JP3067778B2 - 使い捨て衛生材料用表面シート - Google Patents

使い捨て衛生材料用表面シート

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JP3067778B2
JP3067778B2 JP1228285A JP22828589A JP3067778B2 JP 3067778 B2 JP3067778 B2 JP 3067778B2 JP 1228285 A JP1228285 A JP 1228285A JP 22828589 A JP22828589 A JP 22828589A JP 3067778 B2 JP3067778 B2 JP 3067778B2
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小河  勝
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は例えば使い捨ておむつのような使い捨て衛生
材料用表面シートに関する。
〔従来の技術〕
第2図(A)に使い捨ておむつの一例と平面図を示
し、第2図(B)に断面図を示す。第2図(A)および
第2図(B)に示すように、使い捨ておむつ1は***液
体吸収用吸収体3を挟んで表面側(人体側)に表面シー
ト2を、裏側に裏面シート4を配置することによって構
成される。前記トップシート2としては従来から各種繊
維から成る不織布が用いられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
近年、使い捨ておむつの普及はめざましく、その生産
量を急増してきている。このような環境下における使い
捨ておむつとしての問題点として、1つはその製造ライ
ンでのロスの減少及び品質の安定性が重要な点である。
特に生産量の拡大に伴ない高生産性の要請が強く、設備
的な工夫がされてきているが、使用材料についても高速
度ラインに耐える強度だけでなく、たびたび発生する低
〜高速変速時の変化に耐え、シワの発生、幅ズレ、幅の
寸法変化の少ない材料が必要となってきた。
第2の問題点としては使い捨ておむつの性能面で、漏
れについての改良がある。これについてはこれまで各種
の提案がなされている。
すなわち使い捨ておむつの形態安定性を増して漏れを
防止する方法としては、よじれ防止ネット、***液体吸
収用吸収体の使用量を増加する方法、ホットメルト接着
剤を用いて漏れを防止する方法が知られている。使い捨
ておむつの形態を改良して漏れを防止する方法として
は、パンツスタイルにしたり、使い捨ておむつのサイド
やウエストにギャザーを設ける方法が知られている。吸
収力をあげて漏れを防止する方法としては、高吸水ポリ
マーや拡散シートを用いる方法が知られている。使い捨
ておむつの使用時に使い捨ておむつがゆるんで漏れが発
生することを防止する方法としては、伸縮テープ、取付
自由テープを用いる方法が知られている。
一方表面シートに対しては透液速度を早くするために
瞬間吸水性や数次透水性を付与したり、あるいは吸収体
に接触する部分のみに液透過性処理剤を付与し、その外
側の部分は不織布自体の疎水性を利用して、***液体が
外側の部分に伝たわらないようにし、それでも充分でな
い漏れ防止、より詳しくは横漏れや縦漏れの防止のため
に外側の部分にギャザーを設けたり、あるいはホットメ
ルト剤を塗布してその部分の不織布の繊維間空隙をなく
して毛細管現象による***液体の進行を防止する等の対
策がとられている。
これらの対策を適切に組合せて用いることにより、従
来の使い捨ておむつであっても取付不良やサイズ不一致
等の使用者側の取扱いミスがない限り、***時での漏れ
防止はほゞ防止できる。しかしながら、一度***されて
吸収された***液体が時間経過と共ににじみもれした
り、特定の処、特に挾い部分に吸収が集中した場合に生
ずる漏れに対しては前述の従来の対策では解決すること
ができない。すなわち***後の***液体によって生ずる
漏れ発生を防止する方法については何等解決されていな
いのが現状である。又前述の各対策の中には、使い捨て
おむつの嵩が大きくなりすぎたり、人体が接触する表面
シートの風合が硬くなったりあるいはコスト高になった
りするものがあり、必ずしも実用的でなかった。
本発明は従来のオムツラインの高速化に伴なう製造に
おいてラインで受ける張力で変形し易いという問題と、
使い捨ておむつの有する漏れ特ににじみの問題点を解消
するために、表面シートとして用いられる不織布シート
の本質的な構造を改良することによって、特別な処理を
施すことなしに、かつシートの有する風合を維持しなが
ら前記***液体のにじみを防止することのできる使い捨
て衛生材料用の表面シートを提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の前述の目的は、液透過性の表面シート、液不
透過性の裏面シート及び前記両シート間に介在された吸
収体から成る使い捨て衛生材料における表面シートであ
って、疎水性合成繊維の連続フィラメントのウエブから
成り、該ウエブ中で繊維の配列がマイクロ波透過強度の
タテ・ヨコ比が1.1であり、該ウエブの中央部に液透過
性処理剤が付与され、且つその両縁の外側を非付与不織
布部としてなることを特徴とする使い捨て衛生材料用表
面シートによって達成される。
通常オムツ製造ラインでシートにかかる張力はそのシ
ートの破断する強さに相当するものではなくそのライン
上で加えられる工程にもよるが、極く低い張力であっ
て、一般的にはオムツ全幅に対し1〜6kgであり、速度
変化によって高速ほど高張力となるが、平均ほぼ2kg/30
cm巾程度であると推定される。したがって、いかに破断
張力が強いものであってもラインでかかる張力で、変形
し易いものであれば、速度依存性の高いものとなり、低
破断強力でもライン張力に変形しにくいものであれば、
その走行安定性の優れたものと言える。本発明者らは、
コスト面から、同じ重さ(目付)でまたオムツ表面シー
トとしての表面カバー性、風合等を含めた性能面を考え
合わせながら改良方法について検討を進め、ウエブ中の
繊維の配列にタテ、ヨコ方向差を設けることにより、特
に張力に加わる方向(通常ラインではウエブタテ方向)
に配列を優位にすることにより、柔軟な繊維でも、低張
力での幅変化は少なくなり、全体としての柔軟な風合、
表面カバー性を維持したまま、オムツライン上での走行
安定性が付与し得ることを見い出した。
さらに本発明者らは一般に液体はウエブ中の引きそろ
った繊維の配列の良い方に沿って毛細管現象で進み易い
ことに注目し、そこで前述のように透水性ウエブ中の繊
維の配列にタテ・ヨコ方向差を設け、***液体がにじん
では困る方向を横切って繊維がより多く配列されるよう
に本発明のシートを用いれば***液体のにじみを防止す
ることができる。
又本発明の表面シートを構成する疎水性合成繊維から
成るウエブは液体を撥水する性能を有するので、その性
質を利用して透水性を必要とする部分、すなわち衛生材
料の表面の中央部に対応する表面シートの部分に液透過
性処理剤を付与すれば、液透過性処理剤を付与した部分
にある液体はその部分を越えて液透過性処理剤を付与し
ていない部分に浸透しにくくなり、それによって***液
体のにじみの防止をより完全に達成することができる。
すなわち第1図(A)〜第1図(B)に示す表面シート
2においてタテ方向での中央部5a、ヨコ方向での中央部
5bあるいはタテ方向およびヨコ方向の中央部5cのみに液
透過性処理剤を付与すればこの表面シート2を用いて使
い捨ておむつを作ると、***液体のにじみの防止を達成
することができる。
第1図の表面シートにタテ方向の配列がよりウエブを
用いれば第1図(a)のように液透過性処理剤の処理域
5aを設ければ表面シートのヨコ方向でのにじみをより完
全に防止できる。第1図(b)のように処理域5bを設け
れば表面シートのヨコ方向のにじみは繊維の配向によっ
て抑さえられ、タテ方向のにじみは処理域外への浸透防
止によって防止することができる。第1図(c)は両者
の特徴を兼ねそなえたものである。
不織布は構成する繊維を互いに拘束させるために部分
熱圧着、例えば第3図に示すような千鳥状配置ピンポイ
ントエンボス6が用いられる。このエンボスは円形の突
起が千鳥状に配置したエンボスロール又はエンボスプレ
ートを用いて得られ、7で示す部分でウエブ中の繊維が
部分熱圧着される。このエンボス6では毛細管現象を示
す繊維層が連続しており、この繊維層の毛細管現象によ
る液のにじみをウエブの特定方向で抑制することができ
ない。
そこで第4図に示す縦線エンボス8又は第5図に示す
横線エンボス9を適切に用いるとよい。これら線状エン
ボスはW1のピッチで幅W2の線状熱圧着部8a又は9aをウエ
ブの長手方向又は幅方向に平行に配置して形成される。
第4図又は第5図に示すように線状熱圧着部を用いれ
ば、熱圧着された部分では繊維が圧着し表裏一体化し、
繊維層としては途切れているので熱圧着線に直角な方向
には液の繊維間移動が抑制されることになり液のにじみ
をとめることができる。
前記疎水性合成繊維としては各種含有水分率の少い各
種合成繊維を用いることができ、特にポリエチレンポリ
プロピレン等のポリオレフィン系又はポリエステル系か
ら成る合成繊維及びこれらを含む複合繊維が好んで用い
られる。前記合成繊維に対して疎水性を妨げない範囲で
他物質が混合されていてもよい。
更に、前記ウエブを構成する連続フィラメントは、後
述の実施例に示すように、ループ状に捲縮した連続フィ
ラメントやY型断面等の非円型断面の連続フィラメント
を含むことも可能である。
前記ウエブの製造方法としては各種の方法を用いるこ
とができる。すなわち長繊維使いのウエブであれば何れ
でもよく、特にスパンボンド法によるウエブ等を用いる
ことができる。その際ウエブ中の繊維の配列にタテ、ヨ
コ方向差を設けるようにして、ウエブを形成する。
第6図〜第8図に例としてスパンボンド法でのウエブ
を形成する方法の各種態様を示す。
第6図(A)において、フィラメント群f1は紡糸口11
から押出され、高速気流牽引装置12によって牽引され、
ネット状エンドレスベルト13に吸収装置14によって吸収
されながら堆積されウエブW1を形成する。その際第6図
(B)に例示するようにフィラメントは牽引された糸速
とエンドレスベルトとの速度差により落下した点P1を中
心としてエンドレスベルト13の走行方向に細長く延ばさ
れたようなパターンで堆積され、順次重ね合ってウエブ
となる。
第7図(A)はフィラメント群f2をネット状エンドレ
スベルト13に対して傾斜して吹きつける方法であり、傾
斜角を大きくする程、第7図(B)に示すように落下点
P2を中心としてより細長く延ばされてフィラメントf2
ネット状エンドレスベルト13上に配置されてウエブW2
形成する。傾斜角αは任意に選定すればよいがあまり大
きくすると形成したウエブの飛散に注意する必要があ
り、例えば7゜程度が用いられる。当然第7図(A)に
示す吹き付け方向をウエブ進行方向に向けてもよい。
第8図(A)はフィラメント群f3を円筒形金網製吸引
ドラム15上に堆積してウエブW3を形成させるものであ
り、この場合は円筒形ドラム15の直径を変更することに
よってフィラメントのドラム15上の配置をウエブW3の進
行方向により細長くすることができる。当然第7図
(A)のようにウエブが吹き飛ばない程度ドラムに対し
て傾斜して吹きつければさらに細長くすることができ
る。
本発明のトップシートにおいて、第9図に示すよう
に、中央部16に液透性処理液を付与し、中央部16の両縁
16aの外側の不織布の部分17は撥水性のある状態のまゝ
にするとよい。すなわち中央部16では18で示すように四
方に拡がる液も、その両縁16aの近傍では18aで示すよう
に撥水性のある部分17には拡がらない。したがって液透
性処理液で処理された区域を適切に配置することによ
り、液のにじみを防止することができる。
前記中央部16の配置は第1図(B)に示すようにヨコ
方向の中央部5bあるいは第1図(C)に示すようにタテ
方向およびヨコ方向の中央部5cに配置してもよい。
以上説明したように本発明のシートはシート中の繊維
の配列をシートの長手方向に細長く配列できる方法によ
って製造されている。その結果前述のようにシート中の
繊維の配列にタテ・ヨコ差が生じ、そのタテ・ヨコ差に
よって不織布のライン上での巾変化を少なくし、低速〜
高速での寸法安定性が得られると共に液のにじみ方向を
コントロールすることができる。さらに液透過性処理剤
を適切にシートに設けることにより、液のにじみ方向性
をさらにコントロールすることができる。
前記シート中の繊維の配列のタテ・ヨコ差は後述の実
施例で詳細に説明するようにシートの引張速度のタテ・
ヨコ差、およびマイクロ液配向による測定によって証明
することができる。
〔実施例〕
以下本発明の表面シートの各種実施例により本発明を
詳述する。
各実施例の説明に先立ち、本発明のシートの性能評価
方法について説明する。
・繊維の配列方向性 引張強度のタテ・ヨコ比 ウエブの進行方向をタテとし、ウエブの幅方向をヨコ
として得られたシートから試料を採取し、JIS−L−108
5により引張強度を測定する。得られたタテ強度とヨコ
強度の比からシート中の繊維の配列の強さを推定するこ
とができる。
マイクロ波による繊維配向 マイクロ波分子配向計(神崎製紙(株)製)MOA−200
1Aを用いて、試料に偏波したマイクロ波をあて、繊維の
分子の双極子との相互作用により、その分子の主軸の配
向を検知し、試料を回転することで異方性(配向性)、
TDとMD方向の透過マイクロ波の強度比を求める。
この方法は従来シート等の分子鎖主軸の配向角、配向
パターンおよびシートの電気的異方性等を調べる場合に
用いられる測定方法であり、第12図にポリイミドフィル
ム(厚さ130μm)の透過マイクロ波強度の角度依存性
の測定結果を例示する。第12図の場合には分子鎖合主軸
の配向角が36゜であり、Max/Minが3.08であって大きな
差があることが確認できる。
本出願ではこの方法を利用してウエブ中の繊維の配向
を確かめたものであり、第13図(A)はブラング状態の
測定であり、得られた透過マイクロ波強度は360゜にわ
たって等しく、すなわち眞円を示し、第13図(B)は本
発明の実施例2の場合、第13図(C)は本発明の実施例
3の場合の透過マイクロ波強度を示す。
本発明のシートの場合は、試料のMD方向と主配向方向
角度差(図中のINCLINE)は繊維の主配列方向を示す。
後述の実施例で示すように本発明のシートの場合はその
値は極く小さい値である。透過TD/MD比がウエブ中の繊
維の配列比に関連する値であり、第13図(A)に示すよ
うに値が1の場合は等方性を示し、1より大きいとタテ
方向(MD)に繊維が配列されていることを示し、値が大
きい程その配列の程度が強いことを示す。たゞし透過強
度による測定のため配向の絶対値を示すものではない。
・透水性 第10図(A)に示すように試料19の下にティシュ、パ
ルフ等の液吸収体27を置き密着させる。試料19上方15mm
のスポイト21から生理食塩水を1滴(0.1cc/個)滴下
し、2sec以内にほとんどの液が試料を通過し吸収体に吸
収されるものを透水性があるものとした。
・にじみ拡がり なおシート自体での液のにじみ拡がりを見る際には第
10図(B)に示すように試料19を直接支持体20に固定
し、空中で水平に保持する。生理食塩水1滴を滴下し、
液滴が透過した時の試料表面での液の拡がりを測定し
た。
・にじみ長 第11図に示す器具22を用い、生理食塩水を器具22の槽
23に満たし、液面と同一平面の試料台上に試料(幅15m
m)24を配置し、試料24の一端2cmを槽23中に浸たす。液
中に浸たしてから60sec後の試料中の液浸透部分25の端
部26の位置を測定し、その長さをにじみ長として液が多
量に存在する時のにじみ易さを示す。
・ウエブの幅入り 3cm幅の試料を把持部間距離20cmで0.2kg/幅の張力を
かけ、10sec後の長さ方向中央部の試料幅を測定し、元
の幅(3cm)に対する縮み率を幅入り率とする。この数
値は不織布を実際にオムツ製造ラインにかけた際のウエ
ブの走行安定性の良否を示し、安定性のよいもの程幅入
り率は小さくなる。
実施例1 ポリプロピレン(JIS K7210の条件Kで測定したMFR=
38)を240℃の温度で幅方向に拡げて押出したフィラメ
ント群を高速気流牽引装置を使用して3,500m/分の速度
で牽引して分散させ、第6図に示すように紡糸口下45cm
で水平方向に移動するネット上に吸引させながらウエブ
を形成した。このウエブを搬送し、その表面全面に直径
0.45Φの凸部を1.5mmピッチで千鳥配置(第3図参照)
したエンボスロールと表面平滑ロールとを組合せて得た
部分熱圧着ロールに通して目付20g/cm2の部分熱圧着さ
れたスパンボンド不織布を得た。その際の上下ロールの
温度は135℃であり、60kg/cmの圧力が加えられた。得ら
れた不織布中の繊維の単糸デニールは2.3デニールであ
った。
この不織布を使い捨ておむつに使用するに際しての幅
の中央部(幅30cmのおむつの中央部15cm)にのみ液透過
性処理剤を均一に付与した。処理剤はアルキルフェノー
ルエチレンオキサイド付加物を0.5%付与した。
実施例2 実施例1と同一の条件で牽引・分散させたポリプロピ
レンフィラメント群を移動ネット上に吹引させてウエブ
を形成するに際して、ウエブ中の繊維が進行方向により
配列するように、フィラメントを垂直方向に対して7゜
の傾斜を持たせて移動ネット上に吹きつけた(第7図参
照)。得られたウエブに実施例1と同じ条件で千鳥エン
ボスの熱圧着加工を施し、さらに液透過性処理剤を付与
して実施例2のポリプロピレンスパンボンド不織布を得
た。
実施例3 実施例1で用いた移動ネットに代えて直径110cmの円
筒形金網製吸引ドラムを用意した。この吸引ドラムを用
いることによりウエブ中の繊維が進行方向により配列す
る状態でウエブを形成させる(第8図参照)以外は実施
例1と同じ条件を用いて千鳥エンボスの部分熱圧着部と
液透過性処理部を有する実施例3のポリプロピレンスパ
ンボンド不織布を得た。
前記不織布の実施例1〜3についての性能評価結果を
第1表に示す。
第1表に示す実施例1〜3を比較すれば明らかなよう
に、フィラメントを垂直にコンベアベルトの上に堆積さ
せたものもエンドレスベルトの進行速度が速いことから
繊維はタテ配列になるが(実施例1)、これらよりも傾
斜させてコンベアベルト上に堆積させたり(実施例
2)、円筒形ドラム上に堆積させた方が(実施例3)、
フィラメントの配列が、引張強度タテ/ヨコ比、マイク
ロ波配向で示すように、ウエブの長手方向でより良好に
なる。すなわち繊維の配列のタテ・ヨコ方向差が大きく
なる。又フィラメントがウエブの長手方向でより良好に
揃うことにより幅入りが少くなり、このことは撥水性不
織布としてオムツラインでの走行安定性が良好になるこ
とを示す。
フィラメントの配列のタテ・ヨコ方向差を大きくする
ことによる効果はにじみ拡がりの値にも現れる。すなわ
ちにじみ拡がりは各実施例ともタテ方向で長く、ヨコ方
向で短くなり、その傾向は実施例1よりも実施例2およ
び3の場合が大きくなる。したがって使い捨ておむつの
トップシートに本発明のシートを用いる場合には***液
体の漏れを防ぐ方向に合せてシートの向きを適切に選定
すればよく、したがって不織布の繊維配列のタテ・ヨコ
方向差を利用して漏れの少い使い捨ておむつを作ること
ができる。
実施例1の不織布に対してにじみ長を測定すると処理
液を付与した部分は60sec間に40mmのにじみ長を示した
が、未処理の部分には試験液は浸透しなかった。次にこ
の不織布に試験液を滴下すると中央部の処理域16ではタ
テ長のにじみ拡り18が生じたが両縁16aの部分では18aで
示すように試験液は縁16aより外側、すなわち未処理部
分17には拡がらなかった。
実施例4 実施例1と同様のポリプロピレン樹脂を押出する際に
紡糸ノズルをY型断面の異形ノズルとし、さらに押出し
たフィラメント群が高速気流牽引装置に入る前であって
紡糸ノズル下約10cm〜50cmの間において、フィラメント
群の走行方向に直角に冷却風(20℃,70%RH)を1〜0.5
m/secで吹き当て急冷しながら、約3,500m/分で牽引分散
させ、さらに直径110cmの円筒形金網製吸引ドラム上に
吸引させながらウエブを形成した。
このウエブを搬送し、実施例1と同様に千鳥配置のピ
ンポイントエンボスロールを通し、不織布を得た。この
不織布を使い捨ておむつに使用するに際しての幅の中央
部(幅30cmのおむつの中央部15cm)にのみ液透過性処理
剤(アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物)を
0.7%付与した。
この不織布は繊維断面がY型であり(2.3d相当)かつ
各フィラメントはループ状に捲縮しており、フィラメン
トの捲縮らせん径は0.8mm、捲縮数は12コ/インチであ
った。そのためにふっくらしたソフトでボリューム感を
有し、サラッとした感触を有し、おむつの表面シートと
して優れていると共に液のにじみ防止においても優れて
いた。
得られた不織布の物性を第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明による使い捨て衛生材料用表面シートは疎水性
合成繊維の連続フィラメントを、その繊維の配列がヨコ
方向に比べて、タテ方向が優位であるようにウエブを作
った上で形成され、さらにウエブの中央部に液透過性処
理剤が付与されているので、液透過性処理剤を付与した
部分で***液体を充分に透水させることができると共
に、繊維の配列を適切に活用し、且つ用いる繊維の疎水
性を利用することにより、シートの有する風合を維持し
ながら***液体のにじみを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)〜第1図(C)は本発明の使い捨て衛生材
料用表面シートの各例を示す平面図であり、第2図
(A)は本発明の表面シートが用いられる使い捨ておむ
つの一例を示す平面図であり、第2図(B)は第2図
(A)の線II(B)−II(B)による断面図であり、第
3図〜第5図は本発明のシートに好んで加えられる部分
熱圧着の各種パターン例を示す図であって、第3図は千
鳥状配置、第4図は縦線エンボス、第5図は横線エンボ
スであり、第6図〜第8図はウエブを形成する方法の各
種態様例を示す図であって、第6図(A)はフィラメン
トをエンドレスベルトに垂直吸引させる方法、第7図
(A)はフィラメントをエンドレスベルトに傾斜させて
吸引させる方法、第8図(A)はフィラメントを円筒形
ドラムに吸引させる方法であり、第6図(B)、第7図
(B)および第8図(B)は対応する方法で得られるウ
エブ中のフィラメントの拡がり状態をモデル化して示す
図であり、第9図は中央部にのみ液透過性処理剤が付与
されたシートに対する液体のにじみ拡がりを説明する図
であり、第10図(A)はシートの透水性を試験する方法
を説明する図であり、第10図(B)はシートのにじみ拡
がりを測定する方法を説明する図であり、第11図はシー
トのにじみ長を測定する器具を説明する斜視図であり、
第12図はマイクロ波による繊維配向の測定結果のプリン
ター出力例を示す図であり、第13図は本発明のシートの
マイクロ波による繊維配向の測定結果の3つの例(第13
図(A)、第13図(B)、第13図(C))を示す図であ
る。 1……使い捨ておむつ、2……トップシート、 3……吸収体、4……バックシート、 5a,5b,5c,16……液透過性処理剤が付与された部分、 6……千鳥状配置エンボス、 8……縦線エンボス、9……横線エンボス、 11……紡糸口、12……高速気流牽引装置、 13……ネット状エンドレスベルト、 14……吸引装置、 15……円筒形金網製吸引ドラム、 16……液にじみ部分、 17……液透過性処理剤未処理部分、 18,18a……液にじみ部分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D04H 3/00 3/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液透過性の表面シート、液不透過性の裏面
    シート及び前記両シート間に介在された吸収体から成る
    使い捨て衛生材料における表面シートであって、疎水性
    合成繊維の連続フィラメントのウエブから成り、該ウエ
    ブ中で繊維の配列がマイクロ波透過強度のタテ・ヨコ比
    が1.1であり、該ウエブの中央部に液透過性処理剤が付
    与され、且つその両縁の外側を非付与不織布部としてな
    ることを特徴とする使い捨て衛生材料用表面シート。
  2. 【請求項2】前記ウエブのJIS−L−1085で測定される
    引張強度のタテ・ヨコ強度比が3.6以上である請求項1
    記載の使い捨て衛生材料用表面シート。
  3. 【請求項3】前記ウエブがループ状に捲縮した連続フィ
    ラメントを含む請求項1記載の使い捨て衛生材料用トッ
    プシート。
  4. 【請求項4】前記ウエブが非円形断面の連続フィラメン
    トを含む請求項1記載の使い捨て衛生材料用トップシー
    ト。
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