JP3092226B2 - 液晶性ポリエステルアミドおよびその製造方法 - Google Patents

液晶性ポリエステルアミドおよびその製造方法

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JP3092226B2 JP03208315A JP20831591A JP3092226B2 JP 3092226 B2 JP3092226 B2 JP 3092226B2 JP 03208315 A JP03208315 A JP 03208315A JP 20831591 A JP20831591 A JP 20831591A JP 3092226 B2 JP3092226 B2 JP 3092226B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシークエンスがより交互
的に制御された新規な液晶性ポリエステルアミドおよび
その製造方法に関するものである。本発明の液晶性ポリ
エステルアミドは高弾性率であり、引っ張り強度、曲げ
強度、衝撃強度等が高く、更に高伸度であるために靱性
があり、かつ同一組成、同一組成比においては、従来の
ものに比べ力学特性だけでなく、耐熱性にも優れている
ものである。
【0002】本発明の液晶性ポリエステルアミドがこれ
らの特徴を示しうるのは、成形時にサーモトロピックな
液晶を形成するとともにシークエンスがより交互的に制
御されているからである。そのため成形材料、フィル
ム、繊維等の製品として非常に有用である。特に成形材
料としては、自動車部品、電気、電子部品、薄肉成形
品、成形品として好適である。
【0003】
【従来の技術】近年、繊維、フィルムまたは成形品の何
れかを問わず、剛性、強度、伸度、耐熱性の優れた素材
に対する要望が高まっている。ポリエステルは一般成形
品の用途を広く認められるに至っているが、多くのポリ
エステルは曲げ弾性率、曲げ強度が劣るため、高弾性
率、高強度を要求される用途には適していなかった。高
弾性率、高強度を要求される用途に適しているポリエス
テルとして近年では液晶性ポリエステルが注目されるよ
うになった。特に注目を集めるようになったのは、ジャ
ーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミ
ストリー・エディション14巻(1976年)2043
頁、USP3778410、USP3804805およ
び特公昭56−18016にW.J.ジャクソンらがポ
リエチレンテレフタレートとアセトキシ安息香酸とから
なる熱液晶高分子を発表してからである。この中でジャ
クソンらは、この熱液晶高分子がポリエチレンテレフタ
レートの5倍以上の剛性、4倍以上の強度、25倍以上
の衝撃強度を発揮することを報告し、高性能樹脂への新
しい可能性を示した。
【0004】しかしながら、このジャクソンらによるポ
リマーは非常にもろく、強度、伸度が低いという欠点が
あった。これは下記式で示されるp−オキシ安息香酸残
基の連鎖の割合が非常に多いことが主原因になっている
と考えられる。 −O−Ph−CO−O−Ph−CO− (8) (式中Phは1,4−フェニレン基を示す。)また、上
記の連鎖の割合によって融点、軟化点等が変動するもの
と考えられる。この連鎖が多いということは、シークエ
ンスおよびその分布、並びに組成分布が広範囲にわたっ
て分布している。即ち不均一性が大きいことを意味す
る。
【0005】また、ジャクソンらは上述のポリエステル
に−CO−Ph−NH−単位を共重合させポリエステル
アミドを合成しているが、強度、伸度等の力学特性は芳
しいものではない(USP4182842,ジャーナル
・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス25巻(1
980年)1685−1694)。また、本発明者らは
以前に耐熱性および流動性に優れたポリエステルアミド
を見出した(特開平2−58536)。
【0006】しかしながら、上記の製法では後述するよ
うな意味でのランダム共重合体しかできず、強度、伸度
が十分なものではなかった。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は下記式(1)で表されるジカルボン酸単位 −CO−R1 −CO− (1) (式中R1 は炭素数6から18の2価の芳香族炭化水素
基を示す) 下記式(2)で表されるジオール単位 −OCH2 CH2 O− (2) および下記式(3)で表される単位 −X−Ph−CO− (3) (式中XはOおよび/又はNH,Phは1,4−フェニ
レン基を示す)の構成単位からなる液晶性ポリエステル
アミドで更に引っ張り強度、曲げ強度、衝撃強度等が高
く、かつ耐熱性に優れている系を考え、それはシークエ
ンスや組成分布をより理想的に制御すること、つまり交
互的なシークエンスにすることであると考え、鋭意検討
した。
【0008】
【課題を解決するための手段】その結果、上記特性をも
つ液晶性ポリエステルアミドを製造する方法を見出し、
本発明に到達した。すなわち、主に下記構成単位
(1),(2),(3) −CO−R1 −CO− (1) −OCH2 CH2 O− (2) −X−Ph−CO− (3) からなるポリマーを製造するにあたり、(3)の連鎖で
ある(3−1)の構成単位をできるだけ少なくすること
により目的を達成できると考えた。 −X−Ph−CO−X−Ph−CO− (3−1) 従来のジャクソンらの方法では(3−1)の構成単位が
後述するようにブロック的に存在する。一方特開平2−
58536の方法ではブロック的な成分は減少するが、
(3−1)の構成単位をランダム的にしたにすぎない。
【0009】本発明者らは上記成分が重合体中にランダ
ム的に存在するのでは前述の物性を満足することはでき
ず、交互的に存在させることによってそれが達成される
ことを見出した。すなわち、本願発明は下記式(1)で
表されるジカルボン酸単位 −CO−R1 −CO− (1) (式中R1 は炭素数6から18の2価の芳香族炭化水素
基を示す)下記式(2)で表されるジオール単位 −OCH2 CH2 O− (2) および下記式(3)で表される単位 −X−Ph−CO− (3) (式中XはOおよび/又はNH,Phは1,4−フェニ
レン基を示す)からなるポリエステルアミドであって (i)上記(1)(3)の各々のモル数[1][3]が
下記式(I) 0.65≦[3]/([1]+[3])≦0.88 (I) を満足し, (ii) (3)の単位のうちその−X−側の隣に更に
(3)の単位が存在する場合を −X−Ph−CO−X−Ph−CO− (3−1) (下線部に相当する単位,X,Phは(3)と同じ意味
を示す) (3−1)とし、そのモル数を[3−1]とするときに
下記式(II) [3−1]/[3]=(r×[3])/(r×[3]+2×[1]) (II) により定められるrが0≦r≦0.88を満足し, (iii)(3)の単位のうちXがNHである単位が存在
し、かつ (iv) 275℃,1000sec-1で測定した溶融粘度
が50ポイズ以上であることを特徴とする液晶性ポリエ
ステルアミド及びその製造方法に存する。以下、本発明
を詳述する。
【0010】本発明の液晶性ポリエステルアミドは上記
式(II) により定められるパラメータr(シークエンス
生成性比)を使用したとき0≦r≦0.88を満たすこ
とが必要である。好ましくは ([3]−2×[1]/[3]≦r≦0.85 更に好ましくは ([3]−2×[1]/[3]+0.2×
([1]/[3])≦r≦0.83 更に好ましくは ([3]−2×[1]/[3]+0.4×
([1]/[3])≦r≦0.80 更に好ましくは ([3]−2×[1]/[3]+0.6×
([1]/[3])≦r≦0.70 を満たすことである。rの下限は[3]が[1]の2倍
以下のときは「0」となりうるが、[3]が[1]の2
倍を超えると(3−1)の単位は必然的に生成する。し
たがって[3]の量が[1]の2倍を超える場合には
([3]−2×[1])/[3]≦rとなる。ただし、
誤差等を考慮すると ([3]−2×[1])/[3]−0.03≦r としておくのが好ましい。
【0011】これらの意味について以下に述べる。尚、
式(II) の導出についてはB.Vollmert編Po
lymer Chemistry Springer−
Verlag NY 1973 P.117〜123の
記載を参照した。(3)で示される単位のX側のシーク
エンスを考えると異なる2種類の単位が連結しうる。 −X−Ph−CO−X−Ph−CO− (3−1) −CO−R1 −CO−X−Ph−CO− (3−2) ここで式(3−1),(3−2)において下線部に相当
する単位のモル数を[3−1],[3−2]とすると [3]≒[3−1]+[3−2] である。ただし、末端基があったり、主鎖中に下記式 −Ph−COO−CO−Ph− のような酸無水結合がある場合も考えられるので上記式
の左辺と右辺が必ずしも等しくはならない。またその他
の連鎖として −CO−R1 −CO−OCH2 CH2 O− が考えられる。
【0012】(1),(2),(3)の比率は後で述べ
るがポリマーのNMR法により求めることができる。こ
の値はメタノール分解後のガスクロマトグラフィー法で
も求める事も可能であり、NMR法とよい一致を示す。
【0013】次にrの意味について述べる。一般に高分
子の共重合体製造時にモノマー反応性比という概念があ
る。その場合2種のモノマーM1 ,M2 があり活性種〜
1 *のとなりにモノマーM1 が入る確率をW11とし、
1 ,M2 の濃度を[M1 ],[M2 ]で示すと、下記
一般式 W11=R1 [M1 ]/(R1 [M1 ]+[M2 ]) で表される。(ここにR1 =k11/k12;k11は〜M1
*のとなりにM1 が入る反応速度定数、k12は〜M1
のとなりにM2 が入るめ反応速度定数である。)そのた
め、R1 は結局〜M1 *のとなりにM1 あるいはM2
入る反応速度定数比ということになる。一般にはW11
ポリマーを分析することによって求められる場合もあ
り、ビニル化合物系の連鎖重合の場合は、モノマー消費
量(あるいはポリマー中の組成比)よりR1 を求める場
合もある。
【0014】一方、本発明系のような場合は、逐次反応
であり、かつエステル交換のような副反応も考える必要
があるので、モノマー反応性比R1 が即ポリマーの組成
やシークエンスを決定するものではない。しかしながら
同様な考え方をすることは可能である。即ちモノマーの
反応性比はわからないが、同様な考えによりW11をポリ
マーから決定できれば、それはシークエンスの生成比率
を決定することができると考えられ、W11は[M1 −M
1 ]/[M1 ]で置き換えることができる。([M1
1 ]はM1 のとなりにM 1 のある濃度)。そこで本発
明者らは、新たにrをシークエンスの生成性比と名付
け、上の式と同様な [3−1]/[3]=(r×[M1 ])/(r×[M1 ]+[M2 ]) を使用し、rを定義した。
【0015】[3−1]/[3]は(3)が(3−1)
になっている比率即ち確率を表している。式(3−1)
は具体的には −O−Ph−CO−O−Ph−CO− (3−3) −NH−Ph−CO−O−Ph−CO− (3−4) −O−Ph−CO−NH−Ph−CO− (3−5) −NH−Ph−CO−NH−Ph−CO− (3−6) から構成される。しかし、分析上(3−3)と(3−
4)また(3−5)と(3−6)の区別はできないので
これらは一括して −X−Ph−CO−X−Ph−CO− (3−1) で表した。
【0016】rが1より大きい場合は(3)は(1)に
対してブロック的なシークエンスになっており、r値が
大きくなるほど、よりブロック性が高い。即ち(3−
1)の単位の割合が大きくなることを意味する。rが1
に近い場合は(3)は(1)に対してランダム的なシー
クエンスになっており、これはポリマー中の(3−1)
の(3)に対する比率は[3]と[1]の合計を全体の
組成とした時の[3]の組成比と同一であることを意味
する。
【0017】さらにrが1より小さくなると、[3−
1]の比率が小さくなってくる。即ち(3)は(1)に
対して交互的になることを意味し、rが小さくなるほど
より交互的であることを意味する。r=0のとき(3−
1)は生成しないことを意味する。ただし(3)の比率
がふえてきたとき、即ち(3)>2×(1)になったと
きrは理論上 ([3]−2×[1])/[3]≦rであり、([3]
−2×[1])/[3]=rのとき、ある意味で理想的
交互共重合体といえる。
【0018】逆の面からみるとr>1のときは下記式
(10) −CO−R1 −CO−OCH2 CH2 O− (10) のシークエンスの分率が多いことであり、rが1に近い
ときは(10)のシークエンスが統計的にランダムな分
率だけであり、rが1より小さいときは(10)のシー
クエンスが減少していることを意味する。
【0019】即ち本発明のポリエステルアミドは従来の
同一の組成、組成比の液晶性ポリエステルアミドに比べ
て(10)のシークエンスが少なくなっているというこ
とができる。従来の製法ではこの(10)のシークエン
スを減少させることが困難であった。即ちジャクソンら
の方法によるポリエステルアミドではr>1であり、特
開平2−58536におけるポリエステルアミドではr
は1近辺であった。
【0020】本発明においては上記rが0≦r≦0.8
8を満たすことが必要である。これを満たした本発明の
液晶性ポリエステルアミドの特徴は 1.高い引っ張り強度、曲げ強度を有する。 2.高い衝撃強度を有する。 3.高い破断伸度を有する。 4.同一組成、組成比での耐熱性は高い。 5.同一組成、組成比での流動性が良好である。 等である。尚、本発明のポリマーの物性は力学特性と熱
特性のバランスが従来のものに比べてはるかに優れてい
るものであって、個々の物性においては劣る場合もあり
うる。又、耐熱性が高い割りには流動性が良好であるの
で、重合温度や成形温度を低くできることにつながり、
従来の製造装置で耐熱性の良好なポリマーを製造できる
ことを意味する。
【0021】構造単位(1)で示されるジカルボン酸単
位のR1 としては炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水
素基を示し、具体的にはPh(1,4−フェニレン),
Ph´(1,3−フェニレン),2,6−ナフチル、P
h−Ph,Ph´−Ph´,Ph−X−Ph,Ph−X
−Ph´(式中XはO,S,SO2 ,CH2 ,C(CH
2 2 等が挙ることができる)等が挙げられる。これら
は単独に用いられてもよいし、混合して共重合体となっ
てもよい。これらのうちPh,Ph´2,6−ナフチ
ル、Ph−Ph,Ph´−Ph´が好ましい。単独で用
いるときはPh,2,6−ナフチル、Ph−Phが好ま
しい、特にPh,2,6−ナフチルが好ましい。混合し
て用いる場合においても少なくとも一単位はPh,2,
6−ナフチル、Ph−Phの一つから選ばれることが好
ましく、又これらの合計がR1 のモル比で50%以上、
より好ましくは66%以上であるのがよい。
【0022】好ましい混合系の例としては、PhとPh
´,Phと2,6−ナフチル、PhとPh−Ph,Ph
´とPh−Ph,Ph−Phと2,6−ナフチル等挙げ
ることができる。これらはもちろん3種以上を用いても
よいが、2種までが好ましい。構造単位(3)で示され
る化合物としては−O−Ph−CO−および/又は−N
H−Ph−CO−(3−A)である。 (3)の単位のうちXがNHである場合を(3−A)と
し、各々のモル数を[3],[3−A]とするとその比
率は 0<[3−A]/[3]≦0.5 更に好ましくは 0.02≦[3−A]/[3]≦0.3 更に好ましくは 0.05≦[3−A]/[3]≦0.3 最も好ましくは 0.1≦[3−A]/[3]≦0.25 である。
【0023】本発明においては、前記式(1),(3)
のモル数[1],[3]の比率については、0.65≦
[3]/([1]+[3])を満足する必要がある。即
ち、後述する本発明の製造方法では Z1 −X1 −Ph−COOCH2 CH2 OOC−Ph−X2 −Z2 (4) (式中X1 ,X2 は独立にOおよび/又はNHを示し、
1 ,Z2 は独立にHおよび/又はCH3 CO−を示
す)および下記式(5)で表されるジガルボン酸 HOOC−R1 −COOH (5) (式中R1 は炭素数6から18の2価の芳香族炭化水素
基を示す)が必要であり、その他に Z−X−Ph−COOH (6) (式中XはOおよび/又はNHを示し、ZはHおよび/
又はCH3 CO−を示す)を加えない場合は必然的に 2/3≦[3]/([1]+[3])となる。ただし、
本発明の液晶性ポリエステルは、本発明の製法以外でも
もちろん製造でき、その場合も上記範囲内である必要が
ある。もしも0.65>[3]/([1]+[3])で
あると耐熱性が低下して好ましくない。耐熱性の観点か
らは好ましくは、 0.68≦[3]/([1]+[3])更に好ましく
は、 0.70≦[3]/([1]+[3])である。一方上
限は[3]/([1]+[3])≦0.88である。こ
れ以上[3]の量が多いと(3)の連鎖である(9)が
多くなるため好ましくない。このうち 0.65≦[3]/([1]+[3])≦0.88が好
ましく、更に 0.68≦[3]/([1]+[3])≦0.86が好
ましく、更に 0.70≦[3]/([1]+[3])≦0.85が特
に好ましく、更に 0.75≦[3]/([1]+[3])≦0.85が最
も好ましい。
【0024】(2)のモル数を[2]とすると、[1]
と[2]の比率については重合度を高めるために 0.80≦[1]/[2]≦1.2 好ましくは 0.85≦[1]/[2]≦1.15 更に好ましくは 0.90≦[1]/[2]≦1.10 である。
【0025】また耐加水分解性を向上させるためには、 0.80≦[1]/[2]≦1.0 が好ましく 末端基を封止するような場合には、逆に 1.0≦[1]/[2]≦1.2 が好ましい。
【0026】次にrの求め方について述べる。rは 1
−NMRを用いて求められる。各 1H−NMRスペクト
ルでは
【0027】
【化1】
【0028】に由来するHa のシグナル(XがOのとき
約7.55ppm,NHのとき7.95ppmの合計
値)により(3−1)の比率を計算し、
【0029】
【化2】
【0030】に由来するHb のシグナル(XがOのとき
約7.45ppm,NHのとき7.85ppmの合計
値)により(3−2)の比較を計算できる。更に約8.
3ppm,8.5ppmのシグナルから(1)と(3)
の比率を求めこれらを基にrを算出することができる。
【0031】力学特性的には(1)のR1 を1,4−フ
ェニレンとし、[1]/[3]=20/80の場合、本
発明の液晶性ポリエステルアミドは従来の液晶性ポリエ
ステルアミドに比べて、破断伸度、強度(引っ張り、曲
げ)が約20%以上向上し、耐熱性も向上している。シ
ークエンスが交互的になっているため、構造(特に高次
構造)が溶融後に残っていないため溶融粘度が低く低温
で成形できる。また、均一な構造であるため溶媒に溶け
やすく、同一組成比で比較すると結晶性が向上する。
【0032】次に製造法について述べる。0≦r≦0.
88を満たすポリエステルアミドを製造するには従来の
方法即ち前述のジャクソンらの方法や特開平2−585
36等による方法では達成できない。本発明者らはrが
上記範囲を満たすポリエステルアミドを製造する方法と
して(3)の連鎖を生成しにくくするため、はじめか
ら、即ち原料の時点で(3)を離しておく、つまり
(4)式の化合物等を原料に用いればよいと考えた。
【0033】即ち、本発明のようにジオール成分が
(2)のとき、一般に高温下ではエステル交換反応やア
シドリシス反応が活発に起こり、その結果(3)の連鎖
(3−1)がブロック的になったりランダム的になると
思われてきた。しかしながら、予想外に(2)の成分は
エステル交換しにくいのであった。即ちUSP4182
842や特開平2−58536によるポリマーは(3−
1)の割合が増大するのであった。
【0034】本発明では(2)成分のエステル交換が高
温下で予想外に起こりにくいことを逆に利用しようとい
う発想で始まっている。製造法をより具体的に説明す
る。 Z1 −X1 −Ph−COOCH2 CH2 OOC−Ph−X2 −Z2 (4) (式中X1 ,X2 は独立にOおよび/又はNHを示し、
1 ,Z2 は独立にHおよび/又はCH3 CO−を示
す)および下記式(5)で表されるジカルボン酸 HOOC−R1 −COOH (5) (式中R1 は(1)と同じ意味を示す) を加え、場合により、更に下記式(6)で表される化合
物 Z−X−Ph−COOH (6) (式中XはOおよび/又はNHを示し、ZはHおよび/
又はCH3 CO−を示す)を加え、必要に応じて無水酢
酸を加えて、100〜170℃でアセチル化を行う。反
応時間は5分〜3時間、好ましくは20分〜1.5時間
である。その後昇温して重合に入る。(4)のZ1 ,Z
2 ,(6)のZが全てCH3 CO−であるときは無水酢
酸は不要であり、Z1 ,Z2 又はZがHのときは無水酢
酸は必要である。
【0035】無水酢酸の量は原料のヒドロキシル基とア
ミノ基の合計量と同量〜1.5倍量程度使用するのが好
ましい。即ち(4)のZ1 ,Z2 =Hのときを(4−
1),(6)のZ=Hのときを(6−1),無水酢酸を
(11)とし、各々のモル数を[4−1],[6−
1],[11]とすると、 1.0≦[11]/(2×[4−1]+[6−1]≦
1.5 が好ましく、 1.1≦[11]/(2×[4−1]+[6−1]≦
1.4 が特に好ましい。また(4)と(5)の比率は 0.85≦[4]/[5]≦1.15 が好ましく、 0.9≦[4]/[5]≦1.1 が特に好ましい。
【0036】次に(4),(6)式においてX,X1
2=NHの場合を各々(4−A)(6−A)とすると
それらの比率は 0<(2×[4−A]+[6−A])/(2×[4]+
[6])≦0.5 が好ましく、0.02≦(2×[4
−A]+[6−A])/(2×[4]+[6])≦0.
3 が特に好ましい。 (4)と(6)の比率は 0≦[6]/[4]≦6 が好ましく、 0.5≦[6]/[4]≦4 が更に好ましい、 1≦[6]/[4]≦3 が最も好ましい。
【0037】別の製造方法としては Z−X−Ph−COOCH2 CH2 OH (7) から出発することも可能である。即ち Z−X−Ph−COOCH2 CH2 OH (7) および下記式(5)で表されるジカルボン酸 HOOC−R1 −COOH (5) (式中R1 は(1)と同じ意味を示す) および、下記式(6)で表される化合物 Z−X−Ph−COOH (6) (式中XはOおよび/又はNHを示し、ZはHおよび/
又はCH3 CO−を示す)に無水酢酸を加えて、100
〜170℃でアセチル化を行う。反応時間は5分〜3時
間、好ましくは20分〜1.5時間である。その後昇温
して重合に入る。
【0038】無水酢酸はZが全てCH3 CO−である場
合には不要であるがHである化合物を含む場合は必要と
なる。無水酢酸の量は(7)のZ=Hのときを(7−
1),(6)のZ=Hのときを(6−1),無水酢酸
(11)とし、各々のモル数を[7−1],[6−
1],[11]とすると 1.0≦[11]/([7−1]+[6−1])≦1.5 特に好ましくは 1.1≦[11]/([7−1]+[6−1])≦1.4 である。
【0039】アセチル化前に(5),(6),(7)を
あらかじめ反応させておいても良く、また(6),
(7)をあらかじめ反応させておいても良い。その場合 1.0≦[6]/[7]≦4の範囲で行うのが好まし
く、特に 1.0≦[6]/[7]≦2が好ましい。 この反応は溶媒を用いて行っても良いが、その後の除去
等を考えると無溶媒で行うのが好ましい。(7)と
(6)および/または(5)を反応させる場合には
(7)が溶融しているところへ(6)および/または
(5)を溶融させるのが好ましい。反応温度としては1
45〜220℃で行うのが好ましい。
【0040】(5)と(7)の比率は重合度の観点から 0.8≦[5]/[7]≦1.2 が好ましく、 1.0≦[5]/[7]≦1.1 がより好ましい。 全体の仕込み比率としては 1.0≦[6]/[7]≦5.0 が好ましく、 1.0≦[6]/[7]≦3.5 がより好ましい。 (5)の全部/又は一部、(6)のうちZ=CH3 CO
−である化合物の全部/又は一部は、アセチル化中、お
よびアセチル化後に添加してもよい。その後昇温して重
合に入る。
【0041】重合は220〜340℃で重合させるが、
特に260〜320℃で行うのが好ましい。特に265
〜300℃で行うのが好ましい。最も好ましくは265
〜280℃である。固体の耐熱性のわりに低温で重合で
きるというメリットもある。また重合は減圧下で行う
が、760mmHgから1mmHgまで徐々に減圧に要
する時間は30分以上、好ましくは60分以上の時間で
実施され、特に30mmHgから1mmHgまでの減圧
を徐々に行うことが重要である。また、反応は無触媒で
も可能であるし、必要に応じて触媒の存在下で実施され
る。使用される触媒としてはエステル交換触媒、重縮合
触媒、アシル化触媒、脱カルボン酸触媒等が使用され、
これらを混合してもかまわない。好ましい触媒としては
Ti(OBu)4 ,BuSnOOH,Sn(OA
c)2 ,Sb2 3 ,Fe(acac)3 Zn(OA
c)2 ,Co(OAc)2 ,NaOAc,KOAc等が
挙げられる。その使用量はポリマーに対して5〜500
00ppm,好ましくは50〜5000ppmである。
重合時間は10時間以内ならよいが、その中でも7時間
以内でおこなうのが好ましい。更に1〜4時間以内で行
うのが最も好ましい。この重合は低温で行うことができ
るメリットを挙げたが、低温で行っても簡単に抜け出
せ、抜き出し時にトラブルをおこすことがないというメ
リットもある。これもシークエンスがより交互的に制御
されていることに基づいていると思われる。
【0042】また、本発明の液晶性ポリエステルアミド
は溶融相において光学異方性を示す。特に溶融を始める
と溶融開始温度から少し温度を高めるだけで固体部分が
ほとんどなくなり、ほとんどすべてが液晶状態をとりう
るので、流動性が従来のポリエステルアミドよりもはる
かによいという特徴を有する。そのため成形性が良好で
押し出し成形、射出成形、圧縮成形等の一般的な溶融成
形を行うことが可能であり、成形品、フィルム、繊維等
に加工することができる。
【0043】溶融粘度についていうと、本発明のポリエ
ステルアミドは液晶性を示すことより、溶融粘度は一般
に低い。例えば275℃、103 sec-1での溶融粘度
は5000ポイズ以下、好ましくは30〜3000ポイ
ズ、更に好ましくは100〜2500ポイズである。ま
た、本発明の液晶性ポリエステルアミドは275℃と2
95℃における溶融粘度の比の値が小さいのも特徴のひ
とつである。
【0044】本発明の液晶性ポリエステルアミドは特に
高流動性であることから精密成形品に適している。例え
ば自動車部品、コンパクトディスクやフロッピーディス
ク等の情報材料の部品、コネクター、ICソケット等の
電子材料の部品等に使用される。また、成形時に本発明
の液晶性ポリエステルアミドに対し、ガラス繊維、炭素
繊維等の繊維類、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等の
フィラー類、核剤、顔料、酸化防止剤、滑剤、その他安
定剤、難燃剤等の充填剤や添加剤、熱可塑性樹脂等を添
加して成形品に所望の特性を付与することも可能であ
る。
【0045】また、他のポリマーとのブレンドやアロイ
化によって他のポリマーの特徴と本発明の液晶性ポリエ
ステルアミドの両方の長所も合わせ持つ組成物をつくり
出すことも可能である。その際にアミド基の存在によ
り、他のポリマーとの相溶性も高い。
【0046】
【実施例】次に参考例および実施例に基づいて、本発明
を更に詳細に説明をするがその要旨を越えない限り以下
の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の
溶融粘度の測定には、島津製作所フローテスターを用
い、剪断速度1000sec-1、(シリンダーノズルの
長さ)/(直径)=20を使用した。光学異方性(液晶
性)は、ホットステージ付偏光顕微鏡を用いて観察し
た。成形は日本製鋼社製0.1oz射出成形機を用いて
行った。引っ張り特性(引っ張り弾性率、引っ張り強
度、破断伸度)は上記0.1oz射出成形品について、
東洋ボールドウイン社製TENSILON/UTMIII
Lを用いて測定した。耐熱性の測定としては、ビカット
軟化温度を測定した。ビカット軟化温度は東洋精器の自
動HDT装置を用い、サンプルは上記0.1oz射出成
形片を用いて50℃/hrの昇温速度で針が1mm侵入
したところの温度である。NMRはBRUKER製のA
M−500を使用し、溶媒としてはトリフルオロ酢酸又
はトリフルオロ酢酸とペンタフルオロフェノールの混合
溶媒を用いた。測定温度はトリフルオロ酢酸のみの系で
は室温で、トリフルオロ酢酸とペンタフルオロフェノー
ルの混合溶媒では60℃で行った。なお、(1),
(2),(3),(3−1)の組成比率は図1を更に拡
大して測定した。測定誤差としては[1]/[3]=2
0/80の場合で20±0.5/80±0.5である。
【0047】参考例1 HO−Ph−COO−CH2 CH2 −OOC−Ph−O
Hの合成 キシレン中にp−ヒドロキシ安息香酸とエチレングリコ
ールをp−ヒドロキシ安息香酸/エチレングリコール=
2/1(モル比)になるように仕込み、触媒としてp−
トルエンスルホン酸を仕込んだ。これをキシレンのリフ
ラックス温度まで昇温し、反応させた。反応終了後、未
反応部を水洗して取り除き、純度の高いHO−Ph−C
OO−CH2 CH2 −OOC−Ph−OHを得た。構造
1H−NMRで確認した。
【0048】参考例2 H2 N−Ph−COO−CH2 CH2 −OOC−Ph−
NH2 の合成 特開表3−501030号に記載の方法に基づいて合成
した。構造は 1H−NMRで確認した。
【0049】参考例3 HO−Ph−COO−CH2 CH2 −OHの合成 p−ヒドロキシ安息香酸138重量部、Na2 CO3
重量部、イソプロパノール300重量部をオートクレー
ブに仕込み、90℃にてエチレンオキサイド66重量部
を添加し、反応を行った。反応後冷却して析出物をろ過
し、水より2度再結晶して融点141℃のHO−Ph−
COO−CH2CH2 −OHを55重量部得た。構造は
1H−NMRで確認した。
【0050】実施例1 攪拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管に HO−Ph−COO−CH2 CH2 −OOC−Ph−O
H48.6g(0.161モル) HOOC−Ph−COOH 26.7g(0.161モ
ル) HO−Ph−COOH 33.3g(0.242モル) およびH2 N−Ph−COOH 11.0g(0.08
1モル) を仕込み、窒素減圧置換後、さらに無水酢酸を82.1
g(0.81モル)添加し、系を攪拌しながら、140
℃に昇温して1時間140℃に保った。その後、1.5
時間かけて275℃になったところで減圧を始めた。
【0051】減圧は最初の1時間で10mmHgにし
て、そのまま保った。減圧開始後1時間15分で充分ト
ルクが上がったので重合を終了した。その後静置し、復
圧して重合管の底からポリマーを抜き出した。抜き出し
性は非常に良好であった。チップ化した後、120℃で
一晩乾燥させた。このポリマーの溶融粘度は275℃1
000sec-1のとき430ポイズであった。また偏光
顕微鏡により液晶であることを確認した。このポリマー
のrは0.75であった。尚、図1にr=0.75を求
めるために用いたNMRチャートを示す。
【0052】このポリマーの引っ張り特性は破断伸度
4.3%、引っ張り強度2500kg/cm2 、引っ張
り弾性率9.3×104 kg/cm2 であった。またビ
カット軟化温度は205℃であった。またこのポリマー
はp−クロロフェノール/o−ジクロロベンゼン混合溶
媒に溶解し、均一であることがわかった。
【0053】実施例2 攪拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管に HO−Ph−COO−CH2 CH2 −OOC−Ph−O
H60.4g(0.20モル) HOOC−Ph−COOH 33.2g(0.20モ
ル) HO−Ph−COOH 13.8g(0.10モル) およびH2 N−Ph−COOH 13.7g(0.10
モル) を仕込み、実施例1と同様にして重合を行った。このポ
リマーの溶融粘度は275℃1000sec-1のとき5
00ポイズであった。また偏光顕微鏡により液晶である
ことを確認した。このポリマーはr=0.73であっ
た。このポリマーの引っ張り特性は破断伸度4.9%、
引っ張り強度2700kg/cm2 、引っ張り弾性率1
0.0×104 kg/cm2 であった。またビカット軟
化温度は213℃であった。またこのポリマーはp−ク
ロロフェノール/o−ジクロロベンゼン混合溶媒に溶解
し、均一であることがわかった。
【0054】実施例3 攪拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管に HO−Ph−COO−CH2 CH2 −OOC−Ph−O
H24.2g(0.08モル) NH2 −Ph−COO−CH2 CH2 −OOC−Ph−
NH2 24.0g(0.08モル) HOOC−Ph−COOH 26.6g(0.16モ
ル) およびHO−Ph−COOH 44.2g(0.32モ
ル) を仕込み、実施例1と同様にして重合を行った。このポ
リマーの溶融粘度は275℃1000sec-1のとき4
00ポイズであった。また偏光顕微鏡により液晶である
ことを確認した。このポリマーはr=0.70であっ
た。このポリマーの引っ張り特性は破断伸度5.2%、
引っ張り強度3000kg/cm2 、引っ張り弾性率1
1.1×104 kg/cm2 であった。またビカット軟
化温度は224℃であった。またこのポリマーもp−ク
ロロフェノール/o−ジクロロベンゼン混合溶媒に溶解
し、均一であることがわかった。
【0055】比較例1 特開平2−58536号に記載の方法に基づきポリエス
テルアミドを製造した。即ち、オリゴポリエチレンテレ
フタレート(ηinh =0.12dl/g)、p−ヒドロ
キシ安息香酸、p−アミノ安息香酸を原料とし、最終組
成が実施例1と同様になるようにした。このポリマーの
rは1.02であった。rを求めるためのNMRチャー
トを図2に示した。また引っ張り特性は破断伸度3.2
%、引っ張り強度1350kg/cm2 、引っ張り弾性
率8.2×104 kg/cm2 であった。また、このポ
リマーはp−クロロフェノール/o−ジクロロベンゼン
溶媒に溶解せず、不均一であった。このポリマーの溶融
粘度は275℃、1000sec-1で1800ポイズで
あった。
【0056】比較例2 ジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス
25巻(1980年)1685−1694)に記載の方
法に基づきポリエステルアミドを製造した。即ち、ポリ
エチレンテレフタレート、p−アセトキシ安息香酸、p
−アセトアミド安息香酸を原料とし、最終組成が実施例
3と同等になるようにした。このポリマーのrは1.3
2であった。また引っ張り特性は破断伸度2.8%、引
っ張り強度1250kg/cm2 、引っ張り弾性率8.
5×104 kg/cm2 であった。また、このポリマー
はp−クロロフェノール/o−ジクロロベンゼン溶媒に
溶解せず、不均一であった。このポリマーの溶融粘度は
275℃、1000sec-1で2000ポイズ以上であ
った。
【0057】結果を表1にまとめて記載する。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明のシークエンスがより交互的に制
御された新規な液晶性ポリエステルアミドは高弾性率で
あり、引っ張り強度、曲げ強度、衝撃強度等が高く、更
に高伸度であるために靱性があり、かつ同一組成、同一
組成比においては、従来のものに比べ力学特性だけでな
く、耐熱性にも優れているものである。
【0060】そのため高度の特性を持つ成形材料、フィ
ルム、繊維等の製品として非常に有用である。特に従来
利用できなかった分野にまで応用可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にて製造したポリマーの 1H−NMR
チャート
【図2】比較例1にて製造したポリマーの 1H−NMR
チャート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−58536(JP,A) 特表 平3−501030(JP,A) 特公 昭56−18016(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50 C09K 19/38 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表されるジカルボン酸単
    位 −CO−R1 −CO− (1) (式中R1 は炭素数6から18の2価の芳香族炭化水素
    基を示す)下記式(2)で表されるジオール単位 −OCH2 CH2 O− (2) および下記式(3)で表される単位 −X−Ph−CO− (3) (式中XはOおよび/又はNH,Phは1,4−フェニ
    レン基を示す)からなるポリエステルアミドであって (i)上記(1)(3)の各々のモル数[1][3]が
    下記式(I) 0.65≦[3]/([1]+[3])≦0.88 (I) を満足し, (ii) (3)の単位のうちその−X−側の隣に更に
    (3)の単位が存在する場合を −X−Ph−CO−X−Ph−CO− (3−1) (下線部に相当する単位,X,Phは(3)と同じ意味
    を示す) (3−1)とし、そのモル数を[3−1]とするときに
    下記式(II) [3−1]/[3]=(r×[3])/(r×[3]+2×[1]) (II) により定められるrが 0≦r≦0.88を満足し, (iii)(3)の単位のうちXがNHである単位が存在
    し、かつ (iv) 275℃,1000sec-1で測定した溶融粘度
    が50ポイズ以上であることを特徴とする液晶性ポリエ
    ステルアミド。
  2. 【請求項2】 (3)の単位中のXがNHである単位の
    比率が(3)の単位の全量に対して0.5以下である請
    求項1記載の液晶性ポリエステルポリアミド。
  3. 【請求項3】 出発原料として下記式(4)で表される
    化合物 Z1 −X1 −Ph−COOCH2 CH2 OOC−Ph−X2 −Z2 (4) (式中X1 ,X2 は独立にOおよび/又はNHを示し、
    1 ,Z2 は独立にHおよび/又はCH3 CO−を示
    す) および下記式(5)で表されるジカルボン酸 HOOC−R1 −COOH (5) (式中R1 は(1)と同じ意味を示す) 並びに必要に応じて下記式(6)で表される化合物 Z−X−Ph−COOH (6) (式中XはOおよび/又はNHを示し、ZはHおよび/
    又はCH3 CO−を示す)および/又は無水酢酸を反応
    させ溶融状態で重縮合することを特徴とする請求項1記
    載の液晶性ポリエステルアミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 出発原料として下記式(7)で表される
    化合物 Z−X−Ph−COOCH2 CH2 OH (7) (式中XはOおよび/又はNHを示し、ZはHおよび/
    又はCH3 CO−を示す)および下記式(5)で表され
    るジカルボン酸 HOOC−R1 −COOH (5) (式中R1 は(1)と同じ意味を示す) および下記式(6)で表される化合物 Z−X−Ph−COOH (6) (式中XはOおよび/又はNHを示し、ZはHおよび/
    又はCH3 CO−を示す)および必要に応じて無水酢酸
    を反応させ溶融状態で重縮合することを特徴とする液晶
    性ポリエステルアミドの製造方法。
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