JP2001140128A - スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント - Google Patents

スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント

Info

Publication number
JP2001140128A
JP2001140128A JP32195899A JP32195899A JP2001140128A JP 2001140128 A JP2001140128 A JP 2001140128A JP 32195899 A JP32195899 A JP 32195899A JP 32195899 A JP32195899 A JP 32195899A JP 2001140128 A JP2001140128 A JP 2001140128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monofilament
sheath
core
polyester
scum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32195899A
Other languages
English (en)
Inventor
Norimichi Nagaoka
徳恭 長岡
Seiji Morita
精次 森田
Masahide Matsumura
正英 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP32195899A priority Critical patent/JP2001140128A/ja
Publication of JP2001140128A publication Critical patent/JP2001140128A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のモノフィラメント繊維では得られなかっ
た優れた寸法安定性、スカム抑制効果、ハレーション抑
制効果を有し、かつハイメッシュ化が可能な細デニール
でかつ高強度、高モジュラスなスクリーン紗用ポリエス
テルモノフィラメント繊維を提供する。 【解決手段】芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部
がエチレンテレフタレートを主成分とする共重合ポリエ
ステルであり、破断強度が5.74CN/dtex以
上、破断伸度が15.0〜30.0%、10%伸長時モ
ジュラスが4.85〜6.18CN/dtexである芯
鞘型複合モノフィラメントにおいて、少なくとも鞘部に
無機微粒子を0.05〜1.0重量%含有していること
を特徴とするスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメ
ント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクリーン印刷用メ
ッシュ織物に好適な、さらに詳しくは高度な精密印刷に
用いられる、ハイメッシュでハイモジュラスなスクリー
ン紗織物を得るのに好適な、優れた寸法安定性、スカム
抑制効果、ハレーション抑制効果を有し、高強度、高モ
ジュラスであり細デニール化に対応できるポリエステル
モノフィラメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】印刷用のスクリーン織物としては、従来
は絹などの天然繊維やステンレスなどの無機繊維から成
るメッシュ織物が広く使用されてきたが、最近は柔軟性
や耐久性があり、かつ寸法安定性もあるナイロンやポリ
エステルなどの有機繊維から成るメッシュ織物、即ちス
クリーン紗が使用されることが多くなってきている。こ
のうち特にポリエステルモノフィラメントからなるスク
リーン紗織物は、ナイロンからなるものと比較して水分
の影響も少なく、また価格面からも有利であるため広く
使用されてきている。
【0003】しかしながら、最近の家電向け電子回路の
印刷分野などにおいては、印刷精度向上に対する要求が
厳しくなってきていることから、メッシュがより細かく
紗張りなどにおいて、伸びの少ない寸法安定性に優れた
スクリーン紗が要求されてきている。すなわち、スクリ
ーン紗用原糸に対しては細デニール化、高強度、高モジ
ュラス化が求められている。
【0004】一般にポリエステル繊維を高強度、高モジ
ュラス化するためには、原糸の製造過程において高倍率
で延伸を行い、高配向、高結晶化すれば良いことがわか
っているが、スクリーン紗の製造工程は高密度の織物を
高速で製織するため、極めて多数回、筬などの強い摩擦
にさらされることとなり、表面の結晶化の進行と相まっ
てフィラメントの表面に一部が削り取られヒゲ状の、あ
るいは粉状のかす、いわゆるスカムが発生しやすいが、
この現象は高結晶化したものほど重度となる傾向にあ
る。このスカムは量的には少量でも、織機に飛散しその
一部はスクリーン紗織物の中に取り込まれる危険性があ
る。こうなると精密印刷用のハイメッシュ織物において
は、メッシュの詰まりという致命的な欠陥になる恐れが
あり、スカムの発生防止はスクリーン紗においては重要
な課題である。
【0005】このために、スカムの発生の軽減、防止を
目的として多くの改善技術が提案されている。例えば、
特開昭55−16948号公報には破断伸度が35%〜
60%という高伸度糸を用いる事が提案されている。し
かしながら、高伸度ということは、すなわち低倍率延伸
を行うということであり、必然的に低強度、低モジュラ
スということになる。つまりここで提案されているこの
従来技術ではスカムの発生を軽減させることを優先させ
ているために、高強度、高モジュラスという特性を犠牲
にしているものである。これではハイメッシュ化の要求
に沿って細デニール化した際に強力が不足することとな
り、製織性が低下するばかりか、紗伸びなどが発生し寸
法安定性の悪化を招き、精密印刷には不適なものとなっ
てしまう。
【0006】また、特開平1−132829号公報には
ポリエステルを芯に、削れに対してポリエステルよりも
耐久性のあるナイロンを鞘に使用する芯鞘複合繊維が提
案されている。確かにナイロンはポリエステルに比べて
削れの発生が少ないことがわかっており、スカム発生の
抑制という面では有利ではある。しかしながら一方でナ
イロンはポリエステルに比べて吸湿性が高く、寸法安定
性が低いという欠点を持っている。このためナイロンを
鞘に使用した芯鞘複合繊維では、スカムの発生は軽減で
きるものの、精密印刷に欠かすことのできない寸法安定
性に乏しいという事になる。
【0007】現在、スクリーン紗は製織後乳剤を塗布し
てそれを感光、硬化させることにより、電子回路を写し
取るという工程を経て印刷用となる。このため乳剤を感
光、硬化させる際に照射光のハレーションが発生する
と、印刷精度の悪化を招くことから製織後、淡色系染料
にて染色をしてハレーションの発生を軽減させている。
しかしながら染色後のスクリーン紗においてもハレーシ
ョンによる印刷精度の低下はゼロにすることは難しいの
が現状であり、このこともハイメッシュ化による高精度
印刷が難しい原因の一つとなっている。
【0008】このように従来の技術では、精密印刷向け
のスクリーン紗織物を得るために必要な特性、すなわち
高強度、高モジュラスで寸法安定に優れ、かつスカム発
生の少ない、細デニール化への対応可能な特性を持つポ
リエステルモノフィラメントは得られなかったのであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の問題点
を改良し、従来のモノフィラメントでは得られなかった
優れた寸法安定性、スカム抑制効果、ハレーション抑制
効果を有し、高強度、高モジュラスであり細デニール化
に対応できる精密印刷に好適なスクリーン紗用ポリエス
テルモノフィラメントを提供することを目的とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の目的を
達成するために、次の構成よりなるものである。すなわ
ち、本発明は芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部
がエチレンテレフタレートを主成分とする共重合ポリエ
ステルであり、破断強度が5.74CN/dtex以
上、破断伸度が15.0〜30.0%、10%伸長時モ
ジュラスが4.85〜6.18CN/dtexである芯
鞘型複合モノフィラメントであり、少なくとも鞘部に無
機微粒子を0.05〜1.0重量%含有していることを
特徴とするスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメン
トにより前述の目的を達成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルモノフィラ
メントは、その横断面において芯成分が鞘成分により覆
われ芯成分が表面に露出していないように配置された芯
鞘型複合モノフィラメントである。ここで芯鞘型とは芯
成分が鞘成分により完全に覆われていれば良く、必ずし
も同心円状に配置されている必要はない。なお断面形状
については丸、扁平、三角、四角、五角など幾つもの形
状があるが、安定した製糸性および高次加工性を得やす
いという点や、製織後乳剤を塗布して感光させる際にハ
レーションの発生を抑えるため、スクリーン紗の目開き
の安定性などより丸断面が好ましい。
【0012】本発明においては、少なくとも鞘を形成す
る成分に無機微粒子を0.05%〜1.0質量%含有す
ることが必要である。ここで無機微粒子とは具体的には
シリカゾル、シリカ、アルキルコートシリカ、アルミナ
ゾル、酸化チタン、炭酸カルシウムなどがあるが、ポリ
エステルに添加したときに化学的に安定していればなん
でもよい。好ましくは化学的安定性、対凝集性および使
いやすさなどの見地よりシリカゾル、シリカ、アルキル
コートシリカ、酸化チタンがよく、さらに好ましくは酸
化チタンがよい。酸化チタンを使用する場合、酸化チタ
ンの平均粒径は分散性の点から1μm以下が好ましく
0.7μm以下がより好ましい。またその最大粒径は製
糸性の点から5μm以下が好ましく、3μm以下がより
好ましい。
【0013】この無機微粒子の含有量が0.05質量%
より少ない場合は無機微粒子による光反射率が低下しハ
レーション防止効果が十分に得られない。またモノフィ
ラメント表面の摩擦係数が大きくなり、製織時擦過によ
って発生するスカムの抑制効果が十分に得られない。こ
のため、モノフィラメント表面の摩擦係数は0.40以
下(対鏡面金属摩擦)とすることが望ましい。一方、含
有量が1.0質量%を越える場合は、製糸性低下の原因
となり、また紡糸工程においての濾過圧上昇率が大きく
なりすぎ紡糸工程でのパックの交換周期が短くなるため
好ましくない。さらに得られた複合繊維の強度が低下し
高次加工において毛羽、単糸切れなど品位の低下を招き
好ましくない。加えて製織工程において綜絖、筬羽の摩
耗を促進するため好ましくない。
【0014】なお目的や用途によって芯成分にも無機微
粒子を添加することはなんら問題ないが、その場合にお
いても、添加する無機微粒子の種類、量などについては
鞘成分の場合と同様に1.0質量%以下であることが好
ましい。ただし無機微粒子添加量の下限値については特
に規制はなく添加されていなくてもよい。
【0015】本発明のポリエステルモノフィラメント
は、精密印刷に適した高強力モノフィラメントであり、
破断強度は5.74CN/dtex以上である。破断強
度5.74CN/dtex以上とすることにより、製織
性の低下や紗伸びなどの発生を抑え高い寸法安定性を得
ることができる。また破断伸度は15.0〜30.0
%、10%伸長時モジュラス(以下10%Mo)は4.
85〜6.18CN/dtexである。これにより芯鞘
複合型モノフィラメントの表面結晶化度が必要以上に高
くなることを防止でき製織時のスカム発生量を抑えるこ
とができ、かつ高い寸法安定性を得ることができるので
ある。
【0016】本発明において、複合モノフィラメントの
色調(L値)は製織後、乳剤を塗布し、感光、硬化させ
る際に照射光のハレーションを抑えて印刷精度の悪化を
防止するという観点から、70≦L≦80にすることが
好ましい。色調(L値)はポリマーを重合する際の触媒
処方や鞘成分に添加する無機粒子の量によって調整でき
る。色調(L値)を70以上とすることで充分なハレー
ション抑制効果が得られる。
【0017】本発明においては芯成分に用いるポリエス
テルはポリエチレンテレフタレートである必要がある。
また鞘成分に用いるポリエステルは、モノフィラメント
表面の結晶化度を低下させてスカムの発生を抑制する効
果を得るためにエチレンテレフタレートを主成分とする
共重合ポリエステルであることが必要である。ここで共
重合ポリエステルとなすために用いられる好適な共重合
体としては、イソフタル酸、アジピン酸、ダイマ酸など
のジカルボン酸、ジエチレングリコール、ブタンジオー
ルなどの低分子量グリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレ
ングリコール類などがあるが、このなかでポリアルキレ
ングリコールが製糸性、および結晶化を抑制させてスカ
ム発生を抑制する効果が十分に得られるという点で好ま
しい。
【0018】ポリアルキレングリコールを使用する場合
は、その共重合量は3.0〜10.0重量%とすること
が好ましい。共重合量を3.0重量%以上とすることで
充分な結晶化度低下の効果を得ることができ、充分な削
れの抑制効果を引き出すことができるのである。
【0019】本発明においては、芯成分、鞘成分ともに
ポリエステルであるため、ポリエステル/ナイロン複合
糸に度々発生するような複合界面での剥離という現象は
起きにくい。しかしながら芯成分:鞘成分の複合比率を
95:5〜70:30とすることで、芯の一部が表面に
露出し鞘成分によるスカム抑制効果の低下を発生するこ
とを防止できるため好ましい。この効果は芯成分:鞘成
分の複合比率を90:10〜75:25とすることでよ
り好ましくなる。
【0020】本発明の芯鞘型複合モノフィラメントを得
るための製法は、従来周知の複合紡糸技術を利用するこ
とによって製造できる。すなわち芯成分および鞘成分を
形成するポリマーをそれぞれ独立に溶融、計量、濾過し
た後、口金を用いて芯鞘複合糸となるように合流、複合
させ同一吐出孔から吐出させることによって得られる。
なお高強力化するために延伸工程が必要となるが、一度
未延伸糸として巻き取った後に改めて延伸工程を経て高
強力の延伸糸を得る方法や、紡糸した後巻き取りをせず
に直接延伸を行い、延伸糸を得る方法などどのような方
法でもかまわない。
【0021】なお、モノフィラメントを紡糸する際にポ
リマー濾過層に不織布フィルターを用いることによっ
て、熱劣化によってポリマー配管内やパック内で発生す
るゲル化したポリマーを濾過・除去、もしくは分散する
ことができるため好ましい。ポリエステルの紡糸におい
ては、ゲル化したポリマーは紡糸工程での糸切れや延伸
工程での糸切れ、単糸巻き付きなど製糸性低下の原因に
なるばかりでなく、ゲル化したポリマーが単糸に混入す
ることにより他の部分より糸の太さが異なる、いわゆる
節の発生原因になる。これがモノフィラメントにおいて
はスクリーン紗の目開きの均一性に関わる糸太さの均一
性の低下の原因となるが、不織布フィルターを用いてゲ
ル化したポリマーを濾過・除去もしくは分散させること
によって防止することができる。また使用している無機
微粒子の凝集体を均一分散する効果もあり、凝集による
糸切れや品位の低下などを防止することができる。
【0022】さらに、モノフィラメントを紡糸する際に
使用する口金は、吐出孔を2個以上有し、かつそのすべ
ての吐出孔が口金中心から同距離に配置されているもの
を用いることが望ましい。一般的にモノフィラメントの
ポリマー吐出量はマルチフィラメントに比べて少なく、
そのため紡糸機内のポリマー滞留時間が長くなる傾向が
ある。これにより前述した熱劣化によるポリマーのゲル
化が進んでしまう現象が見られる。このため吐出孔を2
個以上持つ口金を使用することにより、一口金当たりの
ポリマー吐出量を多くでき、ポリマー滞留時間を短くす
ることができるため、熱劣化によるゲル化ポリマーの発
生を抑制することができる。また熱によるIV低下も同
時に抑制できるため、モノフィラメントの強度低下も合
わせて防止できる。なお、このような口金を使用し、吐
出量を多くすることでポリマー滞留時間を短くできる
が、ポリマーが熱履歴を受けるのはパック、口金部分の
みではなく溶融されてから口金から吐出されるまでの時
間が問題となってくる。従ってIV低下やゲル化の抑制
のため、溶融されてから口金から吐出されるまでの通過
時間を60min.以内とすることがより好ましい。
【0023】また、合わせてポリマー吐出孔が口金中心
から同距離に配置されている口金を用いることにより、
各吐出孔へのポリマーの分配性や口金温度履歴がどの吐
出孔も同一とすることができるため、スクリーン紗用モ
ノフィラメントとして必要な糸太さの均一性が得られる
ため好ましい。
【0024】製造方法としては、上記本発明の芯鞘型複
合モノフィラメントを得られる方法であれば特に限定は
しない。以下にその製法の一例を挙げる。芯成分用ポリ
マーとしてポリエチレンテレフタレートを、鞘成分用ポ
リマーとしてポリエチレングリコールを5〜9重量%共
重合した共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、こ
れらを融点以上に加熱し、溶融させて、紡糸温度290
〜300℃で同一口金より芯成分が鞘成分により完全に
覆われるように複合させ、吐出させる。これを冷却、固
化した後、900〜1200m/min.で巻き取りし
て未延伸糸を得る。これを90℃および150℃に加熱
された一対のホットローラーを用いて、延伸倍率4.0
倍以上で延伸することにより本発明の芯鞘複合糸が得ら
れる。
【0025】
【実施例】以下に実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが本発明はそれにより限定されない。な
お実施例および比較例中における各測定値は以下の方法
により測定および判定した値である。 A.スカム発生度合い判定 スルーザー織機を使用し、織機の回転数を350rpm
としてメッシュ織物を製織する。その際に筬の汚れを目
視で観察し、スカムの付着状況や周囲への飛散状況を確
認する。その上でこれ以上製織の続行が不可能と判断さ
れる時点での製織長さを評価値とした。すなわち、この
製織長さが短いほどスカムの発生状況が多いことを示し
ている。 B.色調(L値) 得られた延伸糸(ボビン)をスガ試験器製SM−4型カ
ラーコンピューターでL値を測定した。 C.複合比 評価すべきフィラメントを採取し、横断面を顕微鏡を用
いて芯成分、鞘成分ポリマーの吐出量により任意の倍率
に拡大して写真撮影をする。この写真を用いて芯成分と
鞘成分の断面積比より複合比を求める。 実施例1および比較例1 芯成分ポリマーとしてポリエチレンテレフタレートを、
鞘成分ポリマーとしてポリエチレングリコールを7.5
重量%共重合し、酸化チタンを0.30重量%添加した
共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、これらを個
別に融点以上に加熱し、溶融させて、紡糸温度295℃
で吐出孔が口金中心から同距離にある4つの吐出孔か
ら、芯成分が鞘成分により完全に覆われるように複合比
80:20で複合させ、吐出させる。これを冷却、固化
した後、1000m/min.で巻き取りして未延伸糸
を得る。これを90℃および150℃に加熱された一対
のホットローラーを用いて、延伸倍率4.3倍で延伸す
ることにより繊度8dtexの芯鞘型複合モノフィラメ
ントを得た。
【0026】また、同様の製法で共重合成分の量および
種類を変えたもの、無機微粒子の添加量および種類を変
えたものを製糸し、スカム発生状況、ハレーション抑制
効果、および製糸性を評価した(実験No.3)。
【0027】実験No.2、3、4、6、7、8、9、
10、11については本発明であり、いずれの水準にお
いてもスカム発生量は少なく、ハレーション抑制効果も
有し、製糸性も良好であった。なお、この中で実験N
o.3と比較して、実験No.6についてはハレーショ
ン抑制効果がやや劣っており、また、実験No.7、8
および9については、スカムの発生量がやや多い傾向が
見られた。また、実験No.11については製糸性がや
や不良な傾向が見られた。
【0028】実験No.1については無機微粒子の添加
量が0のため、ハレーション抑制効果が低く印刷精度に
問題があった。実験No.5については無機微粒子の添
加量が多く、製糸性の低下や糸強度の低下が見られた。
【0029】
【表1】 実施例2 実施例1、実験No.3と同様のポリマーを用い、同様
の製法で繊度8dtexの芯鞘複合モノフィラメントを
製造する際に、延伸倍率を種々変更して破断強度、破断
伸度、および10%Moを変化させた表2記載の水準を
得た。また、芯と鞘の複合比を変更したもの、さらに、
重合触媒処方や無機粒子の添加量の調整などにより色調
(L値)を変更させたものを得た。この後これらを用い
て実施例1と同様の方法でスカム発生状況、寸法安定
性、ハレーションの発生状況の評価を実施した。
【0030】実験No.12〜22については実施例で
あるが、この中で特に実験No.14、15、19およ
び21については、他の水準と比較していずれもスカム
発生が少なく、寸法安定性やハレーション発生状況も良
好で高い印刷精度が得られた。
【0031】
【表2】 実施例3 実施例1、実験No.3と同様のポリマーを用い、同様
の製法で繊度8dtexの芯鞘複合モノフィラメントを
製造する際に、吐出孔数、吐出孔配列の異なる口金を用
いて、またポリマー濾過層に不織布フィルターを使用し
たものと使用しないものとを準備して製糸を行ない、表
3に記載の水準を得た。この際の製糸性と得られたモノ
フィラメントの糸強度、節の発生状況の評価を実施し
た。
【0032】実験No.31から36については実施例
であるが、この中で、特に実験No.31および32に
おいては他の水準と比較して製糸性が良好で、節の発生
も見られず糸強度も目的のものが得られた。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明において得られたポリエステルモ
ノフィラメントは、従来のモノフィラメントでは得られ
なかった優れた寸法安定性、スカム抑制効果、ハレーシ
ョン抑制効果を有し、高強度、高モジュラスであり細デ
ニール化に対応できる。このポリエステルモノフィラメ
ントはスクリ−ン紗用途として、その優れた寸法安定性
や高強度、高モジュラスという特性を生かして、電子基
板など精密印刷に必要なハイメッシュ化が可能であり、
スカム抑制効果、ハレーション抑制効果のより、スクリ
ーン紗の製織工程の安定化と品位の向上が可能であるた
め、スクリーン紗用の原糸として適した素材となる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L041 AA07 AA20 BA02 BA05 BA21 BA46 BC17 BC20 BD02 BD14 BD20 CA06 CA16 CB05 CB25 DD01 DD15 DD21 4L045 AA05 BA02 BA18 BA49 BA50 BA52 BA60 CA25 CB13 DA42 DA60 DC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯部がポリエチレンテレフタレート、鞘部
    がエチレンテレフタレートを主成分とする共重合ポリエ
    ステルであり、破断強度が5.74CN/dtex以
    上、破断伸度が15.0〜30.0%、10%伸長時モ
    ジュラスが4.85〜6.18CN/dtexである芯
    鞘型複合モノフィラメントであり、少なくとも鞘部に無
    機微粒子を0.05〜1.0重量%含有していることを
    特徴とするスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメン
    ト。
  2. 【請求項2】無機微粒子が酸化チタンであることを特徴
    とする請求項1記載のスクリーン紗用ポリエステルモノ
    フィラメント。
  3. 【請求項3】芯鞘型複合モノフィラメントの色調(L
    値)が70〜80であることを特徴とする請求項1又は
    2記載のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメン
    ト。
  4. 【請求項4】鞘部の共重合ポリエステルがポリアルキレ
    ングリコールを3.0〜10.0重量%共重合すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスクリ
    ーン紗用ポリエステルモノフィラメント。
JP32195899A 1999-11-12 1999-11-12 スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント Pending JP2001140128A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32195899A JP2001140128A (ja) 1999-11-12 1999-11-12 スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32195899A JP2001140128A (ja) 1999-11-12 1999-11-12 スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001140128A true JP2001140128A (ja) 2001-05-22

Family

ID=18138336

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32195899A Pending JP2001140128A (ja) 1999-11-12 1999-11-12 スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001140128A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004316067A (ja) * 2001-02-20 2004-11-11 Hiraoka & Co Ltd プリント用複層糸条メッシュシート
JP2008101287A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Teijin Fibers Ltd スクリーン紗用モノフィラメント
JP2009079347A (ja) * 2008-10-20 2009-04-16 Kb Seiren Ltd ポリエステル複合モノフィラメント
JP2009256822A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Teijin Fibers Ltd スクリーン紗用モノフィラメント
JP2010077563A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Toray Ind Inc ポリエステルモノフィラメント
JP2012117196A (ja) * 2012-01-06 2012-06-21 Teijin Fibers Ltd スクリーン紗用モノフィラメント
JP2020056121A (ja) * 2018-09-29 2020-04-09 Kbセーレン株式会社 スクリーン紗用モノフィラメント及びその製造方法
JP2020090758A (ja) * 2018-12-07 2020-06-11 Kbセーレン株式会社 スクリーン紗用モノフィラメントの製造方法
CN112752873A (zh) * 2018-09-27 2021-05-04 东丽株式会社 丝网纱用聚酯单丝及直接数字制版用网眼织物

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004316067A (ja) * 2001-02-20 2004-11-11 Hiraoka & Co Ltd プリント用複層糸条メッシュシート
JP2008101287A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Teijin Fibers Ltd スクリーン紗用モノフィラメント
JP2009256822A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Teijin Fibers Ltd スクリーン紗用モノフィラメント
JP2010077563A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Toray Ind Inc ポリエステルモノフィラメント
JP2009079347A (ja) * 2008-10-20 2009-04-16 Kb Seiren Ltd ポリエステル複合モノフィラメント
JP2012117196A (ja) * 2012-01-06 2012-06-21 Teijin Fibers Ltd スクリーン紗用モノフィラメント
CN112752873A (zh) * 2018-09-27 2021-05-04 东丽株式会社 丝网纱用聚酯单丝及直接数字制版用网眼织物
EP3859057A4 (en) * 2018-09-27 2023-04-05 Toray Industries, Inc. POLYESTER MONOFILAMENT FOR SIEVE CLOTH AND WOVEN MESH CLOTH FOR DIRECT DIGITAL PLATE MANUFACTURING
JP2020056121A (ja) * 2018-09-29 2020-04-09 Kbセーレン株式会社 スクリーン紗用モノフィラメント及びその製造方法
JP7045297B2 (ja) 2018-09-29 2022-03-31 Kbセーレン株式会社 スクリーン紗用モノフィラメント及びその製造方法
JP2020090758A (ja) * 2018-12-07 2020-06-11 Kbセーレン株式会社 スクリーン紗用モノフィラメントの製造方法
JP7045305B2 (ja) 2018-12-07 2022-03-31 Kbセーレン株式会社 スクリーン紗用モノフィラメントの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1464737B1 (en) Composite fiber
JP2001140128A (ja) スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント
JP3778088B2 (ja) スクリーン紗用芯鞘型複合ポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法
JP2011157646A (ja) ポリエステル極細繊維
JP2005226171A (ja) 混繊糸およびそれからなる繊維製品
JP2544783B2 (ja) 複合繊維及びその製造方法
JP3778086B2 (ja) スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントおよび製造方法
JP2005133250A (ja) 芯鞘複合繊維
EP1143050B1 (en) Polyester monofilament for screen gauze
JP2000220032A (ja) 極細ポリエステルマルチフィラメント糸、混繊糸および織編物
JPH08188923A (ja) 表面に凸部を有する芯鞘型複合繊維
JP2005200593A (ja) ペレット
EP0330766A1 (en) Multi-layered conjugated acrylic fibers and the method for their production
JP2011157647A (ja) ワイピングクロス
JP2001355123A (ja) スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント
KR950007817B1 (ko) 폴리에스테르 복합모노필라멘트로 되는 스크린 견직물
JP2005047020A (ja) スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント
JPH02289120A (ja) スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント
JP2004211221A (ja) スクリーン紗用芯鞘型複合ポリエステルモノフィラメントおよびその製造方法ならびにスクリーン印刷用メッシュ織物
JP4710227B2 (ja) ペレット
US20240110314A1 (en) Conjugate fiber and multifilament
WO2022186157A1 (ja) 芯鞘複合繊維および繊維構造体
JPWO2018079567A1 (ja) ナノボイドポリエステル繊維
JP2007169826A (ja) 融着網用ポリエステル織編物およびポリエステル融着網
JP4348822B2 (ja) スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントの製造方法