JP3074673B2 - ポリオレフィン系樹脂用被覆組成物 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂用被覆組成物

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JP3074673B2
JP3074673B2 JP08093776A JP9377696A JP3074673B2 JP 3074673 B2 JP3074673 B2 JP 3074673B2 JP 08093776 A JP08093776 A JP 08093776A JP 9377696 A JP9377696 A JP 9377696A JP 3074673 B2 JP3074673 B2 JP 3074673B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂、例えばポリプロピレンホモポリマー、エチレン-
プロピレン共重合体、エチレン- プロピレン- ジエン共
重合体などの保護および美粧を目的として用いられる被
覆組成物に関し、さらに詳しくは、ポリオレフィン系樹
脂のシートおよび成型物にワンコート仕上げで塗装し
て、外観・付着性・耐候性・耐湿性・耐溶剤性などの優
れた塗膜を与える被覆組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックは、軽量、防錆、デザイン
の自由度が広い等多くの利点があるため、近年、自動車
部品、電気部品、建築資材等の材料として広く用いられ
ている。とりわけポリオレフィン系樹脂は、価格が安く
成形性・耐薬品性・耐熱性・耐水性・良好な電気特性な
ど多くの優れた性質を有するため、工業材料として広範
囲に使用されており、将来その需要の伸びも期待されて
いる。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は極性を有
する合成樹脂と異なり、非極性でかつ結晶性のため、塗
装や接着が困難であると言う大きな欠点を有する。
【0003】この欠点を改良する方法として、成形物の
表面をプラズマ処理やガス炎処理し活性化することによ
って付着性を改良するという方法があるが、この方法は
工程が複雑で、表面処理効果にバラツキを生ずる等の別
の欠点を有しており、普及するに至っていない。
【0004】このような前処理なしに塗装する方法とし
て、塩素化ポリプロピレンを成分としたプライマー組成
物を使用する方法が提案されている。これは主として塩
素化ポリプロピレンを成分としたプライマー組成物を下
塗りし、その上に塗装したり接着したりするという方法
であり、自動車のポリプロピレンバンパーの塗装に見ら
れるように、広く使われており、そのプライマー組成物
も種々提案されている。
【0005】さらに最近では、プライマーが不要で1度
で塗装できるワンコート仕上げ用の被覆組成物がいくつ
か提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】塩素化ポリプロピレン
を成分としたプライマー組成物はプライマー塗装(下塗
り)→トップ塗装(上塗り)からなるツーコート仕上げ
という煩雑さを伴いコストも高いものとなる。それゆ
え、1度で塗装できるワンコート仕上げが現在強く望ま
れている。
【0007】ワンコート仕上げ用の被覆組成物として
は、ポリオレフィン系樹脂に対して強い付着力を有する
塩素化ポリオレフィンに、良好な塗料物性を有するアク
リル樹脂やアルキッド樹脂を混合して使用する試みがな
されている。しかしアクリル樹脂やアルキッド樹脂は塩
素化ポリオレフィンと相溶性が悪いため、塗膜の光沢が
低下し、外観を著しく損なうなどの問題を生ずる。
【0008】このような欠点を改良するため、アクリル
系単量体と塩素化ポリオレフィンを共重合して得られる
被覆組成物(特開昭58-71966号公報)、液状ゴムの存在
下でアクリル系単量体と塩素化ポリオレフィンとを共重
合したもの(特開昭62-95372号公報)等々の組成物が提
案されている。しかし、塩素化ポリオレフィンは本質的
に上記の共重合性の単量体や樹脂との相溶性が悪いた
め、これらと共重合しても白濁や二層分離を生じ、均一
で透明な溶液が得られず、良好な塗料・プライマー・接
着剤等のバインダー樹脂とはなり得なかった。
【0009】又、本発明者等は先に、塩素化ポリブタジ
エン存在下、アクリル系単量体と塩素化ポリオレフィン
を共重合した被覆組成物(特開61-215666 号公報)を提
案した。しかしながら、この被覆組成物は製造直後は均
一で透明な溶液で、良好なワンコート仕上げ用の被覆組
成物として使用可能であるが、粘度の経時的な増加など
長期の安定性はまだ充分ではなかった。これは塩素化ポ
リブタジエンに僅かながら存在する二重結合により分子
間架橋が進行したものと考えられる。
【0010】本発明は上記のような問題点の解決を図っ
たものであり、ワンコート仕上げ可能な組成物におい
て、塗膜の光沢や外観に優れ、ポリオレフィンや上塗り
塗料との付着性も良好であり、かつ均一で透明な溶液性
状を示す被覆組成物を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アクリル
系単量体、塩素化エチレン−α−オレフィン共重合体及
び塩素化ポリオレフィンを共重合して得られる樹脂を主
成分とすることを特徴とした被覆組成物により、上記問
題点を解決し本発明を成すに至った。
【0012】即ち、従来よりアクリル系単量体あるいは
共重合体と塩素化ポリオレフィンの反応は極めて困難で
あるとされている。そのためこれらの共重合物は十分な
塗膜物性を示さない。本発明が特徴とするところは、塩
素化エチレン−α−オレフィン共重合体がアクリル系単
量体あるいは共重合体と反応性がよく、しかも塩素化ポ
リオレフィンと相溶性が良好であることに着目し、アク
リル系単量体と塩素化エチレン−α−オレフィン共重合
体および塩素化ポリオレフィンを共重合したことであ
り、ポリオレフィン系樹脂に対しバランスのとれた塗膜
を与える被覆組成物が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるアクリル系単
量体は、塗膜に硬度・耐候性・耐溶剤性・耐磨耗性など
の性質を付与する成分であり、分子中に重合性不飽和基
を有するアクリルモノマーである。
【0014】該モノマーとしては、例えば、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸-n- ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸-t- ブチ
ル、メタクリル酸-2- エチルヘキシル、メタクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸、
メタクリル酸-2- ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-
ヒドロキシプロピル、メタクリル酸グリシジル、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸-n- ブチ
ル、アクリル酸-2- エチルヘキシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸-2- ヒドロキシエチル、アクリル酸グリ
シジルなどがあり、これらを単独または2種以上混合し
て用いることができる。
【0015】本発明に用いられる塩素化エチレン- α-
オレフィン共重合体は、アクリル系単量体あるいはその
共重合体と塩素化ポリオレフィンとの相互の相溶性を改
善するための成分である。
【0016】本発明でいうエチレン−α−オレフィン共
重合体とはエチレンとα−オレフィンを共重合したもの
で、例えばバナジウム触媒を用いて溶液重合するなど公
知の方法で製造することができる。
【0017】α- オレフィンとしてはプロピレン、1-
ブテン、1- ペンテン、1- ヘキセン、1- オクテンな
どの炭素数が3以上のα- オレフィンを共重合すればよ
く、2種類以上使用してもよい。α−オレフィンの炭素
数は10以下が好ましく、特にプロピレンが好ましい。
【0018】エチレン−α−オレフィン共重合体のエチ
レン含有量は30〜70モル%が好適で、さらに好ましくは
40〜60モル%である。エチレン含有量が30モル%以下あ
るいは70モル%以上のものは相溶性の改善効果が少なく
なるほか、塩素化が難しくなったり、最終の被覆組成物
の付着性が悪くなるので好ましくない。
【0019】また、エチレン−α−オレフィン共重合体
の数平均分子量は500 〜10,000が好ましく、数平均分子
量が500 以下では被覆組成物の塗膜性能が悪くなり、1
0,000以上では粘度が高くなって塩素化しづらくなるほ
か、相溶性が悪くなるので好ましくない。なお、数平均
分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラ
フ)により測定できる。
【0020】さらに、エチレン−α−オレフィン共重合
体は常温で液体であることが必要であり、固体であると
アクリル系単量体、塩素化エチレン- α- オレフィン共
重合体、塩素化ポリオレフィンを共重合して得られる樹
脂溶液が白濁するなど相溶性が悪くなり好ましくない。
【0021】エチレン−α−オレフィン共重合体には
α,β−不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト
共重合すると、被覆組成物の接着性が向上するので好ま
しい。
【0022】エチレン−α−オレフィン共重合体にα,
β−不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト共重
合する方法は、公知の方法で行えばよい。例えば、撹拌
機付きの反応容器にエチレン- α- オレフィン共重合体
を入れて80〜200 ℃に加熱し、撹拌しながらラジカル発
生剤の存在下でα,β−不飽和カルボン酸またはその無
水物を徐々に加えて一定時間反応させればよい。このグ
ラフト反応は溶媒に溶解させて行うこともできるが、反
応後に溶媒を除去する手間がかかるので、そのまま反応
させるのが好ましい。
【0023】α,β−不飽和カルボン酸またはその無水
物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、フ
マル酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ア
コニット酸、無水アコニット酸等をあげることができ
る。
【0024】その量はエチレン−α−オレフィン共重合
体に対して1〜10wt%が好ましく、1wt%以下では極性
樹脂への付着性という効果が現れず、10wt%以上ではポ
リオレフィンへの付着性が劣るようになる。
【0025】ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾ
イルパーオキシド、ジ-tert-ブチルパーオキシドのよう
な有機過酸化物類やアゾビスイソブチロニトリルのよう
なアゾ化合物類が使用できる。
【0026】エチレン−α−オレフィン共重合体を塩素
化して得られる塩素化エチレン−α−オレフィン共重合
体の塩素含有率は5 〜50wt%の範囲で使用するのが好ま
しい。塩素含有率が低すぎると塗膜外観が悪くなり、共
重合反応がうまくいかず樹脂溶液が分離するおそれがあ
る。塩素含有率が高すぎると塩素化ポリオレフィンとの
相溶性が悪くなり、アクリル系単量体との反応性も低下
する。なお、塩素含有率はJIS−K7229の方法に
より測定することができる。
【0027】エチレン−α−オレフィン共重合体の塩素
化はガラスライニングした反応容器にエチレン−α−オ
レフィン共重合体を仕込み、撹拌しながら塩素ガスを吹
き込んで行う。温度は30〜120 ℃、好ましくは60〜100
℃で、必要により紫外線の照射や過酸化物などのラジカ
ル発生剤を添加して行う。溶媒に溶解させて塩素化を行
うこともできるが、溶媒が塩素化されたり、塩素化後に
溶媒を除去する手間がかかるなどの欠点がある。
【0028】本発明に用いられる塩素化ポリオレフィン
はポリオレフィン系樹脂に対する付着性を付与するため
の成分であり、塩素含有率は10〜50wt%の範囲で使用す
ることができ、好ましくは15〜45wt%である。塩素含有
率が低すぎると低温での溶液状態や塗膜の外観が悪くな
る。塩素含有率が高すぎるとポリオレフィン系樹脂に対
する付着性が低下する。
【0029】塩素化ポリオレフィンの原料としては、結
晶性ポリプロピレン、非晶質ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリペンテン、ポリ4-メチルペンテン、ポリエチレ
ン、エチレン- プロピレン共重合体、エチレン- プロピ
レン- ジエン共重合体、プロピレン- α- オレフィン共
重合体などがある。また、これらにカルボキシル基や水
酸基などを導入した変性ポリオレフィン樹脂も使用でき
る。塩素化反応は前記のエチレン- α- オレフィン共重
合体の塩素化と同様な方法で行えるが、溶媒に溶解して
反応温度50〜120 ℃の範囲で反応するのが好ましく、触
媒の添加または紫外線の照射を行うのが望ましい。
【0030】本発明にかかるアクリル系単量体と塩素化
エチレン−α−オレフィン共重合体と塩素化ポリオレフ
ィンの共重合は、溶液重合によって行われる。使用する
溶剤はトルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤が最も好
ましく、他にエステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコー
ル系溶剤、塩素系溶剤、脂肪族系溶剤、環状脂肪族系溶
剤などを併用しても差し支えない。重合開始剤としてベ
ンゾイルパーオキサイドのような過酸化物系やアゾビス
イソブチロニトリルのようなアゾビス系が使用できる。
【0031】共重合の方法は、アクリル系単量体と塩素
化エチレン−α−オレフィン共重合体および塩素化ポリ
オレフィンを溶剤で適当に希釈して混合し反応容器内に
仕込み、重合開始剤を添加した後、加熱することを基本
プロセスとするが、アクリル系単量体と重合開始剤を徐
々に加えてもよく、何回かに分けて仕込んでも差し支え
ない。また、反応の後半に重合停止剤を加え反応を抑制
することは望ましく溶液の貯蔵安定性も向上する。
【0032】本発明にかかる被覆組成物はそのままコー
ティングして用いてもよいが、溶剤・顔料・その他の添
加剤を加え塗料として用いてもよい。また、該組成物は
それだけでバランスのとれた塗膜物性を示すが、必要で
あれば環化ゴム・石油樹脂・クマロンインデン樹脂・塩
素化ポリオレフィン樹脂・アクリル樹脂・アルキッド樹
脂などをさらに添加して用いても差し支えない。
【0033】本発明にかかる被覆組成物はポリオレフィ
ン系樹脂のシートや成型物に対して一液で塗装し、常温
から150 ℃の間で乾燥することにより、ワンコート仕上
げ塗膜が得られる。得られた塗膜は優れた付着性・耐候
性・耐水性・耐湿性・耐溶剤性などの諸物性に加え、同
様な目的で使用している他のワンコート仕上げ塗膜より
はるかに強靱で光沢のある塗膜を与えるものであり、ポ
リオレフィン系樹脂だけでなく他のプラスチック類や木
材・コンクリートなどの基材に対しても適用できる。ま
た、本発明の組成物を下塗り剤として使用しても差し支
えない。この際用いる上塗り塗料としては既存の塗料、
例えばウレタン樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、アル
キッド樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料などが適してい
る。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが本発明はこれによって限定されるものではない。
【0035】[試作例1]エチレン−α−オレフィン共
重合体(エチレン含有量40モル%、数平均分子量1000)
5kg をガラスライニングした反応容器に仕込み、撹拌し
ながら90℃に加温し、塩素ガスを吹き込み塩素化を行っ
た。適宜サンプリングし塩素含有率を測定しながら反応
を進めて、塩素含有率25wt%の塩素化エチレン−α−オ
レフィン共重合体を得た。
【0036】[試作例2]アイソタクチックポリプロピ
レン(数平均分子量15000 )500gをガラスライニングし
た反応容器に仕込み、8 リットルのクロロホルムを加
え、2kg /cm2 の圧力の下に95℃で十分に溶解した後、
紫外線を照射しつつ反応容器底部より塩素ガスを吹き込
んだ。塩素含有率27wt%になったとき反応をとめ、クロ
ロホルムを留去してトルエンで置換し、不揮発分30wt%
の塩素化ポリプロピレンを得た。
【0037】[試作例3]エチレン- α- オレフィン共
重合体(エチレン含有量50モル%、数平均分子量8000)
を試作例1と同様にして塩素化を行い、塩素含有率26wt
%の塩素化エチレン−α−オレフィン共重合体を得た。
【0038】[試作例4]エチレン−α−オレフィン共
重合体(エチレン含有量40モル%、数平均分子量1000)
5kg を撹拌機と適下ロ−トとモノマ−を還流するための
冷却管を取り付けた三ッ口フラスコ中にいれ、180 ℃で
一定に保たれた油浴中で加熱した。フラスコ内の窒素置
換を約10分間行った後、撹拌を行いながら無水マレイン
酸250gを5分間かけて投入し、次にジーtert-ブチルパ−
オキシド35g を50mlのヘプタンに溶解し、定量ポンプで
約30分間かけて投入した。系内を180 ℃に保ち、さらに
約1時間反応を継続した後、アスピレーターでフラスコ
内を減圧しながら約30分間かけて未反応の無水マレイン
酸を取り除いた。次に、この生成物をガラスライニング
した反応容器に仕込み、撹拌しながら90℃に加温し、塩
素ガスを吹き込み塩素化を行った。適宜サンプリングし
塩素含有率を測定しながら反応を進めて、塩素含有率25
wt%の塩素化エチレン−α−オレフィン共重合体を得
た。
【0039】[試作例5]液状ポリブタジエン(数平均
分子量3000)500gをガラスラニングした反応容器に仕込
み、8 リットルのクロロホルムを加え温度50℃で十分に
溶解した後、紫外線を照射しつつ反応容器底部より塩素
ガスを吹き込んだ。塩素含有率30wt% になったとき反応
をとめ、クロロホルムを留去してトルエンで置換し、不
揮発分50wt% の塩素化ポリブタジエンを得た。
【0040】[実施例1]撹拌機と温度計とモノマーを
環流するための冷却管を取り付けたフラスコ中に、試作
例1で得た塩素化エチレン−α−オレフィン共重合体40
g 、試作例2で得た塩素化ポリプロピレン150g、トルエ
ン90g 、メタクリル酸メチル35g 、メタクリル酸-n- ブ
チル9g、メタクリル酸1g、ベンゾイルパーオキサイド1.
5gを投入し、85℃で5 時間撹拌した。再びベンゾイルパ
ーオキサイドを0.5g加え、3 時間撹拌し、合計8 時間で
共重合反応を終了した。得られた組成物は均一かつ透明
で粘稠な液体であり、不揮発分は40wt%であった。製造
直後の20℃での粘度は210mPa・sであり、3ヶ月後の粘度
は216mPa・sであった。次にこの組成物100gと二酸化チタ
ン25g をサンドミルで3 時間分散させた後、フォードカ
ップNo.4で13〜15秒になるように粘度調整を行い、ポリ
プロピレン板(BC3B、三菱化学製)にスプレー塗装
した。室温で15分間自然乾燥した後、80℃で30分間強制
乾燥し、24時間室内に静置した後、塗膜の試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0041】[実施例2]実施例1と同様のフラスコ中
に、試作例3で得た塩素化エチレン−α−オレフィン共
重合体45g 、試作例2で得た塩素化ポリプロピレン200
g、トルエン85g 、メタクリル酸メチル39g 、メタクリ
ル酸ラウリル5g、メタクリル酸1g、ベンゾイルパーオキ
サイド1.5gを投入し、85℃で5 時間撹拌した後、アゾビ
スイソブチロニトリルを0.5g加え、3 時間撹拌し、合計
8 時間で共重合反応を終了した。得られた組成物は、均
一かつ透明で粘稠な液体であり、不揮発分は40wt%であ
った。製造直後の20℃での粘度は140mPa・sであり、3ヶ
月後の粘度は150mPa・sであった。次にこの組成物100gと
二酸化チタン25g を実施例1と同様に調整し、ポリプロ
ピレン板に塗装し、乾燥した後塗膜の試験を行った。結
果を表1に示す。
【0042】[実施例3]実施例1と同様のフラスコ中
に、試作例4で得た無水マレイン酸変性塩素化エチレン
−α−オレフィン共重合体60g 、試作例2で得た塩素化
ポリプロピレン150g、トルエン60g を投入し85℃で攪拌
した。次に、メタクリル酸メチル36g 、メタクリル酸シ
クロヘキシル9g、ベンゾイルパーオキサイド1.5gの混合
物を5 時間かけて徐々に添加し、添加終了後ベンゾイル
パーオキサイド0.5gをさらに添加し、4 時間反応を継続
した。得られた組成物は均一かつ透明で粘稠な液体であ
り、不揮発分は40wt%であった。製造直後の20℃での粘
度は183mPa・sであり、3ヶ月後の粘度は194mPa・sであっ
た。次にこの組成物100gと二酸化チタン25g を実施例1
と同様に調整し、ポリプロピレン板に塗装し、乾燥した
後塗膜の試験を行った。結果を表1に示す。
【0043】[比較例1]実施例1と同様のフラスコ中
に、試作例2で得た塩素化ポリプロピレン150g、トルエ
ン120g、メタクリル酸メチル84g 、メタクリル酸-n- ブ
チル21g 、メタクリル酸1g、ベンゾイルパーオキサイド
1.5gを投入し、85℃で5 時間攪拌した後、ベンゾイルパ
ーオキサイド0.5gを加え3 時間撹拌し、合計8 時間で共
重合反応を終了した。得られた組成物は不透明で粘稠な
液体であり、不揮発分は40wt%であった。製造直後の20
℃での粘度は142mPa・sであり、3ヶ月後の粘度は163mPa
・sであった。この組成物100gと二酸化チタン25g を実施
例1と同様に調整し、ポリプロピレン板に塗装し、乾燥
した後塗膜の試験を行った。結果を表1に示す。
【0044】[比較例2]試作例2で得た塩素化ポリプ
ロピレン40g 、アクリディックA−165(アクリル樹
脂、不揮発分45wt%、大日本インキ化学製)62g を混合
した。混合ワニスは不透明でかつ不均一であり静置する
と二層分離した。この混合ワニスと二酸化チタン25g を
実施例1と同様に調整し、ポリプロピレン板に塗装し、
乾燥した後塗膜の試験を行った。結果を表1に示す。
【0045】[比較例3]実施例1と同様のフラスコ中
に、試作例5で得た塩素化ポリブタジエン90g 、試作例
2で得た塩素化ポリプロピレン200g、トルエン40g 、メ
タクリル酸メチル39g 、メタクリル酸ラウリル5g、メタ
クリル酸1g、ベンゾイルパーオキサイド1.5gを投入し、8
5 ℃で5 時間撹拌した後アゾビスイソブチロニトリルを
0.5g加え、3 時間撹拌し、合計8 時間で共重合反応を終
了した。得られた組成物は均一かつ透明で粘稠な液体で
あり、不揮発分は40wt%であった。製造直後の20℃での
粘度は187mPa・sであり、3ヶ月後の粘度は1660mPa・s で
あった。この組成物100gと二酸化チタン25g を実施例1
と同様に調整し、ポリプロピレン板に塗装し、乾燥した
後塗膜の試験を行った。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】塗膜試験方法 ・付着性 塗面上に1mm間隔で素地に達する100個の碁盤目を作
り、その上にセロハン粘着テープを密着させて180 ゜方
向に引き剥し、塗膜の残存する程度で判定した。 ・促進耐候性 カーボンアーク式のサンシャインウェザーメーターを使
用した。光沢度は60゜鏡面反射、白色度はハンターで測
定した。 ・鉛筆硬度 塗膜表面の硬さを鉛筆の種類で表した。 ・耐温水性 40℃の温水に塗装板を120 時間および240 時間浸漬し、
塗膜の状態と付着性を調べた。 ・耐溶剤性 脱脂綿にメタノールをしみ込ませ、塗面を100 回ラビン
グし、塗膜の状態を調べた。
【0048】
【発明の効果】実施例1〜3から、アクリル系単量体と
塩素化エチレン−α−オレフィン共重合体および塩素化
ポリオレフィンを共重合して得られる樹脂溶液は、均一
で透明な性状をしており、長期安定性にも優れている。
一方、比較例1、2は不透明であったり分離したりして
おり溶液性状が劣っている。表1の結果から、本発明の
組成物は付着性、促進耐候性、鉛筆硬度、耐温水性、耐
溶剤性が優れている。反対に、比較例の組成物は塗料物
性が劣っている。また、比較例3では塗料物性は優れて
いるものの樹脂溶液の長期安定性は不良である。以上の
結果より、本発明の被覆組成物が非常に優れていること
が分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−76646(JP,A) 特開 昭62−18434(JP,A) 特開 昭61−215666(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 151/06 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系単量体、塩素化エチレン−α
    −オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィンを共重合
    して得られる樹脂を主成分とすることを特徴とするポリ
    オレフィン系樹脂用被覆組成物。
  2. 【請求項2】 塩素化エチレン−α−オレフィン共重合
    体がエチレン含有量30〜70モル%、数平均分子量500 〜
    10,000および常温で液体であるエチレン−α−オレフィ
    ン共重合体を塩素化することにより得られた塩素化エチ
    レン−α−オレフィン共重合体である請求項1記載のポ
    リオレフィン系樹脂用被覆組成物。
  3. 【請求項3】 塩素化エチレン−α−オレフィン共重合
    体の塩素含有率が5 〜50wt%である請求項1又は2記載
    のポリオレフィン系樹脂用被覆組成物。
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