JP3092447B2 - 車両用サスペンション特性の決定方法 - Google Patents

車両用サスペンション特性の決定方法

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JP3092447B2 JP06123894A JP12389494A JP3092447B2 JP 3092447 B2 JP3092447 B2 JP 3092447B2 JP 06123894 A JP06123894 A JP 06123894A JP 12389494 A JP12389494 A JP 12389494A JP 3092447 B2 JP3092447 B2 JP 3092447B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用サスペンション
装置を最適にチューニングするための車両用サスペンシ
ョン特性の決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば特開平2−22511
3号公報に示されているように、車両のサスペンション
装置においてショックアブソーバの配置及び減衰力を工
夫することにより前後コンプライアンスが大きくなるよ
うにして、操縦安定性及び車両の乗り心地を良好にしよ
うとするものは知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のサ
スペンション装置のチューニングにおいては、サスペン
ション特性を表す一つのパラメータを変更するためにサ
スペンション装置を調整すると他のパラメータが変化し
てしまい、種々のパラメータを同時に最適にするために
は、試行錯誤的に多数の試験などを繰り返し行う必要が
あってサスペンション装置のチューニングに多大な時間
を要していた。本発明は上記問題に対処するためになさ
れたもので、車両用サスペンション装置を最適にチュー
ニングするために利用されるサスペンション特性を簡単
かつ適切に決定する車両用サスペンション特性の決定方
法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の主な特徴は、車両用サスペンション特性の
決定方法を、目標車両性能を表す第1パラメータを入力
するステップと、前記入力された第1パラメータに基づ
いて過渡領域を考慮した目標等価コーナリングパワーを
演算するステップと、暫定サスペンション特性を表す第
2パラメータを入力するステップと、前記入力された第
2パラメータに基づいて過渡領域を考慮した暫定等価コ
ーナリングパワーを演算するステップと、前記演算した
両等価コーナリングパワーの偏差により暫定サスペンシ
ョン特性と目標車両性能に対応したサスペンション特性
との偏差を演算するステップとにより構成したことにあ
る。また、本発明の他の特徴は、車両走行時に車両に影
響する外乱を考慮して前記目標等価コーナリングパワー
を演算するようにしたことにある。
【0005】
【作用】上記のような本発明によれば、目標車両性能を
表す第1パラメータと暫定サスペンション特性を表す第
2パラメータとを入力することにより、過渡領域を考慮
した等価コーナリングパワーを仲介として、暫定サスペ
ンション特性と目標車両性能に対応したサスペンション
特性との偏差が演算される。ここで、暫定サスペンショ
ン特性を表す第2パラメータとして現行車両のサスペン
ション特性を利用すれば、現行車両のサスペンション特
性を最適にするためのサスペンション特性の偏差が導出
されることになるので、現行車両のサスペンション装置
を前記偏差分だけチューニングしてやれば、現行車両の
サスペンション特性は最適なものに設定される。また、
前記本発明の他の特徴のように、車両走行時に車両に影
響する外乱を考慮して目標等価コーナリングパワーを演
算すれば、前記現行車両のサスペンション特性が車両走
行時に受ける外乱の影響をも考慮して最適なものに設定
される。
【0006】
【発明の効果】上記作用説明からも理解できるとおり、
本発明によれば、目標車両性能を表す第1パラメータと
暫定サスペンション特性を表す第2パラメータとを入力
することのみにより、車両のサスペンション装置を最適
にチューニングするためのサスペンション特性の変更分
が導出されるので、従来のように試行錯誤的にサスペン
ション装置をチューニングするのに比べて、簡単かつ短
時間でサスペンション装置を最適にチューニングするこ
とができる。また、前記本発明の他の特徴によれば、車
両走行時に受ける外乱の影響をも考慮して、サスペンシ
ョン装置を簡単かつ短時間で最適にチューニングするこ
とができる。
【0007】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する前
に、本発明にて利用する前後輪の各コーナリングパワー
K1,K2、前後輪の各等価コーナリングパワーCp1,C
p2及び前後輪の複素コーナリングパワーCp*1(s),Cp
*2(s)について説明しておく。
【0008】図1(A)はサスペンション系やステアリン
グ系の静特性を車両モデルを用いてモデル化したもので
あり、各パラメータは次のとおりである。 F1,F2 …前後輪の各コーナリングフォース K1,K2 …前後輪の各コーナリングパワー(タイヤ特
性で決まる定数) δ …操舵による舵角 ξ1,ξ2 …前後輪のサスペンション系やステアリング
系のコンプライアンス(横力コンプライアンスステア
角、ロールステア角、制御舵角など)によって生じる各
舵角 u,v,V…車両の前後、横方向及び進行方向の各速度 β …車両のスリップ角 r …ヨーレート m …車両重量 I …車両の慣性モーメント a,b …車両重心から前後車軸までの各距離。
【0009】図1(B)は簡単化のために前記前後輪のサ
スペンション系やステアリング系のコンプライアンスに
よって生じる各舵角ξ1,ξ2をなくし、同舵角ξ1,ξ2
の影響を等価コーナリングパワーCp1,Cp2で考慮する
ようにした等価車両モデルを表している。したがって、
この等価コーナリングパワーCp1,Cp2は、図1(A)の
コーナリングパワーK1,K2と異なり、車両のサスペン
ション系やステアリング系などの能力を表すことにな
る。
【0010】図2(A)は図1(A)の車両モデルを過渡領
域まで拡張してコーナリングフォースの発生タイミング
まで考慮できるようにした車両モデルである。図2(B)
も図1(B)の車両モデルを過渡領域まで拡張してコーナ
リングフォースの発生タイミングまで考慮できるように
した車両モデルであり、この場合の前後輪の各コーナリ
ングパワーを複素コーナリングパワーCp*1(s),Cp*2
(s)と呼ぶ。これらの車両モデルにおいては、変数とし
て扱われる各パラメータはラプラス演算子sを用いて表
されている。したがって、図2(B)の車両モデルにおけ
る複素コーナリングパワーCp*1(s),Cp*2(s)はコー
ナリングフォースの発生タイミングをも含む車両のサス
ペンション系やステアリング系などの能力を表してい
る。これらの複素コーナリングパワーCp*1(s),Cp*2
(s)を次の数1により表すものとする。
【0011】
【数1】 Cpi(s)=K*i・(1+Ti・s) (i=1,2) 前記数1中、係数K*iは等価コーナリングパワーCp1,
Cp2にそれぞれ対応するものであり、係数Tiは前後輪
の各コーナリングフォースの発生進み(又は遅れ)時間
を表している。
【0012】そして、図2(B)で表される車両モデルに
おいて、車両性能としての車両のヨーイング固有振動
数、定常スリップゲイン、スタビリティファクタ及びヨ
ーイング減衰比をそれぞれω,G,K,ζとすると、車
両の運動方程式により下記数2〜9が成立する。
【0013】
【数2】
【0014】
【数3】
【0015】
【数4】
【0016】
【数5】
【0017】
【数6】ω2=Cw・ω02
【0018】
【数7】ζ・ω=Cf・Cw・ζ0・ω0
【0019】
【数8】
【0020】
【数9】Cf=1+[{(a+b)2・K*2−a・m・u2}・K*
1・T1+{(a+b)2・K*1+b・m・u2}・K*2・T2]/
{(I+a2・m)・K*1+(I+b2・m)・K*2} ただし、前記数2〜9中、ω0は位相を無視して等価コ
ーナリングパワーCpi(i=1,2)を用いて計算した車
両のヨーイング固有振動数(定数)を表し、Cwは前記
位相を考慮したときのヨーイング固有振動数ω0のため
の補正係数(定数)を表している。ζ0は位相を無視し
て等価コーナリングパワーCpi(i=1,2)を用いて計
算した車両のヨーイング減衰比(定数)を表し、Cfは
前記位相を考慮したときのヨーイング減衰比ζ0のため
の補正係数(定数)を表している。
【0021】一方、前輪のサスペンション特性を表すロ
ールステア係数、ロールセンター高さ、サスペンション
横剛性及び横力コンプライアンスステア係数などのパラ
メータと、複素コーナリングパワーCp1(s)の各係数K
*1,T1との関係は次の〜とおりである。 ロールステア係数をq(rad/rad)とすると、係数K*
1,T1とロールステア係数qとの関係は下記数10,1
1のようになる。
【0022】
【数10】
【0023】
【数11】
【0024】ロールセンター高さをp(m)とすると、
係数K*1,T1とロールセンター高さpとの関係は下記
数12,13のようになる。
【0025】
【数12】K*1=K1
【0026】
【数13】
【0027】前輪のサスペンション横剛性をks1(N/
m)とすると、係数K*1,T1とサスペンション横剛性ks
1との関係は下記数14,15のようになる。
【0028】
【数14】K*1=K1
【0029】
【数15】
【0030】横力コンプライアンスステア係数をd(r
ad/N)とすると、係数K*1,T1と横力コンプライアンス
ステア係数dとの関係は下記数16,17のようにな
る。
【0031】
【数16】
【0032】
【数17】T2=0 また、後輪のサスペンション特性を表すロールステア係
数、ロールセンター高さ、サスペンション横剛性及び横
力コンプライアンスステア係数などのパラメータと、複
素コーナリングパワーCp2(s)の各係数K*2,T2との
関係は次の〜とおりである。 ロールステア係数をq(rad/rad)とすると、係数K*
2,T2とロールステア係数qとの関係は下記数18,1
9のようになる。
【0033】
【数18】
【0034】
【数19】
【0035】ロールセンター高さをp(m)とすると、
係数K*2,T2とロールセンター高さpとの関係は下記
数20,21のようになる。
【0036】
【数20】K*2=K2
【0037】
【数21】
【0038】後輪のサスペンション横剛性をks2(N/
m)とすると、係数K*2,T2とサスペンション横剛性ks
2との関係は下記数22,23のようになる。
【0039】
【数22】K*2=K2
【0040】
【数23】
【0041】横力コンプライアンスステア係数をd
(rad/N)とすると、係数K*2,T2と横力コンプ
ライアンスステア係数dとの関係は下記数24,25の
ようになる。
【0042】
【数24】
【0043】
【数25】T2=0 次に、これらの関係を用いて車両用サスペンション特性
を決定する装置及びその方法について具体的に説明す
る。
【0044】この装置はコンピュータにより構成されて
いる。コンピュータは、図3に示すように、バス10に
接続されたCPU11、ROM12及びRAM13を備
えている。CPU11は図4のフローチャートに示すプ
ログラムを実行するもので、ROM12は前記プログラ
ムを記憶するとともに同プログラムの実行中に利用され
るマップを記憶している。このマップは、前述した数1
0〜25により表されたロールステア係数q、ロールセ
ンター高さp、サスペンション横剛性ks1,ks2及び横
力コンプライアンスステア係数dをそれぞれ一方の軸と
し、複素コーナリングパワーCp*1(s),Cp*2(s)の各
係数K*1,T1,K*2,T2をそれぞれ他方の軸とする関
数テーブルで構成されていて、互いに一方を因数として
他方を関数値として導出できるようになっている。RA
M13は前記プログラムの実行中に変数を一時的に記憶
するものである。
【0045】バス10にはキーボード14、表示装置1
5及びプリンタ16も接続されている。キーボード14
は複数のスイッチからなって入力手段を構成するもの
で、各種パラメータ値を入力できるようになっている。
なお、入力手段としてキーボード14に加えてフレキシ
ブルディスクなどの外部記憶装置を利用することもでき
る。表示装置15は画面を備えて操作者に対して入力手
順及び計算結果などを視覚的に知らせるものである。プ
リンタ16は計算結果などを印刷して出力するものであ
る。
【0046】次に、前記コンピュータを用いて車両用サ
スペンション特性を決定する方法について説明する。C
PU11は図4のステップ20にてプログラムの実行を
開始し、ステップ21にて操作者に対して標準車速u
(目標車両性能が発揮されるべき車速)、サスペンショ
ン特性が決定されるべき車両の慣性モーメントI、重量
m、車両重心から前後輪の各車軸までの距離a,bなど
の基本車両諸元をキーボード14で打ち込むことを表示
装置15上に指示する。操作者が標準車速u及び基本車
両諸元I,m,a,bをキーボード14を用いてそれぞ
れ指定すると、CPU11は同指定された標準車速u及
び基本車両諸元I,m,a,bを入力してRAM13に
記憶する。次に、CPU11はステップ22にて操作者
に対して目標車両性能を表すパラメータとして車両のヨ
ーイング固有振動数ω、定常スリップゲインG、スタビ
リティファクタK及びヨーイング減衰比ζをそれぞれキ
ーボード14で打ち込むことを表示装置15上に指示す
る。操作者がキーボード14を用いてこれらのパラメー
タω,G,K,ζを指定すると、CPU11は同指定さ
れたパラメータω,G,K,ζを入力してRAM13に
記憶する。
【0047】前記ステップ21,22の処理後、CPU
11はステップ23にて前記入力してRAM13に記憶
した標準車速u、基本車両諸元I,m,a,b及び目標
車両性能を表すパラメータω,G,K,ζを上述した数
2〜9に代入して、目標となる複素コーナリングパワー
Cp*1(s),Cp*2(s)すなわち係数K*1,K*2,T1,
T2を計算してRAM13に記憶する。上記数2〜9は
目標車両性能を表すパラメータω,G,K,ζと係数K
*1,K*2,T1,T2すなわち8個を変数とする8個の方
程式であるので、目標車両性能を表すパラメータω,
G,K,ζを与えれば、係数K*1,K*2,T1,T2が算
出されることは明らかである。なお、上記数2〜9中の
ω0,Cw,ζ0,Cfは上述したように固定値であって予
めプログラム中に記憶されているものである。また、こ
れらの値ω0,Cw,ζ0,Cfをステップ21又はステッ
プ22の処理により入力するようにしてもよい。
【0048】次に、CPU11はステップ24にて操作
者に対して車両の暫定サスペンション特性を表すパラメ
ータとしてロールステア係数q、ロールセンター高さ
p、前後輪用サスペンションの各サスペンション横剛性
ks1,ks2及び横力コンプライアンスステア係数dをそ
れぞれキーボード14で打ち込むことを表示装置15上
に指示する。この暫定サスペンション特性とは基本とな
るサスペンション特性であって、例えば今後チューニン
グされる車両の現在のサスペンション特性である。操作
者がこれらのパラメータq,p,ks1,ks2,dをキー
ボード14を用いて指定すると、CPU11は同指定さ
れたパラメータq,p,ks1,ks2,dを入力してRA
M13に記憶する。
【0049】前記ステップ24の処理後、CPU11は
ステップ25にて上記数10〜25に対応してROM1
2内に用意されているマップを用いて、前輪用の暫定サ
スペンション特性を表すパラメータq,p,ks1,dに
それぞれ対応する複素コーナリングパワーCp*10(s)の
各係数K*10,T10を計算してRAM13に記憶すると
ともに、後輪用の暫定サスペンション特性を表すパラメ
ータq,p,ks2,dにそれぞれ対応する複素コーナリ
ングパワーCp*20(s)の各係数K*20,T20を計算して
RAM13に記憶する。これにより、前輪用の各係数K
*10,T10及び後輪用の各係数K*20,T20はそれぞれ4
組ずつRAM13内に記憶されることになる。
【0050】次に、CPU11は、ステップ26にて下
記数26,27に示すように、前記ステップ23の処理
により目標車両性能に基づいて計算した前後輪用の目標
となる各複素コーナリングパワーCp*1(s),Cp*2(s)
の各係数K*1,K*2,T1,T2から、前記ステップ25
の処理により暫定サスペンション特性に基づいて計算し
た前後輪用の各4組の複素コーナリングパワーCp*10
(s),Cp*20(s)の各係数K*10,T10,K*20,T20を
それぞれ減算することにより偏差ΔK*1,ΔT1,ΔK*
2,ΔT2を計算してRAM13に記憶する。これによ
り、前輪用の各係数K*10,T10の偏差ΔK*1,ΔT1及
び後輪用の各係数K*20,T20の偏差ΔK*2,ΔT2はそ
れぞれ4組ずつRAM13内に記憶されることになる。
【0051】
【数26】ΔK*i=K*i−K*i0 (i=1,2)
【0052】
【数27】ΔTi=Ti−Ti0 (i=1,2) 前記ステップ26の処理後、CPU11はステップ27
にて操作者に対してロールステア係数、ロールセンター
高さ、サスペンション横剛性及び横力コンプライアンス
ステア係数のうちで注目すべき2つのサスペンション特
性を前後輪それぞれ2つずつキーボード14で打ち込む
ことを表示装置15上に指示する。操作者がキーボード
14を用いて2つのサスペンション特性を指定すると、
CPU11は同指定された前後輪各2つのサスペンショ
ン特性を入力してプログラムをステップ28に進める。
【0053】ステップ28においては、CPU11が、
前記ステップ26の処理により各サスペンション特性に
対応してRAM13内に記憶した各偏差ΔK*1,ΔT
1,ΔK*2,ΔT2の中から、前記指定された2つのサス
ペンション特性に対応した前輪用の偏差ΔK*1,ΔT1
と後輪用の偏差ΔK*2,ΔT2を各2つずつ抽出して、
同指定されたサスペンション特性に対応したROM12
内の各マップに基づいて前記各抽出した偏差ΔK*1,Δ
T1,ΔK*2,ΔT2に対応したサスペンション特性の偏
差を計算する。すなわち、前記指定されたサスペンショ
ン特性に関し、前後輪用の各マップを参照して暫定サス
ペンション特性に対応した複素コーナリングパワーCp*
10(s),Cp*20(s)の各係数K*10,T10,K*20,T20
を前記ステップ26の処理により計算した偏差ΔK*1
0,ΔT10,ΔK*20,ΔT20分だけ変化させた場合にお
ける目標となるサスペンション特性値をそれぞれ求め
て、この目標サスペンション特性値と暫定サスペンショ
ン特性値との差をサスペンション特性の変更量として計
算してRAM13にそれぞれ記憶する。
【0054】このように前後輪各2つのサスペンション
特性を指定するようにしたのは、前後輪用の複素コーナ
リングパワーCp*1(s),Cp*2(s)の各係数K*1,T
1,K*2,T2をそれぞれ変更しても前後輪用のサスペン
ション特性のうちの最大でも2つのサスペンション特性
しかそれぞれ変更できないためである。したがって、前
記ステップ27において、操作者は複素コーナリングパ
ワーCp*1(s),Cp*2(s)の各係数K*1,T1,K*2,
T2を指定することにより前後輪の2種類のサスペンシ
ョン特性値を独立に変更可能なサスペンション特性の種
類を選択するのが適当である。すなわち、数10〜25
から明かなように、操作者は例えばロールセンター高さ
qと横力コンプライアンスステア係数dの組合せ、サス
ペンション横剛性ks1,ks2と横力コンプライアンスス
テア係数dの組合せなど選択することが有利である。そ
して、ステップ28においては、CPU11は係数K*
1,T1,K*2,T2の変化に依存してサスペンション特
性が変化する側の係数K*1,T1,K*2,T2の偏差ΔK
*10,ΔT10,ΔK*20,ΔT20を利用することはいうま
でもない。例えば、ロールセンター高さqと横力コンプ
ライアンスステア係数dの組合せが指定された場合に
は、偏差ΔT10,ΔT20によりロールセンター高さqの
変更量Δqが計算され、かつ偏差ΔK*10,ΔK*20によ
り横力コンプライアンスステア係数dが計算されるよう
にする。
【0055】そして、前記ステップ28の処理後、CP
U11はステップ29にて前記計算した前後輪輪用のサ
スペンション特性の変更量を表すデータを表示装置15
及びプリンタ16にそれぞれ出力する。表示装置15は
前記サスペンション特性の変更量を画面表示し、プリン
タ16は同サスペンション特性の変更量を印刷する。そ
して、この画面表示及び印刷されたサスペンション特性
の変更量を車両のサスペンション装置のチューニングに
利用して、同サスペンション装置の特性を前記変更量分
だけ補正する。
【0056】以上のように、上記実施例によれば、目標
車両性能を表すパラメータとして車両のヨーイング固有
振動数ω、定常スリップゲインG、スタビリティファク
タK及びヨーイング減衰比ζを入力して(ステップ2
2)、この目標車両性能に対応した複素コーナリングパ
ワーCp*1(s),Cp*2(s)の各係数K*1,T1,K*2,
T2を計算する(ステップ23)。また、暫定サスペン
ション特性(現行車両のサスペンション特性)を表すパ
ラメータとしてロールステア係数q、ロールセンター高
さp、前後輪用サスペンションの各サスペンション横剛
性ks1,ks2及び横力コンプライアンスステア係数dを
入力し(ステップ24)、この暫定サスペンション特性
に対応した複素コーナリングパワーCp*10(s),Cp*20
(s)の各係数K*10,T10,K*20,T20を計算する(ス
テップ25)。そして、これらの各係数K*1,T1,K*
2,T2,K*10,T10,K*20,T20及び暫定サスペンシ
ョン特性を表すパラメータq,p,ks1,ks2,dを用
いて、暫定サスペンション特性から目標車両性能に対応
したサスペンション特性への変更量を計算し(ステップ
26〜28)、計算した変更量を表示及び印刷して(ス
テップ29)、現行車両のサスペンション装置のチュー
ニングに対して変更量として利用できるようにした。こ
の場合、前記サスペンション特性の変更量の計算の仲介
に用いた複素コーナリングパワーCp*1(s),Cp*2(s)
は車両のサスペンション特性をよりよく表しているの
で、簡単かつ短時間でサスペンション装置を最適にチュ
ーニングすることができる。
【0057】なお、上記実施例のステップ23の計算に
て利用される上記数2〜9は車両が通常速度で走行して
いる場合に成立するものであり、高速走行時には空力な
どの外乱の影響を受ける。したがって、この場合には、
空力モーメント係数Cy及び空力横力係数Czを考慮した
複素コーナリングパワーCp*1'(s),Cp*2'(s)を利用
する必要がある。そして、この複素コーナリングパワー
Cp*1'(s),Cp*2'(s)の等価コーナリングパワーを表
す各係数K*1',K*2'と上記実施例の対応する係数K*
1,K*2とは下記数28,29の関係にあるとともに、
同複素コーナリングパワーCp*2'(s)の位相進み(遅
れ)時間を表す係数T2'は数30のように表される。
【0058】
【数28】
【0059】
【数29】
【0060】
【数30】
【0061】したがって、上記実施例において、車両が
外乱としての空力の影響を受けるほど高速で走行してい
る場合には、ステップ21にて車両諸元として空力モー
メント係数Cy及び空力横力係数Czを入力するようにす
る。そして、ステップ23における計算処理にて数2〜
9及び数28,29に基づいて係数K*1',K*2'を計算
するとともに数30に基づいて係数T2'を計算し、ステ
ップ26にて係数K*1,K*2,T2に代えて係数K*1',
K*2',T2'を用いるようにする。これによれば、空力
の影響を受けるほどの高速走行時においても、理想的な
車両性能を得ることができる。
【0062】また、上記実施例においては、ステップ2
1,22,24にて車両諸元及び各種パラメータをキー
ボード14の操作に応じて入力するようにしたが、予め
用意したフレキシブルディスク、他の記憶ディスクなど
の外部記録媒体から入力するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)はサスペンション系やステアリング系の
静特性を表す車両モデル図であり、(B)は(A)の車両モ
デルを簡略化した等価車両モデル図である。
【図2】 (A)は同車両モデルを過渡領域まで拡張した
車両モデル図であり、(B)は同車両モデルを簡略化した
等価車両モデル図である。
【図3】 本発明の実施例にて利用されるコンピュータ
のブロック図である。
【図4】 図3のコンピュータにて実行されるプログラ
ムのフローチャートである。
【符号の説明】
11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…キ
ーボード、15…表示装置、16…プリンタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−37015(JP,A) 特開 平7−69021(JP,A) 特開 平6−297983(JP,A) 特開 平6−156037(JP,A) 特開 平6−122311(JP,A) 特開 平6−122310(JP,A) 特開 昭63−137007(JP,A) 特開 平2−155816(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】目標車両性能を表す第1パラメータを入力
    するステップと、 前記入力された第1パラメータに基づいて過渡領域を考
    慮した目標等価コーナリングパワーを演算するステップ
    と、 暫定サスペンション特性を表す第2パラメータを入力す
    るステップと、 前記入力された第2パラメータに基づいて過渡領域を考
    慮した暫定等価コーナリングパワーを演算するステップ
    と、 前記演算した両等価コーナリングパワーの偏差により暫
    定サスペンション特性と目標車両性能に対応したサスペ
    ンション特性との偏差を演算するステップとからなる車
    両用サスペンション特性の決定方法。
  2. 【請求項2】前記請求項1に記載の目標等価コーナリン
    グパワーを演算するステップにおいて、車両走行時に車
    両に影響する外乱を考慮して前記目標等価コーナリング
    パワーを演算するようにした車両用サスペンション特性
    の決定方法。
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