JP3104288B2 - ディスクコントロールシステム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はディスクコントロールシ
ステムに関し、特に、ディスク装置のデータをリードお
よびライト制御するディスクコントロールシステムに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のディスクコントロールシステムに
おいては、ディスク装置上のデータをリードおよびライ
トする場合には、上位のＭＰＵによりディスク装置制御
用のディスクコントローラに対して、リードおよびライ
ト動作に応じたコマンドと、シリンダ、ヘッド、セクタ
番号等から成る目的のセクタ情報を書込み、このディス
クコントローラにおいて、このコマンドとセクタ情報に
応じて、先ず目的のセクタのＩＤ（ＩＤＥＮＴＩＴＩ
Ｙ）フィールドが見付けられるまでリードし、このＩＤ
フィールドが見付かった後において、この後に続くＤＡ
ＴＡフィールドのデータをリードまたはライトする制御
方式が用いられている。

【０００３】このような制御用コントローラとしては、
例えば、フロッピィディスク装置用としては、ＮＥＣ社
製μＰＤ７６５ＡＣ、またはハードディスク装置用とし
ては、ＮＥＣ社製μＰＤ７２６１Ａ等がある〔ＮＥＣ社
出版：「μＰＤ７６５Ａ、７６５Ｂ、７２６５ ＦＤＣ
ユーザーズマニュアル」（ＩＴＭ−７８２Ｊ）、および
「μＰＤ７２６１、７２０６１リードディスクコントロ
ーラ・ユーザーズマニュアル」（ＩＥＭ−５００５
Ａ）〕。

【発明が解決しようとする課題】上述した従来のディス
クコントロールシステムにおける制御方式においては、
ディスクコントローラにおいて、目的のセクタのＩＤフ
ィールドを見付ける処理が開始された時点において、た
またま、この目的のセクタのＩＤフィールドがリードラ
イトヘッドを通過した直後である状態においては、ディ
スク装置内の記憶媒体が回転しているために、目的のセ
クタが再度１回転してリード／ライトヘッドを経由して
読出されるまで待たざるを得ず、従って、目的のセクタ
のＤＡＴＡフィールドをリードまたはライトするのに最
大で１回転の回転待ちを生じ、この待ち時間に対応する
時間を余分に要するという欠点がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のディスクコント
ローラシステムの構成は、リード／ライト処理のシーケ
ンスを制御するＭＰＵ（マイクロプロセッサ）からのリ
ード／ライト処理のコマンドを受けて実行するディスク
コントローラと、１回転周期ｔをもつ所定インデックス
信号によりリセットされ、所定周波数ｆの基準信号をセ
クタ番号Ｎに対応する一定値Ｍ＝ｔ×ｆ／Ｎだけカウン
トするカウンタと、前記カウンタの値をラッチして、シ
ステムバスを介して前記ＭＰＵによるカウンタ値リード
を媒介するレジスタと、所定の制御信号および前記イン
デックス信号を介して、前記ディスクコントローラによ
り所定セクタのリード／ライト処理が制御されるディス
ク装置とを備えることを特徴とする。

【０００５】

【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。

【０００６】図１は本発明の第１の実施例を示すブロッ
ク図である。図１に示されるように、本実施例は、リー
ド／ライト処理のシーケンスを制御するＭＰＵ（図示せ
ず）および制御用ファームウェア等が内蔵されるＲＯＭ
等が接続されるシステムバス１０１に対応して、前記Ｍ
ＰＵによりリードおよびライト処理のコマンド等が書込
まれ、その実行後に当該結果を当該ＭＰＵに報告するデ
ィスクコントローラ１と、基準信号１０５を一定値だけ
カウントして、ＩＮＤＥＸ信号１０３によりリセットさ
れるカウンタ２と、カウンタ２の値をラッチして、シス
テムバス１０１を介して前記ＭＰＵによるリードを媒介
するレジスタ３と、制御信号１０２およびＩＮＤＥＸ信
号１０３を介して、ディスクコントローラにより制御さ
れるディスク装置４と、を備えて構成される。

【０００７】図１において、ディスク装置４より出力さ
れるＩＮＤＥＸ信号１０３は、ディスク装置４における
記憶媒体が１回転する度に出力される信号であり、前記
記憶媒体をセクタ単位にてフォーマットする際に基準と
なる信号である。このＩＮＤＥＸ信号１０３がカウンタ
２に入力されると、カウンタ２においては、このＩＮＤ
ＥＸ信号１０３の入力以降、順次基準信号１０５がカウ
ントされる。従って、カウンタ２におけるカウンタ値、
即ちレジスタ３の値に応じて、ＩＮＤＥＸ信号１０３よ
り記憶媒体上の各セクタの物理的な位置が比例的に対応
している。例えば基準信号１０５の周波数をｆ_r とし、
記憶媒体のトラック単位に存在するセクタ数をＮとする
場合、このカウンタ２における値と各セクタの位置情報
との関係は、次表のように表わされる。

【０００８】

【表１】

【０００９】ここで、Ｍ_CNT は次の式にて与えられる。

【００１０】Ｍ_CNT ＝（ｔ_rpm ＊ｆ_r ）／Ｎ ｔ_rpm ：ＩＮＤＥＸ信号の１回転に必要とされる周期 次に、ディスク装置４の記憶媒体から読出す動作につい
て説明する。

【００１１】ＭＰＵにより、ディスク装置４の複数のセ
クタをリードする場合には、先ず、ＭＰＵによりレジス
タ３のカウンタ値をリードして、この値に応じて最短時
間にてリードすることのできるセクタ番号が算出され
る。ディスクコントローラ１に対しては、リードコマン
ドおよびセクタ情報が書込まれる。ディスクコントロー
ラ１においては、これらの書込まれたセクタ情報から目
的のセクタのＩＤフィールドの検出が開始されるが、レ
ジスタ３の値から最短時間でＩＤフィールドが発見され
るセクタとなっているため、回転待ちをすることなく短
時間にて目的のセクタのＤＡＴＡフィールドをリードお
よびライトすることができる。同様にして、その他のセ
クタについても、レジスタ３をリードしながらディスク
コントローラ１に対する処理が続行される。

【００１２】ここにおいて、トラック上の全セクタを読
出す動作について説明する。

【００１３】例えば、レジスタ３の値をリードし、この
カウンタ値が前述の表の第２番目のセクタ値を示すもの
である場合には、ＭＰＵにより、ディスクコントローラ
１に対して、リードコマンドおよびリード開始となる第
３番目のセクタ情報が書込まれる。これにより、第３番
目のセクタから第Ｎ番目のセクタまで、回転待ちするこ
となくリードすることが可能となる。更に、第１番目の
セクタから第２番目のセクタについては、前述のリード
動作の場合と同様に、レジスタ３をリードして最短時間
にてライトすることができるセクタを検出した後、ティ
スクコントローラ１に対して、ライト動作および開始セ
クタ情報を書込むことにより、引続き処理を続行するこ
とができる。

【００１４】図３に示されるのは、カウンタにおけるカ
ウンタ値と、対応する記憶媒体上のセクタ番号との対応
関係を示す図であるが、明らかに、両者の関係は直線的
な比例関係となっている。

【００１５】次に、本発明の第２の実施例について説明
する。図２は、本実施例を示すブロック図である。図２
に示されるように、本実施例は、システムバス１０６に
対応して、ＭＰＵ（図示されない）によりリードおよび
ライト処理のコマンド等を書込まれ、その実行後におい
て、その結果を前記ＭＰＵに報告するディスクコントロ
ーラ５と、基準信号１１１を一定値だけカウントして、
ＩＮＤＥＸ信号１１０と選択信号１０８が入力されるＯ
Ｒ回路６の出力によりリセットされるカウンタ８と、同
様に、基準信号１１１を一定値だけカウントして、ＩＮ
ＤＥＸ信号１１０と選択信号１０９が入力されるＯＲ回
路７の出力によりリセットされるカウンタ１０と、カウ
ンタ８の値をラッチして、システムバス１０６を介して
前記ＭＰＵによるリードを媒介するレジスタ９と、同様
に、カウンタ１０の値をラッチして、システムバス１０
６を介して前記ＭＰＵによるリードを媒介するレジスタ
１１と、制御信号１０７およびＩＮＤＥＸ信号１１０、
ならびにディスク装置を選択する選択信号１０８および
１０９を介して、ディスクコントローラ５により制御さ
れるディスク装置１２および１３とを備えて構成され
る。

【００１６】本実施例の第１の実施例と異なる点は、デ
ィスク装置が二つ備えられていることであり、これに伴
なって、カウンタおよびレジスタと関連するＯＲ回路が
それぞれ二つ設けられていることである。この場合にお
いては、ＩＮＤＥＸ信号１１０を、ディスク装置１２お
よび１３に対応する選択信号１０８および１０９を介し
て、ＯＲ回路６および７においてゲートすることによ
り、これらのディスク装置１２および１３に対応して、
ディスク装置内のリード／ライトの物理的な位置情報を
得ることができる。云うまでもなく、ＩＮＤＥＸ信号１
１０とは、前述のように、ディスク装置１２および１３
における記憶媒体が一回転する度に出力される信号であ
り、前記記憶媒体をセクタ単位にフォーマットする際に
基準となる信号である。従って、対応するカウンタ８お
よび１０においては、ＩＮＤＥＸ信号１１０の入力以
降、順次基準信号１０５がカウントされ、第１の実施例
の場合と同様に、カウンタ８および１０におけるカウン
タ値、即ちレジスタ９および１１の値に応じて、記憶媒
体上の各セクタの物理的な位置が、各ディスク装置ごと
に特定される。なお、ディスク装置１２および１３に対
応するディスクコントローラ５、カウンタ８および１
０、レジスタ９および１１等の動作については、前述の
第１の実施例の場合と全く同様であり、それぞれのディ
スク装置ごとにカウンタおよびレジスタを有することに
より、各ディスク装置ごとの対応が可能となる。

【００１７】なお、具体例として、本発明をフロッピィ
・ディスク装置に適用した場合、記憶媒体の回転数が３
００ｒｐｍの場合には、１回転に要する時間は２００ｍ
ｓ（ミリセカンド）であり、基準信号１０２として１ｍ
ｓ周期の信号を入力して、カウンタのフルカウント値を
２００に設定するものとすると、１トラック当り１０セ
クタ構成として、カウンタ値の２０単位の範囲が個々の
セクタに対応することになる。

【００１８】また、ハードディスク装置に適用した場合
には、記憶媒体の回転数が３６００ｒｐｍの場合には、
１回転に要する時間は１６．７ｍｓであり、基準信号１
０２として０．１ｍｓ周期の信号を入力して、カウンタ
のフルカウント値を１６７に設定するものとすると、１
トラック当り３３セクタ構成として、カウンタ値の５単
位の範囲が個々のセクタに対応することになる。

【００１９】従って、このように、カウンタを用いてリ
ードまたはライト動作を実行する場合には、最短時間に
てリード／ライトを実行することのできるセクタを予め
予測することができるため、従来、最大１回転時間セク
タのアクセスに必要とされていた時間を低減することが
可能となる。上記の例の場合には、フロッピィ・ディス
ク装置の場合においては、およそ２００ｍｓであり、ハ
ードディスク装置の場合においては、およそ１６．７ｍ
ｓである。

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ディス
ク装置のセクタをリードおよびライトする場合に、当該
ディスク装置の記憶媒体の回転による回転待ち時間を大
幅に削減することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示すブロック図であ
る。

【図２】本発明の第２の実施例を示すブロック図であ
る。

【図３】カウンタにおけるカウンタ値とセクタ番号との
関係を示す図である。

【符号の説明】

１、５ ディスクコントローラ ２、８、１０ カウンタ ３、９、１１ レジスタ ４、１２、１３ ディスク装置 ６、７ ＯＲ回路

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リード／ライト処理のシーケンスを制御
   するＭＰＵ（マイクロプロセッサ）からのリード／ライ
   ト処理のコマンドを受けて実行するディスクコントロー
   ラと、１回転周期ｔをもつ所定インデックス（ＩＮＤＥ
   Ｘ）信号によりリセットされ、所定周波数ｆの基準信号
   をセクタ番号Ｎに対応する一定値Ｍ＝ｔ×ｆ／Ｎだけカ
   ウントするカウンタと、前記カウンタの値をラッチし
   て、システムバスを介して前記ＭＰＵによるカウンタ値
   リードを媒介するレジスタと、所定の制御信号および前
   記インデックス信号を介して、前記ディスクコントロー
   ラにより所定セクタのリード／ライト処理が制御される
   ディスク装置とを備えることを特徴とするディスクコン
   トローラシステム。
2. 【請求項２】 ディスク装置、カウンタ、レジスタがそ
   れぞれ複数個あり、これらカウンタのリセット入力が、
   インデックス信号と該当するディスク装置の選択信号の
   より動作する請求項１記載のディスクコントローラシス
   テム。