JP3117447B2 - 使い捨て衛生材料用トップシート - Google Patents

使い捨て衛生材料用トップシート

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JP3117447B2
JP3117447B2 JP01228284A JP22828489A JP3117447B2 JP 3117447 B2 JP3117447 B2 JP 3117447B2 JP 01228284 A JP01228284 A JP 01228284A JP 22828489 A JP22828489 A JP 22828489A JP 3117447 B2 JP3117447 B2 JP 3117447B2
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小河  勝
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は使い捨て衛生材料用トップシートに関する。
より詳しくは、使い捨ておしめ等の衛生材料に用いら
れ、特に***液体のにじみ防止に役立つトップシートに
関する。
〔従来の技術〕
第4図に使い捨ておむつの一例の平面図を示し、第5
図に断面図を示す。第4図および第5図に示すように、
使い捨ておむつ1は***液体吸収用吸収体3を挟んで表
面側(人体側)にトップシート2を、裏側にバックシー
ト4を配置することによって構成される。前記トップシ
ート2としては従来から各種不織布が用いられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
近年、使い捨ておむつの普及はめざましく、その生産
量も急増してきている。このような環境下における使い
捨ておむつとしての問題点として、漏れについての改良
がある。これについてはこれまで各種の提案がなされて
いる。
すなわち使い捨ておむつの形態安定性を増して漏れを
防止する方法としては、よじれ防止ネット、***液体吸
収用吸収体の使用量を増加する方法、ホットメルト接着
剤を用いて漏れを防止する方法が知られている。使い捨
ておむつの形態を改良して漏れを防止する方法として
は、パンツスタイルにしたり、使い捨ておむつのサイド
やウエストにギャザーを設ける方法が知られている。吸
収力をあげて漏れを防止する方法としては、高吸水ポリ
マーや拡散シートを用いる方法が知られている。使い捨
ておむつの使用時に使い捨ておむつがゆるんで漏れが発
生することを防止する方法としては、伸縮テープ、取付
自由テープを用いる方法が知られている。
一方トップシートに対しては透液速度を早くするため
に瞬間吸水性や数次透水性を付与したり、あるいは吸収
体に接触する部分のみに液透過性処理剤を付与し、その
外側の部分は不織布自体の疎水性を利用して、***液体
が外側の部分に伝たわらないようにし、それでも充分で
ない漏れ防止、より詳しくは横漏れや縦漏れの防止のた
めに外側の部分にギャザーを設けたり、あるいはホット
メルト剤を塗布してその部分の不織布の繊維間空隙をな
くして毛細管現象による***液体の進行を防止する等の
対策がとられている。
これらの対策を適切に組合せて用いることにより、従
来の使い捨ておむつであっても取付不良やサイズ不一致
等の使用者側の取扱いミスがない限り、***時での漏れ
防止はほゞ防止できる。しかしながら、一度***されて
吸収された***液体が時間経過と共ににじみもれした
り、特定の処、特に挾い部分に吸収が集中した場合に生
ずる漏れに対しては前述の従来の対策では解決すること
ができない。すなわち***後の***液体によって生ずる
漏れ発生を防止する方法については何等解決されていな
いのが現状である。又前述の各対策の中には、使い捨て
おむつの嵩が大きくなりすぎたり、人体が接触するトッ
プシートの風合が硬くなったりあるはコスト高になった
りするものがあり、実用的でなかった。
本発明は使い捨ておむつの有する漏れ特ににじみの問
題点を解消するために、トップシートとして用いられる
不織布シートの本質的な構造を改良することによって、
特別な処理を施すことなしに、且つシートを有する風合
を維持しながら前記***液体のにじみを防止することの
できるトップシート用の衛生材料用シートを提供するこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の目的は、トップシート、液不透過性バックシ
ート及び前記両シート間に介在された吸収体から成る使
い捨て衛生材料におけるトップシートであって、該トッ
プシートが疎水性合成繊維から成る不織布のウエブであ
って、該ウエブがその全面にピッチ1〜5mmで平行に配
列された幅0.1〜1mmの連続線状エンボスパターンを形成
した熱圧着部を有しており、且つ該ウエブ表面の中央部
に液透過性処理剤が付与されてなることを特徴とする使
い捨て衛生材料用トップシートによって達成される。
本発明によるトップシートは線状の熱圧着部によって
繊維の接合が部分的に行われているので、前記***液体
のにじみが防止されることになる。又疎水性合成繊維か
ら成るウエブは液体を撥水する性能を有するので、その
性質を利用して透水性を必要とする部分、すなわち衛生
材料の表面の中央部に対応するトップシートの部分に液
透過性処理剤に付与すれば、液透過性処理剤を付与した
部分にある液体はその部分を越えて液透過性処理剤を付
与していない部分に浸透しにくくなり、それによって排
泄液体のにじみの防止がさらに達成される。
前記線状の部分熱圧着のパターンの各種の例を第1図
〜第3図に示す。第1図は縦線エンボス5を示し、W1
ピッチで幅W2の線状熱圧着部6がウエブの長手方向に平
行に配置されている。第2図に示すように、線状熱圧着
部8が屈折している変形縦(ジグザグ)線エンボス7を
用いてもよい。第3図は横線エンボス9を示し、W1のピ
ッチで幅W2の線状熱圧着部12がウエブの幅方向に平行に
配置されている。しかし第1図〜第3図に示すように線
状熱圧着部を用いれば、熱圧着された部分では繊維が圧
着し表裏一体化し、繊維層としては途切れているので熱
圧着線に直角な方向には液の繊維間移動が抑制されるこ
とになり液のにじみをとめることができる。前記第1図
〜第3図に示す線のピッチW1および線の幅W2はシートの
用いる用途に応じて任意に選定することができる。W1
小さくW2を大きくすれば液のにじみを抑制するのに役立
つ。W1を大きく、W2を小さくすると柔軟になる。W1が小
さすぎたり、W2が大きすぎると柔軟性を失い好ましくな
い。逆の関係にすると毛羽立ち、強力低下が起きる。し
たがって例えばW1は1〜5mm、W2は0.1〜1mmの範囲、好
ましくはW1は2〜3mm、W2は0.2〜0.5mmの範囲にすれば
風合、毛羽立ち、強力、にじみ防止効果上好ましい。こ
のようにすればシートの柔軟性を保ちながら液のにじみ
を抑制することができる。
当然必要によってはタテ、ヨコ方向共にじみ止めする
考えで格子状のエンボスパターンを用いることも有用で
ある。もちろん、これらの線状の部分熱圧着パターンと
他の目的例えば意匠性、強度面等を考慮し組合せること
も応用できる。
一般に液体はウエブ中の引きそろった繊維の配列の良
い方に沿って毛細管現象で進み易い。そこで透水性ウエ
ブ中の繊維の配列にタテ・ヨコ方向差を設け、***液体
がにじんでは困る方向を横切って繊維がより多く配列さ
れるようにすれば***液体のにじみをさらに防止するこ
とができるので好ましい。
又通常オムツ製造ラインでシートにかかる張力はその
シートの破断する強さに相当するものではなくそのライ
ン上で加えられる工程にもよるが、極く低い張力であっ
て、一般的にはオムツ全幅に対し1〜6kgであり、速度
変化によって高速ほど高張力となるが、平均ほぼ2kg/30
cm巾程度であると推定される。したがって、いかに破断
強力が強いものであってもラインでかかる張力で、変形
し易いものであれば、速度依存性の高いものとなり、低
破断強力でもライン張力で変形しにくいものであれば、
その走行安定性の優れたものと言える。
そこでウエブ中の繊維の配列にタテ、ヨコ方向差を設
け、特に張力の加わる方向(通常ラインではウエブタテ
方向)に配列を優位にすることにより、柔軟な繊維で
も、低張力での幅変化は少なくなり、全体としての柔軟
な風合、表面カバー性を維持したまま、オムツライン上
での走行安定性が付与し得る。
前記シート中の繊維の配列のタテ・ヨコ差は後述の実
施例で詳細に説明するようにシートの引張速度のタテ・
ヨコ差、およびマイクロ波配向による測定によって証明
することができる。
本発明のトップシートでは、***液が通過する中央部
に液透過性処理剤が付与されていることが必要である。
前記疎水性合成繊維としては各種含有水分率の少い各
種合成繊維を用いることができ、特にポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン系又はポリエステル系
から成る合成繊維及びこれらを含む複合繊維が好んで用
いられる。前記合成繊維に対して疎水性を妨げない範囲
で他物質が混合されていてもよい。
前記ウエブの製造方法としては各種の方法を用いるこ
とができる。すなわち短繊維のカード法によるウエブ、
長繊維使いのウエブ、特にスパンボンド法によるウエブ
等を用いることができる。その際ウエブ中の繊維の配列
にタテ、ヨコ方向差を設けるようにして、ウエブを形成
するとより好ましい。
第6図〜第8図に例としてスパンボンド法でのウエブ
を形成する方法の各種態様を示す。
第6図(A)において、フィラメント群f1は紡糸口11
から押出され、高速気流牽引装置12によって牽引され、
ネット状エンドレスベルト13に吸収装置14によって吸引
されながら堆積されたウエブW1を形成する。その際第6
図(B)に例示するようにフィラメントは牽引された糸
速とエンドレスベルトとの速度差により落下した点P1
中心としてエンドレスベルト13の走行方向に細長く延ば
されたようなパターンで堆積され、順次重ね合ってウエ
ブとなる。
第7図(A)はフィラメント群f2をネット状エンドレ
スベルト13に対して傾斜して吹きつける方法であり、傾
斜角を大きくする程、第7図(B)に示すように落下点
P2を中心としてより細長く延ばされてフィラメントf2
ネット状エンドレスベルト13上に配置されてウエブW2
形成する。傾斜角αは任意に選定すればよいがあまり大
きくすると形成したウエブの飛散に注意する必要があ
り、例えば7゜程度が用いられる。当然第7図(A)に
示す吹き付け方向をウエブ進行方向に向けてもよい。
第8図(A)はフィラメント群f3を円筒形金網製吸引
ドラム15上に堆積してウエブW3を形成させるものであ
り、この場合は円筒形ドラム15の直径を変更することに
よってフィラメントのドラム15上の配置をウエブW3の進
行方向により細長くすることができる。当然第7図
(A)のようにウエブが吹き飛ばない程度ドラムに対し
傾斜して吹きつければさらに細長くすることができる。
本発明のトップシートにおいて、第9図に示すよう
に、中央部16に液透性処理液を付与し、中央部16の両縁
16aの外側の不織布の部分17は撥水性のある状態のまゝ
にするとよい。すなわち中央部16では18で示すように四
方に拡がる液も、その両縁16aの近傍では18aで示すよう
に撥水性のある部分17には拡がらない。したがって液透
性処理液で処理される区域を中央部に適切に配置するこ
とにより、液のにじみを防止することができる。
〔実施例〕
以下本発明のトップシートの各種実験例により本発明
を詳述する。
各実験例の説明に先立ち、本発明のシートの性能評価
方法について説明する。
・繊維の配列方向性 引張強度のタテ・ヨコ比 ウエブの進行方向をタテとし、ウエブの幅方向をヨコ
として得られたシートから試料を採取し、JIS−L−108
5により引張強度を測定する。得られたタテ強度とヨコ
強度の比からシート中の繊維の配列の強さを推定するこ
とができる。
マイクロ波による繊維配向 マイクロ波分子配向計(神崎製紙(株)製)MOA−200
1Aを用いて、試料に偏波したマイクロ波をあて、繊維の
分子の双極子との相互作用により、その分子の主軸の配
向を検知し、試料を回転することで異方性(配向性)、
TDとMD方向の透過マイクロ波の強度比を求める。
この方法は従来シート等の分子鎖主軸の配向角、配向
パターンおよびシートの電気的異方性等を調べる場合に
用いられる測定方法であり、第12図にポリイミドフィル
ム(厚さ130μm)の透過マイクロ波強度の角度依存性
の測定結果を例示する。第12図の場合には分子鎖主軸の
配向角が36゜であり、Max/Minが3.08であって大きな差
があることが確認される。
本出願ではこの方法を利用してウエブ中の繊維の配向
を確かめたものであり、第13図(A)はブラング状態の
測定であり、得られた透過マイクロ波強度は360゜にわ
たって等しく、すなわち眞円を示し、第13図(B)本発
明の実施例2の場合、第13図(C)は本発明の実施例3
の場合の透過マイクロ波強度を示す。
本発明のシートの場合は、試料のMD方向と主配向方向
角度差(図中のINCLINE)は繊維の主配列方向を示す。
後述の実験例で示すように本発明のシートの場合はその
値は極く小さい値である。透過TD/MD比がウエブ中の繊
維の配列比に関連する値であり、第13図(A)に示すよ
うに値が1の場合は等方性を示し、1以上であればタテ
方向(MD)に繊維が配列されていることを示し、値が大
きい程その配列の程度が強いことを示す。たゞし透過強
度による測定のため配向の絶対値を示すものではない。
・透水性 第10図(A)に示すように試料19の下にティシュ、パ
ルフ等の液吸収体27を置き密着させた上で空中に保持
し、試料19上方15mmのスポイト21から生理食塩水を1滴
(0.1cc/個)滴下し、2sec以内にほとんどの液が試料を
通過し吸収体に吸収されるものを透水性があるものとし
た。
・にじみ拡がり なおシート自体での液のにじみ拡がりを見る際には第
10図(B)に示すように試料19を直接支持体20に固定
し、空中で水平に保持する。生理食塩水1滴を滴下し、
液滴が透過した時の試料表面での液の拡がりを測定し
た。
・にじみ長 第11図に示す器具22を用い、生理食塩水を器具22の槽
23を満たし、液面と同一平面の試料台上に試料(幅15m
m)24を配置し、試料24の一端2cmを槽23中に浸たす。液
中に浸たしてから60sec後の試料中の液浸透部分25の端
部26の位置を測定し、その長さをにじみ長として液が多
量に存在する時のにじみ易さを示す。
・ウエブの幅入り 3cm幅の試料を把持部間距離20cmで0.2kg/幅の張力を
かけ、10sec後の長さ方向中央部の試料幅を測定し、元
の幅(3cm)に対する縮み率を幅入り率とする。この数
値は不織布を実際にオムツ製造ラインにかけた際のウエ
ブの走行安定性の良否を示し、安定性のよいもの程幅入
り率は小さくなる。
実験例1(比較例) ポリプロピレン(JIS K7210の条件Kで測定したMFR=
38)を240℃の温度で幅方向に拡げて押出したフィラメ
ント群を高速気流牽引装置を使用して3,500m/分の速度
で牽引して分散させ、第6図に示すように紡糸口下45cm
で水平方向に移動するネット上に吸引させながらウエブ
を形成した。このウエブを搬送し、その表面に縦線エン
ボスの部分熱圧着を施した。
用いた縦線エンボスの部分熱圧着は第1図に例示する
如く、ウエブ中の繊維の配列方向に沿った縞状熱圧着部
が形成されるように、幅0.3mm、高さ0.4mmの線状突起部
が3mmのピッチで平行に設けられた表面(熱圧着面積比
率10%)を有する彫刻ロールと平滑ロールの組合せを用
い、135℃の温度下で圧力60kg/cmで行われた。
得られたポリプロピレンスパンボンド不織布の目付は
20g/m2であり、不織布中の繊維の単糸デニールは2.3デ
ニールであった。
実験例2(比較例) 実験例1と同一の条件で牽引・分散させたポリプロピ
レンフィラメント群を移動ネット上に吹引させてウエブ
を形成するに際して、ウエブ中の繊維が進行方向により
配列するように、フィラメントを垂直方向に対して7゜
の傾斜を持たせて移動ネット上に吹きつけた(第7図参
照)。得られたウエブに実験例1と同じ条件で縦線エン
ボスの熱圧着加工を施して実施例2のポリプロピレンス
パンボンド不織布を得た。
実験例3(比較例) 実験例1で用いた移動ネットに代えて直径110cmの円
筒形金網製吸引ドラムを用意した。この吸引ドラムを用
いることによりウエブ中の繊維が進行方向により配列す
る状態でウエブを形成させる(第8図参照)以外は実験
例1と同じ条件を用いて縦線エンボスの部分熱圧着部を
有する実験例3のポリプロピレンスパンボンド不織布を
得た。
実験例4〜6(本発明) 実験例4〜6のポリプロピレンスパンボンド不織布は
実験例1〜3の不織布のそれぞれに対して液透過性処理
剤としてアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物
を0.5%付与した不織布である。
すなわち製造条件で見て、実験例4は垂直吸引エンド
レスベルト、縦線エンボスおよび液透過性処理剤付与の
不織布、実験例5は7゜傾斜エンドレスベルト、縦線エ
ンボスおよび液透過性処理剤付与の不織布、実験例6は
円筒形ドラム、縦線エンボスおよび液透過性処理剤付与
の不織布である。
実験例7〜12 実験例7〜12(比較例)のポリプロピレンスパンボン
ド不織布は実験例4,5の不織布を製造する際の縦線エン
ボスの部分熱圧着を横線エンボスの部分熱圧着にそれぞ
れ変え、その他の条件は実験例1〜6と同一にした不織
布である。
用いた横線エンボスの部分熱圧着は第3図に例示する
如く、ウエブ中の繊維の配列方向に垂直な方向で縞状熱
圧着部が形成されるように、幅0.2mm高さ0.4mmを有する
突起部が2mmのピッチで平行に設けられた表面(熱圧着
面積比率10%)を有する彫刻ロールと平滑ロールの組合
せを用い、135℃の温度下で圧力60kg/cmで行われた。
したがって、製造条件で見て、実験例7は垂直吸引エ
ンドレスベルト、横線エンボス、および液透過性処理剤
未付与の不織布、実験例8は7゜傾斜エンドレスベル
ト、横線エンボスおよび液透過性処理剤未付与の不織
布、実験例9は円筒形ドラム、横線エンボスおよび液透
過性処理剤未付与の不織布である。
又実験例10は垂直吸引エンドレスベルト、横線エンボ
ス、および液透過性処理剤付与の不織布、実験例11は7
゜傾斜エンドレスベルト、横線エンボス、および液透過
性処理剤付与の不織布、実験例12は円筒形ドラム、横線
エンボス、および液透過性処理剤付与の不織布である。
前記不織布の実験例1〜12についての性能評価結果を
第1表に示す。
前記実験例1〜12で説明したトップシートは、繊維の
配列にタテ・ヨコ方向差があるウエブを用いている。
第1表に示す実験例1〜3を比較すれば明らかなよう
に、フィラメントを垂直にコンベアベルトの上に堆積さ
せたものもエンドレスベルトの進行速度が速いことから
繊維はタテ配列になるが(実験例1)、これらよりも傾
斜させてコンベアベルト上に堆積させたり(実験例
2)、円筒形ドラム上に堆積させた方が(実験例3)、
フィラメントの配列が、引張強度タテ/ヨコ比、マイク
ロ波配向で示すように、ウエブの長手方向でより良好に
なる。すなわち繊維の配列のタテ・ヨコ方向差が大きく
なる。
フィラメントの配列のタテ・ヨコ方向差を大きくする
ことによる効果は液透過性処理剤を付与した実験例4〜
6によって示される。すなわちにじみ拡がりは各実験例
ともタテ方向で長く、ヨコ方向で短くなり、その傾向は
実験例4よりも実験例5および6の場合が大きくなる。
したがって使い捨ておむつのトップシートに本発明のシ
ートを用いる場合には***液体の漏れを防ぐ方向に合せ
てシートの向きを適切に選定すればよく、したがって線
状の熱圧着と共に不織布の繊維配列をタテ・ヨコ方向差
を利用して漏れの少い使い捨ておむつを作ることができ
る。
実験例4〜6に示すように縦線エンボスを用いるとヨ
コ方向の***液体のにじみは繊維の配列との相乗効果に
よって抑えられ、その分だけタテ方向でのにじみ拡がり
が大きくなる。したがってこの不織布を使い捨ておむつ
のトップシートとしてタテ長に使用すれば、おむつの幅
方向への***液体のにじみが少くなり、例えばおむつの
足廻りをつたっての漏れを防止できることになる。
実験例10〜12に示すように、横線エンボスを用いる
と、ヨコ方向の***液体のにじみは繊維配列によって抑
制されるが、一方タテ方向のにじみは横線エンボスによ
って抑制される。したがってこのシートを使い捨ておむ
つのトップシートとしてタテ長に使用すれば、おむつの
腰部に向けての***液のにじみを抑えることができ、更
に幅方向の漏れ止めにはギャザーを併用すればタテ方向
およびヨコ方向両方に漏れ止めすることのできる使い捨
ておむつを提供することができることになる。
なおフィラメントがウエブの長手方向でより良好に揃
うことにより幅入りが少くなり、このことは撥水性不織
布としてオムツラインでの走行安定性が良好になること
を示す。
実験例13(本発明) 実験例7の不織布(ポリプロピレン繊維、垂直吸引エ
ンドレスベルト、横線エンボスおよび液透過性処理剤未
付与の不織布)を、使い捨ておむつのトップシートとし
て使用するに際して、第9図に示すように使い捨ておむ
つの幅の中央部に対応するトップシートの中央部(幅30
cmのトップシートの中央部20cm)にのみ、液透過性処理
剤を均一に付与した。
液透過性処理剤を付与した部分を試験液に浸たして、
にじみ長を測定し結果(第11図)、幅方向には液透過性
処理剤を付与した部分以上へは試験液は浸透せず、又使
い捨ておむつの長さ方向に対応するトップシートの縦方
向へのにじみは横線エンボスにより試験液の拡がりが少
なかった。
前記不織布を使い捨ておむつのトップシートとして使
用して、実用試験したところ、使い捨ておむつ長さ方向
(腰への方向)へのにじみが少なく、特に幅方向への液
のにじみが全く発生せず、もれなかった。これは液透過
性処理剤で処理された中央部が透液性を有し、その両側
の処理してない部分が油剤等を全く使用しないで紡糸直
ウエブ化することによって得られたウエブであり、その
部分が繊維自体の性質によって撥水性を有することによ
って得られたものである。なおにじみ長は処理部分で38
mmであるのに対し、処理してない部分は0であり、にじ
み拡がりは処理部分がタテ12mm、ヨコ15mmに対し未処理
部分は水滴のまゝであった。
実験例14〜21 実験例14〜21には実験例1,2,4,5,7,8,10,11で説明し
たポリプロピレンスパンボンド不織布の各実験例に対応
するポリエステルスパンボンド不織布の実験例を示す。
すなわち実験例14はポリエステル樹脂(ηsp/c=0.7
5)を295℃の温度で幅方向に拡げて押出したフィラメン
ト群を高速気流牽引装置を使用して4,700m/分の速度で
牽引して分散させ、第6図に示すように紡糸口下45cmで
水平方向に移動するネット上に吸引させながらウエブを
形成した。このウエブを搬送し、その表面に縦線エンボ
スの部分熱圧着を施した。
縦線エンボスの部分熱圧着はポリプロピレン不織布の
実験例1〜6と同一条件の彫刻ロールと平滑ロールの組
合せを用い、但し温度は255℃にして行った。
得られたポリエステルスパンボンド不織布の目付は18
g/m2であり、不織布中の繊維の単糸デニールは2.1デニ
ールであった。
実験例15は、ウエブ形成を行うに際してフィラメント
を垂直方向に対して7゜の傾斜を持たせて移動ネット上
に吹き付けたものであり、その他の条件は実験例14と同
一である。
実験例16,17のポリエステルスパンボンド不織布は実
験例14,15の不織布のそれぞれに対して液透過性処理剤
としてポリプロピレンオキサイド−エチレンオキサイド
付加物を0.2%付与したものである。
実験例18〜21のポリエステルスパンボンド不織布は実
験例14,15の不織布を製造する際の縦線エンボスの部分
熱圧着を横線エンボスの部分熱圧着にそれぞれ変え、そ
の他の条件は実験例14,15と同一にした不織布である。
横線エンボスの部分熱圧着はポリプロピレンスパンボ
ンド不織布の実験例7〜12と同一条件の彫刻ロールと平
滑ロールの組合せを用い、但し温度は255゜にして行っ
た。
前記不織布の実験例14〜21についての性能評価結果を
第2表に示す。
得られた結果は第1表で示したポリプロピレンスパン
ボンド不織布の各実験例での製造条件差に基づく特徴と
ほぼ同一の特徴を示した。
すなわち実験例14〜21で説明したトップシートは繊維
の配列にタテ・ヨコ方向差があるウエブを用いている。
すなわちフィラメントを垂直にコンベアベルトの上に
堆積させたものもエンドレスベルトの進行速度が速いこ
とから繊維はタテ配列になるが、さらに、傾斜させてコ
ンベアベルト上に堆積させた方が繊維の配列のタテ・ヨ
コ方向差がより大きくなる。
液透過性処理剤が付与された本発明のトップシート
は、縦線エンボスを付与することにより(実験例16,1
7)、にじみ長がタテ方向で長く、ヨコ方向で短くな
る。この傾向は繊維の配列のタテ・ヨコ方向差により増
大する。一方横線エンボスを付与することにより(実験
例20,21)タテ方向のにじみ長を抑制することができ
る。
実験例21(本発明) ポリプロピレン・ポリエチレン複合繊維(3d×51mm)
の短繊維ステープルをカーディングして目付25g/m2のウ
エブを得た。得られたウエブに実施例10と同様な条件で
横線エンボスを付与した。但し圧力は30kg/cm、温度110
℃を用いた。さらに透水性処理剤を実施例10と同一の条
件で付与した。得られた不織布はカーディングによって
作られるため不織布中の繊維の配列にタテ・ヨコ方向差
があり、そのことはタテ方向の引張強力が2.5kg/3cm巾
であり、ヨコ方向の引張強力が0.3kg/3cm巾であること
によって証せられる。実施例21の不織布は透水性を有
し、横線エンボスによってタテ方向の液のにじみが阻止
される。この不織布のにじみ拡がりはタテ方向21mm、ヨ
コ方向13mmであり、その値は実施例12のスパンボンドポ
リプロピレン不織布と同程度である。
〔発明の効果〕
本発明によるトップシートは疎水性合成繊維から成る
ウエブに対して線状の熱圧着部を施して繊維を接合する
と共に液透過性処理剤シートの表面の中央部に付与して
いるので、***液体を透水させることができると共に線
状の部分熱圧着の方向を適切に選定することにより***
液体のにじみを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のトップシートの線状熱圧着部の一例
(縦線エンボス)を示す平面図であり、第2図は線状熱
圧着部の他の一例(変形縦線エンボス)を示す平面図で
あり、第3図は線状熱圧着部のさらに他の一例(横線エ
ンボス)を示す平面図であり、第4図は本発明のトップ
シートが用いられた使い捨ておむつの一例を示す平面図
であり、第5図は第4図の線V−Vによる断面図であ
り、第6図〜第8図はウエブを形成する方法の各種態様
例を示す図であって、第6図(A)はフィラメントをエ
ンドレスベルトに垂直吸引させる方法、第7図(A)は
フィラメントをエンドレスベルトに傾斜させて吸引させ
る方法、第8図(A)はフィラメントを円筒形ドラムに
吸引させる方法であり、第6図(B)、第7図(B)お
よび第8図(B)は対応する方法で得られるウエブ中の
フィラメントの拡がり状態をモデル化して示す図であ
り、第9図は中央部にのみに液透過性処理剤が付与され
たシートに対する液体のにじみ拡がりを説明する図であ
り、第10図(A)はシートの透水性を試験する方法を説
明する図であり、第10図(B)はシートのにじみ拡がり
を測定する方法を説明する図であり、第11図はシートの
にじみ長を測定する器具を説明する斜視図であり、第12
図はマイクロ波による繊維配向の測定結果のプリンター
出力例を示す図であり、第13図は本発明のシートのマイ
クロ波による繊維配向の測定結果の3つの例(第13図
(A)、第13図(B)、第13図(C)を示す図である。 1……使い捨ておむつ、2……トップシート、 3……吸収体、4……バックシート、 5……縦線エンボス、 6,8,10……線状熱圧着部、 7……変形縦線エンボス、9……横線エンボス、 11……紡糸口、12……高速気流牽引装置、 13……ネット状エンドレスベルト、 14……吸引装置、 15……円筒形金網製吸引ドラム、 16……液透過性処理剤が付与された部分、 18,18a……液にじみ部分、 19,25……試料(シート)、 21……スポイト、25……液がにじんだ部分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−192802(JP,A) 特開 平1−192803(JP,A) 特開 平1−201503(JP,A) 特開 昭62−117868(JP,A) 特開 昭58−46955(JP,A) 特開 昭63−38453(JP,A) 特開 昭59−157366(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61F 13/511 - 13/513 D04H 3/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トップシート、液不透過性バックシート及
    び前記両シート間に介在された吸収体から成る使い捨て
    衛生材料におけるトップシートであって、該トップシー
    トが疎水性合成繊維から成る不織布のウエブであって、
    該ウエブがその全面にピッチ1〜5mmで平行に配列され
    た幅0.1〜1mmの連続線状エンボスパターンを形成した熱
    圧着部を有しており、且つ該ウエブ表面の中央部に液透
    過性処理剤が付与されてなることを特徴とする使い捨て
    衛生材料用トップシート。
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