JP3040228B2 - L−フコースデヒドロゲナーゼ、その製造方法及びl−フコースの定量法 - Google Patents

L−フコースデヒドロゲナーゼ、その製造方法及びl−フコースの定量法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にL−フコースの定
量に有用なL−フコースデヒドロゲナーゼ、その製造方
法及びL−フコースの酵素的定量方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】これまでに見い出されているL−フコー
スデヒドロゲナーゼとしては、ジャーナル・オブ・バイ
オロジカル・ケミストリー(J.Biol.Che
m.)、244巻、4785頁(1969年)に記載の
ブダ肝臓由来のL−フコースデヒドロゲナーゼ、アーカ
イブス・オブ・バイオケミストリー・アンド・バイオフ
ィジクス(Arch.Biochem.Biophy
s.)、186巻、184頁(1978年)に記載の羊
肝臓由来のL−フコースデヒドロゲナーゼ、ジャーナル
・オブ・バイオケミストリー(J.Bioche
m.)、86巻、1559頁(1979年)に記載のウ
サギ肝臓由来のL−フコースデヒドロゲナーゼ、特開昭
62−155085号公報に記載のコリネバクテリウム
属細菌由来のL−フコースデヒドロゲナーゼ、さらに特
開平2−84177号公報に記載のシュードモナス属の
細菌由来のL−フコースデヒドロゲナーゼが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来から知られている
L−フコースデヒドロゲナーゼはL−フコースの定量分
析用の酵素として使用する際、次に示す欠点を有してい
た。すなわち、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケ
ミストリー、244巻、4785頁(1969年)に記
載のL−フコースデヒドロゲナーゼ、アーカイブス・オ
ブ・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジクス、
186巻、184頁(1978年)に記載のL−フコー
スデヒドロゲナーゼ、及びジャーナル・オブ・バイオケ
ミストリー、86巻、1559頁(1979年)に記載
のL−フコースデヒドロゲナーゼのいずれも動物由来の
酵素であるため、工業的に該酵素を供することは困難で
あった。また、特開昭62−155085号公報に記載
のL−フコースデヒドロゲナーゼ、及び特開平2−84
177号公報に記載のL−フコースデヒドロゲナーゼの
生産菌は、これらの酵素を工業的に供給する生産性を有
しているが、これらの酵素を作用せしめて生成する還元
型ニコチアンアミド補酵素を定量分析する際、L−フコ
ースに対するミカエリス定数(以下Km値という)が大
きいため、測定感度に問題があった。さらに、これらの
酵素は、温度に対する安定性が低く、実用上も問題があ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる従
来の欠点を解決すべく鋭意研究した結果、ストレプトミ
セス属に属する放線菌が、L−フコースに作用して、L
−フコノラクトンにすると共に酸化型ニコチンアミドア
デニンジヌクレオチド(以下NAD+という)を還元型
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下NADH
という)に還元するL−フコースデヒドロゲナーゼを生
産することを見い出し、また、この微生物の培養物から
得られるL−フコースデヒドロゲナーゼはL−フコース
に対するKm値が小さく、かつ温度に対する安定性が高
いという性質を有し、L−フコースの測定に有効に利用
できることを見い出し、本発明を完成に至った。
【0005】すなわち、本発明は、L−フコースに対す
るKm値が小さく、かつ温度に対する安定性が高い新規
なL−フコースデヒドロゲナーゼであり、また他の発明
は、ストレプトミセス属に属しL−フコースデヒドロゲ
ナーゼ生産能を有する微生物を培養し、培養物からL−
フコースデヒドロゲナーゼを採取することからなるL−
フコースデヒドロゲナーゼの製造方法である。更に、他
の発明は、L−フコースを含有する試料にNAD+ の存
在下でストレプトミセス属に属する微生物由来のL−フ
コースデヒドロゲナーゼを作用させ、生成するNADH
を測定するL−フコースの定量方法である。
【0006】従来、L−フコースデヒドロゲナーゼ生産
株としては前記のコリネバクテリウム属、シュードモナ
ス属等の細菌が報告されているだけで、放線菌が本酵素
を生産したという事実は本発明者らが初めて得た知見で
ある。
【0007】以下、本発明を具体的に説明する。
【0008】本発明により得られたL−フコースデヒド
ロゲナーゼは、次の理化学的性質を有する。
【0009】(1)作用 本酵素は次式に示す通り、L−フコースを酸化してL−
フコノラクトンにすると共にNAD+ をNADHに還元
する。
【0010】L−フコース + NAD+ → L−フ
コノラクトン + NADH + H+ (2)基質特異性 本酵素はL−フコースに最も特異性が高いが、L−ガラ
クトース、D−アラビノースなどにも作用する。10m
Mの濃度における各糖類に対する本酵素の相対活性は、
L−フコースに対する活性を100として表示すると第
1表のようになる。
【0011】
【表1】
【0012】また、本酵素は補酵素としてNAD+ を要
求し、NADP+ には全く作用を示さない。
【0013】(3)至適pH 本酵素の至適pHは7.5〜10.0にある。(図1に
示す) (4)pH安定性 本酵素を30℃においてそれぞれのpHで60分間処理
したときはpH6.0〜10.5まで安定である。(図
2に示す) (5)分子量 65,000±5,000[Bio−Sil TSK−
250(BIO−RAD社製)によるゲル濾過法によ
り] (6)サブユニットの分子量 37,000±5,000(SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動法により) (7)サブユニットの数:2個 本発明における分子量の値は、特に断わらない限りゲル
濾過法により、サブユニットの分子量の値は、ドデシル
硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法に
より、それぞれ測定したものをいう。
【0014】また、本発明のL−フコースデヒドロゲナ
ーゼが有するその他の理化学的性質は以下の通りであ
る。
【0015】(1)Km値 ラインウイバー−バーク(Lineweaver−Bu
rk)プロットにより、本酵素のL−フコースに対する
Km値を求めたところ、0.24mMである。 (2)至適温度 0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH9.0)において5
0℃である。(図3に示す) (3)温度安定性 0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH9.0)において、
それぞれの温度で10分間処理したとき、50℃まで安
定であり、65℃では完全に失活する。(図4に示す) (4)金属イオンの影響及び安定化 種々の金属イオン及び試薬の濃度1mMでの本発明の酵
素に対する影響を第2表に示す。Ag+、 Hg2+及びC
2+により強く阻害を受ける。
【0016】
【表2】
【0017】(5)等電点 セルバライト(pH3.0−10.0 セルバ社製)を
用いた等電点電気泳動法により求めた本酵素の等電点は
4.0〜4.4である。
【0018】上記理化学的性質を有する本発明のL−フ
コースデヒドロゲナーゼと、従来から知られているコリ
ネバクテリウム属、シュードモナス属由来のL−フコー
スデヒドロゲナーゼの理化学的諸性質を比較した結果、
本発明の酵素は従来のL−フコースデヒドロゲナーゼと
は性質を異にする酵素であることが明らかになった。第
3表に本発明によるL−フコースデヒドロゲナーゼと従
来から知られているL−フコースデヒドロゲナーゼの酵
素の諸性質の比較を示す。
【0019】
【表3】
【0020】第3表における従来のL−フコースデヒド
ロゲナーゼとは、特開昭62−155085号公報に記
載のコリネバクテリウム属由来のL−フコースデヒドロ
ゲナーゼ及び特開平2−84177号公報に記載のシュ
ードモナス属由来のL−フコースデヒドロゲナーゼであ
る。
【0021】第3表から本発明のL−フコースデヒドロ
ゲナーゼと従来のL−フコースデヒドロゲナーゼとは、
基質特異性、L−フコースに対するKm値、安定温度、
分子量及びサブユニットの分子量において明らかな相違
があることがわかる。特に、本酵素のL−フコースに対
するKm値が0.24mMであり、安定温度が50℃ま
でであることが特徴としてあげられる。
【0022】本発明におけるL−フコースデヒドロゲナ
ーゼの酵素活性測定方法及び酵素活性値の表示方法は以
下の通りである。
【0023】0.2Mリン酸緩衝液(pH7.5)を
0.5ml、50mM L−フコース溶液を0.2m
l、1mMNAD+ 溶液を0.2ml、それぞれ光路長
1cmの標準キュベットに設置し、5分間保った後に適
当に希釈した酵素液0.1mlを加えて混合し、反応を
始める。340nmの波長で2分または必要であれば、
それ以上の時間にわたって吸光度を測定する。吸光度の
一分間当りの増加量(A)から、生成するNADHの量
を下記換算式に基づいて求めた。酵素活性値は、1分間
に1μmoleのNADHを生成する酵素量を1ユニッ
トとする。
【0024】
【数1】
【0025】次に、本発明によるL−フコースデヒドロ
ゲナーゼの製造法について説明する。 本発明に使用さ
れる微生物は、ストレプトミセス属に属し、L−フコー
スデヒドロゲナーゼの生産能を有するものであればいか
なる菌株でもよく、またこれらの菌株の変異株でもよ
い。そして、ストレプトミセス属に属し、L−フコース
デヒドロゲナーゼの生産能を有する菌株の具体例として
は、例えばストレプトミセス・オリーバクロムゲネス
(Streptomyces olivochromo
genes)IFO 3178、ストレプトミセス・ネ
ヤガワエンジス(Streptomyces neya
gawaensis)R−19菌があげられる。特に本
発明者らが土壌中より分離したストレプトミセス・ネヤ
ガワエンジス(Streptomyces neyag
awaensis)R−19菌が好ましく用いられる。
【0026】このストレプトミセス・ネヤガワエンジス
R−19菌の菌学的性質は以下に示す通りである。
【0027】(A)形態 本菌株は顕微鏡下で分枝した基中菌糸より気菌糸を伸長
し、その先端はらせん状を呈す。輪生分枝を示さず、菌
核などの特殊器官の形成は認められない。成熟した胞子
鎖は10個以上の胞子の連鎖を認め、胞子の大きさは
0.8×1.1ミクロン位の円筒形状で、胞子の表面は
平滑である。
【0028】(B)各種培地における生育状態及び生理
的性質 培養は特に記載のないものは28℃で行った。また、特
に記載のないものは、培地中への溶解性色素の生産は認
められなかった。
【0029】(1)シュクロース・硝酸塩寒天 発育は無色、気菌糸は明るい灰色を呈す。
【0030】(2)グルコース・アスパラギン寒天 発育はたいしゃ色、気菌糸は白〜灰白色 (3)グリセリン・アスパラギン寒天 発育はカーキー色、気菌糸は白〜明るい灰色 (4)スターチ・無機塩寒天 発育は金茶色で、気菌糸は明るい灰色を呈する。培養後
2日目ごろより、スターチの水解が認められる。
【0031】(5)チロシン寒天 発育は焦茶色、気菌糸は白〜明るい灰色を呈する。黒色
の溶解性色素の生産は認められる。
【0032】(6)栄養寒天 黄土色に発育し、気菌糸の着生は認められない。
【0033】(7)イースト・麦芽寒天 発育はカーキー色、灰色の気菌糸を着生する。
【0034】(8)オートミール寒天 発育はカーキー色、気菌糸は明るい灰色。
【0035】(9)ペプトン・イースト・鉄寒天 焦茶色に発育し、気菌糸の着生は認められない。黒色の
可溶性色素の生産は認められる。
【0036】(10)グルコース・ペプトン・ゼラチン
穿刺培養 発育は金茶色、気菌糸の着生は認められない。培養後2
1日まで、ゼラチンの液化は認められない。
【0037】(11)脱脂粉乳(37℃培養) 気菌糸の着生は認められない。培養後12日目ごろより
茶色に変化し、さらに培養後21日目カーキー色に変化
するとともに脱脂粉乳の部分的凝固を示す。
【0038】(12)メラニン様色素の生成 チロシン寒天及びペプトン・イースト・鉄寒天の両培地
とも、メラニン様色素の生成が認められる。
【0039】(13)D−グルコース、L−アラビノー
ス、D−キシロース、D−フラクトース、L−ラムノー
ス、ラフィノース、イノシトール、D−マンニトール、
D−ガラクトース、L−フコースをよく利用し、シュク
ロースも利用する。
【0040】(14)硝酸塩の還元 10%硝酸塩カリウム含有ペプトン水を用いて試験した
結果、硝酸塩の還元がみられる。
【0041】(15)耐塩性試験 4%まで耐塩性がある。
【0042】(16)最適生育温度 マルトース・イースト寒天(pH7.0)を用いて10
℃、22℃、25℃、28℃、30℃、37℃、50℃
の各温度での試験の結果、22℃〜37℃で生育可能で
あるが、28℃付近が最適温度と思われる。
【0043】以上の結果を総括すると、本菌株はストレ
プトミセス属に属し、菌糸の先端はらせん状を示し、胞
子の表面は平滑である。種々の培地で薄黄〜焦茶色の発
育上に白〜灰白色〜明るい灰色の気菌糸を着生し、メラ
ニン様色素は認められるが、その他の溶解性色素は認め
られない。スターチの水解性は強い。蛋白分解力は弱
く、脱脂牛乳の凝固は少々認められるが、ゼラチンの液
化は認められない。炭素源としてはD−グルコース、L
−アラビノース、D−キシロース、D−フラクトース、
L−ラムノース、ラフィノース、イノシトール、D−マ
ンニトール、D−ガラクトース、L−フコースをよく利
用し、シュクロースも利用する。
【0044】これらの性状より、類似する既知菌種をI
SP(InternationalStreptomy
ces Project)により検索すると、近縁菌と
してストレプトミセス・ネヤガワエンジス(Strep
tomyces neyagawaensis)とスト
レプトミセス・レジストミシフィカス(Strepto
myces resistomycificus)があ
げられる。さらに、バージエイの記載(Bergeys
Manual of Determinative
Bacteriology,8th Ed.)と対比す
ると、本菌株の耐塩性は4%までであるため、ストレプ
トミセス・レジストミシフィカスとは異なり、ストレプ
トミセス・ネヤガワエンジスに最も近縁と思われる。
【0045】次に,本菌株と、既知のISP菌株558
8(ストレプトミセス・ネヤガワエンジス)とを同じ条
件下に培養して得た菌学的性質の比較結果を要約して第
4表に示す。
【0046】
【表4】
【0047】このように、牛乳の凝固及び硝酸塩の還元
反応において若干の差異が認められるが、その他の点で
は、本菌株はストレプトミセス・ネヤガワエンジスの特
徴をすべて満たしている。従って本菌株をストレプトミ
セス・ネヤガワエンジスに属する菌株と同定し、ストレ
プトミセス・ネヤガワエンジス・R−19(Strep
tomyces neyagawaensis R−1
9)と命名した。なおこの菌株は工業技術院微生物工業
技術研究所に微工研菌寄第12620号(FERM P
−12620)として寄託されている。L−フコースデ
ヒドロゲナーゼ生産菌の培養にあたって使用する培地と
しては、炭素源、窒素源、無機塩その他の栄養源を加え
た合成培地または天然培地のいずれでも使用可能であ
る。炭素源としてはグルコース、シュクロース、フルク
トース、グリセロール、スターチなどの一般的に使用さ
れるものでもよい。窒素源としては硫酸アンモニウム、
硝酸アンモニウム等の無機窒素化合物あるいはペプト
ン、肉エキス、酵母エキス、アスパラギン等の有機窒素
化合物を用いる。無機塩としてはリン酸第一カリウム、
リン酸第二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウ
ム等を使用し、他に消泡剤としてアデカノールLG−2
94等の界面活性剤を必要に応じて添加する。なお、本
発明のL−フコースデヒドロゲナーゼは誘導酵素である
故、L−フコースを培地に添加すれば著しく酵素生産量
が増大する。L−フコースの添加量は0.05%以上で
酵素生産誘導効果を示すが、好ましくは0.1〜0.3
%である。培養はpH6〜8の範囲で可能であるが、p
H7付近で行うのがより望ましい。ジャーファーメンタ
ーによる培養を行う際には、初期pHを7.0にする。
また培養温度は22〜37℃の範囲で可能であるが、望
ましくは28℃付近である。培養には酸素の供給が必要
で、通気攪拌を行う必要がある。ジャーファーメンター
での培養時間は通常48〜72時間であるが、高活性な
菌株を得るには菌体増殖が静止期(Stationar
y phase)に達していることが望ましい。
【0048】L−フコースデヒドロゲナーゼ生産菌を培
養した後、酵素を回収するに際し、ストレプトミセス・
ネヤガワエンンジスR−19の場合には酵素は主に菌体
内にあるので、まず培養物を遠心分離、あるいは濾過な
どの方法で、菌体だけを分離するのが好ましい。
【0049】本発明のL−フコースデヒドロゲナーゼの
分離精製は、次のようにして行うことができる。菌体内
に蓄積された該酵素を菌体から抽出する方法としては、
従来から行われている超音波による菌体破砕、あるいは
ガラス・ビーズと共に回転させるダイノミル破砕機によ
る菌体破砕または、リゾチーム等の酵素やトルエン等の
有機溶媒による細胞膜の破砕などの方法があげられる。
これらの中から適当な方法を選択して菌体から酵素の抽
出を行うことにより、酵素の採取ができる。
【0050】これらの方法で抽出された粗酵素液からL
−フコースデヒドロゲナーゼをさらに精製する必要があ
る場合は、通常実施されている一般的な酵素の精製手段
である硫酸アンモニウム沈殿法、イオン交換カラムクロ
マトグラフィー法、ゲル濾過法、疎水結合カラムクロマ
トグラフィー法などの方法を適宜組み合わせるか、ある
いは繰り返すことによって精製を行うことができる。
【0051】本発明によるL−フコースデヒドロゲナー
ゼの完全に純化された酵素の比活性値は、約130ユニ
ット/mg−タンパクを示す。また、ドデシル硫酸ナト
リウムの存在下でのポリアクリルアミドゲル電気泳動法
において単一のタンパクバンドが観察される。
【0052】次に本発明によるL−フコースの定量法に
ついて具体的に説明する。
【0053】本発明の測定原理は下記に示す通りであ
る。
【0054】L−フコースデヒドロゲナーゼL−フコー
ス + NAD+ → L−フコノラクトン + NA
DH + H+ 試料中のL−フコースはNAD+ の存在下、L−フコー
スデヒドロゲナーゼの作用により、L−フコノラクトン
とNADHを生成する。生成したNADHの定量には公
知の方法を用いることができる。例えば、NADHその
ものを340nmの吸光度を測定する方法などによって
測定することができる。
【0055】反応に用いられる緩衝液は、特に限定され
ず、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グリシン緩衝液など
が好適であり、pH6〜10.5、好ましくはpH7.
5〜10の緩衝液が用いられる。本発明のL−フコース
デヒドロゲナーゼのL−フコースに対するKm値が小さ
いため、反応液中のL−フコースデヒドロゲナーゼは通
常0.05〜20ユニットで使用されるが、特に0.1
〜5ユニットが好適である。NAD+ の濃度は反応条件
などにより異なるが、通常は0.5mM〜5mMが用い
られる。反応温度は30〜50℃、反応時間は2〜20
分間が望ましい。
【0056】
【発明の効果】本発明により、L−フコースの定量に有
用なL−フコースデヒドロゲナーゼ、その工業的生産に
適した製造方法及び操作が簡単で感度の高いL−フコー
スの定量法が提供される。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はない。
【0058】実施例1 L−フコース0.3%、ペプトン0.4%、酵母エキス
0.2%、肉エキス0.2%及び消泡剤(アデカノール
LG294)0.02%、pH7.0からなる培地1
00mlを分注して滅菌(120℃、20分間)した5
00mlの坂口フラスコにストレプトミセス・ネヤガワ
エンジスR−19を接種し、28℃で72時間振とう培
養した。この培養物中のL−フコースデヒトロデナーゼ
活性は0.58ユニット/mlであった。 実施例2 L−フコース0.3%、ペプトン0.4%、酵母エキス
0.2%、肉エキス0.2%及び消泡剤(アデカノール
LG294)0.02%、pH7.0からなる培地
1,500mlを5lの三角フラスコに入れ、120℃
20分間滅菌した後、28℃下でこの培地にストレプト
ミセス・ネヤガワエンジスR−19を植菌する。28℃
で72時間振とう培養を行った後この培養液を、あらか
じめ上記と同様の組成を有する培地20lを仕込み滅菌
しておいたジャー・ファーメンターに加えて本培養を行
った。培養条件は28℃、攪拌回数150rpm、通気
20l /min で、70時間培養の後、培養液を遠心
分離にかけて菌体を採取した。得られた菌体の70g
(湿菌体重量)を10mMリン酸緩衝液(pH7.5)
1.5lに懸濁し、その懸濁液を超音波破砕機により菌
体破砕を行った。その破砕液を遠心分離機を使用して遠
心分離し、上清液を得た。この上清液中のL−フコース
デヒドロゲナーゼの総活性は2,470ユニット、比活
性は0.09ユニット/mg−タンパクであった。
【0059】この上清液をあらかじめ20mMのリン酸
緩衝液(pH7.5)で平衡化したDEAE−セルロー
ス(商品名:ワットマン社製)を充填したカラム(φ9
×40cm)に通した。10lの0.1Mの食塩を含む
リン酸緩衝液(pH7.5)でカラムを洗浄後、食塩濃
度が0.1Mから0.4Mである直線濃度勾配(総容
量:10l)にて吸着されたタンパク質を溶出させ、L
−フコースデヒドロゲナーゼ活性画分を回収した。本活
性画分中のL−フコースデヒドロゲナーゼの総活性は
1,840ユニット、比活性は1.53ユニット/mg
−タンパクであった。
【0060】この活性画分を限外濾過装置を用いて、脱
塩及び濃縮した後、硫酸アンモニウムを25%となるよ
うに添加し、生じた沈殿を遠心分離して除いた。得られ
た上清液中のL−フコースデヒドロゲナーゼの総活性は
1,430ユニット、比活性は2.52ユニット/mg
−タンパクであった。
【0061】この上清液をあらかじめ25%の硫酸アン
モニウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)で
平衡化したブチルトヨパール650M(商品名:東ソー
社製)を充填したカラム(φ3.5×22.5cm)に
通した。カラムを同様の緩衝液で洗浄した後、硫酸アン
モニウム濃度が25%(約0.8M)から0%である直
線濃度勾配(総容量:2l)にて吸着されたL−フコー
スデヒドロゲナーゼを溶出させた。この溶液中のL−フ
コースデヒドロゲナーゼの総活性は1,250ユニッ
ト、比活性は22.73ユニット/mg−タンパクであ
った。
【0062】この溶出液を限外濾過により脱塩及び濃縮
した後、あらかじめ0.05Mの硫酸ナトリウムを含む
20mMリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したバイ
オシル TSK−250(商品名:バイオラット社製)
カラム(φ2.15×60cm)に通し、ゲル濾過を行
い活性画分を集めた。この活性画分中のL−フコースデ
ヒドロゲナーゼの総活性は840ユニット、比活性は1
00ユニット/mg−タンパクであった。
【0063】この溶液に硫酸アンモニウムを25%とな
るように添加し、次いであらかじめ25%の硫酸アンモ
ニウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)で平
衡化したブチルトヨパール 650M(商品名:東ソー
社製)を充填したカラム(φ1.6×5.2cm)に通
した。カラムを同様の緩衝液で洗浄した後、硫酸アンモ
ニウム濃度が25%(約0.8M)から0%である直線
濃度勾配(総容量:100ml)にて吸着されたL−フ
コースデヒドロゲナーゼを溶出させた。L−フコースデ
ヒドロゲナーゼ活性画分を透析にて脱塩することによっ
て精製酵素溶液を得た。この精製酵素溶液中のL−フコ
ースデヒドロゲナーゼの総活性は、560ユニット、比
活性は130ユニット/mg−タンパクであった。
【0064】こうして得られた酵素の純度はドデシル硫
酸ナトリウムの存在下でのポリアクリルアミドゲル電気
泳動によって調べた結果、一本のバンドのみが観察さ
れ、純粋なL−フコースデヒドロゲナーゼであることが
確認された。
【0065】実施例3 得られた精製酵素を10mMリン酸緩衝液(pH7.
5)により適当に希釈して調整した酵素標品を用いて本
酵素の基質特異性、至適pH、pH安定性、至適温度、
温度安定性を調べた。
【0066】[基質特異性]0.2Mリン酸緩衝液(p
H7.5)0.5ml、各種糖の50mM溶液0.2m
l、1mMNAD+ 溶液0.2mlからなる反応液に、
酵素標品0.1ml(0.01ユニット)を添加し、3
7℃で2分間反応させ、340nmにおけるNADHの
吸収の増加に基づいて、酵素活性を求めた。これらの糖
に対する作用の強さを、それぞれL−フコースに対する
作用を100とした相対活性値を第1表に示す。
【0067】[至適pH]0.2M各種緩衝液(pH
5.0〜6.5:クエン酸緩衝液;pH6.0〜8.
0:リン酸緩衝液;pH7.5〜8.5:トリス−塩酸
緩衝液;pH8.5〜11.5:グリシン−苛性ソーダ
緩衝液)0.5ml、50mML−フコース溶液0.2
ml、1mMNAD+ 溶液0.2mlからなる反応液に
酵素標品0.1ml(0.01ユニット)を添加し、3
7℃で2分間反応させ、340nmにおけるNADHの
吸収の増加に基づいて、酵素活性を求めた。以上の操作
の後、最高の酵素活性を100%とした相対活性(Re
lative activity)を算出し、グラフ化
して図1を得た。図1より、本酵素の至適pHは7.5
〜10.0の範囲にあることがわかる。
【0068】[pH安定性]0.1Mトリス−イミダゾ
ール−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5,5.0,
5.5,6.0,6.5,7.0,7.5,8.0,
8.5,9.0,9.5,10.0,10.5,10.
7,11.2,11.7,12.2)0.95mlに
0.05mlの酵素標品(0.4ユニット)を混合し、
30℃で60分間放置した後、各溶液0.025mlを
0.2Mトリス−イミダゾール−酢酸ナトリウム緩衝液
(pH9.5)0.5ml、50mML−フコース溶液
0.2ml、1mMNAD+ 溶液0.2ml、イオン交
換水0.075mlと混合し、37℃で2分間反応さ
せ、340nmにおけるNADHの吸収の増加に基づい
て、酵素活性を求めた。以上の操作の後、最高の酵素活
性値を100%とした相対活性を算出し、グラフ化して
図2を得た。図2から明らかなように、本酵素はpH
6.0〜10.5の範囲で安定である。
【0069】[至適温度]0.2Mトリス−塩酸緩衝液
(pH9.0)0.5ml、50mML−フコース溶液
0.2ml、1mMNAD+ 溶液0.2mlからなる反
応液に酵素標品0.1ml(0.01ユニット)を添加
し、25,30,35,37,40,45,50,5
5,60,65,70℃の各温度下において、2分間反
応させ、340nmにおけるNADHの吸収の増加に基
づいて、酵素活性を求めた。以上の操作の後、最高の酵
素活性値を100%とした相対活性を算出し、グラフ化
して図3を得た。図3より、本酵素の至適温度は50℃
であることがわかる。
【0070】[温度安定性]10mMリン酸緩衝液(p
H7.5)で希釈した酵素標品0.2ml(0.04ユ
ニット)を25,30,35,40,45,50,5
5,60℃の各温度で10分間処理した。この酵素溶液
0.05mlを0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH9.
0)0.5ml、50mM L−フコース溶液0.2m
l、1mMNAD+ 溶液0.2ml、イオン交換水0.
05mlと混合し、37℃で2分間反応させ、340n
mにおけるNADHの吸収の増加に基づいて、酵素活性
を求めた。以上の操作の後、最高の酵素活性値を100
%とした相対活性値を算出し、グラフ化して図4を得
た。図4から明らかなように、本酵素は50℃までの温
度において安定である。
【0071】実施例4 試料溶液中のL−フコースの濃度を下記組成の試薬を用
い、下記方法により定量した。
【0072】 a)試薬 0.2M リン酸緩衝液(pH7.5) 0.6ml 5mM NAD+ 0.2ml 0.7ユニット/ml L−フコースデヒドロゲナーゼ 0.1ml b)測定法 上記試薬の混合液0.9mlに試料溶液を0.1ml添
加し、37℃で5分間反応させ、340nmの吸光度を
測定した。同様にして試料溶液の代わりに水を同量加え
て反応させて吸光度を測定した。試料溶液を添加したと
きの吸光度から水を添加したときの吸光度を差し引い
て、試料溶液の吸光度を算出した。
【0073】別に、試料溶液の代わりに既知濃度のL−
フコース溶液を上記試薬の混合液に添加し、同様に反応
させて、検量線を作成した(図5に示す)。この検量線
を用いて上記試料溶液中のL−フコースの濃度を求めた
ところ、正確に定量できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のL−フコースデヒドロゲナーゼのpH
活性曲線を示す図である。
【図2】同酵素のpH安定性を示す図である。
【図3】同酵素の温度活性曲線を示す図である。
【図4】同酵素の温度安定性を示す図である。
【図5】L−フコースの濃度を測定する際に使用した検
量線を示す図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の理化学的性質を有するL−フコー
    スデヒドロゲナーゼ。 作用:酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
    ドの存在下でL−フコースに作用し、L−フコノラクト
    ンと還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを生
    成する。 基質特異性:L−フコース、L−ガラクトース、D
    −アラビノースに対して作用し、D−アラビノースに最
    も特異性が低い。 至適pH:pH7.5〜10.0 pH安定性:30℃においてそれぞれのpHで60
    分間処理したときは、pH6.0〜10.5まで安定で
    ある。 分子量:65,000±5,000 サブユニットの分子量及びその数:分子量37,0
    00±5,000のサブユニット、2個からなる。
  2. 【請求項2】ストレプトミセス属に属し、L−フコース
    デヒドロゲナーゼ生産能を有する微生物を培養し、培養
    物からL−フコースデヒドロゲナーゼを採取することを
    特徴とする請求項1のL−フコースデヒドロゲナーゼの
    製造方法。
  3. 【請求項3】L−フコースを含有する試料に、酸化型ニ
    コチンアミドアデニンジヌクレオチドの存在下で請求項
    1のストレプトミセス属に属する微生物由来のL−フコ
    ースデヒドロゲナーゼを作用させ、生成する還元型ニコ
    チンアミドアデニンジヌクレオチドを定量することを特
    徴とするL−フコースの定量方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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