JP3039074B2 - スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント - Google Patents

スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスクリーン紗用モノフィ
ラメントに関する。さらに詳しくは、精密スクリーン印
刷に好適なスクリーン紗用モノフィラメントに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】印刷用スクリーン紗としては、従来、絹
などの天然繊維やステンレスなどの無機繊維からなるス
クリーン紗が広く使用されてきた。最近は、品質が安定
し入手が容易なナイロンやポリエステルなどの有機繊維
よりなるスクリーン紗が一般的に使用されるようになっ
てきている。特に、ポリエステルモノフィラメントより
なるスクリーン紗は、ナイロンに比較して水分の影響も
少なく、かつ低価格であるために広く普及しつつある。
【0003】しかしながら、電子回路の印刷分野におい
ては、印刷精度の向上に対する要求が益々厳しくなって
きており、高強度で、高モジュラスのスクリーン紗が要
求されている。加えて、メッシュの細かいものが必要と
されるので、用いられるポリエステルモノフィラメント
も必然的に高強度、高モジュラスであり、かつ細繊度の
ものとする必要がある。
【0004】一般に、ポリエステルモノフィラメントを
高強度、高モジュラス化するためには、原糸製造過程
で、高倍率の延伸を付与し、高度に配向、結晶化させた
ものとすれば良いが、スクリーン紗の製造工程では、極
めて高密度の織物を高速で製織するため、オサなどとの
強い擦過を繰り返し受けることになり、モノフィラメン
ト経糸の表面が削り取られ、ヒゲ状あるいは粉状のスカ
ムが発生しやすい。特に、原糸を高強度化、高弾性率化
した結果、配向、結晶化の高くなったものほど、この傾
向が激しくなり、製織を一時中断し、織機の清掃をする
必要が生じ、作業性を損なうと同時に、その部分が織り
段となるため、製品欠点につながる。また、清掃を必要
とするほどでもなくとも、生じたスカムの一部がスクリ
ーン紗の中に織り込まれてしまうと、精密印刷時には印
刷の欠点となるため、スカムの発生を防ぐことは、極め
て重要な課題である。
【0005】このため、例えば、特開昭62−2760
48号公報ではポリエステルを芯とし、乳剤や樹脂との
接着性の良い素材、例えばナイロンなどを鞘とした複合
モノフィラメントが提案されている。ナイロンはポリエ
ステルに比較して、削れが少ないという点でスカムの発
生は減少するが、一方、ナイロンは吸湿性が高く、寸法
安定性に欠けるという欠点があり、製織性は改善される
が、印刷精度を向上させることは困難であった。
【0006】また、特開平2−289120号公報では
ポリエステルを芯とし、ガラス転移点温度が35〜73
℃である共重合ポリエステルを鞘とした複合モノフィラ
メントが提案されている。該複合モノフィラメントで、
製織性は改善され、さらに、印刷精度を向上させること
ができる。しかしながら、より一層のスカムの低減が望
まれ、モノフィラメントの金属に対する耐摩耗性をさら
に向上させる必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の欠点に鑑み、ポリエステルからなり、スカム発生が少
ない、モノフィラメントを提供することを目的とするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記本発明の目的は、ポ
リエステルよりなる芯鞘型複合モノフィラメントにおい
て、破断強度が6g/d 以上、伸度10%時のモジュラス
が3.5g/d 以上、破断伸度が35%未満であり、かつ
鞘成分が熱可塑性エラストマーを1〜40重量%含むポ
リエステルであることを特徴とするスクリーン紗用ポリ
エステルモノフィラメントによって達成できる。
【0009】従来、低伸度ポリエステルモノフィラメン
トはスカム発生が激しく製織が不可能であるとされてき
た。しかし、印刷業界の要求は益々厳しく、細繊度でハ
イメッシュの即ち、織密度の高いスクリーン紗を要求し
ている。製織過程で糸に加わる張力は必ずしも繊度に比
例するわけでなく、モノフィラメント一本当たりの強力
が高いことが必要であり、細繊度になればなるほど、よ
り破断強度の高いものとする必要がある。
【0010】使用する織機の種類や、製織時の織機回転
数によっても異なるが、本発明者らの検討によれば、強
力が約50g/本程度あれば実用的に製織が可能とな
る。さらに、最近の製織技術の進歩によって、スカムの
発生が極めて少ない場合には強力が約30g/本程度ま
で可能とされている。即ち、破断強度が6g/d 以上であ
れば、5d程度のモノフィラメントが提供でき、さらに
7g/d 以上になれば4dまでの細繊度化も可能となる。
従って、モノフィラメントの破断強度6g/d とする必要
があり、好ましくは7g/d 以上である。
【0011】一方、強力の高いモノフィラメントからな
るハイメッシュ紗であっても、印刷時のスキージなどに
より加えられる応力により歪むと、高度な印刷精度を保
つことはできない。そのためには、モノフィラメントの
モジュラスは高い必要があり、これは、伸度10%時の
モジュラスで代表することができる。このモジュラスは
3.5g/d 以上とする必要があり、より好ましくは、
3.8g/d 以上である。なお、ここでモジュラスとは、
原糸のS−S曲線において、10%伸度に相当する時の
強力を原糸のデニールで除した値をいう。
【0012】このような高破断強度、高モジュラスを達
成するためには、原糸の製造過程で高度の延伸を行なう
ことが必須となる。そのために結果として伸度の低いも
のとなるが、本発明の目的を達成するためには、モノフ
ィラメントの伸度は35%未満であることが必要であ
る。
【0013】一方、ポリエステルにおいて高破断強度、
高モジュラスを達成しようとすると、一般にはそれにと
もない製織時のスカムの発生が助長される。これは、ポ
リエステル繊維においては配向、結晶化が進むと、繊維
軸方向には破断強度の増大となって現われるが、それに
ともない繊維は脆くなり、曲げ、剪断、削れなどに対し
て弱くなるためである。最終製品として高破断強度、高
モジュラスが求められる以上、繊維自体前記したような
力学特性を具備している必要があるが、さらに本発明に
おいてはスカム発生を防止することが重要な課題であ
る。
【0014】本発明の特徴はかかる高破断強度、高モジ
ュラス、低伸度のモノフィラメントであって、いかに製
織性を良好に保つかの工夫にある。即ち、本発明では特
定の芯鞘型複合モノフィラメントとすることによつて、
この問題を解決した。本発明者らの検討によれば、熱可
塑性エラストマーを1〜40重量%ポリマブレンドした
ポリエステルは、ゴム状に近い性質を有しており、耐摩
耗性に極めて優れていることを発見した。従って、該ブ
レンドポリエステルを、スクリーン紗用ポリエステルモ
ノフィラメントの鞘成分として用い、芯鞘型の複合モノ
フィラメントとすることによって、製織時のスカムの発
生が顕著に防止できることが判明し本発明に到達したも
のである。
【0015】耐摩耗性が向上する理由については必ずし
も明確ではないが、次のような機構が考えられる。すな
わち、熱可塑性エラストマーは、ポリエステルにブレン
ドすることによってポリエステル中に微分散した構造と
なる。このことによって、外部からモノフィラメントに
作用する擦過、圧縮、剪断などの歪力を熱可塑性エラス
トマーが選択的に吸収し、繊維への損傷を防止している
ためと考える。
【0016】さらに、上記の微分散構造によってモノフ
ィラメントの見掛け表面は比較的平滑であるにも拘ら
ず、外部から擦過などの歪力を受けた際に、あたかもモ
ノフィラメント表面に凹凸があるかのように挙動するの
で、擦過体に対する摩擦力も小さいものとなる。
【0017】一方、従来公知の共重合系ポリエステルで
は、均一ポリマ系であるために外部からの歪力を選択的
に吸収することはなく、擦過体に対する摩擦力も高くな
る。摩擦力が高くなるとモノフィラメントの製造時およ
びスクリーン紗製織時に、特に高速度化した時に、モノ
フィラメントが損傷を受けやすくなり、部分的にではあ
るが、強度の低い部分がスクリーン紗に混入しやすくな
る。
【0018】上記した理由から、本発明の特徴は熱可塑
性エラストマーをポリエステルにブレンドし微分散した
ことにある。
【0019】かかる熱可塑性エラストマーとは、常温で
ゴム弾性を示し、高温では熱可塑性プラスチックと同様
な可塑性を示すポリマのことであり、例えば、主として
ポリスチレンをハードセグメントとし、主としてポリブ
タジエンまたは水添ブタジエンあるいはポリイソプレン
をソフトセグメントとするブロック共重合体よりなるス
チレン系熱可塑性エラストマー、主としてポリプロピレ
ンあるいはポリエチレンなどのポリオレフィンをハード
セグメントとし、主としてエチレン・プロピレン・ジエ
ン系三元共重合体をソフトセグメントとするブレンド体
よりなるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、主と
してポリブチレンテレフタレートをハードセグメントと
し、主としてポリテトラメチレンエーテルグリコールあ
るいは脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブ
ロック共重合体よりなるスチレン系熱可塑性エラストマ
ー、フッ化ビニリデン・六フッ化プロピレン系共重合体
などのフッ素系熱可塑性エラストマー、ポリエステルア
ミドあるいはポリエーテルアミドなどのポリアミド系熱
可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑
性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、
エチレン・酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、塩素化
ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、エチレンとα,
β−エチレン系不飽和カルボン酸またはそのアルキルエ
ステルとの共重合体をNa,Ca,Zn,Mgなどの金
属イオンで中和してなるアイオノマ系熱可塑性エラスト
マーなどを挙げることができる。
【0020】これら各熱可塑性エラストマーには、柔軟
なものから、かなり硬いものまで種々存在するが、比較
的柔軟な熱可塑性エラストマーを用いた方が本発明の目
的である製織時のスカム抑制の効果が顕著となり好まし
く、具体的にはJIS K6301に従って測定したJ
IS−A硬度(以下、JIS−A硬度という)が85以
下のものを好ましく用いることができる。これら熱可塑
性エラストマーの中でもポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーが、本発明の目的を遂行する上で特に好ましい
ものである。さらに、JIS−A硬度が85以下のポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマーが一層好ましいもの
である。
【0021】ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの
JIS−A硬度が85より大きいと、得られる芯鞘複合
モノフィラメントの耐摩耗性が、やや低め傾向を示し製
織時のスカム抑制の効果が低くなる傾向がある。上記し
た熱可塑性エラストマーの鞘成分ポリエステル中におけ
る含有量は1重量%以上、40重量%以下の範囲であ
る。熱可塑性エラストマーの含有量が1重量%より少な
いとスカム抑制の効果が十分でなく、一方、40重量%
より多いと、得られる芯鞘複合モノフィラメントの強伸
度が低下し、線径斑も増加するため好ましくない。ま
た、熱可塑性エラストマーの鞘成分ポリエステル中にお
ける含有量を5重量%以上、30重量%以下にすると、
一層優れたスカム抑制の効果と優れた強伸度特性および
線径斑の少ない芯鞘複合モノフィラメントとなり、さら
に好ましいものである。
【0022】本発明の熱可塑性エラストマーを1重量%
以上、40重量%以下含有してなる鞘成分ポリエステル
は次のような方法によって得ることができる。ポリエス
テルと熱可塑性エラストマーとの混合は該ポリエステル
の重縮合完了直後から芯鞘複合モノフィラメントが紡糸
口金より紡出されるまでの任意の段階で行なうことがで
き、例えば、重縮合が完了した直後に重合缶で、溶融状
態のポリエステルに熱可塑性エラストマーを添加、混練
し常法によりチップ化した後、熱可塑性エラストマーの
軟化点温度よりも低い温度で乾燥し、次いで、メルトプ
レッシャー式またはエクストルダ式紡糸機などを用いて
溶融紡糸・延伸する方法、あるいは乾燥したポリエステ
ルチップに熱可塑性エラストマーを添加・チップブレン
ド後、メルトプレッシャー式またはエクストルダ式紡糸
機などを用いて溶融紡糸・延伸する方法、あるいは1
軸,2軸エクストルダ式混練機でポリエステルと熱可塑
性エラストマーを、あらかじめ溶融混練後チップ化し、
熱可塑性エラストマーの軟化点温度よりも低い温度で乾
燥し、次いで溶融紡糸・延伸する方法などがあげられる
が溶融紡糸前の段階で少なくとも1回はポリエステルと
熱可塑性エラストマーとを強制混練することが必要であ
る。
【0023】本発明の鞘成分ポリエステルには各種酸化
防止剤、酸化チタンなどの各種不活性粒子、熱可塑性エ
ラストマー以外の各種ポリマ、ポリエステル製造時に通
常用いられる触媒としての各種金属化合物、着色防止と
して用いられるリン化合物などを含有していてもよい。
さらに紫外線吸収剤、有機ケイ酸化合物など公知の添加
剤を添加したものであってもよい。ここでポリマブレン
ドに用いるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト、液晶
ポリエステルなどを用いることができる。さらに該ポリ
エステルは、強度、弾性率の面から、ホモポリエステル
が好ましいが、第3成分を20モル%以下共重合した共
重合ポリエステルであってもよい。
【0024】本発明の鞘成分のポリエステルは、製織時
のスカム発生の抑制に対しては、極めて有効に作用する
が、スクリーン紗用モノフィラメントに要求される高破
断強度、高モジュラスを達成しようとすると、十分とは
いえない。
【0025】そこで本発明では、芯ポリエステルで高破
断強度、高モジュラスを達成しようとするものである。
このような考え方に基づいているため、芯の比率は相対
的に高く設定することが必要であり、芯:鞘の面積比は
70:30以上が好ましく、より好ましくは80:20
以上である。本発明の芯を構成するポリエステルとして
は、コストなども考慮すると、衣料用途、産業用途で大
量に使用されているポリエチレンテレフタレートが最も
好ましいが、弾性率の高いポリエチレン−2,6−ナフ
タレートや全芳香族の液晶ポリエステルなども用いるこ
とができる。
【0026】本発明の複合モノフィラメントを得るため
の具体的な方法は、従来公知の複合紡糸法を適用するこ
とができる。即ち、芯および鞘を形成するポリマをそれ
ぞれ独立に溶融計量し、口金背面で芯鞘構造となるよう
に合流させ、同一吐出孔から吐出させることにより得ら
れる。モノフィラメントの糸断面形状は円形であること
が望ましい。その理由は、変形断面であると、感光性乳
剤を硬化させるに際してハレーションを生じて印刷精度
に悪影響を与える場合がある。また、円形に比較して変
形断面糸はカールしやすく、目開き(オープニング)の
均一なスクリーンを得難いなどの欠点を有するためであ
る。ただし、芯の形状および本数は必ずしも相似形で一
本である必要はなく、適宜必要に応じて選択決定するこ
とができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中の物性は次のようにして測定
した。 A.モノフィラメントの破断強伸度、モジュラス:JI
S−L−1013(1981)の7.5.1に準じ、標
準状態の試験室で、東洋ボールドウイン(株)製の定速
伸長型万能引張試験機TENSILONUTM−III を
使用して測定した。ただし、測定条件は、試長20c
m、引張速度20cm/分で試料を定速伸長し、試料が
伸長破断したときの張力、伸度から破断強度(g/
d)、破断伸度(%)を求めた。さらに、同様の試験に
おいて伸度10%時の張力から、伸度10%時のモジュ
ラス(g/d)を求めた。 B.スカム評価:スルーザ型織機により織機の回転数2
50rpmとしてメッシュ織物を製織する。織機オサの
汚れ具合を観察しつつ、継続して製織を行なうことが不
能と判断される時に停機し、オサの洗浄を行なった。そ
の時点の製織長さをオサ洗浄周期とする。このオサ洗浄
周期が短いほどスカムの発生が多いことを示す。
【0028】実施例1 固有粘度[η]=0.80のポリエチレンテレフタレー
ト(以下、PETという)を芯鞘複合モノフィラメント
の芯成分として準備した。一方、鞘成分としては、芯成
分に用いたPET90重量部と熱可塑性エラストマーと
してポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱油化
(株)製“サーモラン”(登録商標)3550、JIS
−A硬度55)10重量部とをV型ブレンダー中で混合
したブレンドチップを準備した。従来公知の複合紡糸の
方法に従い、芯成分:鞘成分の複合比を80:20(容
積比)となるようにして、紡糸温度295℃で同心円状
芯鞘複合モノフィラメントを1000m/分の紡糸速度
で溶融紡糸した。得られた未延伸モノフィラメントを9
0℃および130℃に加熱された一対のホットロールを
用い、延伸倍率4.5倍、延伸速度800m/分で延伸
し繊度7デニールの延伸モノフィラメントを得た。
【0029】この延伸モノフィラメントの破断強度は7
g/d、破断伸度は24%、伸度10%時のモジュラス
は6g/dであった。つぎに、この延伸モノフィラメン
トのスカムを評価したところ製織長さ1000m時点に
おいてスカムの発生は観察されなかった。
【0030】比較実施例1 比較のために、固有粘度[η]=0.80のPET10
0重量部としポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを
使用しないこと以外は、実施例1と同様にして繊度7デ
ニールの延伸モノフィラメントを得た。この延伸モノフ
ィラメントの破断強度は7.2g/d、破断伸度は20
%、伸度10%時のモジュラスは6.3g/dであっ
た。つぎに、この延伸モノフィラメントのスカムを評価
したところ製織長さ10m時点においてスカムの発生が
観察されるようになり、50m時点でオサ洗浄を実施し
た。
【0031】実施例2 鞘成分として、芯成分に用いたPET95重量部と熱可
塑性エラストマーとしてポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー(三菱油化(株)“サーモラン”(登録商標)
3550、JIS−A硬度55)5重量部に変更したこ
と以外は実施例1と同様にして、繊度7デニールの延伸
モノフィラメントを得た。この延伸モノフィラメントの
破断強度は7.0g/d、破断伸度は22%、伸度10
%時のモジュラスは6.1g/dであった。つぎに、こ
の延伸モノフィラメントのスカムを評価したところ製織
長さ400m時点においてスカムの発生が観察されるよ
うになり、500m時点でオサ洗浄を実施した。
【0032】実施例3 鞘成分として、芯成分に用いたPET65重量部と熱可
塑性エラストマーとしてポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー(三菱油化(株)製“サーモラン”(登録商
標)3550、JIS−A硬度55)35重量部に変更
したこと以外は実施例1と同様にして、繊度7デニール
の延伸モノフィラメントを得た。この延伸モノフィラメ
ントの破断強度は6.1g/d、破断伸度は25%、伸
度10%時のモジュラスは3.7g/dであった。つぎ
に、この延伸モノフィラメントのスカムを評価したとこ
ろ製織長さ1000m時点においてスカムの発生は観察
されなかった。
【0033】比較実施例2 比較のために、鞘成分として、芯成分に用いたPET9
9.5重量部と熱可塑性エラストマーとしてポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー(三菱油化(株)製“サー
モラン”(登録商標)3550、JIS−A硬度55)
0.5重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にし
て、繊度7デニールの延伸モノフィラメントを得た。こ
の延伸モノフィラメントの破断強度は7.2g/d、破
断伸度は20%、伸度10%時のモジュラスは6.0g
/dであった。つぎに、この延伸モノフィラメントのス
カムを評価したところ製織長さ30m時点においてスカ
ムの発生が観察されるようになり、80m時点でオサ洗
浄を実施した。
【0034】比較実施例3 比較のために、鞘成分として、芯成分に用いたPET5
5重量部と熱可塑性エラストマーとしてポリオレフィン
系熱可塑性エラストマー(三菱油化(株)製“サーモラ
ン”(登録商標)3550、JIS−A硬度55)45
重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、繊
度7デニールの延伸モノフィラメントを得た。この延伸
モノフィラメントのスカムを評価したところ製織長さ1
000m時点においてスカムの発生は観察されなかっ
た。しかし、この延伸モノフィラメントの破断強度は
5.0g/d、破断伸度は30%、伸度10%時のモジ
ュラスは3.0g/dであり物性が劣るものであった。
【0035】実施例4 熱可塑性エラストマーの種類を、主としてポリスチレン
をハードセグメントとし、主として水添ブタジエンをソ
フトセグメントとするブロック共重合体よりなるスチレ
ン系熱可塑性エラストマー(三菱油化(株)製“ラバロ
ン”(登録商標)MJ5301C、JIS−A硬度5
5)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、繊度
7デニールの延伸モノフィラメントを得た。この延伸モ
ノフィラメントの破断強度は7.0g/d、破断伸度は
22%、伸度10%時のモジュラスは6.1g/dであ
った。つぎに、この延伸モノフィラメントのスカムを評
価したところ製織長さ600m時点においてスカムの発
生が観察されるようになり、800m時点でオサ洗浄を
実施した。
【0036】比較実施例4 比較のために、固有粘度[η]=0.80のPET90
重量部と熱可塑性エラストマーとしてポリオレフィン系
熱可塑性エラストマー(三菱油化(株)製“サーモラ
ン”(登録商標)3550、JIS−A硬度55)10
重量部とをV型ブレンダー中で混合したブレンドチップ
を準備し従来公知の単成分 紡糸の方法に従い、紡糸温
度295℃、紡糸速度1000m/分で溶融紡糸した。
得られた未延伸モノフィラメントを90℃および130
℃に加熱された一対のホットロールを用い、延伸倍率
4.5倍、延伸速度800m/分で延伸し繊度7デニー
ルの延伸モノフィラメントを得た。この延伸モノフィラ
メントの破断強度は4.5g/d、破断伸度は25%、
伸度10%時のモジュラスは2.8g/dであった。つ
ぎに、この延伸モノフィラメントのスカムを評価したと
ころ製織長さ100m時点においてスカムの発生は観察
されなかったが、タテ糸切れおよびヨコ糸切れが一部発
生した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明のスクリーン紗用芯鞘型複合ポリ
エステルモノフィラメントは、特定量の熱可塑性エラス
トマーを含有しているため、スクリーン紗製織時のスカ
ム発生の抑制効果に優れ、さらに、精密スクリーン印刷
に必要な高強度、高弾性率を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−136232(JP,A) 特開 平3−220340(JP,A) 特開 平2−289120(JP,A) 特開 昭63−247093(JP,A) 特開 昭62−276048(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 1/24 D01F 6/62 302 D01F 6/92 307 D01F 8/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルよりなる芯鞘型複合モノフィ
    ラメントにおいて、破断強度が6g/d 以上、伸度10%
    時のモジュラスが3.5g/d 以上、破断伸度が35%未
    満であり、かつ鞘成分が熱可塑性エラストマーを1〜4
    0重量%含むポリエステルであることを特徴とするスク
    リーン紗用ポリエステルモノフィラメント。
  2. 【請求項2】熱可塑性エラストマーがエチレン・プロピ
    レン・ジエン系三元共重合体とポリオレフィンとのブレ
    ンド体を主体とするポリオレフィン系熱可塑性エラスト
    マーであることを特徴とする請求項1記載のスクリーン
    紗用ポリエステルモノフィラメント。
JP3333366A 1991-12-17 1991-12-17 スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント Expired - Fee Related JP3039074B2 (ja)

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