JPH07194198A - ベクトル制御誘導電動機の速度制御方法及び誘導電動機のベクトル制御装置 - Google Patents

ベクトル制御誘導電動機の速度制御方法及び誘導電動機のベクトル制御装置

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JPH07194198A
JPH07194198A JP5338386A JP33838693A JPH07194198A JP H07194198 A JPH07194198 A JP H07194198A JP 5338386 A JP5338386 A JP 5338386A JP 33838693 A JP33838693 A JP 33838693A JP H07194198 A JPH07194198 A JP H07194198A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 負荷の急変や急加減速等に対して速度追従制
御の応答性を高く保持する。 【構成】 電流急変の影響を受けない内部誘起電圧の
d,q軸成分の推定値ed’及びeq’を、電流急変の
影響を受けるインピーダンス降下分(−r1・id+ω
(l1+l2’)iq)、(r1・iq+ω(l1
2’)id)と分離して求める。そして、d,q軸成
分の電圧指令値Vd*,Vq*は分離して求めた推定値
ed’、eq’にインピーダンス降下分を加算して求め
る。一方、分離して求めたq軸成分誘起電圧ed’に基
づいて速度推定値ωr’を求めるとともに、d軸成分誘
起電圧ed’を0にするようにすべり補正値dωsを求
めて、一次周波数指令値ω1*を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベクトル制御誘導電動
機の速度制御方法及び誘導電動機のベクトル制御装置に
関する。具体的には誘導電動機の速度を検出する速度検
出器及び電圧検出器を用いず、誘導電動機の一次電流検
出値及び速度指令値等に基づいて速度を推定し、この速
度推定値を用いて速度を制御するいわゆるセンサレスの
速度制御に関する。
【0002】
【従来の技術】速度検出器等を用いずに誘導電動機をベ
クトル制御して速度を制御する、いわゆるセンサレスの
速度制御は、特開昭60−18782号公報又は特開昭
61−52176号公報等により広く知られている。
【0003】例えば、前者の公報に記載されたものは次
のように速度を制御している。まず、後述するようにし
て求めた誘導電動機の速度推定値ωr’を速度指令値ω
r*に一致させるように、比例積分制御などによりトル
ク成分電流(以下、q軸成分電流という。)の指令値i
q*を演算する。
【0004】一方、誘導電動機の一次電流の検出値から
q軸成分電流の検出値iqと励磁成分電流(以下、d軸
成分電流という。)の検出値idを演算により求める。
【0005】そして、q軸成分電流の検出値iqをその
指令値iq*に一致させるように、比例積分制御などに
よりq軸成分電流に対応したq軸電圧の指令値Vq*を
演算する。同様に、d軸成分電流の検出値idを設定さ
れたその指令値id*に一致させるように、比例積分制
御などによりd軸成分電流に対応したd軸電圧の指令値
Vd*を演算する。
【0006】上で求めたq軸電圧成分の指令値Vq*に
基づいて誘導電動機の速度推定値ωr’を演算により求
める。また、q軸成分電流の指令値に誘導電動機の二次
抵抗(一次側換算値)を乗じた値(r2’・iq*)に基づ
いてすべり周波数ωsを求める。この求めた、すべり周
波数ωsと速度推定値ωr’を加算して、一次周波数指
令値ω1*を作成する。この一次周波数指令値ω1*をd軸
電圧の指令値Vd*によりすべり補正分を加算して補正
する。
【0007】このようにして得られたd軸電圧とq軸電
圧の指令値Vd*,Vq*及び一次周波数指令値ω1*によ
りPWMインバータを制御して、ベクトル制御による速
度制御を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、誘導電動機
の等価回路は図2に示すように表すことができる。図2
において、V1は一次電圧、i1は一次電流、i0はd軸
成分電流(以下idで表す。)、i2’は一次側換算の
二次電流(q軸成分電流、以下iqで表す。)、E’は
誘起電圧(以下、e’で表す)、r1は一次抵抗、r2
は二次抵抗の一次側換算値、l1は一次漏れインダクタ
ンス、l2’は二次漏れインダクタンスの一次側換算
値、M’は励磁インダクタンス、sはすべりを表してい
る。
【0009】また、電流のベクトル図の例を図3(A)
に示し、これに対応する電圧ベクトルを図3(B)に示
す。
【0010】前記した従来の技術では、一次側でみたd
軸電圧Vd、q軸電圧Vqはそれぞれ次式(1)、
(2)で表すものとなっている。
【0011】 Vd=r1・id−ω1(l1+l2’)iq (1) Vq=r1・iq+ω1(l1+l2’)id+e1’ (2) これらの演算は、それぞれd,q軸成分電流の設定値と
検出値の偏差に基づいてd,q軸成分電圧の指令値を生
成するd,q軸電流演算手段により行われる。
【0012】上記の式は、負荷の増加などにより一次電
流がi1’に変化すると、q軸成分電流iqが変化し
て、上記の式はそれぞれ下式(1’),(2’)にな
る。また、ベクトル関係は図3(A),(B)に示した
ようになる。
【0013】 Vd’=r1・id−ω1(l1+l2’)iq’ (1’) Vq’=r1・iq’+ω1(l1+l2’)id+e1’ (2’) 上記式(1)の右辺は誘導電動機におけるインピーダン
ス降下分であり、d軸成分の内部誘起電圧が「0」の場
合である。また、式(2)の右辺は、第1,2項がイン
ピーダンス降下分で、第3項がq軸成分の内部誘起電圧
である。
【0014】このように、従来の技術はインピーダンス
降下分の補償が加味されているが、負荷の急変あるいは
急加減速等により生ずる電流の急変に対して配慮されて
いない。
【0015】すなわち、電流が過渡的に変化すると、上
記(1’),(2’)式から明らかなように、各軸成分
電圧の指令値が変化し、これらに基づいて推定している
速度推定値、すべり補正値等が過渡的に変化するととも
に、d,q軸成分の相互間の干渉作用により各軸成分電
圧の指令値が変化するから、速度追従制御の応答性が低
下するという問題があった。
【0016】本発明の目的は、負荷の急変や急加減速等
に伴い電流が急変しても、速度追従制御の応答性を有す
るベクトル制御誘導電動機の速度制御方法及び誘導電動
機のベクトル制御装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のベクトル制御誘導電動機の速度制御方法及
び誘導電動機のベクトル制御装置は、d軸成分電圧の指
令値を内部誘起電圧のd軸成分とインピーダンス降下分
とに分離して求めた後に合成するとともに、q軸成分電
圧の指令値を内部誘起電圧のq軸成分とq軸成分電流の
変化に伴うインダクタンス降下分とインピーダンス降下
分とに分離して求めた後に合成し、分離して求めた内部
誘起電圧のq軸成分に基づいて速度推定値を求めるとと
もに、分離して求めた内部誘起電圧のd軸成分に基づい
てすべり補正値を求めるようにしたのである。
【0018】この場合において、すべり補正値の極性を
誘導電動機の回転方向に応じて変えることが好ましい。
これにより、正転/逆転に拘らず速度追従制御の応答性
を有するものにできる。
【0019】
【作用】このように構成することにより、本発明によれ
ば次の作用により上記目的が達成される。
【0020】本来、ベクトル制御が完全に行われている
状態では、制御装置における基準軸であるd軸と誘導電
動機の二次磁束軸φ2は一致する。しかし、負荷の急変
や急加減速により電流が急変すると、図4(A),
(B)に示すように、二次磁束軸φ2はd軸から位相ず
れ(進み又は遅れ角度δ)が起こる。これにより、d,
q軸成分電流の指令値id*,iq*に対応する一次電流
i1は、実際の誘導電動機内部ではim,itに相当す
る。また、二次磁束軸φ2のずれに応じて位相がずれる
ことによりd軸成分edが生じ、内部誘起電圧e1はq
軸成分eqとd軸成分edのベクトル和となる。
【0021】したがって、一次電圧V1のd軸成分Vd
は、内部誘起電圧のd軸成分edとインピーダンス降下
分(−r1・id+ω1(l1+l2’)iq)との和にな
る。また、q軸成分Vqは内部誘起電圧のq軸成分eq
とインピーダンス降下分(r1・iq+ω1(l1
2’)id)との和になる。
【0022】そこで、本発明は、電流急変の影響を受け
ない内部誘起電圧のd,q軸成分の推定値ed’及びe
q’を、電流急変の影響を受けるインピーダンス降下分
と分離して求めたのである。そして、eq’に基づいて
速度推定値を求めるとともに、ed’を零にするよう
に、つまり二次磁束のずれ角δを「0」に制御するため
のすべり補正値を求めるようにしたのである。その結
果、速度推定値及びすべり補正値を電流急変に干渉され
ることなく演算できるから、負荷の急変や急加減速等に
伴う電流急変に対しても、速度追従制御の応答性を高く
保持できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例に基づいて説明する。
図1に本発明の速度制御方法を適用してなる誘導電動機
のベクトル制御装置の全体構成図を示す。
【0024】図1に示すように、PWMインバータ1は
PWMパルス発生手段10から与えられるインバータス
イッチ素子のゲート信号に合わせて駆動され、直流電源
4から供給される直流電力を所望の周波数及び電圧を有
する交流に変換して、誘導電動機2の一次電圧、電流と
して供給するようになっている。
【0025】誘導電動機2の一次電流は電流検出器3に
より検出される。検出された一次電流は3相/2相変換
手段11により周知の直交2相電流iα,iβに変換さ
れる。変換されたiα,iβは直交2軸(d,q軸)の
電流成分を検出する電流検出手段12に入力され、次式
(3),(4)の演算によりd軸成分電流の検出値i
d、q軸成分電流の検出値iqがそれぞれ求められる。
【0026】 id=iα・cos(ω1*・t+θ*)+iβ・sin(ω1*・t+θ*) (3) iq=−iα・sin(ω1*・t+θ*)+iβ・cos(ω1*・t+θ*) (4) ここで、ω1*は後述する一次周波数指令値であり、θ*
は位相演算手段9により次式(5)により求められる角
度指令値である。
【0027】 θ*=tan~ 1(Vd*/Vq*) (5) d軸成分誘起電圧演算手段6は、d軸成分電流の検出値
iqと設定値id*を入力し、それらの偏差に基づいて
誘導電動機のd軸成分誘起電圧の推定値ed’を演算し
て出力する。
【0028】速度制御手段(ASR)5は、速度指令値
ωr*と後述する速度推定手段17から出力される速度推定
値ωr'を入力し、それらの偏差を減少させるようにq軸
成分電流の指令値iq*を生成して出力する。
【0029】q軸成分電流演算手段7は、特徴部分に係
るものであり、q軸成分電流の指令値iq*とその検出
値iqとを入力し、それらの偏差に基づいて誘導電動機
のq軸成分電圧の基本指令値を演算して出力する。この
基本指令値はとq軸成分電流の変化に伴うインダクタン
ス降下分(p(l1+l2’)iq*)との和になってい
る。
【0030】q軸電流変化分補正手段16と減算手段3
3は特徴部分に係るものであり、q軸電流変化分補正手
段16は、特徴部分に係るものであり、q軸成分電流の
指令値iq*に基づいてq軸成分電流の変化に伴うイン
ダクタンス降下分(p(l1+l2’)iq*)を求める。
減算手段33は、q軸成分電流演算手段7の出力からq
軸電流変化分補正手段16の出力を減算して、q軸成分
誘起電圧の推定値eq’を求める。
【0031】速度推定手段17は、減算手段33から出
力されるq軸成分誘起電圧の推定値eq’に基づいて誘
導電動機の速度推定値ωr'を演算する。すべり変換手段
14は、q軸成分電流の指令値iq*に基づいてすべり
速度ωs*を求める。加算手段34はすべり速度ωs*を
速度推定値ωr'に加算して、誘導電動機の一次周波数指
令値ω1*を得る。
【0032】すべり補正手段15も特徴部分に係り、d
軸成分誘起電圧の推定値ed’を入力し、これと「0」
との偏差を比例積分処理してすべり補正値dωsを生成
し、これを加算手段35にて一次周波数指令値ω1*に加
算することによりすべり補正を行う。
【0033】ここで、特徴部分の1つである電流急変の
干渉を避けるために、インピーダンス降下を分離して求
めてインピーダンス降下補償を行わせるようにしたd・
q軸インピーダンス非干渉補正手段13を説明する。
【0034】第1の演算手段20は係数乗算手段であ
り、d軸成分電流の設定値id*に一次抵抗r1を乗算し
て、id*に対応する誘導電動機のd軸成分電圧の抵抗
降下分を求める。第2の演算手段は係数乗算手段21と
乗算手段24からなり、q軸電流の指令値iq*にイン
ダクタンス(l1+l2’)を乗算し、これに補正された
一次周波数指令値ωs*を乗算して、q軸成分電流に対
応する誘導電動機のd軸成分電圧のインダクタンス降下
分を求める。これら第1と第2の演算手段20,21,
24の出力は加算手段31に入力される。この加算手段
31においてd軸成分誘起電圧の推定値ed’に極性を
加味して加算され、その加算値がd軸成分電圧の指令値
Vd*として振幅演算手段8と位相演算手段9に入力さ
れる。
【0035】第3の演算手段23は係数乗算手段であ
り、q軸電流の指令値iq*に一次・二次抵抗r12(=
1+r2’)を乗じ、q軸電流の指令値に対応する誘導
電動機のq軸成分電圧の抵抗降下分を求める。第4の演
算手段は係数乗算手段22と乗算手段25からなり、d
軸電流の指令値id*にインダクタンス(l1+l2’)
を乗算し、これに補正された一次周波数指令値ω1*を乗
算して、d軸成分電流に対応する誘導電動機のq軸成分
電圧のインダクタンス降下分を求める。これらの和を加
算手段32にてq軸成分電圧の指令値Vq*に加算して
これを補正する。
【0036】この補正されたq軸成分電圧の指令値Vq
*は、振幅演算手段8と位相演算手段9に入力される。
振幅演算手段8は、d,q軸成分電圧の指令値Vd*,
Vq*に基づいて、一次電圧指令値V1*=√(Vd*2
Vq*2)を求めて、PWMパルス発生手段10に出力す
る。同様に、位相演算手段9はd,q軸成分電圧の指令
値Vd*,Vq*に基づいて、前記式(5)の演算を実行
して角度指令値θ*を求めPWMパルス発生手段10と
電流検出手段12に出力する。
【0037】PWMパルス発生手段10は、入力される
一次電圧指令値V1*と角度指令値θ*と補正された一次
周波数指令値ω1*に基づいてPWMパルスを発生し、こ
れによりPWMインバータを駆動制御することにより、
速度指令値に追従して誘導電動機の速度を制御するよう
になっている。
【0038】次に、図1実施例の特徴に係る動作を説明
する。誘導電動機のd,q軸成分電圧Vd,Vqは公知
のように、次式(6)〜(9)で表せる。それらの式
で、pは演算子(d/dt)、L2=l2’+M’であ
る。
【0039】 Vd=r1・id+p(l1+l2')id-ω1(l1+l2')iq+p・M'・φ2d/L21・M'・φ2q/L2 (6) =r1・id-ω1(l1+l2')iq-ed+p(l1+l2')id-ω1(l1+l2')iq+p・M'・φ2d/L2(7) Vq=r1・iq+p(l1+l2')iq+ω1(l1+l2')id+ω1・M'・φ2d/L2+p・M'・φ2q/L2 (8) =(r1+r2)・iq+ω1(l1+l2')id+eq+p(l1+l2')iq+p・M'・φ2q/L2 (9) ここで、eq=ω1・M'・φ2d/L2である。
【0040】上記実施例では、まず励磁電流であるd軸
成分電流idを一定に制御するのであるから、二次磁束
のd軸成分φ2dも一定に保たれる。また、すべり補正手
段15により二次磁束のq軸成分φ2qは「0」に保持制
御される。したがって、(7)式右辺の第3,4項は
「0」とみなせるから、また同様に(9)式の右辺第5
項は「0」とみなせるから、それらの式はそれぞれ次の
式(10),(11)に近似できる。
【0041】 Vd≒r1・id-ω1(l1+l2')iq-ed+p(l1+l2')id2 (10) Vq≒(r1+r2)・iq+ω1(l1+l2')id+eq+p(l1+l2')iq+ (11) これに着目し、本実施例ではd,q軸の電圧指令値Vd
*,Vq*を次式(12),(13)により求めるものとし、電流
の影響に鑑みて各項を適宜分離して演算するようにした
のである。
【0042】 Vd*=r1・id*−ω1*(l1+l2’)iq*−ed’ (12) Vq*=(r1+r2’)・iq*+ω1*(l1+l2’)id* +eq’+p(l1+l2’)iq* (13) すなわち、(12)式の第1,2項は非干渉補正手段1
3により演算し、第3項はd軸成分誘起電圧推定手段6
により演算している。これにより求めた推定値ed’
は、すべり補正手段15により「0」になるように一次
周波数指令値ω1*を制御する。また、(13)式の第1
項,第2項は非干渉補正手段13により演算し、第3,
4項の和をq軸電流演算手段7により演算し、さらに第
3,4項の和から減算手段33によりiq変化分補正手
段16で求めた第4項分を減算してq軸成分誘起電圧の
推定値eq’を求め、これに基づいて速度推定値ωr’
を求めているのである。すなわち、速度推定値演算手段
17に(M'・φ2d/L2)を係数として与えておき、 ωr’=eq’/(M'・φ2d/L2) により求める。
【0043】これらのことにより、図1の実施例によれ
ば、ed’,eq’,ωr’の各推定値は、トルク電流
であるiqの変化の影響を受けずに求められる。その結
果、ed’,eq’,ωr’の各推定値を基準にして制
御される速度制御は、負荷急変や急加減速に対しても応
答性よく追従制御できるという効果がある。
【0044】上記実施例は、誘導電動機が一定方向に回
転する場合を例にして示したが、誘導電動機が正/逆回
転で用いられる場合は、図1におけるすべり補正手段1
5に入力されるd軸成分誘起電圧の推定値ed’の極性
を、図5に示すように、回転方向に応じて切り替えてや
ればよい。
【0045】すなわち、図5に示すように、極性判別手
段50により一次周波数指令値ω*の極性を判別し、判
別した極性(+1,−1)に応じて乗算手段51により
+1または−1をd軸成分誘起電圧の推定値ed’に乗
算すればよい。なお、図5のすべり補正手段15は図1
と同一の構成であり、入力される推定値ed’と設定値
「ed’=0」との偏差を求め、その偏差を比例積分手
段53により処理して、すべり補正値dωsとして出力
する。
【0046】ここで、d軸成分誘起電圧edの極性につ
いて説明しておく。edは誘導電動機の回転方向に拘ら
ず、 ・d軸がφ2軸よりも遅れる場合は: ed<0 ・d軸がφ2軸よりも進む場合は: ed>0 の関係があり、推定値ed’も同様である。
【0047】一方、式(6),(10)から判るよう
に、 ed=ω1*・M’φ2q/L2 であるから、ω1*の極性により極性が変化する。そこ
で、図5実施例のようにω1*の極性に応じて推定値e
d’の極性を切り替えて、すべり補正をすることによ
り、可逆回転の誘導電動機にも適用できることになる。
【0048】
【発明の効果】本発明は、内部誘起電圧のd,q軸成分
の推定値ed’及びeq’を電流急変の影響を受けるイ
ンピーダンス降下分と分離して求め、求めたeq’に基
づいて速度推定値を求めるとともに、ed’を零にする
ようにすべり補正値を求めるようにしたのである。e
d’,eq’は電流急変の影響を受けないことから、負
荷の急変や急加減速等に伴う電流急変に対しても、速度
追従制御の応答性を高く保持できる。
【0049】また、一次周波数指令値ω1*の極性に応
じてd軸誘起電圧の推定値ed’の極性を切り替えて、
すべり補正をすることにより、可逆回転の誘導電動機に
も適用できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の速度制御方法を適用してなる一実施例
の誘導電動機のベクトル制御装置の全体構成図である。
【図2】誘導電動機の等価回路の一例図である。
【図3】ベクトル制御におけるベクトル関係を説明する
図であり、(A)は電流ベクトル図、(B)は電圧ベク
トル図である。
【図4】負荷急変などにより二次磁束軸がd軸とずれた
場合のベクトルの変化を説明する図であり、(A)は電
流ベクトル、(B)は電圧ベクトル図である。
【図5】誘導電動機が正/逆回転で用いられる場合のす
べり補正手段15の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 PWMインバータ 2 誘導電動機 6 d軸成分誘起電圧推定手段 7 q軸成分電流演算手段 8 振幅演算手段 9 位相演算手段 10 PWMパルス発生手段 11 3相/2相変換手段 12 電流検出手段 13 非干渉補正手段 14 すべり変換手段 15 速度制御手段 16 iq変化分補正手段 17 速度推定手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 d軸成分電流の設定値と検出値の偏差に
    基づいてd軸成分電圧の指令値を生成し、 速度指令値と速度推定値の偏差に基づいてq軸成分電流
    の指令値を生成し、 q軸成分電流の指令値と検出値の偏差に基づいてq軸成
    分電圧の指令値を生成し、 前記q軸成分電圧の指令値に基づいて前記速度推定値を
    求め、 前記q軸成分電流の指令値に基づいてすべり速度を求
    め、 前記速度推定値と前記すべり速度との和を誘導電動機の
    一次周波数指令値とし、 前記d軸成分電圧の指令値を
    零にすべく生成したすべり補正値により前記一次周波数
    指令値を補正し、 前記d軸成分電圧の指令値と、前記q軸成分電圧の指令
    値と、補正された一次周波数指令値とに基づいてPWM
    インバータを制御するベクトル制御誘導電動機の速度制
    御方法において、 前記d軸成分電圧の指令値を内部誘起電圧のd軸成分と
    インピーダンス降下分とに分離して求めた後に合成する
    とともに、 前記q軸成分電圧の指令値を内部誘起電圧のq軸成分と
    q軸成分電流の変化に伴うインダクタンス降下分とイン
    ピーダンス降下分とに分離して求めた後に合成し、 分離して求めた内部誘起電圧のq軸成分に基づいて前記
    速度推定値を求めるとともに、分離して求めた内部誘起
    電圧のd軸成分に基づいて前記すべり補正値を求めるこ
    とを特徴とするベクトル制御誘導電動機の速度制御方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記すべり補正値の
    極性を誘導電動機の一次周波数の回転方向に応じて変え
    ることを特徴とするベクトル制御誘導電動機の速度制御
    方法。
  3. 【請求項3】 d軸成分電流の設定値と検出値との偏差
    に基づいて誘導電動機の内部誘起電圧のd軸成分を求
    め、 与えられる速度指令値と速度推定値の偏差に基づいてq
    軸成分電流の指令値を求め、 このq軸成分電流の指令値と検出値の偏差を比例積分し
    てq軸成分電圧の基本指令値を求め、 このq軸成分電圧の基本指令値から、前記q軸成分電流
    の指令値に基づいて得られるq軸電流の指令値の変化に
    伴うインダクタンス降下分を差し引いて、誘導電動機の
    内部誘起電圧のq軸成分を求め、 この内部誘起電圧のq軸成分に基づいて前記速度推定値
    を求め、 この速度推定値に前記q軸電流の指令値に基づいて得ら
    れるすべり速度を加算して前記誘導電動機の一次周波数
    指令値を生成し、 この一次周波数指令値を前記d軸成分誘起電圧が零なる
    ように生成されるすべり補正値により補正し、 d軸成分電流の設定値に対応する誘導電動機のd軸成分
    電圧の抵抗降下分を求めるとともに、q軸電流の指令値
    と前記補正された一次周波数指令値とからq軸成分電流
    に対応する誘導電動機のd軸成分電圧のインダクタンス
    降下分を求め、 この求めたd軸成分電圧の抵抗降下分とインダクタンス
    降下分の和を前記内部誘起電圧のd軸成分に極性を加味
    して加算してd軸成分電圧の指令値を生成し、 q軸電流の指令値に対応する誘導電動機のq軸成分電圧
    の抵抗降下分を求めるとともに、d軸電流の指令値と前
    記補正された一次周波数指令値とからd軸成分電流に対
    応する誘導電動機のq軸成分電圧のインダクタンス降下
    分を求め、 この求めたq軸成分電圧の抵抗降下分とインダクタンス
    降下分との和を前記q軸成分電圧の指令値に加算して補
    正し、 この補正されたq軸成分電圧の指令値と、前記d軸成分
    電圧の指令値と、前記補正された一次周波数指令値に基
    づいてPWMインバータを制御するベクトル制御誘導電
    動機の速度制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記一次周波数を前
    記d軸成分誘起電圧を零にすべく補正するにあたり、誘
    導電動機の一次周波数の回転方向に応じて補正の極性を
    変えることを特徴とするベクトル制御誘導電動機の速度
    制御方法。
  5. 【請求項5】 誘導電動機の一次電流の検出値に基づい
    てd軸成分電流とq軸成分電流の検出値をそれぞれ求め
    る電流検出手段と、 d軸成分電流の前記検出値と設定値の偏差に基づいて誘
    導電動機のd軸成分誘起電圧の推定値を演算して出力す
    るd軸成分誘起電圧演算手段と、 速度指令値と速度推定値との偏差を減少させるようにq
    軸成分電流の指令値を生成して出力する速度制御手段
    と、 q軸成分電流の前記指令値と前記検出値との偏差に基づ
    いて、誘導電動機のq軸成分誘起電圧の推定値とq軸成
    分電流の変化に伴うインダクタンス降下分との和を演算
    して出力するq軸成分電流演算手段と、 q軸成分電流の前記指令値に基づいてq軸成分電流の変
    化に伴うインダクタンス降下分を求めるq軸電流変化分
    補正手段と、 前記q軸成分電流演算手段の出力から前記q軸電流変化
    分補正手段の出力を減算した値に基づいて誘導電動機の
    前記速度推定値を演算する速度推定手段と、 q軸成分電流の前記指令値に基づいてすべり速度を求め
    るすべり変換手段と、 このすべり速度と前記速度推定値を加算して得られる誘
    導電動機の一次周波数指令値に、前記d軸成分誘起電圧
    を零にするように生成したすべり補正値を加算して補正
    するすべり補正手段と、 d軸成分電流の設定値に対応する誘導電動機のd軸成分
    電圧の抵抗降下分を求める第1の演算手段と、 q軸電流の指令値と前記補正された一次周波数指令値と
    からq軸成分電流に対応する誘導電動機のd軸成分電圧
    のインダクタンス降下分を求める第2の演算手段と、 この求めたd軸成分電圧の抵抗降下分とインダクタンス
    降下分の和を前記内部誘起電圧のd軸成分に極性を加味
    して加算してd軸成分電圧の指令値を生成する加算手段
    と、 q軸電流の指令値に対応する誘導電動機のq軸成分電圧
    の抵抗降下分を求める第3の演算手段と、 d軸電流の指令値と前記補正された一次周波数指令値と
    からd軸成分電流に対応する誘導電動機のq軸成分電圧
    のインダクタンス降下分を求める第4の演算手段と、 この求めたq軸成分電圧の抵抗降下分とインダクタンス
    降下分との和を前記q軸成分電圧の指令値に加算して補
    正する加算手段と、 この補正されたq軸成分電圧の指令値と、前記d軸成分
    電圧の指令値と、前記補正された一次周波数指令値に基
    づいてPWMインバータを制御するPWMパルス発生手
    段とを備えてなる誘導電動機のベクトル制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記すべり補正手段
    は、前記一次周波数指令値の極性に応じてに入力される
    前記d軸成分誘起電圧の極性を逆にすることを特徴とす
    る誘導電動機のベクトル制御装置。
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