JPH0627456A - 表示パネルおよびそれを用いた投写型表示装置 - Google Patents

表示パネルおよびそれを用いた投写型表示装置

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JPH0627456A
JPH0627456A JP5109232A JP10923293A JPH0627456A JP H0627456 A JPH0627456 A JP H0627456A JP 5109232 A JP5109232 A JP 5109232A JP 10923293 A JP10923293 A JP 10923293A JP H0627456 A JPH0627456 A JP H0627456A
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JP
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light
thin film
liquid crystal
display panel
substrate
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Application number
JP5109232A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Takahara
博司 高原
Hideki Omae
秀樹 大前
Shinya Mito
真也 三戸
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高輝度、高コントラスト表示ができる表示パ
ネルを提供する。 【構成】 対向電極41bとガラス基板12および液晶
17との間に誘電体薄膜41a、41cを形成する。薄
膜は屈折率が1.6〜1.8の材料で形成する。薄膜4
1a、41cは光学的膜厚をλ/4(λはピーク波長)
に、対向電極41bは光学的膜厚をλ/2にする。他面
にはVコート方式による反射防止膜19を形成する。各
画素は反射電極15を有し、TFTへの信号により反射
電極15上の液晶を配向させる。液晶には高分子分散液
晶を用いる。入射光は反射防止膜41側より入射し、液
晶層17を通り反射電極15で反射されて再びガラス基
板12から出射する。 【効果】 反射防止膜41、19により反射光が極めて
少なくなる。したがって、高コントラスト表示が実現で
きる。また高分子分散液晶を用いるため偏光板が不要と
なり高輝度表示を行なえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として小型の液晶パ
ネルに表示された画像をスクリーン上に拡大投写する投
写型表示装置(以後、液晶投写型テレビと呼ぶ)と、主
として前記液晶投写型テレビのライトバルブとしてに用
いる表示パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルは軽量、薄型など数多くの特
徴を有するため、研究開発が盛んである。しかし、大画
面化が困難であるなどの問題点も多い。そこで近年、小
型の液晶パネルの表示画像を投写レンズなどにより拡大
投映し、大画面の表示画像を得る液晶投写型テレビがに
わかに注目をあつめてきている。現在、商品化されてい
る液晶投写型テレビは液晶の旋光特性を利用したツイス
トネマティック(以後、TNと呼ぶ)液晶パネルが用い
られている。
【0003】以下、従来の液晶パネルについて説明す
る。ただし、説明に不要な箇所は省略しており、また、
図面を見易くするためにモデル的に描いている。以上の
ことは以後の図面に対しても同様である。
【0004】(図34)はアクティブマトリックス型液
晶パネルの等価回路図である。一つの画素には画素に印
加する信号を制御するスイッチング素子としての薄膜ト
ランジスタ(以降、TFTと呼ぶ)334が形成されて
いる。前記TFT334はゲート信号線G1〜Gmに印
加する信号によりオンオフの動作を行ない、オン状態の
時、ソース信号線S1〜Snに印加されている信号が各
画素に印加される。また、各画素は対向電極と画素電極
間で形成されるコンデンサとみなせる液晶336と補助
容量343を有している。なお、342はゲート信号線
i(ただし、iは1からm)にオンオフの電圧を印加
するゲートドライブICであり、341は映像信号をソ
ース信号線Sj(ただし、jは1からn)に印加するソ
ースドライブICである。
【0005】(図33)は従来のTN液晶パネルの断面
図である。TFT334等が形成されたアレイ基板33
2と対向電極基板331は4〜6μmの間隔で保持さ
れ、前記基板間にTN液晶336が注入されている。表
示領域の周辺部は封止樹脂(図示せず)で封止されてい
る。338はクロムなどで形成されたブラックマトリッ
クス(以降、BMと呼ぶ)、333はITOなどの透明
物質で形成された対向電極、335は画素電極、94は
薄膜トランジスタ(以後、TFTと呼ぶ)、337a、
337bは配向膜である。
【0006】従来のTN液晶パネルの製造方法について
簡単に説明しておく。まず、アレイ基板332と対向電
極基板331にはそれぞれ配向膜337a、337bが
塗布され、ラビング工程により配向処理される。その
後、アレイ基板332の周辺部にTN液晶336の注入
口を残して封止樹脂(図示せず)が塗布される。また、
対向電極基板331上に均一な液晶膜厚を得るためのビ
ーズを散布する。次に、対向電極基板331とアレイ基
板332を貼り合わせる。その後、紫外線を照射または
加熱することにより封止樹脂を硬化させる。次に貼り合
わせた前記基板を真空室に入れ、アレイ基板332と対
向電極基板331のギャップ内を真空状態にした後、液
晶の注入口を液晶に浸す。その後、真空室の真空を破る
と、液晶は注入口からギャップ内に注入される。最後に
注入口を封止して完成する。
【0007】以下、従来の液晶投写型テレビについて図
面を参照しながら説明する。(図32)は従来の液晶投
写型テレビの構成図である。(図32)において、32
1は集光光学系、322は赤外線および紫外線を透過さ
せるUVIRカットミラー、323aは青色光反射ダイ
クロイックミラー(以後、BDMと呼ぶ)、323bは
緑色光反射ダイクロイックミラー(以後、GDMと呼
ぶ)、323cは赤色光反射ダイクロイックミラー(以
後、RDMと呼ぶ)、324a,324b,324c,
326a,326b,326cは偏光板、325a,3
25b,325cは透過型のTN液晶パネル、327
a,327b,327cは投写レンズである。
【0008】以下、従来の液晶投写型テレビの動作につ
いて(図32)を参照しながら説明する。まず、集光光
学系321から出射された白色光はBDM323aによ
り青色光(以後、B光と呼ぶ)が反射され、前記B光は
偏光板324aに入射される。BDM323aを透過し
た光はGDM323bにより緑色光(以後、G光と呼
ぶ)が反射され偏光板324bに、また、RDM323
cにより赤色光(以後、R光と呼ぶ)が反射され偏光板
324cに入射される。偏光板324は各色光の縦波成
分または横波成分の一方の光のみを透過させ、光の偏光
方向をそろえて各液晶パネル325に光照射させる。こ
の際、50%以上の光は前記偏光板で吸収され、透過光
は入射光の半分以下となってしまう。
【0009】各液晶パネルは映像信号により入射光を変
調する。変調された光はその変調度合により各偏光板3
26a,326b,326cを透過し、各投写レンズ系
327a,327b,327cに入射して、前記レンズ
系によりスクリーン(図示せず)に拡大投映される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述の説明でも明らか
なように、TN液晶を用いた液晶パネルは、偏光板を用
いて入射光を直線偏光にする必要がある。また、液晶パ
ネルの出射側にも液晶パネルで変調された光を検出する
ため、偏光板を配置する必要がある。つまり、TN液晶
パネルの前後には光を直線偏光にするための偏光板(以
後、偏光子と呼ぶ)と変調された光を検出するための偏
光板(以後、検光子と呼ぶ)の2枚の偏光板を配置する
必要がある。液晶パネルの画素開口率を100%とし、
偏光子に入射する光量を1とすると偏光子より出射する
光量は40%、液晶パネルの透過率は80%、検光子の
透過率は80%となるから、全体としての透過率は0.
4×0.8×0.8=約25%となり、25%の光しか
有効に利用できない。したがってTN液晶パネルでは低
輝度画像表示しか実現できない。
【0011】偏光板等で損失した光はほとんどが偏光板
に吸収されて熱に変換される。熱は偏光板自身および輻
射熱等により液晶パネルを加熱する。液晶投写型テレビ
の場合、偏光板に入射する光量は数万ルクス以上とな
る。したがって、液晶投写型テレビにTN液晶パネルを
用いた場合、偏光板およびパネル等は高温状態となり、
短期間で著しい性能劣化をひきおこす。
【0012】また、TN液晶パネルは配向膜を塗布し、
ラビング処理が必要である。ラビング処理等は工程数を
増加させ、製造コストの増大をひきおこす。また、近
年、液晶投写型テレビに用いる液晶パネルの画素数は3
0万画素以上と大容量となり、それにつれ画素サイズは
微細化の傾向にある。画素の微細化は信号線、TFTの
凹凸を多数形成することになり、前記凹凸により良好に
ラビング処理を行なえなくなったことは当然である。ま
た、画素サイズの微細化は1つの画素に占めるTFTお
よび信号線の形成面積が大きくなり画素開口率を低減さ
せる。一例として対角3インチの液晶パネルで35万画
素形成した場合、画素開口率は約30%である。150
万画素形成した場合は10%弱という予測値もある。こ
れらの画素開口率の低減は表示画像の低輝度化にとどま
らず、入射光開口部以外に照射された光により、さらに
液晶パネルは加熱されることになり前述の性能劣化を加
速する。
【0013】TN液晶は、画素電極に印加した電圧によ
り液晶の配向状態を変化させ光変調を行なう。TN液晶
パネルの入射側と出射側にはそれぞれ偏光板が配置さ
れ、前記偏光板の偏光軸は直交させている。入射側の偏
光板(以後、偏光子と呼ぶ)の偏光軸と液晶表示装置の
光入射面の基板の配向軸とは一致もしくは直交させてい
る。一般的にTN液晶パネルは電圧印加状態で黒表示を
行えるモード(NWモード)で使用する。
【0014】NWモードの液晶パネルの表示画像は色再
現性はよいが、課題として、画素周辺部からの光もれが
ある。これは液晶分子が正規の配向方向と逆方向に配向
することからおきる。この配向状態を逆チルド・ドメイ
ンと呼ぶ。これは画素電極と信号線間に発生する電界に
より液晶分子の立ち上がり方向が部分的に逆になること
より生じる。液晶分子の立ち上がり方向が逆になった部
分は電圧が印加されているにもかかわらず光は出射面の
偏光板(以後、検光子と呼ぶ)を通過する。つまり光も
れが生じる。正常な液晶の立ち上がり方向であれば光も
れは生じない。
【0015】光もれを防止する方法として対向電極上に
形成する遮光膜(以後、ブラックマトリックスと呼ぶ)
の幅を太くする方法があるが、これも、画素閉口面積を
低下させることとなり、表示輝度を低下させることが、
有効な方法とは言えない。
【0016】以下のようにTN液晶を用いる液晶パネル
は、偏光板を用いる必要がある。また、画素周辺部に光
ぬけが発生しやすいため、ブラックマトリックスを太く
しなければならない。したがって、光利用率が悪く、表
示輝度は低い。ブラックマトリックスに照射された光は
液晶パネルを加熱することになり、パネル温度を上昇さ
せ、パネルの寿命を短くする。
【0017】同様に、前記TN液晶パネルをライトバル
ブとして用いる投写型表示装置も、光利用率が悪く、投
写画像のスクリーン輝度は低い。そこで、偏光板を用い
ない高分子分散(PD)液晶パネルを用いた投写型表示
装置が提案されている。一例として特開平3−9422
5号公報があげられる。前記投写型表示装置に用いるラ
イトバルブとしてのPD液晶パネルは入射光を散乱ある
いは透過させることにより光変調を行なう。PD液晶パ
ネルの課題は表示コントラストが低い点である。前記表
示コントラストを向上させる有効な方法は提案されてい
ない。
【0018】光散乱状態の変化により光学像を形成する
液晶パネルの他の一例として、例えば熱書き込みモー
ド、動的散乱モード、強誘電性液晶を利用するものがあ
る。PLZTも光散乱状態の変化として光学像を形成で
きることが知られている。本発明の表示パネルは光変調
層として高分子液晶を用いるとして説明するが、前記熱
書き込みモード、PLZT等を本発明の表示パネルの光
変調層として用いてもよい。
【0019】高分子分散液晶パネルの動作について(図
31(a)(b))を用いて簡単に述べる。(図31
(a)(b))は高分子分散液晶パネルの動作の説明図
である。(図31(a)(b))において、311はア
レイ基板、313は画素電極、312は対向電極、31
6は対向電極基板、315はポリマーであり、31は前
記ポリマー315中に分散された水滴状の液晶(以後、
水滴状液晶と呼ぶ)である。画素電極313にはTFT
(図示せず)等が接続され、TFTのオン、オフにより
画素電極に電圧が印加されて、画素電極上の液晶配向方
向を可変させて光を変調する。(図31(a))に示す
ように電圧を印加していない状態では、それぞれの水滴
状液晶314は不規則な方向に配向している。この状態
ではポリマー315と水滴状液晶314とに屈折率差が
生じ、入射光は散乱する。ここで(図31(b))に示
すように画素電極313に電圧を印加すると液晶の方向
がそろう。液晶が一定方向に配向したときの屈折率をあ
らかじめポリマー315の屈折率と合わせておくと、入
射光は散乱せずにアレイ基板311より出射する。
【0020】高分子分散液晶を用いて高品位の画像表示
を実現しようとすると散乱状態での光の透過量(以後、
散乱光量と呼ぶ)と、透過状態での光の透過量(以後、
透過光量と呼ぶ)の比(以後、コントラストと呼ぶ)を
大きくとる必要がある。コントラストが小さいと階調表
示特性が悪くなる。投写型表示装置を構成する場合はコ
ントラストは100以上必要である。高分子分散液晶は
偏光板を用いる必要がないから画素の開口率を100%
とすると、光の利用効率は80〜85%程度もある。し
たがって、表示輝度は十分である。表示コントラストを
大きくするためには散乱光量を低減すればよい。散乱光
量を低減するためには散乱特性を完全拡散特性に近づけ
ればよい。
【0021】光散乱状態の変化として形成されたライト
バルブ上の光学像を輝度の変化に変換するには、ライト
バルブの出射光のうち一定の立体角の光だけを取りだ
し、その立体角に入る光量が光散乱状態により変化する
ことを利用する。この方法には、中心遮蔽型とアパーチ
ャー型の2種類がある。中心遮蔽型は透明状態の場合に
光が遮蔽されスクリーン上に到達しないようにする方法
であり、ライトバルブが光散乱状態の場合に、遮光板に
遮光されない光がスクリーン上に到達する。アパーチャ
ー型は、指向性の中心方向に進む光を利用するもので、
散乱度が大きくなると液晶パネルの画素から投写レンズ
に入射する光量が低下する。中心遮蔽型はコントラスト
は有利であるが、構成が複雑であり、投写画像が暗いと
いう問題がある。アパーチャー型は構成が簡単であり、
明るい投写画像を得ることができるが、中心遮蔽型に比
較して、また、TN液晶パネルを用いたものと比較して
投写画像の表示コントラストが低いという問題があっ
た。この問題は散乱により光学像を形成するライトバル
ブでは共通の問題であった。この問題を解決する方法と
して、投写レンズの集光する立体角を小さくすることが
考えられるが、これは投写画像の明るさの低下を招くの
で、投写画像が明るいという特徴がなくってしまう。
【0022】高分子分散液晶の表示コントラストを向上
させるためには光変調を行なう変調層を完全拡散特性に
近づければよい。完全拡散状態に近づける方策として、 (1)液晶材料とくに液晶分子の異常光屈折率neと常
光屈折率noとの差△nが大きい材料を用いる。 (2)液晶の膜厚を厚くする。 ことが考えられる。
【0023】(1)については、シアンビフェニール系
の液晶材料があり、△nも0.2を越えるものがある。
しかし、劣化等が生じやすく、また温度特性もあまり良
好とは言えない。また、高分子分散液晶の電圧無印加状
態での屈折率nxは、 nx =(ne + 2no)/3 で示される。したがって、neを大きくしても、あまり
大きく散乱特性を向上できるものではない。
【0024】(2)のように液晶の膜厚を厚くして完全
拡散特性に近づける方法は簡単である。実験によれば、
液晶膜厚20μm程度でほぼ完全拡散特性を実現でき
る。しかし、その時の駆動電圧は10(V)を越える。
液晶に劣化防止の観点から交流駆動を行なう必要がある
から、±10(V)の信号を用いなければ液晶を透過状
態にすることができない。信号出力を行なうソースドラ
イブICの出力は現状では±6(V)程度である。これ
以上高くすることはICの発熱を引き起こし、望ましく
ない。特に画素数が多くなるほど動作クロックも高くな
り、±10(V)の駆動は実現不可能である。また、T
FTに与える電圧ストレスも高くなる。
【0025】そこで、液晶パネルを反射型にして用いる
方法がある。反射型とは基板の一方に反射電極を形成
し、前記基板と透明電極を形成した基板との間に高分子
分散液晶を狭持させて用いる方法である。光は透明電極
側より入射し、反射電極で反射されて再び前記透明電極
側から出射する。つまり、光は入射時と出射時の2回液
晶層を通過する。したがって、液晶膜厚を実装時に実際
の2倍の膜厚に形成したことになる。駆動電圧は従来の
±6(V)で十分駆動できる。
【0026】以上のように、反射型液晶パネルでは入射
光は入射時と出射時の2回液晶層を通過することにな
り、透過型液晶パネルの半分の液晶膜厚で同等の散乱性
能が得られる。液晶の膜厚が透過型と同一でかつ駆動電
圧も同一であれば、反射型にすることにより光の完全拡
散状態を達成することができ、コントラストを向上でき
る。
【0027】しかし、反射型構成では空気と対向電極基
板の界面、対向電極となるITO薄膜と前記基板の界
面、前記ITO薄膜と液晶層の界面でそれぞれ生ずる反
射光がコントラストを低下させる。
【0028】異なる2つの屈折率nA、nBの境界面で生
ずる反射率R(%)は(数1)で求められる。
【0029】
【数1】
【0030】対向電極基板をガラスで形成した場合、通
常、ガラス基板の屈折率を1.52、空気の屈折率を
1.0とすると、ガラス基板と空気との境界面で生じる
反射率は約4%となる。
【0031】また、2つの屈折率nA、nBの間に屈折率
C、膜厚dの薄膜が形成されている場合、波長λでの
反射率R(%)は(数2)で求められる。
【0032】
【数2】
【0033】対向電極となる透明導電性薄膜としてIT
O薄膜を用いた場合、この屈折率を2.0とし、ガラス
基板の屈折率を1.52、液晶層の屈折率を1.6とす
ると、反射率は薄膜の膜厚によって、ある特定の波長で
は最大約6%にもなる。
【0034】したがって、上記のような液晶パネルを用
いて反射型構成とした場合、最大約10%の光が液晶層
に入射せず反射されてしまう。反射光はコントラストの
低下を招き、反射率が10%の場合、コントラストは最
高でも100/10≒10しか実現できない。
【0035】液晶パネルが透過型であっても、(数1)
で示される反射率R(%)の損失は生じる。反射率Rが
10%あれば、90%の光しか利用することができな
い。前記反射した光は基板あるいはレンズ間で反射する
迷光となり、表示コントラスト、特にウィンドパターン
表示時のコントラストを低下する。また、液晶層内で乱
反射をくりかえし、画素の隣かくをにじませるなど、解
像度の低下もひきおこす。このことは、反射型パネルに
対してもの共通事項である。また、高分子分散液晶にか
ぎらずとも、光散乱状態の変化として光学像を形成する
光変調層を有する表示パネルに共通の事項である。
【0036】以上のように、高分子分散液晶パネルおよ
び前記パネルをライトバルブとして用いる投写型表示装
置は、高輝度表示は実現できるが、高コントラスト表示
を実現することができなかった。本発明は前述の高輝度
および高コントラスト表示が両立できる表示パネルおよ
び投写型表示装置を提供するものである。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明の表示パネルは、
対向電極基板に形成するITO薄膜と対向電極基板の間
に、屈折率が1.50以上1.70以下の屈折率を有す
る誘電体で薄膜を形成する。前記薄膜の光学的膜厚はλ
/4である。λは液晶パネルが変調する光の設計主波
長、つまり中心波長である。また、ITO薄膜は光学的
膜厚のλ/2にする。ガラス基板上に誘電体薄膜をλ/
4、次に対向電極としてのITO薄膜をλ/2積層す
る。このように薄膜を積層して光の干渉効果を利用する
ことにより広帯域の波長領域においてガラス基板とIT
O薄膜の境界面およびITO薄膜と液晶層の境界面に生
ずる反射を極めて少なくすることができる。
【0038】第2の発明の表示パネルは、対向電極基板
に形成するITO薄膜の前後に、対向電極基板を形成す
るガラスの屈折率と、対向電極にくるITO薄膜の屈折
率の間の屈折率の誘電体薄膜を形成する。前記薄膜の光
学的膜厚はλ/4である。λは液晶パネルが変調する設
計主波長、つまり中心波長である。また、ITO薄膜は
光学的膜厚のλ/2にする。つまり、ガラス基板上に誘
電体薄膜をλ/4、次に対向電極としてのITO薄膜を
λ/2、次に再び誘電体薄膜をλ/4積層する。好まし
くは誘電体薄膜の屈折率は1.6以上1.8以下にす
る。このように薄膜を積層して光の干渉効果を利用する
ことにより広帯域の波長領域においてガラス基板とIT
O薄膜の境界面、およびITOまくと液晶層の境界面に
生ずる反射を極めて少なくすることができる。
【0039】第1の発明および第2の発明の表示パネル
において、誘電体薄膜の屈折率をn 1、ITO薄膜の屈
折率をn2、電圧無印加状態での高分子液晶または光変
調層の屈折率をn3としたとき、n2〉n1〉n3なる関係
となるようにする。
【0040】なお、本発明の表示パネルを、赤色光(R
光)、緑色光(G光)および青色光(B光)を変調する
ライトバルブとして用いてカラー表示投写型表示装置を
構成し、かつ、前記投写型表示装置の表示コントラスト
にシビアな値が要望されていない時は、前記の誘電体薄
膜を用いることなく、ITO薄膜をλ/2にしただけで
もよい。
【0041】また、本発明の表示パネルのガラス基板が
空気と接する面には3層の薄膜からなるマルチコート反
射防止膜もしくは2層の薄膜からなるVコート反射防止
膜をほどこし空気との屈折率差による反射光を防止す
る。このようにして、空気と液晶層間の反射光を防止す
る。
【0042】本発明の表示パネルは電極基板と画素電極
が形成されたアレイ基板間に高分子分散液晶等を狭持さ
せたものである。画素電極は従来の透過型液晶パネルの
画素電極を金属薄膜で反射電極にした構成、あるいは、
TFT上に絶縁膜を形成し前記絶縁膜上に反射電極を形
成した上前記反射電極とTFTのドレイン端子を接続し
た構成である。また、薄膜、ITO薄膜を含む多層薄膜
構成を画素電極としてパターニングし、金属薄膜を形成
した基板と前記画素電極が形成された基板間に高分子分
散液晶を狭持させて液晶パネルを構成してもよい。
【0043】本発明の液晶投写型テレビは、本発明の表
示パネルを用いて構成したものである。メタルハライド
ランプあるいはクセノンランプなどの光発生源と前記光
発生源が放射する光を表示パネルに導くレンズ等の光学
系および、表示パネルで変調された光を投映するレンズ
系を具備している。
【0044】カラー表示画像を得るためには、R光、G
光およびB光を変調する3枚の表示パネルを用いて構成
する。その際、各表示パネルでは反射光が生じないよう
に変調する光の中心波長に応じて誘電体薄膜、ITO薄
膜の膜厚を変化させる。また、空気とガラス基板との接
触面にも光のピーク波長に応じてはVコートによる反射
防止膜を形成している。
【0045】本発明のビューファインダは以下のとおり
である。発光素子の小領域発光部から広い立体角に放射
された光は、集光レンズにより平行に近く指向性の狭い
光に変換され、光変調手段である本発明の表示パネルに
入射する。
【0046】前記表示パネルは映像信号に応じて集光レ
ンズからの出射光を変調して映像を表示する。表示画像
は観察者の眼と前記表示パネル間に配置された拡大レン
ズで拡大してみることができる。
【0047】本発明のビューファインダでは光源の大き
さが小さくてすむため、光原の消費電力が従来の蛍光管
を用いライトボックスに比較して小さくなる。また、ビ
ューファインダ全体を小型にすることが可能である。ま
た、光変調に偏光板が不要であり、光利用率が高いの
で、消費電力をさらに低減できる。
【0048】
【作用】液晶投写型テレビでカラー表示を得る場合、3
枚の反射型の液晶パネルで光を変調する。各液晶パネル
で変調する光の波長帯域の幅は100〜50nmであ
る。したがって特定波長を中心として狭い帯域内での不
要な界面反射光を極力低減すればよい。これは、反射防
止膜で全可視光の帯域にわたり反射光を防止するのと比
較して容易である。また、反射防止膜を蒸着する際も特
定波長の反射率をモニタしながら蒸着し、所定値となっ
た時に停止すればよいから膜厚制御はいたって容易であ
る。従って境界面で生ずる反射が極めて少ない基板を容
易に得ることができる。
【0049】液晶パネルの対向電極基板が空気と接する
面にはSiOもしくはY23とMgF2の2層からなる
薄膜を形成し、反射光を低減させる。また、対向電極と
なるITO薄膜とガラス基板の間には一例としてAl2
3からなる薄膜層を形成してガラス基板とITO薄膜
間およびITO薄膜と液晶層間で生じる反射光を低減さ
せる。各薄膜間で光が干渉効果により反射が極めて少な
くなる。ITO薄膜の光学的膜厚はλ/2の膜厚に形成
する。これは変調する光のピーク波長を500nm、I
TOの屈折率を2.0とすると物理的膜厚で1250Å
となる。ITO薄膜は1000Å以上であれば十分低抵
抗の対向電極を得ることができる。
【0050】対向電極にすぐれた反射防止機能を有する
ように構成するには、誘電体対向電極となるITO薄膜
の一面もしくは両面に形成する誘電体薄膜の光学的膜厚
が重要となる。
【0051】TN液晶は配向膜を形成する必要がある。
前記配向膜の膜厚は10Å程度の精度で膜厚制御を行い
つつ形成することはできない。したがって、ITOの片
面に形成して反射防止機能を有するように作用させるこ
とはできない。逆にいえば、ITOにAl23などの無
機薄膜を形成し、反射防止機能をもたせても、配向膜の
形成により反射防止機能が低下もしくはなくなる。
【0052】高分子分散液晶は配向膜の形成の必要がな
い。したがって、対向電極となるITOを用いてその前
後に無機材料からなる誘電体薄膜を形成すれば良好な反
射防止膜を形成できる。
【0053】液晶投写型テレビでは先にも記述したよう
に各液晶パネルが分担する光の帯域は狭い。したがって
変調する光の帯域ごとに反射防止膜を形成すれば極めて
良好な反射防止膜を得ることができる。
【0054】液晶として高分子分散液晶を用いれば、偏
光板が不要となり、TN液晶を用いた表示パネルの2倍
以上の高輝度表示を得られる。本発明の表示パネルは高
分子分散液晶を用い、その材料、構成等を最適にして良
好な散乱性能を得ている。また配向膜が不要であるか
ら、表示パネル作製工程も簡素化される。
【0055】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明について説
明する。なお、各図面はモデル的に描いており、物理的
な膜厚あるいは形状はかならずしも一致しない。また、
説明に不要な箇所は省略している。
【0056】(図1)は本発明の表示パネルの断面図で
ある。対向基板としてのガラス基板12の厚みは0.6
〜1.1mmのものを用いる。ガラス基板の片面には反
射防止膜19が形成されている。前記反射防止膜19は
3層あるいは2層の薄膜の積層からなる。なお、3層の
場合は広い可視光の波長帯域での反射を防止するために
用いられ、これをマルチコートと呼ぶものとする。2層
の場合は特定の可視光の波長帯域での反射を防止するた
めに用いられ、これをVコートと呼ぶものとする。
【0057】本発明の表示パネルに用いて液晶投写型テ
レビを構成する場合、白色光を変調する場合はマルチコ
ートに、R,G,B光の特定波長の光を変調する場合は
Vコートを施す。当然のことながらVコートの方が特定
波長の光に対しての反射率低減効果は大きく、極めて小
さい反射率にすることができる。
【0058】マルチコートの場合は酸化アルミニウム
(Al23)を光学的膜厚がnd=λ/4、ジルコニウ
ム(ZrO2)をnd=λ/2、フッ化マグネシウム
(MgF2)をnd=λ/4積層して形成する。通常、
λとして520nmもしくはその近傍の値として薄膜は
形成される。Vコートの場合は一酸化シリコン(Si
O)を光学的膜厚nd=λ/4とフッ化マグネシウム
(MgF2)をnd=λ/4、もしくは酸化イットリウ
ム(Y23)とフッ化マグネシウム(MgF2)をnd
=λ/4積層して形成する。なお、SiOは青色側に吸
収帯域があるため青色光を変調する場合はY23を用い
た方がよい。また、物質の安定性からもY23の方が安
定しているため好ましい。この際のλとしては変調する
光のピーク波長つまり中心波長である。以後、特にこと
わらないかぎりλは入射する光のピーク波長もしくは中
心波長であるものとする。なお、nは薄膜の屈折率、d
は物理的膜厚である。
【0059】本発明の表示パネルは、対向電極基板を形
成するガラス基板上に、反射防止膜を形成する。対向電
極となるITO薄膜の前後の境界面でおこる反射を低減
するには、特定の条件を満たした屈折率、および膜厚を
有する透明誘電体薄膜とITO薄膜から構成される、少
なくとも2層の多層膜を形成すれば良い。2層構成の場
合、反射率を最も低くするための条件は次式のようにな
る。
【0060】
【数3】
【0061】
【数4】
【0062】または、
【0063】
【数5】
【0064】
【数6】
【0065】nGはガラス基板の屈折率、nLCは液晶層
の屈折率、n1はガラス基板とITO薄膜との間に形成
する薄膜の屈折率、n2はITO薄膜の屈折率、d1はガ
ラス基板とITO薄膜との間に形成する薄膜の膜厚、d
2はITO薄膜の膜厚、λは設計主波長である。なお、
ガラス基板とITO薄膜との間に形成する薄膜は、液晶
層とITO薄膜との間に形成してもよい。ここで、膜厚
11=1,2)は物理的膜厚、n11は光学的膜厚を
意味する。
【0066】以上の条件式はいずれも波長λにおける無
反射条件であるが、広い波長帯域で反射を低減させる場
合は、(数5)、(数6)の条件よりも(数3)、(数
4)の条件を満たす場合の方が望ましい。さらに、IT
O薄膜は充分な抵抗値を得るため、少なくとも物理的膜
厚として100nm以上が望ましい。この点からも、I
TO薄膜の光学的膜厚n22の条件がλ/2となる(数
3)、(数4)の条件が好ましい。
【0067】(図1)に示した反射防止膜18は以上の
条件式に基づいて構成したものである。対向基板となる
ガラス基板12の屈折率より高く、対向電極となるIT
O薄膜18bの屈折率より低い屈折率を有する誘電体薄
膜18aと、対向電極となるITO薄膜18bとの2層
構成であり、ITO薄膜18bの光学的膜厚がλ/2、
薄膜18aの光学的膜厚がλ/4である。また、前記誘
電体薄膜の屈折率は、電圧無印加状態の液晶層17の屈
折律よりも高くする。以上のことは、他の本発明の表示
パネル共通事項である。
【0068】具体的な構成の一実施例を(表1)に、ま
た、その分光反射率を(図8)に示す。(図8)は実線
が(表1)の構成の場合の分光反射率、点線がITO薄
膜のみ(膜厚d=75mmの場合)で構成された場合の
分光反射率の一例を表している。(図18)からわかる
ように、(表1)の構成によると波長帯域幅100nm
以上にわたり反射率0.3%以下の特性を実現でき、大
幅に反射光を低減できる。
【0069】
【表1】
【0070】高分子分散液晶の電圧無印加状態での屈折
率nxは、理論的には次式で示される。
【0071】
【数7】
【0072】noは液晶の常光屈折率、neは異常光屈折
率である。シアンビフェニール系の液晶の場合、no
約1.50、neは約1.75のものがある。neとno
の屈折率差△nが大きいほど散乱特性は向上する。フッ
素系の液晶はno、neおよび△nとも小さく、あまり高
い散乱特性は得られない。
【0073】先のシアンビフェニール系のnoとne
(数7)に代入するとnx≒1.6程度となる。実際の
光変調層はポリマーと液晶の混合層である。ポリマーの
屈折率npはnoと略一致させる場合が多いから、高分子
分散液晶の電圧無印加状態での屈折率nxは1.6より
もさらに小さくなる。
【0074】本明細書での表中あるいは文章中に示す液
晶の屈折率は1.6としている。これは先の説明でも明
らかなように実現上で最も高い屈折率であり、実際はそ
れよりも小さくなる。分光反射率は、ガラス基板の屈折
率と液晶層の屈折率が一致した時、最も小さい値とな
る。液晶層の屈折率は1.6を大幅にこえることはな
く、実際は1.6より小さく、ガラス基板の屈折率に近
づく。
【0075】薄膜18aの屈折率は1.50以上1.7
0以下が望ましく、さらに好ましくは1.6以上1.7
以下が望ましい。表1の実施例ではAl23を用いた
が、他にCeF3、SiO、WO3、LaF3、NdF3
いずれかを用いても良い。
【0076】(表2)にAl23をSiOに変化させた
例を示す。また(図9)に分光反射率の一例を表わす。
【0077】
【表2】
【0078】SiOを用いれば400nmから700n
mの波長帯域にわたり分光反射率1%以下を実現でき
る。液晶投写型テレビではR光、G光およびB光を変調
する3枚のライトバルブを用いる。(図8)の分光反射
率特性ではG光の反射率は極めて小さいが、B光および
R光では反射率が高くなる。したがって、変調する光ご
とに反射防止膜18を形成する必要があり、1台の液晶
投写型テレビで3種類の表示パネルを用いなければなら
ない可能性がある。(図9)の分光反射率特性ではR
光、G光、およびB光全域にわたり反射率が1%以上で
あるので一種類のパネルで共用できる可能性が高い。
【0079】ITO薄膜18bの屈折率は低いほど反射
率は小さくなる。(表3)にITO薄膜の屈折率を1.
8に作製した場合であり、(図10)はその分光反射率
である。可視光全域にわたり反射率0.5%以下を実現
できる。
【0080】
【表3】
【0081】(図10)に示すようにITO薄膜18b
の屈折率は低い方がよい。ITOの屈折率は蒸着条件等
により1.8から2.0程度のものが作製できる。
【0082】以上のように反射防止膜19および18を
形成することにより光の反射率を大幅に低減でき、変調
する光の帯域が比較的狭い場合は反射率はピーク波長で
0.2%以下を実現できる。なお、反射防止膜19は他
の構成物とオプティカルカップリングをとる場合などは
形成する必要はないことは明らかである。本発明で重要
なことは対向電極とするITO薄膜18bを用いて反射
防止膜18を形成したことにある。当然のことながらI
TO薄膜18bは共通電極電位等の印加ができるように
構成もしくは形成する。なお、ITO薄膜18bを用い
ずとも、酸化インジウム、酸化スズなどの膜を用いても
よい。その場合も光学的干渉効果により、反射率を低減
させる光学的薄膜で誘電体薄膜18aを積層すれば良
い。あるいはITO薄膜とは前記酸化インジウム等の膜
材料をも含む同義語として理解するべきである。
【0083】TFT13上には絶縁膜14を介して反射
電極15が形成されている。反射電極15とTFT13
とは接続端子16で電気的に接続されている。絶縁膜1
4の材料としてはポリイミド等を代表とする有機材料あ
るいはSiO2,SiNxなどの無機材料が用いられ
る。反射電極15は表面をAlの薄膜で形成される。C
r等を用いて形成してもよいが、反射率がAlより低
く、また硬質のため反射電極15周辺部の破れなどが生
じやすい。
【0084】接続端子16部は0.5〜1μmの落ちく
ぼみができるが、高分子分散液晶17は配向などの処理
が不要なため問題とはならない。開口率は画素サイズが
100μm角の場合80%以上、50μm角の場合でも
70%以上の開口率が得られる。ただし、TFT上等は
凹凸が生じ多少反射効率は低下する。前記凹凸をなくす
るためには反射電極15の表面を研摩すればよい。研摩
により反射率は90%以上を達成できる。
【0085】ソース信号線およびゲート信号線も図示し
ていないがアレイ基板11に上に形成されている。前記
信号線およびTFT13上は反射電極15が被覆する構
造となるため、信号線およびTFT上の液晶配向動作に
よる画像ノイズが発生しない。
【0086】(図1)の構成ではピーク波長を中心とし
て前後50nmの範囲で、ITO薄膜18bに関係する
光の反射率をほぼ0.2%以内にすることができる。し
かし、反射率が多少大きい場合でも許容できる時は薄膜
18aを取り除いてもよい。つまりITO薄膜18bの
一層の構成である。ただし、ITO薄膜18bの光学膜
厚はλ/2である。これは(表4)で示され、また、そ
の分光反射率は(図17)で示される。
【0087】
【表4】
【0088】主波長が520nm付近ではきわめて低い
反射率を示す。液晶投写型テレビ等のように1つのライ
トバルブが変調する光の帯域が狭い場合は採用が実用上
可能である。
【0089】(表5)にITO薄膜18bの屈折率1.
8にした場合を示す。また、その分光反射率を(図1
8)に示す。
【0090】
【表5】
【0091】ITO薄膜18bの屈折率が1.8となれ
ば可視光の範囲で反射率1%以下を実現できることがわ
かる。
【0092】以上のように誘電体薄膜18aを形成せず
ITO薄膜18bの光学的膜厚をλ/2にした表示パネ
ル構成でも主波長近傍で極めて低い反射率を実現でき
る。前記表示パネルを液晶投写型テレビのライトバルブ
として用いる場合、ライトバルブが反射型の場合は多少
表示コントラストが低下するという点があるが実用上は
採用できる。ライトバルブが透過型の場合は、表示パネ
ルの透過率が約10%向上し、また、界面でのハレーシ
ョン等も生じにくくなるので、十分適用できる。
【0093】(図2)に示す表示パネルの画素構造は従
来の透過型液晶パネルのITO薄膜からなる画素電極を
AlもしくはCrなどの金属薄膜を用いて反射電極23
としている。TFT13上には絶縁膜22を介して遮光
膜21を形成している。これは液晶層17に入射した光
が散乱し、TFT13の半導体層に入射してホトコンダ
クタ現象(以後、ホトコンと呼ぶ)が生じるのを防止す
るためである。他の点は(図1)と同様であるので説明
を省略する。
【0094】(図3)は(図1)の反射防止膜18の構
造を用いて画素電極とした構造である。TFT13のド
レイン端子に接続される画素電極は2層構造にしてい
る。誘電体薄膜31aを光学的膜厚がλ/4、ITO薄
膜31bを光学的膜厚をλ/2にしている。TFT13
のドレイン端子はITO薄膜31bと電気的に接続して
いる。32はAlなどからなる反射膜である。反射防止
膜31の構成、特性は(図1)の反射防止膜18と同様
であるので説明を省略する。
【0095】入射光はアレイ基板11から入射し、画素
電極を透過して反射電極32で反射され、再びアレイ基
板11から出射する、基本的には画素電極を反射防止構
造にした点および対向電極を反射電極にした点以外は従
来の構成と大差がない。しかし、反射電極側には全く構
成物がないため、非常に良好な反射面が形成できる点、
および金属で形成することにより対向電極を低抵抗化で
きる点などに利点がある。なお、TFT上の等には(図
2)と同様に必要に応じて遮光膜21を形成すればよ
い。他の点については第1の実施例と同様であるので説
明を省略する。
【0096】本発明の表示パネルに用いる液晶材料とし
てはネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリッ
ク液晶が好ましく、単一もしくは2種類以上の液晶性化
合物や液晶性化合物以外の物質も含んだ混合物であって
もよい。なお、先に述べた液晶材料のうち異常光屈折率
eと常光屈折率noの差の比較的大きいシアノビフェニ
ル系のネマチック液晶が最も好ましい。高分子マトリッ
クス材料としては透明なポリマーが好ましく、ポリマー
としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂
のいずれであっても良いが、製造工程の容易さ、液晶相
との分離等の点より紫外線硬化タイプの樹脂を用いるの
が好ましい。具体的な例として紫外線硬化性アクリル系
樹脂が例示され、特に紫外線照射によって重合硬化する
アクリルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するもの
が好ましい。
【0097】このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールドアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールアクリレート等々である。
【0098】オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0099】また重合を速やかに行なう為に重合開始剤
を用いても良く、この例として、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1173」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、1−ビド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイキー社
製「イルガキュア184」)、ベンジルメチルケタール
(チバガイギー社製「イルガキュア651」)等が掲げ
られる。その他に任意成分として連鎖移動剤、光増感
剤、染料、架橋剤等を適宜併用することができる。
【0100】高分子分散液晶層中の液晶材料の割合はこ
こで規定していないが、一般には20重量%〜90重量
%程度がよく、好ましくは50重量%〜85重量%程度
がよい。20重量%以下であると液晶滴の量が少なく、
散乱の効果が乏しい。また90重量%以下となると高分
子と液晶が上下2層に相分離する傾向が強まり、界面の
割合は小さくなり散乱特性は低下する。高分子分散液晶
層の構造は液晶分率によって変わり、だいたい50重量
%以下では液晶滴は独立したドロップレト状として存在
し、50重量%以上となると高分子と液晶が互いに入り
組んだ連続層となる。
【0101】液晶層17の膜厚は5〜25μmの範囲が
好ましく、さらには8〜15μmの範囲が好ましい。膜
厚が薄いと散乱特性が悪くコントラストがとれず、逆に
厚いと高電圧駆動を行わなければならなくなり、ドライ
ブIC設計などが困難となる。
【0102】次に、対向電極となるITO薄膜の前後に
透明誘電体薄膜を形成して3層構成とすれば、2層の場
合よりもさらに反射率を小さく、かつ広い波長帯域にわ
たる反射防止効果を実現できる。この場合の屈折率、お
よび膜厚の条件は次式のようになる。
【0103】
【数8】
【0104】
【数9】
【0105】または、
【0106】
【数10】
【0107】
【数11】
【0108】n3はITO薄膜と液晶層との間に形成す
る薄膜の屈折率、d3はITO薄膜と液晶層との間に形
成する薄膜の膜厚である。また、その他の記号は(数
3)〜(数6)と同様である。
【0109】以上の条件式においても、いずれも波長λ
における無反射条件であるが、広い波長帯域で反射を低
減させる場合は(数10)、(数11)の条件よりも
(数8)、(数9)の条件を満たす場合の方が望まし
い。さらに、ITO薄膜は充分な抵抗値を得るため、少
なくとも物理的膜厚として100nm以上が望ましいた
め、この点からも、ITO薄膜の光学的膜厚n22の条
件がλ/2となる(数8)、(数9)の条件が好まし
い。
【0110】条件式(数8)、(数9)に基づいて構成
した、本発明の表示パネルの他の実施例の断面図を(図
4)に示す。反射防止膜41以外は(図1)に示した構
成と同様であるので差異についてのみ説明をする。
【0111】反射防止膜41は、ガラス基板12側から
順に第1の誘電体薄膜41a、ITO薄膜41b、第2
の誘電体薄膜41cで構成される3層構成であり、IT
O薄膜41bの光学的膜厚はλ/2、第1の薄膜41
a、および第2の薄膜41cの光学的膜厚はそれぞれλ
/4である。
【0112】具体的な構成の一実施例を(表6)に、ま
た、その分光反射率を(図11)に示す。(図11)か
らわかるように、(表6)の構成によると波長帯域幅2
00nm以上にわたり反射率0.1%以下の特性を実現
でき、極めて高い反射防止効果を得ることができる。
【0113】
【表6】
【0114】第1の薄膜41aおよび第2の薄膜41c
の屈折率は1.60以上1.80以下が望ましい。(表
6)の実施例ではいずれもSiOを用いたが、どちらか
一方、または両方の薄膜を、他にAl23、Y23、M
gO、CeF3、WO3、PbF2のいずれかを用いても
良い。
【0115】(表7)に第1の薄膜41a、第2の薄膜
41cをY23にした場合を示す。また、その分光反射
率を(図12)に示す。
【0116】
【表7】
【0117】(図12)の分光反射率は(図11)の場
合に比較してB光およびR光で反射率が多少高くなる傾
向がある。
【0118】同様に(表8)に第1の薄膜41aをSi
Oに、第2の薄膜41cをY23にした場合を示す。ま
た、その分光反射率を(図13)に示す。可視光領域全
般にわたり0.1%以下の極めてすぐれた反射防止効果
を実現している。
【0119】
【表8】
【0120】(表9)に第1の薄膜41aをAl2
3に、第2の薄膜41cをSiOにした場合を示す。ま
た、その分光反射率を(図14)に示す。R光およびB
光の領域では反射率が0.5%を越え、適当とは言えな
い。
【0121】
【表9】
【0122】以上のようにITO薄膜41bの両面に誘
電体薄膜41aおよび41cを3層に形成することによ
り反射光防止効果をもたせることができる。全般的に
(図1)に示す2層構成に比較して可視光領域全般にわ
たり反射防止効果が高い。
【0123】高分子分散液晶17とITO薄膜41bが
直接接していると高分子分散液晶17の劣化が進みやす
い。これはITO薄膜41b中の不純物等が液晶17に
溶出するためと考えられる。前述の3層構成のように、
ITO薄膜41bと液晶17との間に誘電体薄膜41c
を形成すると液晶17の劣化することがなくなる。特に
誘電体薄膜41cがAl23あるいはY23の時に良好
である。
【0124】誘電体薄膜41cがSiOの時はSiOの
屈折率が低下する傾向がみられる。これは液晶17中に
微量に含まれたH2O、O2等の酸素原子とSiOが結び
つき、SiOがSiO2に変化していくためと考えられ
る。その意味では(表6)および(表9)の構成はふさ
わしくない。しかし、SiOは短期間でSiO2に変化
することはなく、実用上は採用できることが多い。
【0125】(図5)は(図2)の反射防止膜18を、
反射防止膜41に置きかえた表示パネルの構成、(図
6)は(図3)の画素電極31を、画素電極61に置き
かえた表示パネルの構成である。(図5)(図6)にお
いて反射防止膜41および画素電極61の構成および材
料は(図4)に示した反射防止膜41と同様であり、表
示パネルの構成は(図2)または(図3)と同様である
ので説明を省略する。
【0126】第1の誘電体薄膜とITO薄膜および第2
の誘電体薄膜からなる3層の構成での反射防止効果はI
TOの屈折率を低くすることにより、さらに大きくな
る。(表10)は誘電体薄膜41aおよび41cにAl
23、ITO薄膜41bを屈折率1.8にした例であ
り、その分光反射率を(図15)に示す。
【0127】
【表10】
【0128】また、(表11)は誘電体薄膜41aにA
23、誘電体薄膜41cにSiOを用い、ITO薄膜
41bを屈折率1.8にした例であり、その分光反射率
を(図16)に示す。
【0129】
【表11】
【0130】(図15)および(図16)で明らかなよ
うに、可視光領域において反射率を0.1%以下を実現
できる。
【0131】以上の(図1)から(図6)は反射型の表
示パネルの実施例である。(図7)は透過型表示パネル
の適用例である。対向基板12上には(図4)に示す3
層構成の反射防止膜41が、画素電極は(図6)に示す
3層構成の反射防止膜61となっている。もちろん、反
射防止膜41および61は2層構成であってもよいし、
また、両方とも反射防止構成にせず一方のみが反射防止
構成でもよい。また反射防止膜41が2層で、反射防止
膜61が3層でもよい。さらには、(表11)に示すよ
うにITO薄膜のみで構成し、かつその光学的膜厚をλ
/2にした構成にしてもよい。
【0132】以上のように、透過型の表示パネルにおい
て電極を反射防止構成にすれば、光透過率が約10%向
上する。また、電極間の光のハレーション、あるいは電
極と他の構成体とのハレーションも低減し、表示コント
ラストも良好となる。
【0133】表示パネルが反射型の場合は光入射面に、
透過型の場合は光入射面と出射面のうち少なくとも一方
の基板厚を所定値以上にすればさらに表示コントラスト
を向上できる。以下、その理由および構成について説明
する。なお説明を容易にするため、説明は透過型の表示
パネルを例にあげて説明する。
【0134】入射側基板198と出射側基板199の間
に光変調層200が狭持されているものとする。出射側
基板199は液晶パネル等の基板たとえばアレイ基板に
透明基板たとえばガラス基板を光学的結合させたものと
考えてもよい。
【0135】光変調層200に電圧を印加しないで、表
示領域内の点Aを中心とする微小領域191だけに細い
平行光を照射する場合について考える。微小領域191
に入射した光は散乱光192となり散乱し、出射面19
6に達する。出射面196と散乱光192との角度θ0
が臨界角以下の時は透過光線193となり、以上の時は
反射光線となる。反射光線194は再び光変調層200
に入射し、再び散乱光195が前方に出射する。これは
光変調層200に2次光源が形成されたことに相当す
る。このように反射光線194が、再び光変調層200
に入射し、散乱することを2次散乱と呼び、その光を2
次散乱光と呼ぶ。
【0136】光変調層200からの再出射光の輝度分布
は細い入射平行光を中心として回転対称となる。再出射
光の輝度分布はリング状となる。ある画素からでた散乱
光が本来黒表示となるべき画素にも他の画素に入射する
と、そこに拡散反射による2次光源が形成されるので、
本来黒表示となるべき画素の輝度が高くなってしまう。
【0137】以上から、光散乱により変調を行なう表示
パネルをライトバルブとして用いた投写型表示装置の投
写画像のコントラストが良くないという問題点は、光変
調層200の散乱特性が小さいという点も原因の1つで
あるが、上記メカニズムが原因となっている。出射側基
板199の厚さtが厚くなるほど、2次散乱光による輝
度の上昇は小さくなる。従って、出射側基板199の厚
さを厚くすれば、表示画像のコントラストが向上する。
【0138】以上の説明は出射側基板199に関する説
明であるが、微小領域191に入射し、入射側に反射し
た光についても同様のことが論じれる。つまり反射光
は、入射側基板198の光入射面に戻る。この場合は、
入射側基板198の厚みを厚くすれば2次散乱光の発生
を防止できる。本明細書では説明を容易にするため、主
として出射側基板199にのみに関して説明をする。
【0139】(図20)に示すように、光変調層200
の有効表示領域201の最大径を与える2点をP、Qと
し、点Pを中心とする微小領域202だけに平行光を照
射する場合を考える。点Pから出て出射面196で反射
する光により、光変調層200上に再出射光によるリン
グ203が現れる。このとき、有効表示領域201全体
で再出射光の輝度を抑制するには、点Qがリング203
の内側に存在する必要がある。つまり、点Pから点Qま
での長さをdとして、
【0140】
【数12】
【0141】の条件が満足されれば、有効表示領域20
1の全体で不要光による輝度上層は抑制されコントラス
トが向上する。このリング203の直径を大きくするこ
とが、本発明のコントラスト向上に関する第2の作用で
ある。なお、本発明者らは種々の実験を繰り返し、有効
表示領域201の最大径がリング203の直径より小さ
ければ、実用上十分なコントラスト向上の効果が得られ
ることを確認している。この場合、
【0142】
【数13】
【0143】となる。従って、出射側基板199の厚さ
tは、(数13)を満足するように選ぶとよい。また、
入射側基板198の厚さも(数13)を満足するように
すればよい。以上の記述の詳細については特願平4−1
45297号明細書に記載しているので参照されたい。
【0144】次に、出射側基板199の出射側面が凹面
の場合について説明する。出射側基板の材質を同一とし
て、出射面196だけを凹面に変え、(図21)に示す
ように、光変調層200に電圧を印加しないで表示領域
内の点Aを中心とする微小領域191だけに入射側から
細い平行光を照射する。光変調層200上の点Aから出
て凹面196上の点Bで反射し光変調層200上の点C
に入射する光線を考えると、出射面196が平面から凹
面に変わることにより、点Cで見る微小領域191の虚
像から点Cまでの距離が長くなり、また、点Bで反射し
て点Cに入射する光線の入射角が大きくなるから、点C
からの再出射光の輝度が低下する。また、点Aから点C
までの距離が長くなるから、リングの直径は大きくな
る。従って、出射側基板199の出射面196を平面か
ら凹面に変えることにより、再出射光の輝度を低減する
ことができ、表示画像のコントラストを向上させること
ができる。このことは、出射側基板199の出射面が凹
面の場合、出射面が平面の場合と比較して、中心厚が薄
くてもコントラスト向上の効果が大きいことを意味す
る。したがって、(数13)には制約されない。
【0145】次に、無効面で光が反射されると、その光
は光変調層200に戻り黒表示部の輝度上昇を招く。こ
の問題は、(図19)および(図21)に示すように、
出射側基板199の無効面197に光吸収手段189を
施し、不要光を吸収するようにすれば解決できる。さら
に、出射側基板199の出射面196の有効領域に反射
防止膜を付ければ、小さな角度で光変調層200から出
射する光の出射面196における反射率が減少するの
で、黒表示部の輝度上昇を低減できる。光吸収手段18
9とは黒色塗料などが該当する。
【0146】高分子分散液晶のように光散乱状態の変化
として光学像を形成する光変調層を有するライトバルブ
は、光変調層が完全拡散状態(どの角度からみても輝度
が同一になる状態)に近いほど表示コントラストは向上
する。なお、本明細書では完全拡散状態に近いほど散乱
特性がよいと呼ぶ。
【0147】(図22)は(数13)の条件を適用した
表示パネルの断面図である。対向基板221上には、対
向電極227およびブラックマトリックス225が形成
されている。前記ブラックマトリックス225はTFT
223、ゲート信号線(図示せず)およびソース信号線
(図示せず)上に配置される。一方、アレイ基板222
上には画素電極224およびTFT223が形成されて
いる。アレイ基板222および対向基板221の周辺は
封止樹脂226で封止され、前記基板間に光変調層20
0としての高分子分散液晶が狭持されている。
【0148】229は透明基板であり、対向基板221
と光学的結合されている。光学的結合材料としては紫外
線硬化型接着剤が例示される。前記接着剤は対向基板2
21を構成するガラスの屈折率に近いものが多く、この
用途に十分である。また、紫外線硬化型接着剤だけに限
定されるものではなく、透明シリコーン樹脂なども用い
ることができる。他にエポキシ系透明接着剤、エチレン
グリコール等の液体等も用いることができる。留意すべ
き点は対向基板221に透明基板229を接着する際、
光学的結合層(図示せず)に空気が混入しないようにす
ることである。空気層があると屈折率差により画質異常
を生じる。なお、透明基板229と対向基板221を光
学的に結合させることをオプティカルカップリングと呼
ぶ。
【0149】透明基板229は対向基板221と同一材
質のガラス基板を用いることが好ましい。他にアクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明樹脂なども用いる
事ができる。これらにガラスの屈折率に近いものが得ら
れ、比較的安価であり、また、プレス加工等により任意
の形状を容易に形成できる。
【0150】透明基板229の側面には黒色塗料等を用
いて光吸収膜189が形成されている。前記光吸収膜1
89は側面に限定されるものではなく、光の入出射面以
外の無効面にできるだけ広い領域にわたり形成すること
が好ましい。
【0151】透明基板の空気に接する面から光変調層2
00までの距離t1は透明基板の屈折率n、光変調パネ
ルの有効表示領域の最大径をdとして、次式を満足する
ようにする。
【0152】
【数14】
【0153】一方、アレイ基板222には透明基板22
8が先に述べた光学的結合剤により接続されている。前
記透明基板228の材質は透明基板229と同一の材料
を用いることができる。透明基板228の無効面、つま
り側面部には光吸収膜189が形成されている。透明基
板228の中心膜t2は(数14)においてt2=t1
して求めることができる。
【0154】次に透明基板229および透明基板228
の効果について述べる。透明基板229および透明基板
228がない場合、光変調層200で散乱した入射光C
はA 2およびB2で示される。散乱光A2は対向基板22
1間で反射を繰り返し、再び光変調層200に入射す
る。前記入射光は再び散乱するから2次光源となり表示
コントラストを低下させる。散乱光B2はアレイ基板2
22と空気と接する面で反射し、TFT223に入射す
る。TFT223は前記入射光により励起され、ホトコ
ンダクタ現象が発生し、リーク状態となり、これも表示
コントラストの原因となる。
【0155】透明基板228および透明基板229が設
けられていると、散乱光A2およびB2はなくなり、散乱
光A1およびB1となる。散乱光A1およびB1は光吸収膜
189で吸収されるから、ホトコンダクタ現象が発生す
ることも2次光源となることになく表示コントラストを
向上できる。
【0156】また、対向電極227および画素電極22
4が(図7)で示すように反射防止構成であれば、前記
電極間あるいは電極と空気との界面とのハレーション等
が低減され、表示コントラストがさらに向上する。
【0157】(図22)では透明基板229および透明
基板228は円柱あるいは板上として説明したが、(図
21)で示すように平凹レンズとしてもよい。また、前
記平凹レンズに正レンズを組み合わせる構成も考えられ
る。
【0158】(図22)のライトバルブ230には、多
くの変形が考えられる。変形として考えられる構成の例
を(図23(a))から(図23(k))に示す。いず
れも、図面の右側が入射側であり、透明基板232、平
凹レンズは透明接着剤により本発明の表示パネル231
に結合されている。また、透明基板232、平凹レンズ
234の無効面には光吸収膜233が塗布されている。
平凹レンズ234を用いる場合には、正レンズ235を
組み合わせることができる。なお、ライトバルブの入射
側には、投写画像の周辺部を明るくするためにフィール
ドレンズを配置するのがよいが、液晶パネル231の入
射側に平凹レンズ234を用い、その入射側に正レンズ
235を近接配置する場合には、その正レンズ235は
フィールドレンズとして機能することになる。(図23
(a))から(図23(k))に示したいずれの構成
も、前述の実施例と同様に、従来例の構成と比較してコ
ントラストの良好な投写画像が得られる。なお、ライト
バルブの液晶層から空気と接する面までを1つの材料で
構成してもよいし、複数の材料を組み合わせてもよい。
平凹レンズ234の光出射面もしくは光入射面には反射
防止膜が形成される。前記反射防止膜とはVコートもし
くはマルチコートのことである。平凹レンズ234はア
クリル樹脂を用い、成型加工により作製している。成型
加工は金型があれば、同一のレンズを作製できるので、
量産性がよい。前記ライトバルブを用いて投写型表示装
置を構成する場合は、平凹レンズ234等を組み合わせ
た状態で、光変調層200上の光学像がスクリーン上で
結像するようにすればよい。(図23)に示すように、
透明基板232を平凹レンズに構成することにより透明
基板232の厚みは(数14)によらず、薄い厚みで十
分に2次散乱光を防止することができる。
【0159】(図23(h))では平凹レンズ234に
は正レンズ235が近接して配置されている。正レンズ
235の一方の凸面の曲率半径は、平凹レンズ234の
凹面の曲率半径と等しい。前記凹面と凸面間に薄い空気
間隔を設けている。平凹レンズの凹面および両凸レンズ
の両凸面には反射防止膜が蒸着されている。先と同様に
本発明のライトバルブを用いて投写型表示装置を構成す
る場合は投写レンズを、平凹レンズ234、正レンズ2
35を組み合わせた状態で、光変調層200上の光学像
スクリーン上に結像するようにする。
【0160】以下、図面を参照しながら本発明の投写型
表示装置について説明する。(図24)は本発明の投写
型表示装置の構成図である。ただし、説明に不要な構成
要素は省略している。(図24)において241は集光
光学系であり、内部に凹面鏡および光発生手段としての
メタルハライドランプあるいはキセノンランプを配置し
ている。前記ランプはアーク長が3mm以上6mm以下
のものを用いる。メタルハライドランプは250Wクラ
スのものでアーク長は略6.5mm、150Wクラスの
ものでアーク長は略5mmである。凹面鏡はランプのア
ーク長にあわせて適正値に設計する。凹面鏡は楕円面鏡
あるいは放物面鏡を用いる。242は赤外線および紫外
線を反射させて有視光のみを透過させるUVIRカット
フィルタである。また、243aはB光を反射させるB
DM、243bはG光を反射させるGDM、243cは
R光を反射させるRDMである。なお、BDM243a
からRDM243cの配置は同図の順序に限定するもの
ではない。また、最後のRDM243cは全反射ミラー
におきかえてもよいことは言うまでもない。
【0161】244a、244bおよび244cは本発
明の表示パネルである。なお、光変調層に高分子分散液
晶を用いる場合は、R光を変調する光変調層を他のGお
よびB光を変調する光変調層に比較して水滴状液晶粒子
径を大きく、もしくは液晶膜厚を厚めにして構成する。
これは光が長波長になるほど散乱特性が低下しコントラ
ストが低くなってしまうためである。水滴状液晶の粒子
径は、重合させるときの紫外線光を制御すること、ある
いは使用材料を変化させることにより制御できる。液晶
膜厚は液晶層のビーズ径を変化することにより調整でき
る。245a、245bおよび245cはレンズ、24
7a、247bおよび247cは投写レンズ、246
a、246bおよび246cはしぼりとしてのアパーチ
ャである。なお、245、246および247で投写光
学系を構成している。なお、アパーチャ246は、投写
型表示装置の動作の説明上図示したものである。アパー
チャ246は投写レンズの集光角を規定するものである
から、投写レンズの機能に含まれるものとして考えれば
よい。つまりF値が大きければアパーチャ246の穴径
は小さいと考えることができる。高コントラスト表示を
得るためには投写レンズのF値は大きいほどよい。しか
し、大きくなると白表示の輝度は低下する。
【0162】以下、本発明の投写型表示装置の動作につ
いて説明する。なお、R、G、B光のそれぞれの変調系
については、ほぼ同一動作であるのでB光の変調系につ
いて例にあげて説明する。
【0163】集光光学系11から白色光が照射され、こ
の白色光のB光成分はBDM243aにより反射され
る。このB光は表示パネル244aに入射する。表示パ
ネル244aは、(図31(a)(b))に示すように
画素電極に印加された信号により入射した光の散乱と透
過状態とを制御し光を変調する。
【0164】散乱した光はアパーチャ246aで遮光さ
れ、逆に平行光または所定角度内の光はアパーチャ24
6aを通過する。変調された光は投写レンズ247aに
よりスクリーン(図示せず)に拡大投映される。以上の
ようにして、スクリーンには画像のB光成分が表示され
る。同様にライトバルブ244bはG光成分の光を変調
し、また、ライトバルブ244cはR光成分の光を変調
して、スクリーン上にはカラー画像が表示される。ライ
トバルブ244の透明基板が平凹レンズ等の場合は、前
記レンズを考慮して投写光学系を形成する。
【0165】(図24)は3つの投射レンズ247によ
りスクリーンに拡大投映する方式であるが、一つの投写
レンズで拡大投映する方式もある。その構成図を(図2
6)に示す。表示パネル267は透過型の本発明の表示
パネルを用いる。
【0166】ここでは説明を容易にするため、267G
をG光の映像を表示する表示パネル、267RをR光の
映像を表示する表示パネル、267BをB光の映像を表
示する表示パネルとする。したがって、各ダイクロイッ
クミラーを透過および反射する波長は、ダイクロイック
ミラー265aはR光を反射し、G光とB光を透過す
る。ダイクロイックミラー265cはG光を反射し、R
光を透過させる。ダイクロイックミラー265bはB光
を透過し、G光を反射させ、また、ダイクロイックミラ
ー265dはB光を反射させ、G光およびR光を透過す
る。
【0167】メタルハライドランプから出射された光は
全反射ミラー263aにより反射され、光の方向を変化
させられる。次に前記光はUVIRカットフィルタ26
4により紫外線領域および赤外線領域の波長の光がカッ
トされる。紫外線および赤外線をカットされた光はダイ
クロイックミラー265a、265bによりR・G・B
光の3原色の光路に分離され、R光はフィールドレンズ
266Rに、G光はフィールドレンズ266Gに、B光
はフィールドレンズ266Bに入射する。各フィールド
レンズ266は各光を集光し、表示パネル267はそれ
ぞれ映像信号に対応して液晶の配向を変化させ、光を変
調する。このように変調されたR・G・B光はダイクロ
イックミラー265c、265dにより合成され、投映
レンズ268によりスクリーン(図示せず)に拡大投映
される。
【0168】以下、上述してきた本発明の表示パネルを
ライトバルブとして用いる本発明の液晶投写型テレビの
構成について説明する。
【0169】光源13は252a、凹面鏡252b、フ
ィルタ252cで構成される。ランプ252aはメタル
ハライドランプであり、R、G、Bの3原色の色成分を
含む光を出射する。凹面鏡252bはガラス製で、反射
面に可視光を反射し赤外光を透過させる多層膜を蒸着し
たものである。フィルタ252cはガラス基板の上に可
視光を透過し赤外光と紫外光を反射する多層膜を蒸着し
たものである。ランプ252aからの放射光に含まれる
可視光は、凹面鏡252bの反射面により反射する。凹
面鏡252bから出射する反射光は、フィルタ252c
により赤外線と紫外線とが除去されて出射する。
【0170】投写レンズ251は液晶表示パネル側の第
1レンズ群251bとスクリーン側の第2レンズ群25
1aとで構成され、第1レンズ群251aと第2レンズ
群251bとの間には平面ミラー253が配置されてい
る。表示パネル255の画面中心にある画素から出射す
る散乱光は、第1レンズ群251bを透過した後、約半
分が平面ミラー253に入射し、残りが平面ミラー25
3に入射せずに第2レンズ群251aに入射する。平面
ミラー253の反射面の法線は投写レンズ251の光軸
256に対して45°傾いている。光源252からの光
は平面ミラー253で反射されて第1レンズ群251b
を透過し、表示パネル255に入射する。表示パネル2
55からの反射光は、第1レンズ群251b、第2レン
ズ群251aの順に透過してスクリーンに到達する。投
写レンズ251の絞りの中心から出て表示パネル255
に向かう光線は、液晶層にほぼ垂直に入射するように、
つまりテレセントリックとしている。
【0171】なお、表示パネル255への入射光が白色
光の場合は対向電極基板の表面にマルチコート方式の反
射防止膜を施す。つまり、1つの表示パネルで画像を表
示する場合である。カラー画像を表示する場合には表示
パネルにモザイク状のカラーフィルタを取り付ければよ
い。
【0172】3枚の表示パネルを用いてカラー表示を行
う場合は、発光源252からの光をダイクロイックミラ
ー等を用いた色分解光学系でR、G、B光の3つの波長
帯域に分離し、それぞれの光のピーク波長に応じたVコ
ート方式の反射防止膜を施す。各表示パネルで変調され
た光を色合成光学系もしくは3本の投写レンズを用いて
スクリーンに重ね合わせて投映すればカラー画像が表示
される。なお、高分子分散液晶パネルはR光に対する散
乱特性が悪い。そこで本発明の液晶投写型テレビではR
光を変調する表示パネルの液晶膜厚を他よりも厚くまた
は/および水滴状液晶の平均粒子径を大きくしている。
【0173】高分子分散液晶パネルを用いて液晶投写型
テレビの投写画像のコントラストを良好にするには表示
パネルの特性を完全拡散状態に近づける必要がある。表
示パネルが反射型の場合、光は液晶層を2回通過するの
で、液晶層の厚さが同一の透過型液晶パネルの場合に比
較して、散乱特性を完全拡散状態に近づけることができ
る。そのため、投写画像のコントラストは、反射型の方
が透過型の場合より有利である。つまり、駆動ICの出
力電圧を低くして、コントラストの良好な投写画像を得
ることができる。
【0174】ここでは説明を容易にするために、255
aをR光を変調する表示パネル、255cをB光を変調
する表示パネル、255bをR光を変調する表示パネル
であるとして説明する。
【0175】(図25)において254a、254bお
よび254cはダイクロイックミラーであるが、これは
色合成系と色分離系を兼用している。光源からの出射さ
れた白色光は平面ミラー253によりおりまげられ、投
写レンズ251の第1群251bに入射する。この際フ
ィルタ252cにより不要なB光およびR光はカットさ
れる。フィルタ252cの帯域は半値の値で430nm
〜690nmである。以後、光の帯域を記述する際は半
値で表現する。ダイクロイックミラー254aはG光を
反射し、R光およびB光を透過させる。G光はダイクロ
イックミラー254cで帯域制限され表示パネル255
bに入射する。G光の帯域は510〜570nmとす
る。一方、ダイクロイックミラー254bはB光を反射
し、R光を透過させる。B光は表示パネル255cに、
R光は表示パネル255aに入射する。入射するB光の
帯域は430nm〜490nm、R光の帯域は600n
m〜690nmである。各表示パネルはそれぞれの映像
信号に応じて散乱状態の変化として光学像が形成する。
各表示パネルで形成された光学系はダイクロイックミラ
ー254a、254bおよび254cで色合成され、投
写レンズ251に入射し、スクリーン257上に拡大透
写される。
【0176】従来の液晶投写型テレビは5枚ないし6枚
のダイクロイックミラーが必要であった。前述の液晶投
写型テレビは、3枚のダイクロイックミラーで色合成分
離系を構成している。したがって、光学系を大幅に小型
化でき、また、コストも安くすることができる。また、
反射型の表示パネルを用いているため、透過型に比較し
て、コントラストも良好であり、画素開口率も高いので
光輝度表示を行うことができる。その上、液晶パネルの
裏面には障害物がないのでパネル冷却が容易である。た
とえば、裏面からの強制空冷、液冷を容易に行え、ま
た、裏面にヒートシンク等も取り付けることができる。
【0177】(図24)から(図26)においてダイク
ロイックミラーによってR光、G光およびB光の3原色
の光に分離するとしたが、これに限定するものではな
く、たとえばダイクロイックフィルタ、ダイクロイック
プリズム等を用いてもよい。
【0178】表示パネルの対向基板とアレイ基板の厚
さ、あるいは前記基板に透明基板を接続し、前記厚みt
が(数14)の条件を満足させれば、2次散乱光を防止
でき、表示コントラストを向上できる。たとえば表示パ
ネルが透過型の場合は(図7)の構成に透明基板228
および229を取り付けた構成である。もちろん(図2
3)に図示した各変形の構成でもよい。(図27)は
(数14)を満足する表示パネルをライトバルブとして
用いて液晶投写型テレビを構成した構成図である。な
お、透明基板等を取り付ける場合、反射防止膜19は前
記透明基板上に取り付ければよい。
【0179】表示パネルが反射型の場合も同様で、光入
射側の基板の厚みあるいは前記基板に透明基板を接続し
て、その厚みtが(数14)の条件を満足するようにす
ればよい。たとえば(図1)から(図6)の構成の表示
パネルに透明基板を取り付けた構成が該当する。(図2
8)は(数14)を満足する表示パネルをライトバルブ
といて用いた液晶投写型テレビの構成図である。
【0180】本発明の表示パネルを用いてビデオカメラ
等の再生画像表示装置として用いるビューファインダを
構成することもできる。(図29)はビューファインダ
の外観図である。292は接眼カバーであり、293は
ビデオカメラとの取り付け金具である。291はボデー
であり、前記ボデー内にレンズおよび表示パネル等が格
納されている。
【0181】(図30)は(図29)に示すボデー29
1内部の構成を示した本発明のビューファインダの断面
図である。301は発光素子、303は集光レンズ、3
04は本発明の表示パネル、306は拡大レンズであ
る。なお、表示パネルの基板の両面には2次散乱光を防
止するための透明基板を取り付けている。
【0182】一例として、表示パネル304の表示領域
の対角長は28mmであり、集光レンズ303は有効直
径が30mm、焦点距離が15mmである。集光レンズ
303の焦点の近傍に発光素子301が配置されてい
る。集光レンズ303は平凸レンズであり、平面を発光
素子301側に向けている。ボデー291の端部に接眼
リング305が装着されている。接眼リング305に
は、拡大レンズ306が装着されている。ボデーの内面
は不要光を吸収するための黒色あるいは暗色にしてい
る。
【0183】302は中央部に円形の穴のあいた遮光板
である。より具体的にはピンホール板である。発光素子
301から光が放射される領域を小領域にする機能を有
している。穴の面積が大きくなると液晶表示装置の表示
画像は明るくなるが、コントラストは低下する。これは
集光レンズで302に入射する光量は多くなるが、入射
光の指向性が悪くなるためである。前述のような液晶表
示装置の表示領域の対角長が28mmの場合、光を放射
する領域は15mm2以下にすべきである。これは直径
がほぼ4mmのピンホールの穴径に相当する。好ましく
は10mm2以下とすべきである。しかし、あまり穴の
直径を小さくしすぎると、光の指向性が必要以上に狭く
なり、ビューファインダを見る際に、視点を少しずらし
ただけで極端に表示画面が暗くなる。したがって、穴の
面積は少なくとも2mm2以上の領域を確保すべきであ
る。一例として、直線3mmの穴径の時、従来の面光源
を用いるビューファインダと同等以上の表示画面の輝度
が得られ、その時のコントラストは20以上であった。
なお、光を放射する領域の面積は後述する絞り、ピンホ
ール、発光素子の遮光膜などの穴径の考え方にも該当す
る。光を放射する領域、つまり穴径は直径0.5mmか
ら5mm以下の範囲と考えられるべきである。ただし、
これは表示画面の対角長が28mmの場合であって、対
角長が長くなれば、対角長に比例して穴径も大きくす
る。表示面積と光を放射する穴の面積比で規定すれば2
0:1以下にしなければならない。好ましくは40:1
以下である。しかし、視野角の問題から200:1以上
にすることが好ましい。
【0184】発光素子301から広い立体角に放射され
た光は、集光レンズ303により平行に近く、指向性の
狭い光に変換され、表示パネル304の対向電極(図示
せず)側から入射する。観察者は、接眼リング305に
眼を密着させて、もしくは接眼カバー292に密着させ
て、表示パネル304の表示画像を見ることになる。つ
まり、観察者の瞳の位置はほぼ固定されている。表示パ
ネル304の全画素が光を直進させる場合を仮定した
時、集光レンズ303は発光素子301から放射され、
前記集光レンズ303の有効領域に入射する光が拡大レ
ンズ306を透過した後にすべて観察者の瞳に入射する
ようにしている。レンズ306は拡大レンズとして機能
するので、観察者は表示パネル306の小さな表示画像
を拡大して見ることができる。つまり、拡大した虚像を
見ることができる。
【0185】ビューファインダは観察者の瞳の位置が接
眼カバー292によりほぼ固定されるため、その背後に
配置する光源は指向性が狭くてもよい。光源として蛍光
管を用いたライトボックスを用いる従来のビューファイ
ンダでは、表示パネルの表示領域とほぼ同じ大きさの領
域からある方向の微小立体角内に進む光だけが利用さ
れ、他の方向に進む光は利用されない。つまり、光利用
効率が非常に悪い。
【0186】本発明では、発光体の小さな光源を用い、
その発光体から広い立体角に放射される光を集光レンズ
303により平行に近い光に変換する。こうすると、集
光レンズ303からの出射光は指向性が狭くなる。観察
者の視点が固定されておれば前述の狭い指向性の光でも
ビューファインダの用途に十分となる。発光体の大きさ
が小さければ、当然、消費電力も少ない。以上のよう
に、本発明のビューファインダは観察者が視点を固定し
て表示画像を見ることを利用している。通常の直視液晶
表示装置では一定の視野角が必要であるが、ビューファ
インダは所定方向から表示画像を良好に観察できれば用
途として十分である。
【0187】集光レンズ303が無収差で、透過率が1
00%の場合、集光レンズを通して見た発光体の輝度は
発光体自身の輝度と等しい。カラーフィルタ、偏光板、
画像の開口率等を含めた表示パネルの最大透過率を3
%、集光レンズ303の透過率を90%、ビューファイ
ンダとして必要な輝度を15〔ft−L〕とすると、光
源に必要な輝度は約560〔ft−L〕となる。これら
を満足する発光素子としては陰極線管、蛍光管等の発光
原理を用いた発光管、蛍光発光素子、キセノンランプ、
ハロゲンランプ、タングステンランプ、メタルハライド
ランプ、LED、EL(Electro Lumine
scence)などの電子の動作により発光する素子、
PDP(Plasma Display Panel)
などの放電により発光するもの等の自己発光を行なうも
のが例示される。これらのどの発光素子でも光発生手段
として用いてもよいが、中でも低消費電力、小型、白色
発光を行える等の点から、陰極線管、発光管、LEDお
よび蛍光発光素子が最適である。
【0188】表示パネル304は、各画素への印加電圧
を変えるとその画素の光散乱度合が変化する。電圧無印
加の場合に光散乱度合が最も大きく、印加電圧を大きく
すると、光散乱度合が減少する。指向性の狭い光を表示
パネル304に入射し、光散乱度合を変化させると、そ
の画素からの観察者の瞳に入射する香量が変化する。つ
まり、観察者からみた画素の輝度が変化するので、これ
を利用して画像表示を行う。
【0189】表示パネル304にはモザイク状のカラー
フィルタ(図示せず)が取り付けられている。画素配置
はデルタ配置であり、画素数は約55000画素であ
る。カラーフィルタは赤、緑、青のいずれかの色を透過
させる。カラーフィルタの構成物により各色の膜厚を制
御してもよい。カラーフィルタの膜厚はカラーフィルタ
の作製時に調整して形成する。つまりカラーフィルタの
膜厚を赤、緑、青で変化させる。カラーフィルタの膜厚
により各画素上の液晶の膜厚はそれぞれのカラーフィル
タ色に応じて調整する事ができる。特に高分子分散液晶
表示パネルは、長波長の光(赤色光)に対する散乱特性
が悪い。そこで、赤の画素の液晶層厚を他の青、緑の画
素よりも液晶層厚を厚くすれば、散乱特性を向上させる
ことができ、赤、緑、青の諧調性を揃えることができ
る。
【0190】表示パネル304からの出射光の一部は観
察者の瞳に入射するが、他の光は迷光となり、表示画像
のコントラストを低下させる要因となる。この問題を回
避するために、ボデー291と接眼リング305の内面
は、光の反射を防止するために黒色あるいは暗色として
いる。
【0191】集光レンズ303は平面、つまり曲率半径
の大きい面を発光体21側に向けている。これは、正弦
条件を満足しやすくして、表示パネル303の表示画像
の輝度均一性を良好にするためである。ただし、集光レ
ンズ303は前述の平凸レンズに限定するものではな
く、通常の正レンズでもよいことは言うまでもない。
【0192】接眼リング305のボデー291への挿入
度合を調整することにより、観察者の視力に合わせてピ
ント調整を行なうことができる。なお、接眼カバー29
2により観察者の眼の位置が固定されるので、ビューフ
ァインダの使用中に視点位置がずれることはほとんどな
い。視点が固定されておれば表示パネル304への光の
指向性が狭くても観察者は良好な画像を見ることができ
る。さらに良好に見えるようにするには発光素子301
からの光の放射方向を最適な方向に移動させればよい。
そのため、発光素子301は、前後あるいは左右に多少
移動できるように位置調整機構が付加しておくことが好
ましい。
【0193】以上のように本発明のビューファインダは
発光素子301の小さな発光体から広い立体角に放射さ
れる光を、集光レンズ303により効率良く集光するの
で、蛍光管を用いた面光源のバックライトを用いる場合
に比較して、光源の消費電力を大幅に低減することがで
きる。また、液晶層17と接する電極を反射防止構造と
しているため光透過率が高く、また、ハレーション等も
生じにくいことは本発明の表示パネルの項で説明したと
おりである。
【0194】なお、本発明の表示パネルの技術範囲は高
分子分散液晶など、散乱状態の変化として光源像を形成
する材料を用いた光書き込み型表示パネルにもおよぶ。
たとえば、前記光書き込み表示パネルの一例として特開
平02−093519号公報等がある。前記公報は誘電
体ミラーと対向電極間に高分子分散液晶を挟持した表示
パネルが開示されている。誘電体ミラーの一方には電極
が形成されている。本発明の実施例ではマトリックス状
に画素電極を有しており、前述の公報は画素電極はな
い。本発明の反射型の表示パネルは対向電極を2層ある
いは3層の薄膜により構成し、反射防止機能を作用させ
る。
【0195】本発明は、配向膜等を形成しない表示パネ
ルに前述の積層薄膜の構成を採用することに一つの技術
思想がある。この思想に基づけば前述の公報の光書き込
み表示パネルは誘電体ミラーを有し、画素電極は有しな
いが、2つの電極間に電圧を印加し、光変調を行なう表
示パネルであり、TN液晶のように配向膜を形成しない
という点に関しては本発明の表示パネルと全く同一であ
り、また、光入射面の電極に積層の薄膜を形成すること
により、反射防止機能が作用し、表示コントラストを向
上できることは明らかである。また、光書き込み型表示
パネルをライトバルブとして用いる投写型表示装置にお
いては、前記積層の薄膜構成を変調する光の波長に応じ
て形成すればよいことも本発明の投写型表示装置の技術
思想を適用すればよい。また、(図23)、(図28)
に示すように透明基板を用いることにより2次散乱光を
防止でき、さらに表示コントラストを向上できることも
明らかである。したがって本発明の表示パネルおよび投
写型表示装置の構成の技術思想および発明は光書き込み
表示パネルおよびそれをライトバルブとして用いる投写
型表示装置を包含することは明らかである。
【0196】
【発明の効果】本発明の表示パネルの対向基板もしくは
アレイ基板は対向電極もしくはが祖電極とするITO薄
膜の片面または両面に誘電体薄膜を形成し、2層構造ま
たは3層構造とすることにより、ITO薄膜とガラス基
板間およびITO薄膜と液晶間の界面の反射率を大幅に
低減している。形成もいたって容易であり、液晶投写型
テレビのように変調する表示パネルの入射光の波長が狭
帯域である場合に非常に良好な結果が得られる。また空
気と接する面にも反射防止膜を形成しており、総合した
反射率は0.3%以下と非常に良好である。
【0197】アレイ構造も反射電極構造をとり、特に
(図3)に示すような反射電極構造を採用する場合、画
素開口率も70%以上を実現でき、TFTのホトコンも
発生しない。さらには信号線、TFTの液晶の配向によ
る画像ノイズも発生しない。また、表示パネルの裏面等
に放熱板を取り付けることができ、冷却機構も簡単にな
る。
【0198】表示パネルが透過型の場合も透過率が向上
で高輝度表示を実現できる。また電極間等のハレーショ
ン等も低減され、高コントラスト表示を実現できる。
【0199】また、高分子分散液晶を用いることによ
り、偏光板が不要となり、TN液晶パネルに比較して2
倍以上の高輝度表示が実現できることである。これは光
利用効率を向上できることのみならず、光が熱に変換さ
れることを大幅に減少でき、加熱によるパネルの性能劣
化をひきおこすことがなくなる。これは液晶投写型テレ
ビのように一枚の表示パネルに入射する光の強さが数万
ルクスと大きい場合、非常に有効である。
【0200】また、アレイ基板もしくは対向基板を厚く
することにより、また、前記基板に透明基板あるいは平
凹レンズを組み合わせることにより、2次散乱光を防止
でき、明るくかつ表示コントラストの良好な画像を表示
できる。
【0201】本発明の液晶投写型テレビでは反射型もし
くは透過型でかつ高分子分散液晶を用いた表示パネルを
採用しているため、高輝度表示を実現でき、また200
インチ以上の大画面化にも対応できるものである。ま
た、R・G・B光のピーク波長に応じてそれぞれの反射
防止膜の光学的膜厚を変化させれば、また光調する光の
波長に応じて液晶膜厚を厚くまたは/および水滴状液晶
の半径粒子径を大きくすれば、ホワイトバランスおよび
表示コントラストが良好な画像表示を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図2】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図3】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図4】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図5】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図6】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図7】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図8】本発明の表示パネルの特性図
【図9】本発明の表示パネルの特性図
【図10】本発明の表示パネルの特性図
【図11】本発明の表示パネルの特性図
【図12】本発明の表示パネルの特性図
【図13】本発明の表示パネルの特性図
【図14】本発明の表示パネルの特性図
【図15】本発明の表示パネルの特性図
【図16】本発明の表示パネルの特性図
【図17】本発明の表示パネルの特性図
【図18】本発明の表示パネルの特性図
【図19】本発明の表示パネルの説明図
【図20】本発明の表示パネルの説明図
【図21】本発明の表示パネルの説明図
【図22】本発明の表示パネルの説明図
【図23】本発明の表示パネルの構成図
【図24】本発明の一実施例における液晶投写型テレビ
の構成図
【図25】本発明の他の実施例における液晶投写型テレ
ビの構成図
【図26】本発明の他の実施例における液晶投写型テレ
ビの構成図
【図27】本発明の他の実施例における液晶投写型テレ
ビの構成図
【図28】本発明の他の実施例における液晶投写型テレ
ビの構成図
【図29】ビューファインダの外観図
【図30】本発明のビューファインダの断面図
【図31】高分子分散液晶の動作の説明図
【図32】従来の液晶投写型テレビの構成図
【図33】従来の表示パネルの断面図
【図34】表示パネルの等価回路図
【符号の説明】
11、222、311、332 アレイ基板 12、221、306、331 対向基板 13、223、334 TFT 14 絶縁膜 15、23 反射電極 16 接続端子 17 高分子分散液晶 18a、19a、19b、31a、41a、41c、6
1a、61c 誘電体薄膜 18b、31b、41b、61b ITO 21 遮光膜 22 絶縁膜 32 反射対向電極 189 光吸収膜 191 微小領域 192、195 散乱光 193 透過光線 194 反射光線 196 出射面 197 側面 198 入射側基板 199 出射側基板 200 光変調層 201 有効表示領域 202 微小領域 203 光リング 220、231、244a、244b、244c、25
5a、255b、255c、267R、267G、26
7B 表示パネル 224、313 画素電極 225 ブラックマトリックス 226 封止樹脂 227、333 対向電極 228 入射側透明基板 229 出射側透明基板 230 ライトバルブ 232 透明基板 189、233、281b、282b、283b 光吸
収膜 234 平凹レンズ 235 正レンズ 241、262、321 集光光学系 242 UVIRカットミラー 243a、243b、243c、254a、254b、
254c、265a、265b、265c、323a、
323b、323c ダイクロイックミラー 245a、245b、245c、247a、247b、
247c レンズ 246a、246b、246c、302 アパーチャ 251、268、327a、327b、327c 投写
レンズ 252a ランプ 252b 凹面鏡 252c、322 UVIRカットフィルタ 253、263a、263b、263c ミラー 257 スクリーン 256 光軸 266R、266G、266B フィールドレンズ 274a、274b、274c、281、282、28
3、304 ライトバルブ 281a、282a、283a 透明基板 291 ボデー 292 接眼カバー 293 取り付け金具 301 発光素子 303 平凸レンズ 305 接眼リング 306 拡大レンズ 314 水滴状液晶 315 ポリマー 324a、324b、324c、326a、326b、
326c 偏光板 325a、325b、325c TN液晶パネル 335 TN液晶 337a、337b 配向膜 338 ブラックマトリックス 341 ソースドライブIC 342 ゲートドライブIC 343 付加容量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03B 33/12 7316−2K H01L 29/784 H04N 5/74 K 9068−5C

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の電極が形成された第1の基板と、第
    2の電極が形成された第2の基板とを具備し、前記第1
    の電極と第2の電極間に高分子分散液晶が狭持され、前
    記第1の電極と第2の電極のうち少なくとも一方が、第
    1の誘電体薄膜と、前記液晶に電界を印加するためのI
    TO薄膜と、第2の誘電体薄膜とが順次積層された構成
    であり、前記第1および第2の誘電体薄膜の屈折率は
    1.6以上1.8以下であり、かつ前記誘電体薄膜の光
    学的膜厚が略λ/4(λは光の設計主波長)であり、か
    つ前記ITO薄膜の光学的膜厚が略λ/2であることを
    特徴とする表示パネル。
  2. 【請求項2】第1の電極が形成された第1の基板と、第
    2の電極が形成された第2の基板とを具備し、前記第1
    の電極と第2の電極間に高分子分散液晶が狭持され、前
    記第1の電極と第2の電極のうち少なくとも一方が、前
    記基板上に誘電体薄膜が、次に前記液晶に電界を印加す
    るためのITO薄膜とが順次積層された構成であり、前
    記誘電体薄膜の屈折率が1.5以上1.7以下であり、
    かつ前記誘電体薄膜の光学的膜厚が略λ/4(λは設計
    主波長)であり、かつ前記ITO薄膜の光学的膜厚が略
    λ/2であることを特徴とする表示パネル。
  3. 【請求項3】マトリックス状に画素電極が形成された第
    1の基板と、対向電極が形成された第2の基板間に高分
    子分散液晶が狭持され、前記画素電極と対向電極のうち
    少なくとも一方がITO薄膜で形成され、かつ、前記薄
    膜の光学的膜厚が略λ/2(λは設計主波長)であるこ
    とを特徴とする表示パネル。
  4. 【請求項4】マトリックス状に配置された複数の反射電
    極と、前記反射電極に接続され、かつ前記反射電極に信
    号を書き込むスイッチング素子とが形成された第1の基
    板と、第1の誘電体薄膜と、対向電極となるITO薄膜
    と、第2の誘電体薄膜とが順次積層された第2の基板
    と、前記第1の基板と第2の基板間に狭持された光散乱
    状態の変化として光学像を形成する光変調層を具備し、
    前記第1および第2の誘電体薄膜の屈折率が1.6以上
    1.8以下であり、かつ前記誘電体薄膜の光学的膜厚が
    略λ/4(λは設計主波長)であり、かつ前記ITO薄
    膜の光学的膜厚が略λ/2であることを特徴とする表示
    パネル。
  5. 【請求項5】マトリックス状に配置された反射電極と、
    前記反射電極に接続され、かつ前記反射電極に信号を書
    き込むスイッチング素子が形成された第1の基板と、誘
    電体薄膜と対向電極となるITO薄膜が積層された第2
    の基板と、前記第1の基板と第2の基板間に狭持された
    光散乱状態の変化として光学像を形成する光変調層を具
    備し、前記誘電体薄膜の屈折率が1.5以上1.7以下
    であり、かつ前記誘電体薄膜の光学的膜厚が略λ/4
    (λは設計主波長)であり、かつ前記ITO薄膜の光学
    的膜厚が略λ/2であることを特徴とする表示パネル。
  6. 【請求項6】第1の誘電体薄膜と画素電極となるITO
    薄膜と第2の誘電体薄膜の3層からなる多層膜の区画が
    マトリックス状に配置され、かつ前記画素電極に接続さ
    れたスイッチング素子を有する第1の基板と、対向電極
    となる金属反射膜が形成された第2の基板と、前記第1
    の基板と第2の基板に狭持された光散乱状態の変化とし
    て光学像を形成する光変調層を具備し、前記第1および
    第2の誘電体薄膜の屈折率が1.6以上1.8以下であ
    り、かつ前記誘電体薄膜の光学的膜厚が略λ/4(λは
    設計主波長)であり、かつ前記ITO薄膜の光学的膜厚
    が略λ/2であることを特徴とする表示パネル。
  7. 【請求項7】スイッチング素子上に遮光膜が形成されて
    いることを特徴とする請求項4または請求項5または請
    求項6記載の表示パネル。
  8. 【請求項8】光変調層は高分子分散液晶であることを特
    徴とする請求項4または請求項5または請求項6記載の
    表示パネル。
  9. 【請求項9】第1の基板が空気と接する面と第2の基板
    が空気と接する面のうち少なくとも一方に反射防止膜が
    形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6
    のいずれかに記載の表示パネル。
  10. 【請求項10】高分子分散液晶の膜厚は5μm以上25
    μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項
    2または請求項3または請求項8記載の表示パネル。
  11. 【請求項11】高分子分散液晶の水滴状液晶の平均粒子
    径もしくはポリマーネットワークの平均孔径が0.5μ
    m以上3μm以下であることを特徴とする請求項1また
    は請求項2または請求項3または請求項8記載の表示パ
    ネル。
  12. 【請求項12】第1および第2の誘電体薄膜は酸化アル
    ミニウム(Al23)、酸化イットリウム(Y23)、
    一酸化シリコン(SiO)、酸化タングステン(W
    3)、弗化セリウム(CeF3)、弗化ランタン(La
    3)、弗化ネオジウム(NdF3)のいずれかの薄膜で
    あることを特徴とする請求項1または請求項4または請
    求項6記載の表示パネル。
  13. 【請求項13】誘電体薄膜は、酸化アルミニウム(Al
    23)、一酸化シリコン(SiO)、酸化タングスラン
    (WO3)、弗化セリウム(CeF3)、弗化ランタン
    (LaF3)、弗化ネオジウム(NdF3)のいずれかの
    薄膜であることを特徴とする請求項2または請求項5記
    載の表示パネル。
  14. 【請求項14】誘電体薄膜の屈折率をn1、ITO薄膜
    の屈折率をn2、電圧無印加状態での高分子液晶または
    光変調層の屈折率をn3としたとき、 n2 > n1 > n3 なる関係があることを特徴とする請求項1から請求項6
    のいずれかに記載の表示パネル。
  15. 【請求項15】第1の基板の屈折率と第2の基板の屈折
    率のうち少なくとも一方の屈折率と、電圧無印加状態で
    の高分子液晶または光変調層の屈折率との差が0.15
    以内であることを特徴とする請求項1から請求項6のい
    ずれかに記載記載の表示パネル。
  16. 【請求項16】ITO薄膜の屈折率は2.0以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記
    載の表示パネル。
  17. 【請求項17】光発生手段と、請求項1または請求項2
    または請求項3に記載の表示パネルと、前記光発生手段
    が放射する光を前記表示パネルに導く光学手段と、前記
    表示パネルで変調された光を投映する投写光学系とを具
    備することを特徴とする投写型表示装置。
  18. 【請求項18】光発生手段と、請求項4または請求項5
    または請求項6記載の表示パネルと、前記光発生手段が
    放射する白色光を赤色光、緑色光および青色光の3原色
    の光路に分離する機能、及び前記表示パネルで変調され
    た光を合成する機能を有する色分離合成光学系と、前記
    色分離色合成光学系で合成された光を拡大投映する投写
    光学系とを具備し、前記3原色の光路に前記表示パネル
    が配置されていることを特徴とする投写型表示装置。
  19. 【請求項19】表示パネルの誘電体薄膜とITO薄膜の
    膜厚は、変調する光のピーク波長に対して形成されてい
    ることを特徴とする請求項17または請求項18記載の
    投写型表示装置。
  20. 【請求項20】光発生手段と、前記光発生手段から放射
    される光を略平行光に変換する集光手段と、前記集光手
    段からの出射光を変調する請求項1または請求項2また
    は請求項3記載の表示パネルと、前記表示パネルの光学
    像を拡大し、かつ拡大した光学像を観察者に見えるよう
    にする拡大表示手段とを具備することを特徴とするビュ
    ーファインダ。
  21. 【請求項21】集光手段は平凸レンズであり、レンズの
    平面部を光発生手段側に向けて配置され、かつ光発生手
    段から放射された前記集光手段の有効領域に入射し、表
    示パネルを直進する光が観察者の瞳に到達するように集
    光することを特徴とする請求項20記載のビューファイ
    ンダ。
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