JP3046810B1 - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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Abstract
性能を向上する。 【解決手段】 トレッド面2aに周方向にのびるタイヤ
赤道両側の2本の縦溝9、9を設け、トレッド面2aを
縦溝9の外側のショルダー部10と、縦溝9、9間の中
央部11とに区分する。無負荷の標準状態でのタイヤ子
午線断面において、各縦溝9は、内側の溝底縁から中央
部11のトレッド面2aのタイヤ軸方向の端縁Ceに連
なる内側の側壁面9iがタイヤ赤道C側へと小角度αで
傾いた実質的な直線状をなす。各縦溝9の外側の側壁面
9oは、タイヤ半径方向外側に凸となる大円弧部14を
含む。大円弧部14は、曲率半径Raが、接地巾TWの
10〜40%である。各縦溝9は、接地面にて測定した
タイヤ軸方向の最大溝幅を35mm以上とする。
Description
音性能とを向上しつつ操縦安定性を高めうる乗用車用に
適した空気入りタイヤに関する。
とを向上しうる空気入りタイヤとして、例えば特開平6
−127215号公報、特開平7−276915号公報
を提案している。このタイヤは、図7に略示する如く、
トレッド面tに実質的に周方向に連続して延びるタイヤ
赤道両側の2本の縦溝g、gにより、該縦溝gの軸方向
外側のショルダー部bと、該縦溝g、g間の中央部eと
に区分するとともに、前記中央部eの両側の側壁面が半
径方向外側に凸となる円弧状曲線fにて形成される。
の中央部eの形状により路面の水膜を除去する排水性を
高め、また縦溝gの巾広化などと相まって、ハイドロプ
レーニング現象などを減じてウエッドグリップ性を向上
させる。また、接地面においては、縦溝gが進行方向前
後でいわゆるラッパ状に拡巾し、該縦溝g内での空気の
共鳴を減じていわゆる通過騒音などを抑制しうる。
高性能化、高出力化に伴い、特にドライグリップ性能に
ついても非常に高い性能が要求されつつある。上述のよ
うな空気入りタイヤでは、ウエット性能、騒音性能につ
いては高いレベルに達しているが、従来の一般的な空気
入りタイヤに比べると、路面との接地面積が相対的に小
となる傾向があるため、ドライグリップ性能、特に高速
でシビアな操縦を行った場合、ドライバーにフィードバ
ックされるハンドルの手応え感が不足し、車両旋回時の
初期応答性が低いという問題がある。
れたもので、タイヤ赤道の両側に配された縦溝の、内側
の側壁面及び外側の側壁面の形状などを限定することを
基本として、ウエット性能、騒音性能を向上しつつ操縦
安定性をも高めうる空気入りタイヤを提供することを目
的としている。
めに、本発明のうち請求項1記載の発明では、トレッド
面に実質的に周方向に連続してのびるタイヤ赤道両側の
2本の縦溝によって、該縦溝の軸方向外側のショルダー
部と、縦溝間の中央部とに区分した空気入りタイヤであ
って、正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無
負荷の標準状態でのタイヤ軸を含んだタイヤ子午線断面
において、前記各縦溝は、タイヤ軸方向内側の溝底縁か
ら前記中央部のトレッド面のタイヤ軸方向の端縁(C
e)へとのびる内側の側壁面がタイヤ赤道側へ小角度
(α)で傾いた実質的な直線状をなすとともに、一端が
前記ショルダ部のトレッド面に連なる各縦溝の外側の側
壁面は、前記一端を通ってタイヤ軸方向内側にのびかつ
タイヤ半径方向外側に凸となる大円弧部を含み、かつ前
記大円弧部は、その曲率半径(Ra)が、前記標準状態
から正規荷重を負荷して平坦面に接地させたときの接地
面のタイヤ軸方向の最大長さである接地巾(TW)の1
0〜40%をなすとともに、前記各縦溝は、前記接地面
にて測定したタイヤ軸方向の最大溝巾(GWmax )を3
5mm以上としたことを特徴としている。
は、前記外側の側壁面と内側の側壁面との間に溝底部を
有するとともに、該溝底部は、前記内側の溝底縁からタ
イヤ軸方向外側にのびる第1の溝底部と、この第1の溝
底部から段差状に***して前記大円弧部に滑らかに連な
る第2の溝底部とを含むことを特徴とする請求項1記載
の空気入りタイヤである。
底部は、タイヤ半径方向内側に凸となりしかも該大円弧
よりも小の曲率半径Rbからなる小円弧部を含むことを
特徴とする請求項2記載の空気入りタイヤである。
面は、前記接地面において、前記中央部のタイヤ軸方向
の最大巾(CW)が、前記接地巾(TW)の15〜30
%であり、かつ前記ショルダ部のタイヤ軸方向の最大巾
(SW)が前記中央部の巾(CW)の80%以上である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1記載の空
気入りタイヤである。
定義する。先ず「正規リム」とは、タイヤが基づいてい
る規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に
定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リ
ム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTO
であれば "Measuring Rim"となる。
ている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎
に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空
気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOU
S COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETR
TOであれば "INFLATION PRESSURE" であるが、タイヤ
が乗用車用である場合には一律に200(kPa)とす
る。
ている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎
に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷
能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOU
S COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETR
TOであれば "LOAD CAPACITY"の70%とする。
面に基づき説明する。図1には、本実施形態の空気入り
タイヤを正規リムJにリム組みしかつ正規内圧を充填し
た無負荷の標準状態でのタイヤ軸を含むタイヤ子午線断
面を示し、図2にはそのトレッド面2aの輪郭線を拡大
して示している。
2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコ
ア5に至るトロイド状のカーカス6と、このカーカス6
のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配され
たベルト層7とを具える乗用車用ラジアルタイヤを例示
している。また本実施形態では、本発明を例えば偏平比
が0.4〜0.6程度の相対的に排水性に劣る広巾の偏
平タイヤに適用したものを例示している。
ル、ナイロン、レーヨンなどの有機繊維コードをゴム被
覆した1枚以上のカーカスプライ6aが好ましく用いら
れ、例えば前記ビードコア5の回りをタイヤ軸方向内側
から外側に向けて折り返されて係止される。また前記ベ
ルト層7は、スチール、アラミドなどの引張剛性の高い
高弾性コードを用いた本例ではタイヤ半径方向内、外の
2枚のベルトプライ7A、7Bを、各プライ間でコード
が交差するように、またタイヤ周方向に対して15〜3
5°程度の小角度で傾けて配列することにより形成さ
れ、前記カーカス6をタガ締めしトレッド部2の剛性を
高めている。なお高速性能の改善のため、ベルト層7の
タイヤ半径方向外側に、有機繊維コードを実質的にタイ
ヤ周方向に配列したバンドなどを設けても良い。
2aには、本例ではタイヤ赤道Cの両側で実質的に周方
向に直線状にて連続してのびる2本の縦溝9、9を設け
ることにより、該縦溝9の軸方向外側のショルダー部1
0と、該縦溝9、9間に位置する中央部11とに前記ト
レッド面2aを区分している。なおこの2本の縦溝9、
9は、本実施形態ではタイヤ赤道Cを中心としてタイヤ
軸方向に関して対称位置に配されたものを例示している
が、これに限定されるものではない。
上に中心を有する曲率半径Rcの円弧にて形成してい
る。この曲率半径Rcは、本例では500mm以上、好ま
しくは1000mm以上で形成されたものを例示する。
向の内側の側壁面9iおよび外側の側壁面9oの形状
を、以下の如く改善している。先ず、前記無負荷の標準
状態でのタイヤ軸を含んだタイヤ子午線断面において、
前記各縦溝9は、タイヤ軸方向内側の溝底縁13から前
記中央部11のトレッド面2aのタイヤ軸方向の端縁C
eへとのびる内側の側壁面9iは、タイヤ赤道C側へと
小角度αで傾いた実質的な直線状にて形成されている。
を、タイヤ赤道C側へと小角度αで傾いた実質的な直線
状で形成することにより、縦溝9の溝容積の増大と中央
部11の接地巾の拡大を両立する他、中央部11の剛性
を向上するのにも役立つ。また前記小角度αは、内側の
溝底縁13から立てたトレッド法線に対して測定するも
のとし、好ましくは5〜15゜、より好ましくは5〜1
2゜とするのが良く、本例では約10゜に設定したもの
を例示している。なお前記角度αが15゜よりも大にな
ると、縦溝9の溝容積の増大と中央部11の接地巾の拡
大化などが両立し得ない傾向がある。
レッド面2aと内側の側壁面9iとが小円弧、小面取り
部などを介して交わるときには、該トレッド面2aと内
側の側壁面9iとを仮想延長して交わる交点からタイヤ
半径方向内側に降ろしたトレッド法線とタイヤ表面との
交わり点として定める。また、前記内側の溝底縁13
は、前記内側の側壁面9iと、溝底部16とが円弧を介
して交わるときには、該側壁面9iと溝底部16とを夫
々仮想延長して交わる交点からタイヤ半径方向外側にの
びるトレッド法線とタイヤ表面との交わり点として定め
る。なお前記内側の側壁面9iが「実質的」に直線状を
なすとは、該内側の側壁面のタイヤ半径方向内側、及び
外側に、曲率半径が2mm程度の小円弧や小面取部などを
介在させても良いことを意味する。
端Xが前記ショルダ部10のトレッド面2aに連なる外
側の側壁面9oを、前記一端Xを通ってタイヤ軸方向内
側にのびかつタイヤ半径方向外側に凸となる大円弧部1
4を含んで形成している。この大円弧部14は、その曲
率半径Raが、タイヤの接地巾TWの10〜40%をな
すなど、従来には存しない大きな曲率半径にて形成され
ることを特徴の一つとしている。
半径方向外側に凸となる曲率半径Raが大きい大円弧部
14を含ませたことにより、旋回走行時など、荷重がシ
ョルダ部10側へと移動した場合に、この大円弧部14
を路面に十分に接地させて走行することが可能になり、
ショルダ部10の接地面積を増大させうる。とりわけ、
大円弧部14の曲率半径Raを前記の如く限定したこと
によって、ショルダ部10の接地面積の増大が荷重の増
大に比例した円滑なものとなるため、ハンドル手応え感
や操舵時の初期応答性なども非常に安定したものとな
り、良好な操縦安定性が得られる。
て、大円弧部14のタイヤ軸方向の巾Aが、前記中央部
11の端縁Ceと前記一端Xとのタイヤ軸方向距離GW
nの0.4〜0.7倍の広範囲に設けたものを例示して
いる。このため、旋回走行時などの大円弧部14の接地
可能面積を大きく確保でき、シビアな操縦時の安定性向
上に寄与しうる。
円弧部14に代えて、例えば図4に示すような直線状の
傾斜部分19などを設けた場合には、ショルダ部10の
剛性段差が生じる不具合があり、かつ旋回走行時の接地
面積の増大が荷重の増大に拘らず急激に行われる傾向が
あるため、操縦安定性が相対的に低下することとなる。
なる大円弧部14だけを見ると、縦溝9の大きな溝容積
の確保という観点からは必ずしも好ましいものとは言い
難いが、前記の如く、タイヤ赤道C側へと小角度αで傾
く実質的に直線状をなす内側の側壁面9iと組み合わせ
て縦溝9を構成することにより、縦溝9内において、タ
イヤ赤道C側に相対的に大きな溝容積部分を確保するこ
とが可能になる。
溝容積を同じとしたとき、溝深さが溝巾方向で均一な場
合と、溝深さがタイヤ赤道C側を深くトレッド端側を浅
く変化する場合とでは、タイヤ赤道C側に溝容積の大き
な部分を設けた縦溝の方が良好な耐ハイドロプレーニン
グ性能が得られることを見出した。その理由は、タイヤ
走行中、路面の水膜がタイヤ赤道C側(中央側)から進
入して接地後端側へと排水されていくこととの関係上、
タイヤ赤道側に溝容積の大きな部分が設けられている
と、排水初期に多量の水分を接地面外に効果的に導くこ
とができ、排水効率が高まるためと考えられる。
タイヤの接地巾TWの10%の未満の場合には、旋回時
のショルダ部10の接地面積の増大効果が十分でなく、
逆に40%を超える場合には、縦溝9の溝容積を著しく
損なう傾向があるため、ウエット性能の向上が期待でき
ない。好ましくは、前記大円弧部14の曲率半径Ra
は、接地巾TWの20〜30%とするのが望ましい。な
お前記接地巾TWは、前記標準状態からタイヤに正規荷
重を負荷して平坦面に接地させたときの接地面P(例え
ば図3)のタイヤ軸方向の最大長さとして定めうる。
ョルダ部10のトレッド面2aの主要部を形成する曲率
半径Rsと前記一端Xで滑らかに接続される。またショ
ルダ部10の曲率半径Rsは、過度に小さすぎると、十
分な接地面積が得られず、またショルダ部10の接地圧
が不均一となる傾向があるため、前記接地巾TWの10
0%以上、好ましくは150%以上の比較的大きな曲率
半径とするのが望ましい。なお、本例ではショルダ部1
1のタイヤ軸方向の外端側には、トレッド端Eを通る小
さな曲率半径Reの円弧部を含むものを例示している。
記接地面Pにて測定したタイヤ軸方向の最大溝巾GWma
x を35mm以上とすることが必要であり、前記大円弧部
14の曲率半径Raの中心位置などは、この要件を満た
すように定められる。これにより、十分な排水性を確保
しウエット性能を向上しうる他、気柱共鳴音なども低減
しうる。
びる縦溝9では、タイヤの走行により気柱共鳴が生じ、
その騒音レベルは溝巾に比例して増大するものと考えら
れていたが、発明者らの種々の実験の結果、このような
比例関係は、縦溝9の溝巾を本例のように著しく大きく
した場合には成立せず、むしろ騒音レベルが小さくなる
ことが判明している。好ましくは、前記最大溝巾GWma
x を35〜55mmとするのが良い。
は、前記接地面Pにて縦溝9の一部に形成されていれば
上記の効果が奏されるものであり、本実施形態では、タ
イヤ周方向の前後にこの最大溝巾(GWmax )をなす部
分が形成されたものを例示している。また、接地面での
縦溝9の最小溝巾をGWmin とするとき、この部分は、
縦溝9の周方向長さのほぼ中間部分に形成されている。
このため、本実施形態において接地面Pでの縦溝9の形
状は、タイヤ赤道C側をタイヤ周方向にのびる直線状と
する一方、トレッド端E側が湾曲することにより、タイ
ヤ周方向前後で溝巾が拡巾した、いわゆるラッパ状をな
すものを例示している。
タイヤ周方向で変化してラッパ状をなすことにより、排
水性を増し、かつ該縦溝9内部を通過する空気の共鳴攪
乱に役立ち、通過騒音をより一層抑制しうる点で好まし
いものとなる。なおこのような効果をより高めるには、
前記最大溝巾(GWmax )と最小溝巾(GWmin )との
差を、例えば4〜15mmとすることが特に望ましい。
央部11は、操縦安定性を向上するべく、例えばそのタ
イヤ軸方向の最大巾CWが、前記接地巾TWの15〜3
0%、好ましくは15〜20%とすることが好ましく、
また前記ショルダ部10のタイヤ軸方向の最大巾SW
は、前記中央部の巾CWの80%以上、好ましくは10
0%以上であることが望ましい。
に、前記外側の側壁面9oと内側の側壁面9iとの間に
溝底部16を有している。該溝底部16は、本例では前
記内側の溝底縁13からタイヤ軸方向外側にのびる第1
の溝底部16aと、この第1の溝底部16aから段差状
に***して前記大円弧部14に滑らかに連なる第2の溝
底部16bとを含むものを例示している。
ダ部10側を***させたときには、ショルダ部10のパ
ターン剛性が高まり、その結果、ショルダ部10は旋回
走行時などの横荷重に変形抵抗して大きなコーナリング
フォースを発生させることができ、より高い操縦安定性
を得ることが可能になる。また、トレッドベアなどの成
形不良を防止できる。さらに、溝底部のゴム厚さが小の
部分が広範囲に亘ると、石噛みなどにより損傷しやすく
なるが、本例では溝底部16において、ショルダ部10
側を***させたため溝底部16の耐傷性を向上しうる。
間を滑らかに継ぐ仮想線VLからの第1の溝底部16a
の最大の溝深さD1は、例えば前記接地巾TWの3〜7
%とするのが好ましく、本例では約9mmに設定される。
また、前記仮想線VLからの第2の溝底部16bまでの
最大の溝深さD2は、例えば前記第1の溝深さD1より
も1.5mm以上、好ましくは2.0〜4.5mm程度小と
するのが望ましい。
り好適に向上しうる。なお本例では、この第2の溝底部
16bは、タイヤ半径方向内側に凸となりしかも前記大
円弧部14の曲率半径Raよりも小の曲率半径Rbから
なる小円弧部17をその一部に含むものを例示してい
る。これにより、大円弧部14から第2の溝底部16b
への繋がりが円滑となり、かつ縦溝9の溝容積の増大化
にも役立つ。
の他、タイヤ周方向にのびる細溝20と、この細溝29
と交わる向きにのびる横溝21とを設けたトレッドパタ
ーンの一例を示している。
mm以下、好ましくは4mm以下、さらに好ましくは3mm以
下とするのが良く、かつ溝深さを前記縦溝9の溝深さD
1の0.3倍以下としている。また本実施形態では、前
記細溝20は、前記大円弧部14に2本が形成されたも
のを例示している。この場合、大円弧部の耐摩耗性を向
上するのに役立つ。但し、これに限定されるものではな
く適宜の位置に設けうる。このような細溝20は、例え
ばショルダ部10などの摩耗バランスを最適化するのに
役立つ。
らトレッド端Eへとのびる第1の横溝21Aと、縦溝9
からタイヤ軸方向外側へトレッド端Eへとのびる第2の
横溝21Bと、ショルダ部10からトレッド端Eにのび
る第3の横溝21Cとを含むものを例示している。そし
て、本例では各横溝21A、21Bを交互にかつ第3の
横溝21Cをそれらの間に介在させて配しているものを
示す。このような横溝21は、ショルダー部10の剛性
低下を防止しつつ、トレッド端E側への排水を高め、か
つ耐摩耗性能などを向上させうる。
内端が、中央部11のタイヤ赤道Cの手前で途切れるも
のを例示する。このため、例えば中央部11の剛性を維
持して操縦安定性の低下を防止する点で好ましい。また
前記各横溝21A、21B及び21Cは、ショルダ部1
0において、タイヤ軸方向に対して±15°の小角度を
なすものを例示している。この角度が15°を超える
と、いわゆるピッチノイズやポンピングノイズが増加す
る傾向がある。なおこれらの横溝21の周方向ピッチ、
深さなどは、目的に応じて種々選択しうる。また図示し
ていないが、サイピングなどを設けることもできる。
いて詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定される
ことなく、例えば溝底部16に段差状の第2の溝底部1
6を設けなくても良いなど、種々の態様にて変形して実
施しうる。
を表1の仕様により製造し、通過騒音、コーナリングパ
ワー、ハイドロプレーニング発生速度、操縦安定性を夫
々測定して性能を比較した。なおトレッド面のパターン
は図5に示すものとし、輪部形状以外は、全て共通の仕
様としている。テスト方法は次の通りである。
する実車惰行試験に準拠して、直線状のテストコース
(アスファルト路面)を通過速度60km/hで50mの
距離を惰行走行させるとともに、コースの中間点におい
て走行中心線から側方に7.5m、かつ路面から1.2
mの位置に設置した定置マイクロフォンにより通過騒音
の最大レベルdB(A)を測定した。結果は、実施例1
を100とする指数で表示し、指数が大きいほど通過騒
音が小さく良好である。
の操縦性能試験機に取り付け、負荷荷重4.5kN、内
圧200kPaにてコーナリングパワーを測定した。結
果は、実施例1のコ−ナリングパワーを100とする指
数で表示しており、数値は大きいほど良好である。
00mのアスファルト路面に、水深10mm、長さ20m
の水たまりを設けたコース上を、速度を段階的に増加さ
せながら供試タイヤを装着した車両を進入させ、横加速
度(横G)を計測し、50〜80km/hの速度における
前輪の平均横Gを算出した。結果は、実施例1を100
とする指数で表示しており、数値が大きい程良好であ
る。
3000ccのFR車に装着し(リム9JJ、内圧23
0kPa)、ドライアスファルト舗装の周回路を走行し
てドライバーのフィーリングにより評価した。数値が大
きい程良好である。結果などを表1に示す。
に比べてコーナリングパワー、ハイドロプレーニング発
生速度を大としており、また操縦安定性の向上の他、通
過騒音も小としていることが確認できた。また、図6に
は、実施例タイヤの接地面を示し、実線がキャンバー角
0°、破線がキャンバー角3°の状態である。キャンバ
ー角3°のときには、一方のショルダ部の接地面積の増
大が確認できる。
記構成を具えることにより、ウエット性能、騒音性能を
向上しつつ操縦安定性をも高めうる。
図である。
輪郭図である。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】トレッド面に実質的に周方向に連続しての
びるタイヤ赤道両側の2本の縦溝によって、該縦溝の軸
方向外側のショルダー部と、縦溝間の中央部とに区分し
た空気入りタイヤであって、 正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷の
標準状態でのタイヤ軸を含んだタイヤ子午線断面におい
て、 前記各縦溝は、タイヤ軸方向内側の溝底縁から前記中央
部のトレッド面のタイヤ軸方向の端縁(Ce)へとのび
る内側の側壁面がタイヤ赤道側へ小角度(α)で傾いた
実質的な直線状をなすとともに、 一端が前記ショルダ部のトレッド面に連なる各縦溝の外
側の側壁面は、前記一端を通ってタイヤ軸方向内側にの
びかつタイヤ半径方向外側に凸となる大円弧部を含み、 かつ前記大円弧部は、その曲率半径(Ra)が、前記標
準状態から正規荷重を負荷して平坦面に接地させたとき
の接地面のタイヤ軸方向の最大長さである接地巾(T
W)の10〜40%をなすとともに、 前記各縦溝は、前記接地面にて測定したタイヤ軸方向の
最大溝巾(GWmax )を35mm以上としたことを特徴と
する空気入りタイヤ。 - 【請求項2】前記各縦溝は、前記外側の側壁面と内側の
側壁面との間に溝底部を有するとともに、 該溝底部は、前記内側の溝底縁からタイヤ軸方向外側に
のびる第1の溝底部と、この第1の溝底部から段差状に
***して前記大円弧部に滑らかに連なる第2の溝底部と
を含むことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイ
ヤ。 - 【請求項3】前記第2の溝底部は、タイヤ半径方向内側
に凸となりしかも該大円弧よりも小の曲率半径(Rb)
からなる小円弧部を含むことを特徴とする請求項2記載
の空気入りタイヤ。 - 【請求項4】前記トレッド面は、前記接地面において、
前記中央部のタイヤ軸方向の最大巾(CW)が、前記接
地巾(TW)の15〜30%であり、かつ前記ショルダ
部のタイヤ軸方向の最大巾(SW)が前記中央部の巾
(CW)の80%以上であることを特徴とする請求項1
乃至3のいずれか1記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (4)
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