JP3032615B2 - 多層構造体および包装体 - Google Patents

多層構造体および包装体

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JP3032615B2 JP3212832A JP21283291A JP3032615B2 JP 3032615 B2 JP3032615 B2 JP 3032615B2 JP 3212832 A JP3212832 A JP 3212832A JP 21283291 A JP21283291 A JP 21283291A JP 3032615 B2 JP3032615 B2 JP 3032615B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリアー性と内容
物の非吸着性を維持しつつ熱封緘性を改良した、多層構
造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エチレン−ビニルエステル共重合
体けん化物(以下EVOHと略称する)はその優れたガ
スバリアー性により広く使用されてはいるが、包装材料
の中間層か最外層に使用される場合が多い。その主たる
理由は、EVOHを最内層として使うには熱封緘温度が
低密度ポリエチレンなどのように低くなく、高速製袋性
に欠けるか、外層フィルムの熱変形により外観を損じて
商品イメージを著しく低下せしめるためと、熱封緘強度
が低密度ポリエチレン程には大きくない事であった。従
って最外層としては二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸
ナイロン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、ある
いは二軸延伸EVOHなどのフィルムが、中間層として
は二軸延伸あるいは無延伸のEVOHなどのフィルム
が、また最内層としては低密度ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、直鎖状低密度ポ
リエチレン、あるいは無延伸ポリプロピレンなどのフィ
ルムが採用される事が多かった。用途によっては上記多
層フィルムを蓋材とし、最外層に無延伸ポリプロピレ
ン、無延伸ナイロン、無延伸ポリ塩化ビニル、無延伸ポ
リエチレンテレフタレート、あるいは無延伸ポリスチレ
ンなどのフィルムないしはシートを、中間層としては無
延伸EVOHなどのフィルムを、また最内層には低密度
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、直鎖状
低密度ポリエチレン、アイオノマー、無延伸ポリ塩化ビ
ニル、無延伸ポリスチレン、無延伸ポリエチレンテレフ
タレート、あるいは無延伸ポリプロピレンなどのフィル
ムないしはシートを複合し、深絞り成型された容器を底
材とする多層包装材料が採用されていた。しかしながら
これなど多層包装材料は、他の素材の物に比べガスバリ
アー性は優れてはいるものの高価であり、安価な一般包
装材料としては使い辛いという欠点があった。また最内
層がポリオレフィンであるため、内容物たとえば食品、
飲料水(ジュースなど)中のフレーバーの非吸着性が十
分でなかった。従ってガスバリアー性の良好なEVOH
に熱封緘性を付与し最内層として使用可能にする事は、
包装材料のコスト低下の点からも重要であり非常に切望
されている。
【0003】特公昭61−58307号公報には、最内
層にエチレン含有量25〜60モル%、酢酸ビニル成分
のけん化度96%以上のEVOH層および最外層に、該
最内層同士を圧力0.5kg/cm2、時間2秒の条件
下で熱封緘した時に300g/15mmの剥離強度ので
る接着温度より10℃以上高い熱変形温度を有する熱可
塑性樹脂層を設けた積層フィルムからなり、かつ該最内
層同士を熱封緘してなる包装材料について述べられてい
る。しかしこの物の熱封緘強度は、該公報の第1表では
最大で1050g/15mmであり、軽量物の包装には
十分であるが(ちなみに削り節のJAS規格では、高々
5gしか入っていない袋の密封部の熱封緘強度でさえ
1.0kg以上となっている事からも、熱封緘強度の重
要性と要求強度レベルが理解できる)、重量物、特に液
体や粘稠体を包装する場合には、上記熱封緘強度では不
十分であり、熱封緘強度の改善が望まれていた。
【0004】特開昭49−4772号公報には、エチレ
ン含有率10乃至70モル%、けん化率80モル%以上
のEVOH(A)に、エチレン含有率72乃至98モル
%、けん化率50モル%以上のEVOH(B)またはE
VOH(B)を10重量%以上含む、EVOH(B)と
オレフィン重合体とのブレンド物(C)を積層させるこ
とについて述べられている。しかし該公報のEVOH
(B)はエチレン含有率が多いため、内容物の非吸着性
が十分でない。さらに該公報には、最内層EVOHとそ
れに隣接した中間層のEVOH両者のエチレン含有量の
関係に関する記述が無い。
【0005】特開昭56−86949号公報には、2種
以上のエチレン含有量20〜55モル%、酢酸ビニル成
分のけん化度80モル%以上のEVOHよりなる組成物
で、差動走査熱量計による融解曲線が事実上単一ピーク
を示す溶融混練樹脂組成物について述べられている。し
かし該公報には、溶融成形性の改善に関する記述はある
が、最内層使用や熱封緘性に関する記述はない。
【0006】特開昭60−144304号公報には
酸ビニル成分のけん化度95モル%以上、エチレン含有
量25〜60モル%、シランを含有するオレフィン性化
合物含有量0.0005〜0.2モル%であるシラン含
有EVOHなる溶融成型材料について述べられている。
しかし該公報にはシラン含有EVOHが耐ストレスクラ
ッキング性、酸素などのガス遮断性の湿度依存性、耐極
性溶剤性、耐水性などが改良される事には言及している
が、硼酸含有EVOHを最内層とし、該最内層同士を熱
封緘する事、および熱封緘性および熱封緘強度の改善に
関する記述はない。
【0007】特開昭60−173038号公報には、ビ
ニルアルコール含有量が40乃至80モル%で残存ビニ
ルエステル含有量が4モル%以下のEVOH複数の共
重合体組成物であり、差動走査熱量計による融解曲線が
複数個の吸熱ピークを示す溶融混練樹脂組成物について
述べられている。しかし該公報には、高湿条件下でのガ
スバリアー性の改善や、中間層使用に関する記述はある
が、熱封緘性に関する記述はない。
【0008】特開昭63−3950号公報には、LDP
E−ボード−LDPE−EVOH−結合層−EVOHな
る構成のジュース包装のための容器について述べられて
いる。しかし該公報では、EVOHとEVOHの間に、
ポリオレフィン結合層があり、この層が内容物を吸着す
るので、思ったほどの効果は得られない。
【0009】特開昭63−230757号公報には、エ
チレン含有量20〜60モル%、けん化度96モル%以
上のEVOH、およびエチレン含有量24〜49モル
%、けん化度96モル%未満のEVOHの二種のEVO
Hからなる組成物について述べられている。しかし該公
報には、加熱高速延伸性の改善に関する記述はあるが、
最内層使用や熱封緘性に関する記述はない。
【0010】特開昭63−264656号公報には、エ
チレン含有量45〜60モル%および25〜40モル
%、酢酸ビニル成分のけん化度が共に96モル%以上の
異なる二種のEVOHからなる組成物で、差動走査熱量
計による融解曲線が複数の吸熱ピークを示す樹脂組成物
について述べられている。しかし該公報には、やはり加
熱高速延伸性の改善に関する記述はあるが、最内層使用
や熱封緘性に関する記述はない。
【0011】特開平3−24952号公報には、エチレ
ン、酢酸ビニルおよびビニルシラン系化合物の共重合体
をけん化して得た、シラン含有量0.0005〜0.2
モル%、酢酸ビニル成分のけん化度96モル%以上、エ
チレン含有量25〜60モル%のエチレン−酢酸ビニル
共重合体けん化物層を最内層とし、該最内層同士を熱封
緘してなる多層包装体について述べられている。しかし
該公報には、最内層EVOHとそれに隣接した中間層の
EVOH両者のエチレン含有量の関係に関する記述は無
い。
【0012】特開昭55−12108号には硼素を含有
するEVOHを溶融成形することにより吐出体のサージ
ングを防止することが述べられている。また特開昭59
−192564号には硼素を含有するEVOH層とポリ
オレフィン層とをカルボキシル基または水酸基を有する
変性ポリオレフィンよりなる接着材層を介して積層し、
層間接着性を改善することが述べられているが、これら
の公報には硼素を含有するEVOH層とこのEVOHと
エチレン含有量の異なるEVOH層とを積層することの
記述はない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、ガスバリアー性が良好で、かつ低温での熱封緘性が
改善されたEVOHの開発は、包装業界において重要な
課題の一つであるが、高度なガスバリアー性と内容物の
非吸着性を維持しつつ、熱封緘性を改良し、十分な熱封
緘強度を有する多層包装体得られていない。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な従来技術の問題点の認識の元に鋭意研究を重ねた結
果、エチレン含有量10〜50モル%、ビニルエステル
成分のけん化度95モル%以上のエチレン−ビニルエス
テル共重合体けん化物(A)層と、その層に隣接したエ
チレン含有量30〜70モル%、ビニルエステル成分の
けん化度90モル%以上で、硼素化合物を硼素換算量で
0.002〜0.6重量%含むエチレン−ビニルエステ
ル共重合体けん化物(B)層からなり、かつ下記式を満
足する多層構造体が、ガスバリアー性と内容物の非吸着
性を維持しつつ、熱封緘性を改良できることを見出だ
し、本発明を完成するに至った。 3≦EB−EA≦60 式中、EAおよびEBは、(A)および(B)のそれぞ
れのエチレン含有量(モル%)を現す。
【0015】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明において、EVOHとは、エチレンとビニルエステル
を、加圧下メタノールやt−ブチルアルコールなどの溶
剤中で、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリ
ルなどの重合開始剤を用い公知の方法で重合させ、続い
てアルカリ触媒または酸触媒でけん化して得られるエチ
レン−ビニルエステル共重合体けん化物である。ビニル
エステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどの各種ビ
ニルエステルが挙げられるが、価格などの点からは酢酸
ビニルが、ガスバリアー性の点からはピバリン酸ビニル
が好ましい。これらのビニルエステルは1種または2種
以上が使用される。硼素は硼酸として重合工程、けん化
工程、精製工程、乾燥工程のどの工程で添加しても良い
し、硼酸をエステルや、ナトリウムやカリウムなどの金
属塩の形で添加しても良い。
【0016】本発明において、EVOH(A)のエチレ
ン含有量は10〜50モル%、好ましくは20〜45モ
ル%、ビニルエステル成分のけん化度は95モル%以
上、好ましくは97モル%以上である。エチレン含有量
が10モル%未満では、高湿度時のガスバリアー性が低
下すると共に熱溶融安定性が悪化する。一方、50モル
%を越えると十分なガスバリアー性が得られない。一
方、けん化度が95モル%未満は、高湿度時のガスバリ
アー性が低下するだけでなく、EVOHの熱安定性が悪
化し、得られる膜面にゲルが発生しやすい。
【0017】本発明において、EVOH(B)のエチレ
ン含有量は30〜70モル%、好ましくは40〜65モ
ル%、ビニルエステル成分のけん化度は90モル%以
上、好ましくは95モル%以上である。エチレン含有量
が30モル%未満では、低温熱封緘性に劣り、一方、7
0モル%を越えると非吸着性が悪化する。またけん化度
が90モル%未満でも、非吸着性が悪化するだけでな
く、EVOHの熱安定性が悪化し、得られる膜面にゲル
が発生しやすい。
【0018】本発明において、EVOH(B)のエチレ
ン含有量(モル%)EBよりEVOH(A)のエチレン
含有量(モル%)EAを引いた値は、3以上大きく60
以下であり、好ましくは10以上である。差が3未満で
はガスバリアー性および熱封緘強度の両特性がバランス
のとれたものとならず、60を越えるとEVOH(B)
とEVOH(A)の接着力が低下し、やはり熱封緘強度
が十分でない。
【0019】本発明において、EVOH(A)層
{(A)層がブレンド物(異種EVOH、他の熱可塑性
樹脂、無機物などとのブレンド物)の場合にはブレンド
物層}のメルトフローレート(JIS K 7210に
のっとり温度210℃,加重2.16kgで10分間
吐出する重量)MFRAは、0.1以上、好ましくは2
以上で、かつEVOH(B)層{(B)層がブレンド物
の場合にはブレンド物層}のメルトフローレートMFR
Bより小さいことが望ましい。MFRAが0.1未満で
は、得られる膜面に熱不溶性によるゲルが発生しやすい
ことがある。またMFRAがMFRBより大きい場合に
は、熱封緘条件によってはEVOH(A)が流れだし、
(A)層が薄くなって十分な熱封緘強度が得られないこ
とがある。またMFRBは0.1を越え50以下、好ま
しくは2以上25以下が望ましい。MFRBが0.1以
下では、得られる膜面に熱不溶性によるゲルが発生しや
すい。またMFRBが50を越えると溶融粘度が低下
し、外観の良好な多層体を成形しにくくなることがあ
る。
【0020】本発明において、DSCを用い窒素気流中
で昇温速度10℃/分で測定したEVOH(A)の融点
MPAおよびEVOH(B)の融点MPBの差は、5℃
以上、好ましくは8℃以上であることが望ましい。融点
の差が、5℃未満では多層構造体全体の熱封緘強度が十
分なものとはならない。
【0021】本発明において、EVOH(B)の一層の
厚さは6μm以上であり、EVOH(A)層とEVOH
(B)層の合計厚さは、10μm以上、200μm以
下、好適には20μm以上、80μm以下であることが
望ましい。合計厚さが10μm未満では十分な熱封緘強
度が得られにくく、200μmを越えるとコストが高く
なるだけでなく、包材の屈曲によりピンホールが発生し
やすくなることがある。また多層フィルムのカール防止
のために、(B)層−(A)層−(B)層や(B)層−
(A)層−(B)層−(A)層や(B)層−(A)層−
(B)層−(A)層−(B)層などの構成にしても良
い。
【0022】また(A)層および/または(B)層は、
それぞれ単層でもよいし、多層とすることもできる。多
層とする場合はそれぞれの層に同種のEVOHを用いる
こともできるし、異種のEVOH(融点の異なるEVO
Hなど)を使用することもできる。また(A)層と
(B)層とは、隣接して設けることが最良であるが、必
要に応じ(A)層と(B)層の間には本発明の目的が阻
害されない範囲で他の層が介入していてもよい。(A)
層と(B)層は共押出し法、ドライラミネート法、また
は押出しコーティング法などにより得られ、また(A)
層および(B)層は延伸(一軸または二軸)により配向
されていてもよい。
【0023】上述したEVOH(B)に含まれる硼素化
合物の硼素換算量は、0.002〜0.6重量%、好ま
しくは、0.009〜0.35重量%である。硼素含有
量が0.002重量%未満では、低温での熱封緘性およ
び熱封緘強度の改善が十分ではなく、一方0.6重量%
を超えると架橋の程度が増大し過ぎて熱不溶性が発現す
る。硼素化合物としては硼酸が最良であるが、トリクロ
ルボロン、トリフェニルボロン、トリメチルボロンある
いはこれらとエーテル、アミン類の配位物または硼素が
酸素、窒素の結合を介して数量体となったものも使用で
きる。
【0024】EVOH(A)および/または(B)には
更に少量のプロピレン、ブテン−1、イソブテン、4−
メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1など
のα−オレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、その塩、そ
の部分または完全エステル、そのニトリル、そのアミ
ド、その無水物、アルキルチオール類、不飽和スルホン
酸、その塩などの共重合成分を含んでいても差支えな
い。
【0025】また、EVOH(A)および/または
(B)には、本発明を阻害しない範囲で、酸、塩基およ
びそれなどの塩をEVOHに添加しても良い。酸、塩基
やそれなどの塩としては、酢酸、燐酸、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カルシウム、燐酸カリウム、燐酸カルシウム、
燐酸水素カルシウム、燐酸一水素二カリウム、燐酸二水
素一カリウムなどが挙げられる。更に成形物の滑り性改
善のために、酸化珪素や酸化アルミニウムなどを添加し
ても良い。更に酸化防止剤、色剤、紫外線吸収剤、帯電
防止剤、可塑剤、架橋剤、無機充填剤、無機乾燥剤など
の各種添加剤、ポリアミド、ポリオレフィン、高吸水性
樹脂などの各種樹脂を配合してもよい。
【0026】また、EVOH(A)および/または
(B)は、それぞれエチレン共重合比率の異なる2種類
以上のEVOHの混合物から構成されていてもよく、ま
た、重合度やけん化度の異なる2種類以上のEVOHの
混合物であってもよい。さらに、エチレン共重合比率と
重合度とけん化度が共に異なっていてもよいが、それら
の平均値が、各々前記EVOHの範囲に入っていること
が重要である。さらにまた、EVOH(A)および/ま
たはEVOH(B)は熱封緘される各々の多層構造体で
後述する実施例4のとおり異なっていてもよい。
【0027】本発明において、多層構成体をそのまま包
装材料に用いても良いが、フィルムの場合には十分なヒ
ートシール強度が得られにくい。(A)層の外層、とく
にJIS K 7206で規定された方法で測定したビ
カット軟化点が、EVOH(B)より5℃以上、好まし
くは10℃以上高い熱可塑性樹脂(C)層を積層した方
が、十分なヒートシール強度が得られだけでなく、良好
なヒートシール性を有する包装材料にできる。ビカット
軟化点の差が5℃未満では、熱封緘時における最外層の
耐熱性が十分でなく、皺などの外観不良や、耐熱性不足
によるエッジ切れが発生しやすい。
【0028】次に本発明においてEVOH(B)を最内
層とする多層構造体、とくにEVOH(A)層および
(B)層からなる多層体に他の層を有する多層構造体の
製造方法としては、EVOH(A)層および(B)層よ
りなる多層構造体のEVOH(A)面{(B)層−
(A)層−(B)層のように(A)面が露出していない
場合は、最内層に一方の(B)層が来るように、以下同
じ}と熱可塑性樹脂(C)のフィルムまたはアルミニウ
ム箔とをドライラミネートする方法、EVOH(A)層
および(B)層よりなる多層構造体のEVOH(A)面
と他のフィルム(C)またはアルミニウム箔または紙と
をポリサンドラミネートする方法(アンカーコート剤と
溶融状態のポリエチレンを介してラミネートする方
法)、EVOH(A)層および(B)層よりなる多層構
造体のEVOH(A)面と紙とをドライまたはウェット
ラミネートする方法、フィルム(C)または紙またはア
ルミニウム箔にEVOH(A)層および(B)層よりな
る多層溶融体のEVOH(A)面が接するように共押出
しコーティングする方法(アンカーコート剤を介しても
よい)、EVOH(A)層および(B)層よりなる多層
溶融体のEVOH(A)面が、接着剤(例えばカルボン
酸グラフト変性ポリオレフィン樹脂)に隣接し、紙また
はフィルム(C)またはアルミニウム箔に接着剤面が接
するように共押出しコーティングする方法(アンカーコ
ート剤を介してもよい)、EVOH(A)層および
(B)層よりなる多層溶融体のEVOH(A)面が熱可
塑性樹脂(C)の溶融体に隣接するように共押出しラミ
ネートする方法(カルボン酸グラフト変性ポリオレフィ
ン樹脂などの接着剤を介してもよい)などが挙げられ
る。このようにして得られた多層構造体(フィルム、シ
ート、ボトルまたはチューブなど)を、EVOH(B)
層が最内層となるように熱封緘してパウチ、トレーなど
の多層包装体を得る事ができる。更に上記により得られ
た多層体を蓋材とし、また別途上記により得られた多層
構造体を深絞り成型して底材とし、EVOH層が最内層
となるように熱封緘して多層包装体としても良い。更に
上記により得られた多層構造体を、EVOH(B)層が
最内層となるように熱封緘してツーピースチューブの胴
部とし、これを用いて多層包装体とする事もできる。更
にまた上記により得られた多層構造体を蓋材とし、これ
をEVOH(B)層を最内層とするダイレクトまたはイ
ンジェクションブローボトルやワンピースチューブの口
部に、EVOH(B)層同士を熱封緘して多層包装体と
する事もできる。
【0029】上記熱可塑性樹脂(C)のフィルムとして
は、次のものが挙げられる。プロピレンのホモポリマー
を主成分とする二軸延伸フィルム。ε−カプロラクタム
のホモポリマーおよびヘキサメチレンジアミンやメタキ
シリレンジアミンなどのジアミン成分とアジピン酸を主
原料として得られるナイロンを主成分とする二軸延伸フ
ィルム。エチレングリコールとテレフタール酸やナフタ
リンジカルボン酸を主原料として得られるポリエステル
の二軸延伸フィルム。ビスフェノール−Aとホスゲンな
ど炭酸誘導体を主原料として得られるポリカーボネート
よりなるフィルム。塩化ビニルを主原料とし酢酸ビニル
などを共重合させたポリ塩化ビニルよりなるフィルム。
塩化ビニリデンを主原料とし、塩化ビニル、アクリロニ
トリル、(メタ)アクリル酸エステルなどを共重合させ
たポリ塩化ビニリデンよりなる二軸延伸フィルム。スチ
レンのホモポリマーおよびスチレンを主原料としブタジ
エン、アクリロニトリルなどを共重合させたポリスチレ
ンの二軸延伸フィルム。圧延または二軸延伸高密度ポリ
エチレンフィルムなどがあげられる。
【0030】さらに上記共押出しラミネートする時の熱
可塑性樹脂(C)としては、次のものが挙げられる。ヘ
キサメチレンジアミン、ピペラジン、テトラメチレンジ
アミン、エチレンジアミン、メタキシリレンジアミンな
どのジアミン成分と、δ−バレロラクタム、ε−カプロ
ラクタム、ω−ラウロラクタム、ω−アミノウンデカン
酸、ω−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸成分
と、各種ナフタレンジカルボン酸、テレフタール酸、イ
ソフタール酸、アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン
酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸などの多価カル
ボン酸成分を原料として得られるナイロン。エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、4,4´−ジヒドロキシジフェニル−
2,2−プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール
などの多価アルコール成分と、パラヒドロキシ安息香
酸、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどのヒ
ドロキシカルボン酸成分と、テレフタール酸、イソフタ
ール酸、各種ナフタレンジカルボン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ピメリン酸、アジピン酸、グルタル酸、コ
ハク酸などの多価カルボン酸およびそのエステル成分を
原料として得られるポリエステル。ビスフェノール−A
とホスゲンなど炭酸誘導体を主原料として得られるポリ
カーボネート。プロピレンのホモポリマー、およびプロ
ピレンを主成分とする、エチレン、ブテン−1、5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノル
ボルネン、ヘキサ−1,4−ジエンなどとのブロックコ
ポリマーおよびランダムコポリマー、更には無水マレイ
ン酸などのカルボン酸でグラフト変性されたそれらのグ
ラフト変性物。エチレンのホモポリマーである高密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、およびエチレンを主成分とする、プロピレン、ブテ
ン−1、ブタ−1,3−ジエン、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、ノルボルネン、5−
メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン、酢酸ビニル、酢酸ブチル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸などとの共重合
体、また、アクリル酸やメタクリル酸との共重合体にお
いては、ナトリウム、亜鉛、アルミニウムなどで架橋さ
れていても良い。また、酢酸ビニルとの共重合体におい
ては、酢酸ビニル成分の一部または全てがけん化されて
いても良い。また、ポリエチレンは、マレイン酸、無水
マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸などのカルボ
ン酸でグラフト変性されていても良い。塩化ビニルを主
原料とし酢酸ビニルなどを共重合させたポリ塩化ビニ
ル。塩化ビニリデンを主原料とし、塩化ビニル、アクリ
ロニトリル、(メタ)アクリル酸エステルなどを共重合
させたポリ塩化ビニリデン。スチレンのホモポリマーお
よびスチレンを主原料とし、(メタ)アクリル酸エステ
ル、ブタジエン、アクリロニトリルなどを共重合させた
ポリスチレン。アクリロニトリルを主成分とした、スチ
レンとの共重合体や、アクリロニトリルを主成分とし
た、(メタ)アクリル酸エステルなどの共重合成分とブ
タジエンの弾性体より構成されている、いわゆるグラフ
ト共重合体であるポリアクリロニトリルなどがあげられ
る。
【0031】このように本発明により得られるEVOH
(B)を最内層とする多層構造体(フィルムまたはシー
トなど)から構成される容器(袋、カップ、チューブ、
ボトルなど)に内容物(食品、飲料水、化粧品など)を
充填し、(B)層同士を熱封緘して使用することによ
り、熱封緘性および熱封緘強度の改善された多層包装体
を得ることができる。このようにして得られた多層包装
体は、ジュースに代表されるフレーバーが重視される食
品の包装体として有用であり、またその他揮発性薬効成
分を含んだパップ薬などの医薬品、芳香剤、石鹸、除光
液、防虫剤、工業薬品、ガスバリアー性や耐薬品性の要
求される医療機器などの包装体としても有用である。
【0032】以下実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれによってなんら限定を受ける
ものではない。
【0033】
【実施例】
実施例1 EVOH(A)としてエチレン、酢酸ビニルの共重合体
をけん化して得た、エチレン含有量32モル%、酢酸ビ
ニル成分のけん化度99.5モル%、メルトフローレー
ト3.3g/10分(210℃、2.16kg荷重)の
EVOHを10μm、EVOH(B)としてエチレン、
酢酸ビニルの共重合体をけん化して得た、硼素換算含有
量0.02重量%、エチレン含有量48モル%、酢酸ビ
ニル成分のけん化度99.5モル%、メルトフローレー
ト18g/10分(210℃、2.16kg荷重)のE
VOH(ビカット軟化点148℃)を15μmよりなる
共押出しフィルムを得た。
【0034】15μmの二軸延伸ナイロンフィルム
((株)興人製「ボニール R」、ビカット軟化点17
0℃))のコロナ処理面に、ポリエステル系の接着剤
(武田薬品工業(株)製「A−385/A−50」)を
固形分として3g/m2塗布し、溶剤を蒸発させた後
に、前記共押出しフィルムのEVOH(A)面を貼合わ
せて複合フィルムを得た。
【0035】この積層フィルムをヒートシーラーを用
い、圧力0.5kg/cm2、温度130℃、時間2秒
でEVOH(B)面同士を熱封緘し多層包装体を得た。
熱封緘強度を測定したところ2.2kg/15mmと強
く、しかも収縮もなく外観は良好であった。また酸素ガ
ス透過量(Modern Controls社製「OX
−TRAN 10/50A」で測定)は20℃,85%
(相対湿度)において2ml/m2・日・気圧と優れて
いた。
【0036】30mlの試験管にリモネン10mlをい
れ、上記多層構成フィルムの(B)面が内側となるよう
に蓋をして、20℃,65%(相対湿度)において1週
間放置した。その包材2mgを切出し、石英チューブ中
でヘリウム雰囲気下120℃、10分加熱し、吸着して
いるd−リモネンを脱離させた。揮発したd−リモネン
をPEG−20M結合型のキャピラリークロマト(内径
0.25mm、長さ50m)で、ヘリウムをキャリアガ
スとし、40℃から170℃まで昇温し、得られたピー
ク面積より吸着量を定量した。d−リモネン吸着量は、
20μg/フィルムgと良好であった。
【0037】比較例1 実施例1において、EVOH(B)としてエチレン、酢
酸ビニルの共重合体をけん化して得た、エチレン含有量
48モル%、酢酸ビニル成分のけん化度99.5モル
%、メルトフローレート48g/10分のEVOH(ビ
カット軟化点148℃)を15μmを用いた以外は、実
施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを得た。
【0038】この積層フィルムをヒートシーラーを用
い、圧力0.5kg/cm2、温度130℃、時間2秒
でEVOH(B)面同士を熱封緘し多層包装体を得た。
熱封緘強度は0.5kg/15mmしかなく、実施例1
に比べ非常に劣っていた。また酸素ガス透過量は20
℃,85%(相対湿度)において2ml/m2・日・気
圧と、またd−リモネン吸着量も30μg/フィルムg
と優れていた。
【0039】実施例2 EVOH(A)としてエチレン、酢酸ビニルの共重合体
をけん化して得た、エチレン含有量43モル%、酢酸ビ
ニル成分のけん化度99.5モル%、メルトフローレー
ト12g/10分のEVOHを10μm、EVOH
(B)としてエチレン、酢酸ビニルの共重合体をけん化
して得た、硼素換算含有量0.05重量%、エチレン含
有量60モル%、酢酸ビニル成分のけん化度99.4モ
ル%、メルトフローレート24g/10分のEVOH
(ビカット軟化点134℃)を15μmよりなる共押出
しフィルムを得た。
【0040】20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィル
ム(東京セロファン紙(株)製「トーセロ OP U−
1」、ビカット軟化点150℃)のコロナ処理面に、ポ
リエステル系の接着剤(武田薬品工業(株)製「A−3
85/A−50」)を固形分として3g/m2塗布し、
溶剤を蒸発させた後に、前記共押出しフィルムのEVO
H(A)面を貼合わせて複合フィルムを得た。
【0041】この積層フィルムをヒートシーラーを用
い、圧力0.5kg/cm2、温度130℃、時間2秒
でEVOH(B)面同士を熱封緘し多層包装体を得た。
熱封緘強度は2.1kg/15mmと強く、しかも収縮
もなく外観は良好であった。また酸素ガス透過量は20
℃,85%(相対湿度)において5ml/m2・日・気
圧と優れており、d−リモネン吸着量も400μg/フ
ィルムgと良好であった。
【0042】比較例2 EVOH(A)としてエチレン、酢酸ビニル及びビニル
トリメトキシシランの共重合体をけん化して得た、シラ
ン含有量0.07モル%、エチレン含有量60モル%、
酢酸ビニル成分のけん化度99.4モル%、メルトフロ
ーレート9g/10分のEVOHを10μm、EVOH
(B)としてエチレン、酢酸ビニルの共重合体をけん化
して得た、硼素換算含有量0.09重量%、エチレン含
有量70モル%、酢酸ビニル成分のけん化度97モル
%、メルトフローレート14g/10分のEVOH(ビ
カット軟化点120℃)を15μmよりなる共押出しフ
ィルムを得た以外は、実施例2に準じて行い同様な複合
フィルムを得た。
【0043】この積層フィルムをヒートシーラーを用
い、圧力0.5kg/cm2、温度130℃、時間2秒
でEVOH(B)面同士を熱封緘し多層包装体を得た。
熱封緘強度を測定したところ2.6kg/15mmと優
れていた。しかしこの積層フィルムの酸素ガス透過量
は、20℃,85%(相対湿度)において35ml/m
2・日・気圧と実施例1に比べ劣っていた。更にd−リ
モネン吸着量も1800μg/フィルムgであった。
【0044】実施例3 EVOH(A)としてエチレン、酢酸ビニルの共重合体
をけん化して得た、エチレン含有量27モル%、酢酸ビ
ニル成分のけん化度99.5モル%、メルトフローレー
ト3.3g/10分のEVOHを10μm、EVOH
(B)としてエチレン、酢酸ビニルの共重合体をけん化
して得た、硼素換算含有量0.02重量%、エチレン含
有量45モル%、酢酸ビニル成分のけん化度99.5モ
ル%、メルトフローレート17g/10分のEVOH
(ビカット軟化点155℃)を20μmよりなる共押出
しフィルムを得た。
【0045】25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(東レ(株)製「ルミラー P−1
1」、ビカット軟化点190℃)にポリエステル系の接
着剤(武田薬品工業(株)製「A−385/A−5
0」)を固形分として3g/m2塗布し、溶剤を蒸発さ
せた後、前記共押出しフィルムのEVOH(A)面を貼
合せて複合フィルムを得た。
【0046】この積層フィルムをヒートシーラーを用
い、圧力0.5kg/cm2、温度160℃、時間2秒
でEVOH(B)面同士を熱封緘し多層包装体を得た。
熱封緘強度を測定したところ2.9kg/15mmと強
く、しかも収縮もなく外観は良好であった。また酸素ガ
ス透過量は20℃,85%(相対湿度)において1ml
/m2・日・気圧と優れており、d−リモネン吸着量も
50μg/フィルムgと良好であった。
【0047】比較例3 EVOH(A)としてエチレン、酢酸ビニルの共重合体
をけん化して得た、エチレン含有量47モル%、酢酸ビ
ニル成分のけん化度99.5モル%、メルトフローレー
ト36g/10分のEVOHを20μm、EVOH
(B)としてエチレン、酢酸ビニルの共重合体をけん化
して得た、硼素換算含有量0.01重量%、エチレン含
有量31モル%、酢酸ビニル成分のけん化度99.5モ
ル%、メルトフローレート1.3g/10分のEVOH
(ビカット軟化点173℃)を10μmよりなる共押出
しフィルムを得た以外は、実施例3に準じて行い同様な
複合フィルムを得た。
【0048】この積層フィルムをヒートシーラーを用
い、圧力0.5kg/cm2、温度160℃、時間2秒
でEVOH(B)面同士を熱封緘し多層包装体を得た。
シール部に収縮もなく、外観は良好であったが、熱封緘
強度を測定したところ0.4kg/15mmしかなく、
熱封緘強度が実施例3に比べ非常に劣っていた。なおこ
の積層フィルムの酸素ガス透過量は、20℃,85%
(相対湿度)において2ml/m2・日・気圧であり、
d−リモネン吸着量も170μg/フィルムgと良好で
あった。
【0049】実施例4 一方の多層構成体として、EVOH(A)としてエチレ
ン、酢酸ビニルの共重合体をけん化して得た、エチレン
含有量27モル%、酢酸ビニル成分のけん化度99.5
モル%、メルトフローレート3.3g/10分のEVO
Hを20μm、EVOH(B)としてエチレン、酢酸ビ
ニルの共重合体をけん化して得た、硼素換算含有量0.
05重量%、の共重合体をけん化して得た、エチレン含
有量48モル%、酢酸ビニル成分のけん化度99.5モ
ル%、メルトフローレート14g/10分のEVOH
(ビカット軟化点148℃)を20μmを用い、もう一
方の多層構成体として、EVOH(A)としてエチレ
ン、酢酸ビニル共重合体をけん化して得た、エチレン含
有量32モル%、酢酸ビニル成分のけん化度99.5モ
ル%、メルトフローレート3.3g/10分のEVOH
を20μm、EVOH(B)としてエチレン、酢酸ビニ
ルの共重合体をけん化して得た、硼素換算含有量0.0
2重量%、エチレン含有量45モル%、酢酸ビニル成分
のけん化度99.5モル%、メルトフローレート15g
/10分のEVOH(ビカット軟化点155℃)を20
μmを用いた以外は、実施例1に準じて行い、同様な複
合フィルムを得た。
【0050】この積層フィルムをヒートシーラーを用
い、圧力0.5kg/cm2、温度160℃、時間2秒
でEVOH(B)面同士を熱封緘した。熱封緘強度は
3.4kg/15mmと強く、しかも収縮もなく外観は
良好であった。また酸素ガス透過量は20℃,85%
(相対湿度)において両者共に1ml/m2・日・気圧
と優れており、d−リモネン吸着量もやはり両者共に6
0μg/フィルムgと良好であった。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明の多層構造体
は、ガスバリアー性と内容物の非吸着性が良く、熱封緘
性が優れており、ジュース、パップ薬、芳香剤、石鹸、
防虫剤、工業薬品などの包装体に好適に適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B65D 65/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量10〜50モル%、ビニ
    ルエステル成分のけん化度95モル%以上のエチレン−
    ビニルエステル共重合体けん化物(A)層と、その層に
    隣接した、エチレン含有量30〜70モル%、ビニルエ
    ステル成分のけん化度90モル%以上で、硼素化合物を
    硼素換算量で0.002〜0.6重量%含むエチレン−
    ビニルエステル共重合体けん化物(B)層を含み、下記
    式を満足する多層構造体。 3≦EB−EA≦60 式中、EAおよびEBは、(A)および(B)のそれぞ
    れのエチレン含有量(モル%)を表す。
  2. 【請求項2】 (A)層の外層に(B)のビカット軟化
    点より5℃以上高いビカット軟化点を有する熱可塑性樹
    脂(C)層を積層してなる、請求項1記載の多層構造
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の多層構造体より
    なり、かつ(B)層を内層とする容器に内容物を充填
    し、(B)層同士を熱封緘してなる多層包装体。
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