JP3075047B2 - 電動ポンプ式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動ポンプ式パワーステアリング装置

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JP3075047B2
JP3075047B2 JP05285108A JP28510893A JP3075047B2 JP 3075047 B2 JP3075047 B2 JP 3075047B2 JP 05285108 A JP05285108 A JP 05285108A JP 28510893 A JP28510893 A JP 28510893A JP 3075047 B2 JP3075047 B2 JP 3075047B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、操舵者の操舵に対する
負担を軽減する電動ポンプ式パワーステアリング装置に
関し、特に、トルク検出手段からのトルク検出値が実操
舵トルクに応じた値からずれた場合に、このずれを補正
して、実操舵トルクの変化に対して設定された操舵補助
(以下、「アシスト」と称する。)力が操舵系に付与で
きるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電動ポンプ式パワーステアリング
装置には、省エネルギーを目的として、アシスト力が必
要な左または右操舵時には、検出された操舵トルクに応
じた出力を得るように電動ポンプを駆動し、その出力を
圧力制御弁を介してパワーシリンダ内に所定の油圧とし
て付与するが、ステアリングホイールを操舵しないまた
はステアリングホイールの遊びの範囲内での操舵である
ためにアシスト力を必要としない場合には、電動ポンプ
を停止する制御がなされるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような電動ポンプ
の駆動および停止は、トルクセンサからの検出値に応じ
てなされるものである。通常のトルクセンサは、操舵ト
ルクに応じて直線的に増減する電圧信号をトルク検出値
Vとして出力するものであり、このトルク検出値Vは、
例えば図3に示すように、操舵トルクTが0の時の中立
値VN を基準にして、左操舵の場合には、中立値VN
り操舵トルクTに応じた偏差ΔVL だけ低い値VL とし
て出力され、右操舵の場合には、中立値VN より操舵ト
ルクTに応じた偏差ΔVR だけ高い値VR として出力さ
れる。
【0004】そのため、何らかの原因で、トルク検出値
の中立値VN が、実際の操舵トルク(実操舵トルク)が
0のときに設定されるべき中立値(初期中立値)からず
れると、操舵系に付与されるアシスト力が実操舵トルク
の変化に対して設定されたアシスト力に一致せず、直進
走行時に不必要なアシスト力が働いたり、アシスト力が
必要な左または右操舵時にアシストされなかったりする
という問題点があった。
【0005】本発明は、このような従来技術の未解決の
課題に着目してなされたものであり、トルク検出手段か
らのトルク検出値が実操舵トルクに応じた値からずれた
場合に、このずれを補正して、実操舵トルクの変化に対
して設定されたアシスト力が操舵系に付与できるような
電動ポンプ式パワーステアリング装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電動ポンプ式パワーステアリング装置は、
図1の基本構成図に示すように、電動ポンプを有し、操
舵系に操舵補助力を付与する操舵補助力付与手段と、操
舵トルクを検出するトルク検出手段と、前記トルク検出
手段からのトルク検出値に基づいて前記操舵補助力付与
手段の特性を決定する操舵補助力制御手段とを備えた電
動ポンプ式パワーステアリング装置において、前記電動
ポンプの出力を検出するポンプ出力検出手段を備えると
ともに、前記操舵補助力制御手段が、前記ポンプ出力検
出手段からのポンプ出力検出値と前記トルク検出手段か
らのトルク検出値とに基づいて、前記ポンプ出力検出値
が所定値となったときの左右のトルク検出値から算出さ
れた中立値を、現時点でのトルク検出値の基準値とする
ことにより、当該トルク検出値の基準値と実際の操舵ト
ルクに応じた基準値とのずれを補正するトルク検出値補
正手段を有することを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明の電動ポンプ式パワーステアリング装置
では、図1の基本構成図に示すように、トルク検出手段
が検出したトルク検出値(例えば操舵トルクに応じて増
減する電圧値)とポンプ出力検出手段が検出したポンプ
出力検出値(例えばポンプモータの電流値)とが操舵補
助力制御手段に供給され、当該操舵補助力制御手段のト
ルク検出値補正手段では、前記ポンプ出力検出値と前記
トルク検出値とに基づいて、前記ポンプ出力検出値が所
定値となったときの左右のトルク検出値から算出された
中立値を、現時点でのトルク検出値の基準値とすること
により、当該トルク検出値の基準値と実際の操舵トルク
に応じた基準値とのずれに応じた補正値が算出され、こ
の算出された補正値により前記トルク検出手段からのト
ルク検出値が補正され、この補正されたトルク検出値に
基づいて操舵補助力付与手段への制御信号が出力され、
操舵補助力付与手段は、この出力された制御信号に応じ
て電動ポンプの所定の出力を得、この出力をアシスト力
として例えば前記パワーシリンダに付与する。
【0008】これにより、トルク検出手段からのトルク
検出値が実際の操舵トルクに応じた値からずれた場合で
あっても、当該トルク検出値は実際の操舵トルクに応じ
た値に補正されるため、操舵系には、実際の操舵トルク
の変化に対して設定されたアシスト力が付与される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図2はこの実施例における車両操舵系の概略構成図
であり、これに基づいて先ず構成を説明する。ステアリ
ングホイール11と一体に回転するステアリングシャフ
ト12の先端を、既知のラックアンドピニオン式ステア
リングギヤボックス13内において車両左右方向に延び
る操舵軸14と噛合し、その操舵軸14の両端部に、タ
イロッド15を介して左右の前輪10FL,10FRを
連結している。また、ステアリングシャフト12の中途
部には、左右への操舵に伴い前輪10FL,10FRと
路面との間の摩擦力等により生じた操舵トルクを検出す
るトルクセンサ16が介装されている。
【0010】このトルクセンサ16は、操舵トルクに応
じて直線的に増減する電圧信号をトルク検出値Vとして
出力するものであり、このトルク検出値Vは、図3に示
すように、操舵トルクTが0の時の中立値VN を基準に
して、左操舵の場合には、中立値VN より操舵トルクT
に応じた偏差ΔVL だけ低い値VL として設定され、右
操舵の場合には、中立値VN より操舵トルクTに応じた
偏差ΔVR だけ高い値VR として設定される。
【0011】前記操舵軸14は両ロッド形複動シリンダ
20のピストンロッドとして機能しており、このシリン
ダ20内は操舵軸14と一体のピストン21によって左
右のシリンダ室22L,22Rに分割され、これらシリ
ンダ室22L,22Rに供給される油量に応じて操舵軸
14がストロークされる。なお、各シリンダ室22L,
22R内には同等の弾性係数並びに自由長を有するスプ
リング23が内装されており、各シリンダ室22L,2
2Rへの油圧が解除されるとピストン21がシリンダ2
0の中央部に移動されてセンタリングされ、前輪10F
L,FRが中庸位置に復帰される。
【0012】このシリンダ20の各シリンダ室22L,
22Rは、圧力制御弁30を介して油圧ポンプ40に接
続してあり、油圧ポンプ40によりリザーバ41から吸
引された所定圧の作動油が圧力制御弁30を介して各シ
リンダ室22L,22Rに供給される。すなわち、油圧
ポンプ40は圧力制御弁30のポンプポートPに接続さ
れ、圧力制御弁30のリターンポートRがリザーバ41
に接続され、圧力制御弁30の一方の出力ポートAがシ
リンダ20の一方のシリンダ室22Lに、他方の出力ポ
ートBがシリンダ20の他方のシリンダ室22Lに接続
されている。
【0013】圧力制御弁30は、各二つずつの入出力ポ
ートを有する4ポート3位置、スプリングセンタ形の電
磁方向切換弁であり、図2の左方の電磁ソレノイド31
aは後述するコントローラからの駆動信号CS1 で励起
され、右方の電磁ソレノイド31bはコントローラから
の駆動信号CS2 で励起される。ここで圧力制御弁30
の両電磁ソレノイド31a,31bが励起されていない
状態では、両側のリターンスプリング32a,32bの
弾性力が均衡して圧力制御弁30は中央切り換え位置と
なり、この状態で圧力制御弁30のポンプポートPとリ
ターンポートRとが連通状態となり、各出力ポートA,
Bはそれぞれ遮断状態となる。したがって、油圧ポンプ
40からの吐出油はそのままリザーバ41に帰還される
とともに、シリンダ20の左右のシリンダ室22L,2
2Rはそれぞれ内部の油圧が連通して中庸モードとな
る。
【0014】この状態から、前記コントローラの駆動信
号CS1 により左方の電磁ソレノイド31aが励起され
ると、左方のリターンスプリング32aの弾性力に抗し
て圧力制御弁30は図2の右切り換え位置となり、この
状態で圧力制御弁30のポンプポートPと出力ポートB
とが連通状態となり、リターンポートRと出力ポートA
とが連通状態となる。したがって、油圧ポンプ40から
の吐出圧により、作動油はシリンダ20の右シリンダ室
22Rに供給されるため、操舵軸14のピストン21が
図2の左方に移動し、結果的に左シリンダ室22L内の
作動油はリザーバ41に帰還されるから、前輪10F
L,FRは右切りモードとなる。
【0015】この状態から、前記コントローラの駆動信
号CS2 により右方の電磁ソレノイド31bが励起され
ると、右方のリターンスプリング32bの弾性力に抗し
て圧力制御弁30は図2の左切り換え位置となり、この
状態で圧力制御弁30のポンプポートPと出力ポートA
とが連通状態となり、リターンポートRと出力ポートB
とが連通状態となる。したがって、油圧ポンプ40から
の吐出圧により、作動油はシリンダ20の左シリンダ室
22Lに供給されるため、操舵軸14のピストン21が
図2の右方に移動し、結果的に右シリンダ室22R内の
作動油はリザーバ41に帰還されるから、前輪10F
L,FRは左切りモードとなる。
【0016】一方、前記油圧ポンプ40にはモータ5が
接続してあり、このモータ5の負荷電流に応じて油圧ポ
ンプ40が回転駆動される。そして、モータ5にはこの
モータ5の負荷電流を検出する電流センサ51が接続し
てあり、この電流センサ51による電流検出値Iが後述
のコントローラに出力される。コントローラ6は、図4
に示すように、少なくともA/D変換機能を有する入力
インタフェース回路61a、中央演算装置(CPU)6
1b、記憶装置(ROM,RAM)61c、D/A変換
機能を有する出力インタフェース回路61d等を有する
マイクロコンピュータ61と、圧力制御弁30への駆動
信号CS1 を供給する駆動回路62と、圧力制御弁30
への駆動信号CS2 を供給する駆動回路63と、モータ
5への駆動信号CS3 を供給する駆動回路64とを備え
たものである。
【0017】マイクロコンピュータ61の記憶装置61
cには、図5および6に示す制御マップが記憶されてい
る。図5は、トルクセンサ16からのトルク検出値V
(VL ,VR )の中立値VNからの偏差ΔV(ΔVL
ΔVR )と、これに応じた油圧ポンプ40の制御圧Pと
の関係を示す制御マップであり、これにより、トルク検
出値Vの前記偏差ΔVに対して油圧ポンプ40による作
動油の吐出圧が二次曲線的に増加するように制御され
る。
【0018】図6は、油圧ポンプ40による作動油の吐
出圧Pとこれに応じたモータ5の負荷電流I(P)との
関係を示す制御マップであり、これにより、必要な吐出
圧Pに対してモータ5の負荷電流I(P)が直線的に増
加するように制御される。両マップにより、トルク検出
値Vとこれに応じたモータ5の負荷電流I(V)との関
係は、図7に示すように、トルク検出値Vの中立値VN
からの偏差ΔVに対してモータ5の負荷電流I(V)が
二次曲線的に増加するように制御されることが分かる。
【0019】コントローラ6のマイクロコンピュータ6
1では、後述される図9および10の演算処理に従い、
トルクセンサ16からのトルク検出値Vに基づいて、制
御信号Scs1 またはScs2 を駆動回路62または63に
向けて出力するか、制御信号Scs1 またはScs2 の出力
を停止するとともに、トルクセンサ16からのトルク検
出値Vと電流センサ51からの電流検出値Iとに基づい
て、トルクセンサ16からのトルク検出値Vと実際の操
舵トルクTS とのずれに応じた新たな中立値V N を算出
し、算出された新たな中立値VN により前記トルク検出
値Vを補正し、補正されたトルク検出値Vの更新された
中立値VN からの偏差ΔVに応じた負荷電流I(V)を
制御信号Scs3 に変換して、この制御信号Scs3 を駆動
回路64に向けて出力する。
【0020】次に、コントローラ6内で行われる演算処
理における本発明の特徴に係わる部分の基本原理につい
て説明する。前述のように、トルクセンサ16は、原理
的に、検出された操舵トルクTに応じて直線的に増減す
る電圧信号をトルク検出値Vとして出力する。ここで、
トルクセンサ16により検出された操舵トルクTと操舵
者が実際に感じている実操舵トルクTS とが一致してい
る時には、図8の実線が示すように、実操舵トルクTS
に応じたトルク検出値Vが出力される。
【0021】しかしながら、検出された操舵トルクTと
操舵者が実際に感じている実操舵トルクTS とがずれる
(設定された中立値VN が実操舵トルクTS =0のとき
に設定される初期中立値V(N) でなくなる)ことも考え
られる。この場合、検出された操舵トルクTとトルク検
出値Vとの関係は、例えば図8の仮想線のようにずれる
ことになる。
【0022】すなわち、生じている実操舵トルクTS
同じであっても、中立値にずれ(V (N) →VN )がある
と、トルクセンサ16により検出される操舵トルクTが
変わり、実操舵トルクTS に応じたトルク検出値Vが出
力されないことになる。そのため、この実施例において
は、以下のようにしてトルクセンサ16の中立ずれを補
正する。
【0023】前述のように、トルク検出値Vは、現時点
における中立値VN を基準に設定されるため、左または
右操舵時のトルク検出値VL ,VR は、前記中立値VN
からの偏差をΔVL ,ΔVR として下記の(1),
(2)式で表される。 VL =VN −ΔVL ……(1) VR =VN +ΔVR ……(2)そして、 図8に示すように、現時点における中立値VN
は、実操舵トルクTS=0のときに設定されるべき初期
中立値V(N) からずれている場合がある。
【0024】ここで、ポンプ出力(モータ5の負荷電
流)は、外力によるタイヤ負荷の増大に伴って増大する
ため、ポンプ出力は実際の操舵トルクに応じた値にな
る。また、前述の図7のグラフから分かるように、左ま
たは右操舵時のいずれであっても、同一の電流値I
(V)を発生させる(すなわち、ポンプ出力が同じ時
の)トルク検出値VL ,VR の中立値VN からの偏差Δ
L ,ΔVR は等しく、この時の中立値は初期中立値V
(N) (実操舵トルクT S =0のときに設定されるべき中
立値V N )とみなすことができる。 したがって、同一の
電流値I(V)を発生させるトルク検出値V L ,V R
下記の(3),(4)式で表され、 L =V (N) −ΔV L ……(3) R =V (N) +ΔV R ……(4) これらの偏差ΔV L ,ΔV R が等しいことから、以下の
ようにして、初期中立値V (N) が算出される。 (N) −V L =−V (N) +V R ……(5) (N) =(V R +V L )/2 ……(6)
【0025】したがって、(6)式に従って算出され
、初期中立値V (N) とみなすことができる中立値VN
を新たな中立値とすれば、トルク検出値VL ,VR から
この中立値V N (≒V (N) を減じることにより、実
舵トルクに応じた偏差ΔVL ,ΔVR が算出される。
【0026】次に、このような発明原理に基づいてトル
クセンサ16の中立値VN ずれに応じ、新たな中立値V
N を前記(7)式に従って算出するための演算処理につ
いて、図9のフローチャートに従って説明する。
【0027】このプログラムにおいて、所定値IS (>
0)は予め設定される電流値であって、電流センサ51
からの電流検出値Iがこの値IS であるときにトルク検
出値の新たな中立値VN が算出されるため、この値IS
が小さいほど中立値VN が更新される操舵角が小さくな
る。そして、この新たな中立値VN は、演算処理で算出
される毎に前記記憶装置61cに更新記憶されている。
【0028】この演算処理は、所定周期Δt1 (例えば
40msec)毎のタイマ割り込み処理として実行さ
れ、まず、ステップS101でトルクセンサ16からの
トルク検出値Vと、前記記憶装置61cに更新記憶され
ている最新の中立値VN を読み込む。次にステップS1
02に移行して、このトルク検出値Vが現時点での(最
新の)中立値VN と異なる値であるかどうかを判定し
て、異なる値であればステップS103に移行し、等し
い値であればメインプログラムに復帰する。
【0029】ステップS103では電流センサ51から
の電流検出値Iを読み込んで、ステップS104に移行
する。このステップS104では、電流検出値Iが予め
設定された所定値IS に等しいかどうかを判定して、等
しい値であればステップS105に移行し、異なる値で
あればメインプログラムに復帰する。次に、ステップS
105では、トルク検出値Vが現時点での中立値VN
り大きいかどうかを判定する。このステップS105
で、トルク検出値Vが現時点での中立値VN より大きい
と判定された場合には、ステップS106に移行してこ
のトルク検出値Vを最新の右操舵トルク値VR として記
憶装置61cに記憶し、トルク検出値Vが現時点での中
立値VN より小さい場合には、ステップS107に移行
してこのトルク検出値Vを最新の左操舵トルク値VL
して記憶装置61cに記憶する。
【0030】次に、ステップS108に移行して、最新
の右操舵トルク値VR と最新の左操舵トルク値VL とを
記憶装置61cから読み込んでステップS109に移行
する。このステップS109では、読み込まれた最新の
右操舵トルク値VR と最新の左操舵トルク値VL とから
前記(7)式に従って最新の中立値VN を算出して、ス
テップS110に移行し、算出された最新の中立値VN
を記憶装置61cに更新記憶してメインプログラムに復
帰する。
【0031】このようにして記憶装置61cに更新記憶
された最新の中立値VN に基づいてトルク検出値Vを補
正し、補正されたトルク検出値Vに応じ、各駆動回路6
2〜64へ出力する制御信号SCS1 〜SCS3 を形成する
ための演算処理について、図10のフローチャートに従
って説明する。この演算処理は、前述の新たな中立値V
N を算出する演算処理の周期Δt1 より短い所定周期Δ
2 (例えば20msec)毎のタイマ割り込み処理と
して実行され、まず、ステップS201で、トルクセン
サ16からのトルク検出値Vを読み込むとともに、記憶
装置61cから最新の中立値VN を読み込む。
【0032】次に、ステップS202に移行して、読み
込まれたトルク検出値Vから最新の中立値VN を引き算
することにより、トルク検出値Vの中立値VN からの偏
差ΔVを算出する。次に、ステップS203に移行し
て、記憶装置61cに記憶された図5に示す制御マップ
に従って、トルク検出値の前記偏差ΔVに応じたアシス
ト制御圧P(油圧ポンプ40の吐出圧)を算出設定す
る。
【0033】次に、ステップS204に移行して、記憶
装置61cに記憶された図6に示す制御マップに従っ
て、油圧ポンプ40が前記アシスト圧Pを達成するため
に必要なモータ5に負荷される電流指令値I(P)を算
出設定する。次に、ステップS205に移行して、前記
電流指令値I(P)を出力インターフェイス61dに出
力する。なお、これに伴い、出力インターフェイス61
d内のD/A変換器により電流指令値I(P)に応じて
形成された制御信号Scs3 が駆動回路64に出力され
る。
【0034】次に、ステップS206に移行して、トル
ク検出値の前記偏差ΔVの値を判定し、この偏差ΔVが
正の値である場合にはステップS207に移行し、この
偏差ΔVが負の値である場合にはステップS208に移
行し、この偏差ΔVが0である場合にはステップS20
9に移行する。前記ステップS207では、右操舵され
たと判定し、右操舵をアシストするための駆動信号を得
るために、前記制御信号Scs1 を前記駆動回路62に向
けて出力してメインプログラムに復帰する。
【0035】前記ステップS208では、左操舵された
と判定し、左操舵をアシストするための駆動信号を得る
ために、前記制御信号Scs2 を前記駆動回路63に向け
て出力してメインプログラムに復帰する。前記ステップ
S209では、操舵角が0であると判定し、制御信号S
cs1 ,S cs2 の出力を停止してメインプログラムに復帰
する。
【0036】次に、この実施例の動作を説明する。図2
において、ステアリングホイール11を左または右に操
舵すると、ステアリングシャフト12の先端がステアリ
ングギヤボックス13内で操舵軸14に噛合しているた
め、操舵系には、前輪10FL,10FRと路面との間
の摩擦力等に応じた操舵トルクが生じる。そして、この
発生した操舵トルクがトルクセンサ16により検出され
るが、トルクセンサ16は、現時点における中立値VN
に応じたトルク検出値Vをコントローラ6内に出力す
る。
【0037】このトルクセンサ16からのトルク検出値
VがステップS101で読み込まれ、読み込まれたトル
ク検出値Vが(実操舵トルクにかかわらず)現時点での
中立値VN に等しい場合(例えば、現時点における中立
値VN が実操舵トルクが0のときに設定されるべき初期
中立値V(N) に等しい場合であって、直進走行のためス
テアリングホイール11を操舵しない、またはステアリ
ングホイール11の遊びの範囲内での操舵の場合には操
舵トルクが生じない場合)には、図9のステップS10
2でV≠VN に相当しないと判断されてステップS10
3以下の演算処理がなされない。
【0038】これに伴って、図10のステップS202
でΔV=0が算出されるため、ステップS203でアシ
スト油圧P=0が算出設定され、ステップS204で電
流指令値I(P)=0が算出設定され、ステップS20
4で算出設定されたI(P)=0がステップS205で
出力され、ステップS206からステップS209に至
って制御信号Scs1 も制御信号Scs2 も出力されない。
【0039】したがって、モータ5が停止され、油圧ポ
ンプ40の吐出圧は大気圧かほぼ大気圧になるととも
に、圧力制御弁30のいずれのソレノイド31a,31
bも励起されないから、この圧力制御弁30は中央の切
り換え位置に保持され、シリンダ20のピストン21は
中央位置にセンタリングされた状態が維持されて、アシ
スト力が発生しないため操舵系のアシストがなされな
い。
【0040】一方、ステアリングホイール11を右に操
舵することにより、トルク検出値Vが現時点における中
立値VN に等しくない値として検出された場合には、図
9のステップS101で読み込まれたトルクセンサ16
からのトルク検出値Vが、ステップS102でV≠VN
と判定されてステップS103に至り、電流センサ51
から電流検出値Iが読み込まれてステップS104に至
る。
【0041】ここで、電流検出値Iが予め設定された所
定値IS に等しい場合にはS105に至るが、右操舵で
あるためV>VN であるからステップS106に至り、
前記トルク検出値Vが最新の右操舵トルク値VR として
記憶装置61cに更新記憶される。そして、ステップS
108で記憶装置61cから今回更新記憶された最新の
右操舵トルク値VR と、既に記憶されている最新の左操
舵トルク値VL (前記と同様に電流検出値Iが前記所定
値IS に等しい時の値)とを読み込んでステップS10
9に至り、これら最新の左および右操舵トルク値VL
R から、発明原理において説明した(7)式に従って
中立値VN を算出し、ステップS110に至ってこの中
立値VN を記憶装置61cに更新記憶する。
【0042】前記電流検出値Iが予め設定された所定値
S と異なる場合には、前述のような中立値VN の記憶
装置61cへの更新記憶を行わない。これに伴って、図
10のステップS201で読み込まれたトルクセンサ1
6からのトルク検出値Vと、記憶装置61cからの最新
の中立値VN とから、ステップS202で、トルク検出
値Vの中立値VN からの偏差ΔV=V−VN が算出され
てステップS203に至り、記憶装置61cに記憶され
た図5に示す制御マップに従って、前記偏差ΔVに応じ
た油圧ポンプ40の制御圧Pが算出設定されてステップ
S204に至る。ここで、前記制御圧Pを達成するため
に必要なモータ5に負荷される電流指令値I(P)が、
記憶装置61cに記憶された図6に示す制御マップに従
って算出設定される。
【0043】次に、ステップS205において、前記電
流指令値I(P)が出力インターフェイス61dに出力
され、これに伴い、出力インターフェイス61d内のD
/A変換器により電流指令値I(P)に応じて形成され
た制御信号Scs3 が駆動回路64に出力される。次に、
ステップS206において、トルク検出値の前記偏差Δ
Vの値が正であると判定されてステップS207に至
り、右操舵されたと判定され、制御信号S cs1 が前記駆
動回路62に向けて出力される。
【0044】これにより、駆動回路64から駆動信号C
3 がモータ5に向けて出力されるため、モータ5に電
流指令値I(P)に応じた電流が供給され、油圧ポンプ
40の吐出圧Pが図6のマップに従って電流指令値I
(P)に応じた値に制御される。これととともに、駆動
回路62から駆動信号CS1 が圧力制御弁30の左方の
ソレノイド31aに向けて出力され、このソレノイド3
1aが励起されて圧力制御弁30は図2の右切り換え位
置に切り換えられ、油圧ポンプ30の吐出圧に伴う作動
油はシリンダ20の右シリンダ室22Rに供給されるか
ら、ピストン21が図2の左方に移動され、これにより
操舵軸14が左方に移動されて前左右輪10FL,10
FRの右操舵がアシストされる。
【0045】なお、ステアリングホイール11を左に操
舵した場合については、トルク検出値V<VN であるた
め、図9のステップS105からS107に至り、前記
トルク検出値Vが最新の左操舵トルク値VL として記憶
装置61cに更新記憶されることと、トルク検出値の前
記偏差ΔVの値が負となるため、図10のステップS2
06からS208に至り、制御信号cs2 が前記駆動回路
63に向けて出力され、アシスト方向が変わることを除
いて前記と同様に動作し、前左右輪10FL,FRの左
操舵がアシストされる。
【0046】ここで、アシスト力と時間との関係を図1
1にグラフで示す。このグラフにおいて、実線は実操舵
トルクの変化に対して設定された左または右操舵のアシ
スト力とする。また、トルク検出値Vが−a≦V≦aの
範囲は、ステアリングホイールの遊びに対するアシスト
力の不感帯域であって、この間で左または右操舵のアシ
スト力は0にセットされるものとする。
【0047】そして、現時点における中立値VN は、実
操舵トルクが0のとき設定されるべき初期中立値V(N)
に対してΔVN だけ右操舵側にずれている。ここで、図
9の補正値演算処理がなく、その結果、図10のステッ
プS202で、更新されていない初期中立値V(N) を固
定値として中立値VN に代入して、例えば右操舵時のト
ルク検出値の偏差(VR −VN )を算出すると、下記の
(10)式のようになり、 VR −VN =(V(N) +ΔVN +ΔVR )−(V(N) ) =ΔVN +ΔVR ……(10) この偏差(ΔVN +ΔVR )に応じたアシスト力は、操
舵トルクの時間変化に対して仮想線で示すように右操舵
方向にシフトする。
【0048】その結果、実操舵において操舵トルクが正
の不感帯域閾値aとなる時刻t1 から、ずれて検出され
たトルク検出値の偏差(ΔVN +ΔVR )に応じたずれ
た操舵トルクが正の不感帯域閾値aに入る時刻t2 まで
の間右操舵のアシスト力が発生する。即ち運転者の感覚
としては不必要な右操舵のアシストがなされることにな
る。また、実操舵において操舵トルクが負の不感帯域閾
値(−a)となる時刻t3 から、ずれて検出されたトル
ク検出値の偏差(ΔVN +ΔVR )に応じたずれた操舵
トルクが負の不感帯域閾値(−a)となる時刻t4 まで
の間は左操舵のアシスト力が発生せず、実操舵において
は不感帯域から抜けて左操舵のアシストが必要とされて
いるにもかかわらずアシストがなされないことになる。
【0049】これに対して、この実施例では、現時点に
おける中立値VN が図9の演算処理によって、常に、電
流検出値が所定値I S となる最新のトルク検出値V L
R から、上記(6)式に従って算出されて更新されて
いる。これにより、現時点における中立値V N は、実操
舵トルクが0となる初期中立値V (N) とみなすことので
きる値に常に更新されているため、左右のいずれの操舵
の場合でも、実操舵トルクに応じたトルク検出値の偏差
ΔV L ΔVR が算出される。その結果、操舵トルクの
時間変化に対するアシスト力は実線と一致する。
【0050】その結果、操舵方向とアシストの方向とが
一致し、しかも前述のようなずれが生じない。なお、こ
の実施例では、トルクセンサ16が本発明の電動ポンプ
式パワーステアリング装置のトルク検出手段に相当し、
圧力制御弁40、油圧ポンプ40、モータ5、パワーシ
リンダ20、および油圧回路により操舵補助力付与手段
が構成され、電流センサ51がポンプ出力検出手段に相
当し、コントローラ6により操舵補助力制御手段が構成
され、図9のプログラムと図10のプログラムのステッ
プS201〜202とが本発明のトルク検出値補正手段
に相当する。
【0051】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、トルク検出値の基準値が実操舵トルクに応じた基準
値からずれた場合に、このずれを補正して、実操舵トル
クの変化に対して設定されたアシスト力を操舵系に付与
することができるため、直進走行時に不必要なアシスト
力が働いたり、アシスト力が必要な左または右操舵時に
アシストされなかったりして運転者に違和感を与えるこ
とが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図である。
【図2】本発明の一実施例における車両操舵系を示す概
略構成図である。
【図3】この実施例におけるトルクセンサの出力特性を
示すグラフである。
【図4】図2のコントローラの概略構成を示すブロック
図である。
【図5】図10の演算処理において、トルクセンサによ
り検出されたトルク検出値Vの中立値VN からの偏差Δ
Vに応じて、油圧ポンプの制御圧Pを算出設定するため
の制御マップである。
【図6】図10の演算処理において、設定された油圧ポ
ンプによる作動油の吐出圧Pに応じて、モータの負荷電
流I(P)を算出設定するための制御マップである。
【図7】図5および図6の制御マップに基づき図10の
演算処理において制御される、トルク検出値Vの中立値
N からの偏差ΔVとモータの負荷電流I(V)との関
係を示すグラフである。
【図8】トルクセンサによるトルク検出値Vの出力特性
を示すグラフであり、操舵トルクが0のときの中立値V
N のずれに伴うトルク検出値Vの実操舵トルクからのず
れについて説明するためのものである。
【図9】この実施例における図2のコントローラにおい
て実行される、本発明のトルク検出値補正手段の一部に
相当する演算処理を示すフローチャートである。
【図10】この実施例における図2のコントローラにお
いて実行される、本発明のトルク検出値補正手段を含む
演算処理を示すフローチャートである。
【図11】実操舵トルクの変化に対して設定されたアシ
スト力と時間との関係(実線)と、トルク検出値Vの中
立値VN が実操舵トルク=0のときに設定されるべき初
期中立値V(N) に対して右操舵側にずれている場合のア
シスト力と時間との関係(仮想線)とを示すグラフであ
る。
【符号の説明】
16 トルクセンサ(トルク検出手段) 20 パワーシリンダ 30 圧力制御弁 40 油圧ポンプ 5 モータ 51 電流センサ(ポンプ出力検出手段) 6 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 B62D 5/07

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御信号に応じた出力を得るように電動
    ポンプを駆動して、当該電動ポンプの出力を操舵系に操
    舵補助力として付与する操舵補助力付与手段と、操舵ト
    ルクを検出するトルク検出手段と、前記トルク検出手段
    からのトルク検出値に基づいて前記操舵補助力付与手段
    への制御信号を出力する操舵補助力制御手段とを備えた
    電動ポンプ式パワーステアリング装置において、 前記電動ポンプの出力を検出するポンプ出力検出手段を
    備えるとともに、 前記操舵補助力制御手段が、 前記ポンプ出力検出手段からのポンプ出力検出値と前記
    トルク検出手段からのトルク検出値とに基づいて、前記ポンプ出力検出値が所定値となったときの左右のト
    ルク検出値から算出された中立値を、現時点でのトルク
    検出値の基準値とすることにより、 当該トルク検出値の基準値と実際の操舵トルクに応じた
    基準値とのずれを補正するトルク検出値補正手段を有す
    ることを特徴とする電動ポンプ式パワーステアリング装
    置。
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