JP3102431B1 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JP3102431B1
JP3102431B1 JP2000018539A JP2000018539A JP3102431B1 JP 3102431 B1 JP3102431 B1 JP 3102431B1 JP 2000018539 A JP2000018539 A JP 2000018539A JP 2000018539 A JP2000018539 A JP 2000018539A JP 3102431 B1 JP3102431 B1 JP 3102431B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
recording
carbon
dielectric layer
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000018539A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001162940A (ja
Inventor
邦久 薙野
敏央 野中
猛 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2000018539A priority Critical patent/JP3102431B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3102431B1 publication Critical patent/JP3102431B1/ja
Publication of JP2001162940A publication Critical patent/JP2001162940A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 長時間放置しても、良好なオーバーライト特
性がえられ、なおかつ、バースト欠陥の発生や記録マー
クの消失がない、保存耐久性に優れた書換可能相変化光
記録媒体の提供。 【解決手段】 基板上に第1誘電体層、記録層、第2誘
電体層、反射層をこの順に備えた光記録媒体において、
記録層と第1誘電体層の間に記録層と接するように、炭
素を主成分とする層を設けるとともに、記録層が下記式
(I) {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-zSbyz (I) (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
における第2周期から第6周期の3A族から6B族に属
する元素を示し、x、y、zは数を示し、かつ次の関係
式を満たす。 0.2≦x≦0.8、0.01≦y≦0.08、z=0 もしくは、0.2≦x≦0.8、0≦y≦0.08、0
<z≦0.2)からなり、かつ記録層の厚さが7nm以
上35nm以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により、
情報の記録、消去、再生が可能である光情報記録媒体に
関するものである。特に、本発明は、記録情報の消去、
書換機能を有し、情報信号を高速かつ、高密度に記録可
能な光ディスク、光カード、光テープなどの書換可能相
変化型光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の書換可能相変化型光記録媒体の技
術は、以下のごときものである。これらの光記録媒体
は、テルルなどを主成分とする記録層を有し、記録時
は、結晶状態の記録層に集束したレーザー光パルスを短
時間照射し、記録層を部分的に溶融する。溶融した部分
は熱拡散により急冷され、固化し、アモルファス状態の
記録マークが形成される。この記録マークの光線反射率
は、結晶状態より低く、光学的に記録信号として再生可
能である。また、消去時には、記録マーク部分にレーザ
ー光を照射し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の温
度に加熱することによって、アモルファス状態の記録マ
ークを結晶化し、もとの未記録状態にもどす。
【0003】これら書換可能相変化型光記録媒体の記録
層の材料としては、Ge2Sb2Te 5などの合金(N.Yam
ada et al. Proc. Int. Symp. on Optical Memory 1987
p61-66)が知られている。これらTe合金を記録層と
した光記録媒体では、結晶化速度が速く、照射パワーを
変調するだけで、円形の1ビームによる高速のオーバー
ライトが可能である。
【0004】この記録層を、利用した光記録媒体とし
て、例えば、ポリカーボネート樹脂などで成形された透
明な基板の上に、第1誘電体層/記録層/第2誘電体層
/金属反射層の順に設けた4層構成がある。誘電体層の
役割は、記録時に記録層に変形、開口が発生することを
防ぐことであり、また、反射層の役割は、光学的な干渉
効果により再生時の信号コントラストを改善することで
ある。
【0005】この書換可能相変化型光記録媒体における
課題は、以下のようなものである。すなわち、従来のデ
ィスク構造では、繰り返しオーバーライトに伴い、再生
信号振幅の低下(コントラストの低下)が生じ、ジッタ
特性が悪化する問題点があった。保護膜のクラックの成
長によるバースト欠陥が生じることもある。
【0006】また、従来の構成では、以下のような問題
もあった。まず、記録したディスクを長時間放置すると
(以降、アーカイバルと呼ぶ)記録マークが消失した
り、誘電体層が記録層と剥離し、バースト欠陥が生じた
りすることがあった。また、すでに信号が記録してある
ディスクを長時間放置した後に、信号の記録してあるト
ラックにオーバーライトを行うと(以降、オーバーライ
トシェルフと呼ぶ)、ジッタ特性が悪化し、エラーとな
ってしまう問題があった。このため、ディスクの保存耐
久性に問題があった。
【0007】上記の問題点は、従来のピットポジション
記録にかわり高密度記録であるマーク長記録を行う場合
に、特に顕著になる。
【0008】たとえば、記録層に接するように炭素を配
置した構造については、国際公開WO96/17344
号明細書に開示してある。この内容は、第2誘電体層に
炭素や、炭素に金属または半金属を添加したものであ
る。こうすることにより、記録層における結晶状態での
光吸収量を非晶状態の光吸収量より大きくし、記録マー
クの大きさのばらつきを小さくするというものである。
しかし、このディスク構成では、上記の繰り返しオーバ
ーライト特性、および保存耐久性について十分でないと
いう問題点があった。
【0009】特開平3−100936号公報は、基板/
誘電体層/記録層/炭素層/誘電体層の順に積層した光
記録媒体に関するものである。炭素層が光吸収性を持つ
ために、ディスクを高感度化できるというものである。
しかし、この構成では、上記の繰り返しオーバーライト
特性、保存耐久性についての問題を解決できないという
問題点があった。
【0010】特開平2−139283号公報には、基板
/透明体層(ZnSまたはZnS・C)/炭素層(10
nm以下)/記録層(組成:Ge2Sb2Te5、厚み:
60nm)/炭素層(10nm以下)/透明体層/反射
層という光記録媒体を開示している。しかし、この構成
では、高密度記録であるエッジ記録を行った場合、繰り
返しオーバーライト特性、および保存耐久性が十分でな
いといった問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジッ
タ特性の悪化、コントラストの低下、バースト欠陥の発
生などの、繰り返しオーバーライトによる劣化が少ない
書換可能相変化型光記録媒体を提供することにある。さ
らには、アーカイバル、オーバーライトシェルフ特性に
優れた書換可能相変化型光記録媒体を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
発明は光を照射することによって、情報の記録、消去、
再生が可能であって、情報の記録および消去が、非晶相
と結晶相の間の可逆的な相変化により行われ、少なくと
も基板上に第1誘電体層、記録層、第2誘電体層、反射
層をこの順に備えた光記録媒体において、記録層と第1
誘電体層の間に記録層と接するように、炭素を主成分と
する層を設けるとともに、前記記録層が下記式(I) {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-zSbyz (I) (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
における第2周期から第6周期の3A族から6B族に属
する元素を示し、x、y、zは数を示し、かつ次の関係
式を満たす。 0.2≦x≦0.8、0.01≦y≦0.08、z=0 もしくは、0.2≦x≦0.8、0≦y≦0.08、0
<z≦0.2)からなることを特徴とする光記録媒体で
ある。
【0013】また、本発明の第2発明は光を照射するこ
とによって、情報の記録、消去、再生が可能であって、
情報の記録および消去が、非晶相と結晶相の間の可逆的
な相変化により行われ、少なくとも基板上に第1誘電体
層、記録層、第2誘電体層、反射層をこの順に備えた光
記録媒体において、記録層と第1誘電体層の間に記録層
と接するように、炭素を主成分とする層を設けるととも
に、記録層と第2誘電体層の間に炭素を主成分とする
層、炭素と酸素を主成分とする層、炭素と窒素を主成分
とする層、炭素と酸素と窒素を主成分とする層から選ば
れた層を設け、さらに、前記記録層が下記式(II) {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-zSbyz (II) (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
における第2周期から第6周期の3A族から6B族に属
する元素を示し、x、y、zは数を示し、かつ次の関係
式を満たす。 0.2≦x≦0.95、0.01≦y≦0.08、z=
0 もしくは、0.2≦x≦0.95、0≦y≦0.08、
0<z≦0.2)からなることを特徴とする光記録媒体
である。
【0014】また、本発明の第3発明は、光を照射する
ことによって、情報の記録、消去、再生が可能であっ
て、情報の記録および消去が、非晶相と結晶相の間の可
逆的な相変化により行われ、少なくとも基板上に第1誘
電体層、記録層、第2誘電体層、反射層をこの順に備え
た光記録媒体において、記録層と第1誘電体層の間に記
録層と接するように、炭素を主成分とする層を設けると
ともに、記録層と第2誘電体層の間に窒化ゲルマニウム
を主成分とする層から選ばれた層を設け、さらに、前記
記録層が下記式(III) {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-zSbyz (III) (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
における第2周期から第6周期の3A族から6B族に属
する元素を示し、x、y、zは数を示し、かつ次の関係
式を満たす。 0.2≦x≦0.95、0.01≦y≦0.08、z=
0 もしくは、0.2≦x≦0.95、0≦y≦0.08、
0<z≦0.2)からなり、かつ記録層の厚さが7nm
以上、35nm以下であることを特徴とする光記録媒体
である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明が解決しようとする課題で
ある繰り返しオーバーライトによる劣化、すなわちジッ
タ特性の悪化、、コントラストの低下の原因は、第1誘
電体層の成分が繰り返しオーバーライトすることによ
り、記録層へ染み出してくるものであると考えられてい
る。また、オーバーライトシェルフにより、ジッタ特性
が劣化する直接の原因は、消去特性が劣化するためであ
る。この消去特性が劣化する原因は、記録マーク(非晶
相)を長時間放置することにより、原子配列などの状態
が変化するか、もしくは、誘電体層と記録層が反応する
などの理由が考えられる。
【0016】本発明者らは、鋭意研究を行うことによ
り、炭素層を第1誘電体層と記録層の間に設けると、繰
り返しオーバーライトによる劣化を改良でき、さらに、
オーバーライトシェルフによるジッタ特性の悪化を改良
できることを見出した。
【0017】すなわち、本発明における光記録媒体の構
成部材の代表的な層構成は、透明基板上に第1誘電体
層、炭素層、記録層、第2誘電体層、反射層の順に積層
したもの、もしくは、第1誘電体層、炭素層、記録層、
炭素層、第2誘電体層、反射層の順に積層したものであ
る。但しこれに限定するものではない。
【0018】以下に順をおって説明する。第1誘電体層
の材質として好適なものは、ZnSとSiO2の混合物
からなる膜である。この材料は、残留応力が小さいた
め、繰り返しオーバーライトによるバースト劣化などが
起きにくい。この材料において、SiO2のmol比の
好ましい範囲は10mol%以上、30mol%以下で
ある。特に好ましい範囲は、15mol%以上25mo
l%以下である。また、ZnSとSiO2 と炭素の混合
物は、膜の残留応力がさらに小さいこと、記録、消去の
繰り返しによっても、記録感度、キャリア対ノイズ比
(C/N)、消去率などの劣化が起きにくいことからも
特に好ましい。膜の厚さは光学的な条件により決められ
るが、5〜500nmが好ましい。これより厚いと、ク
ラックなどが生じることがあり、これより薄いと、オー
バーライトの繰り返しにより基板が熱ダメージを受けや
すく、繰り返し特性が劣化することがある。膜の厚さの
特に好ましい範囲は10nm以上200nm以下であ
る。
【0019】本発明では、上記の第1誘電体層と下記す
る記録層の間に炭素を主成分とする膜を設ける必要があ
る。本発明において主成分とするとは、その成分が膜中
に存在する他のどの成分よりも多量に存在することをい
う。これを設けることによって、オーバーライトの繰り
返しによるジッタの悪化、再生信号の振幅の低下を防ぐ
ことができる。この原因としては、これらの膜が、第1
誘電体層から記録層への第1誘電体層構成成分の拡散を
防ぐ、バリア層の役割を果たしているものであると考え
られる。さらには、炭素を主成分とする膜を設けること
によって、オーバーライトシェルフによるジッタ特性の
悪化を改良できる。この原因は、長時間放置しても、記
録層における原子配列などの状態の変化や、誘電体層と
記録層の反応を防げるからではないかと推定される。
【0020】この、炭素膜の厚さとしては、第1誘電体
層から剥離し難いこと、また光学的な条件から、0.5
nm以上10nm以下が好ましい。厚さが、10nmを
越えると、第1誘電体層や記録層と剥離しやすい。ま
た、0.5nm未満では、均一の厚さに蒸着することが
困難であり、かつ炭素膜を設けた効果が得られないこと
がある。炭素膜の蒸着速度などを鑑みると、0.5nm
以上5nm以下が特に好ましい。0.5nm以上4nm
以下であることが、繰り返し特性の点からさらにより好
ましい。
【0021】繰り返し特性の点から、炭素層の膜厚に好
ましい範囲が存在することの理由、メカニズムは下述の
ようなことと考えられる。
【0022】図1、2はそれぞれ二つの積層試料、すな
わち、No.A:Ge−Sb−Te(7nm)/C(2
nm)/ZnS−SiO2(93nm)/基板(図1)
と、No.B:Ge−Sb−Te(7nm)/C(5n
m)/ZnS−SiO2(93nm)/基板(図2)、
のオージェ電子分光法(装置にはPERKIN ELM
ER社製の”PHI−670”を使用)により測定した
デプス・プロファイルのチャートである。横軸はArイ
オンを照射しスパッタエッチングしながら表面から試料
を掘り進んでいった時間を表しており、試料表面からの
深さ、言い換えれば層の厚さに対応するもので、縦軸は
それぞれの元素から検出されるオージェ電子のピーク強
度に対応するものである。すなわち、表面からの厚さに
対応して存在する元素の比率を表したものである。図3
は、No.A試料がGe−Sb−Te層と炭素層の境
界、炭素層の厚さ方向の中央、炭素層とZnS−SiO
2層の境界に該当するスパッタ時間1.0分、1.8
分、3.2分での炭素のKLLオージェ電子スペクトルの
チャートであり、図4は、No.B試料がGe−Sb−
Te層と炭素層の境界、炭素層の厚さ方向の中央、炭素
層とZnS−SiO2層の境界に該当するスパッタ時間
1.4分、3.8分、6.4分での炭素のKLLオージェ
電子スペクトルのチャートである。図3、図4ともそれ
ぞれの3つのスペクトルの形状が異なっていることがわ
かる。それぞれの図の炭素層の厚さ方向の中央からのス
ペクトルはグラファイトのものと同定される。炭素層と
ZnS−SiO2層の境界からのスペクトルにはカーバ
イドに由来するとされるショルダーピークが266eV
付近に認められ、炭素がZnS−SiO2層と化学結合
していることがわかる。Ge−Sb−Te層と炭素層の
境界からのスペクトルは、炭素層の中央からのスペクト
ルと炭素層とZnS−SiO2層の境界からのスペクト
ルの中間的なものになっており、炭素とGe−Sb−T
eとの間に化学結合に近い相互作用が存在することがわ
かる。図5、6は図1、2の各々の炭素のスペクトル
を、Ge−Sb−Te層と炭素層の境界からのスペクト
ル、炭素層の厚さ方向の中央からのスペクトル、炭素層
とZnS−SiO2層の境界からのスペクトルの3成分
に分解したチャートを示す。図5と図6の比較から、炭
素層が厚いNo.Bの試料は、No.Aの試料に比べて
炭素層の中央からのスペクトルの成分、すなわちグラフ
ァイト成分の層が主に厚くなっていることがわかる。
【0023】上記の結果から、炭素層は接しているGe
−Sb−Te記録層とZnS−SiO2誘電体層と化学
結合やそれに近い相互作用により比較的強固に結合して
いるため、繰り返し記録時に界面で剥離などが起きにく
いと考えられる。しかし、炭素層の厚さが厚くなると厚
さ方向の中央付近に存在する強度の弱いグラファイト成
分層が厚くなるため、繰り返し時にこの部分の破壊が起
きやすくバーストエラーが発生し易くなると考えられ
る。
【0024】炭素層がGe−Sb−Te記録層とZnS
−SiO2誘電体層と比較的強固に結合しているため、
長期保存時の層間剥離が発生しにくくなっており、この
ことは長期保存安定性を高めることにも寄与していると
考えられる。
【0025】炭素膜をスパッタで成膜する際には、導入
ガスは、Arガスなどの希ガスだけでなく、水素を混ぜ
ても良い。また、他の材料を混合しても良いが、良好な
特性を得るためには炭素を60mol%以上の割合で含
んでいることが好ましい。
【0026】本発明の第1発明において、第1保護層と
記録層の間のみに炭素を主成分とする層を設ける場合に
は、記録層の組成は、下記式(I)の範囲にあることが
必要である。 {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-zSbyz (I) ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表に
おける第2周期から第6周期の3A族から6B族に属す
る元素すなわち、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、
Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、
Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、C
d、In、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、Ir、
Pt、Au、Tl、Pbから選ばれた少なくとも一種を
示し、x、y、zは数を示し、かつ次の関係式を満た
す。
【0027】 0.2≦x≦0.8、0.01≦y≦0.08、z=0 もしくは、0.2≦x≦0.8、0≦y≦0.08、0
<z≦0.2。
【0028】x<0.2では、結晶相と非晶相でのコン
トラストが小さくなり過ぎ、十分な信号強度を得られ
ず、x>0.8の場合は、結晶化速度が遅くなり、消去
特性が悪化し、線速5m/s以上かつ最短マーク長0.
7μm以下の条件で、ダイレクトオーバーライトが困難
になる。
【0029】z=0かつ、y<0.01の場合は、アモ
ルファスの安定性が低く、アーカイバル特性が悪くな
る。y>0.08の場合、初期の消去特性が悪くなった
り、オーバーライトシェルフが悪くなる。z>0.2の
場合、結晶化速度が遅くなり、消去特性が悪化し、線速
5m/s以上かつ最短マーク長0.7μm以下の条件
で、ダイレクトオーバーライトが困難になったり、相分
離により繰り返し特性が大きく劣化したり、オーバーラ
イトシェルフが悪くなり、y=0で、z=0の場合はア
モルファスの安定性が低く、アーカイバル特性が悪くな
る。
【0030】本発明の第2発明において、記録層の基板
側に炭素を主成分とする膜を用い、さらに記録層の反射
層側に炭素や、炭素と酸素、炭素と窒素、あるいは、炭
素と窒素と酸素を主成分とした膜のいずれかを用いる場
合は、記録層の結晶化速度がより速くなるので、必要な
組成範囲が、下記式(II)の範囲となる。 {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-zSbyz (II) ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表に
おける第2周期から第6周期の3A族から6B族に属す
る元素、すなわち、Al、Si、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、G
e、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、
Cd、In、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、I
r、Pt、Au、Tl、Pbから選ばれた少なくとも一
種を示し、x、y、zは数を示し、かつ次の関係式を満
たす。
【0031】0.2≦x≦0.95、0.01≦y≦
0.08、z=0 もしくは、0.2≦x≦0.95、0≦y≦0.08、
0<z≦0.2。
【0032】x<0.2では、コントラストが小さくな
り過ぎ、十分な信号強度を得られず、x>0.95の場
合は、結晶化速度が遅くなり、消去特性が悪化し、線速
5m/s以上かつ最短マーク長0.7μm以下の条件
で、ダイレクトオーバーライトが困難になる。z=0か
つ、y<0.01の場合は、アモルファスの安定性が低
く、アーカイバル特性が悪くなる。y>0.08の場
合、長期保存後のオーバーライトが困難になる。z=0
の時、yの範囲は、0.02≦y≦0.08である。z
>0.2の場合、結晶化速度が遅くなり、消去特性が悪
化し、線速5m/s以上かつ最短マーク長0.7μm以
下の条件でダイレクトオーバーライトが困難になる。
【0033】本発明の第3発明において記録層の基板側
に炭素を主成分とする膜を用い、さらに記録層の反射層
側に窒化ゲルマニウムを主成分とした膜のいずれかを用
いる場合も、記録層の結晶化速度がより速くなるので、
必要な組成範囲が、下記式(III)の範囲となる。 {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-zSbyz (III) ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表に
おける第2周期から第6周期の3A族から6B族に属す
る元素、すなわち、Al、Si、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、G
e、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、
Cd、In、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、I
r、Pt、Au、Tl、Pbから選ばれた少なくとも一
種を示し、x、y、zは数を示し、かつ次の関係式を満
たす。
【0034】0.2≦x≦0.95、0.01≦y≦
0.08、z=0 もしくは、0.2≦x≦0.95、0≦y≦0.08、
0<z≦0.2。
【0035】x<0.2では、コントラストが小さくな
り過ぎ、十分な信号強度を得られず、x>0.95の場
合は、結晶化速度が遅くなり、消去特性が悪化し、線速
5m/s以上かつ最短マーク長0.7μm以下の条件
で、ダイレクトオーバーライトが困難になる。z=0か
つ、y<0.01の場合は、アモルファスの安定性が低
く、アーカイバル特性が悪くなる。y>0.08の場
合、長期保存後のオーバーライトが困難になる。z=0
の時、yの好ましい範囲は、0.02≦y0.08であ
る。z>0.2の場合、結晶化速度が遅くなり、消去特
性が悪化し、線速5m/s以上かつ最短マーク長0.7
μm以下の条件でダイレクトオーバーライトが困難にな
る。
【0036】また、上記記録層組成範囲と記録特性の関
係は、DVD Specifications for Rewritable Disc/ Part
1.Physical Specifications Ver. 1.0に記載されてい
る規格に則ったディスク及び評価方法に於いて、上記の
傾向がより明瞭に現れる。
【0037】本発明の記録層の厚さとしては、5nm以
上40nm以下であることが好ましい。記録層の厚さが
上記よりも薄い場合は、結晶部とアモルファス部のコン
トラストが十分に取れなかったり、繰返しオーバーライ
トによる記録特性の劣化が著しい。また、記録層の厚さ
が上記よりも厚い場合は、繰返しオーバーライトによる
記録層の移動が起りやすくジッタの悪化が激しくなる。
特に、マーク長記録を採用する場合は、ピットポジショ
ン記録の場合に比べ、記録、消去による記録層の移動が
起こりやすく、これを防ぐため、記録時の記録層の冷却
をより大きくする必要があり、記録層の厚さは、7nm
〜35nmの範囲となる。より好ましくは7nm〜25
nmである。
【0038】本発明の第2誘電体層の材質は、第1誘電
体層の材料としてあげたものと同様のものでも良いし、
異種の材料であってもよい。厚さは、2nm以上50n
m以下が好ましい。第2誘電体層の厚さが上記より薄い
と、クラック等の欠陥を生じ、繰り返し耐久性が低下す
るために好ましくない。また、第2誘電体層の厚さが、
上記より厚いと記録層の冷却度が低くなるために好まし
くない。第2誘電体層の厚さは記録層の冷却に関し、よ
り直接的に影響が大きく、より良好な消去特性や、繰り
返し耐久性を得るために、また、特にマーク長記録の場
合に良好な記録・消去特性を得るために、30nm以下
がより効果的である。光を吸収し、記録、消去に効率的
に熱エネルギーとして用いることができることから、透
明でない材料から形成されることも好ましい。例えば、
ZnSとSiO2 と炭素の混合物は、膜の残留応力が小
さいこと、記録、消去の繰り返しによっても、記録感
度、キャリア対ノイズ比(C/N)、消去率などの劣化
が起きにくく、オーバーライトシェルフにるジッタ特性
の悪化をより改善できることからも好ましい。
【0039】また、記録層と第2誘電体層の間に炭素を
主成分とする層、または、炭素と酸素を主成分とする
膜、または、炭素と酸素と窒素を主成分とする層を設け
ることも好ましい。こうすることによって、オーバーラ
イトシェルフによるジッタ特性の悪化をより改善できた
り、結晶化速度を向上できたりする。この層の厚みとし
て好ましい範囲は、0.5nm以上10nm以下であ
る。厚さが、10nmを越えると、第2誘電体層や記録
層と剥離しやすい。また、0.5nm未満では、均一の
厚さに蒸着することが困難であり、かつこれらの層を設
けた効果が得られないことがある。蒸着速度などを鑑み
ると、0.5nm以上、5nm以下が特に好ましい。
【0040】同様に、記録層と第2誘電体層の間に窒化
ゲルマニウムを主成分とする層を設けることも好まし
い。こうすることにより、オーバーライトシェルフによ
るジッタ特性の悪化をより改善できたり、結晶化速度を
向上できたりする。この層の厚みの好ましい範囲は、
0.5nm以上、50nm以下である。これより薄い
と、均一の厚さに蒸着することが困難である。また、こ
れより厚いと、記録層の冷却速度が低くなり、結果的に
繰り返しオーバーライト耐久性が劣化することがある。
厚さのより好ましい範囲は、0.5nm以上、20nm
以下である。
【0041】なお、窒化ゲルマニウムをGeNxと表記
した場合のxの範囲は、0.4≦x≦1.3の間である
ことが好ましい。x<0.4の範囲であると、繰り返し
オーバーライトによる記録特性の劣化が著しいことがあ
る。x>1.3の範囲であると、オーバーライトシェル
フ特性を十分に向上できなかったり、クラックなどが発
生しやすく保存耐久性が十分でないことがある。
【0042】反射層の材質としては、光反射性を有する
金属、合金、および金属と金属化合物の混合物などがあ
げられる。具体的には、Al、Au、Ag、Cuなどの
高反射率の金属や、それを主成分とした合金、Al、S
iなどの窒化物、酸化物、カルコゲン化物などの金属化
合物が好ましい。Al、Au、Agなどの金属、及びこ
れらを主成分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱伝
導率を高くできることから特に好ましい。特に、材料の
価格が安くできることから、AlまたはAgを主成分と
する合金が好ましい。反射層の厚さとしては、通常、お
おむね10nm以上300nm以下である。記録感度を
高く、再生信号強度が大きくできることから30nm以
上200nm以下が好ましい。
【0043】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。第1誘電体層、炭素層、記録層、第2誘電
体層、反射層などを基板上に形成する方法としては、真
空中での薄膜形成法、例えば真空蒸着法、イオンプレー
ティング法、スパッタリング法などがあげられる。特に
組成、膜厚のコントロールが容易であることから、スパ
ッタリング法が好ましい。形成する記録層などの厚さの
制御は、水晶振動子膜厚計などで、堆積状態をモニタリ
ングすることで、容易に行える。
【0044】また、本発明の効果を著しく損なわない範
囲において、反射層を形成した後、傷、変形の防止など
のため、ZnS、SiO2 、ZnS−SiO2 、などの
誘電体層あるいは紫外線硬化樹脂などの保護層などを必
要に応じて設けてもよい。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (分析,測定方法)反射層、記録層の組成は、ICP発
光分析(セイコー電子工業(株)製)により確認した。
記録層、誘電体層、反射層の形成中の膜厚は、水晶振動
子膜厚計によりモニターした。また各層の厚さは、走査
型あるいは透過型電子顕微鏡で断面を観察することによ
り測定した。スパッタリングにより成膜した光記録媒体
は、記録を行う前にあらかじめ波長830nmの半導体
レーザのビームでディスク全面の記録層を結晶化し初期
化した。
【0046】実施例1から24および比較例1から20
においては記録特性を下記の条件1で測定した。実施例
25の記録特性は、条件2で測定した。
【0047】条件1:グルーブに、線速度6m/秒の条
件で、対物レンズの開口数0.6、半導体レーザの波長
680nmの光学ヘッドを使用して、8/16変調のラ
ンダムパターンをマーク長記録によって10万回オーバ
ーライトした。この時、記録レーザー波形は、一般的な
マルチパルスを用いた。また、この時のウィンドウ幅
は、34nsとした(この場合の最短マーク長は0.6
3μmであった)。記録パワー、消去パワーは各ディス
クで最適なパワーにした。ジッタはタイムインターバル
アナライザにより測定した。信号波形の振幅の低下、バ
ースト欠陥の有無はオシロスコープにより観察した。
【0048】条件2:グルーブに線速度8.2m/秒の
条件で、対物レンズの開口数0.6、半導体レーザの波
長660nmの光学ヘッドを使用して、8/16変調の
ランダムパターンのマーク長記録を行った。この時、記
録レーザー波形は、一般的なマルチパルスを用いた。ま
た、この時のウィンドウ幅は、17nsとした(この場
合の最短マーク長は0.42μmであった)。記録パワ
ー、消去パワーは各ディスクで最適なパワーにした。ジ
ッタはタイムインターバルアナライザにより測定した。
【0049】(実施例1)厚さ0.6mm、直径12c
m、1.48μmピッチ(ランド幅0.74μm、グル
ーブ幅0.74μm)のスパイラルグルーブ付きポリカ
ーボネート製基板を毎分30回転で回転させながら、ス
パッタを行った。まず、真空容器内を1×10-3Paま
で排気した後、0.2PaのArガス零囲気中でSiO
2 を20mol%添加したZnSをスパッタし、基板上
に膜厚95nmの第1誘電体層を形成した。次に炭素タ
ーゲットをスパッタし、炭素層を2nm形成した。続い
て、Ge、Sb、Teからなる合金ターゲットをスパッ
タして、厚さ20nm、組成Ge17.1Sb27.6Te55.3
[すなわち{(Ge0.5Te0.50.349(Sb0.4Te
0.60.6510.979Sb0.021]の記録層を得た。さらに
第2誘電体層として第1誘電体層と同じZnS・SiO
2をスパッタして、16nm形成し、この上に、Al
97.5Cr2.5合金をスパッタして膜厚150nmの反射
層を形成した。このディスクを真空容器より取り出した
後、この反射層上にアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本
インキ(株)製SD−101)をスピンコートし、紫外
線照射により硬化させて膜厚3μmの樹脂層を形成し、
次にスクリーン印刷機を用いて遅効性の紫外線硬化樹脂
を塗布し、紫外線を照射した後、同様に作製したディス
ク2枚を貼り合わせて本発明の光記録媒体を得た。
【0050】10万回オーバーライト後のジッタを測定
したところ3.09nsであり、ウインドウ幅の9%と
実用上十分小さいと確認できた。信号の振幅は、10回
オーバーライト後の信号の振幅と比べてほとんど変化が
なく、バースト欠陥も見られなかった。また、このディ
スクに1回記録を行い、その時のバイトエラーレートを
測ったところ2.5×10-5であった。記録した状態の
まま、乾燥(加湿などの湿度調整を行っていない空気
中)、80℃の条件で100時間放置した。この後、同
じ部分のバイトエラーレートを測定したところ、3.0
×10-5とほとんど変化がなかった。さらに、この部分
を1回オーバーライトしたところ、バイトエラーレート
は、4.1×10-5とほとんど変化がないことが確認で
きた。この時のジッタは、3.40nsであり、ウィン
ドウ幅の10%と良好な値であった。さらに、同様のデ
ィスクを90℃、相対湿度80%の条件で140時間放
置した。放置前と放置後のバイトエラーレートは、それ
ぞれ1.5×10-5と2.0×10-5であり、ほとんど
変化がなく、また、剥離によるバースト欠陥などはみら
れなかった。
【0051】(実施例2)反射層の組成をAl98.0Hf
1.8Pd0.2とした以外は、実施例1と同様にして光記録
媒体を得た。実施例1と同様な測定を行ったところ、ほ
ぼ、同じ結果が得られた。
【0052】(実施例3)記録層の組成を(Ge2Sb2
Te50.99Nb0.01[すなわち、{(Ge0.5
0.50.444(Sb0.4Te0.60.5560.990Nb
0.010]とした以外は、実施例1と同様にしてディスク
を作製した。10万回オーバーライト後のジッタを測定
したところ、3.41nsであり、ウインドウ幅の10
%と実用上十分小さいと確認できた。信号の振幅は、1
0回オーバーライト後の信号の振幅と比べてほとんど変
化がなく、バースト欠陥も見られなかった。また、この
ディスクに1回記録を行い、その時のバイトエラーレー
トを測ったところ1.5×10-5であった。記録した状
態のまま、乾燥(加湿などの湿度調節を行っていない空
気中)、80℃の条件で100時間放置した。この後、
同じ部分のバイトエラーレートを測定したところ、1.
5×10-5とほとんど変化がなかった。さらに、この部
分を1回オーバーライトしたところ、バイトエラーレー
トは、2.1×10-5とほとんど変化がないことが確認
できた。この時のジッタは、3.83nsであり、ウィ
ンドウ幅の10%と良好な値であった。
【0053】また、Nbの替わりにAl、Si、Sc、
Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、Ga、Ge、Y、Zr、Mo、Ru、Rh、Pd、
Ag、Cd、In、Sn、La、Hf、Ta、W、R
e、Ir、Pt、Au、Tl、Pbを用いた場合でも、
ほぼ同様な結果が得られた。
【0054】(実施例4)SiO2 を20mol%添加
したZnSターゲットと、炭素ターゲットを同時にスパ
ッタすることにより、第2誘電体層の組成を{(Zn
S)80(SiO22 09010とした以外は、実施例1
と同様にしてディスクを作製した。
【0055】10万回オーバーライト後のジッタを測定
したところ、3.75であり、ウインドウ幅の11%と
実用上十分小さいと確認できた。信号の振幅は、10回
オーバーライト後の信号の振幅と比べてほとんど変化が
なく、バースト欠陥も見られなかった。また、このディ
スクに1回記録を行い、その時のバイトエラーレートを
測ったところ1.5×10-5であった。記録した状態の
まま、乾燥(加湿などの湿度調節を行っていない空気
中)、80℃の条件で100時間放置した。この後、同
じ部分のバイトエラーレートを測定したところ、1.8
×10-5とほとんど変化がなかった。さらに、この部分
を1回オーバーライトしたところ、バイトエラーレート
は、2.1×10-5とほとんど変化がないことが確認で
きた。この時のジッタは、3.05nsであり、ウィン
ドウ幅の9%と良好な値であった。さらに、同様のディ
スクを90℃、相対湿度80%の条件で140時間放置
した。放置前と放置後のバイトエラーレートは、それぞ
れ2.5×10-5と2.8×10-5であり、ほとんど変
化がなく、また、剥離によるバースト欠陥などはみられ
なかった。
【0056】(実施例5)記録層と第2誘電体層の間に
厚さ2nmの炭素膜を挿入し、記録層の組成をGe16.2
Sb30.8Te53.2[すなわち{(Ge0.5Te0.5
0.345(Sb0.4Te0. 60.6550.941Sb0.059]とし
た以外は実施例1と同様にしてディスクを作製した。
【0057】10万回オーバーライト後のジッタを測定
したところ、3.05nsであり、ウインドウ幅の9%
と実用上十分小さいと確認できた。信号の振幅は、10
回オーバーライト後の信号の振幅と比べてほとんど変化
がなく、バースト欠陥も見られなかった。また、このデ
ィスクに1回記録を行い、その時のバイトエラーレート
を測ったところ0.8×10-5であった。記録した状態
のまま、乾燥(加湿などの湿度調節を行っていない空気
中)、80℃の条件で100時間放置した。この後、同
じ部分のバイトエラーレートを測定したところ、1.0
×10-5とほとんど変化がなかった。さらに、この部分
を1回オーバーライトしたところ、バイトエラーレート
は、0.8×10-5とほとんど変化がないことが確認で
きた。この時のジッタは、2.55nsであり、ウィン
ドウ幅の7.5%と良好な値であった。さらに、同様の
ディスクを90℃、相対湿度80%の条件で140時間
放置した。放置前と放置後のバイトエラーレートは、そ
れぞれ1.0×10-5と1.2×10-5であり、ほとん
ど変化がなく、また、剥離によるバースト欠陥などはみ
られなかった。
【0058】(実施例6)炭素ターゲットをスパッタす
る際の条件として、圧力0.2Pa、アルゴン:酸素=
9:1の混合ガスでスパッタを行い、厚さ2nmの炭素
と酸素を主成分とする膜を記録層と第2誘電体層との間
に挿入した以外は、実施例1と同様にしてディスクを作
製した。
【0059】10万回オーバーライト後のジッタを測定
したところ、3.39nsであり、ウインドウ幅の10
%と実用上十分小さいと確認できた。信号の振幅は、1
0回オーバーライト後の信号の振幅と比べてほとんど変
化がなく、バースト欠陥も見られなかった。また、この
ディスクに1回記録を行い、その時のバイトエラーレー
トを測ったところ1.0×10-5であった。記録した状
態のまま、乾燥(加湿などの湿度調節を行っていない空
気中)、80℃の条件で100時間放置した。この後、
同じ部分のバイトエラーレートを測定したところ、1.
0×10-5とほとんど変化がなかった。さらに、この部
分を1回オーバーライトしたところ、バイトエラーレー
トは、0.9×10-5とほとんど変化がないことが確認
できた。この時のジッタは、2.71nsであり、ウィ
ンドウ幅の8.0%と良好な値であった。さらに、同様
のディスクを90℃、相対湿度80%の条件で140時
間放置した。放置前と放置後のバイトエラーレートは、
それぞれ2.2×10-5と2.5×10-5であり、ほと
んど変化がなく、また、剥離によるバースト欠陥などは
みられなかった。
【0060】(実施例7)炭素ターゲットをスパッタす
る際の条件として、圧力0.2Pa、アルゴン:酸素:
窒素=8:1:1の混合ガスでスパッタを行い、厚さ2
nmの炭素と酸素と窒素を主成分とする膜を記録層と第
2誘電体層との間に挿入した以外は、実施例1と同様に
してディスクを作製した。
【0061】10万回オーバーライト後のジッタを測定
したところ、3.41nsであり、ウインドウ幅の10
%と実用上十分小さいと確認できた。信号の振幅は、1
0回オーバーライト後の信号の振幅と比べてほとんど変
化がなく、バースト欠陥も見られなかった。また、この
ディスクに1回記録を行い、その時のバイトエラーレー
トを測ったところ2.5×10-5であった。記録した状
態のまま、乾燥(加湿などの湿度調節を行っていない空
気中)、80℃の条件で100時間放置した。この後、
同じ部分のバイトエラーレートを測定したところ、3.
5×10-5とほとんど変化がなかった。さらに、この部
分を1回オーバーライトしたところ、バイトエラーレー
トは、2.5×10-5とほとんど変化がないことが確認
できた。この時のジッタは、2.72nsであり、ウィ
ンドウ幅の8.0%と良好な値であった。
【0062】(実施例8)炭素層の厚さを0.5nmと
した他は実施例1と同様にしてディスクを作製した。1
0万回オーバーライト後のジッタを測定したところ、
3.77とウインドウは幅の11%と実用上十分小さい
ことが確認できた。信号の振幅は、10回オーバーライ
ト後の信号振幅と比べてほとんど変化が無く、バースト
欠陥も見られなかった。
【0063】また、このディスクに1回記録を行い、そ
の時のバイトエラーレートを測ったところ2.0×10
-5であった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節
を行っていない空気中、80℃の条件で100時間放置
した。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定し
たところ、3.5×10-5とほとんど変化がなかった。
さらに、この部分を1回オーバーライトしたところ、バ
イトエラーレートは、2.0×10-5とほとんど変化が
ないことが確認できた。この時のジッタは、2.75n
sであり、ウィンドウ幅の8.0%と良好な値であっ
た。
【0064】(実施例9)炭素層の厚さを1.0nmと
した他は実施例1と同様にしてディスクを作製した。1
0万回オーバーライト後のジッタを測定したところ、
3.10とウインドウは幅の9.1%と実用上十分小さ
いことが確認できた。信号の振幅は、10回オーバーラ
イト後の信号振幅と比べてほとんど変化が無く、バース
ト欠陥も見られなかった。
【0065】また、このディスクに1回記録を行い、そ
の時のバイトエラーレートを測ったところ3.0×10
-5であった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節
を行っていない空気中、80℃の条件で100時間放置
した。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定し
たところ、3.5×10-5とほとんど変化がなかった。
さらに、この部分を1回オーバーライトしたところ、バ
イトエラーレートは、3.1×10-5とほとんど変化が
ないことが確認できた。この時のジッタは、2.82n
sであり、ウィンドウ幅の8.2%と良好な値であっ
た。
【0066】(実施例10)炭素層の厚さを1.5nm
とした他は実施例1と同様にしてディスクを作製した。
10万回オーバーライト後のジッタを測定したところ、
3.05とウインドウは幅の8.9%と実用上十分小さ
いことが確認できた。信号の振幅は、10回オーバーラ
イト後の信号振幅と比べてほとんど変化が無く、バース
ト欠陥も見られなかった。
【0067】また、このディスクに1回記録を行い、そ
の時のバイトエラーレートを測ったところ1.0×10
-5であった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節
を行っていない空気中、80℃の条件で100時間放置
した。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定し
たところ、1.5×10-5とほとんど変化がなかった。
さらに、この部分を1回オーバーライトしたところ、バ
イトエラーレートは、2.0×10-5とほとんど変化が
ないことが確認できた。この時のジッタは、2.65n
sであり、ウィンドウ幅の7.7%と良好な値であっ
た。
【0068】(実施例11)炭素層の厚さを5nmとし
た他は実施例1と同様にしてディスクを作製した。1千
回オーバーライト後に信号波形を観察したところ、バー
スト欠陥と見られるものが認められた。
【0069】また、このディスクに1回記録を行い、そ
の時のバイトエラーレートを測ったところ2.0×10
-5であった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節
を行っていない空気中、80℃の条件で100時間放置
した。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定し
たところ、3.5×10-5とほとんど変化がなかった。
さらに、この部分を1回オーバーライトしたところ、バ
イトエラーレートは、3.5×10-5とほとんど変化が
ないことが確認できた。この時のジッタは、2.90n
sであり、ウィンドウ幅の8.5%と良好な値であっ
た。
【0070】(実施例12)記録層の組成をGe35.7
12.6Te51.7[すなわち{(Ge0.5Te0.50. 728
(Sb0.4Te0.60.2720.981Sb0.019]とした他
は実施例1と同様にしてディスクを作製した。
【0071】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ1.1×10-5であ
った。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行っ
ていない空気中、80℃の条件で100時間放置した。
この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定したとこ
ろ、1.4×10-5とほとんど変化がなかった。さら
に、この部分を1回オーバーライトしたところ、バイト
エラーレートは、2.1×10-5とほとんど変化がない
ことが確認できた。この時のジッタは、2.73nsで
あり、ウィンドウ幅の8.0%と良好な値であった。
【0072】(実施例13)記録層の組成をGe33.9
15.6Te50.5[すなわち{(Ge0.5Te0.50. 710
(Sb0.4Te0.60.2900.955Sb0.045]とし、第
1誘電体層、炭素層、記録層、炭素層、第2誘電体層、
反射層の厚みをそれぞれ、100nm、2nm、15n
m、2nm、18nm、150nmとした以外は、実施
例5と同様にして6層構成のディスクを作製した。
【0073】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ2.0×10-5であ
った。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行っ
ていない空気中、80℃の条件で100時間放置した。
この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定したとこ
ろ、2.8×10-5とほとんど変化がなかった。さら
に、この部分を1回オーバーライトしたところ、バイト
エラーレートは、1.0×10-4と実用上問題がないと
確認できた。この時のジッタは、3.4nsであり、ウ
ィンドウ幅の10.0%と良好な値であった。
【0074】(実施例14)記録層の組成をGe34.6
13.5Te51.9[すなわち{(Ge0.5Te0.50. 706
(Sb0.4Te0.60.2940.980Sb0.020]とした以
外は、実施例13と同様にしてディスクを作製した。
【0075】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ7.05×10-5
あった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行
っていない空気中、80℃の条件で100時間放置し
た。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定した
ところ、1.00×10-4とほとんど変化がなかった。
さらに、この部分を1回オーバーライトしたところ、バ
イトエラーレートは、1.27×10-4と実用上問題が
ないと確認できた。この時のジッタは、3.4nsであ
り、ウィンドウ幅の10.0%と良好な値であった。
【0076】(実施例15)記録層の組成をGe37.0
11.0Te52.0[すなわち{(Ge0.5Te0.50. 747
(Sb0.4Te0.60.2530.990Sb0.010]とした以
外は、実施例13と同様にしてディスクを作製した。
【0077】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ1.78×10-4
あった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行
っていない空気中、80℃の条件で100時間放置し
た。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定した
ところ、3.15×10-4と実用上問題が無いことを確
認した。さらに、この部分を1回オーバーライトしたと
ころ、バイトエラーレートは、4.14×10-4と実用
上問題がないと確認できた。この時のジッタは、3.9
nsであり、ウィンドウ幅の11.3%であった。
【0078】(実施例16)記録層の組成をGe40.4
8.4Te51.2[すなわち{(Ge0.5Te0.5
0.8 18(Sb0.4Te0.60.1820.988Sb0.012]とし
た以外は、実施例13と同様にしてディスクを作製し
た。
【0079】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ1.57×10-3
あった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行
っていない空気中、80℃の条件で100時間放置し
た。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定した
ところ、1.9×10-3となった。さらに、この部分を
1回オーバーライトしたところ、バイトエラーレート
は、1.39×10-3と、オーバーライト前後でエラー
レートが悪化することはなかった。この時のジッタは、
4.5nsであり、ウィンドウ幅の13.1%であっ
た。
【0080】(実施例17)実施例5における、記録層
と第2誘電体層の間の炭素層を厚さ2nmのGeN 1.2
に置き換えた以外は、実施例5と同様なディスクを作製
した。なお、Ge(ゲルマニウム)とN(窒素)の比
(x=1.2)は、ラザフォード後方散乱法を用いて測
定した。GeN1.2は、アルゴンと窒素の混合ガス雰囲
気中でGeのターゲットをスパッタすることによって作
製した。
【0081】10万回オーバーライト後のジッタを測定
したところ、3.12nsとウィンドウ幅の9.1%と
実用上十分小さいと確認できた。信号の振幅は、10回
オーバーライト後の振幅と比べてほとんど変化無く、バ
ースト欠陥も見られなかった。
【0082】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ1.4×10-5であ
った。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行っ
ていない空気中、80℃の条件で100時間放置した。
この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定したとこ
ろ、1.5×10-5とほとんど変化がなかった。さら
に、この部分を1回オーバーライトしたところ、バイト
エラーレートは、1.6×10-5とほとんど変化が無い
ことが確認できた。この時のジッタは、2.7nsであ
り、ウィンドウ幅の8.0%と良好な値であった。さら
に、同様のディスクを90℃、相対湿度80%の条件で
140時間放置した。放置前と放置後のバイトエラーレ
ートはそれぞれ1.8×10-5と1.9×10-5であり
ほとんど変化がなかった。また、剥離によるバースト欠
陥なども見られなかった。
【0083】(実施例18)第1誘電体層、炭素層、記
録層、GeN1.2からなる層、第2誘電体層、反射層の
層構成とし、各層の厚みをそれぞれ、100nm、2n
m、15nm、2nm、18nm、150nmとした以
外は、実施例13と同様なディスクを作製した。
【0084】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ1.0×10-5であ
った。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行っ
ていない空気中、80℃の条件で100時間放置した。
この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定したとこ
ろ、1.0×10-5とほとんど変化がなかった。さら
に、この部分を1回オーバーライトしたところ、バイト
エラーレートは、1.8×10-5と実用上問題がないと
確認できた。この時のジッタは、3.0nsであり、ウ
ィンドウ幅の8.8%と良好な値であった。
【0085】(実施例19)記録層の組成を実施例14
と同一に、また、層構成を実施例18と同一にしたディ
スクを作製した。
【0086】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ6.0×10-5であ
った。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行っ
ていない空気中、80℃の条件で100時間放置した。
この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定したとこ
ろ、8.0×10-4とほとんど変化がなかった。さら
に、この部分を1回オーバーライトしたところ、バイト
エラーレートは、1.0×10-4と実用上問題がないと
確認できた。この時のジッタは、3.2nsであり、ウ
ィンドウ幅の9.4%と良好な値であった (実施例20)記録層の組成を実施例15と同一に、ま
た、層構成を実施例18と同一にしたディスクを作製し
た。
【0087】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ1.81×10-4
あった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行
っていない空気中、80℃の条件で100時間放置し
た。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定した
ところ、2.12×10-4と実用上問題が無いことを確
認した。さらに、この部分を1回オーバーライトしたと
ころ、バイトエラーレートは、3.22×10-4と実用
上問題がないと確認できた。この時のジッタは、3.6
nsであり、ウィンドウ幅の10.6%であった。
【0088】(実施例21)記録層の組成を実施例16
と同一に、また、層構成を実施例18と同一にしたディ
スクを作製した。
【0089】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ1.18×10-3
あった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行
っていない空気中、80℃の条件で100時間放置し
た。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定した
ところ、1.50×10-3となった。さらに、この部分
を1回オーバーライトしたところ、バイトエラーレート
は、1.41×10-3と、オーバーライト前後でエラー
レートが悪化することはなかった。この時のジッタは、
4.4nsであり、ウィンドウ幅の12.9%であっ
た。
【0090】(実施例22)記録層と第2誘電体層の間
の窒化ゲルマニウムをGeN0.7とした以外は、実施例
17と同様なディスクを作製した。
【0091】10万回オーバーライト後のジッタを測定
したところ、3.40nsとウィンドウ幅の10.0%
と実用上十分小さいと確認できた。信号の振幅は、10
回オーバーライト後の振幅と比べてほとんど変化無く、
バースト欠陥も見られなかった。
【0092】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ2.5×10-5であ
った。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行っ
ていない空気中、80℃の条件で100時間放置した。
この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定したとこ
ろ、2.4×10-5とほとんど変化がなかった。さら
に、この部分を1回オーバーライトしたところ、バイト
エラーレートは、2.6×10-5とほとんど変化が無い
ことが確認できた。この時のジッタは、2.8nsであ
り、ウィンドウ幅の8.2%と良好な値であった。さら
に、同様のディスクを90℃、相対湿度80%の条件で
140時間放置した。放置前と放置後のバイトエラーレ
ートはそれぞれ2.8×10-5と3.1×10-5であり
ほとんど変化がなかった。また、剥離によるバースト欠
陥なども見られなかった。
【0093】(実施例23)記録層と第2誘電体層の間
の窒化ゲルマニウムをGeN0.3とした以外は、実施例
17と同様なディスクを作製した。
【0094】このディスクの繰り返しオーバーライト特
性を評価したところ、3000回でバースト欠陥らしき
ものが認められた。
【0095】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ3.3×10-5であ
った。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行っ
ていない空気中、80℃の条件で100時間放置した。
この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定したとこ
ろ、3.5×10-5とほとんど変化がなかった。さら
に、この部分を1回オーバーライトしたところ、バイト
エラーレートは、4.6×10-5とほとんど変化が無い
ことが確認できた。この時のジッタは、3.40nsで
あり、ウィンドウ幅の10.0%と良好な値であった。
さらに、同様のディスクを90℃、相対湿度80%の条
件で140時間放置した。放置前と放置後のバイトエラ
ーレートはそれぞれ4.0×10-5と4.1×10-5
ありほとんど変化がなかった。また、剥離によるバース
ト欠陥なども見られなかった。
【0096】(実施例24)記録層と第2誘電体層の間
の窒化ゲルマニウムをGeN1.33とした以外は、実施例
17と同様なディスクを作製した。
【0097】10万回オーバーライト後のジッタを測定
したところ、3.40nsとウィンドウ幅の10.0%
と実用上十分小さいと確認できた。信号の振幅は、10
回オーバーライト後の振幅と比べてほとんど変化無く、
バースト欠陥も見られなかった。
【0098】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ4.9×10-5であ
った。記録した状態のまま、加湿などの湿度調節を行っ
ていない空気中、80℃の条件で100時間放置した。
この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定したとこ
ろ、5.5×10-5とほとんど変化がなかった。さら
に、この部分を1回オーバーライトしたところ、バイト
エラーレートは、3.1×10-4と若干悪化した。この
時のジッタは、4.08nsであり、ウィンドウ幅の1
2.0%であった。さらに、同様のディスクを90℃、
相対湿度80%の条件で140時間放置した。放置前と
放置後のバイトエラーレートはそれぞれ1.8×10-5
と3.1×10-4でありほとんど変化がなかった。ま
た、バースト欠陥も見られなかった。 (実施例25)厚さ0.6mm、直径12cm、1.2
3μmピッチ(ランド幅0.615μm、グルーブ幅
0.615μm)のスパイラルグルーブ付きポリカーボ
ネート製基板を毎分30回転で回転させながら、スパッ
タを行った。まず、真空容器内を1×10-3Paまで排
気した後、2×10-1PaのArガス雰囲気中でSiO
2を20mol%添加したZnSをスパッタし、基板上
に膜厚92nmの第1誘電体層を形成した。次に炭素タ
ーゲットをスパッタし、炭素からなる層を2nm形成し
た。続いて、Ge、Sb、Teからなる合金ターゲット
をスパッタして、厚さ12nm、組成Ge27.6Sb18.5
Te53.9[すなわち{(Ge0.5Te0.50. 558(Sb
0.4Te0.60.4420.99Sb0.01]の記録層を得た。
さらに炭素ターゲットをスパッタし、炭素からなる厚さ
2nmの層を作製した。第2誘電体層として第1誘電体
層と同じZnS・SiO2をスパッタして、23nm形
成し、この上に、Al97.5Cr2.5合金をスパッタして
膜厚90nmの反射層を形成した。このディスクを真空
容器より取り出した後、この反射層上にアクリル系紫外
線硬化樹脂を(大日本インキ(株)製SD−101)を
スピンコートし、紫外線照射により硬化させて膜厚3μ
mの樹脂層を形成し、次にスクリーン印刷機を用いて遅
効性の紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線を照射した後、
同様に作製したディスク2枚を貼り合わせて本発明の光
記録媒体を得た。
【0099】このディスクの記録特性評価を条件2で行
った。10回オーバーライト記録を行い、ジッタを測定
したところ、1.58nsであり、ウインドウ幅の9.
3%と良好な値であった。記録した状態のまま、加湿な
どの湿度調節を行っていない空気中、80℃の条件で1
00時間放置した。この後、同じ部分のジッタを測定し
たところ、1.58nsと変化がなかった。さらに、こ
の部分を1回オーバーライトしたところ、ジッタは2.
01nsで、ウインドウ幅の11.8%と良好な値で実
用上問題がないと確認できた。 (実施例26)実施例25における、記録層と第2誘電
体層層の間の炭素層を厚さ2nmのGeN1.2に置き換
えた以外は実施例25と同様にしてディスクを作製し
た。
【0100】このディスクの記録特性評価を条件2で行
った。10回オーバーライト記録を行い、ジッタを測定
したところ、1.50nsであり、ウインドウ幅の8.
8%と良好な値であった。記録した状態のまま、加湿な
どの湿度調節を行っていない空気中、80℃条件で10
0時間放置した。この後、同じ部分のジッタを測定した
ところ、1.50nsと変化がなかった。さらに、この
部分を1回オーバーライトしたところ、ジッタは2.0
0nsで、ウインドウ幅の11.8%と良好な値で実用
上問題がないと確認できた。
【0101】(比較例1)厚さ0.6mm、直径12c
m、1.48μmピッチ(ランド幅0.74μm、グル
ーブ幅0.74μm)のスパイラルグルーブ付きポリカ
ーボネート製基板を毎分30回転で回転させながら、ス
パッタを行った。まず、真空容器内を1×10-3Paま
で排気した後、0.2PaのArガス零囲気中でSiO
2 を20mol%添加したZnSをスパッタし、基板上
に膜厚95nmの第1誘電体層を形成した。続いて、G
e、Sb、Teからなる合金ターゲットをスパッタし
て、厚さ20nm、組成Ge17.1Sb27.6Te55.3の記
録層を得た。さらに第2誘電体層として第1誘電体層と
同じZnS・SiO2をスパッタして、16nm形成
し、この上に、Al97.5Cr2.5合金をスパッタして膜
厚150nmの反射層を形成した。このディスクを真空
容器より取り出した後、この反射層上にアクリル系紫外
線硬化樹脂(大日本インキ(株)製SD−101)をス
ピンコートし、紫外線照射により硬化させて膜厚3μm
の樹脂層を形成し、次にスクリーン印刷機を用いて遅効
性の紫外線効果効果樹脂を塗布し、紫外線を照射した
後、同様に作製したディスク2枚を貼り合わせて光記録
媒体を得た。
【0102】実施例1と同様な測定を行ったところ、1
0万回オーバーライト後のジッタは4.77nsであ
り、ウィンドウ幅の14%と大きく、信号の振幅は10
回オーバーライト後の振幅の70%であり、コントラス
トが低下していた。また、1回記録を行ったときのエラ
ーレートは4.0×10-5であった。実施例1と同様
に、乾燥(加湿などの湿度調節を行っていない空気
中)、80℃の条件で100時間放置した。この後、同
じ部分のバイトエラーレートを測定したところ、3.0
×10-5とほとんど変化がなかった。ところが、この部
分を1回オーバーライトしたところ、エラーとなりバイ
トエラーレートが測れないほど劣化した。エラーの原因
はジッタの悪化によるもので、この時のジッタは6.1
3nsであり、ウィンドウ幅の18%程度であった。
【0103】(比較例2)厚さ2nmの炭素層を記録層
と第2誘電体層の間に設けた以外は、比較例1と同様に
してディスクを作製した。実施例1と同様な測定を行っ
たところ、10万回オーバーライト後のジッタは5.0
9nsであり、15%と大きく、信号の振幅は10回オ
ーバーライト後の振幅の65%であり、コントラストが
低下していた。また、1回記録を行ったときのエラーレ
ートは、1.8×10-5であった。実施例1と同様に、
乾燥(加湿などの湿度調節を行っていない空気中)、8
0℃の条件で100時間放置した。この後、同じ部分の
バイトエラーレートを測定したところ、2.4×10-5
とほとんど変化がなかった。ところが、この部分を1回
オーバーライトしたところ、エラーとなりバイトエラー
レートが測れないほど劣化した。この時の、ジッタを測
ったところ、6.46nsであり、ウィンドウ幅の19
%程度であった。
【0104】(比較例3)比較例1の第2誘電体層を取
り除き、かつ、記録層と反射層の間に厚さ18nmの炭
素層を設けたディスクを作製した。なお、炭素層は、
0.2PaのArガス零囲気中で炭素ターゲットをスパ
ッタすることによって成膜した。
【0105】実施例1と同様な測定を行ったところ、1
0万回オーバーライト後のジッタは5.11nsであ
り、15%と大きく、信号の振幅は10回オーバーライ
ト後の振幅の60%であり、コントラストが低下してい
た。また、このディスクを温度90℃、相対湿度80%
の条件下に140時間放置したところ、第2誘電体層と
記録層の間での剥離と思われるバースト欠陥が観察され
た。
【0106】(比較例4)比較例1の第2誘電体層を取
り除き、かつ、記録層と反射層の間に厚さ18nm炭素
と酸素を主成分とする膜を設けたディスクを作製した。
なお、炭素と酸素を主成分とする膜は、炭素ターゲット
を圧力0.2Pa、アルゴン:酸素=9:1の混合ガス
の雰囲気下でスパッタして、成膜した。
【0107】実施例1と同様な測定を行ったところ、1
0万回オーバーライト後のジッタは4.75nsであ
り、ウィンドウ幅の14%と大きく、信号の振幅は10
回オーバーライト後の振幅の65%であり、コントラス
トが低下していた。また、このディスクを温度90℃、
相対湿度80%の条件下に140時間放置したところ、
第2誘電体層と記録層の間での剥離と思われるバースト
欠陥が観察された。
【0108】(比較例5)記録層の組成をGe2Sb2
5[すなわち(Ge0.5Te0.50.444(Sb0. 4Te
0.60.556]とした以外は、実施例1と同様にしてディ
スクを得た。
【0109】10万回オーバーライト後のジッタを測定
したところ、4.08nsであり、ウインドウ幅の12
%と実用上十分小さいと確認できた。信号の振幅は、1
0回オーバーライト後の信号の振幅と比べてほとんど変
化がなく、バースト欠陥も見られなかった。
【0110】また、このディスクに1回記録を行い、そ
の時のバイトエラーレートを測ったところ2.5×10
-5であった。記録した状態のまま、90℃、相対湿度8
0%の条件で140時間放置した。この後、同じ部分の
バイトエラーレートを測定したところ、9.0×10-3
と大きく劣化した。再生波形を観察したところ、振幅が
低下しており、非晶部の一部が結晶化しているものと推
定された。
【0111】また、記録層の組成をGe1Sb2Te
4[すなわち(Ge0.5Te0.50.287(Sb0.4
0.60.714]としても、90℃、相対湿度80%の条
件で140時間放置すると、バイトエラーレートか5.
0×10-3から、2.0×10-2へと大きく劣化し、ア
ーカイバル特性が不十分であった。
【0112】(比較例6)記録層の組成をGe14.0Sb
36.0Te50.0[すなわち{(Ge0.5Te0.5
0. 318(Sb0.4Te0.60.6820.880Sb0.120]とし
た以外は、実施例1と同様にしてディスクを得た。10
回オーバーライト後のジッタを測定したところ、最小で
6.83nsとウインドウ幅の20%しか得られなかっ
た。この原因は、消去特性が悪いためであると推定され
た。
【0113】(比較例7)記録層の組成をGe42.0Sb
9.0Te49.0[すなわち{(Ge0.5Te0.50.8 78(S
0.4Te0.60.1220.957Sb0.043]とした以外
は、実施例1と同様にしてディスクを得た。10回オー
バーライト後のジッタを測定したところ、最小で6.8
1nsとウインドウ幅の20%しか得られなかった。こ
の原因は、消去特性が悪いためであると推定された。
【0114】(比較例8)記録層の組成をGe6.0Sb
38.0Te56.0[すなわち{(Ge0.5Te0.5
0.1 26(Sb0.4Te0.60.8740.953Sb0.047]とし
た以外は、実施例1と同様にしてディスクを得た。10
回オーバーライト後のジッタを測定したところ、最小で
6.11nsとウインドウ幅の18%しか得られなかっ
た。この原因は、結晶相と非晶相のコントラストが小さ
いためであると推定された。
【0115】(比較例9)記録層の組成を(Ge2Sb2
Te50.70Nb0.30[すなわち{(Ge0.5Te 0.5
0.444(Sb0.4Te0.60.5560.7Nb0.3]とした以
外は、実施例1と同様にしてディスクを作製した。10
回オーバーライト後のジッタを測定したところ、最小で
6.80nsとウインドウ幅の20%しか得られなかっ
た。この原因は、消去特性が悪いためであると推定され
る。
【0116】(比較例10)記録層の組成をGe2Sb2
Te5[すなわち(Ge0.5Te0.50.444(Sb0. 4
0.60.556]とした以外は、実施例5と同様にして6
層ディスクを得た。
【0117】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ2.5×10-5であ
った。記録した状態のまま、90℃、相対湿度80%の
条件で140時間放置した。この後、同じ部分のバイト
エラーレートを測定したところ、エラーとなりバイトエ
ラーレートの測定ができなかった。再生波形を観察した
ところ、振幅が大きく低下しており、非晶部の一部が結
晶化しているものと推定された。
【0118】また、記録層の組成をGe1Sb2Te
4[すなわち(Ge0.5Te0.50.287(Sb0.4
0.60.714]としても、90℃、相対湿度80%の条
件で140時間放置すると、バイトエラーレートか5.
0×10-3から、測定不可能と大きく劣化した、アーカ
イバル特性が不十分であった。
【0119】(比較例11)記録層の組成をGe0.5
0.5[すなわち{(Ge0.5Te0.51.00(Sb0. 4
0.60.001.00Sb0.00]とした以外は、実施例1
3と同様にして6層ディスクを作製した。このディスク
に1回記録を行い、その時のバイトエラーレートを測っ
たところ測定が不可能であった。これは、ジッタが悪い
ためであり、このときのジッタの値は20%であった。
【0120】(比較例12)記録層の組成をGe2Sb2
Te5[すなわち(Ge0.5Te0.50.444(Sb0. 4
0.60.556]とした以外は、実施例17と同様にして
6層ディスクを得た。
【0121】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ1.5×10-5であ
った。記録した状態のまま、90℃、相対湿度80%の
条件で140時間放置した。この後、同じ部分のバイト
エラーレートを測定したところ、エラーとなりバイトエ
ラーレートの測定ができなかった。再生波形を観察した
ところ、振幅が大きく低下しており、非晶部の一部が結
晶化しているものと推定された。
【0122】また、記録層の組成をGe1Sb2Te
4[すなわち(Ge0.5Te0.50.287(Sb0.4
0.60.714]としても、90℃、相対湿度80%の条
件で140時間放置すると、バイトエラーレートか1.
0×10-4から、測定不可能と大きく劣化した。アーカ
イバル特性が不十分であった。
【0123】(比較例13)記録層の組成をGe0.5
0.5[すなわち{(Ge0.5Te0.51.00(Sb0. 4
0.60.001.00Sb0.00]とした以外は、実施例1
7と同様にして6層ディスクを作製した。
【0124】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ測定が不可能であっ
た。これは、ジッタが悪いためであり、このときのジッ
タの値は20%であった。 (比較例14)記録層の組成をGe6.0Sb38.0Te
56.0[すなわち{(Ge0.5Te0.50.1 26(Sb0.4
0.60.8740.953Sb0.047]とした以外は、実施例
17と同様にしてディスクを得た。10回オーバーライ
ト後のジッタを測定したところ、最小で6.00nsと
ウインドウ幅の18%しか得られなかった。この原因
は、結晶相と非晶相のコントラストが小さいためである
と推定された。
【0125】(比較例15)記録層の厚さを60nmと
した以外は、実施例1と同様なディスクを作製した。こ
のディスクの繰り返しオーバーライト特性を評価したと
ころ、繰り返し100回でジッタが測定不能まで劣化し
た。その理由は、記録層が厚いために記録層の移動が起
こりやすいものと推定される。
【0126】このディスクの未記録部分に、1回記録を
行い、その後のバイトエラーレートを測定したところ、
5.9×10-4であった。記録した状態のまま、90
℃、相対湿度80%の条件で140時間放置した。この
後、同じ部分のバイトエラーレートを測定したところ、
エラーとなりバイトエラーレートの測定ができなかっ
た。再生波形を観察したところ、振幅が大きく低下して
おり、非晶部の一部が結晶化しているものと推定され
た。
【0127】また、記録層の厚さを45nmとしても、
繰り返しオーバーライト300回でジッタが測定不能と
なった。また、1回記録を行い、90℃、相対湿度80
%の条件で140時間放置すると、バイトエラーレート
が4.0×10-4から2.5×10-3と大きく劣化し
た。再生波形を観察したところ、振幅が低下しており、
非晶部の一部が結晶化しているものと推定された。
【0128】(比較例16)記録層の厚さを5nmとし
た以外は、実施例1と同様なディスクを作製した。10
回オーバーライト後のジッタを測定したところ、最小で
5.81nsとウインドウ幅の17%しか得られなかっ
た。この原因は、結晶相と非晶相のコントラストが小さ
いためであると推定された。
【0129】(比較例17)記録層の厚さを60nmと
した以外は、実施例6と同様なディスクを作製した。こ
のディスクの繰り返しオーバーライト特性を評価したと
ころ、繰り返し100回でジッタが測定不能まで劣化し
た。その理由は、記録層が厚いために記録層の移動が起
こりやすいものと推定される。
【0130】このディスクの未記録部分に、1回記録を
行い、その後のバイトエラーレートを測定したところ、
8.0×10-4であった。記録した状態のまま、90
℃、相対湿度80%の条件で140時間放置した。この
後、同じ部分のバイトエラーレートを測定したところ、
エラーとなりバイトエラーレートの測定ができなかっ
た。再生波形を観察したところ、振幅が大きく低下して
おり、非晶部の一部が結晶化しているものと推定され
た。
【0131】また、記録層の厚さを45nmとしても、
繰り返しオーバーライト300回でジッタが測定不能と
なった。また、1回記録を行い、90℃、相対湿度80
%の条件で140時間放置すると、バイトエラーレート
が3.7×10-4から3.1×10-3と大きく劣化し
た。再生波形を観察したところ、振幅が低下しており、
非晶部の一部が結晶化しているものと推定された。
【0132】(比較例18)記録層の厚さを5nmとし
た以外は、実施例6と同様なディスクを作製した。10
回オーバーライト後のジッタを測定したところ、最小で
5.42nsとウインドウ幅の16%しか得られなかっ
た。この原因は、結晶相と非晶相のコントラストが小さ
いためであると推定された。
【0133】(比較例19)記録層の厚さを60nmと
した以外は、実施例17と同様なディスクを作製した。
このディスクの繰り返しオーバーライト特性を評価した
ところ、繰り返し100回でジッタが測定不能まで劣化
した。その理由は、記録層が厚いために記録層の移動が
起こりやすいものと推定される。
【0134】このディスクの未記録部分に1回記録を行
い、その後のバイトエラーレートを測定したところ、
6.2×10-4であった。記録した状態のまま、90
℃、相対湿度80%の条件で140時間放置した。この
後、同じ部分のバイトエラーレートを測定したところ、
エラーとなりバイトエラーレートの測定ができなかっ
た。再生波形を観察したところ、振幅が大きく低下して
おり、非晶部の一部が結晶化しているものと推定され
た。
【0135】また、記録層の厚さを45nmとしても、
繰り返しオーバーライト300回でジッタが測定不能と
なった。また、1回記録を行い、90℃、相対湿度80
%の条件で140時間放置すると、バイトエラーレート
が4.9×10-4から5.1×10-3と大きく劣化し
た。再生波形を観察したところ、振幅が低下しており、
非晶部の一部が結晶化しているものと推定された。
【0136】(比較例20)記録層の厚さを5nmとし
た以外は、実施例17と同様なディスクを作製した。1
0回オーバーライト後のジッタを測定したところ、最小
で6.38nsとウインドウ幅の19%しか得られなか
った。この原因は、結晶相と非晶相のコントラストが小
さいためであると推定された。
【0137】
【発明の効果】本発明の光記録媒体によれば、以下の効
果が得られる。 (1)記録後長時間放置しても良好なオーバーライト特
性が得られる。 (2)記録後長時間放置しても、バースト欠陥の発生
や、記録マークの消失がない。 (3)スパッタ法により容易に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるNo.A試料のデプス・プロフ
ァイルのチャートである。
【図2】本発明におけるNo.B試料のデプス・プロフ
ァイルのチャートである。
【図3】本発明におけるNo.A試料の炭素のKLLオ
ージェ電子スペクトルのチャートである。
【図4】本発明におけるNo.B試料の炭素のKLLオ
ージェ電子スペクトルのチャートである。
【図5】本発明におけるNo.A試料の炭素のデプス・
プロファイルを分解したチャートである。
【図6】本発明におけるNo.B試料の炭素のデプス・
プロファイルを分解したチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G11B 7/24 535 G11B 7/24 535H (56)参考文献 特開 平7−223372(JP,A) 特開 平6−191160(JP,A) 特開 平6−191161(JP,A) 特開 平2−139283(JP,A) 特開 昭63−251290(JP,A) 国際公開99/06220(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/26 G11B 7/24 511

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光を照射することによって、情報の記録、
    消去、再生が可能であって、情報の記録および消去が、
    非晶相と結晶相の間の可逆的な相変化により行われ、少
    なくとも基板上に第1誘電体層、記録層、第2誘電体
    層、反射層をこの順に備えた光記録媒体において、記録
    層と第1誘電体層の間に記録層と接するように、炭素を
    主成分とする層を設けるとともに、前記記録層が下記式
    (I) {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-zSbyz (I) (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
    における第2周期から第6周期の3A族から6B族に属
    する元素を示し、x、y、zは数を示し、かつ次の関係
    式を満たす。 0.2≦x≦0.8、0.01≦y≦0.08、z=0 もしくは、0.2≦x≦0.8、0≦y≦0.08、0
    <z≦0.2)からなり、かつ記録層の厚さが7nm以
    上35nm以下であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】光を照射することによって、情報の記録、
    消去、再生が可能であって、情報の記録および消去が、
    非晶相と結晶相の間の可逆的な相変化により行われ、少
    なくとも基板上に第1誘電体層、記録層、第2誘電体
    層、反射層をこの順に備えた光記録媒体において、記録
    層と第1誘電体層の間に記録層と接するように、炭素を
    主成分とする層を設けるとともに、記録層と第2誘電体
    層の間に炭素を主成分とする層、炭素と酸素を主成分と
    する層、炭素と窒素を主成分とする層、炭素と酸素と窒
    素を主成分とする層から選ばれた層を設け、さらに、前
    記記録層が下記式(II) {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-zSbyz (II) (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
    における第2周期から第6周期の3A族から6B族に属
    する元素を示し、x、y、zは数を示し、かつ次の関係
    式を満たす。 0.2≦x≦0.95、0.01≦y≦0.08、z=
    0 もしくは、0.2≦x≦0.95、0≦y≦0.08、
    0<z≦0.2)からなり、かつ記録層の厚さが7nm
    以上35nm以下であることを特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】光を照射することによって、情報の記録、
    消去、再生が可能であって、情報の記録および消去が、
    非晶相と結晶相の間の可逆的な相変化により行われ、少
    なくとも基板上に第1誘電体層、記録層、第2誘電体
    層、反射層をこの順に備えた光記録媒体において、記録
    層と第1誘電体層の間に記録層と接するように、炭素を
    主成分とする層を設けるとともに、記録層と第2誘電体
    層の間に窒化ゲルマニウムを主成分とする層を設け、さ
    らに、前記記録層が下記式(III) {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-zSbyz (III) (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
    における第2周期から第6周期の3A族から6B族に属
    する元素を示し、x、y、zは数を示し、かつ次の関係
    式を満たす。 0.2≦x≦0.95、0.01≦y≦0.08、z=
    0 もしくは、0.2≦x≦0.95、0≦y≦0.08、
    0<z≦0.2)からなり、かつ記録層の厚さが7nm
    以上35nm以下であることを特徴とする光記録媒体。
  4. 【請求項4】第1誘電体層および第2誘電体層が少なく
    ともZnSとSiO 2を含むことを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】第2誘電体層が少なくともZnSとSiO
    2と炭素を含むことを特徴とする請求項4に記載の光記
    録媒体。
  6. 【請求項6】記録層と第1保護層の間の炭素を主成分と
    する層の厚みが、0.5nm以上4nm以下であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光記録媒
    体。
JP2000018539A 1999-01-28 2000-01-27 光記録媒体 Expired - Fee Related JP3102431B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000018539A JP3102431B1 (ja) 1999-01-28 2000-01-27 光記録媒体

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2053299 1999-01-28
JP17960699 1999-06-25
JP11-278881 1999-09-30
JP11-179606 1999-09-30
JP27888199 1999-09-30
JP11-20532 1999-09-30
JP2000018539A JP3102431B1 (ja) 1999-01-28 2000-01-27 光記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3102431B1 true JP3102431B1 (ja) 2000-10-23
JP2001162940A JP2001162940A (ja) 2001-06-19

Family

ID=27457409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000018539A Expired - Fee Related JP3102431B1 (ja) 1999-01-28 2000-01-27 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3102431B1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006155794A (ja) 2004-11-30 2006-06-15 Tdk Corp 光記録媒体及びその試験方法
AU2009292148A1 (en) * 2008-09-12 2010-03-18 Brigham Young University Data storage media containing carbon and metal layers

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001162940A (ja) 2001-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6479121B1 (en) Optical recording medium and method of fabricating same
US6352753B2 (en) Optical recording medium
EP0594277A1 (en) Optical recording medium
US6406771B1 (en) Optical recording medium and optical recording apparatus
JP2001067720A (ja) 光記録媒体
JPH10241211A (ja) 光記録媒体の製造方法
WO1995026550A1 (fr) Support d'enregistrement optique
JPH08190734A (ja) 光記録媒体
JP3102431B1 (ja) 光記録媒体
JP4357144B2 (ja) 光記録媒体及び光記録媒体用スパッタリングターゲット
JP2001167475A (ja) 光記録媒体
JP3692776B2 (ja) 光学的情報記録用媒体およびその製造方法
JPH11339314A (ja) 光記録媒体
JP2001126308A (ja) 光記録媒体およびその製造方法
JP3211537B2 (ja) 光記録媒体
JP2002157786A (ja) 光記録媒体
JP2002074739A (ja) 光記録媒体および光記録装置
JP3216552B2 (ja) 光記録媒体およびその製造方法
JP2001167476A (ja) 光記録媒体
JPH11339316A (ja) 光記録媒体
JPH06127135A (ja) 光記録媒体
JP2007062319A (ja) 光記録媒体
JP2002056576A (ja) 光記録媒体
JPH11339315A (ja) 光記録媒体
JPH06191161A (ja) 光記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees