JP3059376U - 内装材の脱出防止装置付き贈答箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内装材の脱出防止装置付き包装箱を提案す
る。 【解決手段】 重ね蓋と身箱とからなる被せ箱形式の贈
答箱において、前記蓋内に内装材をはめ込み、かつ前記
蓋の側壁内周コーナ位置に、蓋内方に突出して、前記内
装材を蓋にはめ込む際にコーナ側に屈曲し、はめ込み後
はその屈曲に抗する反力で後退して、内装材の脱出を阻
止する抜け止め片２０を設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、贈答品を収容するに包装箱に関するもので、詳しくは、重ね蓋と身 箱とからなる被せ箱形式の包装箱に係わる。

【０００２】

【従来の技術】

中元や歳暮などのギフトセットを収容する箱として、重ね蓋と身箱とからなる 被せ箱形式の贈答箱が従来から一般的に使用されている。この被せ箱形式の贈答 箱は、商品の保護、輸送保管の際の取り扱いを考慮して、必要な強度や堅牢性、 安定性を与えるために、重ね蓋と身箱の双方共に、その側壁の４面を２重構造に した組立箱であるダブルウオールカートンが利用されている。

【０００３】 近年において、さらに販売時における内部の商品の展示性、見栄えを向上させ るために、この身箱Ｂの高さｈを、蓋Ａの高さＨの半分以下とし、身箱の内側に 、段ボールシートや板紙で作られた底上げタイプの内装材をはめ込み方式で取り 付けたものが使用されてきた（図１参照）。 そして、このような贈答箱においては、前記身箱の方の内装材に対応させて、 蓋の内側にも内装材を取り付けることによって、蓋と身箱を組み合わせたときに 、身箱の上縁面と蓋の方の内装材とが互いに接するように設計されている。その 理由は、蓋の方の内装材が無いと、流通時等の取り扱いにおいて、箱を積重ねた ときに蓋に加わる荷重が商品に直接かかるからである。また、商品の上にこれを 固定するための押さえがないと、商品が振動で飛びはねたりすることがあり、さ らに箱を傾けたり、箱を落としたり、箱を裏返したときには、身箱内から商品が 脱出するからである。また、箱を積重ねたときには蓋にかた寄った荷重が掛かり 変形するので、これらの不具合が発生するのを防止し、安定よく積み重ねること ができるようにするためである。

【０００４】 ところで蓋の方の内装材は、身箱を固定したり内部の商品を支える機能を有し ているために、通称「枕」とか、蓋に取り付けられているため「蓋枕」と呼ばれ ている。この枕は、蓋の内側に着脱可能に装着されていることが多い。

【０００５】 近年、このような包装箱（贈答箱）に多品種の商品を詰め合わせる作業は、手 作業からロボットを利用した自動包装システムへと移行されてきている。一般に この自動包装ロボットシステムにおいては、詰め合わせをする商品と製箱された 包装箱とがそれぞれコンベヤラインで搬送されてくるが、途中で、制御系からの 指令信号によってロボットハンドが身箱の上から商品を所定パターンに箱詰めす る。そして、同じく制御系からの指令信号により、ロボットハンドが蓋を真空吸 引して、商品が詰められた身箱の上に蓋をかぶせるようになっている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ロボットハンドが蓋を持ち上げて身箱の上に蓋をかぶせるとき 、蓋が短い移動と停止を繰り返したり、揺さぶられたり、蓋が吸着される時に蓋 自体に衝撃や変形を伴う力が加わることがある。その結果、蓋内に押し込んだ「 枕」がずれ落ち蓋から脱出するおそれがあった。前述のように「枕」は蓋の内側 にはめ込み方式で着脱可能に取り付けられているが、通常、蓋の内寸は「枕」と の間に少しゆとりを作るように製作されているので、「枕」が蓋内側の所定位置 からずれ落ちる可能性があった。

【０００７】 一方、身箱の内側にはめ込まれる内装材も、前記した蓋と「枕」と同じような 関係に組み立て装着されるので、身箱を傾けたり、落としたり、裏返したときに 、変形を伴う力や衝撃によって、内装材が身箱から脱出する可能性が高いという 問題点があった。 本考案は、以上のような従来の問題点を改善して、前記した各種内装材の脱出 防止装置付き包装箱を提案するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、請求項１の考案は、重ね蓋と身箱とからなる被せ 箱形式の贈答箱において、前記蓋内に内装材をはめ込み、かつ前記蓋の側壁内周 コーナ位置に、蓋内方に突出して、前記内装材を蓋にはめ込む際にコーナ側に屈 曲し、はめ込み後はその屈曲に抗する反力で後退して、内装材の蓋からの脱出を 阻止する抜け止め片を設けたことを特徴とする内装材の脱出防止装置付き贈答箱 である。

【０００９】 請求項２の考案は、重ね蓋と身箱とからなる被せ箱形式の贈答箱において、前 記身箱内に内装材をはめ込み、前記身箱の側壁内周コーナ位置に、身箱内方に突 出して、前記内装材を身箱にはめ込む際コーナ側に屈曲し、はめ込み後はその屈 曲に抗する反力で後退して、内装材の身箱からの脱出を阻止する抜け止め片を設 けたことを特徴とする内装材の脱出防止装置付き贈答箱である。

【００１０】 請求項３の考案は、重ね蓋と身箱の双方が共に側壁の４面が外側板と内側板と により２重構造となるように組立られたダブルウオールカートンであって、 前記重ね蓋と身箱の少なく一方に内装材がはめ込まれていると共に、前記内装 材がはめ込まれた重ね蓋又は身箱の相対する内側板と該側板に隣接した内側板と の間に位置する隅角部に、内装材の脱出を阻止する抜け止め片を突出させ、かつ 前記内装材をはめ込むとき隅角部側に屈曲し、はめ込み後はその屈曲に抗する反 力で後退するように設けたことを特徴とする内装材の脱出防止装置付き贈答箱で ある。

【００１１】 請求項４の考案は、被せ箱形式の贈答箱において、重ね蓋を構成する矩形状天 板の相対する２辺に、両側にフラップを有する外側板と、両側に係止片を有する 内側板を順次連接し、他の相対する２辺に両側にフラップを有する外側板と、両 側に前記係止片が係合する切り欠きを有する内側板を設け、さらに前記係止片の 上部に、前記重ね蓋の側壁内周コーナ部に重ね蓋の内方に突出して、内装材を重 ね蓋にはめ込むとき前記コーナ部側に屈曲し、はめ込み後はその屈曲に抗する反 力で後退して、内装材の脱出を阻止する抜け止め片を重ね蓋を構成する一方の相 対する内側板の左右両端部から、隣接した内側板に向かって突出するように設け たことを特徴とする内装材の脱出防止装置付き贈答箱である。

【００１２】 なお上述したダブルウオールカートンとは、外側板と内側板とた連続した２重 壁のカートンや、外側板と内側板との間に縁板を有した額縁タイプの２重壁のカ ートンを意味している。

【００１３】

【考案の実施の形態】

図１は、石鹸などのギフト用商品を収容した被せ箱形式の贈答箱の分解斜視図 であり、図２はその重ね蓋を裏返してみた図である。図２において、符号Ｃが本 考案でいう内装材の一種の「枕」であり、符号２０で示した部材が枕の脱出を防 止する抜け止め片である。なお、図３は図２のものから「枕」を取り外してみた 部分拡大図である。次に、図４に基づいて、重ね蓋Ａに設ける抜け止め片２０の 構成を具体的に説明する。

【００１４】 図４は、表面にオフセット印刷をした坪量４００ｇ／ｍ^２のコートボール紙を 用いて打ち抜き形成した重ね蓋のブランクシート（展開図）を示している。この ブランクシート１０は、図に示すように、シートの中央に矩形の天板１を区画し て、その矩形状天板１の相対する２辺（短辺側）に、両側にフラップ３ａ，３ａ を有する外側板２と、両側に係止片６ａを有する内側板４を順次形成する。また 、他方の相対する２辺（長辺側）に、両側にフラップ３ｂ，３ｂを有する外側板 ７と、両側に前記係止片６ａがはまり込んで係合する切り欠き６ｂを有する内側 板８を順次形成する。なお、符号５は前記内側板４の外側に連設した端縁板であ る。 ところで、符号１１はフラップ３ａと３ｂとの間に形成した、４５度の角度を 有した折り目線である。また、１２は内側板８の両側に付設した連結用フラップ である。

【００１５】 さて、図２にも示したように、内側板４の両端部には、前記蓋の側壁内周コー ナ位置に突出する抜け止め片２０を以下のように設ける。すなわち内側板４の両 端において、前記フラップ３ａと係止片５との間に、そのほぼ中央位置から内側 板４の外側に突出するように、ほぼ３角形の抜け止め片２０を設ける。この抜け 止め片２０は、内側板４の端辺２３と直交するように設けた切れ目線２１が底辺 となるように、ほぼ２等辺３角形状に形成し、その斜辺の一方が折り目線２２と なるようにする。なお、この２等辺３角形状の抜け止め片２０は、後記のように 組立時には、斜めの折り目線２２を介して屈曲するように構成されている（図４ 、図５参照）。

【００１６】 上記ブランクシートから蓋を組み立てる場合、先ず、長辺側の内側板８を外側 板７の上に折り重ねた後、この内外両側板７，８を天板１に対して垂直に立ち上 げる。次に、両フラップ３ｂ，３ｂ間の折り目１１を介して、その両フラップ３ ｂ，３ｂを合掌させるように内側に折り曲げながら、短辺側の外側板２を垂直に 立ち上げ、かつ内側板４を外側板２の内側に来るように折り曲げて、端縁板５を 天板１に当接させ、また内側板４の両側に設けた前記係止片６ａが隣接する内側 板８の切り欠き６ｂ内にはまり込むようにする。このとき、２等辺３角形状の抜 け止め片２０は斜めの折り目線２２を介して屈曲し、蓋の内方に突き出るように 内側板の左右両端部より、隣接した内側板８に向かって突き出る。

【００１７】 このような蓋に前述のような「枕」とよばれる内装材Ｃを蓋のコーナ部に押し 込むときは、前記の２等辺３角形状に形成させた抜け止め片２０は、板紙あるる いは段ボール材の特質からコーナ部側に屈曲し、はめ込み後はその屈曲に抗する 反力で後退して、枕Ｃの抜けを阻止するのである。

【００１８】 なお、上記の実施の形態においては、重ね蓋Ａに枕Ｃをはめ込みんだ例を示し たが、身箱Ｂの方に内装材をはめ込む場合にも、身箱の相対する内側板と該側板 に隣接した内側板との間に位置する隅角部に、前記と同様にして、内装材の抜け を阻止する抜け止め片を突出させて設けることができるのである。

【００１９】

【考案の効果】 以上のべたように、本考案によれば、蓋あるいは身箱を傾けたり、落としたり 、裏返したとき、変形を伴う力や衝撃によって、内装材がそれらから脱出するの を防ぐことができる。また本考案の抜け止め構造は簡単な構造であり、蓋あるい は身箱本体を構成するブランクシートに一体的に組み込むことができるので、贈 答箱の製造コストや組立コストを押し上げることが無い点でもきわめて有用なも のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案に係る重ね蓋Ａと身箱Ｂとの組み
合わせからなる被せ箱形式の贈答箱の斜視図である。

【図２】図２は図１の重ね蓋を裏返してみた図である。

【図３】図３は図２のものから「枕」を取り外してみた
部分拡大図である。

【図４】図４は重ね蓋のブランクシート（展開図）を示
している。

【図５】図４における抜け止め片部分の拡大図である。

【符号の説明】

Ａ 重ね蓋 Ｂ 身箱 Ｃ 内装材（枕） ２０ 抜け止め片

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 重ね蓋と身箱とからなる被せ箱形式の贈
   答箱において、前記蓋内に内装材をはめ込み、かつ前記
   蓋の側壁内周コーナ位置に、蓋内方に突出して、前記内
   装材を蓋にはめ込む際にコーナ側に屈曲し、はめ込み後
   はその屈曲に抗する反力で後退して、内装材の蓋からの
   脱出を阻止する抜け止め片を設けたことを特徴とする内
   装材の脱出防止装置付き贈答箱。
2. 【請求項２】 重ね蓋と身箱とからなる被せ箱形式の贈
   答箱において、前記身箱内に内装材をはめ込み、前記身
   箱の側壁内周コーナ位置に、身箱内方に突出して、前記
   内装材を身箱にはめ込む際コーナ側に屈曲し、はめ込み
   後はその屈曲に抗する反力で後退して、内装材の身箱か
   らの脱出を阻止する抜け止め片を設けたことを特徴とす
   る内装材の脱出防止装置付き贈答箱。
3. 【請求項３】 重ね蓋と身箱の双方が共に側壁の４面が
   外側板と内側板とにより２重構造となるように組立られ
   たダブルウオールカートンであって、 前記重ね蓋と身箱の少なく一方に内装材がはめ込まれて
   いると共に、前記内装材がはめ込まれた重ね蓋又は身箱
   の相対する内側板と該側板に隣接した内側板との間に位
   置する隅角部に、内装材の脱出を阻止する抜け止め片を
   突出させ、かつ前記内装材をはめ込むとき隅角部側に屈
   曲し、はめ込み後はその屈曲に抗する反力で後退するよ
   うに設けたことを特徴とする内装材の脱出防止装置付き
   贈答箱。
4. 【請求項４】 被せ箱形式の贈答箱において、重ね蓋を
   構成する矩形状天板の相対する２辺に、両側にフラップ
   を有する外側板と、両側に係止片を有する内側板を順次
   連接し、他の相対する２辺に、両側にフラップを有する
   外側板と、両側に前記係止片が係合する切り欠きを有す
   る内側板を設け、さらに前記係止片の上部に、前記重ね
   蓋の側壁内周コーナ部に重ね蓋の内方に突出して、内装
   材を重ね蓋にはめ込むとき前記コーナ部側に屈曲し、は
   め込み後はその屈曲に抗する反力で後退して、内装材の
   脱出を阻止する抜け止め片を重ね蓋を構成する一方の相
   対する内側板の左右両端部から、隣接した内側板に向か
   って突出するように設けたことを特徴とする内装材の脱
   出防止装置付き贈答箱。