JP3032687B2 - ウエビング巻取装置 - Google Patents

ウエビング巻取装置

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JP3032687B2
JP3032687B2 JP6260065A JP26006594A JP3032687B2 JP 3032687 B2 JP3032687 B2 JP 3032687B2 JP 6260065 A JP6260065 A JP 6260065A JP 26006594 A JP26006594 A JP 26006594A JP 3032687 B2 JP3032687 B2 JP 3032687B2
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隆行 安藤
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • B60R22/36Belt retractors, e.g. reels self-locking in an emergency
    • B60R22/415Belt retractors, e.g. reels self-locking in an emergency with additional means allowing a permanent locking of the retractor during the wearing of the belt

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シートベルト装置に用
いられ、車両急減速時にのみ巻取軸のウエビング引出方
向回転を阻止する状態と、ウエビングが所定量引き出さ
れた後は常にウエビングの引出しを阻止する状態と、を
使い分けることができるウエビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】車両に
配設されるウエビング巻取装置には、必要時にウエビン
グの引出方向回転を阻止するロック機構が内蔵されてい
る。
【0003】この種のロック機構を備えたウエビング巻
取装置には、通常はウエビングの巻取り及び引出しが可
能で、車両急減速時になると加速度センサによってこれ
を感知し瞬時に巻取軸のウエビング引出方向回転を阻止
する所謂ELRと、ウエビングが所定量引き出された後
はその後のウエビングの引出しを常に阻止する所謂AL
Rとがある。
【0004】ここで、これらのELRとALRとが併設
されたウエビング巻取装置が既に本件出願人により案出
されている(一例として、実開平3−121059号公
報参照)。
【0005】この公報に開示されたウエビング巻取装置
では、巻取軸に追従して回転すると共に回転が阻止され
ることによりロック手段を作動させ巻取軸のウエビング
引出方向回転を阻止するロック輪と、このロック輪に対
して通常は離間した位置に位置されるが車両急減速時に
なるとロック輪に係合してその回転を阻止するELRレ
バーと、ロック輪に係合する係合位置及びロック輪に対
して離間する離間位置に選択的に保持されるALRレバ
ーと、を備えている。さらに、このALRレバーの位置
を切り換えるための解除ギヤが、巻取軸に対して同軸的
に配置されている。
【0006】この解除ギヤは巻取軸が回転すると減速さ
れて反対方向へ回転するようになっており、ウエビング
がほぼ全量引出し状態とされることによりALRレバー
を離間位置から係合位置に切換え、またウエビングがほ
ぼ全量巻取り状態とされることによりALRレバーを係
合位置から離間位置に切り換えるように構成されてい
る。
【0007】ところで、必要に応じてELR、ALRの
切換えが可能とされた上述したウエビング巻取装置で
は、ウエビング長の裁断誤差、組付誤差等を考慮し、完
全なウエビング全量引出状態でELRからALRに切り
換えられる構成を避け、ある程度余裕のあるタイミング
でELRからALRへの切換が行われる構成を採用して
いる。つまり、ウエビングが全量引出状態とされる直前
の状態(全量引出状態から20〜100mm程度手前の
位置)で、ELRからALRに切り換えられるように、
解除ギヤとALRレバーとの係合関係が設定されてい
る。従って、ウエビングの使用可能な長さにバラツキが
生じると共に、常に使用しない部分(切換位置から巻取
軸へのウエビング係止端部までの部分)が巻取軸への余
巻きとして残ることになる。このため、この余巻きとし
て残る部分を見込んでウエビングの裁断長を設定するこ
とになるので、ウエビングの裁断長が長くなり、コスト
アップの要因となっている。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、ELRからA
LRへの切換を適切に行うことができ、かつ余巻きとし
て残る部分を無くすことができるウエビング巻取装置を
得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、乗員拘束用のウエビングを付勢力で層状に巻取る巻
取軸と、この巻取軸のウエビング引出方向回転を停止さ
せるロック手段と、通常はロック手段に対して離間した
位置に保持され、車両急減速時にロック手段に係合する
ことによりロック手段を作動させて巻取軸のウエビング
引出方向回転を停止させるELRレバーと、付勢手段に
よって支軸方向への付勢力を受けた状態で当該支軸回り
に揺動可能に保持されたレバー本体と、このレバー本体
に設けられロック手段に対して係合可能な係合部とを含
んで構成され、付勢力の作用方向が付勢手段と支軸とを
結ぶ方向に対してロック手段側にある場合には、当該付
勢力によって係合部をロック手段へ係合させる第1の位
置に保持され、付勢力の作用方向が付勢手段と支軸とを
結ぶ方向に対して反ロック手段側にある場合には、当該
付勢力によって係合部をロック手段から離間させる第2
の位置に保持されるALRレバーと、巻取軸に対して同
軸的に配置されると共に巻取軸が回転することにより減
速回転し、所定量回転した時点でALRレバーの位置を
選択的に切り換える切換手段と、を有するウエビング巻
取装置であって、ウエビングが全量引出直前状態になっ
た時点で付勢手段の付勢力の作用方向が反ロック手段側
からロック手段側へ反転され、さらに、ウエビングが全
量引出直前状態を越えて全量引出状態になるまではAL
Rレバーに干渉することで当該ALRレバーが第1の位
置に至るのを阻止し、ウエビングが全量引出状態から若
干巻き取られた時点でALRレバーに対する干渉を解消
して当該ALRレバーが第1の位置に至るのを許容する
阻止手段を備えている、ことを特徴としている。
【0010】
【0011】請求項2記載の本発明は、乗員拘束用のウ
エビングを付勢力で層状に巻取る巻取軸と、この巻取軸
のウエビング引出方向回転を停止させるロック手段と、
通常はロック手段に対して離間した位置に保持され、車
両急減速時にロック手段に係合することによりロック手
段を作動させて巻取軸のウエビング引出方向回転を停止
させるELRレバーと、付勢手段によって支軸方向への
付勢力を受けた状態で当該支軸回りに揺動可能に保持さ
れたレバー本体と、このレバー本体に設けられロック手
段に対して係合可能な係合部とを含んで構成され、付勢
力の作用方向が付勢手段と支軸とを結ぶ方向に対してロ
ック手段側にある場合には、当該付勢力によって係合部
をロック手段へ係合させる第1の位置に保持され、付勢
力の作用方向が付勢手段と支軸とを結ぶ方向に対して反
ロック手段側にある場合には、当該付勢力によって係合
部をロック手段から離間させる第2の位置に保持される
ALRレバーと、巻取軸に対して同軸的に配置されると
共に巻取軸が回転することにより減速回転し、所定量回
転した時点でALRレバーの位置を選択的に切り換える
切換手段と、を有するウエビング巻取装置であって、A
LRレバーの一部に、切換手段の径方向内側へ向けて延
出されかつ湾曲したアーム状に形成されることで弾性変
形可能な切換爪と、当該切換爪の先端部から切換手段側
へ突出された係止突起とを備えた弾性変形部を設け、さ
らに、ウエビングが全量引出状態になる直前の状態で切
換手段の一部が第2の位置にあるALRレバーにおける
弾性変形部の係止突起に干渉しかつ当該切換手段の一部
から径方向外側への押圧力が当該係止突起に作用するこ
とにより切換爪がより湾曲する方向へ弾性変形して当該
係止突起に当該切換手段の一部を相対的に乗り越えさせ
ることでALRレバーの位置が第2の位置から第1の位
置へ切り換えられるのを阻止し、ウエビングが全量引出
状態から若干巻き取られた時点で当該切換手段の一部に
当該係止突起を係合させてALRレバーの位置を第2の
位置から第1の位置へ切り換える、ことを特徴としてい
る。
【0012】
【作用】請求項1記載の本発明の作用は、以下の通りで
ある。
【0013】本発明に係るウエビング巻取装置をELR
として使用する場合には、ウエビングを巻取軸から引き
出して装着すればよい。この場合、ELRレバーはロッ
ク手段に対して離間した位置に保持されている。また、
乗員のウエビング装着状態程度では、ウエビングの引出
状態が全量引出直前状態に至っていないので、付勢手段
の付勢力の作用方向は反ロック手段側にある。このた
め、ALRレバーは、付勢手段の付勢力によって第2の
位置に保持されている。この状態から、車両急減速状態
になるとELRレバーがロック手段に係合される。この
ため、ロック手段が作動して巻取軸のウエビング引出方
向回転が停止される。従って、ウエビングは装着状態以
上には引き出されない。
【0014】一方、本発明に係るウエビング巻取装置を
ALRとして使用する場合には、まずウエビングを全量
引出状態にする。ここで、従来では、ウエビングの裁断
誤差、組付誤差等に対する配慮からウエビングを全量引
出状態にしようにもそれ以前に切換手段によってALR
レバーが第2の位置から第1の位置へ切り換えられる構
成であった。しかし、本発明によれば、ウエビングが全
量引出直前状態になった時点で、付勢手段の付勢力の作
用方向が反ロック手段側からロック手段側へ反転され
る。なお、この付勢手段の付勢力の作用方向の反転とい
う動作は、巻取軸の回転に伴って減速回転し、ALRレ
バーの位置を選択的に切り換える切換手段によって行わ
れる。上記の切換動作、つまりは付勢手段の付勢力の作
用方向の反転動作によって、ALRレバーは第2の位置
から第1の位置へ至ろうとするが、本発明ではウエビン
グが全量引出直前状態を越えて全量引出状態になるまで
は、阻止手段がALRレバーに干渉し、この状態が維持
されることによりALRレバーが第1の位置へ至るのが
阻止される。つまり、本発明による場合、第2の位置と
第1の位置との間、より詳しくは付勢手段と支軸とを結
ぶ方向(付勢手段の中立位置方向)と第1の位置との間
に第3の位置とも言うべき非係合位置が存在し、当該第
3の位置にALRレバーが保持されることになる。そし
て、この状態が維持されている間はウエビングを全量引
き出すことが可能であるため、ウエビングを全量引出状
態とし、更にその後、ウエビングが全量引出状態から若
干巻き取られた時点で、阻止手段のALRレバーに対す
る干渉が解消される。これにより、ALRレバーは付勢
手段の付勢力によって第1の位置に至り、結果的にはA
LRレバーの位置が第2の位置から第1の位置に切り換
えられる。従って、本発明によれば、ELRからALR
への切換が適切に行われると共に、巻取軸に対する余巻
きがゼロになり無駄な部分が無くなる。また、これによ
り、ウエビングの使用可能な長さにバラツキが生じるこ
ともなくなる。この結果、ウエビングの裁断長を従来よ
りも余巻き部分が無くなった分だけ短くすることがで
き、コストダウンを図ることができる。
【0015】なお、ALRレバーが第2の位置から第1
の位置に切り換えられると、ALRレバーの係合部がロ
ック手段に係合される。このため、ロック手段が作動し
て、巻取軸のウエビング引出方向回転が停止される。従
って、ウエビングはそれ以上引き出されることはない。
また、本発明によれば、付勢手段の付勢力の作用方向が
反ロック手段側からロック手段側へ反転された上で、A
LRレバーが第1の位置に至るのを阻止する構成である
ため、その後のELRからALRへの切換動作が確実に
なされる。
【0016】請求項2記載の本発明の作用は、以下の通
りである。
【0017】
【0018】
【0019】本発明に係るウエビング巻取装置をELR
として使用する場合には、ウエビングを巻取軸から引き
出して装着すればよい。この場合、ELRレバーはロッ
ク手段に対して離間した位置に保持されている。また、
乗員のウエビング装着状態程度では、ウエビングの引出
状態が全量引出直前状態に至っていないので、付勢手段
の付勢力の作用方向は反ロック手段側にある。このた
め、ALRレバーは、付勢手段の付勢力によって第2の
位置に保持されている。この状態から、車両急減速状態
になるとELRレバーがロック手段に係合される。この
ため、ロック手段が作動して巻取軸のウエビング引出方
向回転が停止される。従って、ウエビングは装着状態以
上には引き出されない。一方、本発明に係るウエビング
巻取装置をALRとして使用する場合には、まずウエビ
ングを全量引出状態にする。ここで、従来では、ウエビ
ングの裁断誤差、組付誤差等に対する配慮からウエビン
グを全量引出状態にしようにもそれ以前に切換手段によ
ってALRレバーが第2の位置から第1の位置へ切り換
えられる構成であった。これを本発明に当てはめて考え
ると、仮にALRレバーに弾性変形部が設けられていな
かったとすると、ウエビングが全量引出直前状態になっ
た時点で、切換手段の一部がALRレバーに係合し、こ
の状態のまま切換手段が回転することによりALRレバ
ーも切換手段の一部に引っ張られて、付勢手段の付勢方
向が反転しALRレバーが第2の位置から第1の位置へ
と切り換えられることになる。しかし、本発明によれ
ば、ALRレバーの一部に、切換手段の径方向内側へ向
けて延出されかつ湾曲したアーム状に形成されることで
弾性変形可能な切換爪と、当該切換爪の先端部から切換
手段側へ突出された係止突起とを備えた弾性変形部を設
けたので、切換手段との関係において以下の作用が得ら
れる。すなわち、ウエビングが全量引出状態になる直前
の状態までは、切換手段の一部は第2の位置にあるAL
Rレバーにおける弾性変形部の係止突起と干渉すること
はない。この状態からウエビングが全量引出直前状態に
なると、切換手段の一部が第2の位置にあるALRレバ
ーにおける弾性変形部の係止突起と干渉する。このと
き、切換手段の一部から径方向外側への押圧力が当該係
止突起に作用し、これにより切換爪がより湾曲する方向
へ弾性変形される。そうすることで、第2の位置にある
ALRレバーの弾性変形部の係止突起は、自身と干渉し
ていた切換手段の一部を相対的に乗り越えていく。従っ
て、ALRレバーは依然として第2の位置に保持され、
即ちALRレバーの位置が第2の位置から第1の位置へ
切り換えられるのを阻止することができる。よって、本
発明によっても、ウエビングを全量引き出すことが可能
である。そして、ウエビングが全量引出状態から若干巻
き取られた時点で、再び切換手段の一部とALRレバー
の弾性変形部の係止突起とが干渉するが、この場合には
弾性変形部の係止突起は当該切換手段の一部に係合する
ことにより、ALRレバーの位置が第2の位置から第1
の位置へ切り換えられる。従って、本発明においても、
巻取軸に対する余巻きがゼロになると共にウエビングの
使用可能な長さのバラツキを解消することができ、ウエ
ビングの裁断長を従来よりも短くしてコストダウンを図
ることができる。
【0020】また、本発明によれば、ALRレバーに弾
性変形部を設ける構成であるので、部品点数が増えない
というメリットもある。
【0021】
【実施例】〔第1実施例〕 以下、図1〜図4を用いて、第1実施例について説明す
る。なお、この第1実施例は、請求項1記載の本発明の
一実施例に相当する。
【0022】第1図には、本実施例に係るウエビング巻
取装置10の分解斜視図が示されている。
【0023】このウエビング巻取装置10ではフレーム
12が図示しない取付ボルトによって車体へ固着されて
いる。フレーム12には、両側部から一対の脚板部12
Aが互いに平行に延出されている。
【0024】これらの脚板部12Aには、巻取軸14が
軸支されている。さらに、この巻取軸14の中央部には
その半径方向に貫通する貫通孔16が形成されており、
この貫通孔16内へ乗員拘束用のウエビング(図示省
略)の一端が係止されている。また、巻取軸14の後端
にはゼンマイばね18の一端が係止されており、巻取軸
14を常にウエビング巻取方向(図2の矢印A方向)に
付勢している。このため、通常は、ウエビングは巻取軸
14へ層状に巻取られており、これを引出してウエビン
グ端部に取付けられたタングプレートを車体へ取付けら
れたバックル装置に係合させることにより乗員はウエビ
ングの装着状態となることができる。
【0025】巻取軸14の先端には二股状に分かれた突
出部20が形成されており、更に伝達部材22が嵌着す
るようになっている。伝達部材22の中央からは突出部
24が突出しており、先端にはピニオンギヤ26が形成
されている。また、突出部24の基部近傍には透孔30
が穿設されており、伝達部材22が巻取軸14の先端に
嵌着された際に突出部20がこの透孔30を貫通した後
さらに伝達部材22から突出して配置される構成となっ
ている。
【0026】突出部24の周囲には、ロック手段の一部
を構成する一対のロックプレート32が配置されてい
る。これらのロックプレート32は、それぞれ中央部に
略U字形の切欠凹部34が形成された略C字形となって
おり、この切欠凹部34内へ前記巻取軸14の突出部2
0が対応して巻取軸14と共に回転するようになってい
る。この切欠凹部34の幅寸法は突出部20の幅寸法よ
りも若干大きく形成されており、ロックプレート32が
巻取軸14に対して所定角度だけ相対回転可能となって
いる。
【0027】これらのロックプレート32の一端にはそ
れぞれ爪部36が形成されており、脚板部12Aに固着
されロックプレート32と共にロック手段を構成する内
歯ラチェットホイル38のロック歯38Aと対応してい
る。
【0028】さらに、ロックプレート32にはそれぞれ
一対のピン40が突出しており、ロック輪42に形成さ
れる長孔44内へ挿入されている。このロック輪42は
伝達部材22の突出部24に軸支される大径の外歯ラチ
ェットホイルで、巻取軸14に対して相対回転可能とな
っている。ロック輪42の外周にはラチェット歯46が
形成されている。このロック輪42は、図示しない捩じ
りコイルスプリングの付勢力を受けて常に巻取軸14の
ウエビング引出回転方向(図2の矢印B方向)へ付勢さ
れている。従って、通常はロックプレート32のピン4
0は長孔44の一端側に位置し、ロックプレート32の
爪部36はロック歯38Aから離間した状態となってい
る。しかし、このロック輪42は、ウエビング引出方向
に回転する巻取軸14との間に相対回転が生ずると捩じ
りコイルスプリングの付勢力に抗して回転遅れを生じ、
この回転遅れ時にロックプレート32のピン40を長孔
44の他端側へ案内し、これによって爪部36をロック
歯38Aへ噛み合わせるようになっている。
【0029】ロック輪42の直下の脚板部12Aにはセ
ンサホルダ62が固着されており、ELRレバー64、
加速度センサ66、及びALRレバー68がそれぞれ組
付けられている。
【0030】ELRレバー64は略L字形で、センサホ
ルダ62の一端に突出形成された支軸70に回転可能に
軸支されている。ELRレバー64は腕部72を備えて
おり、この腕部72の先端は上方へ向いて屈曲する係合
部74となっており、加速度センサ66の作動時に回転
駆動されてロック輪42のラチェット歯46へ噛み合
い、ロック輪42の回転を停止させるようになってい
る。
【0031】加速度センサ66は円柱形状の取付突起8
0を有するケース78を備えており、この取付突起80
がセンサホルダ62の受部82へ嵌入されることにより
取付けられている。さらに、ケース78の底部には円錐
台凹面状の円錐受部84が形成されており、この円錐受
部84内へ配置されたボール86が加速度作用時に円錐
受部84内を登り上がるようになっている。
【0032】加速度センサ66へ軸支されたアクチュエ
ータ88は、一端がボール86上に載置されており、ボ
ール86によって押上げられると他端がELRレバー6
4を支軸70周りに回転させて、ELRレバー64の係
合部74をロック輪42のラチェット歯46へ噛み合わ
せるようになっている。
【0033】一方、ALRレバー68は、レバー本体1
00を備えている。レバー本体100の上端部には小孔
102が形成されており、この小孔102内へセンサホ
ルダ62の一端に突出形成された支軸104が挿入され
ている。これにより、ALRレバー68は、支軸104
に回転可能に軸支されている。また、レバー本体100
の上端部には、斜め下方へ向けて湾曲して突出する切換
爪106が一体に形成されている。さらに、レバー本体
100の下端部側面には爪状の段部が形成されており、
この段部が係合爪108とされている。この係合爪10
8はロック輪42のラチェット歯46と対応しており、
所定の場合にロック輪42のラチェット歯46へ噛み合
うようになっている。
【0034】またさらに、レバー本体100の下端部に
は円柱形状の係止突起110が形成されており、この係
止突起110に圧縮コイルスプリング114の一端が係
止されている。さらに、圧縮コイルスプリング114の
他端は、センサホルダ62に形成されたU字形のスプリ
ング収容部116の底部に当接係止されている。このた
め、圧縮コイルスプリング114は、ALRレバー68
の支軸104と圧縮コイルスプリング114の他端とを
結ぶ線分に対して、圧縮コイルスプリング114の付勢
力を受けるALRレバー68の係止突起110が図上右
側に位置するか図上左側に位置するかによって、係合爪
108がロック輪42のラチェット歯46に噛み合う第
1の位置(図4図示位置)或いは係合爪108がロック
輪42のラチェット歯46から離間する第2の位置(図
2図示位置)のいずれかにALRレバー68を選択的に
保持するスナップアクションを構成している。なお、必
ずしも圧縮コイルスプリング114を用いる必要はな
く、板ばね等によってスナップアクションを構成するこ
とも可能であり、ALRレバー68を第1の位置、第2
の位置に選択的に保持する付勢手段であればよい。
【0035】ALRレバー68の切換爪106には、伝
達部材22の突出部24に軸支された切換カム118が
対応している。切換カム118は薄型かつ有底円筒状の
基部120を備えており、この基部120の軸芯部に伝
達部材22の突出部24が挿入される貫通孔122が形
成されている。また、基部120の内周面には内歯12
4が形成されており、ギヤ126を介してピニオンギヤ
26と噛み合っている。ギヤ126は大径ギヤ部128
と小径ギヤ部130とが一体的に形成された二段歯車
で、カバー132に回転可能に軸支されており、ピニオ
ンギヤ26が大径ギヤ部128と噛み合い、小径ギヤ部
130が内歯124と噛み合っている。このため、切換
カム118は巻取軸14が回転すると減速して回転しか
つ巻取軸14の回転方向とは反対方向へ回転する。な
お、切換カム118は、ウエビングの全量巻取状態から
全量引出状態になるまでに略一回転するようになってい
る。
【0036】また、切換カム118の基部120の外周
部所定範囲には、1/4円板状のフランジ134が一体
に半径方向へ延出されている。このフランジ134の周
縁には隔壁136が一体に形成されており、この隔壁1
36の周方向の一方の終端部が第1の切換部138とさ
れている。また、隔壁136の周方向の他方の終端部に
は、半径方向外側へ突出する爪状の第2の切換部140
が形成されている。
【0037】詳細には、以下の通りである。すなわち、
切換カム118が回転した場合における第1の切換部1
38及び第2の切換部140の移動軌跡上に、ALRレ
バー68の切換爪106の先端部が位置している。従っ
て、切換カム118が図2の矢印A方向へ所定量回転す
れば、第2の切換部140がALRレバー68の切換爪
106の先端部に当接して、ALRレバー68は第2の
位置から第1の位置へ切り換わる。なお、このときのタ
イミング(切換爪106に第2の切換部140が当接し
て圧縮コイルスプリング114の付勢方向を第2の位置
側から第1の位置側へ反転させるタイミング)は、ウエ
ビングの全量引出直前状態(全量引出状態よりも若干手
前の状態)に設定されている。
【0038】一方、切換カム118が図4の矢印B方向
へ所定量回転すれば、第1の切換部138がALRレバ
ー68の切換爪106の先端部に当接して、ALRレバ
ー68は第1の位置から第2の位置へ切り換わる。な
お、このときのタイミング(切換爪106に第1の切換
部138が当接して圧縮コイルスプリング114の付勢
方向を第1の位置側から第2の位置側へ反転させるタイ
ミング)は、ウエビングの全量巻取直前状態(全量巻取
状態よりも若干手前の状態)に設定されている。
【0039】さらにここで、本実施例では、ALRレバ
ー68の切換爪106の先端部下側に所定形状の段部1
42を形成している。この段部142には、切換カム1
18の第2の切換部140の先端部が進入可能とされて
おり、図3に示される如く、切換カム118の第2の切
換部140によってALRレバー68に対する付勢方向
が第2の位置側から第1の位置側へ反転した際に、第2
の切換部140の先端部が段部142内に一旦進入して
ALRレバー68の反転動作をその完了直前にて停止さ
せるようになっている。これにより、ALRレバー68
の係合爪108は、ロック輪42のラチェット歯46か
ら離間した第2の位置に保持される構成である。そし
て、その間、段部142への第2の切換部140の当接
角度を変化させつつ、ウエビングの全量引出を可能とし
ている。
【0040】以下に、本実施例の作用を説明する。乗員
がウエビングを装着する以前の状態では、ウエビングは
ゼンマイばね18の付勢力で巻取軸14へ全量巻取状態
となっている。従って、切換カム118の第1の切換部
138によってALRレバー68は第2の位置に保持さ
れており、係合爪108はロック輪42のラチェット歯
46から離間している。すなわち、この状態のウエビン
グ巻取装置10は、ELRとしての使用態様である。
【0041】この状態から、乗員がウエビングを装着す
るには、ゼンマイばね18の付勢力に抗してタングプレ
ートを把持してウエビングを引き出せばよい。タングプ
レートをバックル装置へ係合させることにより、乗員は
ウエビング装着状態となることができ、また運転姿勢も
自由に変えることができる。
【0042】一方、車両急減速時になると、図2に示さ
れる如く、ボール86が慣性移動してアクチュエータ8
8を押し上げ、ELRレバー64を支軸70周りに回転
させることにより係合部74をラチェット歯46へ噛み
合わせる。このため、ロック輪42のウエビング引出方
向回転が停止される。
【0043】このとき、乗員は慣性移動するので、ウエ
ビングが巻取軸14から引き出され、巻取軸14はウエ
ビング引出方向回転する。このため、巻取軸14とロッ
ク輪42との間に相対回転が生ずる。この相対回転によ
って、巻取軸14と共に回転するロックプレート32は
ピン40がロック輪42の長孔44に案内されて移動
し、爪部36が内歯ラチェットホイル38のロック歯3
8Aと噛み合い巻取軸14のウエビング引出方向回転が
阻止される。この結果、乗員はウエビングによる確実な
拘束状態となる。
【0044】なお、上述した乗員のウエビング装着状態
では、切換カム118とALRレバー68との位置関係
が図2図示の如くとなっているので、ALRレバー68
の係合爪108はロック輪42のラチェット歯46から
離間している。すなわち、ALRレバー68は、圧縮コ
イルスプリング114の付勢力によって第2の位置に保
持されている。
【0045】ここで、本実施例に係るウエビング巻取装
置10では、必要に応じて(例えば、助手席のシートに
チャイルドシート等の荷物を固定する場合)、ALRと
しての使用態様に切り換えることができる。これは、ウ
エビングを引き出すことにより行われる。
【0046】図2図示状態から、ウエビングが巻取軸1
4から引き出されると、切換カム118がギヤ126を
介して減速されてかつ反対方向へ回転する。このため、
切換カム118は、ウエビング巻取方向(図3の矢印A
方向)へ回転する。これに伴い、切換カム118の第2
の切換部140が同方向へ移動し、ウエビングが全量引
出直前状態とされた時点で、ALRレバー68の切換爪
106の先端部を下側から押し上げる。これにより、A
LRレバー68は支軸104回りに回転し、その付勢方
向が反転される。このため、ALRレバー68の係合爪
108はロック輪42のラチェット歯46に噛み合おう
とするが、このとき切換カム118の第2の係合部14
0がALRレバー68の切換爪106の段部142に係
合される。従って、ALRレバー68の係合爪108は
ロック輪42のラチェット歯46に係合する直前の状態
で保持される。つまり、ALRレバー68に対する付勢
方向は第2の位置側から第1の位置側へ反転されるもの
の、ALRレバー68の係合爪108は依然として第2
の位置に保持される。従って、ウエビングを引き出して
全量引出状態にすることができる。
【0047】ウエビングを全量引出状態にした後、ウエ
ビングをゼンマイばね18の付勢力で巻取軸14に若干
巻き取らせると、切換カム118は前述した方向と逆方
向、即ちウエビング引出回転方向(図4の矢印B方向)
へ若干回転する。このため、切換カム118の第2の切
換部140も同方向へ若干回転する。従って、第2の切
換部140がALRレバー68の切換爪106の段部1
42から外れる。これにより、ALRレバー68の係合
爪108が、圧縮コイルスプリング114の付勢力でロ
ック輪42のラチェット歯46に噛み合う。この結果、
ロック輪42のウエビング引出方向回転が停止される。
すなわち、ウエビング巻取装置10の使用態様がELR
からALRに切り換えられる。
【0048】ALRに切り換えられた状態では、巻取軸
14のウエビング引出方向回転は阻止されているがウエ
ビング巻取方向回転は自由である。このため、チャイル
ドシート等の荷物をウエビングで固定する操作が行われ
た後、ウエビングの余った部分をゼンマイばね18の付
勢力で巻き取らせ、確実にこれをシートに固定すること
ができる。
【0049】なお、ALRからELRへ切り換える場合
には、再びウエビングを全量巻取状態にすればその直前
の状態で第1の切換部138によってALRレバー68
の切換爪106が上側から押し下げられ、ALRからE
LRに切り換えられる。
【0050】このように本実施例では、ALRレバー6
8が第2の位置から第1の位置へ切り換えられる際に、
切換カム118の第2の切換部140をALRレバー6
8の切換爪106の段部142に係合させ、ALRレバ
ー68の係合爪108のロック輪42への噛み合いを阻
止するので、この間にウエビングを全量引出状態にする
ことができる。このため、ウエビングの使用可能な長さ
にバラツキが生じることもなく、又巻取軸14への余巻
きもゼロになるのでウエビングの裁断長を短くすること
ができる。従って、コスト削減を図ることができる。
【0051】しかも、ウエビングを全量引出状態にした
後、若干量ウエビングを巻き取らせることにより、AL
Rレバー68の段部142と切換カム118の第2の切
換部140との係合状態が解除されるので、ELRから
ALRへの切換も確実である。
【0052】さらに、本実施例では、段部142を有す
るALRレバー68と既存の切換カム118とによって
前述した作用、効果が得られるので、部品点数の増加を
招くこともない。
【0053】またさらに、本実施例では、ALRレバー
68に対する付勢方向を第2の位置側から第1の位置側
へ反転させた上で、ALRレバー68を第2の位置に保
持する構成であるので、その後のELRからALRへの
切換動作が確実である。 〔第2実施例〕 次に、図5〜図8を用いて、第2実施例について説明す
る。なお、第1実施例と実質的に同一の構成部分につい
ては同一番号を付してその説明を省略する。また、この
第2実施例も、請求項1記載の本発明の一実施例に相当
する。
【0054】図5に示されるように、このウエビング巻
取装置150では、フリクションピース152を用いて
第2の位置から第1の位置へ切り換わろうとするALR
レバー68を第2の位置に保持する点に特徴がある。
【0055】すなわち、ロック輪42と切換カム118
との間には、回転ホイル154が配設されている。回転
ホイル154の軸芯部には弾性変形可能な係合爪156
が貫通孔158と共に形成されており、この貫通孔15
8内へ伝達部材22の突出部24に形成された凹部16
0が嵌入配置されている。これにより、回転ホイル15
4は、巻取軸14と一体的に回転するようになってい
る。なお、回転ホイル154とロック輪42との間には
捩じりコイルスプリング162が介在されており(捩じ
りコイルスプリング162のコイル部はピン164に遊
嵌され、一端はピン164に隣接する係止部166に係
止され、他端は回転ホイル154の受部168に係
止)、これによりロック輪42を常にウエビング引出回
転方向へ付勢している。
【0056】上述した回転ホイル154の外周部には溝
170が全周に亘って形成されており、この溝170に
はフリクションスプリング152が取り付けられてい
る。このフリクションスプリング152は、回転ホイル
154の溝170に弾性復元力で圧接される保持部15
2Aと、この保持部152Aの一部を矩形状に屈曲させ
ることにより設けられた阻止部152Bと、この阻止部
152Bと反対側に設けられ互いに反対側にハの字形に
屈曲された当接部152Cと、によって構成された板ば
ね状の部材である。
【0057】また、カバー132の所定位置には、フリ
クションスプリング152の当接部152Cに対応して
一対のストッパピン172が立設されている。そして、
これらのストッパピン172の間にフリクションスプリ
ング152の当接部152Cが位置されている。従っ
て、フリクションスプリング152は、回転ホイル15
4との間に生じる摩擦力によって回転ホイル154と共
に同方向へ回転するが、その移動範囲は一対のストッパ
ピン172間に規制され、その意味では一対のストッパ
ピン172は旋回角規制手段ともいえる。
【0058】上述した構成のフリクションスプリング1
52は、回転ホイル154がウエビング引出方向回転し
ている場合には、一方のストッパピン172に当接部1
52Cが当接することによって阻止部152BがALR
レバー68の係合爪108の移動軌跡上に位置し(図
6、図7図示状態)、回転ホイル154がウエビング巻
取方向回転している場合には、他方のストッパピン17
2に当接部152Cが当接することによって阻止部15
2BはALRレバー68の係合爪108の移動軌跡から
退避するようになっている(図8図示状態)。
【0059】以下に、本実施例の作用を説明する。な
お、全体の作動は前述した実施例と基本的に同様である
ので、異なる部分を主として説明する。
【0060】ELRとしてのウエビング巻取装置10に
おいて、車両急減速時になると、前述した作動を経て、
図6に示される如く、ELRレバー64の係合部74が
ロック輪42のラチェット歯46に噛み合う。従って、
巻取軸14はウエビング引出方向回転が阻止され、乗員
はウエビングによる拘束状態となる。この時点において
は、巻取軸14がウエビング引出方向回転状態にあるの
で、フリクションスプリング152の当接部152C
は、一方のストッパピン172に当接している。従っ
て、フリクションスプリング152の阻止部152B
は、ALRレバー68の係合爪108の移動軌跡上に位
置している。しかし、上記乗員のウエビング装着状態で
は、切換カム118とALRレバー68との位置関係が
図6図示の如くとなっているので、ALRレバー68の
係合爪108はロック輪42のラチェット歯46から離
間している。すなわち、ALRレバー68は、圧縮コイ
ルスプリング114の付勢力によって第2の位置に保持
されている。
【0061】次に、ELRとしてのウエビング巻取装置
10をALRとして使用する場合について説明する。前
述した状態からウエビングを引き出すと、切換カム11
8がギヤ126を介して減速されてかつ反対方向へ回転
する。このため、切換カム118は、ウエビング巻取方
向(図7の矢印A方向)へ回転する。これに伴い、切換
カム118の第2の切換部140が同方向へ移動し、ウ
エビングが全量引出直前状態とされた時点で、ALRレ
バー68の切換爪106の先端部を下側から押し上げ
る。これにより、ALRレバー68は支軸104回りに
回転し、その付勢方向が反転される。このため、ALR
レバー68の係合爪108はロック輪42のラチェット
歯46に噛み合おうとするが、このとき既にフリクショ
ンスプリング152の阻止部152BがALRレバー6
8の係合爪108の移動軌跡上に位置しているので、係
合爪108は阻止部152Bに当接する。従って、AL
Rレバー68の係合爪108はロック輪42のラチェッ
ト歯46に係合する直前の状態で保持される。つまり、
ALRレバー68に対する付勢方向は第2の位置側から
第1の位置側へ反転されるものの、ALRレバー68の
係合爪108は依然として第2の位置に保持される。従
って、ウエビングを引き出して全量引出状態にすること
ができる。
【0062】ウエビングを全量引出状態にした後、ウエ
ビングをゼンマイばね18の付勢力で巻取軸14に若干
巻き取らせると、切換カム118は前述した方向と逆方
向、即ちウエビング引出回転方向(図8の矢印B方向)
へ若干回転すると共に、回転ホイル154がウエビング
巻取回転方向(図8の矢印A方向)へ回転するのでフリ
クションスプリング152は摩擦力によって他方のスト
ッパピン172に当接部152Cが当接するまで旋回す
る。このため、フリクションスプリング152の阻止部
152BはALRレバー68の切換爪106の移動軌跡
から退避する。これにより、ALRレバー68の係合爪
108が、圧縮コイルスプリング114の付勢力でロッ
ク輪42のラチェット歯46に噛み合う。この結果、ロ
ック輪42のウエビング引出方向回転が停止される。す
なわち、ウエビング巻取装置10の使用態様がELRか
らALRに切り換えられる。
【0063】なお、ALRからELRへ切り換える場合
には、再びウエビングを全量巻取状態にすればその直前
の状態で第1の切換部138によってALRレバー68
の切換爪106が上側から押し下げられ、ALRからE
LRに切り換えられる。
【0064】このように本実施例では、ALRレバー6
8が第2の位置から第1の位置へ切り換えられる際に、
切換カム118の係合爪108に当接してロック輪42
への噛み合いを阻止するフリクションスプリング152
を設けたので、この間にウエビングを全量引出状態にす
ることができる。このため、本実施例によっても、前述
した実施例と同様にウエビングの使用可能な長さにバラ
ツキが生じることはなく、又巻取軸14への余巻きもゼ
ロになるのでウエビングの裁断長を短くすることができ
る。従って、コスト削減を図ることができる。しかも、
ウエビングを全量引出状態にした後、若干量ウエビング
を巻き取らせることにより、ALRレバー68の係合爪
108からフリクションスプリング152の阻止部15
2Bが退避されるので、ELRからALRへの切換も確
実である。
【0065】さらに、本実施例においても、ALRレバ
ー68に対する付勢方向を第2の位置側から第1の位置
側へ反転させた上で、ALRレバー68を第2の位置に
保持する構成であるので、その後のELRからALRへ
の切換動作が確実である。 〔第3実施例〕 次に、図9〜図11を用いて、第3実施例について説明
する。なお、第1実施例と実質的に同一の構成部分につ
いては同一番号を付してその説明を省略する。また、こ
の第3実施例は、請求項2記載の本発明の一実施例に相
当する。
【0066】図9〜図11に示されるように、このウエ
ビング巻取装置200では、ALRレバー202の切換
爪204が比較的狭幅で湾曲しており、かつ弾性変形可
能に構成されている。さらに、切換爪204の先端部に
は、円柱形状の係止突起206が切換カム118側へ一
体に突出形成されている。
【0067】一方、切換カム118の外周部には、第1
の切換部208及び第2の切換部210が所定の間隔を
隔てて立設されている。なお、これらの第1の切換部2
08及び第2の切換部210は、共に狭幅の突起とされ
ている。さらに、第1の切換部208及び第2の切換部
210は、切換カム118が回転した場合にALRレバ
ー202の切換爪204に干渉する位置に設けられてい
る。
【0068】上記構成によれば、図9に示される如く、
ELRとしての使用態様では、切換カム118の第2の
切換部210はALRレバー202の切換爪204の係
止突起206に干渉していないので、ALRレバー20
2は圧縮コイルスプリング114の付勢力によって第2
の位置に保持されている。
【0069】この状態から、ALRとしての使用態様に
切り換えるべくウエビングを引き出すと、図10に示さ
れる如く、その全量引出直前状態で切換カム118の第
2の切換部210の一方の側面がALRレバー202の
切換爪204の係止突起206に干渉する。そして、な
おもウエビングを引き出して全量引出状態にすると、A
LRレバー202の切換爪204の係止突起206が第
2の切換部210の一方の側面に押圧されながら摺動す
ることにより、切換爪204がレバー本体100側へ弾
性変形して(実線図示状態)、第2の切換部210を乗
り越える(二点鎖線図示状態)。
【0070】その後、ウエビングを若干巻き取らせる
と、図10の二点鎖線図示位置にある第2の切換部21
0は、前述した場合と逆方向である図10の矢印B方向
へ回転される。このため、ALRレバー202の切換爪
204の係止突起206が第2の切換部210の他方の
側面の下端に引っ掛かり、この状態で第2の切換部21
0が図10の矢印B方向へ回転することにより、ALR
レバー202の切換爪204の係止突起206も同方向
へ引っ張られる(引きずられる)。つまり、第2の切換
部210の他方の側面によって、ALRレバー202の
切換爪204の係止突起206は下向きに押されつつ矢
印B方向側へも引っ張られる。そして、係止突起206
に対する切換爪204の引っ張り動作によって、ALR
レバー202が支軸104回りに揺動され、これにより
圧縮コイルスプリング114の付勢方向が反転されてA
LRレバー202は第2の位置から第1の位置へと切り
換えられる。また、第1の位置に至ったALRレバー2
02の係止突起206は第2の切換部210の他方の側
面と干渉することから、弾性変形が可能な切換爪204
の方が弾性変形することとなり、これによりALRレバ
ー202の係止突起206は第2の切換部210を再び
乗り越えて図11図示状態に至る。上記の結果、ALR
レバー202の係合爪108はロック輪42のラチェッ
ト歯46に噛み合い、ALRとしての使用態様に切り換
えられる。
【0071】従って、この実施例においても、前述した
実施例と同様にウエビングの使用可能な長さにバラツキ
が生じることはなく、又巻取軸14への余巻きもゼロに
なるのでウエビングの裁断長を短くすることができる。
従って、コスト削減を図ることができる。
【0072】しかも、ウエビングを全量引出状態にした
後、若干量ウエビングを巻き取らせることにより、AL
Rレバー68の切換爪204の係止突起206が切換カ
ム118の第2の切換部210に係止されてALRレバ
ー68を第2の位置から第1の位置へ切り換える構成で
あるので、ELRからALRへの切換も確実である。
【0073】さらに、第1実施例同様に、部品点数の増
加を招くこともない。なお、上述した実施例では、車両
急減速時にELRレバー64を揺動させてロック輪42
のウエビング引出方向回転を停止させることにより巻取
軸14のウエビング引出方向回転を阻止するタイプのウ
エビング巻取装置10、150、200を例にして本発
明を適用したが、これに限らず、上記構成に加え、車両
急減速時に巻取軸14のウエビング引出方向回転が阻止
された後に巻取軸14自体を揺動させ、これによりウエ
ビングの中間部をクランプ装置で瞬時にクランプしてウ
エビングの中間部の伸び出しを阻止する構成を備えたウ
エビング巻取装置に本発明を適用することも可能であ
る。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るウエビ
ング巻取装置は、ELRからALRへの切換を確実に行
わせることができると共に生産性を向上させることがで
きるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るウエビング巻取装置の分解斜
視図である。
【図2】図1に示されるウエビング巻取装置のELRと
しての使用態様を示す作動説明図である。
【図3】図1に示されるウエビング巻取装置がELRか
らALRに切り換えられるときの様子を示す作動説明図
である。
【図4】図1に示されるウエビング巻取装置がALRと
しての使用態様に切り換えられた状態を示す作動説明図
である。
【図5】第2実施例に係るウエビング巻取装置の分解斜
視図である。
【図6】図5に示されるウエビング巻取装置のELRと
しての使用態様を示す作動説明図である。
【図7】図5に示されるウエビング巻取装置がELRか
らALRに切り換えられるときの様子を示す作動説明図
である。
【図8】図5に示されるウエビング巻取装置がALRと
しての使用態様に切り換えられた状態を示す作動説明図
である。
【図9】第3実施例に係るウエビング巻取装置のELR
としての使用態様を示す作動説明図である。
【図10】図9に示されるウエビング巻取装置がELR
からALRに切り換えられるときの様子を示す作動説明
図である。
【図11】図9に示されるウエビング巻取装置がALR
としての使用態様に切り換えられた状態を示す作動説明
図である。
【符号の説明】
10 ウエビング巻取装置 14 巻取軸 18 ゼンマイばね 32 ロックプレート(ロック手段) 38 内歯ラチェットホイル(ロック手段) 42 ロック輪(ロック手段) 64 ELRレバー 66 加速度センサ 68 ALRレバー 114 圧縮コイルスプリング(付勢手段) 118 切換カム(切換手段) 138 第1の切換部 140 第2の切換部(阻止手段〔請求項1〕) 142 段部(阻止手段〔請求項1〕) 150 ウエビング巻取装置 152 フリクションピース(阻止手段〔請求項1〕) 172 ストッパピン(阻止手段〔請求項1〕) 200 ウエビング巻取装置 202 ALRレバー 204 切換爪(弾性変形部〔請求項2〕) 208 第1の切換部 210 第2の切換部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員拘束用のウエビングを付勢力で層状
    に巻取る巻取軸と、 この巻取軸のウエビング引出方向回転を停止させるロッ
    ク手段と、 通常はロック手段に対して離間した位置に保持され、車
    両急減速時にロック手段に係合することによりロック手
    段を作動させて巻取軸のウエビング引出方向回転を停止
    させるELRレバーと、 付勢手段によって支軸方向への付勢力を受けた状態で当
    該支軸回りに揺動可能に保持されたレバー本体と、この
    レバー本体に設けられロック手段に対して係合可能な係
    合部とを含んで構成され、付勢力の作用方向が付勢手段
    と支軸とを結ぶ方向に対してロック手段側にある場合に
    は、当該付勢力によって係合部をロック手段へ係合させ
    る第1の位置に保持され、付勢力の作用方向が付勢手段
    と支軸とを結ぶ方向に対して反ロック手段側にある場合
    には、当該付勢力によって係合部をロック手段から離間
    させる第2の位置に保持されるALRレバーと、 巻取軸に対して同軸的に配置されると共に巻取軸が回転
    することにより減速回転し、所定量回転した時点でAL
    Rレバーの位置を選択的に切り換える切換手段と、 を有するウエビング巻取装置であって、 ウエビングが全量引出直前状態になった時点で付勢手段
    の付勢力の作用方向が反ロック手段側からロック手段側
    へ反転され、 さらに、ウエビングが全量引出直前状態を越えて全量引
    出状態になるまではALRレバーに干渉することで当該
    ALRレバーが第1の位置に至るのを阻止し、ウエビン
    グが全量引出状態から若干巻き取られた時点でALRレ
    バーに対する干渉を解消して当該ALRレバーが第1の
    位置に至るのを許容する阻止手段を備えている、 ことを特徴とするウエビング巻取装置。
  2. 【請求項2】 乗員拘束用のウエビングを付勢力で層状
    に巻取る巻取軸と、 この巻取軸のウエビング引出方向回転を停止させるロッ
    ク手段と、 通常はロック手段に対して離間した位置に保持され、車
    両急減速時にロック手段に係合することによりロック手
    段を作動させて巻取軸のウエビング引出方向回転を停止
    させるELRレバーと、付勢手段によって支軸方向への付勢力を受けた状態で当
    支軸回りに揺動可能に保持されたレバー本体と、この
    レバー本体に設けられロック手段に対して係合可能な係
    合部とを含んで構成され、付勢力の作用方向が付勢手段
    と支軸とを結ぶ方向に対してロック手段側にある場合に
    は、当該付勢力によって係合部をロック手段へ係合させ
    る第1の位置に保持され、付勢力の作用方向が付勢手段
    と支軸とを結ぶ方向に対して反ロック手段側にある場合
    には、当該付勢力によって係合部をロック手段から離間
    させる第2の位置に保持されるALRレバーと、 巻取軸に対して同軸的に配置されると共に巻取軸が回転
    することにより減速回転し、所定量回転した時点でAL
    Rレバーの位置を選択的に切り換える切換手段と、 を有するウエビング巻取装置であって、 ALRレバーの一部に、切換手段の径方向内側へ向けて
    延出されかつ湾曲したアーム状に形成されることで弾性
    変形可能な切換爪と、当該切換爪の先端部から切換手段
    側へ突出された係止突起とを備えた弾性変形部を設け、さらに、 ウエビングが全量引出状態になる直前の状態で
    切換手段の一部が第2の位置にあるALRレバーにおけ
    る弾性変形部の係止突起に干渉しかつ当該切換手段の一
    部から径方向外側への押圧力が当該係止突起に作用する
    ことにより切換爪がより湾曲する方向へ弾性変形して当
    該係止突起に当該切換手段の一部を相対的に乗り越えさ
    せることでALRレバーの位置が第2の位置から第1の
    位置へ切り換えられるのを阻止し、ウエビングが全量引
    出状態から若干巻き取られた時点で当該切換手段の一部
    当該係止突起を係合させてALRレバーの位置を第2
    の位置から第1の位置へ切り換える、 ことを特徴とするウエビング巻取装置。
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