JPH075419A - 投射型カラー液晶光学装置 - Google Patents

投射型カラー液晶光学装置

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JPH075419A
JPH075419A JP6021392A JP2139294A JPH075419A JP H075419 A JPH075419 A JP H075419A JP 6021392 A JP6021392 A JP 6021392A JP 2139294 A JP2139294 A JP 2139294A JP H075419 A JPH075419 A JP H075419A
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liquid crystal
light
crystal optical
color
projection
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JP6021392A
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Inventor
Yoshiharu Oi
好晴 大井
Tsuneo Wakabayashi
常生 若林
Nariyuki Serizawa
成幸 芹澤
Yoshiyuki Sonda
嘉之 尊田
Masaya Keyakida
昌也 欅田
Yoshinori Hirai
良典 平井
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AG Technology Co Ltd
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AG Technology Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】光源系1と、所定の挟角βをなすダイクロイッ
クミラー21と22と、集光レンズが前面に付設され反
射面を持つ反射型液晶光学素子31〜33と投射光学系
4があり、ダイクロイックミラー面の法線と反射光軸と
が挟角α、反射面の光軸と入射光軸が挟角2・γを有
し、光源11から発した発散光は色分離されて色光にさ
れ、集光レンズで平行光化され反射型液晶光学素子で変
調され、反射され、変調され、色合成され投射レンズ4
2から投射される。 【効果】均一性があり、高コントラスト、高輝度の表示
が得られ、かつコンパクト、軽量な投射型カラー液晶光
学装置を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光源系と色分離合成光
学系(二つのダイクロイックミラー)と三個の反射型液
晶光学素子と投射光学系とを構成要素とする投射型カラ
ー液晶光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶光学素子は、当初は動的散乱型(D
SM)の液晶を用いた液晶光学素子も提案されていた
が、DSMでは液晶中を流れる電流値が高いため、消費
電流が大きいという欠点があり、現在ではツイストネマ
チック型(TN)液晶を用いるものが主流となってお
り、ポケットTVとして市場に現われている。TN液晶
では、漏れ電流は極めて小さく、消費電力が少ないの
で、電池を電源とする用途には適している。しかし、偏
光板を用いるため表示が暗くなる欠点がある。
【0003】さらに近年、ネマチック液晶が固化物マト
リクス中に分散保持され、電圧の印加時または非印加時
のいずれかの状態においてその固化物マトリクスの屈折
率が使用する液晶の屈折率とほぼ一致するようにされた
液晶固化物複合体を狭持してなる透過散乱型液晶光学素
子が注目されている。この透過散乱型液晶光学素子は、
偏光板を使用しないため、明るい表示が可能であるとい
う利点がある。このため、特に投射型光学装置に使用す
ると、明るい投射画像が得られるので注目を集めてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この透過散乱型液晶光
学素子を、素子の片面に光反射層を形成し反射型素子と
して用いる場合、透過型素子として用いる場合に比べて
光が光変調機能層を往復するので、作用長として二倍大
きく、その結果散乱時の散乱能が高い素子となる。した
がって、この透過散乱型液晶光学素子を反射型光学装置
として用いた場合、透過状態と散乱状態の差が顕著に生
じ、透過型光学装置の場合に比べ、高コントラスト表示
が可能となり得る。
【0005】また、この透過散乱型液晶光学素子を反射
型素子として用いたカラー投射型液晶光学装置、特に白
色光源を青(B)・緑(G)・赤(R)の三色に色分離
した後各々の色光を変調する三個の反射型液晶光学素子
を用いたカラー投射型液晶光学装置は、反射型液晶光学
素子の光散乱性を調整することにより良好なフルカラー
投射が可能となるため有用である。
【0006】さらに、裏電極基板の電極が分割された画
素電極から構成され、各画素電極は画素毎に設けられた
TFT等の能動素子によって駆動される反射型液晶表示
素子を用いたフルカラー投射型表示装置が提案されてい
る。各画素毎に能動素子と蓄積容量とを形成した場合、
反射型にすることにより蓄積容量形成に伴う画素開口率
の減少がなくなり、透過型に比べて高開口率が得られや
すいとともにTFT等の能動素子の設計自由度が一般に
増す。
【0007】従来、透過散乱型液晶光学素子を反射型素
子として用いたカラー投射型液晶光学装置は、例えば特
表昭61−502286号公報にはモザイク状に青・緑
・赤のカラーフィルタが形成された単一反射型表示素子
を用いた投射型液晶表示装置が記載されている。しか
し、これには白色光源をBGRの三色に色分離した後各
々の色光を変調する三個の反射型光学素子を用いたカラ
ー投射方式に関しては何等説明されていない。
【0008】また、透過散乱型液晶光学素子を反射型素
子として用い、白色光源をBGRの三色に色分離した後
各々の色光を変調する三個の反射型光学素子を用いたカ
ラー投射型液晶表示装置に関しては、その光学系の構成
が特開平4−142528号公報の第5図、または特開
平4−232917号公報の第1図に記載されている。
これらの公知例ではいずれも、光源系の集光鏡として楕
円鏡を用い、光源系から出射された発散光を一個の凸レ
ンズによって平行光化した後三個の透過散乱型液晶光学
素子の反射型素子へと入射している。
【0009】ここで、色分離合成系として互いに45°
で交差するダイクロイックプリズムが平行光化用凸レン
ズと反射型素子との間に配置され用いられている。この
従来例を図18と図19に示す。図18は光源系と投射
レンズを省略した光学系の平面図、図19は全体の側面
図である。その結果、投射レンズ142 と平行光化用凸レ
ンズ130 および光源系101 と平行光化用凸レンズ130 と
の間に空間が必要となり、カラー投射型液晶表示装置の
容積の増大を招いてしまった。
【0010】また従来、透過型液晶光学素子を用いたカ
ラー投射型液晶表示装置において一般的に利用されてい
る平板型ダイクロイックミラーと比較して、ダイクロイ
ックプリズムは光学調整が容易であり光路長が短縮でき
る長所がある反面、重量が増大するとともに高価なもの
となってしまうといった問題があった。
【0011】さらに、反射型液晶光学素子131、132、133
の入射光と反射光は同一光軸ではなく、反射型液晶光学
素子の反射面に対してある角度を有して入射・反射する
ため、反射型液晶光学素子の有効面に対応して光を損失
なく利用するためには、色分離合成系102 および平行光
化用凸レンズ130 の有効面が反射型液晶光学素子の反射
面に比べ大きな面積を必要とし、容積および重量の増大
を招いてしまった。
【0012】さらに、平行光化用凸レンズ130 はBGR
の3色に対して投射レンズ142 の結像作用に影響するた
め、投射型表示装置とした場合、色収差を低減するため
に二種以上のレンズを組み合わせた複雑な構成とする必
要があった。一方、色分離合成系として互いに45°で
交差するダイクロイックプリズムの代わりに、平板型ダ
イクロイックミラーを互いに45°に交差した図20と
図21に示すような構成も考えられる。
【0013】図20は平面図、図21は側面図である。
ただし、側面図においてダイクロイックミラー202 で反
射分離された光に対する反射型液晶光学素子の図示は省
略した。この場合、ダイクロイックプリズムを用いた場
合に比べ、軽量化およびコストダウンが図れるが、ダイ
クロイックミラー202 の交差部分の陰がスクリーン上に
投射されやすいといった問題が生じる。これは投射型表
示装置としての表示品位の劣化原因として重大な問題と
なる。
【0014】また、従来の透過型液晶光学素子を用いた
カラー投射型液晶表示装置においては、色分離系と色合
成系に各々二種のダイクロイックミラーが一般的に利用
されているため、合計四個のダイクロイックミラーによ
ってBGRの三色の色純度を調整できる自由度があっ
た。しかし、反射型液晶光学素子を用いたカラー投射型
液晶表示装置の場合、図18〜図21に示されるよう
に、二種のダイクロイックミラーによってBGRの三色
の色純度を調整しなければならない。このような制約の
下では投射用光源として演色性および発光効率の高い白
色光源、例えばメタルハライドランプ、キセノンラン
プ、ハロゲンランプ等を用いた場合、BGRの三色の優
れた色純度は達成できない。
【0015】光変調材料として液晶固化物複合体の代わ
りに粘弾性体を用いた反射型表示素子が、例えばSPI
E VOL.1255、「Large−Screen
Projection Display(1990)、
page69−78」(ラージ・スクリーン・プロジェ
クション・ディスプレー)に記載されている。その反射
型表示素子は画素電極毎に形成された能動素子によって
粘弾性体に電圧を印加し、その印加電圧に応じて生じて
粘弾性体反射表面が変形し回折格子が形成される。そこ
に入射光が照射されると回折光が生じる。
【0016】ここで、コントラスト比の高い投射像表示
のために、非回折光を遮断するシュリーレン・ストップ
あるいはシュリーレン棒を利用したダーク・フィールド
・シュリーレン光学系が用いられている。これは、液晶
固化物複合体を透過散乱型表示素子として用いる場合と
異なり、電圧非印加時が透明状態(非回折状態)である
ため、電圧非印加状態を黒レベル表示とするためにはダ
ーク・フィールド・シュリーレン光学系を用いることに
なる。
【0017】図22〜図24に、上記文献で説明されて
いる三種の光学系を記した。図22は非回折光除去系と
してシュリーレン・ストップが用いられた場合を、図2
3は非回折光除去系としてシュリーレン棒が用いられた
場合を、図24は非回折光除去系としてシュリーレン・
ストップを用い、集光レンズを光源側と投射側に用い、
色分離合成用ダイクロイックミラーへの入射光を平行光
とした場合である。ここで、光源LS、光源集光レンズ
LC、ダイクロイックミラー21、22、レンズL1、
L2、L3、および、光変調表示素子E1、E2、E3
と投射レンズL4などが示されている。
【0018】これらの場合、電圧非印加時は粘弾性体は
変形せず、0次回折光(非回折光)が全てシュリーレン
・ストップあるいはシュリーレン棒によって遮断され、
スクリーンに光が投射されない。したがって、画像の黒
レベルは低い値に抑制できる反面、明レベルは回折強度
が充分でないと明るい投射像とはなり得ない。また、投
射光が回折光成分であるため指向性は不揃いであり、投
射レンズに至る光路長が長い場合途中の光路で光が散逸
してしまいスクリーンに投射される光量が低下する。さ
らに、回折光をスクリーン上に効率よく集光するために
は口径の大きな投射レンズが必要となる。
【0019】したがって、粘弾性体を用いた反射型表示
素子において用いられるダーク・フィールド・シュリー
レン光学系では指向性の乱された回折光を投射光とする
ため、通常の光学系では投射レンズに至るまでに散逸す
る光および投射レンズの口径でけられる光が多く、スク
リーンに到達する光が減少してしまうといった問題があ
った。また、このような光量損失を低減するためには大
型の色分離合成系(ダイクロイックミラー)および大口
径の投射レンズを必要とし、装置全体の大型化が必要と
なり、また生産性が悪化することとなった。
【0020】文献では、図22〜図24の三種の光学系
についてその長所と短所が説明されているが、いずれも
このような問題を内包し、最終的にどのような形態が好
ましいか結論づけられていない。このため、透過散乱型
液晶光学素子を反射型液晶光学素子として用いた投射型
カラー液晶光学装置において、小型かつ軽量でカラーの
色純度が高いものが望まれていた。
【0021】また、ジェー・イー・ギュンサー(J.
E.Gunther)らによる文献、「High Vi
sibility Color Projection
Display(final technical
report)、HAC reference num
ber F2317(1986)」(ハイ・ビジビリテ
ィー・カラー・プロジェクション・ディスプレー)に
は、単結晶シリコンを能動素子としDSM液晶を光変調
手段とした反射型液晶表示素子を三枚用い、色分離合成
光学系としてプリズムブロック(プリズム三個の組み合
わせ構造)を用いた投射型表示装置が開示されている
(図31参照)。
【0022】この場合、ダイクロイックミラー面への光
入射角が45°以下のため、45°入射のダイクロイッ
クミラー、ダイクロイックプリズムに比較して色分離お
よび合成のシャープネスが高く、したがって投射光の色
純度が高いものとなる。しかし、プリズムが三個必要と
なり、図18〜図21に示された45°入射交差型色分
離合成系に比べて集光レンズと表示素子との光路長が長
くなる。
【0023】一般に、発光輝度および発光寿命の長いメ
タルハライドランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ
等の白色光源は完全な点光源ではないため、図示される
光源系のレンズにより集光しても完全に一点には集光さ
れにくい。また、反射板から発散された光をレンズで平
行光化しても指向性の揃った平行光とはならない。この
ように、液晶表示素子への入射光が完全な平行光でない
場合、液晶表示素子へ入射する途中でプリズム側面から
散逸してしまう光、あるいはプリズム側面で全反射され
指向性の乱れた光となって液晶表示素子へと入射する光
が増大する。
【0024】また、液晶表示素子の反射面で反射されプ
リズムを通過し、最終的に投射されるべき光について
も、本来投射されるべき正規反射光の一部がプリズム側
面から散逸してしまうか、あるいはプリズム側面で全反
射され投射レンズに入射できなくなることがある。さら
に、前述の指向性の乱れた入射光は、液晶表示素子が透
明状態の時に正規反射されて投射レンズに入射しないた
めに投射光の明るさには寄与しないが液晶表示素子が散
乱状態の時に投射レンズに入射する光を生成し、そのた
め暗レベルを増加させてしまう。
【0025】その結果、投射光の明るさを低下させると
ともにコントラスト比を劣化させることとなる。これ
は、プリズム側面の面積が大きいため、液晶表示素子が
散乱状態の時に散乱光がプリズム側面で全反射されプリ
ズム内部に滞在する割合が増すことに起因する。
【0026】そのため、実用的な光源を用いた場合でも
所望の特性を発現させるには液晶表示素子の表示面に比
較して充分大きなプリズムを準備する必要が生じるの
で、装置全体の重量が相当に増大する。また、Red
(赤)用液晶表示素子に入射する光はダイクロイックミ
ラー面で色分離された後プリズム面で全反射させるため
プリズムへの入射光を平行光とする必要がある。その結
果、平行光化レンズを含む投射レンズ系が大型になり装
置全体の容積が増大してしまうといった問題があった。
【0027】さらに、図31に示されるダイクロイック
ミラー面に対して、液晶表示素子への入射光の入射角
と、液晶表示素子での反射光の入射角とは異なるため、
同一ダイクロイックミラー面位置でのダイクロイックミ
ラーの分光特性が異なり、その結果、光利用効率の低下
および迷光の発生原因となることがある。
【0028】また、特開平4−113344号公報に
は、光源系として光源と楕円鏡と絞りと集光用レンズを
有し、楕円鏡を集光鏡としその第1焦点位置に光源を配
置し、光源からの光を第2焦点位置に集光し、第2焦点
位置に配置された絞りの開口部を通過した光を集光レン
ズで集光して透過散乱型表示素子へ入射させ、その透過
散乱型表示素子から出射した光を集光させ、その焦点位
置に開口部を有する第2の絞りを配置した投射光学系を
設けたことを特徴とする投射型表示装置が記載されてい
る。また、反射型液晶表示素子を用いた場合の構成につ
いての記載がある。
【0029】また、特開平4−142528号公報およ
び特開平4−305637号公報に、前述の投射型表示
装置と色分離合成系と三枚の透過散乱型表示素子を組み
合わせた反射型表示装置に関する実施例が記載されてい
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、小型かつ軽量で色純度が
高い投射型カラー液晶光学装置を提供する。
【0031】まず、本発明の基本的な構成は、水平面
(特定の一平面)でほぼ60°の角度で△(デルタ)状
に配置した三つの反射型の液晶光学素子と、60°前後
の挟角βでV字状に配置した二つの色分離合成手段(具
体的には、平板型ダイクロイックミラー)からなる色分
離合成光学系と、さらに、光源系から液晶光学素子、そ
して投射光学系に至るまでに、前記水平面に対する垂直
面の方向に、光源系から上方(下方)に向けて斜めに光
が出射され、色分離合成光学系を経由して、そして反射
型液晶光学素子で反射され、上方(下方)に向けて出射
されて、あおり投射が行われる光学的配置である。図2
7に本発明の一実施態様例の斜視図を示す。図27の構
成では、光源系(光源11、楕円鏡12、凹型錐体状反射体
15b )、色分離合成光学系(ダイクロイックミラー21、2
2 )、光変調手段(反射型液晶光学素子31A、32A、33A
は、それぞれ液晶高分子複合体層(LCPC)を電気的
制御可能な光変調機能層として備え、また、反射機能層
31C、32C、33C をそれぞれ内蔵する)などを設けている。
また、反射機能層の前後での光路を一部拡大して図32
に示す。ここで、中心光軸5および光軸AXを示し、分
離された色光は光軸AXに沿って進行する。なお、これ
らの図中で、β=α1+α2の関係がある(図1参
照)。また、二つのダイクロイックミラー21と22とは基
本的には平面(HP )に対する二つの垂直面であるが、
やや傾いた場合も実用上あり得る。また、図30には、
本発明の一例における平面図を、図31に示す従来例と
対比するために、各構成要素をほぼ同じ条件とし、さら
にほぼ同じスケール比で模式的に示している。
【0032】本発明では、光源系と、色分離合成光学系
と、光変調手段と、投射光学系とが設けられた投射型カ
ラー液晶光学装置であって、色分離合成光学系には第1
の色分離合成手段と第2の色分離合成手段とが備えら
れ、光変調手段には、三つの集光手段と、三つの液晶光
学素子と、三つの反射機能層とが設けられ、液晶光学素
子は透明表電極付きの表基板と、裏電極付きの裏基板と
の間にネマチック液晶が固化物マトリクスに分散保持さ
れ、電圧の印加時と非印加時のいずれか一方の時に固化
物マトリクスの屈折率とネマチック液晶との屈折率がほ
ぼ一致せしめられ、透過散乱モードで動作する液晶固化
物複合体層が挟持され、色分離合成光学系には、二つの
色分離合成手段が或る水平面上でなす角度βが40゜〜
70°の範囲に配置され、投射光学系は前記水平面に対
するほぼ垂直面上で、光源系から投射光学系に至る光軸
があおり投射を形成するように配置され、光源から斜め
上方に(下方に)出射された光は、光軸に沿って、色分
離合成光学系と光変調手段とを経由して進行せしめら
れ、第1の色分離合成手段は光軸に対する入射角度α1
が20°〜35゜の範囲に設けられ、また、第2の色分
離合成手段は光軸に対する入射角度α2が20°〜35
゜の範囲に設けられ、光は色分離合成手段によって三つ
の色光に分離せしめられ、各色光に対応した集光手段に
よって集光され、各色光に対応した液晶光学素子によっ
て変調せしめられ、各色光に対応した反射機能層によっ
て入射角度γが1゜〜20゜となるように反射され、各
色光に対応した集光手段によって集光され、色分離合成
光学手段によって色合成され、投射光学系に入射せしめ
られることを特徴とする第1の投射型カラー液晶光学装
置を提供する。
【0033】ここでα1とα2とが常に完全に一致する
という必要はない。また、水平面上でなす角度とは二つ
の平板型ダイクロイックミラーを一定の平面上に投影し
た場合、もしくはその平面での断面における角度として
定義する。例えば、図1の平面図に現れる角度βを指
す。
【0034】また、第1の投射型カラー液晶光学装置に
おいて、入射角度α1と入射角度α2とがほぼ等しくせ
しめられ、かつ、入射角度γが2゜〜10゜の範囲とさ
れたことを特徴とする第2の投射型カラー液晶光学装置
を提供する。また、この第2の投射型カラー液晶光学装
置において、入射角度α1が30°(β=60°)に設
定されることがさらに好ましい。
【0035】また、第1または第2の投射型カラー液晶
光学装置において、集光手段は、三つの液晶光学素子の
前面にそれぞれ付設または近設せしめられてなることを
特徴とする第3の投射型カラー液晶光学装置を提供す
る。
【0036】また、第1〜第3のいずれか一つの投射型
カラー液晶光学装置において、三つの反射機能層は三つ
の液晶光学素子にそれぞれ設けられてなることを特徴と
する第4の投射型カラー液晶光学装置を提供する。
【0037】また、第1〜第4のいずれか一つ投射型カ
ラー液晶光学装置において、三つの集光手段は三つの液
晶光学素子と、第1の色分離合成手段または第2の色分
離合成手段のいずれか一つとの間にそれぞれ配置され、
そして、チャージ・トランスファー・プレート(CT
P)が裏基板として用いられ、前記反射機能層はCTP
と液晶固化物複合体層との間に配置されてなることを特
徴とする第5の投射型カラー液晶光学装置を提供する。
ここで、CTPとは基板中に多数の細い導線が密に埋め
込まれた構造体を指す。
【0038】また、上記の第1〜第5のいずれか一つの
投射型カラー液晶光学装置において、光源系は楕円鏡と
光源と開口絞りとからなり、楕円鏡の第1焦点近傍に光
源の発光部が配置され、楕円鏡の第2焦点近傍に開口絞
りの開口が位置するように開口絞りが配置され、開口近
傍に錐体状プリズムまたは錐体状反射体が配置されてな
ることを特徴とする第6の投射型カラー液晶光学装置を
提供する。この構成により、光源からコリメーション角
度が例えば、6゜〜10゜の範囲の好ましい光源光を効
率よく得ることができる。
【0039】また、上記の第1〜第6のいずれか一つの
投射型カラー液晶光学装置において、表基板は透明絶縁
性基板上に透明電極が形成され、裏基板には、複数の行
配線と、複数の列配線と、前記行配線と前記列配線の交
点近傍に能動素子が設けられ、前記行配線、前記列配
線、前記能動素子の一部もしくは全部を覆うように誘電
体多層膜ミラーが形成され、さらに、前記誘電体多層膜
ミラー層上に形成された透明電極が画素表示用の裏電極
として用いられてなることを特徴とする第7の投射型カ
ラー液晶表示装置を提供する。
【0040】TFT基板のミラー上もしくは上方に配置
された透明(画素)電極という二重電極構造は、単一の
液晶光学素子の場合にも適用が可能である。
【0041】また、上記の第1〜第7のいずれか一つ投
射型カラー液晶光学装置において、表基板には透明絶縁
性基板上に透明電極が形成され、裏基板には、複数の行
配線と、複数の列配線と、前記行配線と前記列配線の交
点近傍に画素電極を駆動する能動素子とが設けられ、さ
らに第3の電極が設けられ、前記第3の電極は、前記行
配線、前記列配線、前記能動素子の一部もしくは全部を
覆うか、および/または、隣接する画素電極の間隙をほ
ぼ覆うように配置され、前記第3の電極と表電極との間
の電気的ポテンシャルは液晶固化物複合体層のしきい値
以下か等しくされてなることを特徴とする第8の投射型
カラー液晶表示装置を提供する。
【0042】この構造によって、液晶固化物複合体を備
えた液晶光学素子に特有な、隣接する画素間隙で発生す
る機能上の問題を改善することができる。そして、良好
な開口率と低電圧駆動が液晶固化物複合体層に対する好
ましい電気的効率から得られる。この構造も、通常の単
一の液晶光学素子を用いる種々の応用例に適用すること
ができる。
【0043】また、第1〜第8のいずれか一つの投射型
カラー液晶光学装置において、色分離合成手段の少なく
ともいずれか一方は、その光学面上での位置による入射
角度による分光透過特性の差を補償する機能を備えてな
ることを特徴とする第9の投射型カラー液晶表示装置を
提供する。具体的には、ダイクロイックミラー面内での
分光透過特性の差に分布を設けることである。
【0044】また、上記の第1〜第9のいずれか一つの
投射型カラー液晶光学装置において、反射機能層に、屈
折率が相対的に高い透光性誘電体薄膜と屈折率が相対的
に低い透光性誘電体薄膜とが交互に積層された誘電体多
層膜ミラーが用いられてなることを特徴とする第10の
投射型カラー液晶光学装置を提供する。
【0045】また、上記の第1〜第10のいずれか一つ
の投射型カラー液晶光学装置において、表基板の界面
か、透明電極面の表面に微細な凹凸が形成されてなるこ
とを特徴とする第11の投射型カラー液晶光学装置を提
供する。
【0046】また、上記の第1〜第11のいずれか一つ
の投射型カラー液晶光学装置において、反射機能層に、
色分離合成手段の色純度を補償する波長選択反射性が備
えられてなることを特徴とする第12の投射型カラー液
晶光学装置を提供する。また、上記の第1〜第12のい
ずれか一つの投射型カラー液晶光学装置において、集光
手段か、反射機能層か、液晶光学素子のいずれか一つ
に、色分離合成手段の色純度を補償する波長選択吸収性
が備えられてなることを特徴とする第13の投射型カラ
ー液晶光学装置を提供する。
【0047】さらに、本発明の一例を説明すると、光源
系と、色分離合成用の第1と第2の二つのダイクロイッ
クミラーと、三個の液晶光学素子と反射機能層と投射光
学系とが設けられた投射型カラー液晶光学装置であっ
て、光源系から投射光学系に至る光軸が設けられ、ダイ
クロイックミラーが第1の平板型ダイクロイックミラー
と第2の平板型ダイクロイックミラーであり、光軸と第
1の平板型ダイクロイックミラー面の法線とがなす角度
α1が20°〜35゜とされ、光軸と第2の平板型ダイ
クロイックミラー面の法線とがなす角度α2が20°〜
35゜とされ、第1の平板型ダイクロイックミラー面と
第2の平板型ダイクロイックミラー面とが水平面上でな
す角度βが40゜〜70°となるように配置され、液晶
光学素子は電気的に透過散乱状態を制御する機能を備
え、液晶光学素子の裏側に反射機能層が設けられ、三個
の液晶光学素子はいずれも、反射面の光学軸と入射光の
光軸とがなす角度γが1゜〜20゜、好ましくは、2゜
〜10゜となるように配置され、反射面における入射光
は、入射光の光軸と反射光の光軸とによって定まる平面
と、第1の平板型ダイクロイックミラーの法線を含む平
面と平行であり、かつ第2の平板型ダイクロイックミラ
ーの法線を含む平面に平行な平面とがほぼ直交するよう
に配置され、光源から発した光は、第1の平板型ダイク
ロイックミラーおよび/または第2の平板型ダイクロイ
ックミラーの働きにより色分離され三つの色光とされ、
第1の平板型ダイクロイックミラーまたは第2の平板型
ダイクロイックミラーいずれか一方から出射され、各色
光毎に対応せしめられた、集光手段と液晶光学素子(の
変調機能層)と反射機能層によって集光され、変調さ
れ、反射され、再び変調され(すなわち、二回変調機能
層を通過する)、再び集光され、さらに各色光は第1の
平板型ダイクロイックミラーおよび/または第2の平板
型ダイクロイックミラーの働きにより色合成され、投射
レンズを通過して投射される。集光手段が液晶光学素子
の背面に配置された場合には、各色光は一回だけ集光手
段を通過する。さらに、集光手段と反射機能層とが一体
化された集光性反射手段を用いることができる。
【0048】また、上記の第5の投射型カラー液晶光学
装置において、CTPと液晶固化物複合体との間に形成
された反射面は画素に分割された電極を有することを特
徴とする第14の投射型カラー液晶光学装置を提供す
る。
【0049】また、上記の第6の投射型カラー液晶光学
装置において、楕円鏡の第2焦点近傍に配置された開口
の光学的共役像が生成される位置に、第2の開口絞りが
設けられたことを特徴とする第15の投射型カラー液晶
光学装置を提供する。また、この第15の投射型カラー
液晶光学装置において、楕円鏡の第2焦点近傍に配置さ
れた開口絞りと第2の開口絞りの開口の大きさがいずれ
も可変とされたことを特徴とする第16の投射型カラー
液晶光学装置を提供する。さらに、本発明について詳述
を続ける。
【0050】本発明の投射型液晶光学装置では、使用す
る液晶光学素子として、好ましくは電気的に散乱状態と
透過状態とを制御し得る液晶固化物複合体を挟持した反
射型の液晶光学素子を用いる。このため、偏光板が不要
であり、明るい光源を使用でき、かつ透過時の光の透過
率を大幅に向上できる。
【0051】また、液晶固化物複合体を挟持した液晶光
学素子は、反射型のTN型の液晶光学素子に必須の配向
処理やその際に発生する静電気による能動素子の破壊と
いった問題も避けられるので、液晶光学素子の製造歩留
りを大幅に向上できる。
【0052】さらに、この液晶固化物複合体は、固化後
はフィルム状になっているので、基板の加圧による基板
間短絡やスペーサの移動による能動素子の破壊といった
問題も生じにくい。
【0053】また、この液晶固化物複合体は、比抵抗が
従来のTN液晶の場合と同等であり、DSM液晶のよう
に大きな蓄積容量を画素電極毎に設けなくてもよく、各
画素電極に設けられる能動素子の設計が容易で、かつ、
液晶光学素子の消費電力を少なく保つことができる。し
たがって、従来のTN液晶光学素子の製造工程から配向
膜形成工程を除くだけで製造が可能になるので、生産が
容易である。また、液晶固化物複合体では各セル内のカ
プセル化液晶の平均的な粒子径や、それらの形状や(楕
円体形状)、さらに密度などを用いる色光の主波長域に
応じて適合せしめることができる。例えば、RB <RG
<RR のように各液晶光学素子のセルを形成することが
できる。また、基板厚みを色光毎に最適化することがで
きる。
【0054】液晶固化物複合体の比抵抗としては、5×
109 Ωcm以上のものが好ましい。さらに、漏れ電流
等による電圧降下を最小限にするために、比抵抗として
1010Ωcm以上がより好ましく、この場合には大きな
蓄積容量を画素電極毎に付与する必要がない。
【0055】図1は本発明の投射型液晶光学装置の基本
的構成を示す平面図であり、図2は本発明の投射型液晶
光学装置の基本的構成を示す側面図である。ただし、図
2において二種のダイクロイックミラー21、22 によって
反射分離された光が入射する反射型液晶素子ブロック3
1、32 は省略し、二つのダイクロイックミラーを透過し
た光に対する反射型液晶素子ブロック33およびその光線
を記載した。他の二個の反射型液晶素子31、32 の配置お
よび光線は、ダイクロイックミラー21、22 の反射面に対
して、記載された反射型液晶素子ブロック33の配置およ
び光線の鏡面対称となっている。
【0056】図1と図2において、光源系1 はランプ11
と楕円鏡12と開口絞り13を備え、ランプ11から出射した
光は、楕円鏡12で反射した後、開口絞り13近傍に集光さ
れる。ここで、ランプ11は楕円鏡12の第1焦点近傍に、
開口絞り13は楕円鏡12の第2焦点近傍に設置されてい
る。開口絞り13を通過した光は第1の平板型ダイクロイ
ックミラー21によって、ランプ1 の可視光に含まれるB
GRのいずれかの波長帯域の光が反射され他の波長帯域
の光は透過する。
【0057】さらに、第1の平板型ダイクロイックミラ
ー21を透過した残りの波長帯域の光は第2の平板型ダイ
クロイックミラー22に入射し、BGRのうちのいずれか
の波長帯域の光が反射され残りの波長帯域の光は透過す
る。このようにして、平板型ダイクロイックミラー21お
よび第2の平板型ダイクロイックミラー22によってBG
Rの三色に分光された光は、各々集光レンズ31B、32B、33
B に入射した後平行光化され、透過散乱型の反射型液晶
光学素子31A、32A、33A に入射する。
【0058】便宜上、集光レンズ31B、32B、33B と透過散
乱型の反射型液晶光学素子31A、32A、33A 各々の組み合わ
せを反射型液晶光学素子ブロック31、32、33と表現する。
これらの入射光は、反射型液晶光学素子ブロック31、32、
33によってその指向性が光変調され、液晶固化物複合体
層への印加電圧に応じて散乱度が変わる。散乱されなか
った反射光は再びレンズ31B、32B、33B によってその焦点
位置近傍に集光される。
【0059】ここで、BGRの三色に分光された光は第
1および第2の平板型ダイクロイックミラー21、22 によ
って色合成されるとともに、集光レンズ31B、32B、33B に
よって光源光学系の開口絞り形状に対応した共役像が集
光レンズの焦点位置近傍に結像される。この集光された
反射光は、集光レンズ31B、32B、33B の焦点位置近傍に設
置された拡散光を減ずる装置である絞り41を通過し、投
射光学系のレンズ42により図示されていないスクリーン
に投射される。
【0060】図1と図2では、投射光学系4 が光源系1
の上側にある場合を記載したが、上下関係が逆でもよ
い。投射型表示装置においてあおり投射機構を備えるた
めには、スクリーン投射像の観測者の目の高さが表示装
置より上の場合は図1と図2の上下関係が好ましいが、
観測者の目の高さが表示装置より下の場合は光源系1 が
投射光学系4 の上側にある位置関係が好ましい。
【0061】一方、反射型液晶光学素子によって散乱さ
れた光は、集光レンズによってその焦点位置近傍には集
光されず、拡散光を減ずる装置である絞りによって遮断
されるため、投射レンズを通過してスクリーン上に投影
されない。
【0062】本発明における光源系1 は、集光鏡12とし
ては楕円鏡(楕円体鏡)が最も好ましいが、放物面鏡、
球面鏡やレンズ等を適当に組み合わせたものでもよい。
また、単純な回転楕円体形状ではなく、反射型液晶光学
素子面内の光量均一化を考慮し、回転軸方向の位置毎に
楕円形状が異なる回転体面を重ね合わせたマルチミラー
構造としてもよい。また、楕円鏡と球面鏡を組み合わせ
集光率を向上させる構成としてもよい。
【0063】ランプ11としては、ハロゲンランプ、メタ
ルハライドランプ、キセノンランプ等があるが、発光効
率および寿命の点でメタルハライドランプが好ましい。
また、集光鏡の焦点位置近傍には開口部を有する透過型
の絞りでもよいし、開口部に対応した反射面を有する反
射鏡を用いた絞りでもよい。一般にランプの発光部分は
不均一な発光分布を持ち、またランプ管壁の陰の影響等
により、出射光の配光分布は不均一となりやすい。
【0064】特に、楕円鏡を集光鏡として用いた場合、
光軸に対して10°以下の角度領域の出射光が少ないた
め、反射型液晶光学素子面内の中心部に光量の少ない陰
が生じやすい。このような光量不均一の問題を改善し、
集光効率を向上するため、集光鏡の焦点位置近傍に、開
口絞りと凹型もしくは凸型の錐体状プリズム、または開
口部に対応した反射面を有する反射鏡を用いた絞りの代
わりに凹型もしくは凸型の錐体状反射体を設置すること
が有効である。図1〜図2では、錐体状プリズム14を用
いた場合の光源系が記載されている。
【0065】図3に錐体状プリズム14を用いた場合の光
源系の構成例を、図4に錐体状反射体15a (凸型)を用
いた光源系の構成例を示す。錐体状プリズム14を用いる
場合は、光出射面の頂角θa1が90°〜175°である
凸面錐体状プリズム、または頂角θa2が185°〜27
0°である凹面錐体状プリズムが好ましい。錐体状プリ
ズムの頂角を光軸上に置き、図3のように、光軸対象の
配置とする。θa1とθa2とは補角の関係にあり、凹凸面
との関係で光学的に同様な作用を果たし得る。なお、凹
面錐体状プリズムについては図示を省略している。
【0066】また、錐体状反射体15a を用いる場合は、
反射面の頂角θb1が150°〜177°である凸面錐体
状、または頂角θb2が183°〜210°である凹面錐
体状反射体が好ましい。錐体状反射体の頂角を光軸近傍
に置き、図4のように、その対称軸が入射光の光軸と4
5゜以下の傾斜角をつけて配置する。θb1とθb2とは補
角の関係にあり、凹凸面との関係で光学的に同様な作用
を果たし得る。
【0067】透過型光学素子である錐体状プリズムの場
合、表面には反射防止膜や熱線カットフィルタが形成さ
れていることが好ましい。また、錐体状反射体の場合、
反射面としてアルミニウム等の金属ミラーまたは誘電体
多層膜ミラーが形成されている。誘電体多層膜ミラーが
用いられる場合、熱線を透過するコールドミラーである
ことが好ましい。
【0068】上述した錐体状プリズムまたは錐体状反射
体の他に、拡散板やレンズアレイを光源光学系の開口絞
り付近に配置して、配光分布を均一化してもよい。さら
に、この光源光学系には冷却系を付加したり、赤外線カ
ットフィルタや紫外線カットフィルタ等を組み合わせて
もよい。
【0069】また、上述した錐体状プリズムまたは錐体
状反射体は、集光鏡として楕円鏡のみを用いた場合に限
定されず、集光率を向上させる構成である楕円鏡と球面
鏡を組み合わせた構成の場合にも有効である。
【0070】その具体的な構成を、錐体状プリズムを用
いた場合について図25に示す。図3と異なり、楕円鏡
12a の深さをランプの発光部が配置された第1焦点距離
と同程度とし、楕円鏡12a の第1焦点近傍を曲率中心と
する球面鏡12b を楕円鏡の第2焦点側に反射面が位置す
るように配置する。楕円鏡12a の第1焦点近傍において
球面鏡12b は楕円鏡12a を覆い、楕円鏡12a の第1焦点
と第2焦点と間に光出射用の開口部を有するような球面
鏡12b の形状とする。
【0071】このような組み合わせにより、楕円鏡のみ
を集光鏡とした場合に比べ、光源系から反射型液晶光学
素子ブロックへと出射される光束密度がよりいっそう向
上するため、光利用効率が増加する。
【0072】次に、色分離合成光学系について説明す
る。誘電体多層膜による光干渉作用を利用したダイクロ
イックミラーにおいて、その反射率および透過率の分光
特性は、光入射角が0°(垂直入射)から増加し斜入射
になるほど、S偏光とP偏光の分光特性の相違が増大す
る。特に、入射角45°でダイクロイックミラーまたは
ダイクロイックプリズムが配置された図18と図19、
および図20と図21に示す従来の投射型液晶光学装置
の場合、その相違が顕著であった。
【0073】偏光板を用いて片方の直線偏光しか利用し
ないTN液晶光学素子の場合は問題とならないが、両方
の偏光を投射光として利用する本発明の透過散乱型の液
晶光学素子を備える投射型光学装置においては、このよ
うなダイクロイックミラーの分光特性の偏光依存性は、
ダイクロイックミラーの色分離合成における分光作用の
劣化、すなわちBGRの色純度の低下につながり問題と
なっていた。
【0074】本発明の色分離合成系の第1の平板型ダイ
クロイックミラーと第2の平板型ダイクロイックミラー
は、光学系における光軸とダイクロイックミラー面の垂
線とのそれぞれなす角度α1とα2が20°から35゜
となるように各々ダイクロイックミラーを交差させるこ
となく順次配置されている。したがって、従来の45°
入射のダイクロイックミラーに比べて、S偏光とP偏光
の分光特性の相違が低減され、鋭い色分離作用が得ら
れ、その結果BGRの各色光の色純度が向上する。
【0075】特に、本発明のような構成では、ダイクロ
イックミラーへの入射光が発散もしくは収束光であり、
ダイクロイックミラーの面内位置によって入射角が異な
る。したがって、光学系における光軸とダイクロイック
ミラー面の垂線とのなす角度に対して、ダイクロイック
ミラー面の周辺ではさらに大きな角度となり、分光特性
の偏光依存性が顕著となる。
【0076】したがって、ダイクロイックミラーへの入
射光が発散もしくは収束光である場合、入射角αが45
°の従来構成では投射光のスクリーン上における色分布
が顕著となり、表示画像の色再現性の要求仕様が厳しい
投射型表示装置等には適さないが、本発明の構成であれ
ば改善される。
【0077】さらに、図1と図2に示すような本発明の
配置とすることにより、光学系における光軸とダイクロ
イックミラー面の垂線とのなす角度αが45°の場合に
比べ各光線のダイクロイックミラーへの入射角の平均値
が小さな値となり、ダイクロイックミラーの有効面積が
小さくできるとともに、ダイクロイックミラー内を通過
する光路長が短縮され、さらにダイクロイックミラーの
厚みに対応した光軸ずれが低減されるといった長所があ
る。
【0078】また、各々ダイクロイックミラー21、22 を
交差させることなく順次配置されているため、交差型ダ
イクロイックミラーにおいて問題となった交差部分の陰
がスクリーン上に投射されるといった問題が生じない。
【0079】また、第1のダイクロイックミラー21のミ
ラー面と第2のダイクロイックミラー22のミラー面との
なす角度βが40゜〜70°の範囲となるように配置す
ることによって、平行(β=0°)に配置した場合に比
べ光路長を短くできるため、投射型光学装置全体の容積
が小型化できるとともに、光路の途中で散逸してしまう
光が減るため、光利用効率の向上につながる。
【0080】また、反射型液晶素子の反射面における入
射光の光軸と反射光の光軸によって定まる平面と、第1
および第2のダイクロイックミラーの法線によって定ま
る平面(二つのダイクロイックミラー面それぞれの法平
面に、ともに平行になる平面)とが、ほぼ直交するよう
に配置されている。
【0081】これは、二つの平面が平行になるように配
置した場合に比べ、このような配置にすることにより各
光線のダイクロイックミラーへの入射角の平均値が小さ
な値となり、ダイクロイックミラーの有効面積を小さく
できるとともに、斜め入射に伴うダイクロイックミラー
の色分離合成の分光特性の劣化が少ないといった長所が
あるためである。
【0082】本発明の投射型光学装置においては、図1
と図2に示すように、ダイクロイックミラー面内位置で
入射角が異なり、入射角の相違に伴うダイクロイックミ
ラーの分光特性の相違が生じる。このため、通常の面内
で均一な分光特性のダイクロイックミラーを用いた場
合、スクリーン投射光の面内色分布が不均一となってし
まった。
【0083】このような問題点を改善するため、第1お
よび第2の平板型ダイクロイックミラー21、22 は、その
面内位置の光入射角の相違に対応した分光透過率の相違
を低減するように、ダイクロイックミラー面内の分光透
過率が面内位置で異なるような分布を有するように誘電
体多層膜の膜厚が調整されている。
【0084】本発明の投射型液晶光学装置の場合、ダイ
クロイックミラー21、22 への光入射角の相違は、二つの
ダイクロイックミラーの法線によって定まる平面とダイ
クロイックミラー面との交線によって定まる方向に顕著
であるため、この方向に分布をつければよい。
【0085】このような誘電体多層膜の膜厚分布形成技
術は、真空蒸着法の膜厚補正板の形状を変えること等に
より通常行われている手法であり、このことに伴う生産
性の悪化はあまり見られない。
【0086】本発明の投射型カラー液晶光学装置を示す
図1と図2では、赤色波長光Rが第1の平板型ダイクロ
イックミラー21で反射され、次に青色波長光Bが第2の
平板型ダイクロイックミラー22で反射され、緑色波長光
Gが透過する構成としている。ダイクロイックミラーの
分光特性は、R反射あるいはB反射のようなエッジ型フ
ィルタの方がG反射のようなノッチ型フィルタに比べ設
計自由度が高く、色純度が向上しやすいため、このよう
な構成仕様とした。
【0087】反射型表示素子を用いた投射型表示装置に
おいては、二種の分光特性を有するダイクロイックミラ
ー面が通常用いられ、同一種類のダイクロイックミラー
面が色分離用と色合成用として作用する。透過型表示素
子を用いた投射型表示装置においては通常色分離系に二
種、色合成系に二種の合計四種が必要となるが、本発明
の場合、二種二枚のダイクロイックミラーで色分離合成
が可能となる。
【0088】交差型ダイクロイックミラーやダイクロイ
ックプリズムの場合、本発明の色分離合成系の構成に比
べて部品点数が増加するとともに各部品を精度良く接合
する必要がある。また、プリズムの作製には光学ガラス
を精密加工・研磨する必要があり生産性の面で劣る。こ
れに反して、本発明のダイクロイックミラーは従来の平
板型ダイクロイックミラーと同じ部材を用いているた
め、良好な品質と数量が容易に入手し得る。
【0089】また、同一のダイクロイックミラー面を色
分離時と色合成時に二回用いる場合、最終的な分光透過
(反射)特性は一回の場合をほぼ二乗したものに相当す
る。したがって、一回透過の場合に比べて色純度を向上
させることができる。しかし、一回透過の場合の色分離
波長における分光特性のシャープネスが低い場合、透過
波長域と反射波長域の中間波長域の光が削除され投射光
として利用されないこととなる。したがって、従来の4
5°入射ダイクロイックミラーのような色分離波長にお
ける分光特性のシャープネスが低い場合、色純度の低下
とともに投射光量も低下してしまう。
【0090】本発明の投射型表示装置の場合、図1にお
いて、平板型ダイクロイックミラー21および22への入射
光の入射角が20°〜35°と45°に比べ小さな値で
あるため、ランダム偏光光に対しても色分離および色合
成に対する高いシャープネスが維持される。その結果、
透過波長域と反射波長域の中間波長域の光の損失も低く
抑えられ、高い色純度が得られるとともに投射光量の増
大が達成される。そして、本発明の投射型表示装置を用
いれば、二種二枚のダイクロイックミラーのみで構成さ
れる色分離合成系でCRTと同程度以上の投射光色純度
が可能となる。
【0091】本発明において拡散光を減ずる装置は、投
射光学系と組み合わせて、投射光学系の投射レンズの前
後または投射レンズを構成する複数のレンズの間に配置
すればよい。この拡散光を減ずる装置は、図1〜図2に
示すように、前述の光源系の開口絞り13の形状の共役像
に対応した第2の開口絞り41でもよいし、対応した有効
面を有する反射板であってもよい。
【0092】また、この第2の開口絞りは投射レンズと
別個に設置されていてもよいし、カメラレンズの様に一
体化してもよい。光路長の短縮および小型化の点で、光
源光学系の開口絞りの形状に対応した共役像が投射レン
ズの瞳位置に結像され、その位置に第2の開口絞りを設
置し、投射光学系と拡散光除去系を一体化した構成が好
ましい。また、特別なアパーチャー等を用いなくとも、
投射用レンズの口径を拡散光が除去されるように選択し
てもよい。
【0093】投射光学系は、レンズ等からなる従来から
の投射光学系が使用されるが、投射光学系に拡散光を減
ずる装置を組み合わせて用いる。この拡散光を減ずる装
置は、液晶光学素子を通過した光のうち、入射光に対し
て直進して反射してきた光(画素部分が透過状態の部分
を透過して裏側の反射膜で反射してくる光)を取り出
し、直進しないで反射してきた光(液晶固化物複合体が
散乱状態の部分で散乱される光)を減ずるものであれば
よい。
【0094】特に、直進して反射してくる光は減ずるこ
となく、直進しないで反射してきた光である拡散光を減
ずることが好ましい。投射光の視認性を向上させるた
め、周囲の明るさに応じて投射光量およびコントラスト
比が調整可能となるよう、光源光学系の開口絞り13と散
乱光除去系である投射レンズ付近に配置された第2の開
口絞り41を開口部面積が可変となるように各々が連動し
て可変できる機構が好ましい。
【0095】従来例である図18〜図21および図31
に示された投射型表示装置において、投射レンズと集光
レンズで反射型液晶表示素子の画像をスクリーン上に結
像していて、液晶表示素子および色分離合成系と集光レ
ンズおよび投射レンズとが分離した構成となっている。
【0096】一方、図1に示された本発明の光学系で
は、従来例における単一集光レンズ130、230 に代わっ
て、液晶表示素子毎に三個の集光レンズ31B、32B、33B に
分割されて用いられている。その結果、集光レンズと投
射レンズの間に色分離合成系が配置され、集光レンズと
液晶表示素子の間に色分離合成系が配置されている従来
例に比べて著しい小型化が可能となる。さらに、光源系
から集光レンズに入射した光の内液晶表示素子へ到達す
るまでに散逸してしまう光がほとんどなく、光路途中で
の迷光の発生も少ないため、明るく高コントラストな投
射像が得られる。
【0097】次に、本発明での反射型液晶光学素子の種
々の構成例を図5〜12に示す。反射型液晶光学素子の
反射機能層337、339 は、アルミニウムや銀やクロム等の
金属反射膜でもよいし、屈折率が相対的に高い透光性誘
電体薄膜と屈折率が相対的に低い透光性誘電体薄膜とを
交互に積層してなる誘電体多層膜反射面でもよい。
【0098】低屈折率透光性誘電体薄膜としては、Si
2 、MgF2 、Na3 AlF6 等があり、高屈折率透
光性誘電体薄膜としてはTiO2 、ZrO2 、Ta2
5 、ZnS、ZnSe、ZnTe、Si、Ge、Y2
3 、Al23 等が用いられ、金属反射膜に比べ、誘電
体多層膜ミラーはその材料、層数または膜厚を変えるこ
とにより分光反射特性を調整できる自由度があり、層数
を増やすことによりほぼ100%に近い高反射率を達成
できるといった特徴がある。
【0099】図5のように、裏電極基板333 と液晶固化
物複合体332 との間に反射機能層339 が設けられていて
もよい。この場合、金属膜を用いれば裏電極と反射機能
層を兼用できるが、誘電体多層膜ミラーの場合は透明電
極膜を多層膜の構成要素とする必要がある。また、図6
のように、反射機能層337 が透過型液晶光学素子の裏電
極基板333 の透明な裏電極336 が形成されていない側に
形成されていてもよいし、図7のように、反射機能層33
7 が形成された基板338 を裏電極基板333 の背後に設置
してもよい。
【0100】反射型液晶光学素子が裏電極基板333 の板
厚に比べて充分に小さな画素から構成されている表示素
子の場合、二重像の生成に伴う投射像の解像度劣化をな
くすため、裏電極基板333 と液晶固化物複合体332 との
間に反射機能層を形成する図5の構成が好ましい。
【0101】この図5の構成では、裏電極基板333 は透
光性材料である必要性はないため、ガラスやプラスチッ
ク以外に、基板上に半導体回路の集積化が可能なSi、
Geや、発光素子の形成が可能なGaAs等の半導体基
板、あるいはセラミクスのような焼結体が用いられても
よい。
【0102】また、図5の構成では、反射機能層339 は
裏電極の機能も有することが必要である。反射機能層が
アルミニウムや銀やクロム等の金属電極反射膜の場合、
裏電極も兼ねて反射面となるが、表面が軟かいためギャ
ップ制御用のスペーサ等によってキズが生じやすく反射
率低下の原因となりやすい。
【0103】一方、誘電体多層膜とIn23 −SnO
2 (ITO)、SnO2 等の透明電極との組み合わせに
よる反射膜が裏電極基板と液晶固化物複合体との間に形
成された場合、平坦性および耐久性が金属膜に比べ優れ
ているとともに、ダイクロイックミラーと同様に波長選
択反射性を有するため各色光の色純度を向上できるとい
った作用がある。
【0104】特に、演色性の高い白色ランプを用い、前
述の第1の平板型ダイクロイックミラーおよび第2のダ
イクロイックミラーの二つを用いてRGB三色に色分離
合成する場合、570nm〜590nm波長帯域の光が
緑または赤の波長帯に混入すると著しく色純度を劣化さ
せることが知られている。
【0105】このような不要な波長帯域光は二つのダイ
クロイックミラーでは原理的に分離できないが、この波
長域の光を透過する分光特性を有する誘電体多層膜が形
成された反射型液晶光学素子を用いることにより緑また
は赤の色純度の劣化は改善できるため有効である。他の
対策として、光吸収型フィルタを用いてもよい。例え
ば、R色光中に混入した570nm〜590nm波長域
の光を排除するために、590nm以下の波長光を吸収
する色ガラスフィルタをR色光用の液晶光学素子とダイ
クロイックミラーとの間に配置すればよい。
【0106】図5の反射型液晶光学素子の構成におい
て、この反射機能層339 が画素電極としてパターニング
されて用いられる場合、必要に応じて、TFT、薄膜ダ
イオード、MIM等の能動素子を設けて接続する。な
お、好ましくない反射を低減させるためには、このよう
な能動素子は裏電極基板333 に設けて、裏電極基板の液
晶固化物複合体と接する表面はできるだけ平坦にして拡
散反射を低減させることが好ましい。
【0107】裏電極の反射機能層として誘電体多層膜を
用いる場合、裏電極基板上の裏電極と誘電体多層膜によ
る反射膜との位置関係は二種類ある。すなわち、一つは
裏電極が形成された裏電極基板上に誘電体多層膜による
反射膜を形成する場合である。もう一つは誘電体多層膜
による反射膜が形成された裏電極基板上に裏電極を形成
する場合である。
【0108】前者は、あらゆる裏電極基板と裏電極に対
して適用され得るが、後者は、裏面基板にSi単結晶を
用い基板内に各画素毎に能動素子を形成するような場合
は、能動素子の回路節点(例えば、三端子構造の電極の
いずれか等)と導通させることが必要となる。具体的に
は、画素駆動用電極と誘電体多層膜上の画素電極とを導
通させることが好ましい。しかし、TFT等の能動素子
は通常ガラス基板上に形成されるため、ガラス等の基板
上に形成された誘電体多層膜上にTFTを形成すること
は問題ない。また、後者の場合、裏電極は透明電極とさ
れる。
【0109】なお、液晶固化物複合体に直接印加電圧が
作用するため低電圧駆動という点で、裏電極は誘電体多
層膜による反射膜上に形成することが好ましい。この場
合、(画素電極として用いられ)裏電極のそれぞれに能
動素子が形成される場合、前記誘電体多層膜による反射
膜の能動素子と接する最上層の膜は、その界面で反応し
ない材料とされることが好ましい。このために、具体的
には、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、Ta25 、A
23 等の酸化物誘電体であることが好ましい。
【0110】一方、裏電極および能動素子が形成された
裏電極基板上に、前記誘電体多層膜による反射膜を形成
する場合、誘電体多層膜による反射膜に印加電圧の一部
が消費される。その結果、実効的駆動電圧は上昇する
が、誘電体多層膜が電極および能動素子等の保護膜とし
て作用する長所がある。
【0111】なお、誘電体多層膜での電圧損失を低減
し、画素開口率を向上するためには、誘電体多層膜中に
コンタクトホールを形成した後に、誘電体多層膜上に画
素電極を形成することにより、能動素子の画素駆動用電
極と誘電体多層膜上の画素電極とを導通させることが有
効である。
【0112】また、裏電極のそれぞれに能動素子が形成
される場合、反射型の液晶光学素子に入射した光が直接
能動素子に到達しないよう、遮光膜としての機能も果た
す。その結果、光導電効果の大きなアモルファスSi等
の能動素子を用いた場合でも、別途遮光層を設けなくと
も光誘起電流の発生を低減することができる。
【0113】さらに遮光度を高めるため、裏電極基板側
に各能動素子位置の誘電体多層膜の上に遮光膜を形成し
てもよい。付加容量の発生を抑えるため、遮光膜として
は導電性の少ない非金属であることが好ましく、感光性
黒色ポリマーやSi、Ge、CdTe等が用いられる。
この場合、誘電体多層膜が能動素子の保護膜となるた
め、ウェットエッチングによるパターニングにおけるア
ルカリ現像液の使用に対しても能動素子の信頼性が高
い。一方、裏電極基板側の各能動素子位置のみに絶縁膜
を介してCr等の金属遮光膜を形成し、その上に誘電体
多層膜の反射面を形成してもよい。
【0114】図5および図6の反射型液晶光学素子の構
成では、裏電極基板333 側から直接液晶固化物複合体層
を加熱または冷却できるため温度調整が容易であり、液
晶固化物複合体にとって最適な動作温度を維持すること
が可能となる。具体的には、ヒータやペルチェ素子、放
熱板や冷却ファン、温度計などを組み合わせて裏電極基
板を強制的に温度調節すればよい。
【0115】図5の反射型液晶光学素子の構成におい
て、透光性基板に透明電極を均一に形成した裏電極基板
333 に、光導電膜を形成し、さらにその上に誘電体多層
膜ミラーを成膜し、光書き込み型の空間光変調器として
もよい。この場合、裏電極および光導電層はパターニン
グされないで用いられる。
【0116】光導電層材料としては、アモルファスS
i、多結晶Si、単結晶Si、BSO(Bi12Si
20)、GaAs、CdS、Se等を用いればよい。ま
た、反射型液晶表示素子の入射光強度が高く、誘電体多
層膜ミラーを透過した一部の光が光導電層を励起する場
合、誘電体多層膜ミラーと光導電層との間に非導電性の
光吸収層を形成することが好ましい。
【0117】こうした光書き込み型の空間光変調器を反
射型液晶表示素子として用いる場合、光書き込み手段と
して、光導電層側から光を導入することが必要である。
通常は、画像入力としてCRTや透過型液晶表示素子
(LCD)等が用いられる。
【0118】CRTやLCDによって生成された画像は
レンズを用いて光導電層面に結像されてもよい。また、
小型化のためには画像生成素子のフェイス・プレートお
よび空間光変調器の裏面電極基板としてファイバー・ア
レイ・プレート(FAP)を用い、各々を屈折率マッチ
ング・オイルや接着材で結合してもよい。この場合、さ
らに構成を簡略化した形態として、CRTやLCDのフ
ェイス・プレートと空間光変調器の裏面電極基板を共通
のFAPとすることがFAPを二枚接合することに伴う
解像度劣化を防ぐために好ましい。
【0119】また、図5の反射型液晶光学素子の構成に
おいて、裏面電極基板としてCTPを用いてもよい。C
TPを用いた空間光変調器の例は、例えば、「アプライ
ド・オプティクス Vol.31,No.20,199
2,page3971−3979:Charge−tr
ansfer−plate spatial ligh
t modulator」(チャージ・トランスファー
・プレート スペイシャル・ライト・モジュレイター)
に記載されている。
【0120】CTPは絶縁材料基板中に多数の細い導線
が密に埋め込まれた構造をしていて、CTPの片面に形
成された二次元の電荷分布あるいは電圧分布がCTPの
他方の面に伝達する機能を有する。CTPの片側に誘電
体多層膜ミラーを形成し、反射型液晶表示素子の裏電極
基板333 として用いることができる。
【0121】電圧印加方法として、誘電体多層膜ミラー
が形成されていない側の面に例えば前述のアモルファス
Si膜等の光導電材料を形成しその上に透明電極を成膜
して、表電極基板331 の電極との間に一定の交流電圧を
印加することによって、光画像書き込み型の反射型空間
光変調器が実現する。
【0122】別の電圧印加方法として、CTPの片側に
バンプ・ボンドを介してアクティブマトリクス基板を接
合してもよいし、CTPの片側にCRTに用いられる電
子銃と電子レンズを組み合わせて電荷をCTP面に走査
することによって、画像情報電圧をCTPを通してその
まま液晶固化物複合体層に印加してもよい。
【0123】CTPを介して液晶固化物複合体層に電圧
を印加する場合、CTP中の導線部分にしか電圧が印加
されないため、導線の占める面積が小さな場合実効的な
画素有効面が減少し、その結果光利用効率が低下する。
このような問題点を回避するためには、CTPの片面に
画素電極を形成しその上に誘電体多層膜ミラーを作製す
ることが好ましい。このような構成とすることにより、
CTPの反対側から印加された電圧がCTPの導線部を
介して画素電極に印加されるため、画素電極の占有面積
を大きく確保しておけば、光利用効率は低下しない。
【0124】反射型液晶光学素子の表電極基板331 は、
ガラス、プラスチック等の透明基板であり、その内面に
In23 −SnO2 (ITO)、SnO2 等の透明電
極335 が形成されており、通常はベタ電極にされてい
る。また、表電極基板331 が空気と接する表面を有する
場合、界面に反射防止膜334 を形成して正規反射成分を
低減することが好ましい。
【0125】反射型液晶光学素子において、表電極基板
331 の透明電極界面と反射機能層とが平行である場合、
透明電極界面で生じる入射光の正規反射が反射機能層に
よる反射光に重畳してしまうため、投射光の黒レベルが
小さな値とならず、結果的に低コントラスト比しか得ら
れない。
【0126】このような表電極界面の正規反射に起因し
たコントラスト比劣化を改善する対策の一つとして、表
電極界面と反射機能層とを非平行化することが有効であ
る。具体的には、図8に示すように、表透明電極膜435
の界面に凹凸を形成することによって乱反射させ、散乱
光除去系の第2の開口絞りで遮断しスクリーン上に到達
しないようにする。また、液晶固化物複合体特有の印加
電圧対透過特性(V−Tカーブ)のヒステリシス現象を
緩和する働きもある。
【0127】このような目的で形成される微細な凹凸の
形状としては、平坦面が多い矩形状ではなく平坦面が少
なく傾斜面から構成される鋸波状が好ましい。微細な凹
凸の形状の作製法としては、微細粒子を用いた研磨やそ
の吹き付けであるサンドブラストあるいは化学薬品によ
る腐食法(エッチング)やシリカ粒子の融着等があげら
れる。
【0128】光拡散性の高い微細な凹凸面を基板全面に
均一に作るためには研磨法が適しているが、液晶光学素
子の表電極基板の動作面のみに微細な凹凸を形成し他の
面は透明平坦面としておく場合にはサンドブラスト法が
適している。特に、液晶光学素子が画素電極から構成さ
れた表示素子で、表電極基板にブラック・マトリクス等
の遮光膜のパターニング形成を必要とし、裏電極基板側
の画素と位置合わせを必要とする場合は、表示面以外は
透明平坦面とし位置合わせが容易にできることが好まし
い。また、シール部分も平坦面とすることが泡の混入等
を防ぐために好ましい。
【0129】あるいは、図9に示すように、表透明電極
膜435 と屈折率の異なるSiO2 、TiO2 、ZrO
2 、MgF2 、Al23 、CeF3 等の無機物やポリ
イミド等の有機物の単層、多層の干渉誘電体膜434 を組
み合わせた多層反射防止膜としてもよい。
【0130】他の対策として、図10に示すように、反
射機能層437 が形成された反射手段である基板438 を透
過型液晶光学素子の後方に別途設置し、透過型液晶光学
素子を反射機能層437 に対して傾斜させ、透過型液晶光
学素子の界面反射光が散乱光除去系の開口絞りで遮断さ
れスクリーン上に到達しないようにする。
【0131】特に、反射型液晶光学素子が裏電極基板の
板厚に比べて小さな画素から構成されている表示素子の
場合、解像度の劣化を招かないように裏電極基板と液晶
固化物複合体との間に反射機能層を形成するため、表面
電極基板のITO電極界面に微細な凹凸を形成するか、
またはITOを構成要素とする多層反射防止膜とするこ
とによって界面正規反射を低減することが好ましい。
【0132】図1と図2の投射型液晶光学装置におい
て、光源系1 から放出された発散光は色分離合成光学系
2 (二つの平板型のダイクロイックミラー)と各反射型
液晶光学素子31A、32A、33A との間に配置された集光レン
ズ31B、32B、33B によりほぼ平行光化され、反射型液晶光
学素子31A、32A、33A に入射され、反射光が再び同一の集
光レンズ31B、32B、33B により集光され、楕円鏡の第2焦
点近傍の開口13と共役な像を楕円鏡の第2焦点近傍の開
口位置に重ならないように生成される。
【0133】この三個の集光レンズ31B、32B、33B は通常
平凸球面レンズが用いられ、収差が低減される構成とし
ては凸面が反射型液晶光学素子に面した方が好ましい。
ただし、この場合、レンズの両面および反射型液晶光学
素子の光入射側の空気との界面における表面反射が生じ
るため、これらの面に反射防止膜を形成することが好ま
しい。
【0134】また、この三個の平凸レンズ31B、32B、33B
の平面を反射型液晶光学素子に面する配置とした場合、
レンズと反射型液晶光学素子を光学接着剤や屈折率マッ
チングオイル等で接合することにより、二つの界面の反
射を大幅に低減できる。この場合、反射型液晶光学素子
31A、32A、33A の空気との界面に反射防止膜を形成する必
要はなく、レンズの凸面のみに反射防止膜を形成するの
みでよい。図1と図2にはこのような構成の場合が示さ
れている。
【0135】本発明の投射型液晶光学装置において、反
射型液晶光学素子に関する他の構成を図11と図12に
示す。すなわち、液晶固化物複合体を狭持する表電極基
板531 と裏電極基板533 の電極を透明電極とし、裏電極
基板533 の透明電極が形成されていない側に反射型集光
機能層537 を設けることにより、集光と反射の両作用を
一体化した反射型液晶光学素子である。この場合、図1
と図2における集光レンズ31B、32B、33B は必要ない。こ
の反射型集光機能層を総括して集光性反射手段と呼ぶ。
【0136】反射型集光機能層は、球面または楕円体面
のような非平面に反射機能層を形成することにより提供
される。球面鏡の場合は、光源光学系の開口絞りを球面
体の中心から若干離れた近傍に設置すれば、入射光は球
面鏡で反射された後球面体の中心から若干離れた近傍に
光源光学系の開口絞りの共役像として集光される。ま
た、楕円面鏡の場合は、光源光学系の開口絞りを楕円面
体の第1焦点近傍に設置すれば、入射光は楕円面鏡で反
射された後楕円面体の第2焦点近傍に光源光学系の開口
絞りの共役像として集光される。
【0137】ここで、液晶固化物複合体を狭持する表電
極基板と裏電極基板とからなる透過型液晶光学素子に対
して、上述の集光鏡が、図11のように裏電極基板533
と一体化されていてもよいし、図12のように分離され
ていてもよい。一体化する場合は、平凸レンズの凸面に
反射機能層を形成し、平面に透明電極536 を形成して裏
電極基板533 としてもよいし、平凸レンズの凸面に反射
鏡が形成された平凸反射鏡を透過型液晶光学素子に接合
してもよい。
【0138】図12のように、分離型に比べ一体型の方
が界面反射が低減されるため、光利用効率およびコント
ラスト比において有利である。また、反射層以外の空気
との界面には反射防止膜を形成することが好ましい。図
11と図12に示した反射型液晶光学素子の透明電極が
画素から構成されている表示素子の場合、光変調層であ
る液晶固化物複合体層532 と集光性反射機能層537 とが
画素長以上離れていると投射像に二重像が生じ好ましく
ない。
【0139】したがって、このような場合は、反射面を
フレネルレンズ形状等にすることによって液晶固化物複
合体層532 と反射機能層537 との間隔を短縮する必要が
ある。図11と図12に示した反射型液晶光学素子を用
いた投射型液晶光学装置において、他の構成要素は図1
と図2と同じである。
【0140】本発明の投射型カラー液晶光学装置の動作
を、電圧非印加の状態で散乱状態の液晶固化物複合体を
挟持した液晶光学素子を用いた場合で説明する。反射型
の液晶光学素子の透過状態の部分では、光が透過し、反
射膜で反射し、戻って(正規反射)出射してくる。この
直進光は拡散光を減ずる装置を通過する光となるので、
投射スクリーン上で明るく表示される。
【0141】一方、散乱状態の部分では、光が散乱され
て、拡散光として出射してくる。この光はほとんどが拡
散光を減ずる装置を通過できないので、投射スクリーン
上で暗く見えることになる。本発明の反射型の液晶光学
素子の散乱状態の部分では、裏側まで到達した散乱光は
反射されて再度散乱部分を通過するため、さらに散乱さ
れ、結果として薄い液晶固化物複合体層で高い散乱能が
得られる。また、透過型の液晶光学素子に対して同じ散
乱能とした場合、液晶固化物複合体層が薄くできるので
駆動電圧が低減できる。
【0142】本発明では、液晶固化物複合体として細か
な孔の多数形成された固化物マトリクスとその孔の部分
に充填された液晶とからなり、電圧の印加時または非印
加時のいずれかの状態においてその固化物マトリクスの
屈折率が使用する液晶の屈折率とほぼ一致するようにさ
れる。この場合、使用する液晶の屈折率異方性Δnが
0.18以上である液晶固化物複合体を用いることが好
ましい。特に、正の誘電異方性のネマチック液晶を用
い、その固化物マトリクスの屈折率が使用する液晶の常
光屈折率(no )とほぼ一致するようにされることが好
ましい。
【0143】この液晶固化物複合体を表電極基板と裏電
極基板との間に挟持し、裏電極基板と液晶固化物複合体
との間または裏電極基板の電極面が形成されていない側
に反射機能層が設けられた反射型の液晶光学素子とす
る。この反射型の液晶光学素子の電極間への電圧の印加
状態により、その液晶の屈折率が変化し、固化物マトリ
クスの屈折率と液晶の屈折率との関係が変化し、両者の
屈折率が一致した時には透過状態(正規反射して光が出
射)となり、屈折率が異なった時には散乱状態(拡散光
が出射)となる。
【0144】この細かな孔の多数形成された固化物マト
リクスとその孔の部分に充填された液晶とからなる液晶
固化物複合体は、マイクロカプセルのような液泡内に液
晶が封じ込められたような構造であるが、個々のマイク
ロカプセルが完全に独立していなくてもよく、多孔質体
のように個々の液晶の液泡が細隙を介して連通していて
もよい。
【0145】本発明に用いる反射型の液晶光学素子に備
えられた液晶固化物複合体は、液晶と、固化物マトリク
スを構成する硬化性化合物とを混ぜ合わせて溶液状また
はラテックス状にしておいて、これを光硬化、熱硬化、
溶媒除去による硬化、反応硬化等させて固化物マトリク
スを分離し、固化物マトリクス中に液晶が分散した状態
をとるようにすればよい。
【0146】この硬化性化合物を、光硬化または熱硬化
タイプにすることにより、密閉系内で硬化できるため好
ましい。特に、光硬化タイプの硬化性化合物を用いるこ
とにより、熱による影響を受けなく、短時間で硬化させ
ることができ好ましい。具体的な製法としては、従来の
通常のTN型液晶光学素子と同様にシール材を用いてセ
ルを形成し、注入口から液晶と硬化性化合物との未硬化
の混合物を注入し、注入口を封止した後、光照射をする
か加熱して硬化させることもできる。
【0147】また、本発明において反射型の液晶光学素
子の場合には、シール材を用いなく、例えば、表電極基
板と裏電極基板のいずれか一方の電極基板上に液晶と硬
化性化合物との未硬化の混合物を供給し、その後、他方
の電極基板を重ねて、光照射等により硬化させることも
できる。
【0148】もちろん、その後、周辺にシール材を塗布
して周辺をシールしてもよい。この製法によれば、単に
液晶と硬化性化合物との未硬化の混合物をロールコー
ト、スピンコート、印刷、ディスペンサーによる塗布等
の供給をすればよいため、注入工程が簡便であり、生産
性がきわめてよい。
【0149】これらの液晶と硬化性化合物との未硬化の
混合物には、基板間隙制御用のセラミクス粒子、プラス
チック粒子、ガラス繊維等のスペーサ、顔料、色素、粘
度調整剤、その他本発明の性能に悪影響を与えない添加
剤を添加してもよい。電圧非印加時に散乱状態である素
子に、この硬化工程の際に特定の部分のみに充分高い電
圧を印加した状態で硬化させることにより、その部分を
常に光透過状態にすることができるので、固定表示した
いものがある場合には、そのような常透過部分を形成し
てもよい。逆に、電圧非印加時に透過状態である素子の
場合には、同様にして常散乱部分を形成できる。
【0150】この液晶固化物複合体を使用した反射型の
液晶表示素子の透過状態での透過率は高いほどよく、散
乱状態でのヘイズ値は80%以上であることが好まし
い。本発明では、電圧印加状態または非印加状態のいず
れかで、固化物マトリクス(硬化後の)の屈折率が、使
用する液晶の屈折率と一致し、逆の状態では固化物マト
リクスの屈折率が、使用する液晶の屈折率と一致しない
ようにされる。これにより、固化物マトリクスの屈折率
と液晶の屈折率とが一致したときに光が透過し、一致し
ないときに光が散乱(白濁)することになる。この素子
の散乱性は、従来のDSMの反射型の液晶表示素子の場
合よりも高く、高いコントラスト比の表示が得られる。
【0151】本発明では、特に、電圧印加状態で、固化
物マトリクス(硬化後の)の屈折率が、使用する液晶の
o と一致するようにされることが好ましい。これによ
り、電圧印加時に透過状態になるので、光透過時の透過
率が高くなりかつ均一に透過するので、表示のコントラ
スト比が向上する。
【0152】固化物マトリクス中に分散保持される液晶
は、独立した粒子、または一部が連通した粒子であるこ
とが好ましい。これは、高い散乱能と低電圧で駆動した
際の高い透過性を両立するために有効である。散乱は液
晶と固化物マトリクスの界面の存在により引き起こされ
る。
【0153】このため、この界面の面積が大きいほど散
乱性は向上する。ある最適な液晶粒子径で、この界面の
面積を増大させるためには、独立して樹脂等の固化物マ
トリクス材料と分離した液晶量を多くする。すなわち、
液晶粒子密度を多くすることが重要である。
【0154】しかし、固化物マトリクスと分離した液晶
量を増大していくと、いずれ夫々の液晶粒子が連通する
ようになり、さらには液晶が全て連通した構造をとるよ
うになり、これは固化物マトリクスと分離した液晶界面
の喪失につながるため、散乱能の低下につながる。
【0155】使用する液晶の屈折率異方性Δn(=ne
−no )は、散乱性に寄与し、高い散乱性を得るには、
ある程度以上大きいことが好ましく、具体的にはΔn≧
0.18が好ましく、さらに、Δn≧0.20が好まし
い。さらに、0.25≧Δn≧0.21の範囲が好まし
い。かつ、13≧Δε≧5の範囲が好ましい。さらに
は、11.6≧Δε≧5の範囲が好ましい。また、使用
する液晶のno は固化物マトリクスの屈折率(np )と
ほぼ一致することが好ましく、このとき電界印加時に高
い透明性が得られる。具体的にはno −0.03<np
<no +0.05の関係を満たすことが好ましい。
【0156】また、散乱性を向上させるには、液晶固化
物複合体の動作可能な液晶の体積分率Φを増加させるこ
とが有効であり、Φ>20%が好ましく、より高い散乱
性を有するにはΦ>35%が好ましく、さらにはΦ>4
5%が好ましい。一方Φがあまり大きくなると、液晶固
化物複合体の構造安定性が悪くなるため、Φ<70%が
好ましい。
【0157】本発明における反射型の液晶光学素子の液
晶固化物複合体では、電圧非印加時には、液晶分子は固
化物マトリクス壁面に影響を受けて配列しているため、
一定方向に配列していない。このため、この状態で両者
の屈折率が異なる場合には、散乱状態(つまり白濁状
態)を示す。
【0158】このような電圧非印加時に散乱状態を示す
反射型の液晶光学素子が画素電極を有する表示素子であ
り、これを投射型表示装置として用いる場合には、電極
のない部分は光が散乱され、裏電極の画素部分以外の部
分に遮光膜を設けなくても、光が投射スクリーンに到達
しないため、黒く見える。このことにより、画素以外の
部分からの光の漏れを防止するために、画素以外の部分
を遮光膜等で遮光する必要がないこととなり、遮光膜の
形成工程が不要となるという利点もある。
【0159】画素の配線電極が形成されている場合、対
向電極との間の液晶固化物複合体層に弱い電界が生成さ
れそれに伴って入射光が液晶固化物複合体層を通過し、
配線電極に反射されて黒表示にならない場合があり得
る。その対策として、配線電極位置に対応した裏電極基
板上または表電極基板上に遮光膜を形成すればよい。特
に、表示面画素の精細度が向上し、画素電極部分の占有
面積が減少した場合、画素電極部分以外の液晶固化物複
合体層からの反射光で投射光に重畳する成分が増加する
ため、コントラスト比低下の原因となる。この場合の遮
光膜はアルミニウムやクロム等の金属膜でもよいし、光
吸収物質でも構わない。
【0160】表電極基板上のクロム遮光膜の場合、ガラ
スとクロムとの界面で高い反射率を有するため、正規反
射光がスクリーンに投射されコントラスト比を著しく劣
化させる。したがって、この界面反射を低減するために
酸化クロム等の反射防止膜をクロム遮光膜とガラスとの
間に形成することが好ましい。また、液晶固化物複合体
層側での内面反射光を低減するために、液晶固化物複合
体層側のクロム遮光膜上にも酸化クロムや透明電極と組
み合わせた反射防止膜を形成することが好ましいが、一
方、黒色感光性ポリマー等の光吸収物質を用いた遮光膜
の場合、界面反射は無視できるため反射光の影響は無視
できる。
【0161】また、表電極基板側に遮光膜を形成する場
合、遮光性を維持するとともにスクリーンに到達する界
面反射投射光を効率的に低減する方策として、図8に示
されたように、表電極基板の表電極面に微細な凹凸を形
成しその上に遮光膜を作製することが好ましい。このよ
うな構成とすることにより、界面反射光が存在してもス
クリーンに到達するような正規反射光は激減し、散乱光
除去系で取り除かれるため、高いコントラスト比が維持
できる。
【0162】一方、裏電極基板側に金属遮光膜を形成す
る場合、その電位を表面電極基板の電位と同程度にする
ことによって配線電極部分の電界を遮蔽することが好ま
しい。
【0163】この液晶表示素子の所望の画素の電極間に
電圧を印加する。この電圧を印加された画素部分では、
液晶が電界方向に平行に配列し、液晶のno と固化物マ
トリクスのnp とが一致することにより透過状態を示
し、当該所望の画素で光が透過することとなり、投射ス
クリーンに明るく表示される。
【0164】このような素子に、この硬化工程の際に特
定の部分のみに充分に高い電圧を印加した状態で硬化さ
せることにより、その部分を常に光透過状態とすること
ができるので、固定表示したいものがある場合には、そ
のような常透過部分を形成してもよい。
【0165】本発明で、反射型液晶光学素子の裏電極が
画素電極としてパターニングされ、各画素電極に能動素
子としてTFTを用いる場合には、半導体材料としては
Siが好適であり得る。特に多結晶Siは、非結晶Si
のように感光性が少ないため、光源からの光を遮光膜に
より厳密に遮光しなくても誤動作しなく、好ましい。こ
の多結晶Siは、本発明のように投射型液晶光学装置と
して用いる場合、強い投射用光源を利用でき、明るい表
示が得られる。
【0166】また、従来のTN液晶光学素子の場合に
は、画素間からの光の漏れを抑止するために、画素間に
遮光膜を形成することが多い。この際あわせて能動素子
部分にも同時に遮光膜を形成することができ、能動素子
部分に遮光膜を形成することは全体の工程にあまり影響
を与えない。すなわち、能動素子として多結晶Siを用
いて、能動素子部分に遮光膜を形成しないことにして
も、画素間に遮光膜を形成する必要があれば、工程を減
らすことはできない。
【0167】これに対して、本発明では、前述の如く、
固化物マトリクスの屈折率が使用する液晶のno とほぼ
一致するようにされた液晶固化物複合体を使用すること
により、電圧を印加しない部分では光が散乱して投射さ
れた投射スクリーン上では黒くなるため、画素間に遮光
膜を形成しなくてもよい。
【0168】反射機能層として誘電体多層膜を用いる場
合、材質と層数および膜厚などから光学的性能が決ま
る。ただし厚みが厚くなると、そこでの電圧降下が大き
くなるので液晶の駆動効率が悪化する。例えばSiO2
膜とTiO2 膜とからなる厚み1.5μmの多層膜の反
射率はおよそ99%で、残り1%が漏れ光となる。この
とき、他の要因もあるが電圧降下は0.5〜0.6V程
度である。同じ材料で層数を二倍にすることにより、理
論的には反射率99.99%の達成も可能である。
【0169】また、可視波長域で光吸収材料である高屈
折率膜Siを用い、Si膜とSiO 2 膜で多層膜を形成
することにより、反射率は99%には達しないが薄い膜
厚で透過率0.01%以下となり、反射膜と遮光膜の作
用を有することができる。あるいは、TFTの上にSi
2 膜とSi膜の多層膜を形成した後、SiO2 膜とT
iO2 膜の多層膜を形成することによって、99%以上
の反射率を保ち、透過率0.01%以下の遮光性を有す
ることも可能である。
【0170】反射率は一義的に決められるのではなく、
投射型液晶光学装置として用いる場合、所望のスクリー
ン光量と用いる光源の光の強さが関係するので、最適の
組み合わせで構成すればよい。能動素子として多結晶S
iを用いた場合、多結晶Siは感光性が比較的低いので
光による誤動作を生じにくい。このため、能動素子部分
に遮光膜を形成しないまたは形成しても遮光性の厳密性
が要求されないので、遮光膜を形成する工程をなくした
り、簡略化でき、生産性が向上する。
【0171】なお、多結晶Siよりも感光性が高いアモ
ルファスSiを用いても、その半導体部分に遮光膜を形
成して、反射機能層として誘電体多層膜を裏電極基板と
液晶固化物複合体との間に形成した場合の誘電体多層膜
のわずかな漏れ光(例えば反射率が99〜99.95%
の場合)を制限すれば、使用することができる。
【0172】能動素子として多結晶Siまたはアモルフ
ァスSiのいずれを用いた場合でも、画素電極および能
動素子が形成された裏電極基板面に誘電体多層膜反射機
能層を形成することにより、入射光の大半は多層膜で反
射され能動素子に入射する光量はわずかとなり、誘電体
多層膜自体が遮光膜として働き、遮光効果を有している
といえる。
【0173】液晶光学素子の動作面以外に入射した光お
よび液晶固化物複合体層での散乱光によって発生する迷
光がスクリーン上に投射されると、コントラスト比の劣
化あるいはゴースト像や輝点発生の原因となる。このよ
うな迷光を低減するためには、液晶光学素子の動作面以
外の領域、および投射型液晶光学装置を構成する種々の
光学素子およびホルダー等の筐体における投射光の光路
を妨害しない領域に光吸収性黒色加工をすることが好ま
しい。
【0174】具体的には、液晶光学素子の表電極基板の
動作面周辺のガラス面領域および基板側面に黒色塗料を
塗布する。また、裏電極基板の側面および裏面に黒色塗
料を塗布する。さらに、集光レンズや集光性反射手段や
ダイクロイックミラー等の光学素子においても、投射光
を妨害しない領域には黒色塗料を塗布することが好まし
い。
【0175】次に、液晶光学素子のセル内の構造につい
て説明する。本発明では、前述の液晶固化物複合体を構
成する未硬化の硬化性化合物として光硬化性化合物の使
用が好ましく、なかでも光硬化性ビニル系化合物の使用
が好ましい。具体的には、光硬化性アクリル系化合物が
例示される。特に、光照射によって重合硬化するアクリ
ルオリゴマーを含有するものが好ましい。
【0176】本発明で使用される液晶は、ネマチック液
晶であればよく、固化物マトリクスの屈折率がその液晶
のno と一致するような液晶が好ましい。この液晶は、
単独で用いても組成物を用いてもよいが、動作温度範
囲、動作電圧など種々の要求性能を満たすには組成物を
用いた方が有利といえる。
【0177】また、液晶固化物複合体に使用される液晶
は、光硬化性化合物を用いた場合には、光硬化性化合物
を均一に溶解することが好ましく、光露光後の硬化物は
溶解しない、もしくは溶解困難なものとされることが好
ましい。また、組成物を用いる場合は、個々の液晶の溶
解度ができるだけ近いものが好ましい。
【0178】液晶固化物複合体を製造する場合、従来の
通常の液晶光学素子のように基板と対向電極基板とを電
極面が対向するように配置して、周辺をシール材でシー
ルして、注入口から未硬化の液晶固化物複合体用の混合
液を注入して、注入口を封止してもよいし、一方の電極
基板上に硬化性化合物と液晶との未硬化の混合物を供給
し、他方の電極基板を重ね合わせるようにして製造して
もよい。
【0179】本発明の液晶光学素子は、液晶中に二色性
色素や単なる色素、顔料を添加したり、硬化性化合物と
して着色したものを使用したりしてもよい。本発明で
は、液晶固化物複合体として液晶を溶媒として使用し、
光露光により光硬化性化合物を硬化させることにより、
硬化時に不要となる単なる溶媒や水を蒸発させる必要が
ない。このため、密閉系で硬化できるため、従来のセル
への注入という製造法がそのまま採用でき、信頼性が高
く、かつ、光硬化性化合物で二枚の基板を接着する効果
も有するため、より信頼性が高くなる。
【0180】このように液晶固化物複合体とすることに
より、上下の電極が短絡する危険性が低く、かつ、通常
のTN液晶光学素子のように配向や基板間隙を厳密に制
御する必要もなく、透過状態と散乱状態とを制御し得る
液晶光学素子を極めて生産性よく製造できる。なお、投
射スクリーン上に到達する直進成分と散乱成分との比
は、拡散光を減ずる装置であるスポット、鏡等の径およ
びレンズの焦点距離により制御可能で、所望の表示コン
トラスト、表示輝度を得られるように設定すればよい。
【0181】アパーチャーのような拡散光を減ずる装置
を用いる場合、表示の輝度を上げるためには、投射用光
源から液晶光学素子に入射される光はより平行であるこ
とが好ましく、そのためには高輝度でかつできるだけ点
光源に近い光源と、凹面鏡、コンデンサーレンズ等を組
み合わせて光源光学系を構成することが好ましい。この
ためには、レーザ光のように指向性の高い光源を用いる
ことにより、より平行に近い光が得られ、高コントラス
ト比を得るうえで有効である。
【0182】さらに、裏電極基板の表面に放熱板や、ヒ
ータやペルチェ素子等の温度調整機を温度計とともに設
置し、冷却用ファンと組み合わせて用い、液晶固化物複
合体をその最適動作温度域に温度調整することができ
る。
【0183】本発明の投射型カラー液晶光学装置は、投
射用の光源からの光を二種の平板型ダイクロイックミラ
ーで三色に色分離し、三個の反射型液晶光学素子に入射
させ、その反射して出射した光を同一の二種の平板型ダ
イクロイックミラーで色合成した後、投射するものであ
ればよい。このため、大型の投射スクリーンに画像を投
射するカラー表示装置のみでなく、反射型光変調器、照
明装置をも含むものである。
【0184】
【作用】本発明では液晶固化物複合体を用いて反射型の
液晶光学素子としているので、薄い厚みの液晶固化物複
合体でも高い散乱特性を得ることができ、素子自体の特
性として高コントラスト比が得られる。
【0185】また、色分離合成用のダイクロイックミラ
ーが二種二個の平板型ダイクロイックミラーからなり、
光学系における光軸とダイクロイックミラー面の垂線と
のなす角度 α1、α2が20°〜35゜となるように
二個のダイクロイックミラーを交差させることなく順次
配置し、二種のダイクロイックミラー面のなす角度βが
40゜〜70°となるように配置しているため、ダイク
ロイックミラーの色分離合成の分光特性が優れていると
ともに、色分離合成系が小型化できる。
【0186】また、上述した各構成要素の配置構成によ
り、光源系と色分離合成系と反射型液晶表示素子とから
なる光学系が小型化できる。さらに、反射型液晶光学素
子によって反射された光が集光され、楕円鏡の第2焦点
位置の開口と共役な像を生成する位置に、その開口像の
大きさに対応した絞りを有する投射レンズを用いること
により、投射型カラー液晶光学装置全体の小型化が達成
される。
【0187】また、楕円鏡の第2焦点位置の開口絞りと
投射レンズの開口絞りを連動して可変とすることによ
り、周囲の明るさに応じてスクリーン上の投射光の明る
さおよびコントラスト比を調整することができ、視認性
が向上する。
【0188】また、二種のダイクロイックミラーはその
面内位置の光入射角の相違に対応した分光透過率の相違
を低減するようにダイクロイックミラー面内の分光透過
率が面内位置で異なるように分布を有し、また、投射用
の光源系において楕円鏡の第2焦点位置に配置された開
口絞り近傍に錐体状プリズムまたは錐体状反射体が配置
されているため、スクリーン投射光の面内光強度分布お
よび色分布の均一性が優れた投射型液晶光学装置が得ら
れる。
【0189】また、反射型液晶光学素子の反射機能層
は、屈折率が相対的に高い透光性誘電体薄膜と屈折率が
相対的に低い透光性誘電体薄膜とを積層してなる誘電体
多層膜による反射膜を用いているため、金属膜による反
射膜に比べ、平坦性がよい光学反射面が得られるととも
に高い反射率を示し、その結果、高コントラスト比が得
られる。
【0190】さらに、誘電体多層膜による反射膜の構成
に応じて分光反射率を任意に調整でき、波長選択反射性
を有しているため、光吸収型のカラーフィルタと同様の
反射型光学フィルタの効果が得られる。特に、色分離合
成用のダイクロイックミラーが光源光学系と反射型液晶
光学素子との間に設けられ、色分離光が異なる三個の反
射型液晶光学素子に入射され、それらの複数の液晶光学
素子の反射機能層の少なくとも一つが、色分離合成用の
ダイクロイックミラーによる色純度の低下を補うような
波長選択反射性を有する分光反射率とすることによっ
て、色純度および光利用率の高い反射型液晶光学素子が
得られる。
【0191】また、反射型液晶光学素子の裏面電極基板
として絶縁体材料基板中に多数の細い導線が密に埋め込
まれた構造体であるCTPを用い、反射面がCTPと液
晶固化物複合体との間に形成された構成とすることによ
り、反射型光変調素子部分と電界印加素子部分をCTP
を介して分離結合した構造となり、特に画像情報の電界
印加手段として光導電体を用いた光書き込み手段やCR
Tを用いた電荷書き込み手段等を利用した投射型液晶表
示装置が得られる。
【0192】
【実施例】
(実施例1)次に、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。本実施例の反射型液晶表示セルの構成を
図13に示す。ガラス基板(コーニング社製「705
9」)の片側表面に画素としてパターニングされたIT
O透明電極636 を設け、この各画素毎の裏電極636 に多
結晶シリコンTFT639 を配置した裏電極基板を三枚作
製した。
【0193】さらに、この各裏電極基板上に、屈折率
1.45のSiO2 と屈折率2.35のTiO2 を交互
に各光学膜厚nd=λ/4(λ:各RGBにおける波
長)で20層積層し、各々RGB波長帯で反射率が99
%以上となるような誘電体多層膜637 による反射膜を表
示面全体に真空蒸着法により形成して裏電極基板633 を
作成した。
【0194】入射光のうち誘電体多層膜を透過してTF
Tに入射する漏れ光を完全に遮断しTFTの感光性に伴
う画質の劣化を抑制するため、裏面電極基板の各画素の
TFTに対応した位置の誘電体多層膜上に遮光膜640 を
形成した。ここで用いた遮光膜は、透過型アクティブマ
トリクス液晶表示素子において表電極基板に成膜して通
常用いられるCr金属膜ではなく、微細炭素粒子が感光
性ポリマー中に分散された黒色かつ電気絶縁性の高い感
光性ポリマー(富士ハントエレクトロニクステクノロジ
ー社:CK−2000)を用いた。
【0195】この場合、金属膜を遮光膜に用いると、T
FTと金属膜との間に介在する誘電体多層膜ミラーが容
量として作用するため、TFTの特性を劣化させる。さ
らに、反射型の場合、金属表面の反射により入射光が反
射されてしまうため、TFT部分が黒に対応した遮光と
ならないためである。
【0196】一方、ガラス基板の一面を、正規反射光を
低減し、透過光を極端に低減しない程度に微細な凹凸を
形成し、さらにその上にITO透明電極635 を形成し、
表電極基板631 とした。この裏電極基板633 と表電極基
板631 の周辺部をシール材でシールしてRGB3個の反
射型セルを作製した。
【0197】セル形状は対角4.4インチ、画素数は縦
480個×横640個、各画素サイズは140μm×1
40μmであった。また、この反射型セルにおいては、
従来のTN液晶光学素子に必要であった遮光膜を表電極
基板上に形成する必要がないため、反射膜を形成する前
の透過型セルの状態で画素の開口率が58%と高い値を
示している。また、これよりも対角寸法、各縦横寸法が
大きいか、さらに画素密度の高いTFTセルを形成する
ことも可能である。
【0198】さらに、誘電体多層膜による反射膜を形成
し反射型セルとすることにより、蓄積容量部分も開口部
として用いることができるため、開口率が67%と大き
な値が得られた。同じTFT構成で従来の透過型のTN
型液晶光学素子を用いる場合は、遮光膜形成に伴い開口
率が40%と低い値にとどまっていた。
【0199】上記のセルに、Δnが約0.24、Δεが
約16のネマチック液晶をアクリレートモノマー、二官
能ウレタンアクリレートオリゴマー、光硬化開始剤と均
一に溶解した溶液をセルに注入し、紫外線露光により液
晶固化物複合体を硬化させ、液晶量が68wt%の三個
の反射型液晶表示セルを作製した。
【0200】飽和透過率の90%の透過率となる印加電
圧を駆動電圧と定義すると、これらの反射型液晶光学素
子の駆動電圧はいずれも6Vであった。さらに、反射型
液晶光学素子の裏電極基板の表面に、透過光の裏面反射
を低減するため光吸収用の黒塗料641 を塗布した。そし
て、その上から温度測定用の熱電対が取り付けられたヒ
ータ内蔵の放熱板を接着し、背後に空冷ファンを設け
た。実際の投射表示状態では、この熱電対の温度をモニ
ターしながら、各反射型液晶光学素子の温度が35℃±
5℃の範囲に保持されるように強制的にヒータ加熱およ
び空冷できる機構とした。
【0201】図1〜図2に示されるように、これら三個
のRGB用の反射型液晶表示素子31A、32A、33A の表電極
基板に、焦点距離180mmの平凸球面レンズ31B、32B、
33Bの平面側を光学接着剤で接合し、反射型液晶表示素
子ブロック31、32、33とした。レンズ凸面には各波長帯域
に対応した反射防止膜が形成され、反射率が0.1%以
下に抑えられている。
【0202】次に、この反射型液晶表示素子ブロック3
1、32、33を、図1と図2の光源系1 、色分離合成系2 、
投射レンズ系4 を備えた投射型装置と組み合わせて、投
射型カラー液晶光学装置を構成した。投射用光源光学系
1 において、光源11に250W、アーク長5mmのメタ
ルハライドランプを用い、コールドミラー付き楕円鏡12
で集光した。光源11の発光部を楕円鏡の第1焦点近傍に
配置し、楕円鏡の第2焦点近傍に錐体状プリズム14を配
置した。
【0203】錐体状プリズムは、その底面から光が入射
し頂角側に光が出射する向きとし、頂角が120°とな
るように光学ガラスを加工・研磨した後、表面に反射防
止膜を形成した。さらに、錐体状プリズムの光出射側に
開口径が可変である開口絞り13を設置した。
【0204】光学系において、反射型液晶表示素子への
入射光の光軸と反射型液晶表示素子からの反射光の光軸
との二等分軸を中心光軸5 と定めると、色分離合成手段
である二種二個の平板型ダイクロイックミラー21、22 は
その法線と中心光軸5 とのなす角度が30゜となるよう
に、かつ二個のダイクロイックミラーをそのミラー面の
なす角度βが60゜となるように、交差させることなく
順次配置した。
【0205】また、反射型液晶表示素子の反射面の垂線
と入射光および反射光の光軸とのなす角度γが6゜にな
るよう配置された。また、反射型液晶光学素子の反射面
における入射光の光軸と反射光の光軸によって定まる平
面と、二個のダイクロイックミラーの法線によって定ま
る平面とが、直交するように配置した。
【0206】本実施例の投射型カラー液晶光学装置で
は、図1と図2において、赤色波長光Rが第1の平板型
ダイクロイックミラー21で反射され、青色波長光Bが第
2の平板型ダイクロイックミラー22で反射され、緑色波
長光Gが透過する構成としている。ダイクロイックミラ
ーの分光特性は、R反射あるいはB反射のようなエッジ
型フィルタの方がG反射のようなノッチ型フィルタに比
べ設計自由度が高く、色純度が向上しやすいため、この
ような構成仕様とした。
【0207】第1の平板型ダイクロイックミラー21は、
光源系からの光のうち575nm以上の可視波長の橙色
(R)を反射し他の波長光を透過するような短波長透過
型の分光特性を有し、第2の平板型ダイクロイックミラ
ー22は、第1の平板型ダイクロイックミラー透過光から
の光のうち500nm以下の可視波長の青色(B)を反
射し他の波長光を透過するような長波長透過型の分光特
性を有するものを用いた。第1および第2の平板型ダイ
クロイックミラー透過光は、緑色(G)であった。
【0208】図1に示されるように、光源系1 から出射
された光は、発散光となって反射型液晶光学素子ブロッ
ク31、32、33に放出されるため、その間に配置された二個
のダイクロイックミラー21、22 への入射角は面内位置に
よって異なる。
【0209】すなわち、図1の平面図において、第1の
平板型ダイクロイックミラー21ではダイクロイックミラ
ーの図中上側ほど、入射光線の入射角度がα1より小さ
な値となり、第2の平板型ダイクロイックミラー22では
ダイクロイックミラーの図中下側ほど入射光線の入射角
度がα2より小さな値となっている。
【0210】このように、ダイクロイックミラーへの入
射角が面内で異なる場合でも面内の分光特性が同一にな
るように、ダイクロイックミラーの分光特性を決める誘
電体多層膜の膜厚分布が、第1の平板型ダイクロイック
ミラーでは上側に比べ下側ほど、第2の平板型ダイクロ
イックミラーでは下側に比べ上側ほど厚くなるように成
膜している。
【0211】反射型液晶光学素子の入射光と反射光は、
図1の平面図では同じ射影光路を通るため、入射光と反
射光とで斜入射の影響は同じであり、上記ダイクロイッ
クミラーの分光特性が有効である。また、図2の側面図
では、反射型液晶光学素子の入射光と反射光は入射角が
異なるが、角度分散中心の傾斜角が6°と図1の平面図
における30°に比べて小さいため、その分光特性に及
ぼす影響は少ない。したがって、図1の平面図における
紙面内方位にダイクロイックミラーの誘電体多層膜の膜
厚分布を形成すればよい。
【0212】前述したように、このような構成ではB・
Gの色純度は問題ないが、このままではR中に黄色(波
長575nm〜595nm)が混入するため、純度の高
い赤色が得られず橙色となった。特に、メタルハライド
ランプを用いているときには、この波長域に強い発光ピ
−クが生じやすく、色純度の劣化が顕著となる。そこ
で、R用の反射型液晶表示素子31A の誘電体多層膜によ
る反射膜を、595nm以上の可視光波長を反射し、あ
わせて少なくとも575nm〜590nmまでの光を透
過する短波長透過型の分光特性を有するダイクロイック
フィルタとした。
【0213】なお、ダイクロイックミラー透過・反射に
伴うBGRの光路長の相違を補正するため、各反射型液
晶表示セル31A、32A、33A に接合された集光レンズ31B、32
B、33B の厚みを異なるようにした。すなわち、R用、B
用、G用の順で集光レンズが厚いものを用いた。
【0214】光源系の楕円鏡の第2焦点近傍の開口13か
ら放射された発散光は、このようにして色分離合成用の
ダイクロイックミラー21、22 によってRGBに色分離さ
れた後、各反射型液晶表示素子31A、32A、33A に接合され
た集光レンズ31B、32B、33B によりほぼ平行光化され、反
射型液晶表示素子31A、32A、33A に入射する。反射型液晶
表示素子の反射面からの反射光は再び同一の集光レンズ
により集光され、楕円鏡の第2焦点近傍の開口と共役な
像が楕円鏡の第2焦点位置の開口に重ならない位置に生
成される。
【0215】投射光学系は投射レンズと拡散光除去系か
らなり、拡散光を減ずる装置である絞り41はその開口径
が可変できる構成とし、それが複数のレンズから構成さ
れる投射レンズ42の内部に設置され、楕円鏡の第2焦点
位置の開口13と共役な像が投射レンズの可変絞り位置に
対応するように投射光学系4 を配置した。この絞り41を
構成要素に含む投射光学系4 により、図示されていない
投射スクリーンに投射される。
【0216】このとき、反射型液晶表示素子への入射光
の指向性は、光源光学系1 の可変開口絞り13の直径Ψと
集光レンズ31B、32B、33B の焦点距離fによって定まる広
がり角、δ1(=2tan-1( Ψ/2f) )によって表
現できる。また、投射光学系4 の拡散光除去用可変開口
絞り41の直径φと、集光レンズ31B、32B、33B の焦点距離
fによって投射される光の指向性の広がり角である集光
角δ2が定まる。
【0217】光源系1 の可変式開口絞り13と投射光学系
4 の可変式の第2の開口絞り41は、光源光学系の出射光
束の広がり角δ1と集光角δ2がほぼ等しくなるように
各々の開口直径を調整し可変することが、光利用率およ
びコントラスト比を劣化させないために好ましい。
【0218】このような構成の投射型カラー液晶表示装
置を用いて、δ1=δ2の条件のもとで光源系の可変式
開口絞り13と投射光学系の可変式第2の開口絞り41を変
化させ角度δ1=δ2を変えて、投射スクリーン上での
コントラスト比および光束を測定した。その結果を表1
にまとめた。
【0219】なお、表1は裏面電極基板として透明電極
膜上に反射面として誘電体多層膜が形成された反射型光
学素子を用いた測定結果から、TFTアレイが形成され
た反射型液晶光学素子を用いた場合の性能を光学的計算
によって得たものを示す。
【0220】
【表1】
【0221】投射スクリーンが設置された室内が明るい
場合、周囲光の影響で画像の黒レベルの光量が増加して
しまうため、視認性の良い高コントラスト表示を得るた
めには、角度δ1(=δ2)を10°〜12°程度に設
定し、投射光束を大きくとることが好ましい。一方、室
内が暗い場合、周囲光の影響はなく、画像の黒レベルの
光量が直接認識されるとともに、必要以上のスクリーン
輝度は眩しさとなり視認性を低下させるため、角度δ1
(=δ2)を4°〜6°程度に設定し、コントラスト比
を高くとり黒レベル階調性を再現することが好ましい。
【0222】本実施例における二個の可変アパーチャー
の利用により、このような周囲環境の明暗に応じたスク
リーン投射像の明るさおよびコントラスト比を容易に調
整することができた。また、スクリーン上での光量分布
は中心に対し周辺でも50%以上と均一性が高く、色の
面内分布も均一であった。
【0223】また、投射像のRGB色純度はCRT以上
の色純度を示し、白の色度座標も含めてNTSCの規格
色純度を達成するものであった。
【0224】本実施例ではアクティブマトリクスとして
耐光性が高い多結晶Siを用いたが、遮光膜を厚く形成
することによって遮光度を高めればアモルファスSiを
用いてもよい。また、Si単結晶ウェーハ上に画素毎に
トランジスタを形成したアクティブマトリクスでもよ
い。この場合、誘電体多層膜ミラーのフィルタ作用を利
用して不要な光を透過させることによってR光の色純度
を向上させることはできないため、R光の光路中に別途
575nm〜590nm波長域の光をカットするフィル
タを設ける必要がある。
【0225】(実施例2)実施例1において、裏電極と
反射膜の代わりに、裏電極兼反射膜としてアルミニウム
膜を用いた場合は、角度δ1(=δ2)=6°で、コン
トラスト比は90、光束は600ルーメンであった。ま
た、赤の色純度が悪く、橙色になった。しかし、第1の
ダイクロイックミラー21を構成する誘電体多層膜の膜厚
構成を変えて色分離分光特性のシャープネスを劣化させ
ることにより、黄色成分(565nm〜585nm)を
低減し、その結果CRT程度のRGBの色純度が得られ
た。
【0226】(参考例1)実施例2において、R用の集
光レンズ31B の平坦面に590nm以上の可視光を透過
し短波長光を吸収するカラーフィルタを全面に塗布した
後、反射型液晶表示素子31A に接合する。その結果、実
施例2に比べて赤の色純度が実施例1程度に向上する。
【0227】(参考例2)実施例1において、光源系1
の錐体状プリズム14の代わりに錐体状反射体15aを用
い、図4に示す構成とした。ガラスブロックをその頂角
θb1が160°となるよう錐体状に加工・研磨し、錐体
状表面に可視光を反射し赤外光を透過するコールドミラ
ーを形成する。このような錐体状反射体を楕円鏡の12の
第2焦点位置近傍に配置するとともに、楕円鏡12 から
の入射光の光軸と色分離合成系2 への出射光の光軸が6
0°の角度を成すように光源系1 を配置する。その結
果、実施例1と同程度の特性が得られる。
【0228】(参考例3)実施例1において、裏電極基
板上の画素電極以外からの反射光を低減し能動素子を充
分遮光するため、電気絶縁性の感光性ポリマー遮光膜の
代わりに金属膜を表示画素電極以外の誘電体多層膜ミラ
ー面上に形成するとともに、その電極電位を表電極基板
の透明電極電位と一致するように配線する。このような
反射型液晶表示素子の構造の拡大図を図28、図29に
示す。図28は平面図、図29は図28の切断線X1−
X2での断面図である。
【0229】その結果、表示画素電極以外の部分は全て
印加電圧0Vに対応した散乱状態となるため暗表示とな
りコントラスト比が向上し、また、強い入射光に対して
も光誘起電流の発生に伴う投射画像の劣化が改善され
る。このとき、液晶固化物複合体層と接する金属膜上に
反射防止膜を積層するとさらに表示画素電極以外の部分
の暗レベルが低下し、コントラスト比が向上する。
【0230】(参考例4)実施例1において、反射型液
晶表示素子としてアモルファス・シリコンTFTアクテ
ィブマトリクスを用いる場合の実施例を以下に説明す
る。
【0231】ガラス基板の片側表面に作製する反射型T
FTアレイの断面図を図26に示す。まず、ガラス基板
833 上にTFTアレイのゲート電極を形成し、さらに、
この上にゲ−ト絶縁体層、アモルファス・シリコン半導
体層および保護絶縁体層の三層を成膜およびパターニン
グし、次に、ソース電極862 およびドレイン電極836Aを
成膜・パターニングすることによって、配線電極および
能動素子を作製する。
【0232】なお、入射光のうちTFTに入射する漏れ
光を完全に遮断しTFTの感光性に伴う画質の劣化を抑
制するために、裏面電極基板の各TFT839 に対応した
位置に遮光膜を形成してもよい。反射型液晶表示素子と
するために、上述のTFTアレイの形成されたこの裏電
極基板上に、屈折率1.45のSiO2 と屈折率2.1
のTa25 を交互に各光学膜厚nd=λ/4(λ:各
RGBにおける波長)で23層積層し、各々RGB波長
帯で反射率が98%以上となるような誘電体多層膜837
による反射面を表示面全体に形成する。この時、各誘電
体多層膜837 の総膜厚は1. 6〜2. 1μm程度であ
る。
【0233】さらに、各TFTのドレイン電極836Aに対
応した誘電体多層膜837 の位置にコンタクトホール861
を形成した後、透明画素電極836BとしてITOを成膜お
よびパターニングし、反射型裏面電極基板833 を三枚作
製する。このとき、裏電極基板側に形成されたドレイン
電極836Aと誘電体多層膜837 上に形成された透明画素電
極836Bとが導通を確保するとともに、透明画素電極836B
間にTFTおよび大半の画素の配線電極が位置しない
で、透明画素電極836Bの下に覆い隠し配置されるような
構成とする。
【0234】誘電体多層膜ミラー837 は耐熱性に優れ、
成膜後の加熱工程を経ても光学特性が変化しないため高
い反射率が維持できる。一方、アルミニウム・ミラーの
場合は成膜後の加熱工程を経た場合、表面の平坦性が著
しく劣化し実効的な反射率が低下することが知られてい
る。
【0235】また、誘電体多層膜ミラー837 の膜厚が1
μm以上と大きいため、透明画素電極をデータ配線やゲ
ート配線に重ねても重なりの容量は小さいため、電気信
号波形の鈍り等のTFT駆動上の大きな障害を回避する
ことができる。また、実施例1と同様に、裏電極基板の
裏面上に残留透過光の裏面反射を低減するために、光吸
収黒色塗料841 を塗布する。
【0236】また、表電極基板831 として、表示面に対
応した部分のみに研磨材を吹き付けるサンドブラスト法
により微細な凹凸を形成し、その上にITO透明電極83
5 を成膜することにより界面での正規反射光を低減した
ガラス基板を用いた。この表電極基板831 の透明電極面
において、透明画素電極836B以外の部分およびTFTに
対応した位置に遮光膜を形成することにより遮光性を高
めてもよい。
【0237】この裏電極基板833 と表電極基板831 の周
辺部をシール材でシールしてRGB三個の反射型セルを
作製する。セル形状は対角2.1インチ、画素数は縦4
80個×横640個、各画素サイズは約67μm×67
μmとする。また、コンタクトホールを介して誘電体多
層膜837 上に形成された透明画素電極836Bの画素占有面
積(開口率)は85%程度の高い値が確保され、従来の
TN型液晶光学素子に比べて飛躍的に大きな開口率を実
現できる。
【0238】これに実施例1と同様にして、液晶固化物
複合体を注入・露光し、三個の反射型液晶表示素子を作
製する。これらの反射型液晶表示素子の駆動電圧はいず
れも約5. 5Vと低駆動電圧で動作する。
【0239】さらに、実施例1と同様に、反射型液晶表
示素子の裏電極基板の裏面に光吸収用の黒塗料841 を塗
布し、その上から温度測定用の熱電対が取り付けられた
ヒータ内蔵の放熱板を接着し、背後に空冷ファンを設け
液晶表示素子の温度を調整できる機構とする。
【0240】実施例1の投射型液晶表示装置と比較し
て、以下の構成要素が異なる以外は同じ光学系の構成と
する。図1〜図2において、平凸球面レンズ31B、32B、33
B として焦点距離120mmの平凸球面レンズを用い、
光源系1 において、光源11に150W、アーク長4mm
のメタルハライドランプを用いる。
【0241】本参考例では、赤色中(R)に混入した黄
色(Y:波長575nm〜595nm)を取り除くため
に、集光レンズ31B と液晶表示素子31A との間に色ガラ
スフィルタ(HOYA(株):シャープカットフィルタ
R−60)を装着する。
【0242】このような構成の投射型カラー液晶表示装
置を用いて、δ1=δ2の条件のもとで光源系1 の可変
式開口絞り13と投射光学系の可変式第2の開口絞り41を
変化させ角度δ1=δ2を変えて、投射スクリーン上で
のコントラスト比および光束を光学的に計算した。その
結果を表2に示す。
【0243】
【表2】
【0244】実施例1に比べて、小型な液晶表示素子と
低消費電力のランプを用いているにもかかわらず、高い
光利用効率を実現することが可能である。
【0245】(参考例5)参考例4の構成中から、誘電
体多層膜ミラー837 と透明画素電極836Bの代わりにSi
N絶縁体層とアルミニウム反射電極層を用いる。
【0246】図26に示すように、TFTアレイ上にS
iN絶縁体層837 を約2μm成膜し、コンタクトホール
を形成した後アルミニウム反射電極層836Bを成膜してド
レイン電極836Aと導通を確保する。アルミニウム成膜後
に、表面を研磨により平坦化した後画素電極としてパタ
ーニングする。この反射型液晶表示素子の構成は、例え
ば1989年電子情報通信学会秋期全国大会予稿集の5
〜30頁の「ハイビジョン用液晶投射型テレビの反射型
高密度TFTアレイ」に記載されている。他の構成は参
考例4と同じである。
【0247】その結果、誘電体多層膜ミラーに比べてア
ルミニウム・ミラーの方が反射率が低いことと、平坦な
鏡面反射面が得らにくいことから、光利用効率とコント
ラスト比が参考例4に比べてやや劣ること以外は同じ特
性が得られる。
【0248】(参考例6)参考例4において、表電極基
板831 として平坦なガラス表面に遮光膜(ブラックマト
リクス)が形成された後にITO/SiO2 /ITOの
3層構造の反射防止効果を有する透明電極膜を形成す
る。その結果、微細な凹凸面が形成された表電極基板を
用いる参考例4に比較して、コントラスト比が30%程
度低下すること以外は同じ特性が得られる。
【0249】(参考例7)参考例4において、光源系1
の錐体状プリズム14の代わりに拡散板を用いる。その結
果、参考例4に比較してスクリーン中心付近の光束が減
少するため光利用効率が約半減すること以外は同程度の
特性が得られる。
【0250】(参考例8)参考例4において、光源系1
の集光鏡として単一の楕円鏡の代わりに図25に示した
ような楕円鏡と球面鏡を組み合わせて用いる。各反射面
にはコールドミラーが形成され、光源11の発光部を楕円
鏡の第1焦点近傍に配置するとともに、球面鏡の曲率中
心とほぼ一致するように調整する。さらに、楕円鏡の第
2焦点近傍に錐体状プリズム14を配置する。その結果、
参考例4に比較して光利用効率が向上する。
【0251】(比較例1)実施例1の光学系の代わり
に、単一集光レンズと45°入射交差型平板ダイクロイ
ックミラーを構成要素とする図20と図21に示した従
来型の光学系を用いる場合、コントラスト比は同程度で
あるが、スクリーン光束および色純度は実施例1に比べ
劣り、光学系全体の容積が実施例1に比べ二倍以上と大
型化してしまい、さらに、投射像の中央にダイクロイッ
クミラーの交差部に対応した陰が投影されるため均一な
光量分布とならない。
【0252】(比較例2)実施例1の光学系の代わり
に、単一集光レンズと45°入射ダイクロイックプリズ
ムを構成要素とする図18、図19に示した従来型の光
学系を用いる場合、コントラスト比は同程度であるが、
スクリーン光束、光量分布均一性および色純度は実施例
1に比べ劣り、光学系全体の容積が実施例1に比べ二倍
以上と大型化してしまう。
【0253】(比較例3)実施例1の光学系の代わり
に、単一集光レンズとプリズムブロック色分離合成系を
構成要素とする図31に示した従来型の光学系を用いる
場合、色純度は同程度であるが、スクリーン光束、光量
分布均一性およびコントラスト比は実施例1に比べ劣
り、光学系全体の容積が実施例1に比べ二倍以上と大型
化してしまう。
【0254】上記の実施例1、2と各種の実施態様を示
す参考例を表4(実施例B1とB2、および、参考例b
1〜b8、比較例B1〜B3)にまとめた。
【0255】また、画像表示用の画素電極ではなくベタ
電極を備え、フルカラーの照明装置等に用いるような、
より簡単な構造の場合の液晶光学装置について、光学的
計算により性能比較を行いその結果(参考例A1〜A
6、比較例A1〜A3)を表3に示す。
【0256】この光学的計算での、各構成要素の近似的
な性能値や条件等を表5に示す。実際の楕円鏡や反射型
液晶光学素子の光学的な動作を完全にシミュレーション
するのは困難であるが、実用上で用い得る程度の近似解
が得られている。
【0257】
【表3】
【0258】
【表4】
【0259】
【表5】
【0260】(参考例9)実施例1のTFTが画素毎に
形成された反射型液晶表示素子の代わりに、図14に示
すように、反射型の空間光変調器を用いる。裏電極基板
643 としてFAPを用いる。FAPは屈折率の相対的に
大きなガラスをコア、屈折率の相対的に小さなガラスを
クラッドとする直径10μmの光ファイバーを束ねて融
着したものを、スライス・研磨したガラス基板である。
【0261】このFAPの片面に透明電極646 としてS
nO2 を成膜する。さらに、その上にアモルファスSi
光導電膜649 (膜厚10μm)、遮光膜650 としてCd
Te膜(膜厚1μm)を順次形成する。最後に、屈折率
1.45のSiO2 と屈折率2.35のTiO2 を交互
に各光学膜厚nd=λ/4(λ:各RGB波長帯におけ
る中心波長)で40層積層し、各々RGB波長帯で反射
率が99.9%以上となるような誘電体多層膜647 によ
る反射膜をその上に形成し裏電極基板643 を得る。
【0262】一方、表電極基板631 は実施例1と同じ
く、ガラス基板の一面に正規反射光を低減し透過光を極
端に低減しない程度の微細な凹凸が形成された面の上に
ITO透明電極635 が形成されたものを用いる。この裏
電極基板643 と表電極基板631の周辺部をシール材でシ
ールしてRGB3個のセル形状対角5インチの反射型セ
ルを作製する。
【0263】実施例1と同様に、これにΔnが約0.2
4、Δεが約16のネマチック液晶をアクリレートモノ
マー、二官能ウレタンアクリレートオリゴマー、光硬化
開始剤と均一に溶解した溶液をセルに注入し、紫外線露
光により液晶固化物複合体を硬化させ、液晶量が68w
t%の三個の反射型空間光変調器を作製する。
【0264】この三個の反射型空間光変調器の表電極基
板を、実施例1と同じく、平凸球面レンズの平面に接合
する。また、反射型空間光変調器の裏電極基板であるF
APに、FAPをフェイス・プレートとする対角有効表
示面4.5インチのCRTを接合し、書き込み入力画像
とする。
【0265】このようにして反射型液晶表示素子31、32、
33を作製し、実施例1と同じ投射型装置に組み入れる。
その結果、実施例1ではTFTの開口率67%に対応し
た光しか利用できないが、本参考例の構成とした結果、
実効的に開口率が向上し投射光束を約二割増加できる。
他の光学特性は実施例1とほぼ同じとなる。
【0266】本参考例では、光画像書き込み材料として
アモルファスSi光導電膜を用いるが、光導電材料とし
てCdS膜、アモルファスSe、BI12SiO20単結晶
等を用いてもよい。
【0267】また、遮光膜としてCdTe膜以外に、S
iとSiO2 を交互に光学膜厚(屈折率×膜厚)が遮光
波長帯域の中心波長λに対してλ/4になるように積層
した誘電体多層膜ミラーでもよいし、実施例1で記載し
た微細炭素粒子が感光性ポリマー中に分散された黒色か
つ電気絶縁性の高い感光性ポリマーでもよい。電気絶縁
性が高く、光吸収率の高い物質であれば用いることがで
きる。
【0268】(参考例10)参考例9の反射型の空間光
変調器として、CTPを利用した反射型液晶表示素子を
用いる。本参考例では、図15に示すように、CTP75
0 の片側に実施例1と同様の誘電体多層膜ミラー737 を
形成し、反射型液晶表示素子の裏電極基板750 として用
いる。
【0269】一方、表電極基板731 は実施例1と同じ
く、ガラス基板の一面に正規反射光を低減し透過光を極
端に低減しない程度の微細な凹凸が形成された面の上に
ITO透明電極735 が形成されたものを用いる。この裏
電極基板750 と表電極基板731の周辺部をシール材でシ
ールしてRGB3個のセル形状対角2インチの反射型セ
ルを作製する。
【0270】実施例1と同様に、これにΔnが約0.2
4、Δεが約16のネマチック液晶をアクリレートモノ
マー、二官能ウレタンアクリレートオリゴマー、光硬化
開始剤と均一に溶解した溶液をセルに注入し、紫外線露
光により液晶固化物複合体を硬化させ、液晶量が68w
t%の三個の反射型液晶素子を作製する。この反射型液
晶素子のCTP750 の片面に画像に対応した電圧入力方
法として種々の方式が考えられる。
【0271】例えば、予めCTP750 の誘電体多層膜ミ
ラーが形成されていない側の面にアモルファスSi膜の
ような光導電材料が形成され、その上に透明電極が成膜
されているCTPを裏電極基板として用い、表電極基板
731 の電極735 との間に一定の交流電圧を印加すること
によって、参考例9と同様の光画像書き込み型の反射型
空間光変調器が実現する。この場合、CTPの絶縁材料
として光吸収性の物質を用いることによって、参考例9
の遮光膜の機能を果たす。
【0272】別の例として、図16に示すように、CT
Pの片側にバンプ・ボンド760 を介してアクティブマト
リクス基板733 を接合してもよい。こうした構成とすれ
ばアクティブマトリクスの画素736 への印加電圧がCT
Pを通してそのまま液晶固化物複合体層732 に印加され
る。したがって、実施例1のようにアクティブマトリク
ス基板自体を反射型構成とする必要はなく、アクティブ
マトリクス基板の構成は透過型構成と全く同じでよい。
また、参考例9のように、光導電層を形成する必要はな
く、光書き込み用の入力画像を必要としないため構成が
単純になる。
【0273】また別の参考例として、図17に示すよう
に、CTP750 の片側にCRTに用いられる電子銃774
と電子レンズ773 を組み合わせて電荷をCTP面に走査
することによって、画像情報電圧をCTPを通してその
まま液晶固化物複合体層732に印加してもよい。
【0274】電子銃774 からはマイナス電荷しか供給で
きないが、図17に示すように、このCTP面に近接し
てメッシュ電極772 を配置し、その印加電圧を調整する
ことによって、CTP面の絶縁体物質771 の二次電荷放
出特性を操作できるため、結果的にCTP面にプラス電
荷を供給することもできる。このとき、高速にプラス電
荷を供給するために二次電荷放出係数の大きな絶縁体材
料、例えばMgOやCaF2 等をCTP面に形成するこ
とが好ましい。
【0275】また、電子銃書き込みの場合、CRT作製
プロセスを用いるため、反射型液晶表示素子の作製手順
は他のものと異なる。すなわち、図17に示されたCT
P750 をフェイス・プレートとするCRTを作製した
後、そのCTPを裏電極基板とした反射型セルを作製
し、さらに液晶固化物複合体を注入・露光して形成する
ことになる。
【0276】参考例9の空間光変調器の場合、書き込み
用の画像生成手段としてCRTや液晶表示素子を別途必
要としたが、図17のような構成の反射型液晶表示素子
とすることによって、蛍光体によって電荷エネルギーを
発光変換することなくCRTの電荷量情報を直接液晶固
化物複合体層に電圧として印加できるため構成が簡単に
なるとともに、蛍光体での発光変換に伴う解像度の劣化
およびエネルギー損失を低減できる。
【0277】CTPを裏電極基板として用いる場合、裏
電極基板面に占める導電体部分の面積が実効的な画素電
極面となるため、導体部の占有面積は大きいほど好まし
い。実際のCTP作製上導体部の占有面積には限界があ
るため、導線が比較的細い場合でも画素電極面積を大き
くするため、CTPの反射面側に画素電極を形成するこ
とが好ましい。
【0278】すなわち、CTPの表面に金属膜または透
明電極膜を形成した後、画素形状にパターニングすれば
よい。画素電極として反射率の高い銀膜やアルミニウム
膜を用いた場合は反射層としての作用も合わせ持つ。一
方、透明画素電極の場合、その上全面に誘電体多層膜反
射層を形成することにより高い反射率と耐久性が達成さ
れる。
【0279】(参考例11)実施例1の反射型液晶表示
素子の代わりに、図11に示すような反射型液晶光学素
子を用いる。裏電極基板である集光鏡基板533 は、球面
に近い楕円面を有するガラスで、その平面側に微細な凹
凸が形成され、その上に透明電極536 が形成されてい
る。その楕円面側にはRGB各波長域に対応した誘電体
多層膜ミラー537 が形成されている。その分光特性は実
施例1と同様である。
【0280】表電極基板531 は実施例1、2と同じく、
ガラス基板の一面に正規反射光を低減し透過光を極端に
低減しない程度の微細な凹凸が形成された面の上にIT
O透明電極535 が形成されたものを用いた。この裏電極
基板533 と表電極基板531 の周辺部をシール材でシール
してRGB三個のセル形状対角3インチの反射型セルを
作製し、液晶と光硬化性樹脂との相溶物を注入露光して
液晶固化物複合体を形成し、反射型液晶光学素子とす
る。
【0281】このようにして作製した反射型液晶光学素
子を、実施例1と同じ投射型装置に組み入れ、照明装置
として用いる。その結果、光源系と投射系の二種の開口
絞りを可変にし、三個の反射型液晶光学素子への印加電
圧を調整することにより、消光比1000:1以上であ
り、高速でフルカラーの調光が可能な小型の照明装置が
得られる。
【0282】
【発明の効果】本発明の投射型カラー液晶光学装置で
は、表電極基板と裏電極基板との間に挟持される液晶材
料として、電気的に散乱状態と透過状態とを制御し得る
液晶固化物複合体を挟持した反射型の液晶光学素子を用
いているため、偏光板が不要であり、従来のTN型液晶
光学素子に比して、透過時の光の透過率を大幅に向上で
き、明るい投射画像が得られる。
【0283】本発明で用いている反射型液晶光学素子
は、電圧の印加状態を変えることにより、高い散乱性と
高い透過性とを制御可能なものであり、透過型で用いる
よりも基板間隙が狭くてよいため、低電圧で駆動でき、
従来のTN型液晶光学素子用の駆動用ICを用いた駆動
においても、高コントラスト比を有し、かつ高輝度の表
示が可能になる。
【0284】特に、本発明では裏電極基板の反射膜とし
て誘電体多層膜による反射膜を用いているため、基板界
面材料との反応による光学的鏡面の劣化といった問題も
生じにくく、反射率の高い光吸収のない平坦な鏡面が得
られやすい。また、導電性がないので、配線電極との短
絡といった問題もない。
【0285】さらに、多層膜の構成によって選択反射性
を付与することができる。このため、吸収のない反射型
カラーフィルタとして機能させることが可能である。こ
れにより、薄い基板間隔が可能であり、それにより低電
圧駆動可能という利点を生かしつつ、明るく、コントラ
スト比のよい投射表示を得ることができる。
【0286】また、反射型素子における表電極基板の液
晶固化物複合体層と接する透明電極面に微細な凹凸を形
成し正規反射を低減しているため、液晶固化物複合体層
が散乱状態の時の投射像への界面反射光の重畳が低減さ
れ、高コントラスト投射が実現できる。
【0287】また、本発明で用いている反射型の液晶光
学素子は、偏光板を用いなくてもよいため、光学特性の
波長依存性が少なく、光源の色補正等がほとんど不要に
なるという利点も有する。また、TN液晶光学素子に必
須のラビング等の配向処理やそれに伴う静電気の発生に
よる能動素子の破壊という問題も避けられるので、液晶
光学素子の製造歩留りを大幅に向上させることができ
る。
【0288】さらに、この液晶固化物複合体は、硬化後
はフィルム状になっているので、基板の加圧による基板
間短絡やスペーサの移動による能動素子の破壊という問
題も生じにくい。
【0289】また、この液晶固化物複合体は、比抵抗が
従来のTN液晶光学素子の場合と同等であり、従来のD
SM液晶光学素子のように大きな蓄積容量を画素電極毎
に設けなくてもよく、能動素子の設計が容易で、有効画
素電極面積の割合を大きくしやすく、かつ、液晶光学素
子の消費電力を少なく保つことができる。
【0290】さらに、TN液晶光学素子の製造工程か
ら、配向膜形成工程を除くだけで製造が可能になるの
で、生産が容易である。また、この液晶固化物複合体を
用いた液晶光学素子は、応答時間が短いという特長もあ
り、動画の表示も容易である。さらに、この液晶光学素
子の電気光学特性(V−Tカーブ)は、TN液晶光学素
子に比して比較的なだらかな特性であるので、階調表示
への適用も容易である。
【0291】また、本発明に用いる液晶光学素子は、固
化物マトリクスの屈折率を使用する液晶のno とほぼ一
致するようにすることにより、電圧を印加しない部分で
は光が散乱されるため、画素以外の部分を遮光膜により
厳密に遮光しなくても投射時に光の漏れが少なく、隣接
画素間の間隙を遮光しなくとも支障ない。
【0292】このため、特に、能動素子として多結晶S
iによる能動素子を用いることにより、能動素子部分に
遮光膜なしまたは簡略な遮光膜を設けるのみで、高輝度
の投射用光源を用いることができ、高輝度の投射型液晶
光学装置を容易に得ることができる。さらにこの場合に
は遮光膜を全く設けなくてもよい、または簡略な遮光膜
のみでよいことになり、さらに生産工程を簡便化でき
る。ただし、反射型表示素子への入射光照度が非常に大
きな場合には、相対的に能動素子の遮光対策が必須とな
る。
【0293】また、色分離合成用のダイクロイックミラ
ーが二種二個の平板型ダイクロイックミラーからなり、
光学系における光軸とダイクロイックミラー面の法線と
のなす角度αが20°〜35゜となるように二個のダイ
クロイックミラーを交差させることなく順次配置し、二
種のダイクロイックミラー面のなす角度βが40゜〜7
0°となるように配置しているため、ダイクロイックミ
ラーの色分離合成の分光特性が優れている。その結果、
色純度の高いフルカラー投射光が得られるとともに、色
分離合成系が小型化された。
【0294】上述した各構成要素の配置構成によって、
光源系と色分離合成系と反射型液晶表示素子とからなる
光学系が小型化され得る。
【0295】また、反射型液晶光学素子によって反射さ
れた光が集光され、楕円鏡の第2焦点位置の開口と共役
な像を生成する位置に、その開口像の大きさに対応した
絞りを有する投射レンズを用いることにより、投射型液
晶光学装置全体の小型化が達成される。
【0296】さらに、光源系の絞りと投射系の絞りを連
動してその開口部を可変とすることによって、投射像の
コントラスト比および明るさが調整でき、周囲環境の明
るさに応じた視認性の高い表示が可能となる。
【0297】また、二種のダイクロイックミラーはその
面内位置の光入射角の相違に対応した分光透過率の相違
を低減するようにダイクロイックミラー面内の分光透過
率が面内位置で異なるように分布を有し、また、投射用
光源系において楕円鏡の第2焦点位置に配置された開口
絞り近傍に錐体状プリズムまたは錐体状反射体が配置さ
れているため、スクリーン投射光の面内光強度分布およ
び色分布の均一性が優れた投射型液晶光学が得られる。
【0298】また、反射型液晶光学素子の裏面電極基板
として片面に反射膜が形成されたCTPを用いることに
より、画像情報に対応した電圧印加が容易となる。特
に、CRTを電化像供給手段とする反射型液晶光学素子
に有効である。
【0299】また、本発明の反射型液晶表示素子の裏電
極基板は、基板上に複数の行配線と、複数の列配線と、
その交点近傍に能動素子が設けられ、その上全面に誘電
体多層膜ミラーが形成され、さらにその上に画素表示用
の透明電極がパターニング形成され、誘電体多層膜ミラ
ー層に形成されたコンタクトホールを通して画素透明電
極が能動素子に導通される構成となっている。
【0300】その結果、能動素子および裏面電極基板材
料と画素構成との密接な関係がなくなるため、素子構成
の選択自由度が増すとともに、大きな開口率を達成でき
る。そのため、さらに明るい投射像が得られる。
【0301】本発明は、この外、本発明の効果を損しな
い範囲内で種々の応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投射型カラー液晶光学装置の構成を示
す平面図。
【図2】本発明の投射型カラー液晶光学装置(構成要素
の一部を省略している)の構成を示す側面図。
【図3】本発明の錐体状プリズムを用いた光源系の構成
の一例を示す断面図。
【図4】本発明の錐体状反射体を用いた光源系の構成の
一例を示す断面図。
【図5】本発明の反射性裏電極を備えた液晶光学素子の
一例を示す断面図。
【図6】本発明の裏基板の裏面に反射面が備えられた液
晶光学素子の断面図。
【図7】本発明の反射機能層を備えた反射手段と液晶光
学素子とが空間を隔てて配置された一例を示す断面図。
【図8】界面反射低減の第1手段(凹凸面)を設けた本
発明の液晶光学素子の断面図。
【図9】界面反射低減の第2手段(反射防止膜)を設け
た本発明の液晶光学素子の断面図。
【図10】界面反射低減の第3手段(傾き)を設けた本
発明の液晶光学素子の断面図。
【図11】本発明の裏基板に集光鏡を設けた液晶光学素
子の断面図。
【図12】空間的に隔てて配置されて集光性反射手段と
液晶光学素子とが組み合わされた本発明の一例を示す断
面図。
【図13】能動素子と遮光膜との間に反射膜が設けられ
た本発明の液晶光学素子の一例を示す断面図。
【図14】光導電層と反射膜が設けられた本発明の液晶
光学素子の一例を示す断面図。
【図15】裏電極基板として片面に誘電体多層膜ミラー
が形成されたCTPを用いた液晶光学素子の一例を示す
断面図。
【図16】裏電極基板として片面に誘電体多層膜ミラー
が形成されたCTPを用い、能動素子基板とバンプ・ボ
ンドで接合された液晶光学素子の一例を示す断面図。
【図17】裏電極基板として片面に誘電体多層膜ミラー
が形成されたCTPを用い、CRTで電化像を供給する
液晶光学素子の一例を示す断面図。
【図18】ダイクロイックプリズムを用いた投射型液晶
光学装置の従来例を示す平面図。
【図19】ダイクロイックプリズムを用いた投射型液晶
光学装置の従来例を示す側面図。
【図20】交差型平板ダイクロイックミラーを用いた投
射型液晶光学装置の従来例を示す平面図。
【図21】交差型平板ダイクロイックミラーを用いた投
射型液晶光学装置の従来例を示す側面図。
【図22】粘弾性体の変形を利用した反射型表示素子と
順次配置型平板ダイクロイックミラーとを用いた投射型
光学装置の従来例1を示す平面図。
【図23】粘弾性体の変形を利用した反射型表示素子と
順次配置型平板ダイクロイックミラーとを用いた投射型
光学装置の従来例2を示す平面図。
【図24】粘弾性体の変形を利用した反射型表示素子と
順次配置型平板ダイクロイックミラーとを用いた投射型
光学装置の従来例3を示す平面図。
【図25】楕円鏡と球面鏡とが組み合わされ、さらに錐
体状プリズムが用いられた本発明の光源系の構成の一例
を示す断面図。
【図26】能動素子の画素電極が誘電体多層膜ミラー上
の透明画素電極とコンタクトホールを介して導通された
本発明の二重電極構造を示す断面図。
【図27】本発明の投射型カラー液晶光学装置の一例を
模式的に示す斜視図。
【図28】本発明のブラックマトリクス・オン/TFT
(第3の電極構造)の平面図。
【図29】本発明のブラックマトリクス・オン/TFT
(第3の電極構造)の断面図。
【図30】本発明の投射型カラー液晶光学装置の一例の
平面図。
【図31】TFT駆動のDSM液晶表示素子とダイクロ
イックプリズムブロックを用いた投射型液晶光学装置の
従来例を示す平面図。
【図32】本発明の投射型カラー液晶光学装置の反射機
能層の前後での光路を模式的に示した斜視図。
【符号の説明】
1:光源系 2:色分離合成光学系 4:投射光学系 42:投射レンズ 5:中心光軸 11:光源 12:楕円鏡 13:開口絞り 14:錐体状プリズム 15a、15b:錐体状反射体 21、22:ダイクロイックミラー 31、32、33:反射型液晶光学素子ブロック 31A、32A、33A:反射型液晶光学素子 31B、32B、33B:集光レンズ 41:第2の開口絞り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芹澤 成幸 東京都千代田区丸の内二丁目1番2号 旭 硝子株式会社内 (72)発明者 尊田 嘉之 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 欅田 昌也 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町松原1160番 地 エイ・ジー・テクノロジー株式会社内 (72)発明者 平井 良典 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源系と、色分離合成光学系と、光変調手
    段と、投射光学系とが設けられた投射型カラー液晶光学
    装置であって、 色分離合成光学系には第1の色分離合成手段と第2の色
    分離合成手段とが備えられ、 光変調手段には、三つの集光手段と、三つの液晶光学素
    子と、三つの反射機能層とが設けられ、 液晶光学素子は透明表電極付きの表基板と、裏電極付き
    の裏基板との間にネマチック液晶が固化物マトリクスに
    分散保持され、電圧の印加時と非印加時のいずれか一方
    の時に固化物マトリクスの屈折率とネマチック液晶との
    屈折率がほぼ一致せしめられ、透過散乱モードで動作す
    る液晶固化物複合体層が挟持され、 色分離合成光学系には、二つの色分離合成手段が或る水
    平面上でなす角度βが40゜〜70°の範囲に配置さ
    れ、 投射光学系は前記水平面に対するほぼ垂直面上で、光源
    系から投射光学系に至る光軸があおり投射を形成するよ
    うに配置され、 光源から斜め上方に(下方に)出射された光は、光軸に
    沿って、色分離合成光学系と光変調手段とを経由して進
    行せしめられ、 第1の色分離合成手段は光軸に対する入射角度α1が2
    0°〜35゜の範囲に設けられ、また、第2の色分離合
    成手段は光軸に対する入射角度α2が20°〜35゜の
    範囲に設けられ、 光は色分離合成手段によって三つの色光に分離せしめら
    れ、各色光に対応した集光手段によって集光され、各色
    光に対応した液晶光学素子によって変調せしめられ、各
    色光に対応した反射機能層によって入射角度γが1゜〜
    20゜となるように反射され、 各色光に対応した集光手段によって集光され、 色分離合成光学手段によって色合成され、投射光学系に
    入射せしめられることを特徴とする投射型カラー液晶光
    学装置。
  2. 【請求項2】請求項1の投射型カラー液晶光学装置にお
    いて、入射角度α1と入射角度α2とがほぼ等しくせし
    められ、かつ、入射角度γが2゜〜10゜の範囲とされ
    たことを特徴とする投射型カラー液晶光学装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2の投射型カラー液晶光学
    装置において、集光手段は、三つの液晶光学素子の前面
    にそれぞれ付設または近設せしめられてなることを特徴
    とする投射型カラー液晶光学装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項の投射型カラ
    ー液晶光学装置において、三つの反射機能層は三つの液
    晶光学素子にそれぞれ設けられてなることを特徴とする
    投射型カラー液晶光学装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項の投射型カラ
    ー液晶光学装置において、三つの集光手段は三つの液晶
    光学素子と、第1の色分離合成手段または第2の色分離
    合成手段のいずれか一つとの間にそれぞれ配置され、そ
    して、チャージ・トランスファー・プレート(CTP)
    が裏基板として用いられ、前記反射機能層はCTPと液
    晶固化物複合体層との間に配置されてなることを特徴と
    する投射型カラー液晶光学装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項の投射型カラ
    ー液晶光学装置において、光源系は楕円鏡と光源と開口
    絞りとからなり、楕円鏡の第1焦点近傍に光源の発光部
    が配置され、楕円鏡の第2焦点近傍に開口絞りの開口が
    位置するように開口絞りが配置され、開口近傍に錐体状
    プリズムまたは錐体状反射体が配置されてなることを特
    徴とする投射型カラー液晶光学装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項の投射型カラ
    ー液晶光学装置において、表基板は透明絶縁性基板上に
    透明電極が形成され、裏基板には、複数の行配線と、複
    数の列配線と、前記行配線と前記列配線の交点近傍に能
    動素子が設けられ、前記行配線、前記列配線、前記能動
    素子の一部もしくは全部を覆うように誘電体多層膜ミラ
    ーが形成され、さらに、前記誘電体多層膜ミラー層上に
    形成された透明電極が画素表示用の裏電極として用いら
    れてなることを特徴とする投射型カラー液晶表示装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項の投射型カラ
    ー液晶光学装置において、 表基板には透明絶縁性基板上に透明電極が形成され、裏
    基板には、複数の行配線と、複数の列配線と、前記行配
    線と前記列配線の交点近傍に画素電極を駆動する能動素
    子とが設けられ、さらに第3の電極が設けられ、 前記第3の電極は、前記行配線、前記列配線、前記能動
    素子の一部もしくは全部を覆うか、および/または、隣
    接する画素電極の間隙をほぼ覆うように配置され、前記
    第3の電極と表電極との間の電気的ポテンシャルは液晶
    固化物複合体層のしきい値以下にされたことを特徴とす
    る投射型カラー液晶表示装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項の投射型カラ
    ー液晶光学装置において、色分離合成手段の少なくとも
    いずれか一方は、その光学面上での位置による入射角度
    による分光透過特性の差を補償する機能を備えてなるこ
    とを特徴とする投射型カラー液晶表示装置。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか1項の投射型カ
    ラー液晶光学装置において、反射機能層に、屈折率が相
    対的に高い透光性誘電体薄膜と屈折率が相対的に低い透
    光性誘電体薄膜とが交互に積層された誘電体多層膜ミラ
    ーが用いられてなることを特徴とする投射型カラー液晶
    光学装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれか1項の投射型
    カラー液晶光学装置において、表基板の界面か、透明電
    極面の表面に微細な凹凸が形成されてなることを特徴と
    する投射型カラー液晶光学装置。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれか1項の投射型
    カラー液晶光学装置において、反射機能層に、色分離合
    成手段の色純度を補償する波長選択反射性が備えられて
    なることを特徴とする投射型カラー液晶光学装置。
  13. 【請求項13】請求項1〜12のいずれか1項の投射型
    カラー液晶光学装置において、集光手段か、反射機能層
    か、液晶光学素子のいずれか一つに、色分離合成手段の
    色純度を補償する波長選択吸収性が備えられてなること
    を特徴とする投射型カラー液晶光学装置。
  14. 【請求項14】請求項5の投射型カラー液晶光学装置に
    おいて、CTPと液晶固化物複合体との間に形成された
    反射面は画素に分割された電極を有することを特徴とす
    る投射型カラー液晶光学装置。
  15. 【請求項15】請求項6の投射型カラー液晶光学装置に
    おいて、楕円鏡の第2焦点近傍に配置された開口絞りの
    開口の光学的共役像が生成される位置に、第2の開口絞
    りが設けられたことを特徴とする投射型カラー液晶光学
    装置。
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