JP3839929B2 - 色相の改良された樹脂組成物及び該組成物からなるフィルム - Google Patents

色相の改良された樹脂組成物及び該組成物からなるフィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成膜後の色相の変化がなく、低温シール性、シール強度、ホットタック性、衝撃強度、透明性に優れ、フィルム同士のブロッキング性、滑り性の良好なフィルム用樹脂組成物および該組成物から得られるフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ポリエチレン系樹脂は、その低温シール性、ヒートシール強度、透明性、柔軟性、耐衝撃強度から、単体、もしくはポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂等の他樹脂との共押し出し、もしくは延伸されたポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等の基材フィルムと積層することにより、食品、医薬品、工業用品等の包装に広く用いられている。一般的に使用されるポリエチレン系樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLDPEという)やエチレン・酢酸ビニル共重合体(以下、EVAという)やエチレン・アクリル酸共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体が挙げられるが、低温シール性やシール強度の要求される分野には、LLDPEやEVA等のエチレン・α−オレフィン共重合体が主に用いられる。近年の高速自動包装機の開発や、安定的なシール性の要求から、ポリエチレン系樹脂に更なる低温シール性を賦与する必要性がでてきた。更なる低温シール性を賦与するためには、エチレン・α−オレフィン共重合体中のαオレフィン含量を高め樹脂の結晶性を低下させればよいが、結晶性が低下すると、弾性率の低いベタベタしたフィルムとなり、フィルム同士のブロッキング性及び滑り性が悪化し実用化が困難となる。この欠点を改良するためには、無機フィラー等のアンチブロッキング剤を多量に添加する必要があるが、アンチブロッキング剤と酸化防止剤等の他の添加剤との相互作用により赤変、黄変等の変色が起こりやすくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成膜後の色相の変化がなく、低温シール性、シール強度、ホットタック性、衝撃強度、透明性に優れ、フィルム同士のブロッキング性及び滑り性の良好なフィルム用樹脂組成物及びフィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決することにつき鋭意検討した結果、フィルムの変色及びブロッキング防止に有効な特定の性状を有するアンチブロッキング剤と特定の曲げ弾性率を有するエチレン・α−オレフィン共重合体を組み合わせることにより発明の目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、JIS K−7106に準拠して測定した曲げ弾性率が2500kg/cm以下のポリエチレン系樹脂100重量部に対し、下記(1)〜(3)の性状を有する非晶性アルミノシリケート0.3〜5重量部を含有することを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物及びそれからなるフィルムである。
(1)平均粒子径0.1〜10μm
(2)5%固形分の水溶性分散液としたときのpHが5.0以上7.0未満
(3)屈折率1.48〜1.52
【0005】
【発明の実施の態様】
以下に本発明を詳細に説明する。
1.ポリエチレン系樹脂(成分A)
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂は、エチレン単独重合体もしくはエチレン・α−オレフィン共重合体である。エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレンと炭素数4〜18のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。α−オレフィンとしては、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテン、オクテン−1、デセン−1、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル等が用いられるが、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテン、オクテン−1、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルが好ましい。また、これらのα−オレフィンは、二種以上併用して重合に供しても良いし、二種以上のエチレン・α−オレフィン共重合体をブレンドしても構わない。
【0006】
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体のうち、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合体等であるLLDPEの製造方法としては、高圧ラジカル重合法、高圧イオン重合法、気相法、溶液法、スラリー法等が挙げられるが、高圧イオン重合法が好ましい。触媒としては、チーグラー触媒、メタロセン触媒等の遷移金属錯体触媒が用いられるが、メタロセン触媒を用いるのが好ましい。
【0007】
本発明におけるエチレン・α−オレフィン共重合体の具体的な製造方法としては、特開昭58−19309号、同59−95292号、同60−35005号、同60−35006号、同60−35007号、同60−35008号、同60−35009号、同61−130314号、特開平3−163088号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第420,436号明細書、米国特許第5,055,438号明細書、および国際公開公報W091/04257号明細書等に記載されている方法、すなわちメタロセン触媒、メタロセン/アルモキサン触媒、または、例えば国際公開公報W092/07123号明細書等に開示されている様なメタロセン化合物と以下に述べるメタロセン触媒と反応して安定なイオンとなる化合物からなる触媒を使用して、主成分のエチレンと従成分の炭素数4〜18のα−オレフィンとを共重合させる方法等を挙げることができる。
【0008】
上述のメタロセン触媒と反応して安定なイオンとなる化合物とは、カチオンとアニオンのイオン対から形成されるイオン性化合物或いは親電子性化合物であり、メタロセン化合物と反応して安定なイオンとなって重合活性種を形成するものである。
このうち、イオン性化合物は下記式(I)で表される。
[Q]m+[Y]m-(mは1以上の整数) (I)
式中のQはイオン性化合物のカチオン成分であり、カルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等が挙げられ、更には、それ自身が還元され易い金属の陽イオンや有機金属の陽イオン等も挙げることができる。
【0009】
これらのカチオンは、特表平1−501950号公報等に開示されているようなプロトンを与えることができるカチオンだけでなく、プロトンを与えないカチオンでも良い。これらのカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニウム、シクロヘプタトリエニウム、インデニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリフェニルホスホニウム、トリメチルホスホニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、ピリリウム、また、銀イオン、金イオン、白金イオン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイオン等が挙げられる。
【0010】
また、Yはイオン性化合物のアニオン成分であり、メタロセン化合物と反応して安定なアニオンとなる成分であって、有機ホウ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオン、有機リン化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有機アンチモン化合物アニオン等が挙げられ、具体的にはテトラフェニルホウ素、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ素、テトラキス(3,5−(t−ブチル)フェニル)ホウ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、テトラフェニルアルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウム、テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)リン、テトラフェニルヒ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ヒ素、テトラフェニルアンチモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチモン、デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカボレート、デカクロロデカボレート等が挙げられる。
【0011】
また、親電子性化合物としては、ルイス酸化合物として知られているもののうち、メタロセン化合物と反応して安定なイオンとなって重合活性種を形成するものであり、種々のハロゲン化金属化合物や固体酸として知られている金属酸化物等が挙げられる。具体的にはハロゲン化マグネシウムやルイス酸性無機化合物が例示される。
【0012】
エチレン・α−オレフィン共重合体のうち、EVA、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレンとカルボニル基を有するα−オレフィンとの共重合体の製造方法としては、高圧ラジカル重合等が挙げられる。
【0013】
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の曲げ弾性率は、2500kg/cm2以下、好ましくは1000kg/cm2以下である。曲げ弾性率が2500kg/cm2を超えると、低温ヒートシール性が悪化するため好ましくない。
【0014】
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mn(Q値)は、1.5〜3.0、好ましくは1.5〜2.5であることが望ましい。
【0015】
また、エチレン・α−オレフィン共重合体の示差走査熱量測定法(DSC)によって得られる融解ピークの補外融解終了温度(Tem)と密度(D)との関係が、Tem≦286D−137、好ましくはTem≦429D−271、より好ましくはTem≦571D−404の関係式を満たすことが望ましい。Temが上記範囲からはずれた場合、フィルムの透明性やシール性を阻害するので好ましくない。
【0016】
更に、本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体のJIS−K7210による190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトフローレート(以下、MFRという)は、フィルムに成形できれば特に制約を受けないが、成膜安定性を勘案すると0.1〜50g/10min、好ましくは0.3〜20g/10minであることが望ましい。
【0017】
2.非晶性アルミノシリケート(成分B)
本発明に使用される非晶性アルミノシリケートは、以下の性状を満たす必要がある。
▲1▼平均粒子径
本発明に使用される非晶性アルミノシリケートの平均粒子径は、0.1〜10μmである。平均粒子径が0.1μm以下では、アンチブロッキング性が十分でなく、10μmを超えるとフィルムの透明性が悪くなるので好ましくない。
【0018】
(2)pH
本発明に使用される非晶性アルミノシリケートの5%固形分の水溶性分散液としたときのpHは、5.0以上7.0未満、好ましくは5.3以上7.0未満、より好ましくは5.5以上7.0未満である。pHがこの範囲からはずれると、フィルムの変色が起こりやすくなり好ましくない。
【0019】
▲3▼屈折率
本発明に使用される非晶性アルミノシリケートの屈折率は、1.48〜1.52である。屈折率がこの範囲からはずれるとフィルムの透明性が悪くなるので好ましくない。
【0020】
本発明の樹脂組成物には、一般に樹脂組成物用として用いられている補助添加成分、例えば、酸化防止剤(中でも、フェノール系およびリン系酸化防止剤が好ましい)、光安定剤、他の無機系、有機系アンチブロッキング剤の併用、スリップ剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、着色剤、顔料、核剤等を配合することができ、また、防曇剤については、公知のフィルム表面塗布型の防曇剤を塗布することができる。
【0021】
また、フィルムを成形する際の成形性をより良好なものとするために、他のエチレン重合体、例えば高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等を必要に応じ添加することができる。この場合、添加量は、ベースのエチレン−α−オレフィン共重合体の強靭性を実用上損わない範囲として、5〜15重量%が好ましい。
【0022】
本発明の樹脂組成物は、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体および特定の非晶性アルミノシリケートをドライブレンド、または溶融混練することにより得られる。
ドライブレンドは、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの各種ブレンダーが使用される。
溶融混練には、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダープラストグラフ、熱ロール等の各種ミキサーや混練押出機が用いられる。
【0023】
フィルムの製造方法は、空冷インフレーション成形、空冷2段冷却インフレーション成形、Tダイフィルム成形、水冷インフレーション成形等で好適なフィルムを得ることができる。本発明のフィルムは、単層、もしくは他のフィルム成形可能な任意の基材との複合フィルムにしてもよい。
【0024】
使用される基材としては、紙、セロファン、織物、アルミニウム箔や、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
【0025】
本発明のシーラントフィルムと基材との複合フィルムは、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、サンドラミネーション、ホットメルトラミネーション等のラミネート法、共押出法、押出ラミネート法など公知の技術、及びこれらの技術の組合せにより製造される。
【0026】
共押出の方法としては、積層数に応じた押出機と通常のフィードブロックタイプ、マルチマニホールドタイプ、マルチスロットタイプの接合・合流部を有する空冷インフレーションフィルム成形、Tダイフィルム成形、水冷インフレーションフィルム成形等で好適なフィルムを得ることができる。
さらに、フィルムに、コロナ放電処理、フレーム処理、延伸処理、液剤塗布処理等の各種処理をおこなってもかまわない。
【0027】
【実施例】
以下に実施例および比較例を記載し、本発明を更に具体的に説明する。実施例および比較例における物性の測定とフィルム物性評価は、以下に示す方法によって実施した。
【0028】
1.物性の測定法
(a)MFR:JIS−K7210(190℃、2.16kg荷重)に準拠した。
【0029】
(b)密度:JIS−K7112に準拠した。
【0030】
(c)示差走査熱量測定法(DSC)による補外融解終了温度(Tem):
熱プレスによって成形した100μmのフィルムから約5mgの試料を秤量し、それをセイコー電子工業(株)製RDC 220 DSC装置にセットし、170℃に昇温してその温度で5分間保持した後、降温速度10℃/分で−10℃まで冷却した。1分間保持した後、昇温速度10℃/分で170℃まで昇温して測定を行った。すなわち、−10℃から170℃に昇温してDSC曲線を得た。JIS−K7121に準拠し、DSC曲線の高温側のベースラインを低温側に延長した線と、融解ピークの高温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線の交点の温度を補外融解終了温度(Tem)とした。
【0031】
(d)Q値:サイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography:SEC)を用いて、以下に示す測定条件下で測定し、重量平均分子量Mw/数平均分子量MnよりQ値を求めた。単分散ポリスチレンでユニバーサルな検量線を作成し、直鎖のポリスチレンの分子量として計算した。
機種;Waters Model 150C GPC
溶媒;o−ジクロロベンゼン
流速;1ml/分
温度;140℃
測定濃度;2mg/ml
注入量;200μl
カラム;昭和電工(株)製AD80M/S 3本
【0032】
(e)曲げ弾性率;JIS K−7106に準拠して測定した。
【0033】
2.フィルム物性評価方法
(a)HAZE;JIS K7105に準拠した。
【0034】
(b)300g荷重低温ヒートシール温度(低温ヒートシール性):本発明のフィルムをコロナ未処理面が重なるように2枚重ね、東洋精機製熱盤式ヒートシーラーにて、80℃から5℃間隔でシール圧力:2kg/cm2、シール時間;0.5秒でヒートシールし、引張試験機にてヒートシール強度を測定した。ヒートシール強度が300g/15mmに達したときの温度を300g荷重ヒートシール温度とし低温ヒートシール性の目安とした。
【0035】
(c)フィルムの色相;実施例に従って成形したフィルムを40℃、湿度80%の恒温恒湿槽に入れて1ヶ月放置した後のフィルム巻き断面の色相の変化を目視で確認した。
判定基準 ○;色相の変化がない、×;黄変、赤変などフィルムが変色する。
【0036】
3.フィルムの成形法
ポリエチレン系樹脂に非晶性アルミノシリケートを所定量添加して、以下の条件でTダイ成形法にてフィルムを成形し評価に供した。更に、装置に取り付けられたコロナ放電処理機により、フィルム表面の表面張力が44〜45dyne/cmとなるようにコロナ処理を施した。
Figure 0003839929
【0037】
実施例1
(1)成分Aの調製
触媒の調製は、特開昭61−130314号公報に記載された方法で実施した。すなわち、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド2.0ミリモルに、東洋ストウファー社製メチルアンモキサンを上記錯体に対し1000モル倍加え、トルエンで10リットルに希釈して、触媒溶液を調製し、以下の方法で重合を行った。
内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合物を1−ヘキセンの組成が80重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1300kg/cm2に保ち、145℃の温度で反応を行った。
反応終了後、MFRが3.5g/10分、密度が0.904g/cm3、示差走査熱量測定法(DSC)による融解ピークの補外融解終了温度(Tem)が103℃であるエチレン・1−ヘキセン共重合体を得た。得られた共重合体に、酸化防止剤としてイルガノックス1076(チバガイギー社製)およびP−EPQ(サンド社製)、スリップ剤としてエルカ酸アミド(日本化成社製)を適量配合し、共重合体組成物を調製した。
【0038】
(2)樹脂組成物の調製
上記で得られた成分Aに、成分Bとして水沢化学(株)製の非晶性アルミノシリケートa(平均粒子径2.95μm、5%サスペンジョンのpH6.0、屈折率1.50)を用い、成分A100重量部に対し成分Bを1.2重量部の割合で配合し、上記の条件でTダイ成形を行いフィルムを成形し評価した。評価の結果は表1に示す通りである。
【0039】
実施例2
成分Aとして、日本ポリケム(株)製LV360(MFR;3.5g/10分、酢酸ビニル含有量11重量%)のエチレン・酢酸ビニル共重合体を用い、成分Bを0.8重量部としたこと以外は実施例1と同様にフィルムを作成し評価した。評価の結果は表1に示す通りである。
【0040】
比較例1
成分Bとして、水沢化学(株)製の非晶性アルミノシリケートb(平均粒子径2.82μm、5%サスペンジョンのpH7.8、屈折率1.47)を用いた以外は実施例1と同様にフィルムを作成し評価した。評価の結果は表1に示す通りである。
【0041】
比較例2
成分Bとして、水沢化学(株)製の非晶性アルミノシリケートJC−30(平均粒子径3.06μm、5%サスペンジョンのpH11.1、屈折率1.50)を用いた以外は実施例1と同様にフィルムを作成し評価した。評価の結果は表1に示す通りである。
【0042】
比較例3
成分Bとして、水沢化学(株)製の非晶性アルミノシリケートJC−30(平均粒子径3.06μm、5%サスペンジョンのpH11.1、屈折率1.50)を用いた以外は実施例2と同様にフィルムを作成し評価した。評価の結果は表1に示す通りである。
【0043】
比較例4
成分Aとして、日本ポリケム(株)製SF240のエチレン・ヘキセン−1共重合体(MFR:2.0g/10分、密度:0.920g/cm3、示差走査熱量測定法(DSC)による融解ピークの補外融解終了温度(Tem):129℃)を用い、成分Bとして、水沢化学(株)製の非晶性アルミノシリケートa(平均粒子径2.95μm、5%サスペンジョンのpH6.0、屈折率1.50)を用い、成分A100重量部に対し成分Bを0.3重量部の割合で配合し、上記の条件でTダイ成形を行いフィルムを成形し評価した。評価結果は表1に示す通りである。
【0044】
【表1】
Figure 0003839929
【0045】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、ブロッキング防止に有効な特定の性状を有するアンチブロッキング剤と特定の曲げ弾性率を有するエチレン・α−オレフィン共重合体を組み合わせたポリエチレン系樹脂組成物であり、成膜後の色相の変化がなく、低温シール性、シール強度、ホットタック性、衝撃強度、透明性に優れ、フィルム同士のブロッキング性及び滑り性の良好なフィルムが得られる。

Claims (5)

  1. JIS K−7106に準拠して測定した曲げ弾性率2500kg/cm以下のポリエチレン系樹脂100重量部に対し、下記(1)〜(3)の性状を有する非晶性アルミノシリケート0.3〜5重量部を含有することを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物。
    (1)平均粒子径0.1〜10μm
    (2)5%固形分の水溶性分散液としたときのpHが5.0以上7.0未満
    (3)屈折率1.48〜1.52
  2. ポリエチレン系樹脂の曲げ弾性率が1000kg/cm以下である請求項1記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  3. ポリエチレン系樹脂が以下の性状を満たすことを特徴とする請求項1または2記載のポリエチレン系樹脂組成物。
    ・重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比、Mw/Mnが1.5〜3.0
  4. ポリエチレン系樹脂が下記(イ)の性状を満たすことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物。
    (イ)示差走査熱量測定法(DSC)によって得られる融解ピークの補外融解終了温度(Tem)と密度(D)との関係が、以下の関係式を満たす。
    Tem≦286D−137
    (但し、補外融解終了温度(Tem)とは、JIS K−7121に準拠し、厚さ100μmの試料フィルムに対して−10℃から170℃に昇温して得られるDSC曲線の高温側のベースラインを低温側に延長した線と、融解ピークの高温側の曲線に勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度を意味する。)
  5. 請求項1記載の樹脂組成物からなるフィルム。
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JP2014114413A (ja) * 2012-12-12 2014-06-26 Japan Polyethylene Corp 酸化耐熱と耐変色性に優れた樹脂組成物及びフィルム

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