JP2002074739A - 光記録媒体および光記録装置 - Google Patents

光記録媒体および光記録装置

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JP2002074739A
JP2002074739A JP2000322230A JP2000322230A JP2002074739A JP 2002074739 A JP2002074739 A JP 2002074739A JP 2000322230 A JP2000322230 A JP 2000322230A JP 2000322230 A JP2000322230 A JP 2000322230A JP 2002074739 A JP2002074739 A JP 2002074739A
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JP2000322230A
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English (en)
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Hideo Nakakuki
英夫 中久喜
Takeshi Arai
猛 新井
Toshinaka Nonaka
敏央 野中
Kunihisa Nagino
邦久 薙野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高線速、高密度で記録を行っても、消去特性
が良好でジッターが小さく、トラック幅の狭い基板を用
いてもクロス消去が生じにくく、再生のためのレーザー
光を繰返し照射しても信号品質が劣化しにくく、さらに
は保存耐久性も良好な書換可能相変化型光記録媒体およ
び光記録装置を提供すること。 【解決手段】相変化型の光記録媒体であって、少なくと
も基板上に第1誘電体層、第1境界層、記録層、第2境
界層、吸収量補正層、反射層をこの順に備え、特定の記
録層組成を有し、かつ第1境界層および第2境界層が各
々炭素、炭化物、酸化物および窒化物から選ばれる少な
くとも一つを主成分とする層からなり、かつ、吸収量補
正層の屈折率が1.0以上4.0以下、消衰係数が0.
5以上3.0以下であることを特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光の照射
により、情報の記録、消去および再生が可能である光情
報記録媒体および光記録装置に関するものである。特
に、本発明は、情報信号を高速かつ高密度に記録可能な
書換可能相変化型光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】書換可能相変化型光記録媒体は、テルル
などを主成分とする記録層を有し、記録時は、結晶状態
の記録層に集束したレーザー光パルスを短時間照射し、
記録層を部分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散によ
り急冷され、固化し、アモルファス状態の記録マークが
形成される。この記録マークの光線反射率は、結晶状態
より低く、光学的に記録信号として再生可能である。ま
た、消去時には、記録マーク部分にレーザー光を照射
し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の温度に加熱す
ることによって、アモルファス状態の記録マークを結晶
化し、もとの未記録状態にもどす。これらの書換可能相
変化型光記録媒体の記録層の材料としては、Ge2Sb2
Te5などの合金(N.Yamada et al.Proc.Int.Symp.on O
ptical Memory 1987 p61-66)が知られている。
【0003】これらTe合金を記録層とした光記録媒体
では、結晶化速度が速く、照射パワーを変調するだけ
で、円形の1ビームによる高速のオーバーライトが可能
である。これらの記録層を使用した光記録媒体では、通
常、記録層の両面に耐熱性と透光性を有する誘電体層を
それぞれ1層ずつ設け、記録時に記録層に変形、開口が
発生することを防いでいる。さらに、光ビーム入射方向
と反対側の誘電体層上に、光反射性のAlなどの金属反
射層を積層し、光学的な干渉効果により再生時の信号コ
ントラストを改善する技術が知られている。
【0004】また、この書換可能相変化型光記録媒体に
おいては、繰り返しオーバーライトに伴い再生信号振幅
(コントラスト)の低下が生じてジッター特性が悪化し
たり、保護膜の剥離や破壊によるバースト欠陥が生じる
など、ディスクの繰り返し耐久性に問題があった。繰り
返し耐久性を向上させる手段としては、例えば特開平1
1−115315号公報のように記録層に接して拡散防
止層を設けることが知られている。
【0005】しかしながら、光記録媒体の高線速化およ
び高密度化に伴い、従来の光記録媒体では、消去特性が
悪化するという問題があった。すなわち、すでに信号が
記録されているトラックに新たにオーバーライト記録を
行うと、記録マークの形状や形成位置がオーバーライト
前の信号で変調を受けるため消去特性が低下する。その
結果1回目の記録と比較してジッター特性が悪化する問
題があった。
【0006】消去特性を向上させる手段としては、特開
平5−159360号公報のように、記録膜を透過した
光を吸収する吸収層を設ける技術が提案されている。し
かし、ここで提案されている吸収層、すなわち、Ti、
Ni、W、Mo、V、Nb、Cr、Feなどの金属から
なる吸収層では、消去特性を向上させる手段としては不
十分であった。
【0007】また、高線速化および高密度化によって、
記録マークのサイズが小さくなり、そのため、信号のコ
ントラストが低くなってジッターが悪化するという問題
が生じていた。
【0008】さらに従来の光記録媒体では、記録したデ
ィスクを長時間放置すると記録マークが消失したりする
ことがあった。また信号を記録した光記録媒体を長時間
放置した後に、オーバーライトを行うと、すぐにオーバ
ーライトを行った場合と比較してジッター特性が大幅に
悪化することがあった。このため、光記録媒体の保存耐
久性に問題があった。
【0009】また、高密度化のためトラック幅を狭くし
た場合、レーザービームが隣接するトラックにはみ出す
ことにより隣接トラックの記録マークに影響を与え、ジ
ッターを悪化させる現象、すなわちクロス消去も大きな
問題である。特に記録面上におけるレーザービーム径d
に対し、トラック幅が0.7×d以下(dは記録面上に
おけるレーザービーム径をいう)となる場合にはこの問
題はより重大なものとなってくる。
【0010】また、再生のためのレーザー光を繰り返し
照射すると記録マークの一部が結晶化することにより信
号品質が劣化してしまう問題(いわゆる再生光劣化)が
生じることもあった。高線速記録に対応するために結晶
化速度を高くした光記録媒体においては、クロス消去や
再生光劣化の問題がより生じやすくなっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高線
速および高密度で記録を行っても、消去特性が良好でジ
ッターが小さく、クロス消去および再生光劣化が生じに
くく、さらには保存耐久性も良好な書換可能相変化型光
記録媒体および光記録装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、レーザ
ー光を照射することによって、情報の記録、消去および
再生が可能であって、情報の記録および消去が、非晶相
と結晶相の間の可逆的な相変化により行われる光記録媒
体であって、基板上に少なくとも第1誘電体層、第1境
界層、記録層、第2境界層、吸収量補正層、反射層をこ
の順に備え、前記記録層組成が一般式 〔[(Ge1-kSnk0.5Te0.5]x(Sb0.4Te0.6
1-x1-ySbyz (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
における第3周期から第6周期の3族から14族に属す
る元素から選ばれた元素を示す)で表され、x、y、
z、kが下記の(1)または(2)の関係式 0.5≦x≦0.95、 0≦y≦0.08、0<z≦0.2、 k=0 ・・・(1) 0.5≦x≦0.95、0.01≦y≦0.08、 z=0、0≦k≦0.5・・・(2) で表される範囲内であり、かつ第1境界層および第2境
界層が各々炭素、炭化物、酸化物および窒化物から選ば
れる少なくとも一つを主成分とする層からなり、かつ、
吸収量補正層の屈折率が1.0以上4.0以下、消衰係
数が0.5以上3.0以下である光記録媒体により達成
される。
【0013】また、本発明の目的は、光学ヘッドと光記
録媒体を有し、該光学ヘッドからレーザー光を照射し
て、該光記録媒体における非晶相と結晶相の間の可逆的
な相変化により情報の記録、消去および再生が可能な光
記録装置であって、レーザー光照射の線速度が毎秒7.
5×106×d(dは記録面上におけるレーザービーム
径をいう)以上であり、レーザー光によりマークエッジ
方式で記録される記録マークのうち最短のマークのレー
ザー光進行方向における長さが0.55×d以下であ
り、光記録媒体のトラック幅が0.7×d以下であり、
かつ、該光記録媒体が上記の光記録媒体である光記録装
置により達成される。
【0014】なお、本発明で主成分とするとは、当該成
分が、当該層中に50重量%以上含まれることをいう。
さらに、当該成分は、当該層中に80重量%以上含まれ
ることがより好ましい。
【0015】また、レーザービーム径dとは、強度分布
がガウス分布に従うレーザー光において、中心強度の1
/e2になる径のことをいう。
【0016】消去特性が良好ではない問題の原因の一つ
として、記録層において、非晶状態の記録マーク部分と
結晶状態の領域の反射率差が大きいため、非晶状態の記
録マーク部分光吸収量が結晶状態の領域の光吸収量より
大きくなることが考えられる。その結果、レーザー光に
よる記録時に、予め記録された記録マーク部分がより速
く加熱されるため、オーバーライト信号がオーバーライ
ト前の信号成分によって変調され、これが消去率を低下
させてしまうものと考えられる。
【0017】また、信号が記録された光記録媒体を長期
間放置した場合、再生信号強度が低下したり、オーバー
ライトジッターが著しく劣化する原因は、長時間放置さ
れることにより、非晶状態の記録マークが原子配列など
の状態の変化を起こすか、もしくは誘電体層と記録層が
反応するなどのことが考えられる。
【0018】クロス消去や再生光劣化は、記録層の非晶
領域における光吸収率が結晶領域における光吸収率より
も高いために、記録マークの部分が昇温しやすい状態で
あること、および、高線速記録に対応するために結晶化
速度の高い記録層組成を採用していることにより、レー
ザービームの端や、再生光などのような低いレーザーパ
ワーでも、記録マークが結晶化してしまうことが原因で
あると考えられる。
【0019】本発明者らは鋭意研究を行うことにより、
境界層を記録層に接してその両側に設けると、消去特性
が向上し、オーバーライトジッターが改善し、さらには
保存耐久性、すなわち長期間保存後の再生特性とオーバ
ーライト特性の向上にも有効であることを見いだした。
【0020】また、相変化によって生じる反射率差が大
きく、かつ、アモルファス相の安定な記録層組成を見い
だすことにより、良好なジッターと良好な保存耐久性を
両立できることを見出した。さらに、該記録層組成は、
クロス消去および再生光劣化の低減にも有効であること
を見いだした。
【0021】さらに、第2境界層と反射層の間に吸収量
補正層を設け、吸収量補正層の材料を選択して、光学定
数、すなわち屈折率と消衰係数を特定の値とすることに
より、記録層の結晶部と非晶部の光吸収率の比(Ac/
Aa)が従来より大きく、かつ、結晶部と非晶部の反射
率の差も大きくなるように光学設計することができた。
これにより、高いコントラストと消去特性を得ることが
でき、オーバーライトジッターがさらに向上することを
見出した。また、吸収量補正層を設けることで記録マー
ク部の光吸収量を減少させ、隣接トラックに記録する際
にはみ出すビームの影響を小さくすることでクロス消去
が低減することを見いだした。また同様の理由により、
再生光劣化に対する耐久性も大きく向上することを見出
した。
【0022】以上の技術によりはじめて、レーザー光照
射の線速度が毎秒7.5×106×d(dは記録面上に
おけるレーザービーム径)以上であり、レーザー光によ
りマークエッジ方式で記録される記録マークのうち最短
のマークのレーザー光進行方向における長さが0.55
×d以下という高線速で高密度の記録を行っても、消去
特性が良好でジッターが小さく、記録トラックの幅が
0.7×d以下である基板を用いてもクロス消去が生じ
にくく、再生のためのレーザー光を繰返し照射しても信
号品質が劣化しにくく、さらには保存耐久性も良好な書
換可能相変化型光記録媒体が得られるものである。
【0023】さらに、本発明の光記録媒体は、記録層を
境界層で挟んだことにより、繰り返し耐久性も良好であ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明における光記録
媒体の代表的な層構成は、透明基板上に第1誘電体層、
第1境界層、記録層、第2境界層、吸収量補正層および
反射層をこの順に積層したものである。ただしこれに限
定されることなくさらに層を設けることも可能である。
以下に順をおって説明する。
【0025】第1誘電体層は記録時に基板が熱による損
傷を受けるのを防ぎ、また記録層が熱によって変形、開
口するのを防ぐために設けるものである。第1誘電体層
の材質としては、ZnS、SiO2、窒化シリコン、酸
化アルミニウムなどの無機化合物があげられる。特にZ
nSとSiO2の混合物が好ましい。この材料は、残留
応力が小さいため、繰り返しオーバーライトによるバー
スト劣化などが起きにくい。また、ZnSとSiO2
炭素の混合物は、膜の残留応力がさらに小さいこと、記
録、消去の繰り返しによっても、記録感度、キャリア対
ノイズ比(C/N)、消去率などの劣化が起きにくいこ
とからも特に好ましい。
【0026】また、第1誘電体層の屈折率は1.9以上
2.4以下、消衰係数は0.1以下であることが好まし
い。これにより、光学的な干渉効果で高い反射率差を得
られるように設計することが可能となる。第1誘電体層
の厚さは光学的な条件により決められるが、5〜500
nmが好ましい。これより厚いと、クラックなどが生じ
ることがあり、これより薄いと、オーバーライトの繰り
返しにより基板が熱ダメージを受けやすく、繰り返し特
性が劣化し易い。厚さの特に好ましい範囲は50nm以
上200nm以下である。
【0027】本発明では、記録層に接してその両側に境
界層を設ける必要がある。これを設けることによって、
繰り返しオーバーライトによる特性の劣化を防ぐことが
できる。この原因としては、これらの層が誘電体層から
記録層への原子の拡散を防ぐバリア層の役割を果たして
いるからであると考えられる。また、境界層を設けるこ
とで消去特性が向上する。境界層により結晶化速度が大
きくなり、消去特性が向上すると考えられる。さらに
は、境界層を設けることによって保存耐久性、すなわち
長期保存後の再生特性やオーバーライト特性を改良でき
る。この原因は、長期間放置しても記録層における原子
配列などの状態の変化や、誘電体層と記録層の反応を防
げるからではないかと推定される。
【0028】第1境界層と第2境界層は、炭素、炭化
物、酸化物および窒化物から選ばれる少なくとも一つを
主成分とする層からなる。ここで主成分とは50重量%
以上含まれることを言い、さらに好ましくは80重量%
以上である。炭化物、酸化物、窒化物としては、周期律
表第3周期から第6周期の3族から14族に属する元素
との炭化物、酸化物、窒化物を使用可能であり、具体的
には、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、
Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、S
n、La、Hf、Ta、W、Re、Ir、Pt、Au、
Tl、Pbから選ばれた金属の炭化物、酸化物、窒化物
が好ましく使用され、さらに好ましくは、Si、Ge、
Ti、Zr、Ta、Nb、Hf、Al、Y、Cr、W、
Zn、In、Snから選ばれた金属の炭化物、酸化物、
窒化物が好ましく使用される。
【0029】第1境界層の材質としては炭素を主成分と
する材料が特に好ましく、これにより記録マークの長期
保存安定性が向上する。後述する長期保存安定性が良好
な記録層を用いた場合には、炭化物、酸化物、窒化物か
ら選ばれる少なくとも一つを主成分とする材料であって
も良好な長期保存安定性が得られる。第2境界層の材質
としては、第1境界層と同じ材料でも異なった材料でも
よい。長期保存安定性の点で、第1境界層と第2境界層
の両方が炭素を主成分とする層であることが好ましい。
【0030】また、繰返し耐久性向上の点からは、第1
境界層または第2境界層が窒化物を主成分とする層であ
ることも好ましい。特に窒化ゲルマニウム(GeNx
を主成分とする材料は記録層との接着性に優れているこ
とから好ましく、0.8≦x≦1.33の組成範囲であ
ることがさらに好ましい。また、Geの酸化を抑制して
長期保存安定性が向上する効果が期待できることから、
Cr、Ti、Mn、Zr、Nb、Mo、Ta、Fe、C
o、Ni、Y、Laから選ばれる少なくとも1つを添加
することも好ましく、特にCrを添加することが好まし
い。GeCryの窒化物において、0≦y≦0.5の組
成範囲であることが好ましく、GeCr 0.25の窒化物が
特に好ましい。
【0031】境界層の厚さとしては、剥離し難いこと、
また光学的な条件から、0.5nm以上10nm以下が
好ましい。厚さが10nmを越えると、第1誘電体層や
記録層と剥離しやすい。また、0.5nm未満では、均
一の厚さに蒸着することが困難であり、かつ境界層を設
けた効果が得られないことがある。境界層が炭素を主成
分とする層である場合に限れば、0.5nm以上4nm
以下であることが繰り返し特性の点および長期保存安定
性の点から特に好ましい。炭素層は接しているGe−S
b−Te記録層とZnS−SiO2誘電体層と化学結合
やそれに近い相互作用により比較的強固に結合している
ため、界面で剥離などが起きにくいと考えられる。しか
し、炭素層の厚さが厚くなると厚さ方向の中央付近に存
在する強度の弱いグラファイト成分層が厚くなるため、
繰り返し時などにこの部分の破壊が起きやすくバースト
エラーが発生し易くなると考えられる。
【0032】炭素膜をスパッタで成膜する際には、導入
ガスは、Arガスなどの希ガスだけでなく、水素を混ぜ
ても良い。また、他の材料を混合しても良いが、良好な
特性を得るためには炭素を80mol%以上の割合で含
んでいることが好ましい。
【0033】本発明の記録層の組成は、下記式の範囲に
あることが必要である。 〔[(Ge1-kSnk0.5Te0.5]x(Sb0.4Te0.6
1-x1-ySbyz (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
における第3周期から第6周期の3族から14族に属す
る元素から選ばれた元素、すなわち、Al、Si、S
c、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、P
d、Ag、Cd、In、La、Hf、Ta、W、Re、
Ir、Pt、Au、Tl、Pbから選ばれた少なくとも
一種を示し、x、y、z、kは次の(1)または(2)
の関係式を満たす。
【0034】 0.5≦x≦0.95、 0≦y≦0.08、0<z≦0.2、 k=0 ・・・(1) 0.5≦x≦0.95、0.01≦y≦0.08、 z=0、0≦k≦0.5・・・(2) x<0.5では、記録層の相変化に伴う反射率変化が小
さくなるため十分な信号強度を得られず、良好なジッタ
ーが得られないことがあり、x>0.95の場合は、結
晶化速度が遅くなるため消去特性が悪化し、オーバーラ
イトジッターが悪くなることがある。y>0.08の場
合、初期の消去特性が悪い場合や、長期保存後のオーバ
ーライト特性が悪くなる場合がある。z>0.2の場
合、結晶化速度が遅くなるため消去特性が悪化し、オー
バーライトジッターが悪くなったり、相分離により繰り
返し特性が大きく劣化したり、長期保存後のオーバーラ
イト特性が悪くなったりすることがあり、z=0かつy
<0.01の場合はアモルファスの安定性が低く、長期
保存後の再生特性が悪くなることがある。
【0035】z>0の場合、k=0である。z=0の場
合、消去特性の向上と保存耐久性の向上を目的として、
0≦k≦0.5の範囲でGeの一部をSnに置換した組
成も好ましい。
【0036】また、次の関係式を満たす記録層を用いた
場合にはアモルファスの安定性が向上し、さらに良好な
長期保存安定性が得られるため好ましい。 {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-z
Sbyz 0.5≦x≦0.95、0.03≦y≦0.08、0≦
z≦0.2 また、前述の記録層組成範囲において、記録層中のG
e、Sb、Teの3元素におけるSbのモル分率が20
%以下、すなわち 0.4(1−x)(1−y)+y<0.2 であることが消去特性向上の点で好ましい。
【0037】また、記録層中に窒素や酸素が含まれてい
ても良く、スパッタリングの際に用いられるアルゴンが
含まれていても良い。
【0038】本発明の記録層の厚さとしては、5nm以
上40nm以下であることが好ましい。記録層の厚さが
上記よりも薄い場合は、繰返しオーバーライトによる記
録特性の劣化が著しく、また、記録層の厚さが上記より
も厚い場合は、繰返しオーバーライトによる記録層の移
動が起りやすくジッターの悪化が激しくなる。適度な冷
却速度を得るため、記録層の厚さは好ましくは7nm〜
25nmである。また、結晶と非晶の吸収率の比をなる
べく大きくして消去特性を向上させるという点からは記
録層は薄い方が好ましく、このためより好ましい記録層
の厚さは7nm〜17nmである。
【0039】本発明では記録感度などを調整するため、
第2境界層と反射層の間に第2誘電体層を設けてもよ
い。第2誘電体層の材質は、第1誘電体層の材料として
あげたものと同様のものでも良いし、異種の材料であっ
てもよい。厚さは、2nm以上50nm以下が好まし
い。第2誘電体層の厚さが上記より薄いと、クラック等
の欠陥を生じ、繰り返し耐久性が低下するために好まし
くない。また、第2誘電体層の厚さが、上記より厚いと
記録層の冷却度が低くなるために好ましくない。第2誘
電体層の厚さは記録層の冷却に関しより直接的に影響が
大きく、より良好な消去特性や繰り返し耐久性を得るた
めに、30nm以下がより効果的である。光を吸収し、
記録、消去に効率的に熱エネルギーとして用いることが
できることから、透明でない材料から形成されることも
好ましい。例えば、ZnSとSiO2と炭素の混合物
は、膜の残留応力が小さいこと、記録、消去の繰り返し
によっても、記録感度、キャリア対ノイズ比(C/
N)、消去率などの劣化が起きにくいことからも好まし
い。
【0040】本発明では第2境界層または第2誘電体層
と反射層の間に吸収量補正層を設ける必要がある。前述
のように従来の構成では非晶状態の記録層の光吸収率が
結晶状態の記録層の光吸収率より大きくなるが、新たに
設けた吸収量補正層により、非晶状態の記録層の光吸収
率を低減し、結晶状態との光吸収量差を小さく、さらに
は結晶状態より小さくするようにもできる。この吸収量
補正の効果により、結晶部分と非晶部分の記録時におけ
る昇温状態の差が小さくなり、記録マークの形状の乱
れ、形成位置のずれなどが低減できるため、消去特性が
向上し、オーバーライトジッターが改善できる。吸収量
補正効果は各構成層の厚みと光学定数(屈折率および消
衰係数)により決定されるが、特に吸収量補正層の光学
定数に大きく依存する。この吸収量補正層の屈折率およ
び消衰係数が適度な大きさであることが必要で、屈折率
が1.0以上4.0以下、消衰係数が0.5以上3.0
以下であることが必要である。これによって、相変化に
よる反射率差を大きくかつ吸収量補正効果を大きく取れ
るように設計することが可能となる。屈折率および消衰
係数は、記録または再生を行うレーザー光の波長におい
て測定することが好ましい。最も好ましくは、660n
mで測定する。
【0041】本発明の吸収量補正層の好ましい材質とし
ては、各種の合金や金属の化合物、およびそれらの混合
物などで、具体的には例えば、シリコン、ゲルマニウ
ム、チタン、ジルコニウム、タングステン、クロム、モ
リブデン、アルミニウムのうち少なくとも一つを含む固
溶体合金、金属間化合物、もしくは酸化物、炭化物、窒
化物などの材料から選ばれる少なくとも1つを主成分と
する材料が挙げられる。特にアルミニウムおよびクロム
の少なくとも一つの酸化物または窒化物は、光学定数の
制御がし易いので好ましい。特にアルミニウム酸化物、
すなわちAlOxでxが0.3〜0.8の範囲にあるも
のは吸収量補正層として適度な光学定数となるのでより
好ましい。アルミニウム酸化物にクロムやチタンなどの
金属やその酸化物を10wt%以下の範囲で混合させた
材料も、耐食性向上などの効果があるため好ましい。
【0042】吸収量補正層の膜厚は、光吸収量の補正効
果の点から1nm以上が好ましく、生産性の点から20
0nm以下が好ましい。吸収量補正層の膜厚は、吸収量
補正層の光学定数によって変化するが、10nm以上1
00nm以下がより好ましい。
【0043】反射層の材質としては、光反射性を有する
金属、合金、および金属と金属化合物の混合物などがあ
げられる。具体的には、Al、Au、Ag、Cuなどの
高反射率の金属や、それを主成分とした合金、Al、S
iなどの窒化物、酸化物、カルコゲン化物などの金属化
合物が好ましい。Al、Au、Agなどの金属、および
これらを主成分とする合金は、光反射性が高く、かつ熱
伝導率を高くできることから特に好ましい。特に、材料
の価格が安くできることから、AlまたはAgを主成分
とする合金が好ましい。反射層の厚さとしては、通常、
おおむね10nm以上300nm以下である。記録感度
を高く、再生信号強度が大きくできることから30nm
以上200nm以下が好ましい。
【0044】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。第1誘電体層、境界層、記録層、第2境界
層、第2誘電体層、吸収量補正層、反射層などを基板上
に形成する方法としては、真空中での薄膜形成法、例え
ば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリン
グ法などがあげられる。特に組成、膜厚のコントロール
が容易であることから、スパッタリング法が好ましい。
形成する記録層などの厚さの制御は、水晶振動子膜厚計
などで、堆積状態をモニタリングすることで、容易に行
える。
【0045】また、本発明の効果を著しく損なわない範
囲において、反射層を形成した後、傷、変形の防止など
のため、ZnS、SiO2、ZnS−SiO2、などの誘
電体層あるいは紫外線硬化樹脂などの保護層などを必要
に応じて設けてもよい。
【0046】また、本発明の光記録装置は、レーザー光
を照射可能な光学ヘッドを有し、該光学ヘッドから上記
の光記録媒体にレーザー光を照射して、該光記録媒体に
おける非晶相と結晶相の間の可逆的な相変化により情報
の記録、消去および再生を行う。
【0047】レーザー光の波長は、高密度記録のため
に、645nm〜660nmであることが好ましい。情
報の記録、消去および再生を行うレーザー光波長は、そ
れぞれ同じであっても異なっていても良い。また、レー
ザー光照射の線速度は、高線速記録のために、毎秒7.
5×106×d(dは記録面上におけるレーザービーム
径をいう)以上であることが好ましい。
【0048】高密度記録のために、情報の記録方式は、
マークエッジ方式が好ましい。さらに、マークエッジ方
式で記録される記録マークのうち最短のマークのレーザ
ー光進行方向における長さが0.55×d以下であるこ
とが好ましい。またトラック幅は0.7×d以下である
ことが好ましい。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (分析、測定方法)反射層、記録層の組成は、ICP発
光分析(セイコー電子工業(株)製)により確認した。
吸収量補正層の組成はラザフォード後方散乱分析により
確認した。記録層、誘電体層、反射層の形成中の膜厚
は、水晶振動子膜厚計によりモニターした。また各層の
厚さは、走査型あるいは透過型電子顕微鏡で断面を観察
することにより測定した。
【0050】スパッタリングにより成膜した光記録媒体
は、記録を行う前にあらかじめ波長830nmの半導体
レーザーのビームでディスク全面の記録層を結晶化し初
期化した。
【0051】記録特性は、対物レンズの開口数0.6、
半導体レーザーの波長660nm(レーザービーム径
0.95μm)の光学ヘッドを使用して、線速度8.2
m/秒の条件で、8−16変調方式でマークエッジ記録
を行って評価した。記録レーザー波形は一般的なマルチ
パルスで、記録マークの長さと前後のスペースの長さに
応じて記録パルスのエッジ位置を変化させるパターン適
応型の記録補償方式を用いた。記録パワー、消去パワー
は各光記録媒体で最適なパワーにした。再生パワーは
1.0mWとした。
【0052】反射率は光記録媒体のミラー部における再
生信号電位から求めた。
【0053】消去特性の評価は次のように行った。まず
記録周波数2.7MHzで最長記録マーク(11Tマー
ク)をグルーブに10回オーバーライトし、その上に記
録周波数9.7MHzで最短記録マーク(3Tマーク、
レーザー光進行方向の長さ0.42μm)を1回オーバ
ーライトし、最短記録マークのキャリアとオーバーライ
トされたあとの最長記録マークのキャリアの比を有効消
去率として、バンド幅30kHzの条件でスペクトラム
アナライザーにより測定した。
【0054】次に、グルーブにランダムパターンを10
0回オーバーライトしてジッターをタイムインターバル
アナライザーで測定した。続いて隣接する両側のトラッ
クにランダムパターンを100回ずつオーバーライトし
たあと消去し、もう一度中央のトラックのジッターを測
定して、クロス消去によるジッターの上昇の程度を評価
した。
【0055】また、再生光劣化に対する耐久性について
は、記録済みのトラックを1.2mWの再生パワーで1
000回繰り返し再生し、ジッタ−の変化を測定するこ
とで評価した。
【0056】繰り返し耐久性については、グルーブに1
0万回オーバーライトを行った後のジッターによって評
価した。またオシロスコープで信号波形の振幅の低下、
バースト欠陥の有無についても観察した。
【0057】保存耐久性については、バイトエラーレー
トの測定可能な評価用ドライブにて記録を行い、加速試
験を行うため80℃または90℃のオーブンにて保管し
た後、信号の再生特性およびオーバーライト特性をバイ
トエラーレートで評価した。 (実施例1)厚さ0.6mm、直径12cm、1.23
μmピッチ(ランド幅0.615μm、グルーブ幅0.
615μm)のスパイラルグルーブ付きポリカーボネー
ト製基板を毎分40回転で回転させながら、スパッタリ
ングを行った。まず、真空容器内を1×10-4Paまで
排気した後、0.2Paのアルゴンガス雰囲気中でSi
2を20mol%添加したZnSターゲットをスパッ
タリングし、基板上に膜厚135nmの第1誘電体層
(屈折率2.1、消衰係数0)を形成した。次に炭素タ
ーゲットをスパッタリングし、第1境界層として炭素層
を2nm形成した。続いて、Ge、Sb、Teからなる
合金ターゲットをスパッタリングして、厚さ10nm、
組成Ge28.6Sb17.8Te53.6、すなわち{(Ge0.5
Te0.50. 579(Sb0.4Te0.60.4210.989Sb
0.011、の記録層を得た。さらに第2境界層としてゲル
マニウムターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでスパ
ッタリングして形成した窒化ゲルマニウム層(GeN
1.2)を2nm形成した。続いて第2誘電体層として第
1誘電体層と同じZnS−SiO2ターゲットをスパッ
タリングして、厚さ26nmの第2誘電体層を形成し
た。さらに吸収量補正層として、アルミニウムターゲッ
トをアルゴンと酸素の混合ガスでスパッタリングし、酸
化アルミニウム層(AlO0.41、屈折率2.2、消衰係
数2.1)を50nm形成した。続いてAl97.5Cr
2.5合金をスパッタリングして、膜厚90nmの反射層
を形成した。このディスクを真空容器より取り出した
後、この反射層上にアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本
インキ(株)製SD−101)をスピンコートし、紫外
線照射により硬化させて膜厚3μmの樹脂層を形成し、
次にスクリーン印刷機を用いて遅効性の紫外線硬化樹脂
を塗布し、紫外線を照射した後、同様に作製したディス
ク2枚を貼り合わせて本発明の光記録媒体を得た。
【0058】記録層が結晶状態であるときの反射率と、
非晶状態であるときの反射率の差は20%であり、十分
なコントラストが確保されていた。また波長660nm
での光学計算によると、記録層の結晶領域および非晶領
域の光吸収率の比(Ac/Aa)は1.0であり、吸収
量補正効果が得られた。有効消去率を測定したところ2
8dBであり、消去特性は良好であった。100回オー
バーライトした後のジッターはウインドウ幅の7.7%
と非常に良好であった。隣接トラックへの繰り返し記録
によるクロス消去の影響を含んだジッターは7.9%
で、クロス消去によるジッター値の上昇は小さかった。
また、再生光劣化は観察されなかった。10万回オーバ
ーライト後のジッターは9.8%であり、実用上十分小
さいと確認できた。信号の振幅は、100回オーバーラ
イト後の信号の振幅と比べてほとんど変化がなく、バー
スト欠陥も見られなかった。すなわち、繰り返し耐久性
は問題ないことがわかった。
【0059】また、この光記録媒体に1回記録を行い、
その時のバイトエラーレートを測ったところ1.0×1
-5であった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調
整を行っていない空気中、80℃の条件で100時間放
置した。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定
したところ、1.6×10-5とほとんど変化がなく、長
期保存後の再生特性は良好であることがわかった。さら
に、この部分を1回オーバーライトしたところ、バイト
エラーレートは、3.2×10-5で、長期保存後のオー
バーライト特性も十分良好であることが確認できた。さ
らに、同様の光記録媒体を90℃、相対湿度80%の条
件で140時間放置したが、剥離によるバースト欠陥な
どはみられなかった。すなわち保存耐久性は良好である
ことが確認できた。 (実施例2)第1境界層として窒化ゲルマニウム層(G
eN1.2)2nm形成した他は、実施例1と同様の光記
録媒体を作製し、評価した。表2に示されるとおり、消
去特性、ジッター、クロス消去、再生光劣化、繰り返し
耐久性および保存耐久性の全てが良好であることが確認
できた。 (実施例3)記録層の組成をGe28.8Sb18.8
52.4、すなわち{(Ge0.5Te0.50. 594(Sb0.4
Te0.60.4060.969Sb0.031、とした他は実施例2
と同様の光記録媒体を作製し、評価した。表2に示され
るとおり、消去特性、ジッター、クロス消去、再生光劣
化、繰り返し耐久性および保存耐久性の全てが良好であ
ることが確認できた。 (実施例4)第2境界層として炭素層を2nm形成した
他は実施例1と同様の光記録媒体を作製し、評価した。
表2に示されるとおり、消去特性、ジッター、クロス消
去、再生光劣化、繰り返し耐久性および保存耐久性の全
てが良好であることが確認できた。 (実施例5)第1境界層および第2境界層としてGeC
0.25ターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでスパッ
タリングして形成した厚さ2nmの窒化ゲルマニウムク
ロム層(GeCr0.251.2)とした他は実施例3と同
様の光記録媒体を作製し、評価した。表2に示されると
おり、消去特性、ジッター、クロス消去、再生光劣化、
繰り返し耐久性および保存耐久性の全てが良好であるこ
とが確認できた。 (実施例6)Ge、Sn、Sb、Teからなる合金ター
ゲットをスパッタリングして作製した、厚さ10nm、
組成Ge22.2Sn7.4Sb17.1Te53.3、すなわち、
[{(Ge0.75Sn0.250.5Te0.5]0.60(Sb0.4
0.60.40]0.987Sb0.013、とした他は実施例1と同
様の光記録媒体を作製し、評価した。表2に示されると
おり、消去特性、ジッター、クロス消去、再生光劣化、
繰り返し耐久性および保存耐久性の全てが良好であるこ
とが確認できた。 (実施例7)第1境界層および第2境界層を、酸化アル
ミニウムターゲットをアルゴンガスでスパッタリングし
て形成した酸化アルミニウム層2nmにした他は実施例
3と同様の光記録媒体を作製し、評価した。表2に示さ
れるとおり、消去特性、ジッター、クロス消去、再生光
劣化、繰り返し耐久性および保存耐久性の全てが良好で
あることが確認できた。 (実施例8)第1境界層および第2境界層を、炭化シリ
コンターゲットをアルゴンガスでスパッタリングして形
成した炭化シリコン層2nmにした他は実施例3と同様
の光記録媒体を作製し、評価した。表2に示されるとお
り、消去特性、ジッター、クロス消去、再生光劣化、繰
り返し耐久性および保存耐久性の全てが良好であること
が確認できた。 (実施例9)記録層組成をGe36Sb12Te52、すなわ
ち{(Ge0.5Te0.50.733(Sb0.4
0.60.2670.987Sb0.013、にした他は実施例1と
同様の光記録媒体を作製し、評価した。表2に示される
とおり、消去特性、ジッター、クロス消去、再生光劣
化、繰り返し耐久性および保存耐久性の全てが良好であ
ることが確認できた。 (実施例10)記録層の組成をGe28.3Sb16.9Te
53.8Nb1、すなわち{(Ge0.5Te0. 50.572(Sb
0.4Te0.60.4280.99Nb0.01、とした他は実施例
1と同様の光記録媒体を作製し、評価した。表2に示さ
れるとおり、消去特性、ジッター、クロス消去、再生光
劣化、繰り返し耐久性および保存耐久性の全てが良好で
あることが確認できた。
【0060】また、記録層組成において、Nbのかわり
にAl、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Mo、
Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、La、H
f、Ta、W、Re、Ir、Pt、Au、TlまたはP
bを用いた場合でも、ほぼ同様な結果が得られた。 (実施例11)吸収量補正層を、アルミニウムターゲッ
トをアルゴンと酸素の混合ガスでスパッタリングして形
成した厚さ50nmの酸化アルミニウム層(Al
0.64、屈折率2.8、消衰係数1.5)にした他は実
施例1と同様の光記録媒体を作製し、評価した。
【0061】表2に示されるとおり、消去特性、ジッタ
ー、クロス消去、再生光劣化、繰り返し耐久性および保
存耐久性の全てが良好であることが確認できた。 (実施例12)吸収量補正層を、クロムターゲットをア
ルゴンと窒素の混合ガスでスパッタリングして形成した
厚さ50nmの窒化クロム層(CrN0.74、屈折率3.
2、消衰係数2.3)にした他は実施例1と同様の光記
録媒体を作製し、評価した。
【0062】表2に示されるとおり、消去特性、ジッタ
ー、クロス消去、再生光劣化、繰り返し耐久性および保
存耐久性の全てが良好であることが確認できた。 (実施例13)吸収量補正層を、クロムターゲットをア
ルゴンと窒素の混合ガスでスパッタリングして形成した
厚さ50nmの窒化クロム層(CrN0.91、屈折率3.
5、消衰係数1.7)にした他は実施例1と同様の光記
録媒体を作製し、評価した。
【0063】表2に示されるとおり、消去特性、ジッタ
ー、クロス消去、再生光劣化、繰り返し耐久性および保
存耐久性の全てが良好であることが確認できた。 (実施例14)吸収量補正層を、アルミニウムターゲッ
トをアルゴンと窒素の混合ガスでスパッタリングして形
成した厚さ50nmの窒化アルミニウム層(AlN、屈
折率2.2、消衰係数2.0)にした他は実施例1と同
様の光記録媒体を作製し、評価した。
【0064】表2に示されるとおり、消去特性、ジッタ
ー、クロス消去、再生光劣化、繰り返し耐久性および保
存耐久性の全てが良好であることが確認できた。 (実施例15)第1境界層と第2境界層として、ゲルマ
ニウムターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでスパッ
タリングして形成した窒化ゲルマニウム層(Ge
0.8)を2nm形成した他は実施例3と同様の光記録
媒体を作製し、評価した。表2に示されるとおり、消去
特性、ジッター、クロス消去、再生光劣化、繰り返し耐
久性および保存耐久性の全てが良好であることが確認で
きた。 (実施例16)第1境界層と第2境界層として、GeC
0.25ターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでスパッ
タリングして形成した厚さ2nmの窒化ゲルマニウムク
ロム層(GeCr0.250.8)とした他は実施例3と同
様の光記録媒体を作製し、評価した。表2に示されると
おり、消去特性、ジッター、クロス消去、再生光劣化、
繰り返し耐久性および保存耐久性の全てが良好であるこ
とが確認できた。 (実施例17)第1境界層と第2境界層として、GeC
0.2ターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでスパッ
タリングして形成した厚さ2nmの窒化ゲルマニウムク
ロム層(GeCr0.21.2)とした他は実施例3と同様
の光記録媒体を作製し、評価した。表2に示されるとお
り、消去特性、ジッター、クロス消去、再生光劣化、繰
り返し耐久性および保存耐久性の全てが良好であること
が確認できた。 (実施例18)第1境界層と第2境界層として、GeC
0.4ターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでスパッ
タリングして形成した厚さ2nmの窒化ゲルマニウムク
ロム層(GeCr0.41.2)とした他は実施例3と同様
の光記録媒体を作製し、評価した。表2に示されるとお
り、消去特性、ジッター、クロス消去、再生光劣化、繰
り返し耐久性および保存耐久性の全てが良好であること
が確認できた。 (実施例19)実施例1と同様の条件で、基板上に膜厚
120nmのZnS−SiO2層を第1誘電体層として
形成し、次に第1境界層として炭素層を2nm形成し、
続いて厚さ9nm、組成Ge36Sb12Te52、すなわち
{(Ge0.5Te0.50.733(Sb0.4Te0.60.267
0.987Sb0.013、の記録層を形成し、さらに第2境界層
として炭素層を2nm形成し、続いて第2誘電体層とし
て厚さ35nmのZnS−SiO2層を形成した。さら
に吸収量補正層として、アルミニウムターゲットをアル
ゴンと酸素の混合ガスでスパッタリングし、酸化アルミ
ニウム層(AlO0.41、屈折率2.2、消衰係数2.
1)を70nm形成した。続いてAl97.5Cr2.5合金
をスパッタリングして、膜厚90nmの反射層を形成し
た。
【0065】表2に示されるとおり、消去特性、ジッタ
ー、クロス消去、再生光劣化、繰り返し耐久性および保
存耐久性の全てが良好であることが確認できた。 (実施例20)吸収量補正層を、クロムターゲットをア
ルゴンと窒素の混合ガスでスパッタリングして形成した
厚さ50nmの窒化クロム層(CrN0.74、屈折率3.
2、消衰係数2.3)にした他は実施例19と同様の光
記録媒体を作製し、評価した。
【0066】表2に示されるとおり、消去特性、ジッタ
ー、クロス消去、再生光劣化、繰り返し耐久性および保
存耐久性の全てが良好であることが確認できた。 (実施例21)実施例1と同様の条件で、基板上に膜厚
70nmのZnS−SiO2層を第1誘電体層として形
成し、次に第1境界層として炭素層を2nm形成し、続
いて厚さ12nm、組成Ge36Sb12Te52、すなわち
{(Ge0.5Te0.50.733(Sb0.4Te0.60.267
0.987Sb0.013、の記録層を形成し、さらに第2境界層
として炭素層を2nm形成し、続いて第2誘電体層とし
て厚さ15nmのZnS−SiO2層を形成した。さら
に吸収量補正層として、アルミニウムターゲットをアル
ゴンと酸素の混合ガスでスパッタリングして形成した酸
化アルミニウム層(AlO0.64、屈折率2.8、消衰係
数1.5)を50nm設け、続いてAl 97.5Cr2.5
金をスパッタリングして、膜厚90nmの反射層を形成
した。
【0067】表2に示されるとおり、消去特性、ジッタ
ー、クロス消去、再生光劣化、繰り返し耐久性および保
存耐久性の全てが良好であることが確認できた。 (実施例22)吸収量補正層を、クロムターゲットをア
ルゴンと窒素の混合ガスでスパッタリングして形成した
厚さ50nmの窒化クロム層(CrN0.91、屈折率3.
5、消衰係数1.7)にした他は実施例21と同様の光
記録媒体を作製し、評価した。
【0068】表2に示されるとおり、消去特性、ジッタ
ー、クロス消去、再生光劣化、繰り返し耐久性および保
存耐久性の全てが良好であることが確認できた。 (実施例23)記録層の組成をGe35Sb14Te51、す
なわち{(Ge0.5Te0.50.733(Sb0.4Te0.6
0.2670.967Sb0.033、とし、第1、第2境界層をゲ
ルマニウムターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでス
パッタリングして形成した厚さ2nmの窒化ゲルマニウ
ム層(GeN1.2)にした他は実施例22と同様の光記
録媒体を作製し、評価した。
【0069】表2に示されるとおり、消去特性、ジッタ
ー、クロス消去、再生光劣化、繰り返し耐久性および保
存耐久性の全てが良好であることが確認できた。 (実施例24)第1境界層および第2境界層を、酸化ア
ルミニウムターゲットをアルゴンガスでスパッタリング
して形成した酸化アルミニウム層2nmにした他は実施
例23と同様の光記録媒体を作製し、評価した。表2に
示されるとおり、消去特性、ジッター、クロス消去、再
生光劣化、繰り返し耐久性および保存耐久性の全てが良
好であることが確認できた。 (実施例25)第1境界層および第2境界層を、炭化シ
リコンターゲットをアルゴンガスでスパッタリングして
形成した炭化シリコン層2nmにした他は実施例23と
同様の光記録媒体を作製し、評価した。表2に示される
とおり、消去特性、ジッター、クロス消去、再生光劣
化、繰り返し耐久性および保存耐久性の全てが良好であ
ることが確認できた。 (実施例26)記録層の組成をGe36.3Sb10.6Te
52.1Nb1、すなわち{(Ge0.5Te0. 50.733(Sb
0.4Te0.60.2670.99Nb0.01、とした他は実施例
22と同様の光記録媒体を作製し、評価した。表2に示
されるとおり、消去特性、ジッター、クロス消去、再生
光劣化、繰り返し耐久性および保存耐久性の全てが良好
であることが確認できた。 (比較例1)第1境界層と第2境界層を設けないこと以
外は実施例1と同様の光記録媒体を作製し、評価した。
有効消去率は15dBで、実施例1に比べて著しく劣っ
た。このためオーバーライトジッターも悪化し、100
回記録したときのジッターが11.5%と大きな値とな
った。10万回オーバーライト後は再生信号の振幅が低
下し、ジッターは18%と大きくなり、エラーレートの
増大などの問題が生じた。
【0070】また、このディスクに1回記録を行い、そ
の時のバイトエラーレートを測ったところ3.0×10
-5であった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調整
を行っていない空気中、80℃の条件で100時間放置
した。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定し
たところ、3.9×10-5とほとんど変化がなかった
が、この部分に1回オーバーライトしたところ、バイト
エラーレートは4.3×10-3となり、長期保存後のオ
ーバーライト特性が著しく劣っていた。 (比較例2)吸収量補正層を設けないこと以外は実施例
1と同様の光記録媒体を作製し、評価した。ただし光学
的に最適な状態となるよう第1誘電体層、記録層、第2誘
電体層の厚さはそれぞれ160nm、12nm、17n
mとした。
【0071】波長660nmにおける、記録層の結晶領
域および非晶領域の光吸収率の比(Ac/Aa)は0.
8であり、吸収量補正層を設けていないため光吸収率の
比が小さかった。有効消去率は21dBで、実施例1に
比べて劣った。100回記録時のジッターは8.7%、
隣接トラックへの繰り返し記録によるクロス消去の影響
を含んだジッターは9.7%で、クロス消去の影響によ
るジッターの上昇が大きかった。また、100回記録し
たトラックを1000回繰り返し再生したところジッタ
ーは13.0%となり、再生光劣化が観察された。
【0072】表2に示されるとおり、繰り返し耐久性お
よび保存耐久性は良好であった。 (比較例3)吸収量補正層を、チタンターゲットをアル
ゴンガスでスパッタリングして形成したチタン層(屈折
率2.5、消衰係数3.2)50nmにした他は実施例
1と同様の光記録媒体を作製し、評価した。波長660
nmでの光吸収率比(Ac/Aa)は0.9で実施例1
と比較してやや小さかった。有効消去率は23dBで、
実施例1に比べやや劣った。100回記録時のジッター
は8.8%、隣接トラックへの繰り返し記録によるクロ
ス消去の影響を含んだジッターは9.8%であった。す
なわちクロス消去の影響によるジッターの上昇が大きか
った。
【0073】また、吸収量補正層としてTiのかわりに
Ni、W、Mo、V、Nb、Cr、Feを用いた場合で
もほぼ同様な結果であった。 (比較例4)記録層の組成をGe47.9Sb2.5
49.6、すなわち{(Ge0.5Te0.50.9 7(Sb0.4
Te0.60.030.987Sb0.013、とした他は実施例1
と同様の光記録媒体を作製し、評価した。有効消去率は
13dBで実施例1に比べて著しく低下しており、この
ため100回記録時のジッターは11.6%と大きな値
になった。 (比較例5)記録層の組成をGe19.7Sb25.0
55.3、すなわち{(Ge0.5Te0.50. 40(Sb0.4
Te0.60.600.987Sb0.013、とした他は実施例1
と同様の光記録媒体を作製し、評価した。有効消去率は
25dBであり、消去特性は良好であった。しかし、記
録層が結晶であるときと非晶であるときの反射率差が1
4%と実施例1に比べて小さく、100回オーバーライ
ト後のジッターが9.8%と大きくなった。 (比較例6)記録層の組成をGe28.6Sb17.1
54.3、すなわち(Ge0.5Te0.50.57 2(Sb0.4
0.60.428、とした他は実施例1と同様の光記録媒体
を作製し、評価した。表2に示されるように、消去特
性、ジッター、クロス消去および繰り返し耐久性は良好
であった。
【0074】このディスクに1回記録を行い、その時の
バイトエラーレートを測ったところ1.2×10-5であ
った。記録した状態のまま、加湿などの湿度調整を行っ
ていない空気中、80℃の条件で100時間放置した。
この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定したとこ
ろ、1.4×10-3とエラーレートの増加が著しく、長
期保存後の再生特性が劣っていた。 (比較例7)記録層の組成をGe25.7Sb25.4
48.9、すなわち{(Ge0.5Te0.50. 572(Sb0.4
Te0.60.4280.9Sb0.1、とした他は実施例1と同
様の光記録媒体を作製し、評価した。有効消去率は18
dBであり、実施例1に比べ劣っていた。
【0075】また、このディスクに1回記録を行い、そ
の時のバイトエラーレートを測ったところ2.3×10
-5であった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調整
を行っていない空気中、80℃の条件で100時間放置
した。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定し
たところ、3.0×10-5とほとんど変化がなく、長期
保存後の再生特性は良好であることがわかった。しか
し、この部分を1回オーバーライトしたところ、バイト
エラーレートは、3.4×10-3と著しく上昇した。す
なわち長期保存後のオーバーライト特性が劣っていた。 (比較例8)記録層の組成をGe20Sb12Te38
30、すなわち{(Ge0.5Te0.50. 572(Sb0.4
0.60.4280.7Nb0.3、とした他は実施例1と同様
の光記録媒体を作製し、評価した。有効消去率は19d
Bであり、実施例1に比べ劣っていた。100回オーバ
ーライト後のジッターも10.7%と大きく実施例1に
比べて劣っていた。10万回オーバーライト後は再生信
号の振幅が低下し、ジッターは17%と大きくなり、エ
ラーレートの増大などの問題が生じた。
【0076】また、このディスクに1回記録を行い、そ
の時のバイトエラーレートを測ったところ8.5×10
-5であった。記録した状態のまま、加湿などの湿度調整
を行っていない空気中、80℃の条件で100時間放置
した。この後、同じ部分のバイトエラーレートを測定し
たところ、9.5×10-5とほとんど変化がなく、長期
保存後の再生特性は良好であることがわかった。しか
し、この部分を1回オーバーライトしたところ、バイト
エラーレートは、8.5×10-3と著しく上昇した。す
なわち長期保存後のオーバーライト特性が劣っていた。 (比較例9)吸収量補正層として、アルミニウムターゲ
ットを実施例1とは異なる組成のアルゴン、酸素混合ガ
スでスパッタリングし、酸化アルミニウム層(AlO
0.25、屈折率2.0、消衰係数3.5)を50nm形成
した他は実施例1と同様の光記録媒体を作製し、評価し
た。波長660nmにおける光吸収率比(Ac/Aa)
は0.9で実施例1と比較してやや小さかった。有効消
去率は21dBで、実施例1に比べやや劣った。100
回記録時のジッターはランド、グルーブでそれぞれ8.
5%、隣接トラックへの繰り返し記録によるクロス消去
の影響を含んだジッターは9.3%で、クロス消去によ
るジッターの上昇がやや大きかった。 (比較例10)吸収量補正層として、アルミニウムター
ゲットを実施例1とは異なる組成のアルゴン、酸素混合
ガスでスパッタリングし、酸化アルミニウム層(AlO
0.90、屈折率2.2、消衰係数0.4)を50nm形成
した他は実施例1と同様の光記録媒体を作製し、評価し
た。波長660nmにおける光吸収率比(Ac/Aa)
は0.8で実施例1と比較して小さかった。有効消去率
は18dBで、実施例1に比べ劣っていた。100回記
録時のジッターは9.0%であり、隣接トラックへの繰
り返し記録によるクロス消去の影響を含んだジッターは
10.1%でクロス消去によるジッターの上昇がやや大
きかった。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】本発明の光記録媒体によれば、高線速で
高密度の記録を行っても消去特性が良好でジッターが小
さく、トラック幅の狭い基板を用いてもクロス消去が生
じにくく、再生のためのレーザー光を繰返し照射しても
信号品質が劣化しにくく、さらには保存耐久性も良好な
書換可能相変化型光記録媒体および光記録装置を提供す
ることが可能となる。さらに、本発明の光記録媒体は、
繰り返し耐久性にも優れている。
【手続補正書】
【提出日】平成13年5月30日(2001.5.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、レーザ
ー光を照射することによって、情報の記録、消去および
再生が可能であって、情報の記録および消去が、非晶相
と結晶相の間の可逆的な相変化により行われる光記録媒
体であって、基板上に少なくとも第1誘電体層、第1境
界層、記録層、第2境界層、吸収量補正層、反射層をこ
の順に備え、前記記録層組成が一般式 〔[(Ge1-kSnk0.5Te0.5]x(Sb0.4Te0.6
1-x1-y -z Sbyz (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
における第3周期から第6周期の3族から14族に属す
る元素から選ばれた元素を示す)で表され、x、y、
z、kが下記の(1)または(2)の関係式 0.5≦x≦0.95、 0≦y≦0.08、0<z≦0.2、 k=0 ・・・(1) 0.5≦x≦0.95、0.01≦y≦0.08、 z=0、0≦k≦0.5・・・(2) で表される範囲内であり、かつ第1境界層および第2境
界層が各々炭素、炭化物、酸化物および窒化物から選ば
れる少なくとも一つを主成分とする層からなり、かつ、
吸収量補正層の屈折率が1.0以上4.0以下、消衰係
数が0.5以上3.0以下である光記録媒体により達成
される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】本発明の記録層の組成は、下記式の範囲に
あることが必要である。 〔[(Ge1-kSnk0.5Te0.5]x(Sb0.4Te0.6
1-x1-y -z Sbyz (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
における第3周期から第6周期の3族から14族に属す
る元素から選ばれた元素、すなわち、Al、Si、S
c、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、P
d、Ag、Cd、In、La、Hf、Ta、W、Re、
Ir、Pt、Au、Tl、Pbから選ばれた少なくとも
一種を示し、x、y、z、kは次の(1)または(2)
の関係式を満たす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 538 G11B 7/24 538A 7/006 7/006 (72)発明者 薙野 邦久 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 5D029 JA01 LA12 LB07 LC06 MA02 MA03 MA04 5D090 AA01 BB05 CC06 DD01 EE05 KK06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー光を照射することによって、情報
    の記録、消去および再生が可能であって、情報の記録お
    よび消去が、非晶相と結晶相の間の可逆的な相変化によ
    り行われる光記録媒体であって、基板上に少なくとも第
    1誘電体層、第1境界層、記録層、第2境界層、吸収量
    補正層、反射層をこの順に備え、前記記録層組成が一般
    式 〔[(Ge1-kSnk0.5Te0.5]x(Sb0.4Te0.6
    1-x1-ySbyz (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
    における第3周期から第6周期の3族から14族に属す
    る元素から選ばれた元素を示す)で表され、x、y、
    z、kが下記の(1)または(2)の関係式 0.5≦x≦0.95、 0≦y≦0.08、0<z≦0.2、 k=0 ・・・(1) 0.5≦x≦0.95、0.01≦y≦0.08、 z=0、0≦k≦0.5・・・(2) で表される範囲内であり、かつ第1境界層および第2境
    界層が各々炭素、炭化物、酸化物および窒化物から選ば
    れる少なくとも一つを主成分とする層からなり、かつ、
    吸収量補正層の屈折率が1.0以上4.0以下、消衰係
    数が0.5以上3.0以下である光記録媒体。
  2. 【請求項2】第1境界層が炭素を主成分とする層からな
    る請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】第1境界層と第2境界層の両方が炭素を主
    成分とする層からなる請求項1記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】第1境界層または第2境界層が窒化ゲルマ
    ニウムを主成分とする層からなる請求項1記載の光記録
    媒体。
  5. 【請求項5】窒化ゲルマニウムが、GeNx(0.8≦
    x≦0.33)の組成範囲である請求項4記載の光記録
    媒体。
  6. 【請求項6】第1境界層と第2境界層が各々炭化物、酸
    化物および窒化物から選ばれる少なくとも一つを主成分
    とする層からなり、かつ、記録層組成が下記式 {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-y-z
    Sbyz (ここで、Aは、Ge、Sb、Teを除く元素周期律表
    における第3周期から第6周期の3族から14族に属す
    る元素から選ばれた元素を示し、x、y、zは関係式
    0.5≦x≦0.95、0.03≦y≦0.08、0≦
    z≦0.2を満たす。)で表される範囲内である請求項
    1記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】吸収量補正層が、AlおよびCrのうち少
    なくとも一つを含む金属の酸化物または窒化物を主成分
    とする材料からなる請求項1記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】吸収量補正層が、AlOx(x=0.3〜
    0.8)を主成分とする請求項7記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】第1誘電体層の屈折率が1.9以上2.4
    以下、消衰係数が0.1以下である請求項1記載の光記
    録媒体。
  10. 【請求項10】第1誘電体層の厚さが50nm以上20
    0nm以下、記録層の厚さが7nm以上17nm以下、
    吸収量補正層の厚さが10nm以上100nm以下であ
    る請求項1記載の光記録媒体。
  11. 【請求項11】屈折率および消衰係数が、記録または再
    生を行うレーザー光の波長において測定されたものであ
    る請求項1記載の光記録媒体。
  12. 【請求項12】屈折率および消衰係数が、レーザー光の
    波長660nmにおいて測定されたものである請求項1
    記載の光記録媒体。
  13. 【請求項13】光学ヘッドと光記録媒体を有し、該光学
    ヘッドからレーザー光を照射して、該光記録媒体におけ
    る非晶相と結晶相の間の可逆的な相変化により情報の記
    録、消去および再生が可能な光記録装置であって、レー
    ザー光照射の線速度が毎秒7.5×106×d(dは記
    録面上におけるレーザービーム径をいう)以上であり、
    レーザー光によりマークエッジ方式で記録される記録マ
    ークのうち最短のマークのレーザー光進行方向における
    長さが0.55×d以下であり、光記録媒体のトラック
    幅が0.7×d以下であり、かつ、該光記録媒体が、請
    求項1〜12のいずれかに記載された光記録媒体である
    光記録装置。
  14. 【請求項14】記録、消去および再生を行うレーザー光
    の波長が、645〜660nmである請求項13記載の
    光記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004032131A1 (ja) * 2002-10-02 2004-04-15 Mitsubishi Chemical Corporation 光記録媒体
US7060338B2 (en) 2003-06-26 2006-06-13 Hitachi Maxell, Ltd. Phase-change optical recording medium

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