JP3066697B2 - 誘導電動機のベクトル制御方法及び装置 - Google Patents

誘導電動機のベクトル制御方法及び装置

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JP3066697B2 JP5338386A JP33838693A JP3066697B2 JP 3066697 B2 JP3066697 B2 JP 3066697B2 JP 5338386 A JP5338386 A JP 5338386A JP 33838693 A JP33838693 A JP 33838693A JP 3066697 B2 JP3066697 B2 JP 3066697B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導電動機のベクトル
制御方法及び装置に関する。具体的には誘導電動機の速
度を検出する速度検出器及び電圧検出器を用いず、誘導
電動機の一次電流検出値及び速度指令値等に基づいて速
度を推定し、この速度推定値を用いて速度を制御するい
わゆるセンサレスの速度制御に関する。
【0002】
【従来の技術】速度検出器等を用いずに誘導電動機をベ
クトル制御して速度を制御する、いわゆるセンサレスの
速度制御は、特開昭60−18782号公報又は特開昭
61−52176号公報等により広く知られている。
【0003】例えば、前者の公報に記載されたものは次
のように速度を制御している。まず、後述するようにし
て求めた誘導電動機の速度推定値ωr’を速度指令値ω
r*に一致させるように、比例積分制御などによりトル
ク成分電流(以下、q軸成分電流という。)の指令値i
q*を演算する。
【0004】一方、誘導電動機の一次電流の検出値から
q軸成分電流の検出値iqと励磁成分電流(以下、d軸
成分電流という。)の検出値idを演算により求める。
【0005】そして、q軸成分電流の検出値iqをその
指令値iq*に一致させるように、比例積分制御などに
よりq軸成分電流に対応したq軸電圧の指令値Vq*を
演算する。同様に、d軸成分電流の検出値idを設定さ
れたその指令値id*に一致させるように、比例積分制
御などによりd軸成分電流に対応したd軸電圧の指令値
Vd*を演算する。
【0006】上で求めたq軸電圧成分の指令値Vq*に
基づいて誘導電動機の速度推定値ωr’を演算により求
める。また、q軸成分電流の指令値に誘導電動機の二次
抵抗(一次側換算値)を乗じた値(r’・iq*)に基
づいてすべり周波数ωsを求める。この求めた、すべり
周波数ωsと速度推定値ωr’を加算して、一次周波数
指令値ω*を作成する。この一次周波数指令値ω*を
d軸電圧の指令値Vd*によりすべり補正分を加算して
補正する。
【0007】このようにして得られたd軸電圧とq軸電
圧の指令値Vd*,Vq*及び一次周波数指令値ω*に
よりPWMインバータを制御して、ベクトル制御による
速度制御を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、誘導電動機
の等価回路は図2に示すように表すことができる。図2
において、Vは一次電圧、iは一次電流、ioはd
軸成分電流(以下idで表す。)、i’は一次側換算
の二次電流(q軸成分電流、以下iqで表す。)、E’
は誘起電圧(以下、e’で表す)、rは一次抵抗、r
’は二次抵抗の一次側換算値、lは一次漏れインダ
クタンス、l’は二次漏れインダクタンスの一次側換
算値、M’は励磁インダクタンス、sはすべりを表して
いる。
【0009】また、電流のベクトル図の例を図3(A)
に示し、これに対応する電圧ベクトルを図3(B)に示
す。
【0010】前記した従来の技術では、一次側でみたd
軸電圧Vd、q軸電圧Vqはそれぞれ次式(1)、
(2)で表すものとなっている。
【0011】 Vd=r・id−ω(l+l’)iq (1) Vq=r・iq+ω(l+l’)id+e’ (2) これらの演算は、それぞれd,q軸成分電流の設定値と
検出値の偏差に基づいてd,q軸成分電圧の指令値を生
成するd,q軸電流演算手段により行われる。
【0012】上記の式は、負荷の増加などにより一次電
流がi’に変化すると、q軸成分電流iqが変化し
て、上記の式はそれぞれ下式(1’),(2’)にな
る。また、ベクトル関係は図3(A),(B)に示した
ようになる。
【0013】 Vd’=r・id−ω(l+l’)iq’ (1’) Vq’=r・iq’+ω(l+l’)id+e’ (2’) 上記式(1)の右辺は誘導電動機におけるインピーダン
ス降下分であり、d軸成分の内部誘起電圧が「0」の場
合である。また、式(2)の右辺は、第1,2項がイン
ピーダンス降下分で、第3項がq軸成分の内部誘起電圧
である。
【0014】このように、従来の技術はインピーダンス
降下分の補償が加味されているが、負荷の急変あるいは
急加減速等により生ずる電流の急変に対して配慮されて
いない。
【0015】すなわち、電流が過渡的に変化すると、上
記(1’),(2’)式から明らかなように、各軸成分
電圧の指令値が変化し、これらに基づいて推定している
速度推定値、すべり補正値等が過渡的に変化するととも
に、d,q軸成分の相互間の干渉作用により各軸成分電
圧の指令値が変化するから、速度追従制御の応答性が低
下するという問題があった。
【0016】本発明の目的は、負荷の急変や急加減速等
に伴い電流が急変しても、速度追従制御の応答性を有す
誘導電動機のベクトル制御方法及び装置を提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の誘導電動機のベクトル制御方法及び装置
、速度指令値と速度推定値とを比較して、それらの偏
差を低減するq軸成分電流の指令値を生成し、該指令値
と誘導電動機のq軸成分電流の検出値との偏差に基づい
て誘導電動機のq軸成分内部誘起電圧とq軸成分電流の
変化に伴うインダクタンス降下分との和からなるq軸成
分電圧の基本指令値を求める一方、前記q軸成分電流の
指令値に基づいてq軸成分電流の変化に伴う前記インダ
クタンス降下分を求め、該インダクタンス降下分を前記
基本指令値から減じてq軸成分内部誘起電圧の推定値を
生成し、該q軸成分内部誘起電圧の推定値に基づいて前
記速度推定値を求めて前記速度指令値との比較に用いる
と共に、該速度推定値に前記q軸成分電流の指令値に基
づいて求まるすべり速度を加算して一次周波数指令値を
生成し、d軸成分電流の指令値と検出値との偏差に基づ
いてd軸成分内部誘起電圧の推定値を生成し、前記d軸
成分電流の指令値と前記q軸成分電流の指令値とに基づ
いて誘導電動機のd軸成分電圧の抵抗降下分を含むイン
ピーダンス降下を求め、該インピーダンス降下を前記d
軸成分内部誘起電圧の推定値に加算してd軸成分電圧の
指令値を生成し、前記q軸電流成分の指令値と前記d軸
成分電流の指令値と基づいて誘導電動機のq軸成分電圧
の抵抗降下分を含むインピーダンス降下を求め、該イン
ピーダンス降下を前記基本指令値に加算してq軸成分電
圧の指令値を生成し、前記一次周波数指令値と前記d軸
成分電圧の指令値と前記q軸成分電圧の指令値とに基づ
いて誘導電動機を制御することを特徴とする。
【0018】この場合において、すべり補正値の極性を
誘導電動機の回転方向に応じて変えることが好ましい。
これにより、正転/逆転に拘らず速度追従制御の応答性
を有するものにできる。
【0019】
【作用】このように構成することにより、本発明によれ
ば次の作用により上記目的が達成される。
【0020】本来、ベクトル制御が完全に行われている
状態では、制御装置における基準軸であるd軸と誘導電
動機の二次磁束軸φは一致する。しかし、負荷の急変
や急加減速により電流が急変すると、図4(A),
(B)に示すように、二次磁束軸φはd軸から位相ず
れ(進み又は遅れ角度δ)が起こる。これにより、d,
q軸成分電流の指令値id*,iq*に対応する一次電流
iは、実際の誘導電動機内部ではim,itに相当す
る。また、二次磁束軸φのずれに応じて位相がずれる
ことによりd軸成分edが生じ、内部誘起電圧eはq
軸成分eqとd軸成分edのベクトル和となる。
【0021】したがって、一次電圧Vのd軸成分Vd
は、内部誘起電圧のd軸成分edとインピーダンス降下
分(−r・id+ω(l+l’)iq)との和
になる。また、q軸成分Vqは内部誘起電圧のq軸成分
eqとインピーダンス降下分(r・iq+ω(l
+l’)id)との和になる。
【0022】そこで、本発明は、電流急変の影響を受け
ない内部誘起電圧のd,q軸成分の推定値ed’及びe
q’を、電流急変の影響を受けるインピーダンス降下分
と分離して求めたのである。そして、eq’に基づいて
速度推定値を求めるとともに、ed’を零にするよう
に、つまり二次磁束のずれ角δを「0」に制御するため
のすべり補正値を求めるようにしたのである。その結
果、速度推定値及びすべり補正値を電流急変に干渉され
ることなく演算できるから、負荷の急変や急加減速等に
伴う電流急変に対しても、速度追従制御の応答性を高く
保持できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例に基づいて説明する。
【0024】図1に本発明の速度制御方法を適用してな
る誘導電動機のベクトル制御装置の全体構成図を示す。
【0025】図1に示すように、PWMインバータ1は
PWMパルス発生手段10から与えられるインバータス
イッチ素子のゲート信号に合わせて駆動され、直流電源
4から供給される直流電力を所望の周波数及び電圧を有
する交流に変換して、誘導電動機2の一次電圧、電流と
して供給するようになっている。
【0026】誘導電動機2の一次電流は電流検出器3に
より検出される。検出された一次電流は3相/2相変換
手段11により周知の直交2相電流iα,iβに変換さ
れる。変換されたiα,iβは直交2軸(d,q軸)の
電流成分を検出する電流検出手段12に入力され、次式
(3),(4)の演算によりd軸成分電流の検出値i
d、q軸成分電流の検出値iqがそれぞれ求められる。
【0027】 id=iα・cos(ω*・t+θ*)+iβ・sin(ω*・t+θ*) (3) iq=−iα・sin(ω*・t+θ*)+iβ・cos(ω*・t+θ*) (4) ここで、ω*は後述する一次周波数指令値であり、θ*
は位相演算手段9により次式(5)により求められる角
度指令値である。
【0028】 θ*=tan-1(Vd*/Vq*) (5) d軸成分誘起電圧演算手段6は、d軸成分電流の検出値
iqと設定値id*を入力し、それらの偏差に基づいて
誘導電動機のd軸成分誘起電圧の推定値ed’を演算し
て出力する。
【0029】速度制御手段(ASR)5は、速度指令値
ωr*と後述する速度推定手段17から出力される速度推定
値ωr'を入力し、それらの偏差を減少させるようにq軸
成分電流の指令値iq*を生成して出力する。
【0030】q軸成分電圧演算手段7は、特徴部分に係
るものであり、q軸成分電流の指令値iq*とその検出
値iqとを入力し、それらの偏差に基づいて誘導電動機
のq軸成分電圧の基本指令値を演算して出力する。この
基本指令値は、q軸成分の内部誘起電圧の推定値eq’
と、q軸成分電流の変化に伴うインダクタンス降下分
(p(l+l’)iq*)との和になっている。
【0031】q軸電流変化分補正手段16と減算手段3
3は特徴部分に係るものであり、q軸電流変化分補正手
段16は、q軸成分電流の指令値iq*に基づいてq軸
成分電流の変化に伴うインダクタンス降下分(p(l
+l’)iq*)を求める。減算手段33は、q軸成分
電圧演算手段7の出力からq軸電流変化分補正手段16
の出力を減算して、q軸成分誘起電圧の推定値eq’を
求める。
【0032】速度推定手段17は、減算手段33から出
力されるq軸成分誘起電圧の推定値eq’に基づいて誘
導電動機の速度推定値ωr'を演算する。すべり変換手段
14は、q軸成分電流の指令値iq*に基づいてすべり
速度ωs*を求める。加算手段34はすべり速度ωs*を
速度推定値ωr'に加算して、誘導電動機の一次周波数指
令値ω*を得る。
【0033】すべり補正手段15も特徴部分に係り、d
軸成分誘起電圧の推定値ed’を入力し、これと「0」
との偏差を比例積分処理してすべり補正値dωsを生成
し、これを加算手段35にて一次周波数指令値ω*に
加算することによりすべり補正を行う。
【0034】ここで、特徴部分の1つである電流急変の
干渉を避けるために、インピーダンス降下を分離して求
めてインピーダンス降下補償を行わせるようにしたd・
q軸インピーダンス非干渉補正手段13を説明する。
【0035】第1の演算手段20は係数乗算手段であ
り、d軸成分電流の設定値id*に一次抵抗rを乗算
して、id*に対応する誘導電動機のd軸成分電圧の抵
抗降下分を求める。第2の演算手段は係数乗算手段21
と乗算手段24からなり、q軸電流の指令値iq*にイ
ンダクタンス(l+l’)を乗算し、これに補正さ
れた一次周波数指令値ωs*を乗算して、q軸成分電流
に対応する誘導電動機のd軸成分電圧のインピーダンス
降下分を求める。これら第1と第2の演算手段20,2
1,24の出力は加算手段31に入力される。この加算
手段31においてd軸成分誘起電圧の推定値ed’に極
性を加味して加算され、その加算値がd軸成分電圧の指
令値Vd*として振幅演算手段8と位相演算手段9に入
力される。
【0036】第3の演算手段23は係数乗算手段であ
り、q軸電流の指令値iq*に一次・二次抵抗r12(=
+r’)を乗じ、q軸電流の指令値に対応する誘
導電動機のq軸成分電圧の抵抗降下分を求める。第4の
演算手段は係数乗算手段22と乗算手段25からなり、
d軸電流の指令値id*にインダクタンス(l
’)を乗算し、これに補正された一次周波数指令値
ω*を乗算して、d軸成分電流に対応する誘導電動機
のq軸成分電圧のインピーダンス降下分を求める。これ
らの和を加算手段32にてq軸成分電圧の指令値Vq*
に加算してこれを補正する。
【0037】この補正されたq軸成分電圧の指令値Vq
*は、振幅演算手段8と位相演算手段9に入力される。
振幅演算手段8は、d,q軸成分電圧の指令値Vd*,
Vq*に基づいて、一次電圧指令値V*=√(Vd*
+Vq*)を求めて、PWMパルス発生手段10に出
力する。同様に、位相演算手段9はd,q軸成分電圧の
指令値Vd*,Vq*に基づいて、前記式(5)の演算を
実行して角度指令値θ*を求めPWMパルス発生手段1
0と電流検出手段12に出力する。
【0038】PWMパルス発生手段10は、入力される
一次電圧指令値V*と角度指令値θ*と補正された一次
周波数指令値ω*に基づいてPWMパルスを発生し、
これによりPWMインバータを駆動制御することによ
り、速度指令値に追従して誘導電動機の速度を制御する
ようになっている。
【0039】次に、図1実施例の特徴に係る動作を説明
する。
【0040】誘導電動機のd,q軸成分電圧Vd,Vq
は公知のように、次式(6)〜(9)で表せる。それら
の式で、pは演算子(d/dt)、L=l’+M’
である。
【0041】 Vd=r・id+p(l+l')id-ω(l+l')iq+p・M'・φd/L・M'・φq/ L(6) =r id-ω (l +l ')iq-ed+p(l +l ')id+p M' φ d/L (7) Vq=r・iq+p(l+l')iq+ω(l+l')id+ω・M'・φd/L+p・M'・φq/ L(8) =(r+r)・iq+ω(l+l')id+eq+p(l+l')iq+p・M'・φq/L(9) ここで、eq=ω・M'・φd/Lである。
【0042】上記実施例では、まず励磁電流であるd軸
成分電流idを一定に制御するのであるから、二次磁束
のd軸成分φdも一定に保たれる。また、すべり補正
手段15により二次磁束のq軸成分φqは「0」に保
持制御される。したがって、(7)式右辺の第3,4項
は「0」とみなせるから、また同様に(9)式の右辺第
5項は「0」とみなせるから、それらの式はそれぞれ次
の式(10),(11)に近似できる。
【0043】 Vd≒r・id-ω(l+l')iq-ed+p(l+l')id (10) Vq≒(r+r)・iq+ω(l+l')id+eq+p(l+l')iq (11) これに着目し、本実施例ではd,q軸の電圧指令値Vd
*,Vq*を次式(12),(13)により求めるものとし、電流
の影響に鑑みて各項を適宜分離して演算するようにした
のである。
【0044】 Vd*=r・id*−ω*(l+l’)iq*−ed’ (12) Vq*=(r+r’)・iq*+ω*(l+l’)id* +eq’+p(l+l’)iq* (13) すなわち、(12)式の第1,2項は非干渉補正手段1
3により演算し、第3項はd軸成分誘起電圧推定手段6
により演算している。これにより求めた推定値ed’
は、すべり補正手段15により「0」になるように一次
周波数指令値ω*を制御する。また、(13)式の第
1項,第2項は非干渉補正手段13により演算し、第
3,4項の和をq軸成分電圧演算手段7により演算し、
さらに第3,4項の和から減算手段33によりiq変化
分補正手段16で求めた第4項分を減算してq軸成分誘
起電圧の推定値eq’を求め、これに基づいて速度推定
値ωr’を求めているのである。すなわち、速度推定値
演算手段17に(M'・φd/L)を係数として与えてお
き、 ωr’=eq’/(M'・φd/L) により求める。
【0045】これらのことにより、図1の実施例によれ
ば、ed’,eq’,ωr’の各推定値は、トルク電流
であるiqの変化の影響を受けずに求められる。その結
果、ed’,eq’,ωr’の各推定値を基準にして制
御される速度制御は、負荷急変や急加減速に対しても応
答性よく追従制御できるという効果がある。
【0046】上記実施例は、誘導電動機が一定方向に回
転する場合を例にして示したが、誘導電動機が正/逆回
転で用いられる場合は、図1におけるすべり補正手段1
5に入力されるd軸成分誘起電圧の推定値ed’の極性
を、図5に示すように、回転方向に応じて切り替えてや
ればよい。
【0047】すなわち、図5に示すように、極性判別手
段50により一次周波数指令値ω*の極性を判別し、判
別した極性(+1,−1)に応じて乗算手段51により
+1または−1をd軸成分誘起電圧の推定値ed’に乗
算すればよい。なお、図5のすべり補正手段15は図1
と同一の構成であり、入力される推定値ed’と設定値
「ed’=0」との偏差を求め、その偏差を比例積分手
段53により処理して、すべり補正値dωsとして出力
する。
【0048】ここで、d軸成分誘起電圧edの極性につ
いて説明しておく。edは誘導電動機の回転方向に拘ら
ず、 ・d軸がφ軸よりも遅れる場合は: ed<0 ・d軸がφ軸よりも進む場合は: ed>0 の関係があり、推定値ed’も同様である。
【0049】一方、式(6),(10)から判るよう
に、 ed=ω*・M’φq/L であるから、ω*の極性により極性が変化する。そこ
で、図5実施例のようにω*の極性に応じて推定値e
d’の極性を切り替えて、すべり補正をすることによ
り、可逆回転の誘導電動機にも適用できることになる。
【0050】
【発明の効果】本発明は、内部誘起電圧のd,q軸成分
の推定値ed’及びeq’を電流急変の影響を受けるイ
ンピーダンス降下分と分離して求め、求めたeq’に基
づいて速度推定値を求めるとともに、ed’を零にする
ようにすべり補正値を求めるようにしたのである。e
d’,eq’は電流急変の影響を受けないことから、負
荷の急変や急加減速等に伴う電流急変に対しても、速度
追従制御の応答性を高く保持できる。
【0051】また、一次周波数指令値ω*の極性に応
じてd軸誘起電圧の推定値ed’の極性を切り替えて、
すべり補正をすることにより、可逆回転の誘導電動機に
も適用できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の速度制御方法を適用してなる一実施例
の誘導電動機のベクトル制御装置の全体構成図である。
【図2】誘導電動機の等価回路の一例図である。
【図3】ベクトル制御におけるベクトル関係を説明する
図であり、(A)は電流ベクトル図、(B)は電圧ベク
トル図である。
【図4】負荷急変などにより二次磁束軸がd軸とずれた
場合のベクトルの変化を説明する図であり、(A)は電
流ベクトル、(B)は電圧ベクトル図である。
【図5】誘導電動機が正/逆回転で用いられる場合のす
べり補正手段15の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 PWMインバータ 2 誘導電動機 6 d軸成分内部誘起電圧推定手段 7 q軸成分電圧演算手段 8 振幅演算手段 9 位相演算手段 10 PWMパルス発生手段 11 3相/2相変換手段 12 電流検出手段 13 非干渉補正手段 14 すべり変換手段 15 すべり補正手段 16 iq変化分補正手段 17 速度推定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 21/00 H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 速度指令値と速度推定値とを比較して、
    それらの偏差を低減するq軸成分電流の指令値を生成
    し、該指令値と誘導電動機のq軸成分電流の検出値との
    偏差に基づいて誘導電動機のq軸成分内部誘起電圧とq
    軸成分電流の変化に伴うインダクタンス降下分との和か
    らなるq軸成分電圧の基本指令値を求める一方、前記q
    軸成分電流の指令値に基づいてq軸成分電流の変化に伴
    う前記インダクタンス降下分を求め、該インダクタンス
    降下分を前記基本指令値から減じてq軸成分内部誘起電
    圧の推定値を生成し、該q軸成分内部誘起電圧の推定値
    に基づいて前記速度推定値を求めて前記速度指令値との
    比較に用いると共に、該速度推定値に前記q軸成分電流
    の指令値に基づいて求まるすべり速度を加算して一次周
    波数指令値を生成し、 d軸成分電流の指令値と検出値との偏差に基づいてd軸
    成分内部誘起電圧の推定値を生成し、前記d軸成分電流
    の指令値と前記q軸成分電流の指令値とに基づいて誘導
    電動機のd軸成分電圧の抵抗降下分を含むインピーダン
    ス降下を求め、該インピーダンス降下を前記d軸成分内
    部誘起電圧の推定値に加算してd軸成分電圧の指令値を
    生成し、 前記q軸電流成分の指令値と前記d軸成分電流の指令値
    と基づいて誘導電動機のq軸成分電圧の抵抗降下分を含
    むインピーダンス降下を求め、該インピーダンス降下を
    前記基本指令値に加算してq軸成分電圧の指令値を生成
    し、 前記一次周波数指令値と前記d軸成分電圧の指令値と前
    記q軸成分電圧の指令値とに基づいて誘導電動機を制御
    する誘導電動機のベクトル制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記d軸成分内部誘
    起電圧の推定値を積分処理して得られるすべり補正値に
    より前記一次周波数指令値を補正することを特徴とする
    誘導電動機のベクトル制御方法。
  3. 【請求項3】 誘導電動機の一次電流の検出値に基づい
    てd軸成分電流とq軸成分電流の検出値をそれぞれ求め
    る電流検出手段と、 速度指令値と速度推定値とを比較して、それらの偏差を
    低減するq軸成分電流 の指令値を生成する速度制御手段
    と、 前記q軸成分電流の指令値と誘導電動機の前記q軸成分
    電流の検出値との偏差に基づいて、誘導電動機のq軸成
    分内部誘起電圧とq軸成分電流の変化に伴うインダクタ
    ンス降下分との和からなるq軸成分電圧の基本指令値を
    求めるq軸成分電圧演算手段と、 前記q軸成分電流の指令値に基づいてq軸成分電流の変
    化に伴う前記インダクタンス降下分を求めるq軸電流変
    化分補正手段と、 該インダクタンス降下分を前記基本指令値から減じて前
    記q軸成分内部誘起電圧の推定値を生成する減算手段
    と、 該q軸成分内部誘起電圧の推定値に基づいて前記速度推
    定値を求めて前記速度制御手段に出力する速度推定手段
    と、 前記速度推定値に前記q軸成分電流の指令値に基づいて
    求まるすべり速度を加算して一次周波数指令値を生成す
    る加算手段と、 前記q軸電流成分の指令値に基づいて誘導電動機のq軸
    成分電圧の抵抗降下分を求めると共に、d軸成分電流の
    指令値と前記一次周波数指令値とに基づいて誘導電動機
    のq軸成分電圧のインピーダンス降下分を求めるq軸イ
    ンピーダンス非干渉補正手段と、 q軸成分電圧の前記抵抗降下分と前記インピーダンス降
    下分の和を前記基本指令値に加算してq軸成分電圧の指
    令値を生成する加算手段と、 d軸成分電流の指令値と検出値との偏差に基づいてd軸
    成分内部誘起電圧の推定値を生成するd軸成分内部誘起
    電圧演算手段と、 前記d軸電流成分の指令値に基づいて誘導電動機のd軸
    成分電圧の抵抗降下分を求めると共に、前記q軸成分電
    流の指令値に基づいて誘導電動機のd軸成分電圧のイン
    ピーダンス降下分を求めるd軸インピーダンス非干渉補
    正手段と、 前記d軸成分電圧の抵抗降下分とインピーダンス降下分
    の和を前記d軸成分内部誘起電圧の推定値に加算してd
    軸成分電圧の指令値を生成する加算手段とを備え、 前記一次周波数指令値と前記q軸電圧の指令値とd軸成
    分電圧の指令値とに基づいてPWMインバータを制御す
    るPWMパルス発生手段とを備えてなる誘導電 動機のベ
    クトル制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記d軸成分内部誘
    起電圧の推定値を積分処理して得られるすべり補正値に
    より前記一次周波数指令値を補正する加算手段を有する
    ことを特徴とする誘導電動機のベクトル制御装置。
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