JP3098895B2 - 液体用容器 - Google Patents

液体用容器

Info

Publication number
JP3098895B2
JP3098895B2 JP15670493A JP15670493A JP3098895B2 JP 3098895 B2 JP3098895 B2 JP 3098895B2 JP 15670493 A JP15670493 A JP 15670493A JP 15670493 A JP15670493 A JP 15670493A JP 3098895 B2 JP3098895 B2 JP 3098895B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
density
temperature
haze
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP15670493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07125738A (ja
Inventor
孝二 山本
佳子 七條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP15670493A priority Critical patent/JP3098895B2/ja
Publication of JPH07125738A publication Critical patent/JPH07125738A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3098895B2 publication Critical patent/JP3098895B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体用容器に関する。詳
しくは、日本薬局方に適合し、透明性、ヒートシール強
度、耐熱性、耐寒性、低温、常温時柔軟性、耐衝撃性、
耐屈曲性等に優れた、輸液、血液等を入れる医療用液体
用あるいは各種飲料等の食品用液体用容器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】医療用液体を保存、収容する為の容器材
料としては、従来はガラスが大量に使用されてきた。こ
れに代わる材料として、プラスチック容器が登場し、現
在、点眼剤、内服液剤、血液バッグ、輸血セット、輸液
用注射液等の容器材料として使用されている。このプラ
スチック容器の材料は従来、ポリ塩化ビニルが代表的な
例であり、日本薬局方にその容器の規定が設けられてい
る。このポリ塩化ビニルは、柔軟性を付与するために添
加される可塑剤などの添加成分を多量に含むため、これ
らが内容液剤、血液等へ溶出するなどの問題があった。
これらの問題を解決するために、エチレン・酢酸ビニル
共重合体を使用した輸液バッグの開発がなされたが、こ
の場合、強度が不足するために、電子線架橋の設備など
が必要となり、コストが高くなってしまうために改良が
要求されていた。その後開発された超低密度ポリエチレ
ンは、強度は改善されるがフィルム表面のベタつきが多
くなってしまい、実用には供し難い面があった。同様
に、食品用の分野においても安全・衛生面の要求を満た
し、諸物性に優れた材料を用いた液体用容器の出現が望
まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決し、日本薬局方に適合し、透明性、ヒート
シール強度、耐熱性、耐寒性、低温、常温時柔軟性、耐
衝撃性、耐屈曲性等に優れた液体用容器を得ることにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定のエチレン・
α−オレフィン共重合体を使用することにより本発明の
目的が解決されることを見いだし、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記(1)〜(7)の性状を有するメ
タロセン触媒を用いて製造したエチレンと炭素数4以上
のα−オレフィンとの共重合体を成形してなることを特
徴とする液体用容器である。 (1)メルトフローレート(MFR)が0.1〜50g
/10分、 (2)密度が0.915g/cm3以下、 (3)ヘイズ(HAZE)が30%以下、 (4)ASTM D747による曲げ弾性率(柔軟性)
が2500kg/cm2以下、 (5)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が
0.1重量%以下、 (6)温度上昇溶離分別(TREF)における溶出曲線
のピークが1つ以上存在し、主ピークの温度が100℃
以下であり、該主ピークの1/2高さをHとし、1/2
高さの幅をWとしたときのH/Wが1以上、 (7)温度上昇溶離分別(TREF)による測定で、5
0℃における溶出量が下記条件を満たす: (A)密度(D)が0.91g/cm3未満であるとき、 Y(%)≦−4500D+4105 (ただし、Y≦1
00)、 好ましくは、 Y(%)≦−4650D+4238 (ただし、Y≦1
00)、 (B)密度(D)が0.91g/cm3以上であるとき、 Y(%)≦10、好ましくは、 Y(%)≦7。
【0005】また本発明は、下記成分A及びBを含有
し、且つ(a)〜(d)の性状を有する組成物を成形し
てなることを特徴とする液体用容器をも提供するもので
ある。 (a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜30g
/10分、 (b)ヘイズ(HAZE)が50%以下、 (c)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が
0.1重量%以下、 (d)メルトテンション(MT)が1.0g以上、 (成分A):下記(1)〜(7)の性状を有するメタロ
セン触媒を用いて製造したエチレンと炭素数4以上のα
−オレフィンとの共重合体 50〜99重量%、 (1)メルトフローレート(MFR)が0.1〜50g
/10分、 (2)密度が0.915g/cm3以下、 (3)ヘイズ(HAZE)が30%以下、 (4)ASTM D747による曲げ弾性率(柔軟性)
が2500kg/cm2以下、 (5)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が
0.1重量%以下、 (6)温度上昇溶離分別(TREF)における溶出曲線
のピークが1つ以上存在し、主ピークの温度が100℃
以下であり、該主ピークの1/2高さをHとし、1/2
高さの幅をWとしたときのH/Wが1以上、 (7)温度上昇溶離分別(TREF)による測定で、5
0℃における溶出量が下記条件を満たす: (A)密度(D)が0.91g/cm3未満であるとき、 Y(%)≦−4500D+4105 (ただし、Y≦1
00)、 好ましくは、 Y(%)≦−4650D+4238 (ただし、Y≦1
00)、 (B)密度(D)が0.91g/cm3以上であるとき、 Y(%)≦10、好ましくは、 Y(%)≦7、 (成分B):下記(1)〜(4)の性状を有するエチレ
ン系重合体 1〜50重量%、 (1)メルトフローレート(MFR)が0.1〜20g
/10分、 (2)密度が0.88〜0.935g/cm3、 (3)メモリーエフェクト(ME)が1.3以上、 (4)メルトテンション(MT)が1.0g以上。
【0006】
【発明の具体的な説明】
[1]構成成分 (1) エチレン・α−オレフィン共重合体(成分A) (a) 性状 本発明の液体用容器の材料として用いるエチレン・α−
オレフィン共重合体は、以下の物性を有することが重要
である。 メルトフローレート(MFR) 該共重合体のMFRは、0.1〜50g/10分、好ま
しくは0.5〜30g/10分、特に好ましくは1〜1
5g/10分である。MFRが高すぎると、低温での強
度が不足し好ましくない。MFRが低すぎると、押出が
困難となるので好ましくない。
【0007】 密度 該共重合体の密度は、0.915g/cm3以下、好ましく
は0.910g/cm3以下、特に好ましくは0.905g
/cm3以下である。密度が高すぎると透明性、柔軟性が
劣ってくるため好ましくない。
【0008】 ヘイズ(HAZE) 該共重合体は、圧縮成形(プレス成形:JIS K67
60の試験片の作成に準拠)にて、厚さ2mmのプレスシ
ートを成形し、JIS K7105によるHAZEを測
定したときの値が30%以下、好ましくは20%以下、
特に好ましくは15%以下である。HAZEが上記範囲
よりも大きいと、成形後の容器の透視度が劣り好ましく
ない。
【0009】 柔軟性 該共重合体は、ASTM D747による曲げ弾性率が
2500kg/cm2以下、好ましくは2000kg/cm2
下、特に好ましくは1000kg/cm2以下である。曲げ
弾性率が大きいと柔軟性、耐屈曲性などが劣り好ましく
ない。
【0010】 強熱試験による残分 該共重合体は、日本薬局方に規定されている強熱残分試
験法による残分が0.1重量%以下である。
【0011】さらに、該共重合体は、下記の測定方法で
与えられる温度上昇溶離分別(TREF)における溶出
曲線のピークが1つ以上、好ましくは1つ存在し、主ピ
ークの温度が100℃以下、好ましくは85℃以下、特
に好ましくは75℃以下であり、該主ピークの1/2高
さをHとし、1/2高さの幅をWとしたときのH/Wが
1以上、好ましくは1〜20、特に好ましくは1〜1
5、最も好ましくは1〜10であるものが、より好まし
い。また、該共重合体は、温度上昇溶離分別(TRE
F)による測定で、50℃における溶出量が下記条件を
満たすことが好ましい。 1)密度(D)が0.91g/cm3未満であるとき: Y(%)≦−4500 D+4105(但し、Y≦10
0)、好ましくはY(%)≦−4650 D+4238
(但し、Y≦100) 2)密度(D)が0.91g/cm3以上であるとき: Y(%)≦10、好ましくは、Y(%)≦7
【0012】温度上昇溶離分別(TREF)の測定方法 TREFの測定方法は、Journal of Applied Polymer S
cience. Vol.26, 2417-4231(1981)、高分子討論会予稿
集 2P1C09 (昭和63年)等の文献に記載されている
原理に基づいて実施される。すなわち、まず対象とする
ポリエチレンを溶媒中で一度完全に融解する。その後冷
却し、不活性担体表面に薄いポリマー相を形成させる。
次に温度を連続または階段状に昇温する事により、ま
ず、低温度では対象ポリエチレン組成中の非晶部分、す
なわち、ポリエチレンの持つ短鎖分岐の分岐度の多いも
のから溶出する。溶出温度が上昇すると共に、徐々に分
岐度の少ないものが溶出し、ついには分岐の無い直鎖状
の部分が溶出し、測定は終了する。この各温度での溶出
成分の濃度を検出し、その溶出量と溶出温度によって描
かれるグラフによって、ポリマーの組成分布を見ること
ができるものである。
【0013】(b)共重合体の製造 本発明で使用されるエチレン・α−オレフィン共重合体
は、例えば特開昭58−19309号、同59−952
92号、60−35006号、同60−35007
号、同60−35008号、同60−35009号、同
61−130314号、特開平3−163088号の各
公報、ヨーロッパ特許出願公開第420436号明細
書、及び国際公開公報WO91/04257号明細書等
に記載されているメタロセン触媒、特にメタロセンとア
ルモキサンからなる触媒、または、例えば、国際公開公
報WO92/01723号等に開示されているようなメ
タロセン化合物と、以下に述べるメタロセン化合物と反
応して安定なアニオンとなる化合物からなる触媒を使用
して、主成分のエチレンと従成分のα−オレフィンとを
共重合することにより製造することができる。
【0014】上述のメタロセン化合物と反応して安定な
アニオンとなる化合物とは、カチオンとアニオンのイオ
ン対から形成されるイオン性化合物あるいは親電子性化
合物であり、メタロセン化合物と反応して安定なイオン
となって重合活性種を形成するものである。このうち、
イオン性化合物は下記式(I)で表される。 [Q]m+[Y]m- (I) Qはイオン性化合物のカチオン成分であり、カルボニウ
ムカチオン、トロビリウムカチオン、アンモニウムカチ
オン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、
ホスホニウムカチオン等が挙げられ、更には、それ自身
が還元され易い金属の陽イオンや有機金属の陽イオンな
ども挙げられる。これらのカチオンは特表平1−501
950号公報などに開示されているようなプロトンを与
えることができるカチオンだけでなく、プロトンを与え
ないカチオンでも良い。これらのカチオンの具体例とし
ては、トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニ
ウム、シクロヘプタトリエニウム、インデニウム、トリ
エチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリ
ブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、
ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウ
ム、トリフェニルホスホニウム、トリメチルホスホニウ
ム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリ(メ
チルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウ
ム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウ
ム、ピリリウム、また、銀イオン、金イオン、白金イオ
ン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイ
オンなどが挙げられる。
【0015】また、Yはイオン性化合物のアニオン成分
であり、メタロセン化合物と反応して安定なアニオンと
なる成分であって、有機ホウ素化合物アニオン、有機ア
ルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオ
ン、有機リン化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオ
ン、有機アンチモン化合物アニオンなどが挙げられ、具
体的にはテトラフェニルホウ素、テトラキス(3,4,
5−トリフルオロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,
5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ素、テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、テトラフェ
ニルアルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフル
オロフェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ
(トリフルオロメチル)フェニル)アルミニウム、テト
ラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)アルミニ
ウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミニ
ウム、テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,4,
5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス
(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ガリウ
ム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)
ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリ
ウム、テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)リン、テトラフェニルヒ素、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ヒ素、テトラフェニルアン
チモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチ
モン、デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカ
ボレート、デカクロロデカボレート等が挙げられる。ま
た、親電子性化合物としては、ルイス酸化合物として知
られるもののうち、メタロセン化合物と反応して安定な
アニオンとなって重合活性種を形成する物であり、種々
のハロゲン化金属化合物や固定酸として知られている金
属酸化物などが挙げられる。具体的には、ハロゲン化マ
グネシウムやルイス酸性無機酸化物などが例示される。
【0016】エチレンとα−オレフィンとを共重させる
方法としては、気相法、スラリー法、溶液法、高圧イオ
ン重合法等を挙げることができる。これらの中では、溶
液法、高圧イオン重合法が好ましく、本発明の効果が大
きく発揮される点で高圧イオン重合法が特に好ましい。
なお、この高圧イオン重合法とは、特開昭56−186
07号、特開昭58−225106号各公報に記載され
ている、圧力が200kg/cm2以上、好ましくは300
〜2000kg/cm2、温度が125℃以上、好ましくは
130〜250℃、特に好ましくは150〜200℃の
反応条件下にて行われるエチレン系重合体の連続的製造
法である。
【0017】エチレンと共重合されるα−オレフィン
は、炭素数4以上のα−オレフィンであり、例えば、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−ヘプテン、4−メチルペンテン−1、4−メチ
ルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1、オク
タデセン等が挙げられる。これらの中で好ましくは炭素
数4〜18、特に好ましくは炭素数4〜12、最も好ま
しくは炭素数6〜10の1種又は2種以上のα−オレフ
ィン2〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、特に
好ましくは10〜30重量%と、エチレン40〜98重
量%、好ましくは50〜95重量%、特に好ましくは7
0〜90重量%とを共重合させるのが好ましい。
【0018】(2) エチレン系重合体(成分B) (a) 性状 本発明で使用される樹脂組成物の構成成分の1つである
エチレン系重合体は、以下の物性を示すことが重要であ
る。 MFR 該エチレン系重合体のMFRは、0.1〜20g/10
分、好ましくは0.3〜10g/10分、特に好ましく
は0.5〜5g/10分である。MFRが高すぎると、
成形安定性が劣り好ましくない。MFRが低すぎると、
押出が困難となり好ましくない。 密度 該エチレン系重合体の密度は、0.88〜0.935g/
cm3、好ましくは0.90〜0.93g/cm3、特に好まし
くは0.905〜0.925g/cm3である。密度が高す
ぎると、透明性、柔軟性が劣り好ましくない。密度が低
すぎると、ベタつき成分が多くなり衛生上好ましくな
い。 メモリーエフェクト(ME) 該エチレン系重合体のMEは、1.3以上、好ましくは
1.6以上、特に好ましくは1.8以上、最も好ましくは
2.0以上である。MEが小さすぎると、成形安定性が
劣り好ましくない。 メルトテンション(MT) 該エチレン系重合体のMTは、1.0g以上、好ましく
は1.5g以上、特に好ましくは2.5g以上、最も好ま
しくは5g以上である。MTが小さすぎると、成形安定
性が劣り好ましくない。
【0019】(b) 具体例 上記エチレン系重合体の具体例としては、ポリエチレ
ン、成分A以外のエチレン・α−オレフィン共重合体、
高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレ
ン・α−オレフィン・ジエン共重合体など、エチレンを
基本モノマーとして重合されたものの中から、上記の性
状を有するものを適宜選択することが出来るが、好まし
くは高圧法低密度ポリエチレンであり、中でも好ましく
は、反応温度220℃以上、反応圧力1700kg/cm2
以下で、オートクレーブ法で製造した高圧法低密度ポリ
エチレンを使用することが好ましい。
【0020】[2]成分Aおよび成分B含有組成物 (1) 配合割合 上記成分Aおよび成分Bを含有する樹脂組成物における
各成分の配合割合は、成分A:成分B=50:50〜9
9:1重量%、好ましくは60:40〜95:5重量
%、特に好ましくは70:30〜90:10重量%であ
る。本発明で使用される重合体成分には、一般的に用い
られている補助添加成分、例えば、熱安定剤、酸化防止
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、アンチブ
ロッキング剤、防曇剤、着色剤などを配合しても良い。
【0021】(2) 組成物の性状 MFR 本発明に使用される組成物のMFRは、0.1〜30g
/10分、好ましくは0.5〜10g/10分、特に好
ましくは1〜5g/10分である。MFRが高すぎる
と、耐衝撃性などが劣り好ましくない。MFRが低すぎ
ると、成形時の押出が困難となり好ましくない。 ヘイズ(HAZE) 該組成物のHAZEは、50%以下、好ましくは30%
以下、特に好ましくは20%以下である。HAZEが大
きいと、内容物がはっきり識別できず、実用性が少なく
なり好ましくない。 強熱試験による残分 該組成物は、日本薬局方に規定されている強熱残分試験
法による残分が0.1重量%以下である。 メルトテンション(MT) 該組成物のMTは、1.0g以上、好ましくは1.5g以
上、特に好ましくは2.5g以上である。MTが小さす
ぎると、成形が不安定となり好ましくない。
【0022】[3]液体用容器 本発明の液体用容器の成形は通常の方法で行うことがで
きる。一般的には、空冷インフレーション成形、水冷イ
ンフレーション成形、Tダイ成形、ブロー成形等によ
り、厚さ30〜800μm、好ましくは50〜300μ
mの液体用容器を製造するのが好ましい。例えば、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体を用いた場合は、空冷インフ
レーション成形または水冷インフレーション成形で所定
の容器を製造し、これに電子線照射を施し、当該目的の
容器を得ることができる。本発明の液体用容器の具体例
を挙げれば、輸液バッグ、輸液ボトル、血液輸送バッ
グ、血液凍結バッグ、人工透析用輸バッグ等の医療用液
体用容器や、各種飲料、濃縮飲料等の食品用液体用容器
等である。
【0023】
【実施例】以下に本発明の実施例を記載し、本発明の具
体的に説明する。実施例及び比較例に用いられる測定方
法は次の通りである。 (1) MFR:JIS K7210に準拠 (2) 密度:JIS K7112に準拠 (3) ME:JIS K7210で使用されるメルトイン
デクサーを使用し、測定条件はシリンダー温度240
℃、定速押出量3g/分とする。装置にサンプルを充填
し、ピストンのみを乗せ、6分後に規定の押出速度をか
ける。次に、エチルアルコールをいれたメスシリンダー
をオリフィス直下に置き、真っ直ぐな押出し物を採取す
る。採取した押出物の直径(D)をマイクロメーターで
測定し、ダイスのオリフィス径をD0とし、次式により
MEを求める。 ME=D/D0 (4) MT:東洋精機製キャピログラフ1−Bにて、試験
温度190℃、押出速度1cm/分で、押し出された樹脂
を引き取る際の引取速度を徐々に速くして樹脂フィラメ
ントがせん断したときの応力とする。
【0024】(5) 溶出曲線:TREFを以下の条件にて
測定を行なった。 機種:三菱油化製 CFC T150A 溶媒:o−ジクロロベンゼン 流速:1ml/分 測定濃度:4mg/ml 注入量:0.4ml カラム:昭和電工 AD80M/S 3本 冷却速度:1℃/分作図、H/Wの求め方 :溶出曲線の作図は、まず、各溶
出温度における溶出物の重量分率を積分し、積分溶出量
を求める。横軸に溶出温度、縦軸に積分溶出量をプロッ
トし、積分溶出曲線を作成する。この積分溶出曲線を温
度で微分し、微分溶出量を求める。次に横軸に溶出温
度、縦軸に微分溶出量をプロットし、微分溶出曲線を作
成する。この微分溶出曲線のピーク高さを1/2高さの
幅で除した値H/Wとする。この微分溶出曲線の作図
は、横軸を溶出温度100℃当たり89.3mm、縦軸を
微分量0.1当たり76.5mmで行なった。 (6) HAZE:JIS K7105に準拠 (7) 曲げ弾性率:ASTM D747に準拠 (8) 引張弾性率:ISO R1184に準拠 (9) 強熱残分試験:日本薬局方 一般試験法に準拠
【0025】(10) ビカット軟化点温度:JIS K72
06に準拠 (11) 脆化温度:電通研法に準拠(ノッチ深さ:0.3
mm) (12) 300gヒートシール温度:東洋精機製熱盤式ヒ
ートシーラーにて、シール圧力2kg/cm2、シール時間1
秒でヒートシールし、引張試験機にてヒートシール強度
を測定する。このヒートシール強度が300g/15m
m得られる温度を300gヒートシール温度とする。 (13) DDI(ダートドロップインパクト):JIS Z
1707に準拠 (14) 味、臭い官能値:フィルム1組を3方シールし、
純水を充填し、トップシールしてサンプルとする。これ
を60℃ギヤーオーブン中で24時間放置する。放置後
シールを破り、純水を三角フラスコに移し、これをサン
プルとして官能試験を行う。 官能値 0:無臭(又は無味) 1:やっと感じる 2:感じられる(何の臭い(又は味)かわかる) 3:かなり臭う(又は味がする)(楽に感じる) 4:強く臭う(又は味がする) 5:激しく臭う(又は味がする)(耐えられない程強
い) 10人のサンプラーの官能値の平均値を求めたところ表
1のとおりであった。
【0026】実施例1 (1)エチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法 触媒の調製は、特開昭61−130314号公報に記載
された方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス
(4、5、6、7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストウファー
製メチルアルモキサンを上記錯体に対し1000モル倍
加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液を調
製し、以下の方法で重合を行なった。内容積1.5リッ
トルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレン
と1−ヘキセンとの混合物を1−ヘキセンの組成が80
重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1000
kg/cm2に保ち、150℃の温度で反応を行なった。反
応終了後、MFRが3.5g/10分、密度が0.900g
/cm3、TREF溶出曲線のピークが1つであり、ピー
ク温度が57℃であり、該ピークのH/Wが3であるエ
チレン・1−ヘキセン共重合体を得た。
【0027】(2)エチレン系重合体の製造 エチレンを反応温度260℃、反応圧力1500kg/cm
2で、オートクレーブ法で重合した。反応終了後、MF
Rが4g/10分、密度が0.92g/cm3、MTが9.8
g、MEが2.5のポリエチレンを得た。
【0028】(3)重合体の配合、成形及びその評価 上記成分Aと成分Bを成分A:成分B=90:10重量
%で配合し、40mmφ単軸押出機で成形温度160℃に
て造粒し、ペレット状の樹脂組成物を得た。該組成物の
ビカット軟化点温度、脆化温度を測定し、次いでこのペ
レットを用いて以下の条件でTダイフィルム成形を行
い、このフィルムについて300gヒートシール強度、
DDI、HAZE、引張弾性率の評価を行なった。さら
に、このフィルム1組を3方シールし、内容物(純水)
を充填し、トップシールすることによりモデルサンプル
を得た。これについて、味、臭いの評価を行った。評価
の結果は表1に示す通りである。 (成形条件)機種:プラコー35mmφTダイ成形機 成形温度:250℃ フィルム厚み:100μm
【0029】
【表1】
【0030】実施例2および比較例1 成分A及び成分Bとして表に示す物性のものを使用した
以外は実施例1と同様に成形し、評価した。評価の結果
は表1に示すとおりである。
【0031】
【発明の効果】本発明の液体用容器は、日本薬局方に適
合し、透明性、ヒートシール強度、耐熱性、耐寒性、低
温、常温時柔軟性、耐衝撃性、耐屈曲性等に優れるた
め、医療用液体用容器、あるいは食品用液体用容器等の
用途に好適であり、工業上有用である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 1/09 A61J 1/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)〜(7)の性状を有するメタ
    ロセン触媒を用いて製造したエチレンと炭素数4以上の
    α−オレフィンとの共重合体を成形してなることを特徴
    とする液体用容器 (1)メルトフローレート(MFR)が0.1〜50g
    /10分 (2)密度が0.915g/cm3以下 (3)ヘイズ(HAZE)が30%以下 (4)ASTM D747による曲げ弾性率(柔軟性)
    が2500kg/cm2以下 (5)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が
    0.1重量%以下 (6)温度上昇溶離分別(TREF)における溶出曲線
    のピークが1つ以上存在し、主ピークの温度が100℃
    以下であり、該主ピークの1/2高さをHとし、 1/2高さの幅をWとしたときのH/Wが1以上、 (7)温度上昇溶離分別(TREF)による測定で、5
    0℃における溶出量が下記条件を満たす: (A)密度(D)が0.91g/cm 3 未満であるとき、 Y(%)≦−4500D+4105 (ただし、Y≦1
    00)、 好ましくは、 Y(%)≦−4650D+4238 (ただし、Y≦1
    00)、 (B)密度(D)が0.91g/cm 3 以上であるとき、 Y(%)≦10、好ましくは、 Y(%)≦7。
  2. 【請求項2】 下記成分A及びBを含有し、且つ(a)
    〜(d)の性状を有する組成物を成形してなることを特
    徴とする液体用容器 (a)メルトフローレート(MFR)が0.1〜30g
    /10分 (b)ヘイズ(HAZE)が50%以下 (c)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が
    0.1重量%以下 (d)メルトテンション(MT)が1.0g以上 :下記(1)〜(7)の性状を有するメタロ
    セン触媒を用いて製造したエチレンと炭素数4以上のα
    −オレフィンとの共重合体 50〜99重量%、 (1)メルトフローレート(MFR)が0.1〜50g
    /10分 (2)密度が0.915g/cm3以下 (3)ヘイズ(HAZE)が30%以下 (4)ASTM D747による曲げ弾性率(柔軟性)
    が2500kg/cm2以下 (5)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が
    0.1重量%以下 (6)温度上昇溶離分別(TREF)における溶出曲線
    のピークが1つ以上存在し、主ピークの温度が100℃
    以下であり、該主ピークの1/2高さをHとし、1/2
    高さの幅をWとしたときのH/Wが1以上、 (7)温度上昇溶離分別(TREF)による測定で、5
    0℃における溶出量が下記条件を満たす: (A)密度(D)が0.91g/cm 3 未満であるとき、 Y(%)≦−4500D+4105 (ただし、Y≦1
    00)、 好ましくは、 Y(%)≦−4650D+4238 (ただし、Y≦1
    00)、 (B)密度(D)が0.91g/cm 3 以上であるとき、 Y(%)≦10、好ましくは、 Y(%)≦7、 成分B:下記(1)〜(4)の性状を有するエチレ
    ン系重合体 1〜50重量%、 (1)メルトフローレート(MFR)が0.1〜20g
    /10分 (2)密度が0.88〜0.935g/cm3、 (3)メモリーエフェクト(ME)が1.3以上、 (4)メルトテンション(MT)が1.0g以上
JP15670493A 1993-06-28 1993-06-28 液体用容器 Expired - Lifetime JP3098895B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15670493A JP3098895B2 (ja) 1993-06-28 1993-06-28 液体用容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15670493A JP3098895B2 (ja) 1993-06-28 1993-06-28 液体用容器

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36295598A Division JP3242891B2 (ja) 1998-12-21 1998-12-21 液体用容器の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07125738A JPH07125738A (ja) 1995-05-16
JP3098895B2 true JP3098895B2 (ja) 2000-10-16

Family

ID=15633519

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15670493A Expired - Lifetime JP3098895B2 (ja) 1993-06-28 1993-06-28 液体用容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3098895B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0902072A1 (en) * 1997-09-11 1999-03-17 The Procter & Gamble Company Stress crack resistant closure
ES2224651T3 (es) * 1998-04-02 2005-03-01 Novartis Ag Metodo para estabilizar composiciones farmaceuticas por medio del uso especial de un antioxidante.
EP1592382B1 (en) 2003-02-12 2008-04-23 Hosokawa Yoko Co., Ltd. Medical container
JP6311562B2 (ja) 2013-10-10 2018-04-18 東ソー株式会社 ポリエチレン樹脂組成物、それよりなる積層体およびこの積層体を用いた医療容器
CN105764798B (zh) 2013-11-27 2018-07-10 京洛株式会社 层叠剥离容器
JP7310445B2 (ja) 2018-09-12 2023-07-19 東ソー株式会社 ポリエチレン樹脂組成物、積層体および医療容器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07125738A (ja) 1995-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0600482B1 (en) Resin composition for laminates
JP2978387B2 (ja) ラミネート用樹脂組成物
EP0605831A1 (en) Filler-containing resin composition and stretched films using same
JP4844091B2 (ja) プロピレン系樹脂組成物およびそのフィルム
JPH07502220A (ja) 極低密度エチレンコポリマーを含有するヒートシール可能なポリオレフィンフイルム
EP0614938B1 (en) Resin composition for injection molding
JP3098895B2 (ja) 液体用容器
JP3142272B2 (ja) 積層体
JP2980876B2 (ja) フィルム
JP3242891B2 (ja) 液体用容器の製造法
EP0679685B1 (en) Resin composition for extruded forms
JP3498242B2 (ja) 積層体の製造方法
JP3921245B2 (ja) 押出成形体用樹脂組成物
JP4020333B2 (ja) 押出成形体用樹脂組成物
JPH10259276A (ja) 樹脂組成物およびパッキング材
JPH07292174A (ja) ラミネート用樹脂組成物
JPH09501720A (ja) 弾性があって実質的に線状であるオレフィンポリマー類から作られるガスケット
JPH1036583A (ja) ポリエチレン組成物
JP3732283B2 (ja) 共押出成形フィルム及び食品包装袋
JP3279987B2 (ja) ラミネートフィルム
JP2000129005A (ja) 易引裂性フィルム
JP3003996B2 (ja) 積層フィルム
JP2999344B2 (ja) エチレン系樹脂組成物
JP3833350B2 (ja) 中空成形用ポリエチレン樹脂組成物
JP3839929B2 (ja) 色相の改良された樹脂組成物及び該組成物からなるフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080811

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080811

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090811

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090811

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100811

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110811

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110811

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120811

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120811

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130811

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term