JP3099187B2 - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置

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JP3099187B2
JP3099187B2 JP09226790A JP22679097A JP3099187B2 JP 3099187 B2 JP3099187 B2 JP 3099187B2 JP 09226790 A JP09226790 A JP 09226790A JP 22679097 A JP22679097 A JP 22679097A JP 3099187 B2 JP3099187 B2 JP 3099187B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/16Inhibiting or initiating shift during unfavourable conditions, e.g. preventing forward reverse shift at high vehicle speed, preventing engine over speed
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H59/00Control inputs to control units of change-speed-, or reversing-gearings for conveying rotary motion
    • F16H59/50Inputs being a function of the status of the machine, e.g. position of doors or safety belts
    • F16H2059/506Wheel slip

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用自動変速機
の制御装置に関し、特に車両のスリップ状態が判定され
たときに自動変速機の変速が禁止される車両用自動変速
機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機の回転部材の回転速度に基づ
いて車体速度を検出する車体速度検出手段を備えた車両
が摩擦係数の小さい氷上等で発進を行う際に、駆動輪が
スリップすると前記回転部材の回転速度が増加するため
に車体速度検出手段は高い車体速度を検出するが、駆動
輪と路面との間のグリップが失われているために実際の
車体速度は低いままである。この場合、車体速度検出手
段が高い車体速度を検出するために自動変速機がシフト
アップされてしまい、駆動輪の回転数が更に増加してデ
ィファレンシャル等の耐久性に影響を及ぼす可能性があ
る。
【0003】そこで、自動変速機の回転部材の回転加速
度が所定値以上になった場合に、駆動輪がスリップ状態
にあると判定してシフトアップを禁止するものが、特公
昭64−7259号公報により公知である。しかしなが
ら、上記従来のものは、シフトアップの禁止の解除を的
確に行わないと、スリップ状態が解消された後にもシフ
トアップの禁止が継続されたり、スリップ状態が解消さ
れる前にシフトアップの禁止が解除される可能性があ
る。
【0004】かかる問題を解決すべく、本出願人は、駆
動輪のスリップ状態が解消されて路面との間のグリップ
が回復したことを精度良く検出し、変速禁止を的確に解
除できるようにした車両用自動変速機の制御装置を、特
願平8−327015号により提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる車両
用自動変速機の制御装置を備えた車両が摩擦係数の小さ
い氷上等で発進を行うとき、1速変速段が確立されてい
る発進直後にスリップが発生した場合には、スリップを
検出した電子制御ユニットが2速変速段→3速変速段の
シフトアップ禁止制御を行う時間的余裕があるが、1速
変速段→2速変速段のシフトアップ中にスリップが発生
すると、1速変速段→2速変速段のシフトアップ完了に
続いて即座に2速変速段→3速変速段のシフトアップが
開始されるため、スリップを検出した電子制御ユニット
が2速変速段→3速変速段のシフトアップ禁止制御を行
おうとしても、その制御が間に合わずに好ましくない2
速変速段→3速変速段のシフトアップが実行されてしま
う可能性がある。
【0006】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、氷上等において1速変速段→2速変速段のシフトア
ップ中にスリップが発生した場合にも、2速変速段→3
速変速段のシフトアップ禁止制御を的確に行えるように
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、車両の運転状態に応
じて自動変速機の変速段を切り換える変速制御手段と、
自動変速機の回転部材の回転速度に基づいて車体速度を
検出する車体速度検出手段と、車体速度検出手段により
検出された車体速度の変化率に基づいて車両のスリップ
状態を判定するスリップ状態判定手段と、スリップ状態
判定手段によりスリップ状態が判定されたときに変速制
御手段による自動変速機の変速を禁止する変速禁止手段
とを備えた車両用自動変速機の制御装置において、自動
変速機のシフトアップに要する時間を計測する変速時間
計測手段を設け、前記変速禁止手段は、変速時間計測手
段により計測された時間が第1の所定時間よりも短いと
きに自動変速機の更なるシフトアップを第2の所定時間
だけ禁止することを特徴とする。
【0008】上記構成によれば、自動変速機のシフトア
ップ中にスリップが発生すると、そのシフトアップの完
了後に更なるシフトアップが連続して行われるため、上
述した変速禁止手段による変速禁止制御が間に合わなく
なり、前記更なるシフトアップが実行される可能性があ
る。しかしながら、変速時間計測手段が計測した自動変
速機のシフトアップに要する時間が第1の所定時間より
も短いときに、そのシフトアップ中にスリップが発生し
たと判断し、変速禁止手段は、スリップ状態判定手段に
よる通常のスリップ状態の判定を待つことなく、自動変
速機の更なるシフトアップを第2の所定時間だけ禁止す
るので、好ましくないシフトアップの実行を確実に回避
することができる。
【0009】前記第1の所定時間は、シフトアップ中に
スリップが発生したことを確実に検出できる時間であ
り、実施例では320msに設定されているが、それに
限定されるものではない。また前記第2の所定時間は、
スリップ状態判定手段によるスリップ状態の判定に基づ
く自動変速機の変速禁止が充分に可能になるまでの時間
であり、実施例では500msに設定されているが、そ
れに限定されるものではない。
【0010】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、スリップ状態判定手段によりスリッ
プ状態が判定されたときの変速段について、スロットル
開度又はアクセル開度と車体速度検出手段により算出さ
れた車体速度とから平坦路における車体加速度を算出す
る平坦路走行時車体加速度算出手段と、スリップ状態判
定手段によりスリップ状態が判定されたときからの経過
時間を計測する経過時間計測手段と、平坦路走行時車体
加速度算出手段により算出された車体加速度と経過時間
計測手段により計測された経過時間とから該経過時間に
対応する車体速度変化量を算出し、この車体速度変化量
をスリップ状態判定手段によりスリップ状態が判定され
たときの車体速度とから推定車体速度を算出する推定車
体速度算出手段と、車体速度検出手段により検出された
車体速度と推定車体速度算出手段により算出された推定
車体速度とを比較することによりスリップ状態の解消を
判定するスリップ状態解消判定手段と、スリップ状態解
消判定手段によりスリップ状態の解消が判定されたとき
に変速禁止手段による変速禁止を解除する変速禁止解除
手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】上記構成にれば、平坦路走行時車体加速度
算出手段は、スリップ状態判定手段によりスリップ状態
が判定されたときの変速段について、スロットル開度又
はアクセル開度と車体速度算出手段により算出された車
体速度とから平坦路における車体加速度を算出し、経過
時間計測手段はスリップ状態判定手段によりスリップ状
態が判定されたときからの経過時間を計測する。推定車
体速度算出手段は、前記車体加速度と経過時間とから該
経過時間に対応する車体速度変化量を算出し、この車体
速度変化量とスリップ状態が判定されたときの車体速度
とから推定車体速度を算出する。スリップ状態解消判定
手段は、車体速度と推定車体速度とを比較することによ
りスリップ状態の解消を判定し、変速禁止解除手段はス
リップ状態の解消が判定されたときに変速禁止手段によ
る変速禁止を解除する。これにより、スリップ状態の解
消時に変速禁止手段による変速禁止が的確に解除される
ので、スリップ状態が解消された後に変速禁止が継続さ
れたり、スリップ状態が解消される前に変速禁止が解除
されることが防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】図1〜図14は本発明の一実施例を示すも
ので、図1は車両用自動変速機の制御装置を備えた車両
の全体構成図、図2は制御系のブロック図、図3はメイ
ンルーチンのフローチャートの第1分図、図4はメイン
ルーチンのフローチャートの第2分図、、図5は氷上判
断ルーチンのフローチャート、図6は加速度差算出ルー
チンのフローチャート、図7は推定車体速度算出ルーチ
ンのフローチャート、図8はスリップによる2速変速段
ホールド開始を説明するタイムチャート、図9はスリッ
プ収束による2速変速段ホールド解除を説明するタイム
チャート、図10はスロットル全閉による2速変速段ホ
ールド解除を説明するタイムチャート、図11は2ND
ホールドキャンセルディレイタイマーTMHYJGによ
る2速変速段ホールド解除抑制を説明するタイムチャー
ト、図12は氷上判断前2NDホールドタイマーTM2
34Kによる2速変速段ホールド解除抑制を説明するタ
イムチャート、図13は低スロットル開度時の2速変速
段ホールド解除抑制を説明するタイムチャート、図14
はRレンジからDレンジにシフトした場合の作用を説明
するタイムチャートである。
【0014】図1に示すように、フロントエンジン・フ
ロントドライブの車両は、エンジンEにより自動変速機
T及びディファレンシャルDを介して駆動される左右の
駆動輪WFL,WFRと、車両の走行に伴って回転する左右
の従動輪WRL,WRRとを備える。電子制御ユニットUに
は、エンジンEのクランクシャフト1の回転数(エンジ
ン回転数Ne)を検出するエンジン回転数センサS1
らの信号と、エンジンEにトルクコンバータ2を介して
接続された自動変速機Tの入力軸3の回転数(自動変速
機入力回転数Nm)を検出する自動変速機入力回転数セ
ンサS2 からの信号と、自動変速機Tの出力軸4の回転
数(自動変速機出力回転数Nc)を検出する自動変速機
出力回転数センサS3 からの信号と、エンジンEの吸気
通路に設けたスロットル弁の開度であるスロットル開度
THを検出するスロットル開度センサS4 からの信号と
が入力される。電子制御ユニットUは、前記エンジン回
転数センサS1 、自動変速機入力回転数センサS2 、自
動変速機出力回転数センサS3 及びスロットル開度セン
サS4 からの信号に基づいて自動変速機Tの変速を制御
する。尚、前記自動変速機出力回転数Ncは車体速度V
と比例関係にあるため、本実施例では出力回転数センサ
3 が車体速度センサS3 を兼用する。
【0015】図2に示すように、電子制御ユニットU
は、変速制御手段M1と、スリップ状態判定手段M2
と、変速禁止手段M3と、平坦路走行時車体加速度算出
手段M4と、経過時間計測手段M5と、推定車体速度算
出手段M6と、スリップ状態解消判定手段M7と、変速
禁止解除手段M8と、変速時間計測手段M9と、トルク
コンバータスリップ率検出手段M10とを備える。
【0016】変速制御手段M1は、エンジン回転数、吸
気管内絶対圧、車体速度、スロットル開度、変速段等の
運転状態信号に基づいて自動変速機Tの変速を制御す
る。スリップ状態判定手段M2は、車体速度センサS3
で検出した車体速度Vの変化率に基づいて駆動輪WFL
FRのスリップ状態を判定する。変速禁止手段M3は、
駆動輪WFL,WFRのスリップ状態が判定されたときに、
或いは後述する変速時間計測手段M9により検出した1
速変速段→2速変速段のシフトアップに要する時間が第
1の所定時間(例えば、320ms)よりも短いとき
に、変速制御手段M1による自動変速機Tのシフトアッ
プを第2の所定時間(例えば、500ms)だけ禁止す
ることにより変速段を2速変速段にホールドする。
【0017】平坦路走行時車体加速度算出手段M4は、
車体速度センサS3 で検出した車体速度Vと、スロット
ル開度センサS4 で検出したスロットル開度THと、後
述するマップとに基づいて平坦路における車体加速度を
算出する。経過時間計測手段M5は、スリップ状態判定
手段M2によりスリップ状態が判定されたときからの経
過時間を計測する。推定車体速度算出手段M6は、前記
車体加速度と経過時間とから該経過時間に対応する車体
速度変化量を算出するとともに、この車体速度変化量と
スリップ状態が判定されたときの車体速度Vとから推定
車体速度VYSを算出する。
【0018】スリップ状態解消判定手段M7は、車体速
度Vと推定車体速度VYSとを比較することによりスリ
ップ状態の解消を判定する。変速禁止解除手段M8は、
スリップ状態の解消が判定されたときに、或いは後述す
るトルクコンバータスリップ率検出手段M10によりト
ルクコンバータ2のスリップ率eが所定値(例えば、1
02%)を越えたことが検出されたときに、変速禁止手
段M3による変速禁止を解除して2速変速段からのシフ
トアップを許容する。
【0019】変速時間計測手段M9は、自動変速機入力
回転数センサS2 で検出した自動変速機入力回転数Nm
と、自動変速機出力回転数センサS3 で検出した自動変
速機出力回転数Ncとに基づいて、1速変速段→2速変
速段のシフトアップに要する時間を計測する。1速変速
段→2速変速段のシフトアップに要する時間とは、自動
変速機Tの1速用クラッチが係合解除を開始してから、
2速用クラッチが係合を完了するまでの時間であり、N
m/Ncで定義される変速比が1速変速段の変速比から
2速変速段の変速比に変わるまでの時間として計測され
る。
【0020】トルクコンバータスリップ率検出手段M1
0は、エンジン回転数センサS1 で検出したエンジン回
転数Ne(即ち、トルクコンバータ2の入力回転数)
と、自動変速機入力回転数センサS2 で検出した自動変
速機入力回転数Nm(即ち、トルクコンバータ2の出力
回転数)とに基づいて、トルクコンバータ2のスリップ
率e=Nm/Neを検出する。エンジンE側から駆動輪
FL,WFR側に駆動力が伝達されるとき、スリップ率e
は0%<e<100%であるが、エンジンブレーキ時の
ように駆動輪WFL,WFR側からエンジンE側に駆動力が
伝達されるとき、スリップ率eはe>100%になる。
【0021】次に、前述の構成を備えた本発明の実施例
の作用を、図3〜図7のフローチャートを参照しながら
更に詳細に説明する。
【0022】説明に先立って、前記フローチャートにお
いて使用される記号の内容を以下に記載する。
【0023】ラベル SPKU;加速度差 HPKU;氷上判断定数 VHYJL;2NDホールド実行下限車体速度 VHYJH;2NDホールド実行上限車体速度 HVYSH;推定車体速度の上限リミット値 V0 ;スリップ開始時車体速度 VYS;推定車体速度 ΔVYS;推定車体速度の変化量速変速段で走行する際
の加速度で除算した加速度比 GGHH;平坦路を2速変速段で走行する際の基準加速
度 GGFH;平坦路を2速変速段で走行する際の基準加速
度を、平坦路を1速変速段で走行する際の基準加速度で
除算した加速度比 HDELVH;実際の加速度 TH;スロットル開度タイマー TMA;氷上判断タイマー TMTH;TH戻しタイマー TMHYJG;2NDホールドキャンセルディレイタイ
マー TM234K;氷上判断前2NDホールドタイマーフラグ SLIP;スリップ判断フラグ F HYJ;氷上判断フラグ F THCL;スロットル全閉判断フラグ F SECHLD;氷上外2NDホールド判断フラグ F TC;トルクコンバータスリップ率判断フラグ 先ず、図3及び図4のメインルーチンのステップS1に
おいて、車両が路面摩擦係数の小さい氷上にあるか否か
の判断を行う。車両が氷上にある場合には氷上判断フラ
グF HYJが「1」にセットされて2速変速段から3
速変速段へのシフトアップが規制され、車両が氷上にな
い場合には氷上判断フラグF HYJが「0」にクリア
されて前記シフトアップが許可される。前記ステップS
1の詳細を、図5に示す氷上判断サブルーチンに基づい
て説明する。
【0024】先ず、車両が氷上にあると判断して氷上判
断フラグF HYJを「1」にセットする場合を説明す
る。ステップS31で変速段が3速変速段又は4速変速
段になく、且つステップS32で氷上判断フラグF
YJが「0」にクリアされていれば、ステップS33で
TH戻しタイマーTMTHをセットする。続くステップ
S34で車体速度センサS3 で検出した車体速度Vが2
NDホールド実行下限車体速度VHYJL(例えば、5
km/h)及び2NDホールド実行上限車体速度VHY
LH(例えば、120km/h)の間にあれば、ステッ
プS35に移行して車両が路面摩擦係数の小さい氷上に
あるか否かの判断を行う。
【0025】フローチャートによる説明に先立って図8
による説明を行うと、車両を発進させるべくアクセルペ
ダルを踏み込んだとき、氷上で駆動輪がスリップすると
駆動輪速度Vは急激に且つ不安定に増加する。このとき
氷上での車体の加速度と通常の平坦路走行時の車体の加
速度との差である加速度差SPKUが、a点において所
定の氷上判断定数HPKU(例えば、240msの間に
2.9km/hの車体速度変化)を越えると氷上判断タ
イマーTMAがスタートし、その氷上判断タイマーTM
Aのカウント中に加速度差SPKUが氷上判断定数HP
KUを上回っていれば、即ち路面摩擦係数が小さい氷上
において駆動輪がスリップするために大きな加速度が所
定時間に亘って検出されると、氷上判断フラグF HY
Jが「1」にセットされる。このように、氷上判断タイ
マーTMAを用いたことにより、車体がジャンプしたり
駆動輪が濡れた鉄板を踏んだような場合に生じる一瞬の
スリップを氷上におけるスリップと誤判断することが防
止される。
【0026】これをフローチャートに基づいて説明する
と、先ずステップS35で前記加速度差SPKUを算出
する。加速度差SPKUの算出の詳細は、図6に示すサ
ブルーチンに示されている。加速度差SPKUの算出は
80ms間隔で行われるもので、先ずステップS61で
80msが経過すると、ステップS62で、車体速度V
及びスロットル開度THをパラメータとするGmapに
基づいて、平坦路を2速変速段で走行する際に発生する
基準加速度GGHHを検索する。続くステップS63
で、車体速度V及びスロットル開度THをパラメータと
する比mapに基づいて、平坦路を2速変速段で走行す
る際の基準加速度を、平坦路を1速変速段で走行する際
の基準加速度で除算した加速度比であるGGFHを検索
する。続くステップS64で、今回の車体速度Vと前回
の車体速度V(240ms前)との差(つまり、実際の
加速度)であるHDELVHを算出する。
【0027】次のステップS65で変速段が1速変速段
でなければ、即ち2速変速段であれば、ステップS67
で前記HDELVH(2速変速段における実際の加速
度)からステップS62で検索したGGHH(平坦路を
2速変速段で走行する際に発生する基準加速度)を減算
し、2速変速段における加速度差SPKUを算出する。
またステップS65で変速段が1速変速段であれば、ス
テップS66で前記HDELVH(1速変速段での実際
の加速度)にステップS63で検索したGGFH(平坦
路を2速変速段で走行する際の基準加速度を平坦路を1
速変速段で走行する際の基準加速度で除算した加速度
比)を乗算し、2速変速段に換算した実際の加速度HD
ELVHを算出する。そしてステップS67で2速変速
段に換算した実際の加速度HDELVHにから前記GG
HHを減算して2速変速段に相当する加速度差SPKU
を算出する。
【0028】以上のようにして、ステップS35で加速
度差SPKUが算出されると、ステップS36で加速度
差SPKUを前記氷上判断定数HPKUと比較し、加速
度差SPKUが氷上判断定数HPKUを越えていればス
テップS37に移行し、ステップS37で駆動輪がスリ
ップ中であることを示すスリップ判断フラグF SLI
Pが「0」にクリアされていれば、ステップS38でス
リップ中の推定車体速度VYSを初期値としての現在の
車体速度V(即ち、スリップ発生時の車体速度V0 )で
置き換えてステップS41に移行する。一方、前記ステ
ップS37でスリップ判断フラグF SLIPが既に
「1」にセットされていれば、ステップS40で推定車
体速度VYSを算出してステップS41に移行する。推
定車体速度VYSの算出の詳細は、後から図7に示すサ
ブルーチンに基づいて説明する。
【0029】続くステップS41で氷上判断タイマーT
MAがタイムアップすると、ステップS42でスリップ
判断フラグF SLIPを「0」にクリアする。続くス
テップS43で変速段が後進変速段でなければ、ステッ
プS44で車両が氷上にあると判断して氷上判断フラグ
HYJを「1」にセットし、更にステップS44A
で、後述するトルクコンバータスリップ率判断フラグF
TCを「0」にクリアする。また前記ステップS36
で加速度差SPKUが氷上判断定数HPKU以下であれ
ば、ステップS45でスリップ判断フラグF SLIP
を「0」にクリアするとともに、ステップS46で氷上
判断タイマーTMAをセットする。
【0030】次に、車両が氷上から通常路面に移動した
と判断して氷上判断フラグF HYJを「0」にクリア
する場合を、先ず図9に基づいて説明する。氷上での発
進に伴って駆動輪がスリップすると、検出された車体速
度Vは急激に増加するが実際の車体速度V(F)は緩や
かにしか増加しない。スリップ中における実際の車体速
度V(F)は検出することができないため、車両が通常
の平坦路を発進したと仮定した場合の推定車体速度VY
Sを算出する。そして、車両が氷上から通常路面に移動
してスリップが収まり、検出された車体速度Vが低下し
て前記推定車体速度VYSを以下になったとき、即ち図
9のb点においてV≦VYSが成立したときに駆動輪が
路面をグリップしてスリップが解消されたと判断し、氷
上判断フラグF HYJを「0」にクリアする。
【0031】これをフローチャートに基づいて更に説明
すると、前記ステップS32で氷上判断フラグF HY
Jが「1」にセットされており、且つステップS47で
スロットル開度が全閉スロットル開度CTH以上であれ
ば、ステップS48でスロットル戻しタイマーTMTH
をセットし、ステップS49で前記ステップS40と同
じサブルーチンにより推定車体速度VYSを算出する。
そして、ステップS50で推定車体速度VYSが車体速
度V以上になれば、ステップS52でスリップが解消し
たと判断して氷上判断フラグF HYJを「0」にクリ
アし、ステップS53で氷上判断タイマーTMAをセッ
トする。
【0032】ところで、前記ステップS47でスロット
ル開度が全閉スロットル開度CTHになった場合、前回
のループにおけるステップS48でセットされたスロッ
トル戻しタイマーTMTHがカウントを開始し、ステッ
プS51で所定時間(例えば、2sec)が経過すると
ステップS52で氷上判断フラグF HYJが「0」に
クリアされる。これは、スロットル開度が全閉スロット
ル開度CTHになってから2secが経過すると、駆動
力の低下によりスリップが収まるために、2速変速段の
ホールドを行う必要がなくなるからである。
【0033】ここで、前記ステップS40,S49にお
ける推定車体速度VYSの算出を、図7のフローチャー
トを参照しながら説明する。先ずステップS71で24
0msが経過すると、ステップS72で推定車体速度V
YS及びスロットル開度THをパラメータとするGma
pに基づいて、通常の平坦路を2速変速段で走行する際
の基準加速度GGHHを検索する。続くステップS73
で変速段が1速変速段にあれば、ステップS74で、推
定車体速度VYS及びスロットル開度THをパラメータ
とする比mapに基づいて、平坦路を2速変速段で走行
する際の基準加速度を、平坦路を1速変速段で走行する
際の基準加速度で除算した加速度比であるGGFHを検
索する。前記ステップS73で変速段が1速変速段にな
く2速変速段にあれば、ステップS75で加速度比GG
FHを1に設定する。
【0034】そして、ステップS76で、前記ステップ
S72で検索した2速相当の基準加速度GGHHを、前
記ステップS74で検索した加速度比GGFHで除算し
て1速相当の推定車体速度変化量ΔVYSを算出する。
このとき、変速段が2速変速段であれば、2速相当の基
準加速度GGHHに前記ステップS75で設定した1を
乗算した値を、2速相当の推定車体速度変化量ΔVYS
とする。
【0035】続くステップS77で推定車体速度変化量
ΔVYSが正であり、ステップS78で現在のスロット
ル開度THが8分の0.6以上であれば、ステップS7
9で推定車体速度VYSに推定車体速度変化量ΔVを加
算した値を新たな推定車体速度VYSとする。そしてス
テップS80で推定車体速度VYSが推定車体速度の上
限リミット値HVYSH(例えば、100km/h)を
越えていれば、ステップS81で前記推定車体速度の上
限リミット値HVYSHを推定車体速度VYSとして採
用する。また前記ステップS78で、スロットル開度T
Hが8分の0.6未満であれば、ステップS79〜S8
1の推定車体速度VYSの算出は行われない。尚、推定
車体速度VYSの初期値には、スリップ開始時の車体速
度V、つまり加速度差SPKUが氷上判断定数HPKU
を越えた瞬間の車体速度VであるV0 (図8参照)が採
用される。
【0036】以上のようにして、図3のメインルーチン
のステップS1における氷上判断が実行され、その結
果、氷上判断フラグF HYJが「1」にセットされる
か、或いは「0」にリセットされると、ステップS2に
移行する。ステップS2で変速段が後進変速段にないと
き、ステップS2Aに移行して今回のループで1速変速
段→2速変速段のシフトアップが終了したか否かを判断
し、今回のループで前記シフトアップが終了したのであ
れば、ステップS2Bで、前記変速時間計測手段M9で
計測したシフトアップの変速時間を320msと比較す
る。ステップS1の氷上判断に要する時間は320ms
であり、ステップS2Bで変速時間が320ms未満で
あれば、即ち、氷上判断に要する時間が経過する前に1
速変速段→2速変速段のシフトアップが終了した場合に
は、ステップS2Cで、後述する2NDホールドキャン
セルディレイタイマーTMHYJGをセットする。
【0037】このように、ステップS2Bで変速時間が
320ms未満であればステップS2Cで2NDホール
ドキャンセルディレイタイマーTMHYJGをセットす
ることにより、そのカウント時間である500msが経
過してステップS10で2NDホールドキャンセルディ
レイタイマーTMHYJGがタイムアップするまでステ
ップS16における2速変速段のホールドが継続され、
ディファレンシャルDの損傷を未然に回避すべく2速変
速段→3速変速段のシフトアップが禁止される。その意
味するところを以下に説明する。
【0038】車両が氷上での発進直後にスリップした場
合には、ステップS1の氷上判断に320msを要した
後に2速変速段のホールドを実行しても間に合うが、車
両が1速変速段→2速変速段のシフトアップ中にスリッ
プした場合には、車体速度センサS4 で検出される疑似
的な車体速度Vの急激な増加により、1速変速段→2速
変速段のシフトアップの終了後に即座に2速変速段→3
速変速段のシフトアップが開始されてしまい、氷上判断
に基づく2速変速段のホールドが間に合わなくなる可能
性がある。そこで、駆動輪WFL,WFRがスリップ状態に
あるとき、自動変速機Tの2速用クラッチの係合に要す
る負荷が通常路面における前記負荷よりも小さくなり、
そのために短時間でシフトアップが終了することに着目
する。そして氷上でスリップしながらの1速変速段→2
速変速段のシフトアップに要する変速時間が所定時間
(例えば、320ms)未満であるときに、1速変速段
→2速変速段のシフトアップ中にスリップが発生したと
判断することができる。
【0039】このように1速変速段→2速変速段のシフ
トアップ中にスリップが発生した場合に、2NDホール
ドキャンセルディレイタイマーTMHYJGのカウント
時間である500msが経過するまで2速変速段のホー
ルドを強制的に継続することにより、好ましくない2速
変速段→3速変速段のシフトアップを確実に防止するこ
とができる。
【0040】続くステップS3で車両がシフトアップを
行う運転状態にあって変速指令の次回出力が3速変速段
又は4速変速段であれば、ステップS3Aに移行する。
ステップS3Aで、トルクコンバータスリップ率検出手
段M10で検出したトルクコンバータ2のスリップ率e
を102%と比較し、e≧102%であればステップS
3Bでトルクコンバータスリップ率判断フラグF TC
を「1」にセットする。そしてステップS3Cでトルク
コンバータスリップ率判断フラグF TCが「1」にセ
ットされていればステップS17に移行し、「0」にク
リアされていればステップS4に移行する。その意味す
るところを以下に説明する。
【0041】通常路面を高速走行する車両が急制動を行
って駆動輪WFL,WFRがロックした場合、自動変速機T
は1速変速段にシフトダウンされる。この状態から制動
を解除すると、駆動輪WFL,WFRの回転数は路面との間
の摩擦により急激に回復するため、車体速度センサS4
で検出される疑似的な車体速度Vはゼロから急激に立ち
上がる。この現象が氷上発進時における駆動輪WFL,W
FRのスリップと誤認されると2速変速段→3速変速段の
シフトアップが禁止されるため、エンジンEがオーバー
レブする可能性がある。
【0042】そこで、駆動輪WFL,WFRのロック及びロ
ック解除に伴う車体速度Vの急激な立ち上がりを、氷上
発進時における駆動輪WFL,WFRのスリップに伴う車体
速度Vの急激な立ち上がりと区別するために、トルクコ
ンバータ2のスリップ率を利用する。即ち、駆動輪
FL,WFRがロック状態からロック解除状態に移行する
とき、駆動輪WFL,WFR側からエンジンE側への駆動力
の伝達が行われるため、自動変速機入力回転数Nmがエ
ンジン回転数Neを上回り、トルクコンバータ2のスリ
ップ率eが所定値である102%以上になったときに、
駆動輪WFL,WFRがロック状態からロック解除状態に移
行したと判断し、ステップS3CからステップS17に
移行する。その結果、ステップS16における2速変速
段のホールドが実行されなくなり、2速変速段→3速変
速段のシフトアップが許容されてエンジンEのオーバー
レブが防止される。
【0043】さて、前記ステップS4で氷上判断フラグ
F HYJが「1」にセットされていて、車両が路面摩
擦係数の小さい氷上にある場合には、ステップS5〜S
9を経て、ステップS16で変速段が2速変速段にホー
ルドされる。このときアクセルペダルを戻すと2速変速
段のホールドが解除されてしまい、望ましくないシフト
アップが行われてしてしまう問題がある。これを図11
に基づいて説明すると、氷上での発進時にスリップが発
生した状態でアクセルペダルを踏み続けると、推定車体
速度VYSが次第に増加して車体速度Vに接近するた
め、c点においてアクセルペダルを戻したときに、d点
において車体速度Vが推定車体速度VYS以下になって
2速変速段のホールドが解除され、シフトアップが行わ
れてしてしまう問題がある。そこで、氷上判断フラグF
HYJが「1」にセットされた状態でスロットル開度
THが全閉になったとき、2NDホールドキャンセルデ
ィレイタイマーTMHYJGがタイムアップするまで、
2速変速段のホールド解除を抑制することにより望まし
くないシフトアップを回避することができる。
【0044】これをフローチャートに基づいて更に説明
すると、前記ステップS5〜S9において、氷上判断フ
ラグF HYJが「1」にセットされている状態でスロ
ットル開度が全閉になると、2NDホールドキャンセル
ディレイタイマーTMHYJGがセットされる。即ち、
ステップS5でスロットル開度THが全閉でないときに
ステップS6でスロットル全閉判断フラグF THCL
を「1」にセットしておき、ステップS5でスロットル
開度THが全閉になったとき、ステップS7でスロット
ル全閉判断フラグF THCLが「1」であれば、つま
りスロットル開度THが全閉になった瞬間に、ステップ
S8で2NDホールドキャンセルディレイタイマーTM
HYJGをセットするとともに、ステップS9でスロッ
トル全閉判断フラグF THCLを「0」にクリアす
る。
【0045】而して、前記ステップS4で、スリップの
解消により氷上判断フラグF HYJが「0」にクリア
されたとき、続くステップS10で500msが経過し
て前記2NDホールドキャンセルディレイタイマーTM
HYJGがタイムアップするまで、前記ステップS16
で変速段が2速変速段にホールドされ、前記500ms
が経過するまで3速変速段へのシフトアップが抑制され
る。
【0046】さて、前記ステップS4で未だ氷上判断が
行われておらず、従って氷上判断フラグF HYJが
「0」にクリアされた状態にあるとき、氷上でアクセル
ペダルを戻した場合に、望ましくないシフトアップが行
われる可能性がある。即ち、図12において、氷上での
発進に伴って加速度差SPKUが氷上判断定数HPKU
を越え氷上判断タイマーTMAがカウントを開始した
後、その氷上判断タイマーTMAがタイムアップする以
前にe点においてスロットル開度THが低下した場合、
f点において望ましくないシフトアップが発生すること
になる。そこでスロットル開度THの低下と同時に氷上
判断前2NDホールドタイマーTM234Kのカウント
を開始し、その氷上判断前2NDホールドタイマーTM
234Kがタイムアップするまでシフトアップが抑制さ
れる。
【0047】これをフローチャートに基づいて更に説明
すると、ステップS4で氷上判断フラグF HYJが
「0」にクリアされており、ステップS10で2NDホ
ールドキャンセルディレイタイマーTMHYJGがタイ
ムアップしており、且つステップS11で後述する氷上
外2NDホールド判断フラグF SECHLDが「0」
にクリアされた状態において、ステップS12で加速度
差SPKUが氷上判断定数HPKU以下であってスリッ
プが発生していないか、或いはステップS13でスロッ
トル開度THの戻し量が小さいか(例えば、8分の3開
度以下)であれば、ステップS17,S18を経てリタ
ーンすることにより、ステップS16よる2速変速段の
ホールドは実行されない。
【0048】しかしながら、ステップS13で加速度差
SPKUが氷上判断定数HPKUを越えていてスリップ
が発生しており、且つステップS14でスロットル開度
THの戻し量が大きい場合には、ステップS14で氷上
外2NDホールド判断フラグF SECHLDを「1」
にセットした後に、ステップS15で氷上判断前2ND
ホールドタイマーTM234Kがタイムアップするま
で、ステップS16で2速変速段にホールドされる。
【0049】次回のループでは、ステップS11で既に
氷上外2NDホールド判断フラグF SECHLDが
「1」にセットされているのでステップS19に移行
し、ステップS19で加速度差SPKUが氷上判断定数
HPKUを越えていてスリップが発生しており、且つス
テップS20でスロットル開度THの戻し量が大きい状
態にある間、ステップS21でその都度氷上判断前2N
DホールドタイマーTM234Kがセットされる。そし
てステップS19で加速度差SPKUが氷上判断定数H
PKU以下になるか、或いはステップS20でスロット
ル開度THの戻し量が小さくなれば、ステップS15で
氷上判断前2NDホールドタイマーTM234Kがカウ
ントを開始し、それがタイムアップするとステップS1
8に移行して氷上外2NDホールド判断フラグF SE
CHLDが「0」にクリアされ、2速変速段のホールド
が解除される。
【0050】ところで、1/8以下のスロットル開度T
Hでは、氷上における加速度と通常路面における加速度
との間に大差がないため、図13に示すように車体速度
Vのラインと推定車体速度VYSのラインとが接近する
ことになり、g点で両ラインが交差して望ましくない2
速変速段のホールド解除が発生する場合がある。そこ
で、図7のフローチャートのステップS78で説明した
ように、スロットル開度THが0.6/8未満の低スロ
ットル開度時には推定車体速度VYSの算出を行わず、
推定車体速度VYSをスリップ開始時の車体速度である
0 に固定することにより、望ましくないシフトアップ
を回避することができる。
【0051】さて、自動変速機Tの回転部材の回転数に
基づいて車体速度Vを検出する車体速度センサS3 は、
前記回転部材の回転方向(つまり車両が前進走行中であ
るか後進走行中であるか)を識別することができない。
そのため、高速で後進走行している状態でRレンジから
Dレンジに切り換えると、1速変速段が確立されずに3
速変速段や4速変速段が確立されてしまう可能性があ
る。そこで、図14に示すようにRレンジからDレンジ
への切換時に3RD,4TH禁止タイマーTMRDHY
Jをスタートさせ、所定時間(例えば、2sec)3速
変速段又は4速変速段のシフトアップが禁止される。
【0052】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0053】例えば、スロットル開度THに代えてアク
セルペダルの操作量であるアクセル開度を用いることが
できる。
【0054】また図6及び図7のフローチャートにおい
て、加速度差SPKUの算出或いは推定車体速度VYS
の算出に比mapを用いているが、それぞれの変速段に
対応するGmapを用いれば前記比mapは不要であ
る。
【0055】また推定車体速度VYSを算出する際に、
自動変速機Tのトルクコンバータ2のスリップによるト
ルク増幅作用を考慮して路面への伝達トルクを算出し、
この伝達トルクに基づいて推定車体速度VYSを補正す
れば、更に精度の高い制御を行うことができる。
【0056】またエンジン回転数Neがアイドル回転数
よりも高い状態でNレンジからDレンジ等の前進走行レ
ンジにシフトした場合に、一瞬の間だけ3速変速段を確
立した後に1速変速段を確立することにより変速ショッ
クを軽減する制御(インギヤスコート制御)を行う場合
には、本実施例は適用されない。即ち、インギヤスコー
ト制御による3速変速段へのシフトアップは通常どおり
実行される。
【0057】またステップS2Bにおいて1速変速段→
2速変速段のシフトアップ中にスリップが発生したか否
かを判断するための基準時間として、実施例ではステッ
プS1における氷上判断に要する時間である320ms
を採用しているが、前記基準時間は必ずしも氷上判断に
要する時間と等しく設定する必要はない。
【0058】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載された発
明によれば、自動変速機のシフトアップ中にスリップが
発生すると、そのシフトアップの完了後に更なるシフト
アップが連続して行われるため、上述した変速禁止手段
による変速禁止制御が間に合わなくなり、前記更なるシ
フトアップが実行される可能性がある。しかしながら、
変速時間計測手段が計測した自動変速機のシフトアップ
に要する時間が第1の所定時間よりも短いときに、その
シフトアップ中にスリップが発生したと判断し、変速禁
止手段は、スリップ状態判定手段による通常のスリップ
状態の判定を待つことなく、自動変速機の更なるシフト
アップを第2の所定時間だけ禁止するので、好ましくな
いシフトアップの実行を確実に回避することができる。
【0059】また請求項2に記載された発明によれば、
スリップ状態の解消時に変速禁止手段による変速禁止が
的確に解除されるので、スリップ状態が解消された後に
変速禁止が継続されたり、スリップ状態が解消される前
に変速禁止が解除されることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用自動変速機の制御装置を備えた車両の全
体構成図
【図2】制御系のブロック図
【図3】メインルーチンのフローチャートの第1分図
【図4】メインルーチンのフローチャートの第2分図
【図5】氷上判断ルーチンのフローチャート
【図6】加速度差算出ルーチンのフローチャート
【図7】推定車体速度算出ルーチンのフローチャート
【図8】スリップによる2速変速段ホールド開始を説明
するタイムチャート
【図9】スリップ収束による2速変速段ホールド解除を
説明するタイムチャート
【図10】スロットル全閉による2速変速段ホールド解
除を説明するタイムチャート
【図11】2NDホールドキャンセルディレイタイマー
TMHYJGによる2速変速段ホールド解除抑制を説明
するタイムチャート
【図12】氷上判断前2NDホールドタイマーTM23
4Kによる2速変速段ホールド解除抑制を説明するタイ
ムチャート
【図13】低スロットル開度時の2速変速段ホールド解
除抑制を説明するタイムチャート
【図14】RレンジからDレンジにシフトした場合の作
用を説明するタイムチャート
【符号の説明】
M1 変速制御手段 M2 スリップ状態判定手段 M3 変速禁止手段 M4 平坦路走行時車体加速度算出手段 M5 経過時間計測手段 M6 推定車体速度算出手段 M7 スリップ状態解消判定手段 M8 変速禁止解除手段 M9 変速時間計測手段 S3 車体速度センサ(車体速度検出手段) T 自動変速機 TH スロットル開度 V 車体速度 VYS 推定車体速度 ΔVYS 車体速度変化量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古田 武男 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 中内 則男 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−185608(JP,A) 特開 平5−112162(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/00 - 61/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の運転状態に応じて自動変速機
    (T)の変速段を切り換える変速制御手段(M1)と、 自動変速機(T)の回転部材の回転速度に基づいて車体
    速度(V)を検出する車体速度検出手段(S3 )と、 車体速度検出手段(S3 )により検出された車体速度
    (V)の変化率に基づいて車両のスリップ状態を判定す
    るスリップ状態判定手段(M2)と、 スリップ状態判定手段(M2)によりスリップ状態が判
    定されたときに変速制御手段(M1)による自動変速機
    (T)の変速を禁止する変速禁止手段(M3)と、を備
    えた車両用自動変速機の制御装置において、 自動変速機(T)のシフトアップに要する時間を計測す
    る変速時間計測手段(M9)を設け、前記変速禁止手段
    (M3)は、変速時間計測手段(M9)により計測され
    た時間が第1の所定時間よりも短いときに自動変速機
    (T)の更なるシフトアップを第2の所定時間だけ禁止
    することを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 スリップ状態判定手段(M2)によりス
    リップ状態が判定されたときの変速段について、スロッ
    トル開度(TH)又はアクセル開度と車体速度検出手段
    (S3 )により算出された車体速度(V)とから平坦路
    における車体加速度を算出する平坦路走行時車体加速度
    算出手段(M4)と、 スリップ状態判定手段(M2)によりスリップ状態が判
    定されたときからの経過時間を計測する経過時間計測手
    段(M5)と、 平坦路走行時車体加速度算出手段(M4)により算出さ
    れた車体加速度と経過時間計測手段(M5)により計測
    された経過時間とから該経過時間に対応する車体速度変
    化量(ΔVYS)を算出し、この車体速度変化量(ΔV
    YS)をスリップ状態判定手段(M1)によりスリップ
    状態が判定されたときの車体速度(V)とから推定車体
    速度(VYS)を算出する推定車体速度算出手段(M
    6)と、 車体速度検出手段(S3 )により検出された車体速度
    (V)と推定車体速度算出手段(M6)により算出され
    た推定車体速度(VYS)とを比較することによりスリ
    ップ状態の解消を判定するスリップ状態解消判定手段
    (M7)と、 スリップ状態解消判定手段(M7)によりスリップ状態
    の解消が判定されたときに変速禁止手段(M3)による
    変速禁止を解除する変速禁止解除手段(M8)と、を備
    えたことを特徴とする、請求項1に記載の車両用自動変
    速機の制御装置。
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