JP3102790B2 - 使い捨て衛生材料用シートの製造方法 - Google Patents

使い捨て衛生材料用シートの製造方法

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JP3102790B2
JP3102790B2 JP01228286A JP22828689A JP3102790B2 JP 3102790 B2 JP3102790 B2 JP 3102790B2 JP 01228286 A JP01228286 A JP 01228286A JP 22828689 A JP22828689 A JP 22828689A JP 3102790 B2 JP3102790 B2 JP 3102790B2
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小河  勝
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は使い捨て衛生材料用シート及びその製造方法
に関する。より詳しくは使い捨ておしめ等のトップシー
ト等に用いられる使い捨て衛生材料用シート及びその製
造方法に関する。
〔従来の技術〕
第1図に使い捨ておむつの一例の平面図を示し、第2
図に断面図を示す。第1図および第2図に示すように、
使い捨ておむつ1は***液体吸収用吸収体3を挟んで表
面側(人体側)にトップシート2を、裏側にバックシー
ト4を配置することによって構成される。前記トップシ
ート2としては従来から各種不織布が用いられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
近年、使い捨ておむつの普及はめざましく、その生産
量も急増してきている。このような環境下における使い
捨ておむつとしての問題点として、1つはその製造ライ
ンでのロスの減少及び品質の安定性が重要な点である。
特に生産量の拡大に伴ない高生産性の要請が強く、設備
的な工夫がされてきているが、使用材料についても高速
度ラインに耐える強度だけでなく、たびたび発生する低
〜高速変速時の変化に耐え、シワの発生、幅ズレ、幅の
寸法変化の少ない材料が必要となってきた。
第2の問題点としては使い捨ておむつの性能面で、漏
れについての改良がある。これについてはこれまで各種
の提案がなされている。
すなわち使い捨ておむつの形態安定性を増して漏れを
防止する方法としては、よじれ防止ネット、***液体吸
収用吸収体の使用量を増加する方法、ホットメルト接着
剤を用いて漏れを防止する方法が知られている。使い捨
ておむつの形態を改良して漏れを防止する方法として
は、パンツスタイルにしたり、使い捨ておむつのサイド
やウエストにギャザーを設ける方法が知られている。吸
収力をあげて漏れを防止する方法としては、高吸水ポリ
マーや拡散シートを用いる方法が知られている。使い捨
ておむつの使用時に使い捨ておむつがゆるんで漏れが発
生することを防止する方法としては、伸縮テープ、取付
自由テープを用いる方法が知られている。
一方トップシートに対しては透液速度を早くするため
に瞬間吸水性や数次透水性を付与したり、あるいは吸収
体に接触する部分のみに液透過性処理剤を付与し、その
外側の部分は不織布自体の疎水性を利用して、***液体
が外側の部分に伝たわらないようにし、それでも充分で
ない漏れ防止、より詳しくは横漏れや縦漏れの防止のた
めに外側の部分にギャザーを設けたり、あるいはホット
メルト剤を塗布してその部分の不織布の繊維間空隙をな
くして毛細管現象による***液体の進行を防止する等の
対策がとられている。
これらの対策を適切に組合せて用いることにより、従
来の使い捨ておむつであっても取付不良やサイズ不一致
等の使用者側の取扱いミスがない限り、***時での漏れ
防止はほゞ防止できる。しかしながら、一度***されて
吸収された***液体が時間経過と共ににじみもれした
り、特定の処、特に狹い部分に吸収が集中した場合に生
ずる漏れに対しては前述の従来の対策では解決すること
ができない。すなわち***後の***液体によって生ずる
漏れ発生を防止する方法については何等解決されていな
いのが現状である。又前述の各対策の中には、使い捨て
おむつの嵩が大きくなりすぎたり、人体が接触するトッ
プシートの風合が硬くなったりあるいはコスト高になっ
たりするものがあり、必ずしも実用的でなかった。
本発明は従来のオムツラインの高速化に伴なう製造上
のライン張力で変形し易いという問題と、使い捨ておむ
つの有する漏れ特ににじみの問題点を解消するために、
トップシートとして用いられる不織布シートの本質的な
構造を改良することによって、特別な処理を施すことな
しに、且つシートの有する風合を維持しながら前記***
液体のにじみを防止することのできるトップシート用の
衛生材料用シートを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕 本発明の前述の目的は、疎水性合成繊維の連続フィラ
メントを移動ネットに対して傾斜を持たせて吹きつける
ことにより、ウエブ中での繊維の配列にタテ・ヨコ方向
があるウエブを形成させることを特徴とする使い捨て衛
生材料用シートの製造方法によって達成される。
通常オムツ製造ラインでシートにかかる張力はそのシ
ートの破断する強さに相当するものではなくそのライン
上で加えられる工程にもよるが、極く低い張力であっ
て、一般的にはオムツ全幅に対し1〜6kgであり、速度
変化によって高速ほど高張力となるが、平均ほぼ2kg/30
cm巾程度であると推定される。したがって、いかに破断
強力が強いものであってもラインでかかる張力で、変形
し易いものであれば、速度依存性の高いものとなり、低
破断強力でもライン張力で変形しにくいものであれば、
その走行安定性の優れたものと言える。本発明者らは、
コスト面から、同じ重さ(目付)でまたオムツトップシ
ートとしての表面カバー性、風合等を含めた性能面を考
え合わせながら改良方法について検討を進め、ウエブ中
の繊維の配列にタテ、ヨコ方向差を設けることにより、
特に張力の加わる方向(通常ラインではウエブタテ方
向)に配列を優位にすることにより、柔軟な繊維でも、
低張力での幅変化は少なくなり、全体としての柔軟な風
合、表面カバー性を維持したまま、オムツライン上での
走行安定性が付与し得ることを見い出した。これはトッ
シートとして透水性能を付与しての使用、撥水性を活し
ての周辺撥水シートとしての使用、透水部/撥水部を組
み合わせて使用するいずれの場合にも有効である。
さらに本発明者らは一般に液体はウエブ中の引きそろ
った繊維の配列の良い方に沿って毛細管現象で進み易い
ことに注目し、そこで前述のように透水性ウエブ中の繊
維の配列にタテ・ヨコ方向差を設け、***液体がにじん
では困る方向を横切って繊維がより多く配列されるよう
に本発明のシートを用いれば特別な処理を施すことなく
***液体のにじみを防止することができる。
また、本発明のシートは、後述の実施例に示す通り、
JIS−L−1085により測定した引張強度のタテ・ヨコ比
が2.3以上であることが好ましい。
前記ウエブ中の繊維の接合を部分熱圧着で行えば前記
***液体のにじみをさらに防止することができる。
部分熱圧着のパターンの各種の例を第3図〜第6図に
示す。第3図は千鳥状配置ピンポイントエンボス5を示
し、円形の突起が千鳥上に配置したエンボスロール又は
エンボスプレートを用いて得られ、6で示す部分でウエ
ブ中の繊維が部分熱圧着される。第4図は縦線エンボス
7を示し、W1のピッチで幅W2の線状熱圧着部8がウエブ
の長手方向に平行に配置されている。第5図に示すよう
に、線状熱圧着部10が屈折している変形縦(ジグザグ)
線エンボス9を用いてもよい。第6図は横線エンボス11
を示し、W1のピッチで幅W2の線状熱圧着部12がウエブの
幅方向に平行に配置されている。第3図に示す千鳥状ピ
ンポイントエンボス5では毛細管現象を示す繊維相が連
続しており、この繊維層の毛細管現象による液のにじみ
をウエブの特定方向で抑制することができない。しかし
第4図〜第6図に示すように線状熱圧着部を用いれば、
熱圧着された部分では繊維が圧着し表裏一体化し、繊維
層としては途切れているので熱圧着線に直角な方向には
液の繊維間移動が抑制されることになり液のにじみをと
めることができる。前記第4図〜第6図に示す線のピッ
チW1および線の幅W2はシートの用いる用途に応じて任意
に選定することができる。W1を小さくW2を大きくすれば
液のにじみを抑制するのに役立つ。W1を大きく、W2を小
さくすると柔軟となる。W1が小さすぎたり、W2が大きす
ぎると柔軟性を失い好ましくない。逆の関係にすると毛
羽立ち、強力低下が起きる。したがって例えばW1は1〜
5mm、W2は0.1〜1mmの範囲、好ましくはW1は2〜3mm、W2
は0.2〜0.5mmの範囲にすれば風合、毛羽立ち、強力、に
じみ防止効果上好ましい。柔軟性等の点から線状熱着部
を例えば1mm以下、好ましくは0.3mmの間隔をあけて不連
続にしてもよい。このようにすればシートの柔軟性を保
ちながら液のにじみを抑制することができる。
当然必要によってはタテ、ヨコ方向共にじみ止めする
考えで格子状のエンボスパターンを用いることも有用で
ある。
第7図〜第9図に例としてスパンボンド法でのウエブ
を形成する方法の各種態様を示す。
第7図(A)において、フィラメント群f1は紡糸口13
aから押出され、高速気流牽引装置13bによって牽引さ
れ、ネット状エンドレスベルト14に吸収装置15によって
吸引されながら堆積されウエブW1を形成する。その際第
7図(B)に例示するようにフィラメントは牽引された
糸速とエンドレスベルトとの速度差により落下した点P1
を中心としてエンドレスベルト14の走行方向に細長く延
ばされたようなパターンで堆積され、順次重ね合ってウ
エブとなる。
第8図(A)はフィラメント群f2をネット状エンドレ
スベルト14に対して傾斜して吹きつける方法であり、傾
斜角を大きくする程、第8図(B)に示すように落下点
P2を中心としてより細長く延ばされてフィラメントf2
ネット状エンドレスベルト14上に配置されてウエブW2
形成する。傾斜角αは任意に選定すればよいがあまり大
きくすると形成したウエブの飛散に注意する必要があ
り、例えば7゜程度が用いられる。当然第8図(A)に
示す吹き付け方向をウエブ進行方向に向けてもよい。
第9図(A)はフィラメント群f3を円筒形金網製吸引
ドラム16上に堆積してウエブW3を形成させるものであ
り、この場合は円筒形ドラム16の直径を変更することに
よってフィラメントのドラム16上の配置をウエブW3の進
行方向により細長くすることができる。当然第8図
(A)のようにウエブが吹き飛ばない程度ドラムに対し
傾斜して吹きつければさらに細長くすることができる。
以上説明したように本発明のシートはシート中の繊維
の配列をシートの長手方向に細長く配列できる方法によ
って製造されている。その結果前述のようにシート中の
繊維の配列にタテ・ヨコ差が生じ、そのタテ・ヨコ差に
よって不織布のライン上での巾変化を少なくし、低速〜
高速での寸法安定性が得られると共に液のにじみ方向を
コントロールすることができる。さらにより好ましくは
線状の熱圧着部を適切にシートに設けることにより、液
のにじみ方向性と速さをさらにコントロールすることが
できることになる。
前記シート中の繊維の配列のタテ・ヨコ差は後述の実
施例で詳細に説明するようにシートの引張速度のタテ・
ヨコ差、およびマイクロ波配向による測定によって証明
することができる。
〔実施例〕
以下本発明の衛生材料用シートの各種実施例により本
発明を詳述する。
各実施例の説明に先立ち、本発明のシートの性能評価
方法について説明する。
・繊維の配列方向性 引張強度のタテ・ヨコ比 ウエブの進行方向をタテとし、ウエブの幅方向をヨコ
として得られたシートから試料を採取し、JIS−L−108
5により引張強度を測定する。得られたタテ強度とヨコ
強度の比からシート中の繊維の配列の強さを推定するこ
とができる。
マイクロ波による繊維配向 マイクロ波分子配向計(神崎製糸(株)製)MOA−200
1Aを用いて、試料に偏波したマイクロ波をあて、繊維の
分子の双極子との相互作用により、その分子の主軸の配
向を検知し、試料を回転することで異方性(配向性)、
TDとMD方向の透過マイクロ波の強度比を求める。
この方法は従来シート等の分子鎖主軸の配向角、配向
パターンおよびシートの電気的異方性等を調べる場合に
用いられる測定方法であり、第13図にポリイミドフィル
ム(厚さ130μm)の透過マイクロ波強度の角度依存性
の測定結果を例示する。第13図の場合には分子鎖主軸の
配向角が36゜であり、Max/Minが3.08であって大きな差
があることが確認できる。
本出願ではこの方法を利用してウエブ中の繊維の配向
を確かめたものであり、第14図(A)はブラング状態の
測定であり、得られた透過マイクロ波強度は360゜にわ
たって等しく、すなわち眞円を示し、第14図(B)本発
明の実施例2の場合、第14図(C)は本発明の実施例3
の場合の透過マイクロ波強度を示す。
本発明のシートの場合は、試料のMD方向と主配向方向
角度差(図中のINCLINE)は繊維の主配列方向を示す。
後述の実施例で示すように本発明のシートの場合はその
値は極く小さい値である。透過TD/MD比がウエブ中の繊
維の配列比に関連する値であり、第14図(A)に示すよ
うに値が1の場合は等方性を示し、1より大きいことタ
テ方向(MD)に繊維が配列されていることを示し、値が
大きい程その配列の程度が強いことを示す。たゞし透過
強度による測定のため配向の絶対値を示すものではな
い。
・透水性 第10a図に示すように試料17を支持体18に固定する。
その際試料17の下にティシュ、パルフ等の液吸収体28を
置き密着させる。試料17上方15mmのスポイト19から生理
食塩水を1滴(0.1cc/個)滴下し、2sec以内にほとんど
の液が試料を通過し吸収体に吸収されるものを透水性が
あるものとした。
・にじみ拡がり なおシート自体での液のにじみ拡がりを見る際には第
10b図に示すように試料17の下にティシュ、パルプ等の
液吸収体を密着させた上で空中で水平に保持する。生理
食塩水1滴を滴下し、液滴が透過した時の試料表面での
液の拡がりを測定した。
・にじみ長 第11図に示す器具20を用い、生理食塩水を器具20の槽
21に満たし、液面と同一平面の試料台上に試料(幅15m
m)22を配置し、試料22の一端2cmを槽21中に浸たす。液
中に浸たしてから60sec後の試料中の液浸透部分23の端
部24の位置を測定し、その長さをにじみ長として液が多
量に存在する時のにじみ易さを示す。
・ウエブの幅入り 3cm幅の試料を把持部間距離20cmで0.2kg/幅の張力を
かけ、10sec後の長さ方向中央部の試料幅を測定し、元
の幅(3cm)に対する縮み率を幅入り率とする。この数
値は不織布を実際にオムツ製造ラインにかけた際のウエ
ブの走行安定性の良否を示し、安定性のよいもの程幅入
り率は小さくなる。
実施例1 ポリプロピレン(JIS K7210の条件Kで測定したMFR=
38)を240℃の温度で幅方向に拡げて押出したフィラメ
ント群を高速気流牽引装置を使用して3,500m/分の速度
で牽引して分散させ、第7図に示すように紡糸口下45cm
で水平方向に移動するネット上に吸引させながらウエブ
を形成した。このウエブを搬送し、その表面全面に直径
0.45Φの凸部を1.5mmピッチで千鳥配置(第3図参照)
したエンボスロールと表面平滑ロールとを組合せて得た
部分熱圧着ロールに通して目付20g/cm2の部分熱圧着さ
れたスパンボンド不織布を得た。その際の上下ロールの
温度は135℃であり、60kg/cmの圧力が加えられた。得ら
れた不織布中の繊維の単糸デニールは2.3デニールであ
った。
実施例2 実施例1と同一の条件で牽引・分散させたポリプロピ
レンフィラメント群を移動ネット上に吹引させてウエブ
を形成するに際して、ウエブ中の繊維が進行方向により
配列するように、フィラメントを垂直方向に対して7゜
の傾斜を持たせて移動ネット上に吹きつけた(第8図参
照)。得られたウエブに実施例1と同じ条件で千鳥エン
ボスの熱圧着加工を施して実施例2のポリプロピレンス
パンボンド不織布を得た。
実施例3 実施例1で用いた移動ネットに代えて直径110cmの円
筒形金網製吸引ドラムを用意した。この吸引ドラムを用
いることによりウエブ中の繊維が進行方向により配列す
る状態でウエブを形成させる(第9図参照)以外は実施
例1と同じ条件を用いて千鳥エンボスの部分熱圧着部を
有する実施例3のポリプロピレンスパンボンド不織布を
得た。
実施例4〜6 実施例4〜6のポリプロピレンスパンボンド不織布は
実施例1〜3の不織布のそれぞれに対して液透過性処理
剤としてアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物
を0.5%付与した不織布である。
すなわち製造条件で見て、実施例4は垂直吸引エンド
レスベルト、千鳥エンボスおよび液透過性処理剤付与の
不織布、実施例5は7゜傾斜エンドレスベルト、千鳥エ
ンボスおよび液透過性処理剤付与の不織布、実施例6は
円筒形ドラム、千鳥エンボスおよび液透過性処理剤付与
の不織布である。
実施例7,8 実施例7,8のポリプロピレンスパンボンド不織布は実
施例4,5の不織布を製造する際の千鳥エンボスの部分熱
圧着を縦線エンボスの部分熱圧着にそれぞれ変え、その
他の条件は実施例4,5と同一にした不織布である。
用いた縦線エンボスの部分熱圧着は第4図に例示する
如く、ウエブ中の繊維の配列方向に沿った縞状熱圧着部
が形成されるように、幅0.3mm、高さ0.4mmの線状突起部
が3mmのピッチで平行に設けられた表面(熱圧着面積比
率10%)を有する彫刻ロールと平滑ロールの組合せを用
い、135℃の温度下で圧力60kg/cmで行われた。
したがって、製造条件で見て、実施例7は垂直吸引エ
ンドレスベルト、縦線エンボス、および液透過性処理剤
付与の不織布、実施例8は7゜傾斜エンドレスベルト、
縦線エンボスおよび液透過性処理剤付与の不織布であ
る。
実施例9,10 実施例9,10のポリプロピレンスパンボンド不織布は実
施例4,5の不織布を製造する際の千鳥エンボスの部分熱
圧着を横線エンボスの部分熱圧着にそれぞれ変え、その
他の条件は実施例4,5と同一にした不織布である。
用いた横線エンボスの部分熱圧着は第6図に例示する
如く、ウエブ中の繊維の配列方向に垂直な方向で縞状熱
圧着部が形成されるように、幅0.2mm高さ0.4mmを有する
突起部が2mmのピッチで平行に設けられた表面(熱圧着
面積比率10%)を有する彫刻ロールと平滑ロールの組合
せを用い、135℃の温度下で圧力60kg/cmで行われた。
したがって製造条件で見て、実施例9は垂直吸引エン
ドレスベルト、横線エンボス、および液透過性処理剤付
与の不織布、実施例10は7゜傾斜エンドレスベルト、横
線エンボス、および液透過性処理剤付与の不織布であ
る。
前記不織布の実施例1〜10についての性能評価結果を
第1表に示す。
第1表に示す実施例1〜3を比較すれば明らかなよう
に、フィラメントを垂直にコンベアベルトの上に堆積さ
せたものもエンドレスベルトの進行速度が速いことから
繊維はタテ配列になるが(実施例1)、これらよりも傾
斜させてコンベアベルト上に堆積させたり(実施例
2)、円筒形ドラム上に堆積させた方が(実施例3)、
フィラメントの配列が、引張強度タテ/ヨコ比、マイク
ロ波配向で示すように、ウエブの長手方向でより良好に
なる。すなわち繊維の配列のタテ・ヨコ方向差が大きく
なる。又フィラメントがウエブの長手方向でより良好に
揃うことにより幅入りが少くなり、このことは撥水性不
織布としてオムツラインでの走行安定性が良好になるこ
とを示す。
フィラメントの配列のタテ・ヨコ方向差を大きくする
ことによる効果は液透過性処理剤を付与した実施例5〜
6によって示される。すなわちにじみ長は各実施例とも
タテ方向で長く、ヨコ方向で短くなり、その傾向は実施
例4よりも実施例5および6の場合が大きくなる。した
がって使い捨ておむつのトップシートに本発明のシート
を用いる場合には***液体の漏れを防ぐ方向に合せてシ
ートの向きを適切に選定すればよく、したがって不織布
の繊維配列のタテ・ヨコ方向差を利用して漏れの少い使
い捨ておむつを作ることができる。
実施例7,8に示すように縦線エンボスを用いるとヨコ
方向の***液体のにじみは繊維の配列との相乗効果によ
って抑えられ、その分だけタテ方向でのにじみ広がりが
大きくなる。したがってこの不織布を使い捨ておむつの
トップシートとしてタテ長に使用すれば、おむつの幅方
向への***液体のにじみが少くなり、例えばおむつの足
廻りをつたっての漏れを防止できることになる。
実施例9,10に示すように、横線エンボスを用いると、
ヨコ方向の***液体のにじみは繊維配列によって抑制さ
れるが、一方タテ方向のにじみは横線エンボスによって
抑制される。したがってこのシートを使い捨ておむつの
トップシートとしてタテ長に使用すれば、おむつの腰部
に向けての***液のにじみを抑えることができ、更に幅
方向の漏れ止めにはギャザーを併用すればタテ方向およ
びヨコ方向両方に漏れ止めすることのできる使い捨てお
むつを提供することができることになる。
実施例11 実施例3のポリプロピレンスパンボンド不織布をトッ
プシートとして使用するに際して幅方向の中央部のみに
(例えば幅30cmの不織布の場合中央の20aの部分)、実
施例6の場合と同様に液透過性処理剤を付与した。すな
わち第12図に示すように中央部25に液透過性処理液を付
与し、中央部25の両縁25aの外側の不織布の部分26は撥
水性のある状態のまゝにした。この不織布に対してにじ
み長を測定すると処理液を付与した部分は60sec間に40m
mのにじみ長を示したが、未処理の部分には試験液は浸
透しなかった。次にこの不織布に試験液を滴下すると中
央部の処理域25ではタテ長のにじみ拡り27が生じたが両
縁25aの部分では27aで示すように試験液は縁25aより外
側、すなわち未処理部分26には拡がらなかった。
実施例12〜21 実施例12〜21には実施例1〜10で説明したポリプロピ
レンスパンボンド不織布の各実施例に対応するポリエス
テルスパンボンド不織布の実施例を示す。
すなわち実施例12はポリエステル樹脂(ηsp/c=0.7
5)を295℃の温度で幅方向に拡げて押出したフィラメン
ト群を高速気流牽引装置を使用して4,700m/分の速度で
牽引して分散させ、第7図に示すように紡糸口下45cmで
水平方向に移動するネット上に吸引させながらウエブを
形成させ、搬送されるウエブを、その表面全面に直径0.
45Φの凸部を1.5mmピッチで千鳥配置(第3図参照)し
たエンボスロールと表面平滑ロールとを組合せて得た部
分熱圧着ロールに通して得た目付18g/m2のポリエステル
スパンボンド不織布である。その際の上下ロールの温度
は250℃であり、60kg/cmの圧力が加えられた。得られた
不織布の繊維の単糸デニールは2.1デニールであった。
実施例13は、ウエブ形成を行うに際してフィラメント
を垂直方向に対して7゜の傾斜を持たせて移動ネット上
に吹き付けたものであり、その他の条件は実施例12と同
一である。
実施例14は実施例12で用いた移動ネットに代えて直径
110cmの円筒形金網製吸引ドラムを用いたものであり、
その他の条件は実施例13と同一である。
実施例15〜17のポリエステルスパンボンド不織布は実
施例12〜14の不織布のそれぞれに対して液透過性処理剤
としてポリプロピレンオキサイド−エチレンオキサイド
付加物を0.2%付与したものである。
実施例18,19のポリエステルスパンボンド不織布は実
施例15,16の不織布を製造する際の千鳥エンボスの部分
熱圧着を縦線エンボスの部分熱圧着にそれぞれ代え、そ
の他の条件は実施例15,16と同一にした不織布である。
縦線エンボスの部分熱圧着はポリプロピレンスパンボン
ド不織布の実施例7,8と同一条件の彫刻ロールと平滑ロ
ールの組合せを用い、但し温度は255℃にして行った。
実施例20,21のポリエステルスパンボンド不織布は実
施例15,16の不織布を製造す際の千鳥エンボスの部分熱
圧着を横線エンボスの部分熱圧着にそれぞれ変え、その
他の条件は実施例15,16と同一に不織布である。横線エ
ンボスの部分熱圧着はポリプロピレンスパンボンド不織
布の実施例9,10と同一条件の彫刻ロールと平滑ロールの
組合せを用い、但し温度は255゜にして行った。
前記不織布の実施例12〜21についての性能評価結果を
第2表に示す。
得られた結果は第1表で示したポリプロピレンスパン
ボンド不織布の各実施例での製造条件差に基づく特徴と
ほぼ同一の特徴を示した。
すなわちフィラメントを垂直にコンベアベルトの上に
堆積させたものもエンドレスベルトの進行速度が速いこ
とから繊維はタテ配列になるが、さらに、傾斜させてコ
ンベアベルト上に堆積させたり、円筒形ドラム上に堆積
させた方が繊維の配列のタテ・ヨコ方向差がより大きく
なる。本発明の不織布ではタテ方向が優位になるにした
がい、巾入りは少なくなりオムツラインでの走行安定性
がよくなり、さらににじみ長が各実施例ともタテ方向で
長く、ヨコ方向で短くなり、その傾向は縦線エンボスの
部分熱圧着ロールを用いることにより増大し、一方横線
エンボスの部分熱圧着ロールを用いればタテ方向のにじ
み長を抑制することができる。
〔発明の効果〕
本発明のシートは連続フィラメントのウエブから成り
且つウエブ中の繊維の配列がタテ・ヨコ方向差があるよ
うに形成されているので、不織シートの本質的な構造に
より本発明シートを使い捨ておむつ等のトップシートに
撥水性を活かしての使用、また透水性能を付与しての使
用、さらに透水、撥水性を組合せて使用する場合にオム
ツラインでの走行安定性に優れ、また***液体のにじみ
に方向差を与えることができ、したがって使用時にシー
トの使用方向に適切に選定することにより、使い捨てお
むつとしての***液体の漏れを完全に防止することがで
きる。
本発明のシートに特定の方向の縞状の部分熱圧着を施
せば、その方向に応じて***液体のにじみをさらに抑制
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のシートが用いられた使い捨ておむつの
一例を示す平面図であり、第2図は第1図の線II−IIに
よる断面図であり、第3図〜第6図は本発明のシートに
加えられる部分熱圧着の各種パターン例を示す図であっ
て、第3図は千鳥状配置、第4図は縦線エンボス、第5
図は変形縦線エンボス、第6図は横線エンボスであり、
第7図〜第9図はウエブを形成する方法の各種態様例を
示す図であって、第7図(A)はフィラメントをエンド
レスベルトに垂直吸引させる方法、第8図(A)はフィ
ラメントをエンドレスベルトに傾斜させて吸引させる方
法、第9図(A)はフィラメントを円筒形ドラムに吸引
させる方法であり、第7図(B)、第8図(B)および
第9図(B)は対応する方法で得られるウエブ中のフィ
ラメントの拡がり状態をモデル化して示す図であり、第
10図(A)はシートの透水性を試験する方法を説明する
図であり、第10図(B)はシートのにじみ拡がりを測定
する方法を説明する図であり、第11図はシートのにじみ
長を測定する器具を説明する斜視図であり、第12図は中
央部にのみに液透過性処理剤が付与されたシートに対す
る液体のにじみ拡がりを説明する図であり、第13図はマ
イクロ波による繊維配向の測定結果のプリンター出力例
を示す図であり、第14図は本発明のシートのマイクロ波
による繊維配向の測定結果の3つの例(第14図(A)、
第14図(B)、第14図(C))を示す図である。 1……使い捨ておむつ、2……トップシート、 3……吸収体、4……バックシート、 5……千鳥状配置エンボス、 6……円形熱圧着部、7……縦線エンボス、 8,10,12……線状熱圧着部、 9……変形縦線エンボス、11……横線エンボス、 13……紡糸口、 14……ネット状エンドレスベルト、 15……吸引装置、 16……円筒形金網製吸引ドラム、 17,23……試料(シート)、 19……スポイト、 23……液がにじんだ部分、 25……液透過性処理剤が付与された部分、 27,27a……液にじみ部分。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D04H 3/04 A61F 13/18 360 3/16 310Z

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】疎水性合成繊維の連続フィラメントを移動
    ネットに対して傾斜を持たせて吹きつけることにより、
    ウエブ中での繊維の配列にタテ・ヨコ方向があるウエブ
    を形成させることを特徴とする使い捨て衛生材料用シー
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】疎水性合成繊維の連続フィラメントを円筒
    ドラムに吹きつけることにより、ウエブ中での繊維の配
    列にタテ・ヨコ方向差があるウエブを形成させることを
    特徴とする使い捨て衛生材料用シートの製造方法。
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