JPH0249720B2 - - Google Patents

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JPH0249720B2
JPH0249720B2 JP56186184A JP18618481A JPH0249720B2 JP H0249720 B2 JPH0249720 B2 JP H0249720B2 JP 56186184 A JP56186184 A JP 56186184A JP 18618481 A JP18618481 A JP 18618481A JP H0249720 B2 JPH0249720 B2 JP H0249720B2
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JP
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nad
cholesterol
cdh
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nocardia
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Tetsunori Akiba
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Amano Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、NAD依存性コレステロール脱水素
酵素(Cholesterol dehydrogenase:以下
「NAD―CDH」と略す)に関する。さらに詳し
く説明すると、微生物を好気的条件で培養し、そ
の菌体もしくは培養液から製造したNAD―CDH
を使用するコレステロールの定量法およびNAD
―CDHを含有するコレステロールの定量用試薬
に関する。ここでいうNAD―CDHとは、補酵素
としてNAD(ニコチンアミドアデニン、ジヌクレ
オチド)を要求し、電子供与体(コレステロー
ル)から水素をうばい、電子受容体(NAD)に
付加する反応を触媒する酵素をいう。 従来好気性微生物が、コレステロールオキシダ
ーゼ、コレステロールデヒドラターゼを生産する
ことは既に知られている。またノカルジア・エリ
スロポリスがコレステロールの酸化を触媒する酵
素を生産すると報告(Ann.Clin.Biochem.,10
巻、79頁、1973年)がある。この酵素の場合は、
NADへの依存性は認められない。また、マイコ
バクテリウム・コレステリカム(J.Biol.Chem.,
206巻、511頁、1953年)、ブレビバクテリウム・
ステロリカム(特公昭48―1190)についても同様
のことがいえる。さらには、絶対嫌気性微生物で
ある、オイバクテリウムsp.ATCC21408がNAD
―CDHを生産するとの報告(特開昭53―56090)
もあるが、酵素学的性質等の記載はほとんどなさ
れていないばかりか、NAD依存性の記載がある
にもかかわらず、NADの存在なしにも反応が進
行する例が記載されている。したがつてこの酵素
は、本発明でいうところのNAD依存性脱水素酵
素とはいえない。 従来酵素によるコレステロールの定量は、コレ
ステロールオキシダーゼを使用する方法が広く用
いられているが、発色系に導くためにパーオキシ
ダーゼ等が必要であり、操作が繁雑である。しか
も血中のビリルビン、アスコルビン酸等により影
響をうけ、これにより誤差が生じやすいという欠
点を有している。コレステロールの定量におい
て、NADの存在なしには反応が進行しないNAD
―CDHを用い、下記反応式に示される反応によ
り生ずるNADHを直接光度計で測定できれば、
操作が簡単であり、前記のコレステロールオキシ
ダーゼを用いる方法の種々の問題も解決される。 コレステロール+NADコレステノン+
NADH 本発明者等は、上記反応に適した酵素すなわ
ち、コレステロールに特異性が高く、NAD依存
性である脱水素酵素を広く自然界に求めたとこ
ろ、意外にも好気的条件下に生育する微生物が、
著量のNAD―CDHを生産することを見い出し
た。その中で、特に優れた菌株として、ノカルジ
アsp.No. Ch2―1(Nocardia sp.No. Ch2―1)、
アルカリゲネスsp.No.4(Alcaligenes sp.No.4)お
よびプロテウス・ブルガリスIAM1025(Proteus
vulgarig IAM1025)が例示される。 次にノカルジアsp.No. Ch2―1およびアルカリ
ゲネスspNo.4の菌学的性質を以下に述べる。 (1) ノカルジアspNo. Ch2―1 (Nocardia sp.No.Ch2―1)の菌学的性質 (A) 形態的性質 1) 細胞の形および大きさ:培養初期菌糸
状に生育し分岐を生じる。その後、不規則
な分断が生じ細胞は、桿菌状となる。大き
さは0.8〜1.0μ×1.5〜4.0μ位である。 気菌糸を形成せず胞子のうち胞子も形成
しない。 2) グラム染色性:陽性 3) 抗酸性:陽性 4) 運動性:無し (B) 化学的組成分析 細胞壁中にmeso―ジアミノピメリン酸、
アラビノース、ガラクトースが含まれL.L―
ジアミノピメリン酸、グリシンは含まない。 (C) 各培地における生育状態 1) 肉汁寒天平板培地:30℃で4日培養
後、直径0.5〜1.0mmの円形コロニーを形成
する。周辺は全縁もしくは、波状である。
表面は平滑で半球状であり、中心部が凸状
に***する場合もある。色調は薄いクリー
ム色で不透明である。培地中に色素は出さ
ない。 2) シユークロース硝酸塩寒天培地 生育中程度で集落の色は白色ないし薄ク
リーム色である。水溶性色素は出さない。 3) グルコース・アスパラギン寒天培地 生育中程度で集落の色はクリーム色であ
る。水溶性色素は出さない。 4) グリセリン・アスパラギン寒天培地 生育中程度で集落の色は白色ないし薄ク
リーム色である。水溶性色素は出さない。 5) スターチ無機塩寒天培地 生育中程度で集落の色は白色ないし薄ク
リーム色である。水溶性色素は出さない。 6) チロシン寒天培地 生育中程度で集落の色は白色ないし薄ク
リーム色である。水溶性色素は出さない。 7) 栄養寒天培地 生育良好で集落の色はクリーム色であ
る。水溶性色素は出さない。 8) イースト麦芽寒天培地 生育良好で集落の色はクリーム色であ
る。水溶性色素は出さない。 9) オートミール寒天培地 生育中程度で集落の色は白色ないし薄ク
リーム色である。水溶性色素は出さない。 (D) 生理的象質 1) 生育温度:15℃〜〜43℃で生育する。
10℃、45℃で生育しない。最適温度は30〜
35℃である。 2) 硝酸塩還元性:陽性 3) カタラーゼ:陽性 4) オキシダーゼ:陰性 5) ウレアーゼ:陽性 6) デンプン加水分解:陰性 7) ゼラチン液化:陰性 8) チロシン加水分解:陰性 9) カゼイン加水分解:陰性 10) キサンチン加水分解:陰性 11) DNAの分解:陰性 12) リトマスミルク:アルカリ性、ペプト
ン化、凝固共にしない。 13) メラニン様色素の生成:無し 14) エスクリン加水分解:陽性 15) Tween20.40.60.80加水分解:すべての
陽性 16) ペニシリン耐性試験:耐性 17) 酸素に対する態度:好気性 18) 無機窒素源の利用:アンモニウム塩、
硝酸塩共に利用する。 19) NaCl生育範囲:0〜6%で生育する。
7%で生育しない。 20) 各種炭素源の同化性(プリドハム、ゴ
ドリーブ寒天培地) D―グルコース、D―フラクトース、マ
ンノース、グリセリン、トレハロースを同
化する。L―アラビノース、D―キシロー
ス、サツカロース、イノシツト、L―ラム
ノース、ラフイノース、D―ガラクトー
ス、D―マンニツト、マルトース、ソルビ
ツトを同化しない。 21) 各種糖から酸の生成 D―グルコース、マンノース、D―フラ
クトース、トレハロース、グリセリンから
酸を生成する。L―アラビノース、D―キ
シロース、D―ガラクトース、マルトー
ス、サツカロース、ラクトース、D―ソル
ビツト、D―マンニツト、イノシツト、デ
ンプンから酸を生成しない。 以上の菌学的性質をBergey's Manual of
Determinative Bacteriology第8版を参考に
検討した結果、細胞壁中にmeso―ジアミノピ
メリン酸、アラビノース、ガラクトースを含
み、L,L―ジアミノピメリン酸、グリシンが
含まれないこと、好気性で菌糸状によく生育
し、後に分断して桿菌状となること、抗酸性で
あること、胞子のう胞子および気菌糸を着生し
ないこと等から本菌はNocardiaに属する菌で
ある。 よつて本菌は、本発明者らがノカルジアsp.
(Nocardia sp.)No. Ch2―1と命名し、工業
技術院微生物工業技術研究所に菌寄第6217号
(FERM―P No.6217)として寄託されてい
る。 (2) アルカリゲネスsp・No.4 Alcaligenes sp.No.4の菌学的性質 (A) 形 態 1) 細胞の形および大きさ:0.4〜0.6μ×
0.8〜1.2μの桿菌である。 2) 細胞の多形性の有無:多形性は認めら
れない。 3) 運動性の有無:周鞭毛を有し運動す
る。 4) 胞子の有無:胞子は形成しない。 5) グラム染色性:陰性 6) 抗酸性:陰性 (B) 各培地における生育状態 1) 肉汁寒天平板培養 円形コロニーで表面は平滑、半レンズ状
の***、全縁状で薄クリーム色、半透明、
光沢あり 2) 肉汁寒天斜面培養 生育中程度、糸状に生育、薄クリーム色
で半透明 3) 肉汁液体培養 菌膜をつくらない、やや濁り沈渣も少し
ある。 4) 肉汁ゼラチン穿刺培養:ゼラチンは液
化しない。 5) リトマスミルク培養:アルカリ性にな
るがペプトン化しない、凝固しない。 (C) 生理的性質 1) 硝酸塩の還元:陽性 2) 脱窒反応:陰性 3) MRテスト:陰性 4) VPテスト:陰性 5) インドールの生成:陰性 6) 硫化水素の生成:弱陽性 7) デンプン加水分解:陰性 8) クエン酸塩の利用:Koserの培地と
Christensenの培地で共に利用する。 9) 無機窒素源の利用:硝酸塩およびアン
モウム塩を利用する。 10) 色素の生成:水溶性色素を生成しな
い。 11) ウレアーゼ:陰性、弱陽性 12) オキシダーゼ:陽性 13) カタラーゼ:陽性 14) 生育範囲PH:PH5.0〜10.0で生育する。 温度:5℃〜37℃で生育する。 42℃で生育しない。 15) 酸素に対する態度:好気性 16 OFテスト(Hugh―Leifson法):フラク
トースから好気的に酸を生成する。 17) 糖類から酸およびガスの生成の有無
Ayers,Rupp and Johnsonの培地でフラ
クトースとグリセリンから酸を生成するが
ガスは生成しない。 アラビノース、キシロース、グルコー
ス、マンノース、ガラクトース、麦芽糖、
シヨ糖、乳糖、トレハロース、ソルビツ
ト、マンニツト、イノシツト、デンプンか
らは酸もガスも生成しない。 18) 独立栄養的生育:水素ガス、炭酸ガ
ス、酸素ガスを含有する気体中で生育しな
い。 19) Tween80の分解性:陽性 20) 資化性:D―フラクトース、L―フエ
ニルアラン、レブリン酸カルシウム、L―
スレオンを資化する。マンノース、マルト
ース、マンニツト、ベタインを資化しな
い。 以上の菌学的諸性質からBergey's manual of
Determinative Bacteriology(第8版)の記載に
照合して検討すると短桿菌で周ベン毛により運動
すること、グラム陰性、好気性であること、栄養
要求性はなく、アンモニウム塩、硝酸塩を利用す
ること、カゼインおよびゼラチンを分解しないこ
と、オキシダーゼ陽性であること等から
Alcaligenes属に分類される。 種については、文献を参考に検討したと
ころAlcaligenes eutrophus.A.paradoxus、A.
ruhlandiiおよびA.latusとは主に独立栄養的生育
の点で異なる。またA.faecalisとは主に42℃にお
ける生育、D―フラクトースの資化性の点で、
A.aquamarinusとは主にデンプンの分解性、マ
ルトースの資化性の点で、A.pacifriusとは主に
スレオニン、ベタインの資化性の点で、A.
cupidusとは主にオキシダーゼおよびマンニツト、
マンノースの資化性の点で、A.venustusとは主
にレブリン酸塩、スレオニン、ベタインの資化性
の点で、A.aestusとは主にマンツト、スレオニ
ン、フエルアラニンの資化性の点でそれぞれ異な
る。 よつて本菌は本発明者がアルカリゲネスsp.
(Alcaligenes sp.)No.4と命名し、工業技術院微
生物工業技術研究所に菌寄第6216号(FERM―
P No.6216)として寄託されている。 Bergey's manual of Determinative
Bacteriology(第8版) J.Bact.110(1)402―429(1972) 坂崎和一訳:医学細菌同定の手びき(2版)
近代出版、東京、1974 次にこれらの菌を用いてNAD―CDHの製造す
る方法について詳述する。これらの菌はいづれも
構成的にNAD―CDHを生産する能力を有し、通
常のペプトン、酵母エキス又は硫酸アンモウム等
のチツソ源及びグルコース、グリセロール等の炭
素源、その他無機塩等を含有する培地でもNAD
―CDHを生産するが、コレステロールを培地に
添加することによりさらに多量にNAD―CDHを
生産する。この際コレステロールの添加は、培養
開始時あるいは途中からのいずれでもよい。また
その他培養条件に関しては、通常行なわれる範囲
で実施できる。これらの菌により生産された
NAD―CDHは、菌体のみならず、培養液中にも
蓄積され、その何れからでも酵素を回収すること
ができる。これらの培養濾液又は菌体抽出液を硫
酸アンモウム等による塩折又は、アセトン、エタ
ノール等の溶剤沈澱して得た粗酵素は、そのまま
コレステロールの定量に使用するか、あるいは更
に精製して使用することもできる。例えば精製に
ついては、イオン交換クロマトグラフイー、分子
節クロマトグラフイー等公知の方法により可能で
ある。 ここで得られるNAD―CDHは、コレステロー
ル含有物質中のコレステロールの定量に使用で
き、例えば、血液、血中のコレステロール定量等
に有利に使用できる。 本発明に使用するNAD―CDHの活性測定法を
以下に示す。 NAD―CDHの酵素活性は、コレステロールと
NADを基質として反応した合のNADHの生成量
を、340nmにおける吸光度の増加として、分光光
度計で測定し算出する。すなわち、0.1Mトリ
ス・塩酸緩衝液(PH8.6)2.65ml、28mMNAD溶
液0.1ml、(8%トリトンX―100溶液0.15ml)、1
%コレステロール溶液0.05ml及びNAD―CDH水
溶液0.05mlを混合し、30℃で反応させ、反応開始
後1分間の340mmにおける吸光度の増加を測定す
る。 対照として上記組成でコレステロールの代りに
水を用い同様の操作を行ない、対照液の340mmに
おける吸光度の増加を試験液のそれから差し引
く。得られた値からNADHの生成量を求め、こ
れより試料中のNAD―CDH活性を算出する。 酵素活性の表示は、PH8.6、30℃の条件下で1
分間に1μmoleのNADH生成する酵素を1単位と
した。 次に本発明に使用するNAD―CDHの作用を示
す。 コレステロール+NADコレステノン+
NADH 本発明におけるNAD―CDHは全てこの反応を
触媒する。 以下に本発明に使用するNAD―CDHの一般的
性質をノカルジアsp.No. Ch2―1(Nocardia sp.
No.Ch2―1)及びアルカリゲネsp.No.4
(Alcaligenes sp.No.4)の生産するものについて
示す。 (1) ノカルジアsp.No. Ch2―1.No. Nocardia sp.No. Ch2―1の生産するNAD
―CDH 1) 至適PH:9.0付近(第1図に示される。) 2) PH安定性:37℃,15分の条件おいてPH6
〜7で安定である。 (第2図に示される。) 3) 至適温度:25〜35℃(第3図に示され
る。) 4) 熱安定性:PH7.0、15分の条件において
35℃以下で安定である。 (第4図に示される。) 5) 基質特異性 本酵素は、3β位に水酸基をもつステロイ
ドに反応し、コレステロールを100とすると
ステツグマステロール35、β―シトステロー
ル25、その他デヒドロエピアン、ドロステロ
ン、エルゴステロール等にわずかに作用す
る。 6) 補酵素 NADを要求する。 (2) アルカリゲネスsp.No.4(Alcaligenes sp.No.
4)の生産するNAD―CDH 1) 至適PH:8.5付近(第5図に示される。) 2) PH安定性:37℃,15分の条件においてPH
6〜7で安定である。 (第6図に示される。) 3) 至適温度:25〜35℃(第7図に示され
る。) 4) 熱安定性:PH7.0、15分の条件で0℃ま
で安定である。 (第8図に示される。) 5 基質特異性 水酵素は3β位に水酸性をもつステロイド
に反応し、コレステロールを100とするとβ
―シトステロール36、ステグマステロール
20、その他デヒドロエピアンドロステロン、
エルゴステロール等にわずかに作用する。 6 補酵素 NADを要求する。 次に本発明のNAD―CDHを使用したコレステ
ロールの定量について詳述する。 コレステロールを定量する場合、実際には緩衝
液、NAD、基質(血清、コレステロール等)及
びNAD―CDHを混合し、一定時間反応し、生成
するNADHの増加を吸光度340nmで測定する。
また必要に応じて、生成したNADHの水素をフ
エナジンメソサルフエート(PMS)、ジアフオラ
ーゼ等により、ホルマザン色素等の発色系に導く
ことも可能である。さらには、反応系にコレステ
ロールエステラーゼ、界面活性剤、及び安定化剤
等の添加も可能である。反応時のPHは6〜10の範
囲で実施できるが、優れているPH範囲は7〜9で
ある。 次にNAD―CDHによるコレステロール定量用
試薬の量的組成についての1例を述べれば、反応
系3ml当り、NAD―CDH0.1〜10単位、NAD10
〜100mM(トリトンX−100 1.0%以下)、コレス
テロールエステラーゼ(ベーリンガー社製)0.1
〜10単位が有利である。しかし本発明はこれらの
量的組成に限定されるものではない。本発明の測
定法における特別な利点は、生成するNADHを
直接測定できることであり、また完全に定量でき
ることである。 次に試験例及び実施例につき述べる。 試験例 1 本発明における菌株3種につき、コレステロー
ル5g/、エキス5g/、酵母エキス0.2
g/、少量の消泡剤の組成よりなる培地(PH
7.2)100mlを入れた500ml容坂ロフラスコに植菌
し、30℃で40時間振蘯培養した。培養液5mlを遠
心分離(8000rpm10分間)により集菌し、0.1M
リン酸緩衝液PH7.0、50mlで洗浄した。 次に同じ緩衝液50mlに菌株を懸濁し、超音波に
て菌体を破砕した。この破砕液を遠心分離
(10000rpm10分間)し、清澄液を得た。得られた
清澄液のNAD―CDH活性を測定し次の結果を得
た。
【表】 試験例 2 コレステロール(片山化学社製)0.67mg/ml、
NAD又はNADP(オリエンタル酵母社製)1.0
mg/ml、トリトンX−100(片山化学社製)4.0
mg/mlを含む0.1Mトリス塩酸緩衝液3.0mlを25
℃、5分間予熱後、希釈した各種コレステロール
脱水素酵素液0.1mlを加え、25℃で反応させ、
340nmにおける吸光度の増加を測定して、各種コ
レステロール脱水素酵素の各補酵素に対する反応
性を調べた。
【表】 その結果、本発明のコレステロール脱水素酵素
はいずれもNADに対する反応性に比較して
NADPに対する反応性が著しく低いことがわか
る。 実施例 1 Nocardia sp.Ch2―1(FERM―P No.6217)
をグルコース5g/、エキス5g/、酵母エ
キス0.2g/、少量の消泡剤の組成よりなる培
地(PH7.2)200mlをれた500ml容坂ロフラスコに
植菌し、30℃で24時間振蘯培養する。この種培養
液をコレステロール5g/、グルコース2g/
、肉エキス5g/、KH2PO45g/、
MgSO4.7H2O0.2g/、消泡剤0.5g/の組成
よりなる培地(PH7.2)20を入れた30容ジヤ
ーフアーメンターに植菌し、30℃で通気、撹拌
(0.5V/V/min、200rpm)しながら40時間培養
した。 培養液を遠心分離し、得られた菌体を0.1Mリ
ン酸緩衝液PH7.0に懸濁し、ガラスビーズにより
菌体を破砕した。この菌体破砕液を遠心分離
(1000rpm、10分間)し、清澄な菌体抽出液を得
た。得られた清澄液に硫酸アンモニウムを35%飽
和になるように加え酵素を沈澱せしめた。 沈澱を遠心分離(8000rpm10分間)で集め
20mMリン酸緩衝液PH7.0、100mlに溶かし、セロ
フアンチユーブで20mMリン酸緩衝液PH7.0に対
して24時間透析した。 次に得られた透析液を20mMリン酸緩衝液PH
7.0で平衝化したDEAE・セルロース200mlを充填
したカラムに通し、酵素を吸着せしめた。同様の
緩衝液でカラムを洗浄後、緩衝液濃度を0.1Mに
上げてNAD―CDHを溶出した。NAD―CDHを
含む画分を集め、これを濃縮後20mMリン酸緩衝
液PH7.0に対して透析した。これを同様の緩衝液
で平衡化したヘキシルセフアロース20mlを充填し
たカラムに通し、吸着せしめた。このカラムを
20mMリン酸緩衝液PH7.0で洗浄した。次に
0.5MNaClを含む同様の緩衝液でNAD―CDHを
溶出し、活性画分を集め、濃縮し、50単位/mlの
NAD―CDH溶液5.0mlを得た。全体の活性収率
は30%であつた。 実施例 2 Alcaligenes sp.No.4(FERM―P No.6216)を
コレステロール10g/、グリセロール2g/
、コーンスチープリカー5g/、KH2PO45
g/、MgSO47H2O0.2g/、消泡剤0.5g/
の組成よりなる培地に培養し、実施例1と同様
の操作を行ない、40単位/mlのNAD―CDH溶液
を5.0ml得た。全体の活性収率は40%であつた。 実施例 3 Proteus vulgaris IAM1025を用い、実施例1
に準ずる操作を行ない、37単位/mlのNAD―
CDH溶液4mlを得た。全体の活性収率は52%で
あつた。 実施例 4 実施例1で得られたNAD―CDHを用い、標準
血清におけるコレステロールの定量を行なつた。 0.1Mトリス塩酸緩衝液PH8.6、2.71ml、8%ト
リトンX−100 0.1ml、NAD200mg/ml溶液0.1ml、
コレステロールエステラーゼ(ベーリンガー社
製)100単位/ml溶液0.05ml、標準血清0.02mlを
混合し、30℃で反応させ、340nmにおける吸光度
の増加を測定した。反応は3分以内に終点に達し
た。 対照として上記反応組成物のNAD―CDHの代
りに水を用い同様の操作を行ない対照液の340nm
における吸光度の増加を試験液のそれから差し引
いた。 この標準血清における総コレステロール量は、
あらかじめ作成した検量線より、コレステロール
289mg/dlの値が得られた。コレステロールオキ
シダーゼを含む、市販の測定用試薬を用い行なつ
た比較測定からは、コレステロール290mg/dlの
値が得られた。 実施例 5 実施例2〜実施例3で得られたNAD―CDHを
用い、実施例4に準じた操作を行ない、実質的に
は同じ結果が得られた。 実施例 6 実施例1で得られたNAD―CDHを使用し、実
施例4と同様の操作により、各種血清サンプルの
コレステロールを定量し、以下の結果を得た。 市販品コレステロー 血 清 NAD―CDH ルオキシダーゼ(天野 製薬製) 1 289mg/dl 290mg/dl 2 150 146 3 219 221 4 143 143 5 173 170
【図面の簡単な説明】
第1図はノカルジアsp.No. Ch2―1FERM―P
No.6217の生産するNAD―CDHの30℃における
至適PHを示す図であり、第2図は本NAD―CDH
の37℃におけるPH安定性を示す図であり、第3図
は本NAD―CDHの至適温度を示す図であり、第
4図は本NAD―CDHの熱安定性を示す図であ
る。第5図はアルカリゲネスsp.No.4FERM―P
No.6216の生産するNAD―CDHの30℃における至
適PHを示す図であり、第6図は本発明NAD―
CDHの37℃におけるPH安定性を示す図であり、
第7図は本NAD―CDHの至適温度を示す図であ
り、第8図は本NAD―CDHの熱安定性を示す図
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 NAD依存性コレステロール脱水素酵素を使
    用することを特徴とするコレステロールの定量
    法。 2 好気的条件下で生育する微生物の培養物から
    得られるNAD依存性コレステロール脱水素酵素
    を使用する特許請求の範囲第1項記載コレステロ
    ールの定量法。 3 好気的条件下で生育する微生物がノカルジア
    属、アルカリゲネス属、プロテウス属の少くとも
    1種以上である特許請求の範囲第2項記載のコレ
    ステロールの定量法。 4 ノカルジア属に属する菌株がノカルジアsp.
    No.Ch2―1(Nocardia sp.No.Ch2―1)FERM―
    P No.6217である特許請求の範囲第3項記載のコ
    レステロールの定量法。 5 アルカリゲネス属に属する菌株がアルカリゲ
    ネスsp.No.4(Alcaligenes sp.No.4)FERM―P
    No.6216である特許請求の範囲第3項記載のコレ
    ステロールの定量法。 6 プロテウス属に属する菌株がプロテウス・ブ
    ルガリスIAM1025(Proteus vulugaris
    IAM1025)である特許請求の範囲第3項記載の
    コレステロールの定量法。 7 NAD依存性コレステロール脱水素酵素、
    NADを含有するか又はそれから成ることを特徴
    とするコレステロールの定量用試薬。 8 好気的条件下で生育する微生物の培養物から
    得られるNAD依存性コレステロール脱水素酵素
    を含有する特許請求の範囲第7項記載のコレステ
    ロールの定量用試薬。 9 好気的条件下で生育する微生物がノカルジア
    属、アルカリゲネス属、プロテウス属の少くとも
    1種以上である特許請求の範囲第8項記載のコレ
    ステロールの定量法用試薬。 10 ノカルジア属に属する菌株がノカルジア
    sp.No.Ch2―1(Nocardia sp.No.Ch2―1)FERM
    ―P No.6217である特許請求の範囲第9項記載の
    コレステロールの定量用試薬。 11 アルカリゲネス属に属する菌株がアルカリ
    ゲネスsp.No.4(Alcaligenes sp.No.4)FERM―
    P No.6216である特許請求の範囲第9項記載のコ
    レステロールの定量用試薬。 12 プロテウス属に属する菌株がプロテウス・
    ブルガリスIAM1025(Proteus vulugaris
    IAM1025)である特許請求の範囲第9項記載の
    コレステロールの定量用試薬。
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