JP2002056576A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2002056576A
JP2002056576A JP2000236641A JP2000236641A JP2002056576A JP 2002056576 A JP2002056576 A JP 2002056576A JP 2000236641 A JP2000236641 A JP 2000236641A JP 2000236641 A JP2000236641 A JP 2000236641A JP 2002056576 A JP2002056576 A JP 2002056576A
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recording
layer
groove
land
recording medium
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JP2000236641A
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Hideo Nakakuki
英夫 中久喜
Takeshi Arai
猛 新井
Kunihisa Nagino
邦久 薙野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ランドトラックとグルーブトラックの両方に記
録を行い、隣り合うトラックの中心間の距離の平均値
(トラックピッチ)が0.7×d(dは記録面上におけ
るレーザービーム径をいう)以下である光記録媒体にお
いて、クロス消去の生じにくい良好な記録特性を得る。 【解決手段】基板に形成されたランドトラックとグルー
ブトラックの両方に記録を行い、隣り合うトラックの中
心間の距離の平均値(トラックピッチ)が0.7×d以
下である相変化型の光記録媒体であって、少なくとも基
板上に第1誘電体層、記録層、第2誘電体層、反射層を
この順に備え、Wl/Wg(Wl、Wgはそれぞれグル
ーブ深さの2分の1の位置におけるランド幅の平均値と
グルーブ幅の平均値)の値が0.95以下であることを
特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光の照射
により、情報の記録、消去、再生が可能である光情報記
録媒体に関するものである。特に、本発明は、記録情報
の消去、書換機能を有し、情報信号を高速かつ、高密度
に記録可能な光ディスクなどの書換可能相変化型光記録
媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】書換可能相変化型光記録媒体は、テルル
などを主成分とする記録層を有し、記録時は、結晶状態
の記録層に集束したレーザー光パルスを短時間照射し、
記録層を部分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散によ
り急冷され、固化し、アモルファス状態の記録マークが
形成される。この記録マークの光線反射率は、結晶状態
より低く、光学的に記録信号として再生可能である。ま
た、消去時には、記録マーク部分にレーザー光を照射
し、記録層の融点以下、結晶化温度以上の温度に加熱す
ることによって、アモルファス状態の記録マークを結晶
化し、もとの未記録状態にもどす。これらの書換可能相
変化型光記録媒体の記録層の材料としては、Ge2Sb2
Te5などの合金(N.Yamada et al.Proc.Int.Symp.on O
ptical Memory 1987 p61-66)が知られている。
【0003】これらTe合金を記録層とした光記録媒体
では、結晶化速度が速く、照射パワーを変調するだけ
で、円形の1ビームによる高速のオーバーライトが可能
である。これらの記録層を使用した光記録媒体では、通
常、記録層の両面に耐熱性と透光性を有する誘電体層を
それぞれ1層ずつ設け、記録時に記録層に変形、開口が
発生することを防いでいる。さらに、光ビーム入射方向
と反対側の誘電体層に、光反射性のAlなどの金属反射
層を積層して設け、光学的な干渉効果により再生時の信
号コントラストを改善する技術が知られている。
【0004】このような光記録媒体においては、より多
くの情報が記録できることが望まれている。書換可能な
大容量の光記録媒体としては、片面2.6GBのユーザ
ー容量を持つDVD−RAMがある。ランドとグルーブ
の両方を記録トラックとして用いるランドグルーブ構造
で、ランド幅とグルーブ幅はほぼ等しく、トラックピッ
チは0.74μmである。そして近年、長時間の動画デ
ータを記録したいというニーズから、さらなる大容量化
が求められ、記録密度を極限まで高めることが行われて
いる。しかし記録密度を高めるためにトラック幅を狭く
した場合、隣接トラックに記録された信号が再生信号に
影響を及ぼしたり(クロストーク)、記録時に隣接トラ
ックに記録されている信号の品質を低下させたり(クロ
ス消去)する現象が大きな問題となる。特に記録面上に
おけるレーザービーム径dに対し、トラック幅が0.7
×d以下となる場合にはこの問題はより重大なものとな
ってくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の問題点に着目し、ランドトラックとグルーブ
トラックの両方に記録を行い、隣り合うトラックの中心
間の距離の平均値(トラックピッチ)が0.7×d(d
は記録面上におけるレーザービーム径をいう)以下であ
る光記録媒体において、クロス消去の生じにくい良好な
記録特性を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はレー
ザー光を照射することによって、情報の記録、消去、再
生が可能でり、情報の記録および消去が、非晶相と結晶
相の間の可逆的な相変化により行われ、基板に形成され
たランドトラックとグルーブトラックの両方に記録を行
い、隣り合うトラックの中心間の距離の平均値(トラッ
クピッチ)が0.7×d以下である光記録媒体であっ
て、少なくとも基板上に第1誘電体層、記録層、第2誘
電体層、反射層をこの順に備え、Wl/Wg(Wl、W
gはそれぞれグルーブ深さの2分の1の位置におけるラ
ンド幅の平均値とグルーブ幅の平均値)の値が0.95
以下であることを特徴とする光記録媒体である。なお、
dは記録面上におけるレーザービーム径であって、レー
ザー光の波長をλ、レンズの開口数をNAとしたとき、
d=0.82×λ/NAで表され、λは380〜820
nm、レンズの開口数NAは0.4〜1.2の範囲であ
る。
【0007】本発明が解決しようとする課題であるクロ
ス消去による信号品質の低下は、トラックからはみ出し
たビームが隣接トラックの記録マークに照射されたり、
記録時に生じる熱が隣接トラックに拡散したりすること
により、隣接トラックの記録信号振幅を低下させている
ためであると考えられている。グルーブトラックに記録
した後、隣接する両側のランドトラックに記録した場合
のグルーブの信号の劣化と、ランドトラックに記録した
後隣接する両側のグルーブトラックに記録した場合のラ
ンドの信号の劣化を比較した場合、前者の方が劣化が顕
著であることが多い。すなわちグルーブの方がクロス消
去が生じやすい。これはランドとグルーブでは熱の拡散
の仕方が異なり、ランドに記録したときの方が隣接トラ
ックへ熱が拡散しやすくなっていることが一因であると
考えられている。
【0008】本発明者らは鋭意研究を行うことにより、
トラック幅をより広くすることがクロス消去の低減につ
ながることを見いだし、クロス消去の生じやすいグルー
ブトラックをより広く、クロス消去の生じにくいランド
トラックをより狭くなるように基板の溝形状を設計する
ことにより、記録密度を減少させることなくクロス消去
の少ない光記録媒体が得られることを見いだし、上記課
題を解決するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の光記録媒体は、レーザー
光を照射することによって、情報の記録、消去、再生が
可能であって、情報の記録および消去が、非晶相と結晶
相の間の可逆的な相変化により行われ、基板に形成され
たランドトラックとグルーブトラックの両方に記録を行
い、隣り合うトラックの中心間の距離の平均値(トラッ
クピッチ)が0.7×d(dは記録面上におけるレーザ
ービーム径で、d=0.82×λ/NAであって、レー
ザー光の波長λは380〜820nm、レンズの開口数
NAは0.4〜1.2の範囲である)以下である。
【0010】ここで、通常、ランドグルーブ記録を行う
光記録媒体に用いられる基板は、ランド幅とグルーブ幅
がほぼ等しくなるように成形されている。これはランド
とグルーブとにおける光学的特性が等価になるようにす
るためである。しかし高密度化のためトラックピッチを
小さくした場合、前述のとおりグルーブにおけるクロス
消去が著しく、エラーレートの増大を引き起こす。本発
明の光記録媒体に用いられる基板は、ランド幅とグルー
ブ幅の比率を変え、クロス消去の生じやすいグルーブの
幅が広く、クロス消去の生じにくいランドの幅が狭くな
るように成形されていることに特徴がある。これによっ
て、トラックピッチを小さくした場合でもクロス消去の
増大を抑制することが可能となる。すなわち、グルーブ
のクロス消去を低減させるために、Wl/Wg(Wl、
Wgはそれぞれグルーブ深さの2分の1の位置における
ランド幅の平均値とグルーブ幅の平均値)の値が0.9
5以下であることが必要である。ランドとグルーブの光
学的特性が著しく異なることなく、クロス消去を低減さ
せる効果を十分に得るためにはWl/Wgの値が0.7
0〜0.85であることである。
【0011】基板の材質としては通常ポリカーボネート
やPMMA、アクリル、ポリオレフィン、エポキシなど
の樹脂やガラスが用いられる。
【0012】本発明の第1誘電体層の材質として好適な
ものは、ZnSとSiO2の混合物からなる膜である。
この材料は、残留応力が小さいため、繰り返しオーバー
ライトによるバースト劣化などが起きにくい。また、Z
nSとSiO2 と炭素の混合物は、膜の残留応力がさら
に小さいこと、記録、消去の繰り返しによっても、記録
感度、キャリア対ノイズ比(C/N)、消去率などの劣
化が起きにくいことからも特に好ましい。膜の厚さは光
学的な条件により決められるが、5〜500nmが好ま
しい。これより厚いと、クラックなどが生じることがあ
り、これより薄いと、オーバーライトの繰り返しにより
基板が熱ダメージを受けやすく、繰り返し特性が劣化し
易い。膜の厚さの特に好ましい範囲は50〜200nm
である。
【0013】本発明の記録層としては、特に限定するも
のではないが、Ge−Sb−Te合金が、消去時間が短
く、かつ多数回の記録、消去の繰り返しが可能であり、
キャリア対ノイズ比(C/N)、消去率などの記録特性
に優れることから好ましい。特に記録、消去、または再
生を行うレーザー光を照射する線速度が毎秒7.5×1
6×d以上であり、レーザー光によりマークエッジ方
式で記録される記録マークのうち最短のマークのレーザ
ー進行方向における長さが0.55×d以下であるよう
な高速、高密度記録を行う光記録媒体の場合には、記録
層の組成が下記式 {(Ge0.5Te0.5x(Sb0.4Te0.61-x1-ySby において、0.5≦x≦0.95、0≦y≦0.08の
組成範囲であることが好ましい。x<0.5では、記録
層の相変化に伴う反射率変化が小さくなるため十分な信
号強度を得られないことがあり、x>0.95の場合
は、結晶化速度が遅くなるため消去特性が悪化し、オー
バーライト特性が悪くなることがある。y>0.08の
場合、初期の消去特性が悪い場合や、長期保存後のオー
バーライト特性が悪くなる場合がある。また、長期保存
安定性の改善のため、Ge、Sb、Teを除く元素周期
律表における第2周期から第6周期の3A族から6B族
に属する元素すなわち、Al、Si、Sc、Ti、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、
Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、C
d、In、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、Ir、
Pt、Au、Tl、Pbから選ばれた少なくとも一種の
元素を添加しても良い。
【0014】本発明の記録層の厚さとしては、5〜40
nmの範囲内であることが好ましい。特に前述の高速高
密度記録を行う光記録媒体においては、光学的な設計の
点などから7〜15nmの範囲内であることが好まし
い。
【0015】本発明の第2誘電体層の材質は、第1誘電
体層の材料としてあげたものと同様のものでも良いし、
異種の材料であってもよい。第2誘電体層の厚さは記録
層の冷却に関し影響が大きく、より良好な記録、消去特
性や繰り返し耐久性を得るために、2〜50nmの範囲
内で最適な膜厚に調整することが好ましい。
【0016】本発明の反射層の材質としては、光反射性
を有する金属、合金、および金属と金属化合物の混合物
などがあげられる。具体的には、Al、Au、Ag、C
uなどの高反射率の金属や、それを主成分とした合金、
Al、Siなどの窒化物、酸化物、カルコゲン化物など
の金属化合物が好ましい。Al、Au、Agなどの金
属、及びこれらを主成分とする合金は、光反射性が高
く、かつ熱伝導率を高くできることから特に好ましい。
特に、材料の価格が安くできることから、AlまたはA
gを主成分とする合金が好ましい。反射層の厚さとして
は、通常、おおむね30〜300nmである。
【0017】本発明においては、境界層を記録層の上部
および/または下部に、記録層に接して設けることが好
ましい。境界層を設けることによって、繰り返しオーバ
ーライトによる特性の劣化を防ぐことができる。この原
因としては、これらの層が誘電体層から記録層への原子
の拡散を防ぐバリア層の役割を果たしているからである
と考えられる。また、境界層を設けることでオーバーラ
イト特性が向上する。これは、境界層により結晶化速度
が大きくなり、消去特性が向上するためであると考えら
れる。このため、記録、消去、または再生を行うレーザ
ー光を照射する線速度が毎秒7.5×106×d以上で
あり、レーザー光によりマークエッジ方式で記録される
記録マークのうち最短のマークのレーザー進行方向にお
ける長さが0.55×d以下であるような高速、高密度
記録を行う場合には特に境界層を設けることが好まし
い。またさらには、境界層を設けることによって保存耐
久性、すなわち長期保存後の再生特性やオーバーライト
特性を改良できる。この原因は、長期間放置しても記録
層における原子配列などの状態の変化や、誘電体層と記
録層の反応を防げるからであると推定される。
【0018】境界層は、炭素を主成分とする層あるいは
炭化物、酸化物、窒化物から選ばれる少なくとも一つを
主成分とする層からなることが好ましい。ここで主成分
とは成膜された境界層の中に50wt%以上含まれること
をいう。炭化物、酸化物、窒化物としては、周期律表第
6周期の3A族から6B族に属する元素との炭化物、酸
化物、窒化物が使用可能であり、具体的には、B、A
l、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、
Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、M
o、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、L
a、Hf、Ta、W、Re、Ir、Pt、Au、Tl、
Pbから選ばれた金属の炭化物、酸化物、窒化物が好ま
しく使用され、さらに好ましくは、Si、Ge、Ti、
Zr、Ta、Nb、Hf、Al、Y、Cr、W、Zn、
In、Snから選ばれた金属の炭化物、酸化物、窒化物
が使用される。保存安定性の点で、炭素を主成分とする
材料を用いることが特に好ましい。記録層の両側に境界
層を設ける場合は、それらが同じ材料でも異なった材料
でもよい。
【0019】境界層の厚さは、剥離し難いこと、また光
学的な条件から、0.5〜10nmの範囲内であること
が好ましい。厚さが10nmを越えると、第1誘電体層
や記録層と剥離しやすい傾向がある。また、0.5nm
未満では、均一の厚さに蒸着することが困難であり、か
つ境界層を設けた効果が得られないことがある。
【0020】また本発明では、吸収量補正層を第2誘電
体層と反射層の間に設けてもよい。吸収量補正層を設け
ることにより、非晶状態の記録層の光吸収率を低減し、
結晶状態との光吸収量差を小さく、さらには結晶状態よ
り小さくするようにもできるためである。この吸収量補
正の効果により、結晶部分と非晶部分の記録時における
昇温状態の差が小さくなり、記録マークの形状の乱れ、
形成位置のずれなどが低減できるためオーバーライト消
去特性が向上し、オーバーライト時のジッター特性が改
善できる。さらにはクロス消去の低減や、再生光の繰り
返し照射に対する耐久性の向上にも効果がある。吸収量
補正効果は各構成層の厚みと光学定数(屈折率および消
衰係数)により決定されるが、特に吸収量補正層の光学
定数に大きく依存する。この吸収量補正層の屈折率およ
び消衰係数が適度に大きいことが必要で、記録、再生を
行うレーザー光の波長における屈折率が1.0〜4.0
の範囲内、消衰係数が0.5〜3.0の範囲内であるこ
とが好ましい。
【0021】吸収量補正層の好ましい材質としては、シ
リコン、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、タング
ステン、クロム、モリブデン、アルミニウムのうち少な
くとも一つを含む固溶体合金、金属間化合物、もしくは
酸化物、炭化物、窒化物などの材料から選ばれる少なく
とも1つを主成分とする材料が挙げられる。特にアルミ
ニウムやクロムを酸素や窒素と化合させたものは光学定
数の制御がし易いので好ましい。
【0022】また、吸収量補正層の膜厚は、吸収量補正
層の光学定数によって最適な厚さは変化するが、おおむ
ね10〜100nmの範囲内であることが好ましい。
【0023】本発明の光記録媒体はトラックピッチが
0.7×d以下であるため非常に高密度であるが、さら
なる高密度化と高速化のため、マークエッジ方式で記録
される記録マークのうち最短のマークのレーザー進行方
向における長さが0.55×d以下となるような高い記
録周波数にし、レーザー光を照射する線速度を毎秒7.
5×106×d以上にすることが特に好ましい。前述の
境界層を設けることにより、このような高速、高密度記
録を行っても良好な記録特性を得ることができる。ま
た、前述の吸収量補正層も設ければ、さらに良好な記録
特性を得ることも可能である。
【0024】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて述べる。第1誘電体層、記録層、第2誘電体層、反
射層などを基板上に形成する方法としては、真空中での
薄膜形成法、例えば真空蒸着法、イオンプレーティング
法、スパッタリング法などがあげられる。特に組成、膜
厚のコントロールが容易であることから、スパッタリン
グ法が好ましい。形成する記録層などの厚さの制御は、
水晶振動子膜厚計などで、堆積状態をモニタリングする
ことで、容易に行える。
【0025】また、本発明の効果を著しく損なわない範
囲において、反射層を形成した後、傷、変形の防止など
のため、ZnS、SiO2 、ZnS−SiO2 、などの
誘電体層あるいは紫外線硬化樹脂などの保護層などを必
要に応じて設けてもよい。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (分析,測定方法)反射層、記録層の組成は、試料薄膜
を酸で溶解して、ICP発光分光分析装置(セイコーイ
ンスツルメンツ製)を用いて各元素の付着量を求め、原
子数比に換算した。吸収量補正層の組成は後方散乱測定
装置(日新ハイボルテージ(株)製)を用いてラザフォ
ード後方散乱分析により確認した。記録層、誘電体層、
反射層の形成中の膜厚は、水晶振動子膜厚計によりモニ
ターした。また各層の厚さは、走査型あるいは透過型電
子顕微鏡で断面を観察することにより測定した。基板の
ランド幅、グルーブ幅とグルーブ深さについては、AF
Mにより測定した。
【0027】スパッタリングにより成膜した光記録媒体
は、記録を行う前にあらかじめ波長830nmの半導体
レーザのビームでディスク全面の記録層を結晶化し初期
化した。記録特性評価装置は、対物レンズの開口数0.
6、半導体レーザの波長660nm(レーザービーム径
0.9μm)の光学ヘッドを備えており、線速度8.2
m/秒、最短マーク長、すなわち3Tマークの長さが
0.42μmとなる記録周波数で、8−16変調方式で
マークエッジ記録を行った。そのときの記録レーザー波
形は一般的なマルチパルスで、記録マークの長さと前後
のスペースの長さに応じて記録パルスのエッジ位置を変
化させるパターン適応型の記録補償方式を用いた。記録
パワー、消去パワーは各ディスクのランド、およびグル
ーブのそれぞれで最適なパワーにした。
【0028】クロス消去の評価は次のように行った。ま
ず測定トラックに100回ランダムパターンを記録し、
タイムインターバルアナライザーによってジッターを測
定した。続いて測定トラックに隣接する両側のトラック
に10回または1000回ランダムパターンを記録し、
その状態で再度測定トラックのジッターを測定した。こ
のときのジッターの上昇の程度でクロス消去の耐久性を
評価した。
【0029】(実施例1)厚さ0.6mm、直径12c
m、トラックピッチ0.615μmで、ランド幅Wlが
0.55μm、グルーブ幅Wgが0.68μm、すなわ
ちWl/Wg=0.81でグルーブ深さが68nmであ
る溝形状のポリカーボネート製基板を毎分40回転で回
転させながら、スパッタリングを行った。まず、真空容
器内を1×10-4Paまで排気した後、0.2Paのア
ルゴンガス零囲気中でSiO2 を20mol%添加した
ZnSターゲットをスパッタリングし、基板上に膜厚1
60nmの第1誘電体層を形成した。次に炭素ターゲッ
トをスパッタリングし、第1境界層として炭素層を2n
m形成した。続いて、Ge、Sb、Teからなる合金タ
ーゲットをスパッタリングして、厚さ12nm、組成G
28.6Sb17.8Te53 .6[すなわち{(Ge0.5
0.50.579(Sb0.4Te0.60.4210.989Sb0
.011]の記録層を得た。さらに第2境界層としてゲルマ
ニウムターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでスパッ
タリングして形成した窒化ゲルマニウム層を2nm形成
した。続いて第2誘電体層として第1誘電体層と同じZ
nS−SiO2ターゲットをスパッタリングして、厚さ
17nmの第2誘電体層を形成した。続いてAl97.5
2.5合金をスパッタリングして、膜厚200nmの反
射層を形成した。このディスクを真空容器より取り出し
た後、この反射層上にアクリル系紫外線硬化樹脂(大日
本インキ(株)製SD−101)をスピンコートし、紫
外線照射により硬化させて膜厚3μmの樹脂層を形成
し、次にスクリーン印刷機を用いて遅効性の紫外線硬化
樹脂を塗布し、紫外線を照射した後、同様に作製したデ
ィスク2枚を貼り合わせて本発明の光記録媒体を得た。
【0030】1トラックのみに100回記録したときの
ジッターはランドで8.4%、グルーブで7.6%であ
った。隣接する両側のトラックに10回ずつ記録したと
きのジッターはランドで8.9%、グルーブで8.6%
であった。隣接する両側のトラックに1000回ずつ記
録したときのジッターはランドで9.3%、グルーブで
9.2%であった。このように、ランド、グルーブいず
れのトラックでもクロス消去によるジッターの上昇が低
く抑えられていた。
【0031】(実施例2)ランド幅Wlが0.59μ
m、グルーブ幅Wgが0.64μm、すなわちWl/W
g=0.92である他は実施例1と同様の基板を用い、
実施例1と同様の膜構成の光記録媒体を作製した。
【0032】1トラックのみに100回記録したときの
ジッターはランドで8.2%、グルーブで7.8%であ
った。隣接する両側のトラックに10回ずつ記録したと
きのジッターはランドで8.8%、グルーブで8.9%
であった。隣接する両側のトラックに1000回ずつ記
録したときのジッターはランドで8.8%、グルーブで
9.8%であった。このように、グルーブにおいてはク
ロス消去によるジッターの上昇がやや大きいものの、実
用上問題のない程度にクロス消去の影響が抑えられてい
た。
【0033】(実施例3)実施例2と同じ溝形状の基板
を用い、第2誘電体層と反射層の間に酸化アルミニウム
(AlOx x=0.4)からなる吸収量補正層を設け
た他は実施例1と同様の膜構成で基板上に成膜して光記
録媒体を作製した。ただし、光学的に最適な設計とする
ため、第1誘電体層、第1境界層、記録層、第2境界
層、第2誘電体層、吸収量補正層、反射層の厚さは、そ
れぞれ120nm、2nm、9nm、2nm、30n
m、70nm、90nmとした。
【0034】1トラックのみに100回記録したときの
ジッターはランドで8.5%、グルーブで7.8%であ
った。隣接する両側のトラックに10回ずつ記録したと
きのジッターはランドで8.8%、グルーブで8.8%
であった。隣接する両側のトラックに1000回ずつ記
録したときのジッターはランドで8.8%、グルーブで
9.1%であった。このように、ランド、グルーブいず
れのトラックでもクロス消去によるジッターの上昇が低
く抑えられていた。
【0035】(比較例1)ランド幅Wlが0.61μ
m、グルーブ幅Wgが0.62μm、すなわちWl/W
g=0.98である他は実施例1と同様の基板を用い、
実施例1と同様の膜構成の光記録媒体を作製した。
【0036】1トラックのみに100回記録したときの
ジッターはランドで7.7%、グルーブで7.8%であ
った。隣接する両側のトラックに10回ずつ記録したと
きのジッターはランドで8.0%、グルーブで9.5%
であった。隣接する両側のトラックに1000回ずつ記
録したときのジッターはランドで8.0%、グルーブで
10.5%であった。このように、グルーブにおいては
クロス消去によるジッターの上昇が著しかった。
【0037】(比較例2)ランド幅Wlが0.50μ
m、グルーブ幅Wgが0.73μm、すなわちWl/W
g=0.68である他は実施例1と同様の基板を用い、
実施例1と同様の膜構成の光記録媒体を作製した。
【0038】ランド幅が狭いためランドに記録した信号
の振幅がグルーブに比べて小さく、良好なランドグルー
ブ記録を行うことが困難であった
【0039】
【発明の効果】本発明の光記録媒体は、トラックピッチ
が0.7×d以下において、(ランド幅/グルーブ幅)
の値を0.95以下にしたので、クロス消去の生じにく
い良好な記録特性を得ることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D029 MA03 NA23 WB11 WB14 WC05 WC06 WD10 WD30 5D090 AA01 BB05 CC14 FF15 GG07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー光を照射することによって、情報
    の記録、消去、再生が可能であり、情報の記録および消
    去が、非晶相と結晶相の間の可逆的な相変化により行わ
    れ、基板に形成されたランドトラックとグルーブトラッ
    クの両方に記録を行い、隣り合うトラックの中心間の距
    離の平均値(トラックピッチ)が0.7×d(dは記録
    面上におけるレーザービーム径であって、レーザー光の
    波長をλ、レンズの開口数をNAとしたとき、d=0.
    82×λ/NAで表され、λは380〜820nm、レ
    ンズの開口数NAは0.4〜1.2の範囲である)以下
    である光記録媒体であって、少なくとも基板上に第1誘
    電体層、記録層、第2誘電体層、反射層をこの順に備
    え、Wl/Wg(Wl、Wgはそれぞれグルーブ深さの
    2分の1の位置におけるランド幅の平均値とグルーブ幅
    の平均値)の値が0.95以下であることを特徴とする
    光記録媒体。
  2. 【請求項2】炭素、炭化物、酸化物、窒化物から選ばれ
    る少なくともひとつを主成分とする境界層を、記録層の
    上部および/または下部に記録層に接して設けたことを
    特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】第2誘電体層と反射層の間に吸収量補正層
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】レーザー光を照射する線速度が毎秒7.5
    ×106×d以上であり、レーザー光によりマークエッ
    ジ方式で記録される記録マークのうち最短のマークのレ
    ーザー進行方向における長さが0.55×d以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
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