JP3091387B2 - 嵩高構造糸及びその製造方法 - Google Patents

嵩高構造糸及びその製造方法

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JP3091387B2
JP3091387B2 JP07104485A JP10448595A JP3091387B2 JP 3091387 B2 JP3091387 B2 JP 3091387B2 JP 07104485 A JP07104485 A JP 07104485A JP 10448595 A JP10448595 A JP 10448595A JP 3091387 B2 JP3091387 B2 JP 3091387B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高級衣料用途、衣料資材
用途等に適する合成繊維製の嵩高構造糸及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、糸の繊維軸方向に交絡部と非交絡
部を有し、間歇交絡構造を有する交絡糸として、例えば
特公昭61−8172号公報、特開昭60−14602
9号公報、特開平4−281029号公報、特開平6−
220733号公報等が提案されている。これらは主と
してインターレースノズル等を用いて、交絡部と非交絡
部を形成するが、これらの非交絡部は織物の経糸又は緯
糸として使用された場合、織物の組織点に織り込まれ、
表面の微細なナチュラルな感触が出せなかった。又、こ
れらの交絡糸に500〜800T/m以上の撚を入れた
場合(追撚)、これらの撚に非交絡部が巻き込まれ、嵩
高感あるいは風合の微細なナチュラルな感触が出せなか
った。
【0003】又、芯/鞘の糸長差を有しながら、嵩高部
と非嵩高部が交互に存在する発明が特開平4−2810
29号公報、特開平6−173330号公報、特開平6
−33333号公報等で提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記芯
/鞘の糸長差を有しながら嵩高部と非嵩高部が交互に存
在する加工糸は、嵩高部と非嵩高部の両部の構造が複雑
でなく糸長差も多くはなく、撚を入れて使用する場合、
風合の微細なナチュラルな感触が出せないという問題が
あった。とくに、織物の経糸又は緯糸として使用した場
合、組織点に織り込まれ、又、500〜800T/mの
実撚を入れた場合、撚に巻き込まれ、非交絡部あるいは
嵩高部の風合、又は表面感触が充分に出現できず、更に
1000〜1200T/m以上の強追撚を入れた場合、
表面感触は全く生かし切れないという問題があった。し
たがって、いずれも織物を染色加工する工程で風合い出
しと称して弛緩処理やもみ処理を行い、表面にフィラメ
ントを浮き立たせる方法が提案されているが、表面感触
は十分なものではなかった。
【0005】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、表面変化に富み、ナチュラルな嵩高風合を有し、実
撚を入れた場合であっても表面の微細なナチュラルな触
感の編織物を得ることができる嵩高構造糸及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の嵩高構造糸は、複屈折率△nが20×10
-3 以上80×10 -3 以下の範囲にあり、伸度差が30%
以内の少なくとも2種のポリエステルマルチフィラメン
ト糸条を用いて、延伸同時仮撚加工を行い、引続き交絡
と混繊及びループを付与するための流体処理加工を施し
嵩高構造糸であって、前記少なくとも2種類のフィラ
メントは10%以上の糸長差(ただし糸長差は、各構成
フィラメントに0.1g/dの荷重をかけて長さを測定
したときの各々のフィラメント糸の長さの差をいう。)
を有し、閉ループが混在する高嵩高部A、たるみ及び/
又は開ループが存在する中嵩高部B、及び低嵩高部C
が、繊維軸方向にランダムに配列しており、繊維軸方向
に1g/dの荷重を加えたときに、前記A、B、Cの各
部分の個数が1インチ当りそれぞれ1個以上存在るこ
とを特徴とする。
【0007】本発明の加工糸は、糸の長さ方向に下記3
つの嵩高部を配置する。 (1)高嵩高部A、中嵩高部B、低嵩高部C(ただし順
序は問わない。) (2)前記高嵩高部Aは閉ループが混在する。更に中嵩
高部と同等以上の嵩高度である。 (3)中嵩高部Bはたるみ及び/又は開ループが存在す
る。 (4)低嵩高部Cは糸の交絡、混繊からなり、形状が通
常の仮撚の巻縮糸形態と同様に弛みは少なく、ストレー
トに近い形状で、高嵩高部A及び中嵩高部Bに比較して
嵩高度が低い。
【0008】また前記構成においては、嵩高部A、B、
Cのいずれかが1インチ当り個以上存在することが好
ましい。
【0009】さらに嵩高部A、B、Cの順序はアトラン
ダムに存在していても良い。また前記において、1g/
d(デニール)の荷重は相当に高い荷重であり、このよ
うな高荷重をかけた状態においても、前記3つの嵩高部
(高嵩高部A、中嵩高部B、低嵩高部C)の形態を保つ
ことは、糸の構造が強固であることを示している。
【0010】次に本発明の嵩高加工糸の製造方法は、複
屈折率△nが20×10-3以上80×10-3以下の範囲
にあり、伸度差が30%以内の少なくとも2種のポリエ
ステルマルチフィラメント糸条を用いて、糸の供給速度
差をつけ、さらに合流させる時の糸条の交叉角を15度
以上とし、仮撚延伸倍率を100%以上200%以下の
範囲で、延伸同時仮撚加工を行い、引続き交絡と混繊及
びループを付与するための流体処理加工を施すことを特
徴とする。
【0011】前記において、流体処理加工は、交絡と混
繊及びループ付与加工を同時に達成できる流体処理装置
であっても良いし、交絡と混繊を行う装置とループを付
与する装置であっても良い。前記において、交絡と混繊
を行う装置とループを付与する装置を用いる場合は、そ
の順序は問わない。また、延伸同時仮撚時に好ましくは
2本のマルチフィラメントの供給速度を変化させ、片方
を過供給しても良い。これらの糸は、通常の分散染料可
染タイプの糸でも良いし、カチオン染料可染タイプの糸
でも良い。
【0012】
【作用】前記した本発明の嵩高構造糸は、少なくとも2
種類のフィラメントは10%以上の糸長差(ただし糸長
差は、各構成フィラメントに0.01g/dの荷重をか
けて長さを測定したときの各々のフィラメント糸の長さ
の差をいう。)を有し、閉ループが混在する高嵩高部
A、たるみ及び/又は開ループが存在する中嵩高部B、
及び低嵩高部Cが、繊維軸方向にランダムに配列してお
り、繊維軸方向に1g/dの荷重を加えたときに、前記
A、B、Cの各部分の個数が1インチ当りそれぞれ1個
以上存在することにより、表面変化に富み、ナチュラル
な嵩高風合を有し、甘撚、普通撚及び強追撚を入れた場
合であっても表面の微細なナチュラルな触感の編織物を
得ることができる嵩高構造糸を実現できる。また糸長差
があるため芯鞘状態の糸構造となり、これにより嵩高感
をさらに有効に発揮できる。
【0013】また前記において、嵩高部A、B、Cの各
部分の個数が1インチ当りそれぞれ1個以上存在する
と、さらに好ましい表面変化とナチュラルな嵩高風合を
発現できる。
【0014】次に本発明の製造方法によれば、複屈折率
△nが20×10-3以上80×10-3以下の範囲にあ
り、伸度差が30%以内の少なくとも2種のポリエステ
ルマルチフィラメント糸条を用いて、糸の供給速度差を
つけ、さらに合流させる時の糸条の交叉角を15度以上
とし、仮撚延伸倍率を100%以上200%以下の範囲
で、延伸同時仮撚加工を行い、引続き交絡と混繊及びル
ープを付与するための流体処理加工を施すことにより、
前記本発明の嵩高構造糸を効率良く合理的に製造でき
る。
【0015】前記方法において、流体処理加工が、交絡
及び混繊に加えて、構成フィラメント糸にループを付与
する加工であると、さらに前記高嵩高部Aと中嵩高部B
及び低嵩高部Cを効果的につくることができる。
【0016】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。図1は本発明の一実施例の嵩高構造糸の外観
をモデル的に示したものである。図1において、Aは閉
ループが混在する高嵩高部、Bはたるみ及び/又は開ル
ープが存在する中嵩高部、Cは交絡部が残存する低嵩高
部Cである。前記高嵩高部A、中嵩高部B及び低嵩高部
Cは、繊維軸方向にランダムに配列しており、繊維軸方
向に1g/dの荷重を加えたときに、前記A、B、Cの
各部分の個数が1インチ当りそれぞれ1個以上存在す
る。またWaは高嵩高部Aの嵩高、Wbは中嵩高部B
の嵩高、Wcは低嵩高部Cの嵩高を示し、Wa,W
b,Wcのそれぞれの巾の長さ関係は、5.0×Wc≧Wa≧1.1×Wc 3.0×Wc≧Wb≧1.1×Wc Wa≧Wb (ただし、Waは高嵩高部Aの嵩高巾、Wbは中嵩高部
Bの嵩高巾、Wcは低嵩高部Cの嵩高巾を示し、前記嵩
高巾Wa,Wb,Wcは繊維軸方向に1g/d(デニー
ル)の荷重を加えたときの長さ(単位:mm)を示
す。)である。
【0017】そして、少なくとも2種類のフィラメント
からなり、10%以上の糸長差(ただし糸長差は、各構
成フィラメントに0.01g/dの荷重をかけて長さを
測定したときの各々のフィラメント糸の長さの差をい
う。)を有するのである。
【0018】次に図2は本発明の一実施例の嵩高構造糸
の製造方法を示すものである。図2において、芯糸のパ
ッケージ1から解舒された芯糸は、糸ガイド2,ニップ
ロール3,糸ガイド4に供給される。一方、鞘糸のパッ
ケージ5から解舒された鞘糸は、糸ガイド6,ニップロ
ール7,糸ガイド8を通過して糸ガイド4に供給され
る。糸ガイド4で芯糸に鞘糸を合体させる。芯糸に対す
る鞘糸の合体角度αは、15°〜105°の範囲が好ま
しい。その範囲βは90°である。芯糸と鞘糸には供給
速度差を与える。供給速度差は、芯糸より鞘糸の方を1
〜80%速く供給する。
【0019】糸ガイド4の穴直径は2mm〜200mm
程度が好ましい。糸ガイド4で芯糸に鞘糸を合体させた
後、ツイスター(加撚器)10で仮撚を加えた状態で熱
板9により熱処理する。ニップロール3,11間では延
伸同時仮撚を行う。次いでニップロール11,13の間
で圧力空気を用いて交絡ノズル12で交絡処理する。最
後に巻取機15により巻取パッケージ16に巻き上げ
る。
【0020】交絡ノズルは、フィラメントを開繊し、そ
の後振動による交絡と混繊及びループ付与を行うノズル
であればいかなるものであっても使用できる。たとえ
ば、図3に示す交絡ノズル30は、圧力流体(たとえば
空気)を流体導入口31から供給し、中空円筒部32に
向けてほぼ垂直方向に放出する。供給するマルチフィラ
メント糸(延伸同時仮撚糸)35は中空円筒部32のエ
ッジ33から角度をつけて供給し、中空円筒部32のエ
ッジ34から角度をつけて引き取る。ノズル内に於い
て、マルチフィラメント構成繊維は圧力流体の噴射によ
って開繊かつ混繊されて開繊部36が形成され、その両
隣には交絡部37,38が形成される。
【0021】次に図4に示す流体乱流ノズル40は、圧
力流体(たとえば空気)を流体導入口41から供給し、
噴射部42から中空円筒部43に糸の送り方向に向けて
放出する。供給するマルチフィラメント糸(延伸同時仮
撚糸)46は中空円筒部43のエッジから角度をつけて
供給し、衝突ボール45に衝突させた後、ガイド板44
に沿って引き取る。ノズル内に於いて、マルチフィラメ
ント構成繊維は圧力流体の噴射によって開繊かつ混繊さ
れ、次に衝突ボール45に衝突してループ47が形成さ
れる部分と、ガイド板44に沿って最短距離を通過する
部分とが形成される。最短距離を通過する部分は密度の
高い交絡部49となり、ループ47が形成される部分は
長い距離を通過して収束されるため膨らみを持ったルー
プ部48となる。
【0022】次に図5に示す流体乱流交絡ノズル50
は、圧力流体(たとえば空気)を流体導入口51から供
給し、中空円筒部52に糸の送り方向に向けて噴射す
る。供給するマルチフィラメント糸(延伸同時仮撚糸)
54は中空円筒部52のエッジから角度をつけて供給
し、糸ガイド53を通過させて角度をつけるかまたはつ
けないで引き取る。ノズル内55に於いて、マルチフィ
ラメント構成繊維は圧力流体の噴射によって開繊かつ混
繊され、加えてループも形成される。糸ガイド53を通
過したマルチフィラメント糸には、開繊部56と交絡収
束部57とループ部58が形成される。
【0023】前記において、図3に示すノズル30と図
4に示すノズル40は、直列に用いる。その場合順序
は、どちらが先であっても良い。一方図5に示すノズル
50は単独で使用することができる。また延伸同時仮撚
した後に連続して流体処理し、ループを付与しているこ
とにより、ループは微細なものとなる。 次に具体的実
施例を説明する。
【0024】(実施例1) (1)原糸として、複屈折率△nが20×10-3〜80
×10-3の範囲のものが混在しており、伸度が120〜
130%の範囲にある下記半延伸糸(POY:プレ オ
リエンテッド ヤーン、または高配向未延伸糸)を使用
した。 芯糸:繊度が250デニール、フィラメント数が48本
(以下、250D−48fのように省略して記載する)
であって、延伸後150デニールとなるポリエチレンテ
レフタレート(PET)マルチフィラメント 鞘糸:250D−72f(延伸後150デニール)、P
ETマルチフィラメント (2)芯糸と鞘糸との供給差:10%(鞘糸をオーバー
フィード) (3)芯糸に対する鞘糸の合体角度α:約45° (4)延伸同時仮撚条件 糸速: 500m/min 仮撚数: 1950T/m 仮撚温度: 210℃ 延伸倍率: 1.6倍 (5)交絡処理条件 空気圧力: 6kg/cm2 流量: 60リットル/min ノズル種類:フィラメントを開繊し、その後振動による
交絡と混繊とループ付与を行うノズル(図5) (6)結果 以上の製造条件で実施した結果、次の糸が得られた。繊
維軸方向に1g/d(デニール)の荷重を加えたときの
高嵩高部A:平均65個/m(平均1.65個/イン
チ)、中嵩高部B:平均83個/m(平均2.11個/
インチ)、低嵩高部C:平均76個/m(平均1.93
個/インチ)従って、各部の個数は1個/インチ以上存
在していることが確認できた。
【0025】また、各構成フィラメントに0.01g/
dの荷重をかけて長さを測定したときの糸長差は、17
%であった。
【0026】この糸を織物の経糸、緯糸に使用したとこ
ろ、表面変化に富み、ナチュラルな嵩高風合を有し、芯
糸及び鞘糸の染着差が少なく、良好な織物が得られた。
さらに前記で得られた糸に、800T/mの追撚を
れ、製織したところ、表面の微細なナチュラルな触感の
編織物を得ることができた。
【0027】(実施例2) (1)原糸として、複屈折率△nが20×10-3〜80
×10-3の範囲のものが混在しており、伸度が145%
の下記半延伸糸を使用した。 芯糸:繊度が175D−48f(延伸後100デニー
ル)となるPETマルチフィラメント 鞘糸:150D−72f(延伸後75デニール)、PE
Tマルチフィラメント (2)芯糸と鞘糸との供給差:10%(鞘糸をオーバー
フィード) (3)芯糸に対する鞘糸の合体角度α:30° (4)延伸同時仮撚条件 糸速: 600m/min 仮撚数: 2300T/m 仮撚温度: 200℃ 延伸倍率: 1.6倍 (5)交絡処理条件 空気圧力: 6kg/cm2 流量: 60リットル/min ノズル種類:図3に示すノズルを先に配置しその直後に
図4に示すノズルを配置した。 (6)結果 以上の製造条件で実施した結果、次の糸が得られた。高
嵩高部A:平均58個/m(平均1.47個/イン
チ)、中嵩高部B:平均76個/m(平均1.93個/
インチ)、低嵩高部C:平均85個/m(平均2.16
個/インチ)従って、各部の個数は1個/インチ以上存
在していることが確認できた。
【0028】また、各構成フィラメントに0.01g/
dの荷重をかけて長さを測定したときの糸長差は、15
%であった。
【0029】この糸を織物の経糸、緯糸に使用したとこ
ろ、3つの嵩高部が存在するため、極めて表面変化に富
み、ナチュラルな嵩高風合を有する織物が得られた。ま
た、高嵩高部Aの閉ループのフィラメントは、織物の組
織点で織り込まれず表面の微細なナチュラルな触感が発
現できた。丸編地等に使用しても同様であった。また、
芯糸と鞘糸の染着差が少なく、染めむらも少なかった。
【0030】更に、得られた糸に500〜800T/m
の撚を入れ、製織編物した場合も、閉ループ部のフィラ
メントは巻き込まれず、嵩高感があり、腰・張とがあ
り、なおかつ微細なナチュラルな表面感触が得られた。
【0031】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の嵩高構造糸
は、複屈折率△nが20×10 -3 以上80×10 -3 以下
の範囲にあり、伸度差が30%以内の少なくとも2種の
ポリエステルマルチフィラメント糸条を用いて、延伸同
時仮撚加工を行い、引続き交絡と混繊及びループを付与
するための流体処理加工を施した嵩高構造糸であって、
前記少なくとも2種類のフィラメントは10%以上の糸
長差(ただし糸長差は、各構成フィラメントに0.1g
/dの荷重をかけて長さを測定したときの各々のフィラ
メント糸の長さの差をいう。)を有し、閉ループが混在
する高嵩高部A、たるみ及び/又は開ループが存在する
中嵩高部B、及び低嵩高部Cが、繊維軸方向にランダム
に配列しており、繊維軸方向に1g/dの荷重を加えた
ときに、前記A、B、Cの各部分の個数が1インチ当り
それぞれ1個以上存在ることにより、表面変化に富
み、ナチュラルな嵩高風合を有し、甘撚、普通撚及び強
追撚を入れた場合であっても表面の微細なナチュラルな
触感の編織物を得ることができる嵩高構造糸を実現でき
る。また糸長差があるため芯鞘状態の糸構造となり、こ
れにより嵩高感をさらに有効に発揮できる。
【0032】次に本発明の製造方法によれば、複屈折率
△nが20×10-3以上80×10-3以下の範囲にあ
り、伸度差が30%以内の少なくとも2種のポリエステ
ルマルチフィラメント糸条を用いて、糸の供給速度差を
つけ、さらに合流させる時の糸条の交叉角を15度以上
とし、仮撚延伸倍率を100%以上200%以下の範囲
で、延伸同時仮撚加工を行い、引続き交絡と混繊及びル
ープを付与するための流体処理加工を施すことにより、
前記本発明の嵩高構造糸を効率良く合理的に製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の嵩高構造糸の外観をモデ
ル的に示した図。
【図2】 本発明の一実施例の嵩高構造糸の製造方法を
示すプロセス図
【図3】 本発明の一実施例で用いた交絡ノズルの断面
図。
【図4】 本発明の一実施例で用いた別の交絡ノズルの
断面図。
【図5】 本発明の一実施例で用いた別の交絡ノズルの
断面図。
【符号の説明】
A 閉ループが混在する高嵩高部 B たるみ及び/又は開ループが存在する中嵩高部 C 低嵩高部 Wa 高嵩高部Aの嵩高 Wb 中嵩高部Bの嵩高 Wc 低嵩高部Cの嵩高 1 芯糸パッケージ 2,4,6,8,8´ 糸ガイド 3,7,11,13 ニップロール 5 鞘糸 パッケージ 9 熱板 10 仮撚ツイスター 12 交絡ノズル 15 巻取機 16 巻取パッケー 30 交絡ノズル 31,41,51 流体導入口 32,43,52 中空円筒部 33,34 中空円筒部のエッジ 35,46,54 供給マルチフィラメント糸 36 開繊部 37,38,49 交絡部 40 流体乱流ノズル 42 噴射部 44 ガイド板 45 衝突ボール 47 ループ 48,58 ループ部 50 流体乱流交絡ノズル 53 糸ガイド 55 ノズル内 56 開繊部 57 交絡収束部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大前 宣雄 愛知県中島郡平和町上三宅字上屋敷1番 地1 東レ・テキスタイル株式会社本社 東海事業場内 (56)参考文献 特開 平6−128828(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/02 D02G 3/04 D02G 3/34 D02J 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複屈折率△nが20×10 -3 以上80×
    10 -3 以下の範囲にあり、伸度差が30%以内の少なく
    とも2種のポリエステルマルチフィラメント糸条を用い
    て、延伸同時仮撚加工を行い、引続き交絡と混繊及びル
    ープを付与するための流体処理加工を施した嵩高構造糸
    であって、 前記少なくとも2種類のフィラメントは10%以上の糸
    長差(ただし糸長差は、各構成フィラメントに0.1g
    /dの荷重をかけて長さを測定したときの各々のフィラ
    メント糸の長さの差をいう。)を有し、閉ループが混在
    する高嵩高部A、たるみ及び/又は開ループが存在する
    中嵩高部B、及び低嵩高部Cが、繊維軸方向にランダム
    に配列しており、繊維軸方向に1g/dの荷重を加えた
    ときに、前記A、B、Cの各部分の個数が1インチ当り
    それぞれ1個以上存在ることを特徴とする嵩高構造
    糸。
  2. 【請求項2】 嵩高部A、B、Cのいずれかが1インチ
    当り個以上存在する請求項1に記載の嵩高構造糸。
  3. 【請求項3】 少なくとも2種類のフィラメント糸から
    なる嵩高構造糸の製造方法であって、複屈折率△nが2
    0×10-3以上80×10-3以下の範囲にあり、伸度差
    が30%以内の少なくとも2種のポリエステルマルチフ
    ィラメント糸条を用いて、糸の供給速度差をつけ、さら
    に合流させる時の糸条の交叉角を15度以上とし、仮撚
    延伸倍率を100%以上200%以下の範囲で、延伸同
    時仮撚加工を行い、引続き交絡と混繊及びループを付与
    するための流体処理加工を施すことを特徴とする嵩高加
    工糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 流体処理加工が、交絡と混繊及びループ
    付与加工を同時に達成する流体処理装置、または交絡と
    混繊を行う装置とループを付与する装置を用いる請求項
    3に記載の嵩高加工糸の製造方法。
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