JP3071883B2 - フルオラン化合物の結晶、該結晶の製造方法、および該結晶を含有する記録材料 - Google Patents

フルオラン化合物の結晶、該結晶の製造方法、および該結晶を含有する記録材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感圧記録材料、感熱記
録材料等の記録材料に用いられる発色性化合物として有
用なフルオラン化合物に関し、さらに詳しくは、フルオ
ラン化合物の結晶、該結晶の製造方法および該結晶を含
有する記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無色ないし淡色の電子供与性化合
物(発色性化合物)と有機もしくは無機の電子受容性物
質(顕色剤)との呈色反応を利用し、圧力、熱または電
気などの外部エネルギーの媒介により、伝達される情報
を記録する方式として、感圧記録、感熱記録および通電
感熱記録などがある。これらの記録方式には、発色性化
合物として、フルオラン化合物が広く用いられている。
【0003】従来、フルオラン化合物としては、例え
ば、式(A)および(B)の化合物が知られている。
【化3】
【化4】 しかしながら、式(A)および(B)の化合物は、感熱
記録材料用の発色性化合物として用いると、得られる感
熱記録紙の未発色部(地肌)の耐光性が悪いという欠点
があった。
【0004】また特開昭60-47067号公報においては、式
(C)および(D)の化合物が示唆されている。しかし
ながら、これらの化合物を発色性化合物として用い、感
熱記録紙を作成すると、紙の未発色部(地肌)の耐光性
が悪いという欠点があった。
【化5】
【化6】 更に、特開昭60-47068号公報においては、式(E)の化
合物が開示されているが、この化合物を発色性化合物と
して用いて作成された感熱記録紙は、同様に、紙の未発
色部(地肌)の耐光性が悪いものであった。
【化7】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述の
課題を解決するために、種々の化合物を探索した結果、
本発明に到達した。すなわち、本発明は一般式(1)
【化8】 (式中、R1 はメチル基またはエチル基を示す)で表さ
れるフルオラン化合物の結晶であり、また、該フルオラ
ン化合物の結晶を製造する方法であり、さらには該結晶
を含有する記録材料である。
【0006】本発明における、一般式(1)で表される
フルオラン化合物は、具体的には式(1−a)および
(1−b)で表される化合物である。
【化9】
【化10】
【0007】本発明の一般式(1)で表されるフルオラ
ン化合物は、一般式(2)
【化11】 (式中、R2 はメチル基またはエチル基を示す)で表さ
れる安息香酸誘導体、より具体的には式(2−a)また
は(2−b)で表される化合物と、
【化12】
【化13】 一般式(3)
【化14】 (式中、R3 は炭素数1〜4の低級アルキル基を示す)
で表されるジフェニルアミン誘導体を、例えば、濃硫
酸、発煙硫酸を添加した濃硫酸、ポリリン酸、五酸化リ
ン、無水塩化アルミニウム等の脱水縮合剤の存在下、と
くに好ましくは、濃硫酸中で反応させた後、アルカリ性
とすることにより製造される。脱水縮合反応は、通常、
0〜 100℃の反応温度で、数時間ないし 100時間実施さ
れる。反応温度は、反応を特に濃硫酸中で行う場合、0
〜50℃の温度が特に好ましい。反応時間は、反応温度に
左右されるので、十分な時間を費やして反応させる。ま
た、脱水縮合後、通常実施するアルカリ処理は、水酸化
カリウム水、水酸化ナトリウム水等により、pHを9〜12
にし、0〜 100℃の温度範囲で行うのが好ましい。この
際、水以外のベンゼン、トルエン等の有機溶媒の共存下
にアルカリ処理を行ってもよい。
【0008】本発明のフルオラン化合物の結晶は、上記
の反応により得られた生成物をベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、n-ブタノール等のアルコール
系溶媒、またはアセトニトリル、ジメチルホルムアミド
等の極性溶媒、あるいはこれらの混合物中から結晶とし
て析出させ、ついで安定な結晶として単離できる。ま
た、特に上記溶媒の中でアルコール系溶媒または極性溶
媒は水との混合溶媒として使用しても差し支えない。こ
の場合、含水率は50重量%以下が好ましく、より好まし
くは30重量%以下、更に好ましくは10重量%以下であ
る。含水率が50重量%を越えると無定型(アモルファ
ス)が析出し、安定な結晶を単離することが困難とな
る。
【0009】結晶を析出させる方法は、溶媒中にフルオ
ラン化合物を一旦完溶させた後、冷却析出させる方法が
多用される。この際、必要により室温以上溶媒の沸点の
範囲で加熱してフルオラン化合物を完溶させてもよい。
完溶後に攪拌下または静置して結晶を析出させる。析出
した結晶の単離は、特別の方法でなくても、公知の方
法、例えば、濾過による方法で好適に実施できる。単離
後、さらに必要に応じて含水率が50重量%以下の有機溶
媒(例えば、上述の有機溶媒)で洗浄または再度溶解
後、結晶として析出させる操作を行ってもよい。単離後
は通常の方法により乾燥しフルオラン化合物の結晶を得
ることができる。
【0010】一般式(1)の化合物を製造する際に、一
般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物とを脱水縮
合剤(例えば、濃硫酸)の存在下、脱水縮合反応させた
後、アルカリ水によるアルカリ処理をベンゼン、トルエ
ン等の実質的に水に不溶の有機溶媒共存下に行うと、生
成した一般式(1)のフルオラン化合物は有機溶媒中に
溶解している。従って、このようなアルカリ処理を行っ
た場合には、本発明の一般式(1)で表されるフルオラ
ン化合物の結晶は、この有機溶媒溶液を水層と分離後、
このフルオラン化合物を含有する有機溶媒溶液から結晶
として析出させることによっても好適に単離できる。
【0011】上記の方法により好適に製造される本発明
の一般式(1)で表されるフルオラン化合物の結晶につ
いて詳しく説明する。一般式(1)において、R1 がメ
チル基である化合物(1−a)の結晶は、Cu−Kα線
によるX線回折法における回折角(2θ)9.0 °に強い
ピーク、14.8°、16.0°、18.7°、19.7°、20.1°、2
1.0°、21.3°および22.7°に比較的強いピークを示す
X線回折図により特徴づけられる結晶である。その粉末
X線回折図を図1に示す。
【0012】一般式(1)において、R1 がエチル基で
ある化合物(1−b)の結晶は、Cu−Kα線によるX
線回折法における回折角(2θ)8.9 °に強いピークを
示すX線回折図により特徴づけられる結晶である。その
粉末X線回折図を図2に示す。
【0013】以上のように製造された本発明の一般式
(1)で表されるフルオラン化合物の結晶は、発色性化
合物として種々の記録材料に用いることができる。本発
明の記録材料とは、感圧記録材料または感熱記録材料で
ある。本発明の一般式(1)で表されるフルオラン化合
物の結晶は、特に感熱記録材料用の発色性化合物として
好適に使用することができる。この場合、単独で用いる
ことも、更には、例えば、発色の色相などを調整するた
めに、他の発色性化合物、例えば、トリフェニルメタン
ラクトン類、フルオラン類、スピロピラン類等の発色性
化合物を所望に応じて混合して用いることもできる。一
般式(1)で表されるフルオラン化合物の結晶を、例え
ば、感圧記録材料として使用する時には、それをこの分
野で常用される溶剤、例えば、アルキルベンゼン系(n-
ドテシルベンゼン等) 、アルキルビフェニル系(トリエ
チルビフェニル、ジイソプロピルジフェニル等)、水素
化ターフェニル系、アルキルナフタレン系(ジイソプロ
ピルナフタレン等)、ジアリールエタン系(フェニルキ
シリルエタン、スチレン化エチルベンゼン等)、あるい
は塩素化パラフィン系の各種溶剤の単独または混合溶剤
に溶解し、該溶液をコアセルベーション法、界面重合法
等の方法で、ゼラチン、メラミン−アルデヒド、または
尿素−アルデヒド樹脂、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ
アミド等の隔壁を有するマイクロカプセル中に封入し、
得られたカプセルの水分散液を適当な結着剤(例えば、
澱粉糊、ラテックス等)等と共に適当な支持体(例え
ば、紙、プラスチックシート、樹脂被膜された紙等)上
に塗布し、感圧記録上用シートとし、使用することがで
きる。
【0014】もちろん、支持体の片面に上記のカプセル
分散液を塗布し、反対面に顕色剤を主体とする顕色剤塗
液を塗布した、いわゆる中用シート、更には、支持体の
同一面に上記カプセルと顕色剤が混在する塗液を塗布す
るか、カプセル分散液を塗布した上に顕色剤塗液を塗布
するなどして、同一面に上記カプセルと顕色剤を共存さ
せた、いわゆる単体複写シートなどにも使用できる。
【0015】この場合、顕色剤としては、サリチル酸と
フェノール類とアルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒ
ド)による共重合物、置換サリチル酸(アルキル置換、
アリール置換またはアラルキル置換体の極めて多くが知
られ、例えば、3,5-ジ−α−メチルベンジルサリチル酸
がある)、置換サリチル酸とスチレンとの共縮合樹脂、
アルキルフェノール類(例えば、オクチルフェノー
ル)、フェノール−アルデヒド樹脂(例えば、p-フェニ
ルフェノールのノボラック樹脂)またはこれらの金属塩
(例えば、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシ
ウム、スズ、ニッケル等の金属塩)、更には活性白土類
があげられる。
【0016】また、感熱記録材料を用いる時には、一般
式(1)で表されるフルオラン化合物の結晶と、顕色剤
(例えば、ビスフェノールAまたはそのハロゲン化物も
しくはアルキル化物、ジヒドロキシジフェニルスルホン
またはそのハロゲン化物もしくはアルキル化物、ヒドロ
キシ安息香酸エステル類、ハイドロキノンモノエーテル
類のようなフェノール類、サリチル酸誘導体、サリチル
酸アミド誘導体、尿素誘導体、チオ尿素誘導体等のよう
な有機顕色剤、あるいは酸性白土、アタパルガイト、活
性白土、塩化アルミニウム、臭化亜鉛のような無機顕色
剤)の微細水分散液に結着剤(例えば、ポリビニルアル
コールまたはその変性物、メチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ア
ラビアゴム、スチレン−無水マレイン酸共重合物の塩ま
たは、イソブチレン−アクリル酸−無水マレイン酸の共
重合物など)、顔料(タルク、カオリン、炭酸カルシウ
ム等)、更に、必要に応じ、増感剤(高級脂肪酸アミド
類、芳香族カルボン酸、またはスルホン酸のエステル
類、芳香族ないし芳香族基置換脂肪族エーテル類、また
は芳香族ないし芳香族基置換脂肪族炭化水素等一般に公
知の感熱記録材用増感剤)、その他の添加剤(例えば、
紫外線吸収剤、消泡剤等)を加え、微細分散液とし、適
当な支持体(例えば、紙、プラスチックシート、樹脂被
膜された紙等)上に塗布し、感熱記録材料として使用す
ることができる。勿論、水分散系でなく、溶剤を使用す
る系においても問題なく使用できる。また、その他の発
色性化合物を使用する用途(例えば、示温材料)にも使
用できる。
【0017】
【作用】本発明の一般式(1)で表されるフルオラン化
合物の結晶を発色性化合物として使用すると、従来知ら
れているフルオラン化合物を使用した場合に比べ、紙の
未発色部(地肌)の耐光性が良好な、保存安定性に優れ
た感熱記録紙が得られる。すなわち、本発明の式(1−
a)および(1−b)で表されるフルオラン化合物の結
晶を発色性化合物として用い、それぞれ顕色剤としてビ
スフェノールAを使用して感熱記録紙を作成した。一
方、比較として式(A)、(B)、(C)、(D)およ
び(E)のフルオラン化合物を発色性化合物として用
い、いずれも顕色剤としてビスフェノールAを使用して
感熱記録紙を作成した。
【0018】これらの感熱記録紙について、未発色部の
地肌の耐光性試験を行った結果を表1に示す。
【表1】 耐光性試験は、それぞれの感熱記録紙を日光に10時間曝
露した後の紙の未発色部(地肌)の黄変度を調べた。結
果の判定は目視により行った。表中、○はほとんど黄変
のない白色度の高い感熱記録紙を示し×は著しく黄変或
いは、黄褐色に変色した感熱記録紙を示す。
【0019】表1から明らかなように、本発明の一般式
(1)で表されるフルオラン化合物の結晶を感熱記録材
料に用いると、従来、知られているフルオラン化合物を
使用したものと比較して、紙の未発色部(地肌)の耐光
性が非常に優れている。本発明の一般式(1)で表され
るフルオラン化合物は、上述の式(A)、(B)、
(C)、(D)および(E)のフルオラン化合物とは、
フルオラン構造において3位のアミノ基上の置換基のみ
が異なる構造であるが、上述のように、例えば、感熱記
録材料用の発色性化合物として非常に優れた特徴を有し
ている。
【0020】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1〔一般式(1)において、R1 がメチル基であ
る化合物(1−a)の結晶の製造〕 2-(4'-N-2"- エトキシエチル-N- メチルアミノ-2'-ヒド
ロキシベンゾイル)安息香酸〔式(2−a)の化合物〕
200gを、500ml の濃硫酸に10℃で溶解後、4-メトキシ-2
- メチルジフェニルアミン〔一般式(3)において、R
3 がメチル基である化合物〕125gを同温度で加え、10〜
15℃で24時間攪拌した。反応混合物を5000mlの氷水に排
出し、析出した固体を集め、水洗後、その固体を20%Na
OH水1000mlに加え、さらにトルエン1000mlを加えた後、
60〜70℃で2時間攪拌した。トルエン層を分離し、温水
で中性になるまで水洗後、トルエン層を分液して取り出
し、減圧下40℃でトルエンを濃縮し、析出した結晶を濾
過した。少量のトルエンで洗浄した後、メタノールで更
に洗浄後、60℃で24時間乾燥を行い、3-N-2'- エトキシ
エチル-N- メチルアミノ-6- メチル-7- アニリノフルオ
ラン〔式(1−a)の化合物〕186gをほとんど無色の結
晶として得た。 融点 165〜 168℃ この化合物の結晶のトルエン溶液は無色透明であり、シ
リカゲル上で速やかに黒色に発色した。粉末X線回折図
は図1に示す。
【0021】実施例2〔一般式(1)において、R1
エチル基である化合物(1−b)の結晶の製造〕 実施例1において、2-(4'-N-2"- エトキシエチル-N- メ
チルアミノ-2'-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸の代わ
りに、2-(4'-N-2"- エトキシエチル-N- エチルアミノ-
2'-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸〔式(2−b)の
化合物、融点 130〜 132℃〕を用いた以外は実施例1に
記載の方法に従い、3-N-2'- エトキシエチル-N- エチル
アミノ-6- メチル-7- アニリノフルオラン〔式(1−
b)の化合物〕をほとんど無色の結晶として得た。 融点 185〜 186℃ この化合物の結晶のトルエン溶液は無色透明であり、シ
リカゲル上で速やかに黒色に発色した。粉末X線回折図
は図2に示す。
【0022】実施例3〔本発明の式(1−a)のフルオ
ラン化合物の結晶を用いた感熱記録紙の作成〕 実施例1で得られた結晶10gを、10%ポリビニールアル
コール水溶液5gおよび水37.5g の混合物をサンドミルで
粒径3μに微粒化した。一方、ビスフェノールAを同様
に分散し、38%の顕色剤分散液を得た。この顕色剤分散
液65.8g を上記の結晶の水分散液50g 、60%軽質炭酸カ
ルシウム水分散液18.3g 、10%ポリビニールアルコール
水溶液88g および水51.9g を混合した。この混合液を白
色原紙にワイヤーロッドNo.10 を用い、塗布後、室温で
風乾し、地汚れのない非常に白い感熱記録紙を得た。こ
の感熱記録紙は加熱により、極めて迅速に、わずかに赤
味を帯びた黒色に発色した。この感熱記録紙を、日光に
10時間曝露させた後も紙の未発色部(地肌)は、ほとん
ど黄変することなく白色度の高いままであった。(表
1)
【0023】実施例4〔本発明の式(1−b)のフルオ
ラン化合物の結晶を用いた感熱記録紙の作成〕 実施例3において、式(1−a)のフルオラン化合物の
結晶を用いる代わりに、式(1−b)のフルオラン化合
物の結晶を用いた他は実施例3に記載した方法に従い、
感熱記録紙を作成した。この感熱記録紙は加熱により、
極めて迅速にわずかに赤味を帯びた黒色に発色した。ま
た、この感熱記録紙を、日光に10時間曝露させた後も紙
の未発色部(地肌)はほとんど黄変することなく白色度
の高いままであった。(表1)
【0024】比較例 実施例3において、式(1−a)のフルオラン化合物の
結晶を用いる代わりに、3-N,N-ジ-n- プロピルアミノ-6
- メチル-7- アニリノフルオラン〔式(A)の化合
物〕、3-N-n-ブチル-N-イソプロピルアミノ-6- メチル-
7- アニリノフルオラン〔式(B)の化合物〕、3-N-2'-
メトキシエチル-N- メチルアミノ-6- メチル-7- アニ
リノフルオラン〔式(C)の化合物〕、3-N-エチル-N-
2'-メトキシエチルアミノ-6- メチル-7- アニリノフル
オラン〔式(D)の化合物〕、および3-N-イソプロピル
-N-2'-メトキシエチルアミノ-6- メチル-7- アニリノフ
ルオラン〔式(E)の化合物〕を用いて、それぞれ実施
例3に記載の方法に従い、感熱記録紙を作成した。これ
らの感熱記録紙を、日光に10時間曝露させた後、紙の未
発色部(地肌)の黄変度を目視により調べた。結果を表
1に示した。これらの感熱記録紙は日光による著しい黄
変が認められた。
【0025】実施例5〔本発明の式(1−a)のフルオ
ラン化合物の結晶を用いた感圧記録紙の作成〕 常用(CB)紙、および下用(CF)紙の作成は以下の
ように製造した。すなわち、エチレン−無水マイレン酸
共重合物の10%水溶液100gおよび水240gを混合し、10%
水酸化ナトリウム水溶液でpH4.0 とし、実施例1で得ら
れた結晶を5重量%溶解したフェニルキシリルエタン
(日本石油化学製SAS-296)200gを混合し、ホモミキサー
で乳化した後、固形分50%のメチロールメラミン水溶液
(三井東圧化学製ユーラミンT-30)60g を加え、攪き混
ぜつつ55℃に3時間保持し、平均粒径5.0 μのマイクロ
カプセル分散液を得た。このマイクロカプセル分散液10
0gに、小麦粉澱粉粒4.0gと20%酸化澱粉糊20gおよび水1
16gを加えて分散し、秤量40g/m2の紙に塗布量が固形分
で5g/m2となるように塗布し、CB紙を得た。一方、C
F紙は、顕色剤として置換サリチル酸とスチレンの共縮
合樹脂の亜鉛塩を用い、少量の高分子アニオン系界面活
性剤の存在下、水中で、サンドグライディングミルで微
細化し、固形分40重量%の水分散液を得た。この水分散
液を用い、下記組成の水性塗料(固形分30%) を作り、
秤量40g/m2の上質紙に乾燥塗布量5.5g/m2 となるように
塗布し、CF紙を作成した。 CB紙のマイクロカプセル塗布面と、CF紙の顕色剤
塗布面が、相対向するように重ね合わせ、筆記、加圧し
たところ、顕色剤塗布面に赤黒の発色像が得られた。こ
の発色像の耐光性、耐湿性および耐NOX 性は実用上、問
題なかった。
【0026】実施例6〔本発明の式(1−b)のフルオ
ラン化合物の結晶を用いた感圧記録紙の作成〕 実施例5において、実施例1で得られた式(1−a)の
フルオラン化合物の結晶の代わりに、実施例2で製造し
た式(1−b)のフルオラン化合物の結晶を用いた他
は、実施例5に記載の方法によりCB紙、CF紙を作成
し、同様に赤黒の発色像が得られた。また発色像の耐光
性、耐湿性および耐NOX 性は実用上問題なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した式(1−a)で表されるフ
ルオラン化合物の結晶のX線回折図である。
【図2】実施例2で製造した式(1−b)で表されるフ
ルオラン化合物の結晶のX線回折図である。
フロントページの続き (72)発明者 吉川 和良 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−47067(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 11/28 B41M 5/12 105

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、Rはメチル基またはエチル基を示す)で表わ
    され、R がメチル基である時、Cu−Kα線によるX
    線回折法において、回折角(2θ)9.0°に強いピー
    ク、14.8°、16.0°、18.7°、19.7
    °、20.1°、21.0°、21.3°および22.
    7°に比較的強いピークを示し、R がエチル基である
    時、Cu−Kα線によるX線回折法において、回折角
    (2θ)8.9°に強いピークを示すX線回折図により
    特徴づけられるフルオラン化合物の結晶。
  2. 【請求項2】請求項1記載の一般式(1) 【化2】 (式中、R はメチル基またはエチル基を示す)で表さ
    れるフルオラン化合物を含有する含水率が50重量%以
    下の有機溶媒溶液から該化合物を結晶として析出させた
    後、単離することを特徴とする請求項1記載のフルオラ
    ン化合物の結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のフルオラン化合物の結晶を
    含有する記録材料。
JP3212329A 1991-08-23 1991-08-23 フルオラン化合物の結晶、該結晶の製造方法、および該結晶を含有する記録材料 Expired - Fee Related JP3071883B2 (ja)

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