素子
とアクティブ素子に接続した画素電極が形成され、画素
電極の背後に反射層が形成されている。 h)アクティブ素子がMSI(金属−半絶縁膜−金属)
である。 i)一対の電極面のうち観測者に最も近い面に、反射防
止層と液晶に有害な紫外線を吸収もしくは反射する紫外
線遮断層を配置した。
【0021】j)少なくとも一方が透明な電極を有する
一対の基板間に光変調層を狭持してなる反射型液晶表示
装置において、光変調層は、電圧無印加の時に光散乱状
態を呈し、電圧印加の時に透明状態を呈する高分子分散
型液晶層で、該高分子分散型液晶層は、液晶材料が連続
層を形成し、この連続層中に3次元網目状の光硬化性樹
脂を有する構造であり、反射型液晶表示装置の上基板の
光変調層に接する面側にカラーフィルタを形成し、反射
型液晶表示装置の下基板の光変調層に接する面側に反射
層を形成し、前記上基板および反射層の間の端面から光
を入射させる光源部を具備している。
【0022】k)上基板の外側に透明部材からなる導光
板を密着配置し、導光板の端面から光を入射させる光源
部を具備している。 また、本発明による反射型液晶表示装置の製造方法は、
可視光領域の特定波長範囲の光と高分子分散型液晶の硬
化に必要な特定波長範囲の紫外線を透過する分光特性を
有するカラーフィルターを透明基板に形成するカラーフ
ィルター作製工程と、反射層を対向基板に形成する工程
と、透明基板と対向基板をシール剤により一定の間隙に
接合する工程と、間隙に液晶と高分子前駆体の混合物を
注入する工程と、高分子前駆体を重合させ、液晶と高分
子を相分離させて、光変調層を形成するために、液晶の
閾値電圧の変曲点以上の閾値電圧が得られる紫外線照射
強度で透明基板側から紫外線を照射する紫外線照射工程
と、を含むこととした。
【0023】さらに、以下に示す項目の少なくとも1つ
の特徴を備えることとした。 l)カラーフィルタが同一平面上に互いに異なる可視光
を透過する2種類以上の領域にパターニングされた場
合、パターニングされた各カラーフィルタの特定波長範
囲の紫外線透過率が、紫外線照射工程で照射する紫外線
照射強度の2.5倍以下となるように、各カラーフィル
ターの膜厚を形成することとした。
【0024】m)それぞれのカラーフィルタは、各カラ
ーフィルタの端部をお互いに所定の幅で重なり合う構造
に形成されることとした。 n)前記カラーフィルタが、顔料分散時の平均粒径が
0.1μm以下である着色感光性レジスト、または染料
を用いて形成されることとした。 o)前記液晶および高分子前駆体の混合物が、紫外線照
射による相分離する工程において、等方相を呈する温度
に保持されることとした。
【0025】p)前記等方相を呈する温度が、前記液晶
および高分子前駆体の混合物のネマティック・アイソト
ロピック相転移温度(NI点)から1゜C〜3゜C高い温
度範囲であることとした。 q)前記高分子前駆体を重合させるための紫外線照射工
程において、紫外線は光散乱特性を有するフィルターを
通して高分子前駆体に照射されることとした。
【0026】r)紫外線を照射して液晶と高分子を相分
離させて光変調層を形成した後、観測者に最も近い電極
面に反射防止層と液晶に有害な紫外線を吸収もしくは反
射する紫外線遮断層とを配置することとした。 上記構成の反射型液晶表示装置によれば、1画素を複数
の色のカラーフィルタで分割してカラー表示する場合で
も、1画素内の各カラーフィルタに対応した光変調層の
光散乱度および電圧特性(シキイ値電圧や飽和電圧な
ど)のバラツキを低く抑えることができ、さらに、良好
な散乱状態が可能になる。
【0027】また、大幅な低電圧での駆動が可能とな
り、さらに、二重映りの問題を解消できる。また、高い
コントラストと色再現性に優れた高品位な表示品質が実
現される。また、外光の反射による表示内容の視認性の
悪さの改善、紫外線による光変調層の劣化の防止、によ
り信頼性の高い反射型液晶表示装置が実現できる。
【0028】また、夜間など暗い場所でも良好なカラー
表示が可能な反射型液晶表示装置を提供する事ができ
る。また、従来と同様なカラーフィルタの製法と設備が
使用可能となり、低コストな反射型液晶表示装置が実現
できる。また、カラーフィルタの平坦化処理工程と配向
処理工程が不要となり、製造工程が簡素化され、低コス
トな反射型液晶表示装置が実現できる。
【0029】また、アクティブ素子としてMIS素子、
MIM素子、TFT素子などのアクティブマトリクスを
用いて、明るく、色再現に優れ、良好なコントラストの
表示品質を実現した反射型カラー液晶表示装置を提供す
る事ができる。また、パッシブマトリクス(単純マトリ
クス)を用いて、時分割駆動(マルチプレクス駆動)し
た場合でも、非選択(Voff)の時はクロストークの
発生が無く、選択(Von)の時は明るく、色再現に優
れ、良好なコントラストの表示品質を実現した反射型カ
ラー液晶表示装置を提供する事ができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。反射型カラー液晶表示装置では、”明るさ”が
最も重要な因子である。現在、透過型カラー液晶表示装
置は、バックライトを使用して、1画素を赤(R)・緑
(G)・青(B)に3分割した3原色カラーフィルタ方
式によりカラー表示を行っている。 従って、この透過
型カラー液晶表示装置用のカラーフィルタは濃度が非常
に濃いため、反射型にそのまま適用すると、光に利用効
率が悪く、非常に暗い表示となる。そのため、反射型カ
ラー液晶表示装置に使用するカラーフィルタは、透過型
カラー液晶表示装置用カラーフィルタよりも、透過性に
優れ、明るく、しかも色純度の高いカラーフィルタでな
ければならない。
【0031】この透過性に優れた、明るく、しかも色純
度の高いカラーフィルタを使用すると、入射光と反射光
が異なる色のカラーフィルタを通ったとしても、従来の
カラーフィルタを使用する場合よりも、光の損失は小さ
くなる。また、カラーフィルタによって明るさが1/3
に減少するといった根本問題もある程度解消できる。従
って、カラーフィルタの透過性と色純度を改善して平均
透過率を上げれば、光の損失は少なくなり、現在よりも
明るく色純度が高いカラー表示が期待できる。しかし、
カラーフィルタの平均透過率を無闇に高くすると淡い色
調となり、色再現性の能力が低下する。よって、カラー
フィルタの平均透過率の最適化を図ることが非常に重要
である。
【0032】明るさを確保する為の一つの対応策とし
て、本発明では、カラーフィルタにブラックマトリクス
を設けていない。その為、各カラーフィルタの隙間から
光が漏れる可能性がある。このカラーフィルタの隙間か
らの光漏れは、表示の明るさに貢献するが、コントラス
トや色純度を悪化させる。そこで、このカラーフィルタ
の隙間からの光漏れを防止する為、各カラーフィルタの
端部をお互いに所定の幅で重なり合う構造(後述の図5
を参照)にして、それぞれのカラーフィルタを形成す
る。
【0033】ここで、このカラーフィルタの端部の重ね
合わせ部分は、他の部分に比べてカラーフィルタの膜厚
1層分だけ厚くなる凹凸構造となるが、本発明では、光
変調層として、配向処理が不要なポリマーネットワーク
型の高分子分散型液晶層を使用するので、基板表面のこ
れら凹凸形状による液晶の配向欠陥や配向乱れに伴う表
示外観不良問題が生じることはない。従って、TNモー
ドの液晶表示素子などに必要なRGBカラーフィルタの
各膜厚の段差による液晶配向不良を防止する為の平坦化
処理も不要である。
【0034】このように、カラーフィルタ端部の重ね合
わせ構造は、ブラックマトリクスを使用せずに各カラー
フィルタの隙間の領域の光漏れを防止するので、明る
く、色純度が優れ、また、コントラストが良好な反射型
カラー液晶表示装置を実現できる。さらに、光変調層に
ポリマーネットワーク型の高分子分散型液晶層を使用す
るので、カラーフィルタの平坦化処理や配向処理も不要
となり、RGBカラーフィルタ間の段差による配向乱れ
などの表示外観不良も発生せず、良好な表示品質が得ら
れると共に、製造コストおよび製造時間が低減でき、か
つ同時に歩留まりが向上する。
【0035】ここで、カラーフィルタ方式によりカラー
表示を行う場合、赤・緑・青の3原色カラーフィルタの
組み合わせを表示単位とする他に、黄・マゼンタ・シア
ンの3原色カラーフィルタの組み合わせを表示単位とし
ても良い。また、2色以上の異なる色の組み合わせを表
示単位として構成しても良い。さらに、カラーフィルタ
を赤・緑・青・透明の4色の組み合わせを基本単位とし
て構成しても良い。この場合、更に明るい表示が得られ
るが、色再現は若干低下する。また、カラーフィルタを
赤・緑・青の3原色の組み合わせを基本単位とし、少な
くとも1色のカラーフィルタが同一領域に透明部分を含
む様に構成しても良い。この場合、分割される画素電極
数を増やすこと無く、更に明るい表示が得られる。しか
し、色再現は若干低下する。
【0036】カラーフィルタの製造法には、顔料分散
法、染色法、印刷法、電着法などの製造方法がある。本
発明の場合、透過性に優れ、明るく、しかも色純度の高
いカラーフィルタを製作する為、顔料分散法または染色
法を用いるのが良い。顔料分散法によるカラーフィルタ
の色特性および透過特性は、顔料の種類、微粒子化、感
光性樹脂への分散方法などと塗布膜厚で決定される。
R、G、Bの色層を形成する顔料は、分光透過率特性、
耐熱性、耐候性、樹脂への分散性、および安定性を考慮
して選択される。顔料の種類としては、モノアゾ系、ジ
アゾ系、アントラキノン系、フタロシアニン系など種々
有り、各々異なった特性を有し、LCD製品機能、プロ
セス面などを考慮し、これらの顔料の混合系で使用する
のが一般的である。この選択された顔料は、当初、結晶
あるいは2〜3個の強固な結合粒子(1次粒子)の凝集
体(2次粒子)である。従って、この2次粒子(凝集
体)を1次粒子の状態へ分散させ、かつ安定した状態に
保たなければならない。この安定した分散状態を左右す
る要因には、顔料の1次粒子の性状、微細化度、結合
力、バインダ溶剤の種類、添加剤、錬磨などがある。最
終的に得られた分散状態における微細化された顔料の平
均粒径は、分光透過率に大きな影響を及ぼす。従って、
顔料の微細化と分散化がカラーフィルタの透明性と色純
度に大きく影響し、良好な透明性と色純度を実現するた
めには、顔料の分散時の平均粒径が0.09μm以下で
あることが必要である。
【0037】尚、透明性が高く色純度に優れたカラーフ
ィルタの製造方法としては、他に染料を使用した染色法
があり、この製造方法を用いて、本実施例のカラーフィ
ルタを製造しても良い。本発明では、光変調層にポリマ
ーネットワーク型の高分子分散型液晶層(PN−LC
層)を用いる。光変調層としてのPN−LC層は、液晶
と高分子前駆体を均一に混合溶解させた混合溶液に紫外
線を照射することにより、高分子前駆体を重合させ、液
晶と高分子を相分離させることにより製作される。
【0038】本発明で使用するPN−LC層の特性は、
紫外線照射条件(紫外線照射強度、時間、温度など)に
より大きく影響を受ける。特に、紫外線照射強度の大小
がPN−LC層のポリマーネットワーク構造に極めて大
きく影響する。そして、このポリマーネットワークの孔
径分布および平均孔径の大きさが、光散乱性に直接影響
を与える。
【0039】PN−LC層の特性の内、光散乱性に直接
関係がある特性は白濁度である。白濁度とは、無印加状
態での光変調層の透過率のことである。光散乱性が悪化
するということは、白濁度が悪化すると言うことであ
り、言い換えれば、電圧無印加状態での透過率が高くな
るということである。図9に、本発明に使用するPN−
LC層の光散乱性(白濁度)と特定波長(この場合は3
65nm)の紫外線照射強度との関係を表したグラフを
示す。図9より明らかな様に、白濁度は、紫外線照射強
度が弱くなると、指数関数的に悪化する。尚、この様な
光散乱性(白濁度)と特定波長(この場合は365n
m)の紫外線照射強度との関係は、R・G・B・Y・M
・Cなどのカラーフィルタを通して、紫外線を液晶/高
分子前駆体の混合物に照射する場合にも同様に成立す
る。即ち、色の異なるカラーフィルタを通して特定波長
(例えば、365nm)の紫外線を液晶/高分子前駆体
の混合物に照射する場合、カラーフィルタを透過する紫
外線の強度を同じ大きさに設定すれば、カラーフィルタ
の色に関係なく、同一の白濁度が得られる。
【0040】良好な光散乱性(白濁度)を実現する為に
は、ポリマーネットワーク(3次元網目状構造)の孔径
は、可視光の波長程度でバラツキの少ない孔径分布、即
ち、均一な孔径を成しているのが良く、好ましくは、ポ
リマーネットワーク(3次元網目状構造)の平均孔径は
0.4μm〜3.5μmの範囲が良い。さらに好ましく
は、0.5μm〜1.8μmの範囲であり、この範囲の
平均孔径の時が、一番良好な光散乱状態(白濁度)を実
現できる。尚、3次元網目状構造の平均孔径が0.4μ
m〜3.5μmの範囲外の場合には、光散乱状態(白濁
度)が悪化し、コントラストが大幅に低下する。
【0041】ところで、光変調層の光散乱状態(白濁
度)は、光散乱モードの反射型液晶カラー表示装置の”
表示の明るさ”に最も寄与する因子の一つである。光変
調層の光散乱度が充分であると、輝度が向上し、コント
ラストが良好となる。しかし、光変調層の光散乱度があ
まり高過ぎても、逆に反射層で反射した光が一部液晶パ
ネルの表面から出射できなくなり、反射効率が減退し、
表示が暗くなる傾向がある。この原因は、反射層で反射
した光が光変調層およびガラスの様な高屈折率の物質か
ら空気の様な低屈折率の物質に出射する時に広がってし
まい、臨界角より大きくなった光が全反射により再び光
変調層の内部にもどされ、液晶パネルから出射できなく
なるからである。従って、光変調層の光散乱度が高過ぎ
ると、視角による輝度の減衰範囲が増大する結果を招く
ことになり好ましくない。
【0042】また、PN−LC層の電圧特性(Vth、
Vsat、急峻性など)や応答速度などは、白濁度(無
印加時の透過率)と強い相関関係がある。応答速度(特
に、立ち下がり時の応答速度)および急峻性(γ=Vs
at/Vth)は、白濁度が弱くなると、それに比例し
て悪化する傾向にある。また、白濁度が弱いと、コント
ラスト比が悪化すると共に、視角による色ズレ度合いも
増大する傾向にある。
【0043】一方、飽和電圧(Vsat)や閾値電圧
(Vth)は、白濁度が弱くなるとこれに比例して電圧
が低下する傾向にある。即ち、低電圧化する方向に向か
う。従って、光変調層の光散乱状態(白濁度)は、上述
の様に、表示の明るさ、電圧特性(Vth、Vsat、
急峻性、など)、応答速度、およびコントラスト比など
の諸特性に大きく影響するので、これら諸特性を総合的
に考慮して、白濁度の最適値を設定しなければならな
い。この事は言い換えれば、紫外線照射工程に於ける液
晶/高分子前駆体に照射する紫外線の照射強度を最適値
に設定しなければならない。
【0044】次に、本発明の光変調層に使用するPN−
LC層の紫外線照射強度と液晶の電圧特性(Vth、V
sat)の関係について説明する。図10は、紫外線照
射強度と液晶の電圧特性(Vth、Vsat)の関係を
表したグラフである。この図より明らかな様に、液晶の
電圧特性(Vth、Vsat)は、紫外線照射強度に比
例して大きくなる。さらに、液晶の飽和電圧(Vsa
t)と閾値電圧(Vth)はF点を変曲点に持つ。即
ち、紫外線照射強度がF点以上では、飽和電圧(Vsa
t)とシキイ値電圧(Vth)は、ほぼ同じ傾きで単調
増加を示すが、紫外線照射強度がF点以下では、飽和電
圧(Vsat)と閾値電圧(Vth)の傾きは、F点以
上の傾きより大きい。特に、閾値電圧(Vth)の傾き
が飽和電圧(Vsat)の傾きよりもかなり大きい。
【0045】このことにより、液晶の急峻性(γ=Vs
at/Vth)は、F点を境にして急激に変化する。具
体的には、紫外線照射強度がF点より大きい場合は、急
峻性(γ)は良好であるが、F点より小さいときは急峻
性(γ)が大幅に悪化する。従って、良好な急峻性
(γ)を得る為には、紫外線照射強度はF点よりも大き
な値にする必要がある。反射型液晶表示装置で時分割駆
動(マルチプレックス駆動)を実現する為には、この良
好な急峻性(γ)が非常に重要な要求特性となる。
【0046】尚、前述の図9中にも図10の紫外線照射
強度のF点(変曲点)が示されている。図9より明らか
な様に、F点は白濁度が指数関数的に急激に悪化し始め
る領域にも対応している。このように、良好な白濁度を
得る為にも、紫外線照射強度はF点よりも大きな値にす
る必要がある。上述した様に、液晶の白濁度、電圧特性
(Vth、Vsat)、急峻性(γ=Vsat/Vt
h)、応答速度(特に立ち下がりの応答速度)などの諸
特性は、紫外線照射強度がF点(変曲点)を境にして、
大幅に変化する。
【0047】次に、パッシブマトリクスタイプの反射型
カラー液晶表示素子で、時分割駆動(マルチプレックス
駆動)に対応した液晶の特性を得る為のRBGカラーフ
ィルタの条件と液晶/高分子前駆体との相分離の為の紫
外線照射強度について説明する。ここで、パッシブマト
リクスタイプの時分割駆動(マルチプレックス駆動)方
式は電圧平均化法であり、以下に記すVoffは非選択
時の実効電圧、Vonは選択時の実効電圧を表す。
【0048】クロストークの発生が無く、明るく、良好
なコントラストの表示品質が可能なパッシブマトリクス
タイプの時分割駆動(マルチプレックス駆動)を実現す
る為には、PN−LC層の液晶の閾値電圧(Vth)は
時分割駆動の非選択電圧(Voff)より高く、PN−
LC層の液晶の飽和値電圧(Vsat)は時分割駆動の
選択電圧(Von)より低くなければならない。即ち、
PN−LC層の液晶の急峻性(γ=Vsat/Vth)
は、時分割駆動の動作マージン(Von/Voff)の
値より小さくなければならない。さらに、各カラーフィ
ルタに対応した光変調層の液晶の電圧特性(Vth、V
sat)のバラツキ範囲を、時分割駆動の動作マージン
(Von/Voff)の値より小さくする必要がある。
【0049】具体的には、RGB各カラーフィルタの電
圧特性(Vth、Vsat)のうち最小の閾値電圧(V
th−min)が時分割駆動の非選択電圧(Voff)
より高く、最大の飽和電圧(Vsat−max)が時分
割駆動の選択電圧(Von)より低くなければならな
い。即ち、PN−LC層の液晶の急峻性(γ=Vsat
−max/Vth−min)は、時分割駆動の動作マー
ジン(Von/Voff)の値より小さくなければなら
ない。よって、これらの液晶の特性を満足させるため
に、液晶と高分子を相分離させるための紫外線照射強度
は、F点(変曲点)よりも大きな値にすることが非常に
重要である。また、各カラーフィルタの紫外線透過率の
バラツキを所定の範囲に納めることが非常に重要であ
る。
【0050】従って、本発明では、クロストークの発生
が無く、明るく、良好なコントラストの表示品質が可能
なパッシブマトリクスタイプの時分割駆動(マルチプレ
ックス駆動)に対応した反射型カラー液晶表示装置を実
現するため、各カラーフィルタの特定波長範囲の紫外線
透過率をカラーフィルタ相互間で2.5倍以内と定め
た。従って、各カラーフィルターの膜厚あるいは色材の
平均粒径(0.09μm以下)あるいは色材の濃度を相
対的に調整して、それぞれのカラーフィルタを作製す
る。
【0051】また、液晶表示素子の製造方法として、液
晶と高分子を相分離させるための紫外線照射強度は、液
晶のシキイ値電圧の変曲点以上のシキイ値電圧が得られ
る紫外線照射強度、即ち、F点以上の紫外線照射強度で
あり、カラーフィルタ相互間で、紫外線の照射強度のバ
ラツキを2.5倍以内と規定した。次に、本発明の反射
型カラー液晶表示素子として、アクティブ素子であるM
SI素子(金属−半絶縁物−金属)を使用し、且つ光変
調層としてPNーLC層を使用したRGBカラーフィル
タ方式の場合の紫外線照射強度について説明する。
【0052】図11は、MSI素子の駆動電圧Vopと
液晶実効電圧Vlcの関係を表したグラフである。MS
I素子を駆動する場合、通常の電圧平均化法による駆動
法が用いられる。この図より明らかな様に、液晶のVt
hに関係する非選択電圧Voffの値はかなり低く、且
つVoffのカーブはかなりなだらかに漸増する。一
方、液晶のVsatに関係する選択電圧Vonは、比較
的急激な増加状態からある領域を境としてなだらかな漸
増状態となり、やがてピーク(極大値)に達し、その後
は減少カーブとなる。
【0053】ここで、RGBカラーフィルタの紫外線透
過率が相互間で大幅に異なる場合、光変調層の液晶/高
分子前駆体の混合溶液に照射される紫外線照射強度が大
幅に変動する。この紫外線照射強度の変動範囲をF点か
らG点までの変動範囲とすると、図10より、液晶の閾
値電圧(Vth)はVth1からVth2の範囲で変動
し、飽和電圧(Vsat)はVsat1からVsat2
の範囲で変動する。
【0054】図11より、液晶の閾値電圧(Vth)に
関しては、紫外線照射強度がF点からG点の範囲で変動
した場合の液晶の閾値電圧(Vth)の値は、Vth1
からVth2であり、MSI素子の非選択電圧Voff
の値よりかなり高いので、液晶のクロストークの発生問
題は生じない。一方、飽和電圧(Vsat)に関して
は、紫外線照射強度がF点からG点の範囲で変動した場
合の液晶の飽和電圧(Vsat)の値は、Vsat1か
らVsat2である。従って、液晶を充分に電界方向に
配列させる為には、Vsat1からVsat2の液晶実
効電圧Vlcが最低必要である。
【0055】しかしながら、図11より明らかな様に、
選択電圧Vonのカーブは、ピーク値(極大値)を持
つ。そして、この選択電圧Vonのピーク値(極大値)
は、液晶の飽和電圧の変動範囲(Vsat1〜Vsat
2)の一部しか満足させることができない。これより、
液晶を充分に電界方向に配列させる為には、液晶のVs
atの変動範囲をMSI素子の選択電圧Vonのピーク
値(極大値)以下にすることが最低必要である。言い換
えば、紫外線照射強度の変動範囲を所定の範囲以内に制
限することが必要であると言うことである。即ち、RG
B3原色カラーフィルタの紫外線透過率をカラーフィル
タ相互間で所定の範囲以内に制限することが必要がある
と言うことである。
【0056】本発明では、上述の課題解決の為、紫外線
照射工程における光変調層の液晶/高分子前駆体の混合
溶液に照射する紫外線照射強度の設定値の範囲は、図1
0のF点の紫外線照射強度を下限とし、F点の紫外線照
射強度の2.5倍またはF点の紫外線照射強度に50m
Wを加算した値のうち小さい値を上限とする紫外線照射
強度の範囲とした。
【0057】また、RGBカラーフィルタの特定波長範
囲の紫外線透過率はカラーフィルタ相互間で2.5倍以
内となる様に製作することとした。さらに好ましくは、
図10のF点の紫外線照射強度にα[mW/cm2 ]を
加算した値であるL点を下限とし、L点の紫外線照射強
度の2.5倍、またはL点の紫外線照射強度に50mを
加算した値のうち小さい方の値を上限(以下、M点と称
す)とする紫外線照射強度の範囲(L点〜M点)であ
る。
【0058】ここで、L点(F点+α)を紫外線照射強
度の下限とした理由は、F点は変曲点であり、この近傍
の紫外線照射強度では液晶の電圧特性(Vth、Vsa
t)が急激に変化して不安定である為、より安定した電
圧特性や白濁度が得られる紫外線照射領域として、L点
を紫外線照射強度の下限とした。尚、図10および図1
1では、L点(下限)の紫外線照射強度の時のVsat
をVsat−Lと表し、M点(上限)の紫外線照射強度
の時のVsatをVsat−Mと表す。
【0059】この様に、1画素が異なる複数の色のカラ
ーフィルタで分割されて構成されている場合、各カラー
フィルタの特定波長(この場合は365nm)の紫外線
透過率を、カラーフィルタ相互間で2.5倍以内と定め
た。従って、各カラーフィルターの膜厚あるいは色材の
平均粒径(0.09μm以下)あるいは色材の濃度を相
対的に調整して、それぞれのカラーフィルタを作製す
る。
【0060】また、液晶表示素子の製造方法として、液
晶と高分子を相分離させるための紫外線照射強度は、液
晶の閾値電圧の変曲点以上の閾値電圧が得られる紫外線
照射強度、即ち、F点以上の紫外線照射強度であり、カ
ラーフィルタ相互間で、紫外線の照射強度のバラツキを
2.5倍以内と規定した。従って、これらの作製条件に
より、紫外線照射強度が所定の最適化した範囲(図10
および図11のL点〜M点の範囲)内に入る為、各カラ
ーフィルタに対応した光変調層の白濁度、電圧特性(閾
値電圧、飽和電圧、急峻性など)、および応答速度など
の諸特性値が最適化された良好な値を実現することが可
能となった。
【0061】以上の様な構成の光散乱モードの反射型カ
ラー液晶表示装置、例えば、パッシブマトリクスタイプ
の時分割駆動(マルチプレックス駆動)に対応した光散
乱モードの反射型カラー液晶表示装置、及び、アクティ
ブ素子にMSI素子を使用した光散乱モードの反射型カ
ラー液晶表示装置などは、高輝度で、実用に耐え得る色
調やカラーバランスおよび良好なコントラストを実現す
ることができた。
【0062】
【実施例】以下、本発明の詳細を実施例を用いて説明す
る。 (実施例1)図1は、本実施例の反射型カラー液晶表示
装置の構造を表す断面図である。本実施例では、アクテ
ィブ素子アレイとしてMSI素子(金属−半絶縁物−金
属)が形成された基板を下基板として用いる。
【0063】図1に示すように、液晶表示素子1は、列
方向に延在する列電極13が透明電極により設けられ上
基板11Aと、ITOなどの透明導電膜から成る画素電
極17とその一部の上にMSI素子19が設けられた下
基板11Bを備えている。MSI素子19は、画素電極
の上に設けられた不透明導電膜から成る第2電極14と
半絶縁膜15と行電極16から構成されている。尚、行
電極16は、半絶縁膜15の上に形成され行方向に伸び
ている。さらに、上基板11Aと下基板11Bとの間に
光変調層2が狭持され、赤・緑・青の3原色カラーフィ
ルタ3が上基板の光変調層に接する面側に形成され、下
基板と画素電極の間に反射層4および絶縁層5が形成さ
れたている。尚、セルギャップは10μmになるように
両基板が保持されている。
【0064】半絶縁膜15は、SiOx、SiNxなど
で形成され、Si成分が化学量論的組成より多く含ま
れ、108 〜1013Ω−cmの抵抗率を有し、電界増加
と共に抵抗が減少する。本実施例では、半絶縁膜に光り
が直接照射されない様に両側に行電極16と第二電極1
4の不透明導電膜を設けている。第2電極14および行
電極16は、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タ
ンタル(Ta)、タングステン(W)等の高融点金属
や、それらの珪素化物、さらにアルミニウム(Al)、
金(Au)、ニッケル(Ni)などの金属と高融点金属
との多層膜が好ましい。
【0065】本実施例では、基板11A、11Bに平滑
で透明なガラス板を用いた。尚、平滑で透明なガラス板
の他に透明高分子フィルムを用いてもかまわない。本実
施例では、透明導電膜の列電極13および画素電極17
に、スパッタリング法や真空蒸着法で形成されるIn2
O3−SnO2膜(ITO膜)からなる透明導電膜をホ
トリソグラフィーによってパターニングしたものを用い
た。このITOの抵抗値は必要に応じて自由に調整でき
るが、本実施例では、列電極13,画素電極17ともに
10Ω/□のシート抵抗にした。反射層4は、鏡面反射
特性を有する様に、スパッタリング装置により膜厚を調
整ながらアルミニウム薄膜を成膜した。本実施例ではス
パッタリング装置により約2000オングストローム程
度の膜に作成した。本実施例では、反射層4として、導
電性のある金属薄膜(アルミニウム薄膜)を使用したの
で、透明電極12Bと反射層4の間に絶縁層5が必要で
ある。反射層4の分光反射率を減衰させないように、絶
縁層5には90%を超える分光透過率を有し、可視光領
域での透明度の高い材料(例えば、新日鐵化学製V・2
59−PA)を使用した。この絶縁膜6の膜厚は、表示
装置に電圧を印加した時に反射層4の金属薄膜の影響を
受けないように、約2μm程度スピンナーにより成膜し
た。ここで、反射層4は、アルミニウムに限らずスパッ
タリング加工や蒸着加工などにより、鏡面反射特性を有
する材料であれば、幅広く使用することができる。アル
ミニウムの他に銀、ニッケル等の金属やその合金あるい
はその酸化物等でもよい。
【0066】また、反射層4は誘電体多層薄膜で形成さ
れていても良い。誘電体として、Si、SiO2、G
e、Y2O3、Al2O3、MgF2、Na3AlF
6、TiO2、ZrO2、Ta2O5、ZnS、ZnS
e、ZnTe等の膜を、必要とする反射率、透過率に応
じて材料、膜厚、層数を設定する。また、反射層4を金
属薄膜と誘電体多層薄膜の組み合わせで形成してもよ
い。金属薄膜のみで反射層4を形成した場合は、反射層
の吸収が極僅かであるが存在する。この吸収を、誘電体
多層薄膜を併用することで少なくすることができる。
【0067】尚、反射層4が誘電体多層薄膜の場合は、
誘電体多層薄膜自身が絶縁性材料であるため、図1の絶
縁層5は不要となる。従って、反射層5上に直接に電極
を配置する事が可能となる。光変調層2として、本実施
例では、ポリマーネットワーク型の高分子分散型液晶層
を用いた。高分子分散型液晶層は、紫外線(UV)によ
り架橋反応し重合するアクリレートモノマーなどの高分
子樹脂と正の誘電異方性を有するネマチック液晶と紫外
線硬化開始剤などを均一に混合溶解させた混合溶液を、
空の液晶パネルに注入し、紫外線露光により高分子樹脂
のみ硬化し、正の誘電異方性を有するネマチック液晶を
相分離して製作されたものである。この時、高分子樹脂
とネマチック液晶との配合量の割合が、高分子樹脂の割
合が多い場合には、独立した粒子状の液晶小滴(液晶ド
ロップレット)が形成される。一方、高分子樹脂の割合
が少ない場合には、高分子樹脂は網の目状(ネットワー
ク状)の構造を形成し、液晶はこの高分子樹脂のネット
ワーク構造(3次元網目状構造)の中に連続相となって
存在する。
【0068】本発明の実施例では、光変調層として使用
する高分子分散型液晶層は、正の誘電異方性を有するネ
マティック液晶をマイクロカプセル化したものや、樹脂
マトリックス中に液晶小滴(液晶ドロプレット)を分散
させたものでは無く、液晶が連続層を形成し、この連続
層中に、3次元網目状構造の光硬化性樹脂を有する構造
であるポリマーネットワーク型の高分子分散型液晶層で
ある。このポリマーネットワーク型の高分子分散型液晶
層としては、光硬化性樹脂に対する液晶の割合は、60
〜99%の範囲が良い。好ましくは、75%〜95%の
範囲が良い。また、良好な光散乱状態を実現するために
は、ポリマーネットワーク(3次元網目状構造)の孔径
は、可視光の波長程度でバラツキの少ない孔径分布、即
ち、均一な孔径を成しているのが良く、好ましくは、ポ
リマーネットワーク(3次元網目状構造)の平均孔径は
0.4μm〜2.5μmが良い。さらに好ましくは、ポ
リマーネットワーク(3次元網目状構造)の平均孔径は
0.4μm〜1.8μmの範囲が良い。この範囲の平均
孔径の時が、一番良好な光散乱状態(白濁度)を実現で
きる。尚、ポリマーネットワーク(3次元網目状構造)
の平均孔径が0.4μm〜3.5μmの範囲外の場合に
は、光散乱状態が悪化し、コントラストが大幅に低下す
る。
【0069】また、独立した液晶小滴粒(液晶ドロップ
レット)構造よりも、ポリマーネットワーク(3次元網
目状構造)による液晶が連続相を成す構造の方が、低電
圧化や低ヒステリシス化を実現し易い。従って、光硬化
性樹脂に対する液晶の割合は75〜99%の範囲である
ことが、さらに好ましい。これにより、ネマティック液
晶をマイクロカプセル化したものや樹脂マトリックス中
に液晶小滴を分散させた光変調層よりも、光散乱特性が
格段に優れ、かつ大幅な低電圧化が図られ、且つ低ヒス
テリシス特性を有する散乱モードの光変調層が実現でき
る。
【0070】本実施例では、ポリマーネットワーク型の
液晶/高分子前駆体の混合溶液として、ロディック社の
「PNM−156」を使用した。赤・緑・青の3原色カ
ラーフィルタ3は、各画素の電極に1:1に対応させて
赤、緑、青の各色を、顔料分散法でフォトリゾグラフィ
ーによりパターニングして作製した。顔料分散法による
カラーフィルタは、予め顔料色素と感光性樹脂とを分散
混合させたいわゆる着色感光性レジストをフォトリソグ
ラフィー工程により所望の画素パターンに形成する。通
常クロム等の金属膜により遮光膜パターンを形成した
後、赤・緑・青の3原色カラーフィルタを形成のための
フォトリソグラフィー工程を3回繰り返すので遮光膜形
成を含めるとフォトリソグラフィー工程を4回実施する
ことでカラーフィルタが完成する。但し、本実施例で
は、明るさを向上させるため、光を遮光するブラックマ
トリクスは設けないこととした。
【0071】顔料の微細化と分散化の良否が、カラーフ
ィルタの透明性と色純度に大きく影響する。従って、良
好な透明性と色純度を有したッカラーフィルタを実現す
るために、顔料の分散時の平均粒径が0.1μm以下と
なる様に着色感光性レジストを調整した。尚、透明性が
高く色純度に優れたカラーフィルタの製造方法として、
染料を使用した染色法を用いて、本実施例のカラーフィ
ルタを製造しても良い。
【0072】カラーフィルタの平均透過率(明るさ)や
彩度などの色調を決定する因子は、顔料の分散性と膜厚
である。顔料分散方式では、顔料が決まれば、着色感光
性レジストのコート膜厚で色調(平均透過率[明る
さ]、彩度など)がほぼ決まる。即ち、カラーフィルタ
の膜厚を薄くしていけば、カラーフィルタの平均透過率
(明るさ)を上げていくことができ、光損失は少なくな
り、表示の明るさを改善できる。しかしその反面、色再
現性の能力が低下するので、カラーフィルタの膜厚、言
い換えれば平均透過率(明るさ)の最適化を図ることが
非常に重要である。
【0073】本実施例では、赤、緑、青の3種類の着色
感光性レジストとして、富士フィルムオーリン(株)の
CR7001−12CP、CG7001−12CP、C
B7001−12CPを使用した。赤・緑・青の3原色
各ラーフィルタによるカラーバランス、表示の明るさ、
色純度などを総合的に検討して、各カラーフィルタの膜
厚を表1の様に設定した。即ち、赤=約3400Å、緑
=約4100Å、青=約2200Åの様に膜厚を設定
し、上基板11Aの光変調層に接する面側に赤・緑・青
の3原色カラーフィルタ3を顔料分散法により形成し
た。尚、カラーフィルタ3の製作順序は、緑、赤、青の
順番で製作した。これら膜厚の各カラーフィルタ3の特
定波長(365nm)の透過率は、赤=48%、緑=2
0%、青=約32%であった。尚、これら赤・緑・青の
3原色各カラーフィルタ3の端部は、光漏れを防止する
ため、互いに所定の幅(本実施例では、約4μm)で重
なり合う構造にした。この重なり合ったフィルター構造
の例を図5及び図6に示す。
【0074】このように製作された空の液晶表示素子、
即ち、赤・緑・青の3原色カラーフィルタ3が内面に形
成された上基板11Aと、銀ミラーの反射層4が内面に
形成された下基板11Bとが一定の間隙で対向した空の
液晶表示素子に、ポリマーネットワーク型の液晶/高分
子前駆体の混合溶液としてロディック社の「PNM−1
56」(相転移温度:NI点=24.1℃)を、等方性
状態を保つ30℃の温度を保持しながら、真空注入し
た。これをNI点より1.4℃高い25.5℃の温度で
保持しながら、メタルハライドランプで200mW/c
2 の紫外線(365nm)を、カラーフィルタ3を通
して、60秒間照射し、液晶と高分子を相分離させて光
変調層2を形成し、ポリマーネットワーク型の高分子分
散型液晶表示素子1を作製した。この時、350nm以
下の波長の紫外線を吸収するフィルターを使用する。
【0075】ところで、光変調層2のポリマーネットワ
ーク構造(ポリマーネットワークの平均孔径および孔径
分布など)は、紫外線照射強度に極めて大きく影響す
る。従って、ポリマーネットワークの平均孔径が約1μ
m前後でかつ非常にシャープな孔径分布を形成するに
は、シャッタを用いて、所定の紫外線強度(本実施例で
は200mW/cm2 )で瞬間的に照射開始できる紫外
線照射方式を用いることが重要であるさらに、真空注入
時の温度と紫外線照射時の温度は液晶材料の相転移温度
(本実施例では、NI点=24.1℃)より高い必要が
ある。特に、高分子前駆体を重合させるための紫外線照
射時の温度は、相転移温度より1゜C〜3゜C高い温度範
囲に設定することが非常に大切である。本実施例では、
相転移温度より1.5℃高めに設定した。
【0076】また、本実施例の液晶表示素子1の様に、
液晶表示素子の内面に鏡面反射特性を有する銀ミラーの
反射層が形成されている場合、紫外線ランプから照射さ
れる紫外線をそのまま液晶/高分子前駆体の混合液層に
照射すると、白濁ムラ不良が発生し易い。この原因は、
紫外線ランプから照射される紫外線をそのまま使用する
と、紫外線の光束が比較的揃っているため、銀ミラーと
ガラス基板の間で反射を繰り返す内に干渉が起こり、紫
外線の弱まった領域と強まった領域が生じ、白濁ムラ不
良が発生するものと推察される。
【0077】この白濁ムラの発生を防止する方策とし
て、紫外線ランプと液晶表示素子との間に紫外線散乱特
性を有するフィルタを配置し、紫外線ランプから照射さ
れる紫外線は、この紫外線散乱特性を有するフィルタを
通して、光束の揃っていない拡散された紫外線として、
液晶/高分子前駆体の混合液層に照射する。この方策を
用いることにより、白濁ムラ不良が大幅に低減し、液晶
表示素子1の全面に渡って均一な白濁度を得ることがで
き、表示品質が大幅に向上する。
【0078】この様にして作製したポリマーネットワー
ク型の高分子分散型カラー液晶表示素子1の赤・緑・青
のカラーフィルタ3に対応した光変調層2を走査型電子
顕微鏡を用いて観察したところ、ポリマーからなる三次
元網目構造(ポリマーネットワーク構造)が確認でき
た。そして、この3次元網目状構造の平均孔径は約1.
0μm前後であった。また、キャノン製ホトメータによ
り、赤・緑・青のカラーフィルタ3に対応した光変調層
2の電気光学特性をそれぞれ測定した。この測定結果
を、表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】ここで、白濁度とは、電圧無印加時の透過
率:T(0V)である。また、飽和電圧(Vsat)と
は、印加電圧の増大に伴って透過率が飽和する時の透過
率を100%とした時の90%の透過率を示す印加電圧
である。閾値電圧(Vth)とは10%の透過率を示す
印加電圧である。VH50とは透過率50%のときのヒ
ステリシス特性である。また、VH50は次式より定義
されている。
【0081】VH50=VUP50−VDW50 尚、VUP50は印加電圧を昇圧した時の50%の透過
率を示した印加電圧であり、VDW50は印加電圧を降
圧した時の50%の透過率を示した印加電圧である。上
記測定結果より、本実施例で作製したポリマーネットワ
ーク型の高分子分散型カラー液晶表示素子1の赤・緑・
青のカラーフィルタ3に対応した光変調層2は、それぞ
れ光散乱特性が良好で、かつ大幅な低電圧化が図られ、
さらに低ヒステリシス特性を有する散乱モードの光変調
層であることが確認された。
【0082】さらに、カラー液晶表示素子1の内面にカ
ラーフィルタおよび反射層を形成しているので、視差
(二重映り)が全く発生ぜず、これに伴い、視差による
明るさの低下や色純度の悪化といった問題も全く発生し
ない。従って、明るく、ハッキリとした視認性の良い表
示が得られ、また、コントラストが良好で、鮮やかな色
再現と良好なカラーバランンスのカラー表示品質である
ことを確認した。尚、この反射型カラー液晶表示装置
は、電圧が無印加の時にカラーフィルタによる色を表示
し、電圧が印加の時に黒を表示する。コントラストは、
1:6。色純度は、赤の(x,y)=(0.47,0.
33)、緑の(x,y)=(0.30,0.47)、青
の(x,y)=(0.21,0.23)であった。
【0083】次に、黄(Y)・マゼンタ(M)・シアン
(C)の3原色カラーフィルタ3を用いた反射型カラー
液晶表示装置を、上記と同様な方法で作製した。尚、黄
(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)の3種類の着色
感光性レジストとして、富士フィルムオーリン(株)の
CY7001−12CP、CM7001−12CP、C
C7001−12CPを使用した。尚、各カラーフィル
タ3の膜厚は、黄色=約3900Å、マゼンタ=約34
00Å、シアン=約2800Åに設定した。
【0084】この液晶表示素子1のYMCのカラーフィ
ルタ3に対応した光変調層2は、それぞれ光散乱特性が
良好で、かつ大幅な低電圧化が図られ、さらに低ヒステ
リシス特性を有する散乱モードの光変調層であることが
確認された。さらに、液晶表示素子1の内面にカラーフ
ィルタおよび反射層を形成しているので、視差(二重映
り)が全く発生ぜず、これに伴い、視差による明るさの
低下や色純度の悪化といった問題も全く発生しない。従
って、明るく、ハッキリとした視認性の良い表示が得ら
れ、また、コントラストが良好で、鮮やかな色再現と良
好なカラーバランンスのカラー表示品質であることを確
認した。
【0085】尚、YMC3原色カラーフィルタの反射型
カラー液晶表示装置の方が、RGB3原色カラーフィル
タの反射型カラー液晶表示装置よりも、全体的により明
るい表示が実現できた。但し、色純度は若干劣る傾向を
示した。従って、用途によっては、RGB3原色カラー
フィルタの反射型カラー液晶表示装置よりもYMC3原
色カラーフィルタの反射型カラー液晶表示装置の方が好
適な場合がある。 (実施例2)図2は、本実施例の反射型カラー液晶表示
装置の構造を示す断面図である。本実施例では、上基板
の外側に反射防止層と紫外線遮断層を配置している。
【0086】図2に示すように、液晶表示素子1は、透
明電極によって列方向に延在する列電極が設けられた上
基板11Aと、ITOなどの透明導電膜から成る画素電
極17とこの一部の上にMSI素子19とが設けられた
下基板とを備えている。MSI素子19は、画素電極の
上に不透明導電膜から成る第2電極14と半絶縁膜15
と行電極16から構成されている。尚、行電極16は、
半絶縁膜15の上に形成され行方向に伸びている。
【0087】さらに、上基板11Aと下基板11Bとの
間に光変調層2が狭持され、上基板11Aの光変調層に
接する面側に赤・緑・青の3原色カラーフィルタ3が形
成され、下基板11Bと透明電極12Bの間に反射層4
および絶縁層5が形成されている。尚、液晶表示素子1
は実施例1と同様な構成で製作し、セルギャップは10
μmである。さらに、観測者に最も近い液晶パネルの上
面に、反射防止層61と紫外線遮断層62を配置してい
る。
【0088】光散乱モードの反射型液晶表示装置では偏
光板が不要であるため、紫外線に弱い液晶層を何らかの
方法で保護する必要がある。また、液晶パネル表面にお
ける外光の不必要な反射のため、表示内容が視認し難い
といった問題や、外光の利用効率が低下するといった問
題などがある。これらの問題を解消するために、本実施
例2の反射型液晶表示装置では、観測者に最も近い液晶
パネルの上面に反射防止層61と紫外線遮断層62を配
置した。尚、紫外線遮断層と反射防止層の2種類の膜を
それぞれ個別に液晶パネルに配置する方法の他に、紫外
線遮断層と反射防止層とを一体化したものを液晶パネル
に配置する方法がある。前者よりも後者の方が実用上効
果が大きいので好ましい。
【0089】反射防止膜は、透明基板または透明電極と
屈折率を調整したSiO2、TiO2、ZrO2、Mg
F2、Al2O3、CeF3等の無機物やポリイミドな
どの有機物の単層または多層の干渉膜であるか、若しく
は、表面(光が入射してくる側の面)側に微細な凹凸を
有する膜であって、散乱により正反射を防止する膜であ
ればよい。あるいは両者の複合体などでも良い。
【0090】また、紫外線遮断層は、400nm以下の
短波長の紫外線を吸収もしくは反射する様に作成された
透明なガラス板や透明プラスチック・シート等である。
本実施例2では、紫外線遮断層45として、ベンゾトリ
アゾール系の紫外線吸収剤を約0.1%含有したTAC
(トリアセチルセルロース)を用い、TACの上面に反
射防止層61を真空蒸着器で形成した。この反射防止層
461は、低屈折率膜にはMgF2(n=1.38)を
用い、高屈折率膜にはTiO2(n=2.3)を用い、
中屈折率膜にはCeF3(n=1.63)を用いて、合
わせて4層を積層して作成した。尚、TAC(トリアセ
チルセルロース)の下面には透明な接着剤層を配置し
た。
【0091】この様にして作成した紫外線遮断層と反射
防止層が一体化したものを、液晶パネル10の透明基板
11Aの表面に貼り、その反射スペクトルを測定した。
測定結果は図12中の(イ)の様になった。尚、図12
中の(ロ)は、紫外線遮断層と反射防止層を一体化した
膜が無い場合である。この図より明らかな様に、400
nm〜700nmの範囲に渡って反射率が大幅に低減し
ている。
【0092】このため、実施例2の紫外線遮断層+反射
防止層を設けた反射型液晶表示装置の方が、紫外線遮断
層+反射防止層を設けていない反射型液晶表示よりも、
液晶パネル表面での外光の反射による表示内容の視認性
の悪さが大幅に改善され、極めて視認性の良い反射型カ
ラー表示装置を提供できる様になった。さらに、耐光試
験での紫外線による液晶の劣化が格段に改善され、信頼
性に優れた反射型カラー液晶表示装置を提供できる様に
なった。
【0093】(実施例3)1画素が赤、緑、青、透明の
4色のカラーフィルタ3で構成されている反射型カラー
液晶表示装置の実施例を以下に示す。1画素が赤、緑、
青、透明の4色のカラーフィルタ3で構成されている以
外は実施例1と同様な構成で製作し、セルギャップは1
0μmである。尚、液晶/高分子前駆体の混合溶液層の
紫外線照射工程において、これら4色(赤、緑、青、透
明)の紫外線透過率は大きな差があるので、この差を改
善する為、赤・緑・青の3色のカラーフィルタ3の平均
透過率に相当する紫外線透過率を有するフィルタを透明
領域の紫外線照射用マスクとして使用する。これによ
り、各カラーフィルタ3に対応した光変調層の白濁度、
電圧特性(シキイ値電圧、飽和電圧など)および応答速
度などの諸特性のバラツキを小さく抑え、安定した表示
品質を実現することができる。
【0094】図7は、本実施例のカラーフィルタ3の構
成図(赤・緑・青・透明の4色構成)である。図7に示
す様に、1つの画素30は、赤R1、緑G1、青B1お
よび透明W1の4色のカラーフィルタで分割して構成
(4つの色領域)されている。従って、R1,G1,B
1,W1は、それぞれの電圧印加制御により各色を表示
する。そして、液晶表示素子の1画素30は、これら4
色の電圧印加制御の組合わせにより、従来のR・G・B
3色カラーフィルタの場合よりも、さらに中間調の色表
示が効果的に行うことができる様になる。尚、R1、G
1、B1の3色のカラーフィルタに関しては、上基板上
に、その面積(平面面積)が実質的に等しく、面積比が
1:1:1になるように形成する。例えば、R1、G
1、B1のそれぞれのカラーフィルタを100μm×3
50μmの長方形に形成する。一方、W1(透明)のカ
ラーフィルタに関しては、W1(透明)を設けることに
よる明るさの度合いの向上、またその反面、色純度の低
下、および人間の目での視認性を考慮して決定する。他
の3色(R1、G1、B1)に比べて、面積を小さく設
定することが好ましい。本実施例では、50μm×20
0μmの長方形に成形した。即ち、W1(透明)は、他
の3色(R1、G1、B1)の半分の面積とした。
【0095】本実施例で作製した赤・緑・青・透明の4
色構成のカラーフィルタ3を搭載した反射型カラー液晶
表示装置は実施例1よりも更に明るい表示が可能となっ
た。尚、色純度は若干低下したが、実用に充分耐えうる
色再現が可能であった。ここで、カラーフィルタ3を赤
・緑・青の3原色の組み合わせを基本単位として、少な
くとも1色のカラーフィルタが同一領域に透明部分を含
む様に構成しても良い(図8参照)。図8に示す様に、
1画素30は赤R1、緑G1、青B1の3色のカラーフ
ィルタで分割して構成(3つの色領域)されており、赤
R1、緑G1、青B1のカラーフィルタの一部に透明部
分を設けることにより、分割される画素電極数を増やす
こと無く更に明るい表示が得られる。尚、色純度は若干
低下したが、実用に充分耐えうる色再現が可能であっ
た。
【0096】(実施例4)上基板および反射層の間の端
面から光を入射させる光源部を具備した反射型カラー液
晶表示装置の実施例を以下に示す。図3は、本実施例の
LED発光体を光源とした光源部を具備した反射型カラ
ー液晶表示装置の概略断面図である。図3に示すよう
に、液晶表示素子1は、透明電極によって列方向に延在
する列電極が設けられ上基板11Aと、ITOなどの透
明導電膜から成る画素電極17とその一部の上にMSI
素子19が設けられた下基板とを備えている。MSI素
子19は、画素電極の上に不透明導電膜から成る第2電
極14と半絶縁膜15と行電極16から構成されてい
る。尚、行電極16は、半絶縁膜15の上に形成され行
方向に伸びている。さらに、上基板11Aと下基板11
Bとの間に光変調層2が狭持され、上基板11Aの光変
調層に接する面側に赤・緑・青の3原色カラーフィルタ
3が形成され、下基板11Bと透明電極12Bの間に反
射層4および絶縁層5が形成されている。尚、液晶表示
素子1は実施例1と同様な構成で製作し、セルギャップ
は10μmである。
【0097】さらに、LED発光体91と光源導光体9
2から構成された光源部9を備えており、LED発光体
91からの光は、光源導光体92を介して効率よく上基
板11Aおよび反射層4の間に集光する構造となってい
る。尚、上基板11Aは、導光板の役割も有する透明な
基板である。本実施例は、外光が暗い場合、内蔵した光
源部9を発光させ、その光を液晶表示素子1の上基板1
1Aおよび光変調層2の中に導光させて、色再現の良い
明るい表示を実現させる内照型の光散乱モードの反射型
カラー液晶表示装置である。
【0098】ここで、上基板11Aおよび光変調層2の
中を導光した光が有効に活用される様に、液晶表示素子
1の端面(但し、光源部9からの光が入射する端面は除
く)に、端面反射層7が設けてある。次に、本実施例の
内照式の照明効果を以下に説明する。光源部9が発した
光を上基板11Aと反射層4の間の端面から入射させ
る。この入射した光の内、上基板11Aの界面と臨界角
以上の角を成す光が反射層4との間で閉じ込められて導
光する。導光した光は、光変調層2が透明状態の時は、
そのまま導光する。従って、観測者は光を感じることが
出来ず、暗い表示と感じる。一方、光変調層2が透明状
態の時は、導光してきた光は散乱を受け、臨界角より小
さい角度の散乱光が上基板11Aから外部に出射する。
この外部に出射した散乱光が観測者の目に入る。これに
より、観測者は明るい表示と感じる。
【0099】LED発光体91は光源であり、赤、緑、
青3色のLED発光体を用いて、加法混色により白色化
を行っている。このLED発光体91は光源導光体92
内部に組み込まれている。光源導光体92は、白色のポ
リカーボネイトで成形され、本反射型カラー液晶表示装
置の一側面に光学的に密着している。そして、光源の光
は、反射層4より下部に入射せず、効率よく集光して液
晶表示素子1の端面に入射するように設計されている。
【0100】ところで、一般的にLED発光体は有色発
光体であるため、上述では赤、緑、青の3色の混色で光
源の白色化を行っている。しかし別の手段として、青紫
色のLED発光体を光源とし、短波長の光を長波長の光
に変換する波長変換機能を有する蛍光材と組み合わせる
ことで白色光化を行ってもよい。例えば、日亜化学工業
(株)製の青紫色のLED発光体:NSCB100と日亜
化学工業(株)製の黄色発光蛍光体NP−204を組み合
わせて白色光源とした。また、フィラメントランプ、ク
リプトンランプ、EL発光体などの光源を使用してもよ
い。この時、フィラメントランプ、クリプトンランプの
場合は、光を反射ケースで集光させる方法、EL発光体
の場合は、導光型表示装置の光入射面に直接密着させる
方法などを使用して効率よく液晶表示素子1に光を入射
するとよい。
【0101】尚、上記の各種の光源を用いた場合でも、
他の発光色との組合わせや単色光源として使用すること
で有色光源としてもよい。この場合、カラーバランスや
色再現性は失われるが、独創的で印象的なデザインが可
能なカラー表現ができる。更に光源の光を液晶表示素子
1の内部に入射するための接続部分、例えば光源導光体
92などに蓄光材を含有したものを使用してもよい。蓄
光材としては、ストロンチウムアルミネイトSrAl2
O2を母結晶にして希土類元素を添加した材料(根本特
殊化学製)や、硫化亜鉛ZnSの中に銅を少量加えた化
合物がよい。蓄光材の効果により、上述の接続部分は補
助光源として機能して光源を消灯しても一定時間は発光
し続ける。また、蓄光材を含有した光源導光体92など
の部分が外光を受光できる構造をとる事により、蓄光材
は外光を受光し、光エネルギーを蓄えることができる。
これにより、外部が暗くなった場合、蓄光材に自発光作
用により、電池が不要で、視認可能な明るい表示がえら
れる。従って、省電力タイプの反射型カラー液晶表示装
置が実現できる。
【0102】尚、本実施例では、液晶表示素子1の上基
板11Aと反射層4の間の端面から光源部9の照明用の
光を入射させる配置構造としているが、光源自身が基板
内に配設された構造であっても良い。また、下基板11
Bにアクティブ素子としてMSI素子を用いたアクティ
ブマトリックス型であったが、他にMIM素子やTFT
素子などのアクティブ素子を用いたアクティブマトリッ
クス型でも良い。さらに、下基板11Bが単純マトリク
ス型やセグメント型の透明電極のみのパターンであって
も良い。
【0103】ここで特に単純マトリクスやアクティブマ
トリクスの場合は、表示画面のほぼ全面に電極が張り巡
らされているため、下基板側に形成する電極をITO等
の透明電極にせず、金属反射層と兼用してもよい。例え
ば、アルミニウム膜を下基板に形成した後、電極状にパ
ターニングして電極として使用してもよい。勿論この場
合は、これとは別に反射層を設置する必要はない。
【0104】上述のように作製した上基板および反射層
の間の端面から光を入射させる光源部を具備した反射型
カラー液晶表示装置は、光源の光を側面から入射する構
造であるので、TN−LCDの様な偏光板を2枚使用し
て表示を行うTN型液晶表示装置の様に表示面より上部
に光源部を設置する構造に比べ、より薄型化した反射型
カラー液晶表示装置を実現することができた。
【0105】また、外光が明るい時でも、光源を点灯す
ることにより、電圧無印加部分である散乱部分の散乱強
度を高めることができたので、より明るく、色鮮やかな
色再現が可能となり、またコントラストの高い反射型カ
ラー液晶表示表示装置を実現することができた。さら
に、光源部の光を液晶表示装置の内部に入射するための
接続部分に蓄光材を含有させることで、その部分が補助
光源として機能し、光源の電源を落としても一定時間発
光し続けることができ、省エネルギータイプの反射型カ
ラー液晶表示装置を実現することができた。 (実施例5)光源部と導光板を具備した携帯型の反射型
カラー液晶表示装置の実施例を以下に示す。
【0106】図4は、導光板と光源部を具備した携帯型
の反射型カラー液晶表示装置の概略断面図である。図4
に示すように、液晶表示素子1は、透明電極によって列
方向に延在する列電極が設けられ上基板11Aと、IT
Oなどの透明導電膜から成る画素電極17とその一部の
上にMSI素子19が設けられた下基板とを備えてい
る。MSI素子19は、画素電極の上に不透明導電膜か
ら成る第2電極14と半絶縁膜15と行電極16から構
成されている。尚、行電極16は、半絶縁膜15の上に
形成され行方向に伸びている。さらに、上基板11Aと
下基板11Bとの間に光変調層2が狭持され、上基板1
1Aの光変調層に接する面側に赤・緑・青の3原色カラ
ーフィルタ3が形成され、下基板11Bと透明電極12
Bの間に反射層4および絶縁層5が形成された構成であ
る。尚、セルギャップは10μmになるように液晶表示
素子1を作成した。尚、液晶表示素子1は実施例1と同
様な構成で製作し、セルギャップは10μmである。
【0107】さらに、LED発光体91と光源導光体9
2から構成された光源部9を備えている。光源部9は、
プリント基板83に電気的に接続されていると共に、導
光板93と光学的に密着されている。従って、LED発
光体91からの光は、光源導光体92を介して効率よく
導光板93に集光する構造となっている。また、導光板
93および上基板11Aおよび光変調層2の中を導光し
た光が有効に活用される様に、導光板93の端面(但
し、光源部9からの光が入射する端面は除く)および液
晶表示素子1の端面に、端面反射層7が設けてある。
【0108】また、プリント基板83は、導電ゴムある
いはフラットケーブルを介して液晶表示素子1に電気的
に接続されている。そして、これら要素部材(液晶表示
素子1、プリント基板83、光源部9、導光板93、お
よび図示されていない電池など)を外枠81と裏蓋82
で収納保持している。LED発光体91は光源であり、
赤、緑、青3色のLED発光体を用いて、加法混色によ
り白色化を行っている。このLED発光体91は光源導
光体92内部に組み込まれている。
【0109】従って、上述のように作製した腕携帯型の
反射型カラー液晶表示装置は、電圧無印加の時は、明る
く色鮮やかなカラー表示をし、電圧印加の時は、黒表示
をすることを確認した。 よって、従来のデジタル腕時
計の範囲を越えた情報量豊かな、今までにない新しいタ
イプの明るく、コントラストの高い、色再現性の良好な
腕携帯型の反射型カラー液晶表示装置を実現することが
できた。
【0110】また、光源部を液晶表示素子の側面に配置
した構造であるので、光源部を含めた反射型カラー液晶
表示装置の厚みをより薄くすることできた。さらに、外
光が明るい時でも、光源を点灯することにより、電圧無
印加部分である散乱部分の散乱強度を高めることができ
たので、より明るく、色鮮やかな色再現が可能となり、
またコントラストの高い反射型カラー液晶表示表示装置
を実現することができた。
【0111】尚、本実施例では、光源部9と導光板93
を組み合わせ、導光板93の端面から光源部9の照明用
の光を入射させる配置構造としているが、光源自身が導
光板93内に配設された構造であっても良い。ここで、
光変調層2として、電圧無印加の時が透明状態で、電圧
印加の時が光散乱状態となるリバースモードの光散乱型
液晶層を用いても良い。
【0112】この場合、表示画面全体に占める散乱部分
の面積が、前述のPN−LC層(即ち、電圧無印加の時
が光散乱状態で、電圧印加の時が透明状態[以下、ノー
マルモードと称す])を使用した場合に比べ、かなり小
さい面積となる。よって、光源部9から同じ照射光量を
入射した場合、リバーズモードの散乱部分は、ノーマル
ノードの散乱部分に比べて、大幅に明るく状態となる。
よって、リバースモードの光散乱層2を用いることによ
り、散乱部分と透明部分のコントラスト比がノーマルモ
ードのコントラスト比に比べて格段に高いコントラスト
比となり、より良好な表示品質が得られる。 (実施例6)本実施例では、パッシブマトリクスタイプ
(3分割駆動)の反射型カラー液晶表示装置について以
下に示す。図13に示すように、液晶表示素子1は、3
分割駆動(1/3Duty、1/3バイアス駆動)用に
パタ−ニングされた透明電極12A、12Bを備えた少
なくとも一方が透明な一対の基板(上基板および下基
板)11A,11Bと、該基板11A,11Bとの間に
光変調層2が狭持され、上基板11Aの光変調層に接す
る面側に赤・緑・青の3原色カラーフィルタ3を形成
し、下基板11Bと透明電極12Bの間に反射層4およ
び絶縁層5が形成された構成より成る。尚、セルギャッ
プは10μmになるように前記液晶表示素子1を作成し
た。
【0113】透明基板11A、11Bとして、本実施例
では、平滑で透明なガラス板を用いた。尚、透明基板1
1A、11Bには平滑で透明なガラス板の他に透明高分
子フィルムを用いてもかまわない。透明電極12A,1
2Bとして、本実施例では、スパッタリング法や真空蒸
着法で形成されるIn2O3−SnO2膜(以下ITO
膜と称す)からなる透明導電膜をホトリソグラフィーに
よってパターニングしたものを用いた。そのITOの抵
抗値は必要に応じて自由に調整できるが、本実施例では
透明導電膜12A,12Bともに20Ω/□のシート抵
抗にした。尚、透明電極12A,12BにはITO膜の
他にSnO2膜を用いてももかまわない。
【0114】反射層4、光変調層2およびRGBカラー
フィルタ3は、実施例1と同様な構成で製作した。ここ
で、RGBカラーフィルタ3は、各カラーフィルタの特
定波長(365nm)の透過率が赤=40%、緑=25
%、青=約35%となる様に顔料分散時の平均粒径およ
び各カラーフィルタの膜厚を調整して作製した。また、
光変調層2は、液晶/高分子前駆体の混合溶液を相分離
させるための紫外線照射強度を、F点(変曲点)+50
mW/cm2 の値に設定して液晶/高分子前駆体に紫外
線を照射し、ポリマーネットワーク構造の光変調層を形
成した。
【0115】この様にして製作することにより、各カラ
ーフィルタに対応した光変調層の電圧特性(Vth、V
sat、急峻性)が、パッシブマトリクスタイプ(3分
割駆動)の動作マージンを充分に満足させることができ
た。このように作製したポリマーネットワーク型の高分
子分散モードの反射型カラー液晶表示素子1の赤・緑・
青のカラーフィルタ3に対応した光変調層2を走査型電
子顕微鏡を用いて観察したところ、ポリマーからなる三
次元網目構造(ポリマーネットワーク構造)が確認でき
た。そして、この3次元網目状構造の平均孔径は約1.
0μm前後であった。
【0116】また、この反射型カラー液晶表示素子の赤
・緑・青のカラーフィルタ3に対応した光変調層2は、
それぞれ光散乱特性が良好で、かつ、大幅な低電圧化が
図られ、さらに低ヒステリシス特性を有する散乱モード
の光変調層であることが確認された。さらに、カラー液
晶表示素子1の内面にカラーフィルタ3および反射層4
を形成しているので、視差(二重映り)が全く発生ぜ
ず、これに伴い、視差による明るさの低下や色純度の悪
化といった問題も全く発生しない。
【0117】また、この反射型カラー液晶表示装置を、
1/3Duty、1/3Biasで駆動した所、非選択
(Voff)時はクロストークが発生せず、また、選択
時(Von)時は明るく、ハッキリとした視認性の良い
表示が得られ、また、実用耐えるコントラスト(1:
5)、および鮮やかな色再現と良好なカラーバランンス
のカラー表示品質であることを確認した。尚、この反射
型カラー液晶表示装置は、電圧が無印加の時にカラーフ
ィルタによる色を表示し、電圧が印加の時に黒を表示す
る。
【0118】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の反射型カラ
ー液晶表示装置によれば、1画素を複数の色のカラーフ
ィルタで分割してカラー表示するカラーフィルタ方式に
於いて、各カラーフィルタが特定波長の紫外線を透過す
る機能を持ち、且つカラーフィルタ相互間で前記紫外線
の透過率を2.5倍以内と制限を設けたので、カラーフ
ィルタを通して特定波長の紫外線を照射しても、1画素
内の各カラーフィルタに対応した光変調層の光散乱状態
(白濁度)、電圧特性(閾値電圧、飽和電圧、急峻性な
ど)、および応答速度などの基本的な諸特性のバラツキ
を所定の範囲に低く抑えることができる様になった。こ
れにより、従来よりも明るく、高いコントラストと色再
現性に優れた高品位な表示品質を実現する反射型カラー
液晶表示装置を提供する事ができる様になった。
【0119】また、光変調層として、ポリマーネットワ
ーク構造(3次元網目状構造)の高分子分散型液晶層を
用いたので、良好な光散乱性(白濁度)と大幅な低電圧
駆動が同時に実現することができたので、低消費電力タ
イプの従来よりも長寿命化を実現した明るい反射型携帯
情報機器のカラー液晶表示装置として提供することが可
能となった。
【0120】さらに、液晶表示素子の内面にカラーフィ
ルタと反射層を配置した構造としたので、二重映りの問
題を解消した、色再現性の良い反射型カラー液晶表示装
置を提供することが可能となった。また、外光の反射に
よる表示内容の視認性の悪さを改善し、且つ、紫外線に
よる光変調層の劣化を防止して、信頼性の高い反射型カ
ラー液晶表示装置を提供する事が可能となった。
【0121】また、反射型カラー液晶表示装置の内部に
設けた光源部は、液晶表示素子の端面から光を入射する
構造、或いは、カラーフィルタの上に密着配置した導光
板の端面から光を入射する構造としたので、夜間など暗
い場所でもカラーフィルタの色を忠実に再現でき、明る
く、良好なコントラストの薄型化した反射型カラー液晶
表示装置が提供することが可能となった。
【0122】また、本発明に使用しているカラーフィル
タは、顔料分散法や染色法などと言った一般的なカラー
フィルタ製造法で作製できるので、従来と同様なカラー
フィルタの製法と設備の使用が可能であるため、低コス
トなカラーフィルタを提供できる。また、光変調層とし
て、配向処理が不要なポリマーネットワーク構造(3次
元網目状構造)の高分子分散型液晶層を用いたので、カ
ラーフィルタの平坦化処理および配向処理が不要となる
為、製造工程が簡素化でき、低コストな液晶表示素子を
提供することができる。
【0123】また、アクティブ素子としてMIS素子、
MIM素子、TFT素子などのアクティブマトリクスを
用いて、明るく、色再現に優れ、良好なコントラストの
表示品質を実現した反射型カラー液晶表示装置を提供す
ることができる。また、パッシブ素子(透明電極)とし
て単純マトリクスを用いて、時分割駆動(マルチプレク
ス駆動)した場合でも、非選択(Voff)の時はクロ
ストークの発生が無く、選択(Von)の時は明るく、
色再現に優れ、良好なコントラストの表示品質を実現し
た反射型カラー液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の反射型カラー液晶表示装置
の概略構造を示す断面図。
【図2】本発明の実施例2の反射型カラー液晶表示装置
の概略構造を示す断面図。
【図3】本発明の実施例4の光源部を備える反射型カラ
ー液晶表示装置の概略断面図。
【図4】本発明の実施例5の携帯型の反射型カラー液晶
表示装置の概略断面図。
【図5】本発明のカラーフィルタ端部の重ね合わせ構造
の概略図。
【図6】本発明のカラーフィルタ端部の重ね合わせ構造
の概略図。
【図7】本発明の実施例3のカラーフィルタの構成図
(赤・緑・青・透明の4色構成)。
【図8】本発明の実施例3のカラーフィルタの構成図
(赤・緑・青・透明の4色構成)。
【図9】PN−LC層の紫外線照射強度と光散乱性(白
濁度)との関係を表すグラフ。
【図10】PN−LC層の紫外線照射強度と液晶の電圧
特性との関係を表したグラフ。
【図11】MSI素子の駆動電圧と液晶の実効電圧との
関係を表したグラフ。
【図12】本発明の実施例2における反射防止層と紫外
線遮断層を配置した透明基板表面の反射スペクトル。
【図13】本発明の実施例6の反射型カラー液晶表示装
置の断面構造図。
【符号の説明】
1 液晶表示素子 2 光変調層 3 RGBカラーフィルタ 4 反射層 5 絶縁層 61 反射防止層 62 紫外線遮断層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/136 505 G02F 1/136 505 G09F 9/35 320 G09F 9/35 320 (72)発明者 篠 直利 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 坂間 弘 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 福地 高和 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 海老原 照夫 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 物袋 俊一 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 千本松 茂 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 谷口 香 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 山本 修平 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 藤田 政則 東京都墨田区太平四丁目3番9号 セイコ ープレシジョン株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な電極が形成された透明基板と、 前記透明基板に対向して設けられた対向基板と、 互いに対向する前記対の基板間に設けられた光変調層
    と、 前記透明基板の光変調層に接する面側に設けられた、可
    視光領域の特定波長範囲の光と前記高分子分散型液晶層
    の紫外線硬化に必要な特定波長範囲の紫外線を透過する
    分光特性を有するカラーフィルタと、前記対向基板の光
    変調層に接する面側に設けられた反射層と、を備えると
    ともに、 前記光変調層が、電圧無印加の時に光散乱状態を、電圧
    印加の時に透明状態を呈するとともに、液晶が形成する
    連続層中に3次元網目状の光硬化性樹脂を有する高分子
    分散型液晶層であり、 前記カラーフィルタは、同一平面上に、互いに異なる可
    視光を透過する2種類以上の領域にパターニングされて
    いるとともに、パターニングされた各カラーフィルタの
    特定波長範囲の紫外線透過率が、カラーフィルタ相互間
    で2.5倍以下であることを特徴とする反射型液晶表示
    装置。
  2. 【請求項2】 前記カラーフィルタは、赤、緑、青およ
    び透明の組み合わせ、若しくはイエロー、マゼンタ、シ
    アンおよび透明の組み合わせより成ることを特徴とする
    請求項1に記載の反射型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記カラーフィルタが、赤、緑、青の組
    み合わせ、若しくはイエロー、マゼンタ、シアンより成
    るとともに、少なくとも1色のカラーフィルタがそのカ
    ラーフィルタ領域内に透明部分を含むことを特徴とする
    請求項1に記載の反射型液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記カラーフィルタの端部は、お互いに
    所定の幅で重なり合う構造であることを特徴とする請求
    項1〜3に記載の反射型液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記カラーフィルタは、顔料分散時の平
    均粒径が0.09μm以下である着色感光性レジスト、
    または染料を色材としたカラーフィルタであることを特
    徴とする請求項1〜4に記載の反射型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記反射層は、アルミニウム・銀・ニッ
    ケル・クロム・パラジウム・ロジウム等の金属やその合
    金あるいはその酸化物のうちの少なくとも一つを含む金
    属あるいは誘電体多層膜であることを特徴とする請求項
    1に記載の反射型液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記電極は、反射層の機能を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射型液晶表示装
    置。
  8. 【請求項8】 前記対向基板上に、アクティブ素子およ
    び該アクティブ素子に接続して画素電極が形成され、該
    画素電極の背後に反射層が形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の反射型液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 前記アクティブ素子がMSI素子(金属
    −半絶縁膜−金属)であることを特徴とする請求項8に
    記載の反射型液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 前記電極面に、反射防止層と液晶に有
    害な紫外線を吸収もしくは反射する紫外線遮断層を、配
    置したことを特徴とする請求項1に記載の反射型液晶表
    示装置。
  11. 【請求項11】 可視光領域の特定波長範囲の光と高分
    子分散型液晶の硬化に必要な特定波長範囲の紫外線を透
    過する分光特性を有するカラーフィルターを透明基板に
    形成するカラーフィルター作製工程と、反射層を対向基
    板に形成する工程と、前記透明基板と前記対向基板をシ
    ール剤により一定の間隙に接合する工程と、前記間隙に
    液晶と高分子前駆体の混合物を注入する工程と、高分子
    前駆体を重合させ、液晶と高分子を相分離させて、光変
    調層を形成するために、液晶の閾値電圧の変曲点以上の
    閾値電圧が得られる紫外線照射強度で透明基板側から紫
    外線を照射する紫外線照射工程と、を備えることを特徴
    とする反射型液晶表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記カラーフィルター作製工程におい
    て、カラーフィルタの特定波長範囲の紫外線透過率が、
    カラーフィルタ相互間で、前記紫外線照射工程で照射す
    る紫外線照射強度の2.5倍以下となるように、カラー
    フィルターの膜厚あるいは色材の平均粒径あるいは色材
    の濃度が相対的に調整されることを特徴とする請求項1
    1に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記カラーフィルター作製工程におい
    て、顔料分散時の平均粒径が0.09μm以下である着
    色感光性レジスト、または染料を用いることを特徴とす
    る請求項11〜12に記載の反射型液晶表示装置の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 前記紫外線照射工程において、液晶お
    よび高分子前駆体の混合物が等方相を呈する温度に保持
    されていることを特徴とする請求項11に記載の反射型
    液晶表示装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記等方相を呈する温度が、液晶およ
    び高分子前駆体の混合物のネマティック・アイソトロピ
    ック相転移温度(NI点)から1゜C〜3゜C高い温度範
    囲に保持されていることを特徴とする請求項14に記載
    の反射型液晶表示装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記紫外線照射工程において、紫外線
    が紫外線散乱特性を有するフィルターを通して照射され
    ることを特徴とする請求項11に記載の反射型液晶表示
    装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記紫外線照射工程後に、反射防止層
    と液晶に有害な紫外線を吸収もしくは反射する紫外線遮
    断層を透明基板に配置する工程を備えることを特徴とす
    る請求項11に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 少なくとも一方が透明な電極を有する
    一対の基板間に光変調層を狭持してなる反射型液晶表示
    装置において、 前記光変調層は、電圧無印加の時に光散乱状態を呈し、
    電圧印加の時に透明状態を呈する高分子分散型液晶層
    で、該高分子分散型液晶層は、液晶材料が連続層を形成
    し、この連続層中に3次元網目状の光硬化性樹脂を有す
    る構造であり、前記反射型液晶表示装置の上基板の光変
    調層に接する面側にカラーフィルタを形成し、前記反射
    型液晶表示装置の下基板の光変調層に接する面側に反射
    層を形成し、前記上基板および反射層の間の端面から光
    を入射させる光源部を具備していることを特徴とする反
    射型液晶表示装置。
  19. 【請求項19】 少なくとも一方が透明な電極を有する
    一対の基板間に光変調層を狭持してなる反射型液晶表示
    装置において、 前記光変調層は、電圧無印加の時に光散乱状態を呈し、
    電圧印加の時に透明状態を呈する高分子分散型液晶層
    で、該高分子分散型液晶層は、液晶材料が連続層を形成
    し、この連続層中に3次元網目状の光硬化性樹脂を有す
    る構造であり、前記反射型液晶表示装置の上基板の光変
    調層に接する面側にカラーフィルタを形成し、前記反射
    型液晶表示装置の下基板の光変調層に接する面側に反射
    層を形成し、前記上基板の外側に透明部材からなる導光
    板を密着配置し、該導光板の端面から光を入射させる光
    源部を具備していることを特徴とする反射型液晶表示装
    置。
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