JP3052640B2 - 車両用クラッチのパワーアシスト装置 - Google Patents

車両用クラッチのパワーアシスト装置

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JP3052640B2
JP3052640B2 JP5033492A JP3349293A JP3052640B2 JP 3052640 B2 JP3052640 B2 JP 3052640B2 JP 5033492 A JP5033492 A JP 5033492A JP 3349293 A JP3349293 A JP 3349293A JP 3052640 B2 JP3052640 B2 JP 3052640B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は操作ケーブルを介してク
ラッチ機構を操作させるクラッチのパワーアシスト装置
に係り、特にクラッチペダルやクラッチレバーの操作力
を軽減させた車両用クラッチのパワーアシスト装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車や自動二輪車には、発進時や変速
時などにエンジンの回転駆動力をトランスミッション以
下の駆動系に断続する装置であるクラッチ機構を備えて
いる。このクラッチ機構は、例えば自動車においてはク
ラッチペダルの踏込操作、また自動二輪車においてはク
ラッチレバーの手動操作により操作ケーブルを介してク
ラッチ操作力が伝達されてエンジンの回転力が断絶(ク
ラッチ)操作されるようになっている。その際、クラッ
チペダルやクラッチレバーはてこの原理が採用され、ペ
ダル比やレバー比を大きく取ることで、操作フィーリン
グを軽減させるようになっている。
【0003】また、自動車や自動二輪車には、クラッチ
機構の断続操作を、軽い操作フィーリングで行うように
した油圧式パワークラッチがある。このパワークラッチ
では、エンジンインテークマニホールドの負圧力やオイ
ルポンプで発生した油圧を利用してクラッチ機構の断続
操作が行われるため、クラッチペダルやクラッチレバー
の操作力が軽減されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
油圧式パワークラッチは、操作ケーブルを介してクラッ
チ操作力が伝達される操作ケーブル採用のクラッチ機構
には対応できないのみならず、既存の自動車や自動二輪
車の従来機種に、この油圧式パワークラッチを後付ける
ことが困難である。油圧式パワークラッチを従来機種に
後付けするためには、多数の関連部品の作り直しが必要
となり、多くの手間と時間を要し、コストアップとな
る。
【0005】また、操作ケーブルを採用したクラッチ機
構では、クラッチペダルやクラッチレバーの操作力をペ
ダル比やレバー比を大きく取ることで軽減させている
が、クラッチペダルやクラッチレバーの操作力を大幅に
低減させることはできない。特に自動二輪車において、
カーブや坂道の多い山道などの走行や、交通量が激しく
常に渋滞している町中の走行では、変速操作を頻繁に行
わなければならず、その都度クラッチレバーのレバー操
作が必要となる。しかし、クラッチレバーのレバー操作
を頻繁に行う場合、クラッチ操作力をレバー比のみでは
充分に軽減できないため、操作フィーリングが悪く、手
動操作の負担が大きく、快適な走行を楽しむことが困難
であった。
【0006】さらに、クラッチの切れが悪い場合は、ク
ラッチの作動量を増加させればよいのだが、ライダの力
および手の大きさには限度があり、クラッチの作動量を
自由に大きくすることは困難であった。
【0007】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、クラッチペダルやクラッチレバーの操作性を改
善し、軽い操作フィーリングでクラッチ機構にクラッチ
の断続操作を確実に行うことができる車両用クラッチの
パワーアシスト装置を提供することを目的とする。
【0008】この発明の他の目的は、クラッチ操作補助
装置により操作ケーブルにモータ駆動力をパワーアシス
ト量として付加し、クラッチペダルやクラッチレバーの
操作力を軽減させるとともにクラッチの作動量を増加さ
せ、クラッチの切れを向上させた車両用クラッチのパワ
ーアシスト装置を提供するにある。
【0009】この発明のさらに他の目的は、操作ケーブ
ルに付与された操作力によりモータの出力軸受けに発生
する偏心モーメントを防止し、モータの出力軸受けの耐
久性を向上させた車両用クラッチのパワーアシスト装置
を提供するにある。
【0010】この発明の別の目的は、モータ故障時にも
クラッチ操作が損なわれることがない車両用クラッチの
パワーアシスト装置を提供するにある。
【0011】この発明のさらに別の目的は、自動車や自
動二輪車の従来機種への後付けを簡単かつ容易に行うこ
とができる車両用クラッチのパワーアシスト装置を提供
するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る車両用クラ
ッチのパワーアシスト装置は、上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載したように、モータ駆動の回転
体に、複数の分割リールピースからなるリールを摺接自
在に設け、このリールは、巻取径の異なる複数のケーブ
ルガイド路を有し、これらのケーブルガイド路にクラッ
チ機構を操作させる操作ケーブルを巻き付けてクラッチ
操作補助装置を構成し、このクラッチ操作補助装置は、
操作ケーブルに操作力を付与することにより回転体とリ
ールとを摩擦係合させて前記操作ケーブルにモータ駆動
力をパワーアシスト量として付加させたものである。
【0013】また、上述した課題を解決するために、請
求項2に記載したように、ケーブルガイド路に巻付けら
れる操作ケーブルは、ケーブルガイド路に一方の操作ケ
ーブルを分岐して巻付け、その中央に他方の操作ケーブ
ルを巻付けたものであるさらに、この発明に係る車両用
クラッチのパワーアシスト装置は、上述した課題を解決
するために、請求項3に記載したように、車両用クラッ
チ機構を操作ケーブルを介して操作させるクラッチペダ
ルやクラッチレバー等の初動クラッチ操作部材に連動す
るON−OFFスイッチを設け、このON−OFFスイ
ッチによりモータの起動・停止が制御され、前記ON−
OFFスイッチは初動クラッチ操作部材の操作ストロー
ク中、操作ケーブルの遊び区間でON、最大操作ストロ
ーク時点でOFFとなるように設定され、前記モータの
出力軸にクラッチ操作補助装置が設けられたものであ
る。
【0014】
【作用】上記の構成を有する本発明においては、クラッ
チ機構を操作させる操作ケーブルの途中にクラッチ操作
補助装置を設け、このクラッチ操作補助装置によりモー
タ駆動力をパワーアシスト量として操作ケーブルに付加
させたので、クラッチ機構を操作させるために必要な操
作ケーブルの操作力を大幅に軽減させることができ、ク
ラッチペダルやクラッチレバーの操作性を改善し、軽い
操作フィーリングで快適な走行を楽しむことができる。
【0015】また、このパワーアシスト装置は、クラッ
チ操作補助装置によりモータ駆動力をパワーアシスト量
として操作ケーブルに選択的に付加させることができ、
クラッチ作動量を大きく設計できるので、クラッチの切
れを向上させることができる。
【0016】さらに、ケーブルガイド路に巻付けられる
操作ケーブルは、ケーブルガイド路に一方の操作ケーブ
ルを分岐して巻付け、その中央に他方の操作ケーブルを
巻付けたため、操作ケーブルに付与された操作力により
モータの出力軸受けに発生する偏心モーメントを防止
し、モータの出力軸受けの耐久性を向上させることがで
きる。
【0017】さらにまた、クラッチ操作補助装置の万一
の故障時にも、クラッチペダルやクラッチレバーの操作
力は、操作ケーブルやリールを介してクラッチ機構に確
実に伝達されるから、クラッチ操作がモータ故障で損な
われることがない。
【0018】そして、操作ケーブルの途中にクラッチ操
作補助装置を設けることにより車両用クラッチのパワー
アシスト装置が構成できるので、従来機種の関連部品を
そのまま使用でき、このパワーアシスト装置を自動車や
自動二輪車に簡単かつ容易に後付けすることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0020】図1は、この発明を適用した自動二輪車の
一例を示す左側面図であり、図2は、車両用クラッチの
パワーアシスト装置を展開状態で示す図である。
【0021】図1において、この自動二輪車1は、車体
フレーム2の中央下部にエンジン3が搭載される一方、
このエンジン3の上方に燃料タンク4が設けられる。燃
料タンク4の後方には運転シート5が設けられ、この運
転シート5は車体フレーム2のシートレール6上に設置
される。
【0022】車体フレーム2のヘッドパイプ7にはステ
アリング機構8が設けられ、このステアリング機構8に
前輪9を回転自在に支持するフロントフォーク10が設
けられる。また、ステアリング機構8のアッパーブラケ
ット11の左右にはハンドルバー12,13がそれぞれ
取付けられ、フロントフォーク10とともに左右回動自
在に枢着される。
【0023】一方、車体フレーム2の中央下部に架設さ
れたピボット軸14には、後輪15を回転自在に支持す
るスイングアーム16がピボット軸14廻りに回動自在
に枢着される。
【0024】上記ステアリング機構8のアッパーブラケ
ット11に取付けられる左側のハンドルバー12には初
動クラッチ操作部材としてのクラッチレバー17が、そ
して右側のハンドルバー13には図示しないフロントブ
レーキレバーがそれぞれ付設される。
【0025】図2に示すように、クラッチレバー17か
ら操作ケーブル18がクラッチケーブルとして延設され
ており、この操作ケーブル18の途中にクラッチ操作補
助装置19が設けられる。操作ケーブル18の他端側は
クラッチレリーズレバー20に連結される。
【0026】クラッチレリーズレバー20は、ピニオン
ラック機構などの機械的操作力伝達機構21を介してク
ラッチ機構22に連係され、クラッチ機構22をスプリ
ング23のばね力に抗してクラッチ操作させるようにな
っている。クラッチ機構22のクラッチ操作により、エ
ンジン3のクランクシャフト24から伝達される回転駆
動力をトランスミッション25以下の駆動系に断続させ
るようになっている。クラッチ機構22は、常にスプリ
ング23のばね力でエンジン3からの回転駆動力がトラ
ンスミッション25に伝達されるようになっている。
【0027】また、クラッチレバー17からの操作ケー
ブル18は、図3に示すようにスタータケーブル26や
スロットルケーブル27およびワイヤーハーネス28と
共にケーブルガイド29に案内されて車体フレーム2に
沿って引き廻され、クラッチレリーズレバー20に接続
される。
【0028】操作ケーブル18の途中に設けられるクラ
ッチ操作補助装置19は、図2に示すようにバッテリ3
0にて駆動される電動モータ31を有し、このモータ出
力は、図4に示すように減速機32を介してモータ出力
軸33に伝達される。このモータ出力軸33には本体ケ
ーシング34内に収容されたハブ35がテーパあるいは
スプライン結合により回転一体に取付けられる。ハブ3
5はモータ出力軸33に固定され、モータ出力軸33の
一部を構成している。電動モータ31に取り付けられた
減速機32は本体ケーシング34に取付けられて固定さ
れる。なお、符号36はケースカバーである。このケー
スカバー36にベアリング37が設けられ、このベアリ
ング37によりハブ35の回転を案内している。
【0029】一方、ハブ35のボス部35aには回転体
を構成するスリーブ状ロータ38が嵌合される。ロータ
38には軸方向に突出する係合ピン39が植設され、こ
の係合ピン39が図5に示すように、ハブ35の外側フ
ランジ35bに形成される弧状の長孔40に係合され
る。ロータ38はハブ35に対し長孔40のストローク
分相対的に回動するようになっている。
【0030】ロータ38の外周にはリール41が摺接自
在に設けられる。図4に示すように、リール41は3本
のケ−ブルガイド路42,43,44を外周側に形成す
るが、リール41の中央部に形成されるケーブルガイド
路43の巻取径γは、図4および図5に示すように、他
の二本のケーブルガイド路42,44の巻取径δより小
さくする。
【0031】上記リール41は分割構造をなし、複数
の、例えば4つの円弧状分割リールピース41a,41
b,41c,41dを周方向に配列して構成される。分
割リールピースは2つ以上であればよい。
【0032】各分割リールピース41a〜41dのうち
1つの分割リールピース41aには各ケーブルガイド路
42,43,44をそれぞれ横切るように係合孔45,
46が周方向に離間して形成され、巻取径の小さいリー
ル41中央のケーブルガイド路41の係合孔45に、図
5に示すように、操作ケーブル18のドライブ側クラッ
チケーブル18aのエンドピース47が、巻取径の大き
いリール41外側のケーブルガイド路42,44の係合
孔46にドリブン側クラッチケーブル18bの二本の接
続ケーブル18cのエンドピース48がそれぞれ係合さ
れる。
【0033】ドライブ側クラッチケーブル18aおよび
ドリブン側クラッチケーブル18bの接続ケーブル18
cは、リール41に少なくとも半周分以上に巻き掛けら
れ、全体として実質的に一周分以上巻き掛けられる。な
お、上記接続ケーブル18cはイコライザ49を介して
ドリブン側クラッチケーブル18bに接続される。
【0034】また、図2に示すように、操作ケーブル1
8のドライブ側クラッチケーブル18aやドリブン側ク
ラッチケーブル18bの他端側にもエンドピース50,
51がそれぞれ設けられ、ドライブ側クラッチケーブル
18aのエンドピース50はクラッチレバー17の係合
孔52に、ドリブン側クラッチケーブル18bのエンド
ピース51はクラッチレリーズレバー20の係合孔53
にそれぞれ連結される。
【0035】前記クラッチレバー17は、図2および図
6に示すように、レバーホルダー54にその回動中心A
廻りに回動自在に設けられる。レバーホルダー54は、
左側ハンドルバー12に固定される一方、レバーホルダ
ー54の回動中心A近傍にマイクロスイッチ等のON−
OFFスイッチ55が取付けられる。
【0036】このON−OFFスイッチ55は、図7お
よび図8に示すように、レバーホルダー54側に固定接
点56aが設けられる一方、クラッチレバー17側に可
動接点56bが設けられ、クラッチレバー17の回動操
作によりON−OFF作動される。ON−OFFスイッ
チ55は、クラッチレバー17を操作しない時、図6に
示すように、OFF状態にセットされ、クラッチレバー
17の操作ストローク中、操作ケーブル18の遊び区間
でONとなり、最大ストローク時点でOFFとなるよう
に設定される。
【0037】このON−OFFスイッチ55のON−O
FF作動により、図2に示すように、電源回路57がO
N−OFF操作され、電動モータ31が起動−停止され
る。
【0038】次に、本実施例の作用について説明する。
【0039】クラッチレバー17を例えば左手で握る
と、ドライブ側クラッチケーブル18aが引かれる。ド
ライブ側クラッチケーブル18aが引かれると直ちにO
N−OFFスイッチ55がONとなってクラッチ操作補
助装置19の電動モータ31が起動される。この電動モ
ータ31の駆動によりモータ出力軸33のハブ35に取
り付けられたロータ38が回転する。
【0040】一方、クラッチレバー17の手動操作によ
って、ドライブ側クラッチケーブル18aを引いていく
と、ドライブ側クラッチケーブル18aの引張力により
クラッチ操作補助装置19のリール41の各リールピー
ス41a〜41dがロータ38に押し付けられて摩擦係
合し、ロータ38はリール41の各リールピース41a
〜41dに締め付けられてリール41に回転力を与え
る。これにより、モータの回転駆動力がリール41を介
して接続ケーブル18cおよびドリブン側クラッチケー
ブル18bにパワーアシストとして加えられる。したが
って、クラッチレバー17のレバー操作は、リール41
をロータ38側に押し付け、摩擦係合させるに必要な締
付操作力でよいから、非常に軽くなる。
【0041】また、クラッチレバー17のレバー操作に
より、クラッチ操作補助装置19が作動すると、操作ケ
ーブル18にレバー操作力とともにモータ駆動力が付加
されてクラッチレリーズレバー20を作動させる。リー
ル41のケーブルガイド路42,43,44の巻取径
γ,δは、ドライブ側の巻取径γよりドリブン側の巻取
径δのほうが大きいので、ドリブン側クラッチケーブル
18bの移動量は、クラッチレバー17の操作によって
引かれるドライブ側クラッチケーブル18aの移動量よ
り大きくなるので、充分に大きなクラッチ作動量を得る
ことができ、クラッチ機構22の切れをよくすることが
できる。
【0042】さらに、ケーブルガイド路42,43,4
4の巻取系γ,δを変化させることによりクラッチ作動
量やパワーアシスト量を自由に設定できる。
【0043】なお、リール41のケーブルガイド路4
2,43,44を三本設け、ドライブ側クラッチケーブ
ル18aを中央のケーブルガイド路43に、ドリブン側
クラッチケーブル18bの接続ケーブル18cを外側二
本のケーブルガイド路42,44に巻き付けるように配
置したため、操作ケーブル18に付与される操作力が一
直線上に配分されることにより、モータの出力軸受け5
8に発生する偏心モーメントを防止し、モータの出力軸
受け58の耐久性を向上させることができる。
【0044】上記クラッチ操作によりクラッチ機構22
にクラッチ操作されてクラッチ作用し、エンジン3の回
転駆動力がトランスミッション25に伝達されるのを防
止している。
【0045】さらに、クラッチレバー17を操作して最
大ストローク分だけ引くと、ON−OFFスイッチ55
がOFFとなり、電動モータ31の駆動が停止される。
これにより、クラッチ操作補助装置19のロータ38と
リール41が摩擦接触状態のまま必要以上に相対的に摺
動するのを防止することができる。
【0046】また、クラッチレバー17を離すと、クラ
ッチ機構22のスプリング23のばね力が操作ケーブル
18を介してクラッチレバー17に作用し、クラッチレ
バー17を原位置側に復帰させる。この時、クラッチ操
作補助装置19のハブ35とロータ38とは、操作ケー
ブル18の操作力が直ちに作用する関係に保持される。
具体的には、ロータ38の係合ピン39とハブ35の長
孔40とが図5の実線で示す位置に係合し、クラッチレ
バー17の操作力がクラッチ機構22側に直ちに伝達さ
れるようになっている。
【0047】モータ出力軸33側とハブ35とロータ3
8との係合関係(係合ピン39の位置)を、図5に示す
ように保持することにより、万一電動モータ31が故障
しても、クラッチレバー17の手動操作により、操作ケ
ーブル18に伝達される操作力が、リール41を介して
クラッチレリーズレバー20に直接伝達され、クラッチ
機構22のクラッチ操作を行うことができる。
【0048】なお、上記実施例では、このパワーアシス
ト装置を自動二輪車1に適用した例を示したが、自動三
輪車や四輪自動車にも適用できる。
【0049】図9は、車両用クラッチのパワーアシスト
装置を自動車に適用した例を示す。
【0050】自動車の初動クラッチ操作部材としてのク
ラッチペダル59に操作ケーブル60の一端が結合さ
れ、この操作ケーブル60の他端はクラッチレリーズレ
バー61に結合される。クラッチレリーズレバー61は
ウォームギヤ機構などの機械的操作力伝達機構62を介
してクラッチ機構63に連結され、このクラッチ機構6
3をクラッチ操作させるようになっている。
【0051】操作ケーブル60の途中には、電動モータ
64を備えたクラッチ操作補助装置65が設けられ、こ
のクラッチ操作補助装置65の電動モータ64もクラッ
チペダル59に連動して0N−0FFされるON−OF
Fスイッチ(図示せず)により起動−停止される。
【0052】クラッチ操作補助装置65は、図4および
図5に示す自動二輪車1のクラッチ操作補助装置19と
異ならないので説明を省略する。
【0053】また、上記実施例では、このパワーアシス
ト装置をクラッチ機構に適用した例を示したが、車両用
駐車ブレーキや、自動二輪車のメインスタンドパワーア
シスト装置にも適用することができる。
【0054】図10は、このパワーアシスト装置を自動
車の駐車ブレーキに適用した例を示す。
【0055】自動車の初動駐車ブレーキ操作部材として
の駐車ブレーキレバー66に操作ケーブル67の一端が
結合され、この操作ケーブル67の他端は駐車ブレーキ
機構68に連結され、この駐車ブレーキ機構68を作動
させるようになっている。
【0056】操作ケーブル67の途中には、電動モータ
69を備えた駐車ブレーキ操作補助装置70が設けら
れ、この駐車ブレーキ操作補助装置70の電動モータ6
9も駐車ブレーキレバー66に設けられたラチェット解
除ノブ71に連動して0N−0FFされるON−OFF
スイッチ(図示せず)により起動−停止される。
【0057】駐車ブレーキ操作補助装置70は、図4お
よび図5に示す自動二輪車1のクラッチ操作補助装置1
9と異ならないので説明を省略する。
【0058】なお、本実施例では、ON−OFFスイッ
チ55をクラッチレバー17等の初動操作部材に連動さ
せて設けたが、このON−OFFスイッチ55は、操作
ケーブル18と連動するように設けてもよい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車両
用クラッチのパワーアシスト装置によれば、クラッチ機
構を操作させる操作ケーブルの途中にクラッチ操作補助
装置を設け、このクラッチ操作補助装置によりモータ駆
動力をパワーアシスト量として操作ケーブルに付加させ
たので、クラッチ機構を操作させるために必要な操作ケ
ーブルの操作力を大幅に軽減させることができ、クラッ
チペダルやクラッチレバー等の初動クラッチ操作部材の
操作性を改善することができ、非常に軽い操作フィーリ
ングで快適な走行を楽しむことができる。
【0060】また、このパワーアシスト装置は、クラッ
チ操作補助装置によりモータ駆動力をパワーアシスト量
として操作ケーブルに選択的に付加させることができ、
クラッチ作動量を大きく設計できるので、クラッチの切
れを向上させることができる。
【0061】さらに、ケーブルガイド路に巻付けられる
操作ケーブルは、ケーブルガイド路に一方の操作ケーブ
ルを分岐して巻付け、その中央に他方の操作ケーブルを
巻付けたため、操作ケーブルに付与された操作力により
モータの出力軸受けに発生する偏心モーメントを防止
し、モータの出力軸受けの耐久性を向上させることがで
きる。
【0062】さらにまた、クラッチ操作補助装置の万一
の故障時にも、クラッチペダルやクラッチレバーの操作
力は、操作ケーブルやリールを介してクラッチ機構に確
実に伝達されるから、クラッチ操作がモータ故障で損な
われることがない。
【0063】そして、操作ケーブルの途中にクラッチ操
作補助装置を設けることにより車両用クラッチのパワー
アシスト装置が構成できるので、従来機種の関連部品を
そのまま使用でき、このパワーアシスト装置を自動車や
自動二輪車に簡単かつ容易に後付けすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用した自動二輪車の左側面図。
【図2】この発明に係る車両用クラッチのパワーアシス
ト装置の一実施例を示す図。
【図3】図2に示されるパワーアシスト装置の操作ケー
ブルの配索関係を示す平面図。
【図4】この発明の車両用クラッチのパワーアシスト装
置に組み込まれるクラッチ操作補助装置を示す図。
【図5】図4に示すクラッチ操作補助装置を、ケースカ
バーを取り外して、クラッチ操作補助装置と操作ケーブ
ルの結合関係示す側面図。
【図6】自動二輪車のクラッチレバーを示す平面図。
【図7】図6に示すクラッチレバーを取付けるレバーホ
ルダーを下方から示す図。
【図8】図7のX−X線に沿う断面図であり、図7のレ
バーホルダーに取付けられるON−OFFスイッチの構
造を示す図。
【図9】この発明に係る車両用クラッチのパワーアシス
ト装置を自動車に適用した例を示す図。
【図10】この発明に係る車両用クラッチのパワーアシ
スト装置の操作補助装置を自動車の駐車ブレーキ機構に
適用した例を示す図。
【符号の説明】
1 自動二輪車 2 車体フレーム 3 エンジン 12,13 ハンドルバー 17 クラッチレバー(初動クラッチ操作部材) 18,60 操作ケーブル(クラッチケーブル) 18a ドライブ側クラッチケーブル 18b ドリブン側クラッチケーブル 18c 接続ケーブル 19,65 クラッチ操作補助装置 20,61 クラッチレリーズレバー 22,63 クラッチ機構 25 トランスミッション 30 バッテリ 31,64,69 電動モータ 33 モータ出力軸 34 本体ケーシング 35 ハブ(モータ出力軸) 38 ロータ(回転体) 39 係合ピン 40 長孔 41 リール 42,43,44 ケーブルガイド路 41a〜41d 分割リールピース 45,46,52,53 係合孔 47,48,50,51 エンドピース 49 イコライザ 54 レバーホルダー 55 ON−OFFスイッチ 56a 固定接点 56b 可動接点 57 電源回路 58 出力軸受け 59 クラッチペダル(初動クラッチ操作部材) 66 駐車ブレーキレバー(初動駐車ブレーキ操作部
材) 67 操作ケーブル(駐車ブレーキケーブル) 68 駐車ブレーキ機構 70 ブレーキ操作補助装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新海 達也 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株 式会社内 (72)発明者 石部 訓章 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株 式会社内 (56)参考文献 特開 平6−117450(JP,A) 特開 平2−168067(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 23/12 G05G 1/00 - 25/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ駆動の回転体に、複数の分割リー
    ルピースからなるリールを摺接自在に設け、このリール
    は、巻取径の異なる複数のケーブルガイド路を有し、こ
    れらのケーブルガイド路にクラッチ機構を操作させる操
    作ケーブルを巻き付けてクラッチ操作補助装置を構成
    し、このクラッチ操作補助装置は、操作ケーブルに操作
    力を付与することにより回転体とリールとを摩擦係合さ
    せて前記操作ケーブルにモータ駆動力をパワーアシスト
    量として付加させたことを特徴とする車両用クラッチの
    パワーアシスト装置。
  2. 【請求項2】 上記ケーブルガイド路に巻付けられる操
    作ケーブルは、ケーブルガイド路に一方の操作ケーブル
    を分岐して巻付け、その中央に他方の操作ケーブルを巻
    付けた請求項1記載の車両用クラッチのパワーアシスト
    装置。
  3. 【請求項3】 車両用クラッチ機構を操作ケーブルを介
    して操作させるクラッチペダルやクラッチレバー等の初
    動クラッチ操作部材に連動するON−OFFスイッチを
    設け、このON−OFFスイッチによりモータの起動・
    停止が制御され、前記ON−OFFスイッチは初動クラ
    ッチ操作部材の操作ストローク中、操作ケーブルの遊び
    区間でON、最大操作ストローク時点でOFFとなるよ
    うに設定され、前記モータの出力軸にクラッチ操作補助
    装置が設けられたことを特徴とする車両用クラッチのパ
    ワーアシスト装置。
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