JP3095755U - 枕 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 仰向けに寝た使用者の首位置を支持するよう
にあてがって使用することにより安眠、肩こりの解消を
図る。 【解決手段】 仰向けに寝た使用者の後頭部と床との間
に隙間が生じるような高さに、中詰め材１２の分量の増
減により高さが調整され、使用者の首位置に宛われる中
央支持部１０Ａと、中央支持部１０Ａの両側位置に、中
央支持部１０Ａより高さかつ幅が滑らかに大きくなるよ
うに形成され、使用者の側臥姿勢時に使用者の耳下頬位
置ないし耳位置に宛われる両側支持部１０Ｂとからな
る。

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【考案の属する技術分野】 本考案は枕に係り、特に仰向けに寝た使用者の首位置を支持するようにあてが って使用することにより安眠、肩こりの解消を図ることができる枕に関する。 【０００２】 【従来の技術】 従来、就寝時に使用される枕は、頭全体を支持できるような大きさの長方形状 の袋状体内にそば殻、羊毛、スポンジ状のウレタンフォーム、短いストロー状の ポリエチレン樹脂片等の種々の中詰め材を充填されたものが知られている。いず れの枕も仰向けあるいは側臥して（横向きに寝て）頭を載せたときに、頭の形状 に倣って中央部が適度に窪み、頭全体を安定した状態で支持するようになってい る。 【０００３】 従来のこれらの枕に対して、頭と頸椎とをバランスよく支持するようにした変 形枕が考案されている（特許文献１参照）。また、仰向けに寝た際に頸椎の湾曲 形状を整え、またマッサージ作用により歪んだ状態にある頸椎に適度な矯正を加 えるようにした頸椎矯正器がある（特許文献２参照）。 【０００４】 特許文献１に開示されている枕は、直径が異なる、円弧状にゆるく湾曲した３ 本の円柱状枕を並列に並べた形状からなり、もっとも太い１本の枕により首位置 を支持し、他の２本の枕で後頭部と上頭部とを支持するようになっている。 【０００５】 また、頸椎矯正器は、かまぼこ形状の枕の下側にバイブレータを装着し、バイ ブレータを振動させることにより首位置（首筋）を支持するようにした枕を介し て頸椎部分に振動を伝え、マッサージ作用をもたらすようにしている。 【０００６】 【特許文献１】 特開平９−３２２８４４号公報。 【特許文献２】 実開昭６１−１７４９３１号公報。 【０００７】 【考案が解決しようとする課題】 ところで、上述のかまぼこ形状をなす頸椎矯正器は、あらかじめ決まった形状 の枕とバイブレータとを組み合わせた健康器具として活用されるものであり、睡 眠時の枕として使用することは意図されておらず、首の太さや頸椎の湾曲の具合 等、使用者の体格の相違による個人差を考慮することができない。一方、上述の 変形枕は充填材の分量や袋端部の折り込み部分の調整により枕の硬さや高さを調 整できるようになっている。また、全体が円柱（円筒）形状を連結した形状であ るため、仰向けにしてこの枕を使用した場合、太い円柱部分で頸椎の自然な湾曲 状態を保持するように首位置を支持するとともに、他の円柱部分で後頭部、上頭 部を点支持するようになっている。ところが、この枕を側臥して使用すると、太 い円柱部分が頸椎を側方から支持するため、頸椎を側方から曲げようとする好ま しくない状態で支持することになり（特開平９−３２２８４４号公報に添付の図 ５参照）、頭を安定して支持できないばかりでなく、頸椎に悪影響を及ぼすおそ れもある。 【０００８】 そこで、本考案の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、仰向け に寝た状態で頸椎を安定よく支持するとともに、後頭部をわずかに床から離れる ように頭を支持できるようにし、また側臥した状態でも安定した支持状態で頭を 支持できるようにした枕を提供することにある。 【０００９】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本考案は、仰向けに寝た使用者の後頭部と床との 間に隙間が生じるような高さに、中詰め材分量の増減により高さが調整され、使 用者の首位置に宛われる中央支持部と、該中央支持部の両側位置に、中央支持部 より高さかつ幅が滑らかに大きくなるように形成され、前記使用者の側臥姿勢時 に使用者の耳下頬位置ないし耳位置に宛われる両側支持部とからなることを特徴 とする。 【００１０】 【考案の実施の形態】 以下本考案による枕の実施の一形態について添付図面を参照して説明する。 図１は、本考案の枕の平面図である。この枕１０は、その外形を構成する袋状 体１１と、中詰め材１２が袋状体内に充填されることで、図１に示した平面形状 、図２に示した正面形状に保形されている。すなわち、この枕１０は、図１に示 したように平面視して四隅の角が丸められ、長手方向の中央支持部１０Ａが両側 支持部より幅の狭く、くびれた略長方形状をなすとともに、図２（ａ）に示した ように正面視して両端が丸められ、中央支持部１０Ａの高さＨ₁が両側支持部１ ０Ｂの高さＨ₂より低くなるような形状に保形されるように袋状体１１内に充填 される中詰め材１２の分量が調整されている。 【００１１】 本実施の形態では、袋状体１１は木綿等の天然繊維製の布袋からなり、図１， 図２（ａ）に示したように、袋側面１３で縫着してなる筒状の袋状体の中央支持 部１０Ａに、枕の長手方向に沿ってくびれを設けるためのダーツ１４をつけるこ とで、所望の形状とすることができる。また、立体裁断により得られた生地によ り、中央支持部１０Ａのくびれた袋状体１１を縫製することも可能である。また 、枕１０の長手方向端部にはファスナー１５を取り付けた開口１６が設けられて おり、中詰め材１２の分量調整のための出し入れが容易にできるようになってい る。袋状体１１の素材としては天然繊維の他、速乾性のある合成繊維も適宜使用 できる。また枕の外形に合った寸法の、種々の素材の枕カバー（図示せず）を使 用することも可能である。 【００１２】 袋状体１１内部には、本実施の形態ではポリエチレン製の短いストロー状の樹 脂片が中詰め材１２として充填されている。中詰め材１２が充填された枕１０は 、敷き布団等の床の上に置いた際に、図２（ｂ）に示したように中央のくびれた 中央支持部１０Ａが自重でわずかに変形するため、枕１０全体が隙間なく床（布 団）上１に置かれる。中詰め材１２は出し入れにより分量調整が可能な材料であ れば、公知の種々の材料を使用することができることはいうまでもない。 【００１３】 この枕１０を使用する場合、図４に示したように、使用者２が仰向けに寝た状 態で、首筋４の下側にくびれた中央支持部１０Ａを宛うように位置させる。この とき、枕１０の断面形状はくびれた中央支持部１０Ａと両側支持部１０Ｂとは、 ともに中詰め材１２が充填された状態で、図３（ａ），（ｂ）に示したように、 楕円ないし長円形状をなしている。これらの中央支持部１０Ａの高さＨ₁と両側 支持部１０Ｂの高さＨ₂は、使用者２の頸椎３の湾曲度、首筋４の肉付き等の体 格にもよるが、Ｈ₁＝３．５〜７cm,Ｈ₂＝５〜１０cm程度とすることが好ましい 。これら高さは、中詰め材１２の分量により適宜調整することができる。また、 中央支持部１０Ａの高さは、図４に示したように、後頭部５と床（布団）１との 間にわずかな隙間６ができるような高さに設定する。これにより後頭部５が床１ に触れないので、頭部に対しての冷却効果が期待できる。さらに、頭部が床に支 持されていないので、頭部が左右に動きやすくなっている。したがって睡眠中に 無意識に行われるような、頭部をわずかに左右に振る程度の寝返りをうっても頭 部を支持する首筋４に適度な刺激が加わり、首筋４、肩のコリ等を解消する効果 も期待できる。一方、首筋４が枕１０に接触して暖められ、首位置での血行促進 されるという効能もある。また、頭部が首位置で支持され後頭部がわずかに下が った状態では、鼻腔が通りやすくなるので、イビキの防止も期待できる。 【００１４】 一方、側臥して、すなわち横向きに寝てこの枕１０を使用する場合、図５に示 したように両側支持部１０Ｂの一方のなだらかに傾斜している部分あるいは最高 部に、使用者２の耳下の頬骨あるいは耳の位置がくるように宛って使用すること が好ましい。このとき顔の側面を枕１０の高い部分に位置させるため、横向きに 寝ることで肩が体の下に入って頭が高くなった分の高さを解消することができる 。寝入りに横向きになる癖のある人は、横向き姿勢で寝入っても、睡眠中に寝返 りをうったときに仰向け姿勢になり、その状態で首筋４が中央支持部１０Ａに位 置するようになり、その仰向け状態で首位置が確実に支持される。 【００１５】 図６及び図７は、枕１０の変形例の内部構成を示した断面図である。図６に示 した枕１０は外袋状体１１の外形は図１に示した形状と同一であるが、外袋状体 １１内には両側支持部１０Ｂに内袋１７が収容されており、その内袋１７内に中 詰め材１２が充填されている。さらに中央支持部１０Ａには中詰め材１２が外袋 状体１１に直接、充填されるようになっている。このように、枕１０の内部を３ ブロックに分割することにより、首位置を支える中央支持部１０Ａと、その両側 の両側支持部１０Ｂの硬さと高さを、それぞれ独立して調整することができる。 内袋１７としてはメッシュ状の袋を使用することが好ましい。また、この内袋１ ７を収容させるために外袋状体の両側端に開口１６，１６を設けておくことが好 ましい。中央支持部１０Ａと両側支持部１０Ｂの中詰め材１２あるいは枕の材質 を変えることもできる。たとえば両側支持部１０Ｂには、中詰め材１２を使用せ ず、所定の形状に成形加工した軟質ウレタンフォーム等のクッション材をそのま ま外袋状体１１内に収容させるようにしてもよい。 【００１６】 【考案の効果】 以上の説明から明らかなように、本考案によれば、仰向けに寝た人の頸椎の湾 曲具合に合わせて中央支持部の高さを調整して首筋にフィットするように宛てが うとともに、後頭部が床からわずかに離れるように頭部を支持することができる ので、これにより首筋の血行促進、頭部の冷却効果等が得られ、軽い寝返り時の 首筋への刺激によりマッサージ効果を期待でき、肩こりの緩和も期待できる。ま た、首筋を暖めることによって体の免疫力が向上するという研究もあり、同研究 で示された効果が確実に現れることも期待できる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本考案による枕の実施の一形態を示した平面
図。 【図２】図１に示した枕の正面図。 【図３】図１に示した各断面線に沿って見た枕断面図。 【図４】本考案による枕の使用状態（仰向け）を示した
説明図。 【図５】本考案による枕の使用状態（横向き）を示した
説明図。 【図６】枕の変形例を示した平面断面図。 【図７】図６に示した枕の正面断面図。 【符号の説明】 ３ 頸椎 ４ 首筋 ５ 後頭部 ６ 隙間 １０ 枕 １０Ａ 中央支持部 １０Ｂ 両側支持部 １１ 袋状体 １２ 中詰め材 １６ 開口

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】仰向けに寝た使用者の後頭部と床との間に
   隙間が生じるような高さに、中詰め材分量の増減により
   高さが調整され、使用者の首位置に宛われる中央支持部
   と、該中央支持部の両側位置に、中央支持部より高さか
   つ幅が滑らかに大きくなるように形成され、前記使用者
   の側臥姿勢時に使用者の耳下頬位置ないし耳位置に宛わ
   れる両側支持部とからなることを特徴とする枕。