JP6981508B2 - 透明多層フィルム及び包装体 - Google Patents
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Description
一方、蓋材を構成するフィルムに対しては、トレー又は底材に対するイージーピール性、酸素や水蒸気の透過を抑制するバリア性、耐ピンホール性等を有することが求められる。
そこで、通常は、蓋材を構成するフィルムとして、透明多層フィルムが利用される。
これに対して、上述の深絞り包装体によって、食品を包装する場合には、典型的には、収納部を形成するめの凹部が長手方向に配列されている長尺の底材と、長尺の蓋材とを用い、これらを、食品を収納しつつ、これらの長手方向において順次加熱シールし、すべての加熱シールの終了後に、形成した収納部ごとに、蓋材及び底材を切断する包装方法が採用される。
このとき、トレーを備えた包装体の場合には、長尺の蓋材は、その加熱シール後に直ちに切断するため、加熱シールされた蓋材に張力が加わり続けることがない。
これに対して、深絞り包装体の場合には、蓋材及び底材の切断は、個々の加熱シールの終了後(換言すると、個々の収納部の形成後)直ちに行われる訳ではなく、すべての加熱シールが終了した後に行われるため、この切断までの間に、加熱シールされた長尺の蓋材には、張力が加わり続ける。すると、この間、食品の収納部において、不活性ガスが充填されているために内圧が高くなっているのに加え、上記のように蓋材には張力が加わっているために、加熱シールされた蓋材は、底材から剥がれ易い状態となっている。そのため、蓋材と底材との間でシールが維持されている部位の面積が小さくなったり、最悪の場合には、蓋材と底材との間に隙間が生じてしまう。特に、底材の周縁部のうち、最終的に角部となる領域においては、蓋材が底材から剥がれ易い。
ホットタック強度は、例えば、自動充填包装機を用いて目的物を充填包装する場合の、充填適性を評価する際の指標として利用できることが開示されている(特許文献1参照)。
[1].少なくともイージーピール層を備えた透明多層フィルムであって、前記イージーピール層は、ポリプロピレン系樹脂を含有し、幅が25.4mm、厚さが6μmである前記イージーピール層の試験片と、厚さが440μmであるポリプロピレン製フィルムとを、シール温度170℃で加熱シールした場合のホットタック強度をS170とし、シール温度160℃で加熱シールした場合のホットタック強度をS160としたとき、S170/S160≧0.7の関係を満たす、透明多層フィルム。
[2].前記イージーピール層が、前記ポリプロピレン系樹脂として、プロピレン単独重合体及びプロピレン系共重合体のいずれか一方又は両方を含有し、さらに、下記一般式(i)−1及び(i)−2:
で表される構成単位を有する(ただし、前記一般式(i)−1で表される構成単位の数が、前記一般式(i)−2で表される構成単位の数よりも多い)ポリオレフィン系共重合体を含有するか、又は、前記ポリオレフィン系共重合体及びポリエチレンを含有しており、前記イージーピール層における、前記イージーピール層の総質量に対する、前記プロピレン単独重合体及びプロピレン系共重合体の合計含有量の割合が、55質量%以上である、[1]に記載の透明多層フィルム。
[3].JIS K 7136:2000に準拠して測定された、前記透明多層フィルムのヘーズが、14%以下である、[1]又は[2]に記載の透明多層フィルム。
[5].前記透明多層フィルムが、さらに、中間層を備えている、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
[6].前記透明多層フィルムが、さらに、酸素バリア層を備えている、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
[7].前記水蒸気バリア層と前記中間層が、前記イージーピール層と、前記酸素バリア層と、の間に配置されている、[6]に記載の透明多層フィルム。
[8].前記水蒸気バリア層が、前記イージーピール層に隣接して配置されている、[4]〜[7]のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
[9].前記透明多層フィルムが、前記酸素バリア層の前記中間層側とは反対側に、さらに、ポリアミド又はポリエステルを含有する外層を備えている、[7]又は[8]に記載の透明多層フィルム。
[11].JIS C 2139−3−1:2018に準拠して測定された、前記イージーピール層の表面抵抗率が、1×105〜1×1014Ω/□である、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
[12].前記イージーピール層が防曇剤を含有する、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
[13].前記中間層がポリアミドを含有する、[5]〜[12]のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
[14].前記中間層が、前記ポリアミドとして、バイオマス由来のポリアミドを含有する、[13]に記載の透明多層フィルム。
[16].前記水蒸気バリア層が結晶化核剤を含有する、[4]〜[15]のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
[17].前記水蒸気バリア層の溶融張力が0.2g以上である、[4]〜[16]のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
[18].前記水蒸気バリア層が、1種のポリプロピレンを含有するか、又は、溶融張力が異なる2種以上のポリプロピレンを含有する、[4]〜[17]のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
[19].[1]〜[18]のいずれか一項に記載の透明多層フィルムを備えた、包装体。
本発明の一実施形態に係る透明多層フィルムは、少なくともイージーピール層を備えた透明多層フィルムであって、前記イージーピール層は、ポリプロピレン系樹脂を含有し、幅が25.4mm、厚さが6μmである前記イージーピール層の試験片と、厚さが440μmであるポリプロピレン製フィルム(本明細書においては、「試験用PPフィルム」と略記することがある)とを、シール温度170℃で加熱シールした場合のホットタック強度をS170とし、シール温度160℃で加熱シールした場合のホットタック強度をS160としたとき、S170/S160≧0.7の関係を満たす。
本実施形態の透明多層フィルムは、その全体が透明性を有する。
深絞り包装体とは、収納部を構成する凹部が設けられた樹脂製の底材と、蓋材と、が加熱シール等によって接合されて、構成された包装体である。
本明細書においては、特に断りのない限り、「蓋材の底材からの剥がれ」とは、「深絞り包装体を製造するときの、蓋材の底材からの剥がれ」を意味する。
これら深絞り包装体、トレーを備えた包装体等は、食品用の包装体のうち、電子レンジでの加熱調理用として好適である。
このとき、イージーピール層の試験片の一方の面の全面を、試験用PPフィルムの一方の面と重ね合わせて、この状態でこれらを加熱シールする。
加熱シールが終了してから剥離強度(S170)を測定するまでの時間は、500msec.とすることができる。
剥離強度(S170)は、加熱シール後に、イージーピール層の試験片を、試験用PPフィルムから剥離することによって、測定できる。このときの引張速度は、33.3mm/sec.とすることができ、剥離時の、イージーピール層の試験片と、試験用PPフィルムと、の為す角度(剥離角度)を90°とすることができる。
S160は、加熱シール温度を170℃に代えて160℃とする点を除けば、S170の場合と同じ方法で測定できる。
例えば、透明多層フィルムの他の特性がより良好となる点では、S170/S160は、0.99以下であってもよい。
S170は、4.3N/25.4mm以上であることが好ましく、7.3N/25.4mm以下であることが好ましく、例えば、4.3〜7.3N/25.4mmであってもよい。
S160は、4.5N/25.4mm以上であることが好ましく、7.5N/25.4mm以下であることが好ましく、例えば、4.5〜7.5N/25.4mmであってもよい。
例えば、前記透明多層フィルムは、前記イージーピール層以外に、さらに、酸素の透過を抑制するための酸素バリア層を備えていてもよい。酸素バリア層を備えた透明多層フィルムは、酸素バリア層に優れる。
例えば、前記透明多層フィルムは、前記イージーピール層以外に、さらに、中間層を備えていてもよい。中間層としては、例えば、透明多層フィルムに成形加工性を付与したり、透明多層フィルムにおいてピンホールの発生を抑制するための層が挙げられ、透明多層フィルムにおいては、最表層とはならないように配置される。
例えば、前記透明多層フィルムは、前記イージーピール層以外に、さらに、外層を備えていてもよい。外層としては、例えば、透明多層フィルムを構成する他の層を保護するための層、透明多層フィルムに新たな特性を付与するための層が挙げられる。外層は、透明多層フィルムにおいては、イージーピール層とは反対側の最表層となるように配置される。
例えば、前記透明多層フィルムは、前記イージーピール層以外に、さらに、透明多層フィルムを構成する2層を接着するための接着層を備えていてもよい。接着層を備えた透明多層フィルムは、その多層構造がより安定化する。接着層は、透明多層フィルムにおいては、最表層とはならないように配置される。
ここに示す透明多層フィルム1は、イージーピール層11と、水蒸気バリア層12と、中間層13と、酸素バリア層14と、外層15と、が積層されて構成されている。
透明多層フィルム1において、水蒸気バリア層12と中間層13は、イージーピール層11と、酸素バリア層14と、の間に配置されている。また、水蒸気バリア層12は、イージーピール層11に隣接して配置されている。
さらに、透明多層フィルム1は、酸素バリア層14の中間層13側とは反対側に、外層15を備えている。
さらに、透明多層フィルム1は、水蒸気バリア層12と、中間層13と、の間に、接着層19を備えている。
すなわち、透明多層フィルム1は、イージーピール層11、水蒸気バリア層12、接着層19、中間層13、酸素バリア層14及び外層15がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
イージーピール層11は、透明多層フィルム1において、一方の最表層であり、透明多層フィルム1を構成する各層の積層方向において、一方の最も外側に配置されている。
透明多層フィルム1を、その中のイージーピール層11によって、他のフィルム又はシートとシールすることにより、包装体を構成できる。イージーピール層11の、水蒸気バリア層12側とは反対側の面(本明細書においては「第1面」と称することがある)11aは、透明多層フィルム1においては露出面であり、他のフィルム又はシートとシールするためのシール面となる。
イージーピール層11は、透明性を有する。
イージーピール層11が含有する前記ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンから誘導された構成単位を有する樹脂であれば、特に限定されない。
前記プロピレン系共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレンランダム共重合体(別名:ポリプロピレンランダムコポリマー、本明細書においては、「rPP」と称することがある)、プロピレン−エチレンブロック共重合体(別名:ポリプロピレンブロックコポリマー、本明細書においては、「bPP」と称することがある)、プロピレン−ブテン共重合体等が挙げられる。
また、前記バイオマス由来のポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセンLLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられる。これらエチレン単独重合体は、互いに種類が異なる樹脂として取り扱う。
前記エチレン系共重合体としては、例えば、エチレン−ブテン共重合体等が挙げられる。
で表される構成単位を有する(ただし、前記一般式(i)−1で表される構成単位の数が、前記一般式(i)−2で表される構成単位の数よりも多い)ポリオレフィン系共重合体(本明細書においては、「ポリオレフィン系共重合体(I)」と略記することがある)を含有するか、又は、前記ポリオレフィン系共重合体(I)及びポリエチレンを含有しており、前記イージーピール層における、前記イージーピール層の総質量に対する、前記プロピレン単独重合体及びプロピレン系共重合体の合計含有量の割合が、55質量%以上である(本明細書においては、このようなイージーピール層を「イージーピール層(A)」と称することがある)、ものが挙げられる。
イージーピール層11がポリオレフィン系共重合体(I)を含有していることにより、上述の、蓋材の底材からの剥がれの抑制効果が得られる。
ポリオレフィン系共重合体(I)において、一般式(i)−2で表される構成単位の数は、すべての構成単位の数(構成単位の総数)に対して、0%超であり、50%未満である。
糸引きとは、フィルムをシール対象物とシールした後、このシール対象物から剥離したときに、剥離箇所間で樹脂成分が糸を引いた状態となって、剥離面が平坦にはならない現象である。本実施形態の場合には、前記底材又はトレーと加熱シールした蓋材を、前記底材又はトレーから剥離したときに、前記底材又はトレーと、蓋材と、の間において、糸引きが抑制される。
なかでも、イージーピール層11は、前記他の成分として防曇剤を含有することが好ましい。
前記割合は、通常、後述するイージーピール層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、防曇剤の含有量(質量部)の割合、と同じである。
前記割合は、通常、後述するイージーピール層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、アンチブロッキング剤の含有量(質量部)の割合、と同じである。
イージーピール層11が含有する帯電防止剤は、公知のものでよい。
イージーピール層11の厚さは、例えば、4〜9μmであってもよい。
水蒸気バリア層12は、イージーピール層11に隣接して配置されている。本実施形態の透明多層フィルムにおいては、このように、水蒸気バリア層がイージーピール層に接触して積層されていることが好ましい。
水蒸気バリア層12は、透明性を有する。
水蒸気バリア層12は、これらの中でも、ポリプロピレンを含有することが好ましい。
水蒸気バリア層12が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記割合は、通常、後述する水蒸気バリア層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、水蒸気バリア性を発現する成分の含有量(質量部)の割合、と同じである。
すなわち、水蒸気バリア層12は、結晶化核剤を含有していてもよいし、防曇剤を含有していてもよい。
結晶化核剤は、公知のものでよい。結晶化核剤としては、例えば、ソルビトール系結晶化核剤等が挙げられる。
前記割合は、通常、後述する水蒸気バリア層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、結晶化核剤の含有量(質量部)の割合、と同じである。
水蒸気バリア層12が含有する防曇剤は、公知のものでよく、具体的には、上述のイージーピール層11が含有する防曇剤と同様のものが挙げられる。
前記割合は、通常、後述する水蒸気バリア層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、防曇剤の含有量(質量部)の割合、と同じである。
なお、本明細書において「溶融張力」とは、特に断りのない限り、「230℃での溶融張力」を意味する。溶融張力は、キャピログラフを用い、JIS K7199:1999に準拠して、測定できる。
水蒸気バリア層12の含有成分は、その種類に応じて、特有の溶融張力を示す(換言すると、特有の溶融張力を有するフィルム又はシートを形成する)ので、目的に応じて、前記含有成分の種類及び含有量を選択できる。
水蒸気バリア層12の水蒸気透過量は、例えば、JIS Z 0208に準拠して測定できる。
水蒸気バリア層12の厚さは、例えば、8〜15μmであってもよい。
中間層13は、透明多層フィルム1に成形加工性を付与し、また、透明多層フィルム1においてピンホールの発生を抑制する。
中間層13は、透明性を有する。
前記含窒素樹脂は、その主鎖中に窒素原子を有するものが好ましい。
なかでも、上述の効果がより高い点では、前記含窒素樹脂はポリアミドであること、すなわち、中間層13がポリアミドを含有することがより好ましい。
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス−(4−アミノシクロヘキシル)プロパン等の脂環族ジアミン;
メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等が挙げられる。
ヘキサヒドロテレフタル酸、及びヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環族カルボン酸;
テレフタル酸、イソフタル酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
また、前記バイオマス由来のポリアミドとしては、例えば、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、66−ナイロン、ナイロン6/66、ナイロン6/12又はナイロン6/66/12等において、一部又はすべての原料モノマーとしてバイオマス由来のモノマーを使用したもの等が挙げられる。このようなバイオマス由来のポリアミドの一例として、より具体的には、植物性油であるヒマシ油から得られた11−アミノウンデカン酸の縮重合体である、植物性11−ナイロンが挙げられる。
中間層13が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記割合は、通常、後述する中間層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記含窒素樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
中間層13の厚さは、例えば、4〜30μmであってもよい。
酸素バリア層14は、透明性を有する。
酸素バリア層14は、これらの中でも、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含有することが好ましく、エチレンの共重合比率(換言すると、エチレン−ビニルアルコール共重合体における、エチレン−ビニルアルコール共重合体中の構成単位の全量に対する、エチレンから誘導された構成単位の量の割合)が30〜50モル%であるエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有することがより好ましい。
酸素バリア層14が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記割合は、通常、後述する酸素バリア層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、酸素バリア性を発現する成分の含有量(質量部)の割合、と同じである。
酸素バリア層14の厚さは、例えば、2.5〜7.5μmであってもよい。
酸素バリア層14の酸素ガス透過量は、例えば、JIS K 7126−2に準拠して測定できる。
外層15は、透明多層フィルム1において、酸素バリア層14の中間層13側とは反対側に、設けられている。
外層15は、透明多層フィルム1において、他方の最表層であり、透明多層フィルム1を構成する各層の積層方向において、イージーピール層11とは反対側の、他方の最も外側に配置されている。すなわち、外層15の、酸素バリア層14側とは反対側の面(本明細書においては「第2面」と称することがある)15bは、透明多層フィルム1においては露出面である。
外層15は、透明性を有する。
例えば、前記含窒素樹脂のうち、ポリアミドとしては、例えば、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、66−ナイロン、ナイロン6/66、ナイロン6/12又はナイロン6/66/12等が挙げられる。
また、前記バイオマス由来のポリアミドとしては、例えば、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、66−ナイロン、ナイロン6/66、ナイロン6/12又はナイロン6/66/12等において、一部又はすべての原料モノマーとしてバイオマス由来のモノマーを使用したもの等が挙げられる。このようなバイオマス由来のポリアミドの一例として、より具体的には、植物性油であるヒマシ油から得られた11−アミノウンデカン酸の縮重合体である、植物性11−ナイロンが挙げられる。
また、前記バイオマス由来のポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)又はポリブチレンナフタレート(PBN)等において、一部又はすべての原料モノマーとしてバイオマス由来のモノマーを使用したもの等が挙げられる。
外層15が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記割合は、通常、後述する外層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、前記樹脂の含有量(質量部)の割合、と同じである。
水蒸気バリア層12の厚さは、例えば、10〜20μmであってもよい。
接着層19は、これに隣接する、水蒸気バリア層12と中間層13を接着している。
接着層19は、透明性を有する。
接着層19は、任意の構成要素であり、透明多層フィルム1においては省略可能である。ただし、接着層19を備えていることにより、透明多層フィルム1の多層構造がより安定化する。
前記ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンから誘導された構成単位を有する樹脂であり、酸性基を有する酸変性ポリオレフィン等の変性ポリオレフィンであってもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン系共重合体、プロピレン系共重合体、ブテン系共重合体、これら共重合体の変性物(換言すると変性共重合体)等が挙げられる。前記ポリオレフィン系樹脂は、接着性がより向上する点では、ランダム共重合体、グラフト共重合体又はブロック共重合体であることが好ましい。
接着層19が含有する前記プロピレン系共重合体としては、例えば、プロピレンとビニル基含有モノマーとの共重合体、その変性物(変性共重合体)等が挙げられる。このようなプロピレン系共重合体として、より具体的には、例えば、無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリプロピレン、プロピレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
接着層19が含有する前記ブテン系共重合体としては、例えば、1−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体、2−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体、これら共重合体の変性物(変性共重合体)等が挙げられる。
接着層19が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記割合は、通常、後述する接着層形成用組成物における、常温で気化しない成分の総含有量(質量部)に対する、接着性を発現する成分の含有量(質量部)の割合、と同じである。
接着層19の厚さは、例えば、3.5〜8.5μmであってもよい。
透明多層フィルム1のヘーズの下限値は、特に限定されない。例えば、透明多層フィルム1の製造が容易である点では、前記ヘーズは0.5%以上であってもよい。
ただし、ここに示す透明多層フィルム1のヘーズは、一例である。
前記他の層は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
前記透明多層フィルムは、例えば、数台の押出機を用いて、各層の形成材料となる樹脂又は樹脂組成物等を溶融押出するフィードブロック法や、マルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法等により、製造できる。
本発明の一実施形態に係る包装体は、前記透明多層フィルムを備えたものである。
前記透明多層フィルムは、その中のイージーピール層によって、他の樹脂フィルム、樹脂シート又は樹脂トレー(換言すると、樹脂製の底材)とシールすることにより、種々の包装体を構成できる。
好ましい前記包装体としては、例えば、蓋材とトレーとを備えており、蓋材が前記透明多層フィルムからなり、トレーが樹脂製のものであり、蓋材(前記透明多層フィルム)中のイージーピール層がトレーとシールされて構成されたもの(トレーを備えた包装体)も挙げられる。
好ましい前記包装体としては、例えば、前記透明多層フィルムが、その中のイージーピール層によって、同じ種類の透明多層フィルム、又は、異なる種類のフィルム若しくはシートと、シールされて構成された軟質ガスパックも挙げられる。
なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
蓋材10は、上述の本発明の一実施形態に係る透明多層フィルムであり、例えば、図1に示す透明多層フィルム1を蓋材10として用いることができる。
底材8は、樹脂フィルムを深絞り成形して得られたもの(深絞り成形体)である。すなわち、包装体101は深絞り包装体である。
なお、図2中の蓋材10においては、これを構成している多層フィルム中の各層の区別を省略している。
底材8の凹部80を除く領域の一方の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)8aと、蓋材10の一方の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)10aとは、いずれもシール面であり、互いに対向している。蓋材10が透明多層フィルム1である場合、蓋材10の第1面10aは、イージーピール層11の第1面11aである。
蓋材10が透明多層フィルム1である場合、蓋材10の他方の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)10bは、外層15の第2面5bである。
底材8のその平坦部における厚さは、300〜500μmであることが好ましい。
すなわち、包装体101は、食品用の包装体として好適であり、電子レンジでの加熱調理用の包装体として、特に好適である。また、包装体101は、電子レンジでの加熱を要する化粧品用又は医薬品用等(アイマスク等)の包装体としても好適である。
前記包装体は、前記透明多層フィルムを用い、包装対象物を収納するための収納部を形成するように、前記透明多層フィルムと、そのシール対象物と、を加熱シールすることにより、製造できる。前記シール対象物としては、上述の底材、トレー、他の樹脂フィルム、樹脂シート等が挙げられる。
前記トレーは、例えば、公知の方法により、平面状の樹脂シートを、目的とする形状に成形することで作製できる。
このように、本実施形態の透明多層フィルムは、深絞り包装体の製造に用いる場合に、特に顕著な効果が得られる。
各実施例及び比較例で用いたポリオレフィン系共重合体(I)を以下に示す。
ポリオレフィン系共重合体(I)−01:R1が水素原子であり、R2がメチル基である。
ポリオレフィン系共重合体(I)−02:R1が水素原子であり、R2がエチル基である。
ポリオレフィン系共重合体(I)−10:R1がメチル基であり、R2が水素原子である。
ポリオレフィン系共重合体(I)−12:R1がメチル基であり、R2がエチル基である。
ポリオレフィン系共重合体(I)−20:R1がエチル基であり、R2が水素原子である。
ポリオレフィン系共重合体(I)−21:R1がエチル基であり、R2がメチル基である。
<<透明多層フィルムの製造>>
<イージーピール層形成用組成物の製造>
低密度ポリエチレン(LDPE、宇部丸善ポリエチレン社製「F522N」)(20質量部)と、ポリプロピレンランダムコポリマー(rPP、住友化学社製「S131」)(45質量部)と、防曇剤マスターバッチ(竹本油脂社製「P302AB」、防曇剤である脂肪酸エステル化合物の含有量が10質量%、ポリプロピレン系樹脂の含有量が90質量%)(30質量部)と、ポリオレフィン系共重合体(I)−01(5質量部)と、を常温下で混練し、イージーピール層形成用組成物を得た。
このときの各成分の配合量を表1に示す。
ホモポリプロピレン(hPP、住友化学社製「WF836DG3」)(82質量部)と、結晶化核剤マスターバッチ(東京インキ社製「PPM−NAT94」、ソルビトール系結晶化核剤の含有量が10質量%、ポリプロピレン系樹脂の含有量が90質量%)(3質量部)と、防曇剤マスターバッチ(竹本油脂社製「P302AB」、防曇剤である脂肪酸エステル化合物の含有量が10質量%、ポリプロピレン系樹脂の含有量が90質量%)(5質量部)と、を常温下で混練し、水蒸気バリア層形成用組成物を得た。
接着層を構成する樹脂(接着性樹脂)として、変性ポリプロピレン(変性PP、三井化学社製「QE060」)を用意し、中間層及び外層を構成する樹脂として、6−ナイロン(以下、「Ny6」と略記することがある)(宇部興産社製「1030B2」、融点225℃)を用意し、酸素バリア層を構成する樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH、クラレ社製「J173B」、エチレンの共重合比率32モル%)を用意した。
<底材の製造>
hPP層(厚さ170μm)と、接着層(厚さ20μm)と、EVOH層(厚さ20μm)と、接着層(厚さ20μm)と、hPP層(厚さ170μm)とが、この順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、長尺の多層フィルム(厚さ400μm)を用意した。
深絞り包装機(東京食品機械社製「R175」)を用いて、前記多層フィルムを加熱温度140℃、加熱時間4秒、成形時間4秒の条件で、加熱成形することにより、前記多層フィルムの長手方向に、包装対象物の収納部が連続して成形された成形体(底材の連結体)を作製した。
次いで、上記で得られた透明多層フィルムを蓋材として用い、この蓋材と、上記で得られた底材とを、これらの長手方向の向きを一致させて、シール温度170℃、シール時間1.2秒、シール圧力5kgf/cm2の条件で加熱シールした。このとき、蓋材中のイージーピール層と、底材中の前記hPP層と、を加熱シールした。
そして、すべての加熱シールが終了した後に、形成した収納部ごとに、底材と蓋材を切断することにより、前記多層フィルムを底材(厚さ400μm)とし、前記透明多層フィルム(厚さ58.5μm)を蓋材とした包装体(深絞り包装体)を得た。
[実施例2]
表1に示すように、ポリオレフィン系共重合体(I)−01に代えて、ポリオレフィン系共重合体(I)−02を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
表1に示すように、ポリオレフィン系共重合体(I)−01に代えて、ポリオレフィン系共重合体(I)−10を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
表1に示すように、ポリオレフィン系共重合体(I)−01に代えて、ポリオレフィン系共重合体(I)−12を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
表1に示すように、ポリオレフィン系共重合体(I)−01に代えて、ポリオレフィン系共重合体(I)−20を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
表1に示すように、ポリオレフィン系共重合体(I)−01に代えて、ポリオレフィン系共重合体(I)−21を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
イージーピール層形成用組成物の製造時における、LDPE、rPP及びポリオレフィン系共重合体(I)−02のいずれか1種以上の配合量を、表1又は表2に示すとおりに変更した点以外は、実施例2の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
イージーピール層形成用組成物の製造時における、rPP及び防曇剤マスターバッチ(すなわち、防曇剤及び防曇剤併用PP系樹脂)の配合量を、表2に示すとおりに変更した点以外は、実施例2の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
イージーピール層形成用組成物の製造時における、LDPE、rPP及びポリオレフィン系共重合体(I)−02の配合量を、表3に示すとおりに変更した点以外は、実施例2の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
イージーピール層形成用組成物の製造時における、rPP及び防曇剤マスターバッチ(すなわち、防曇剤及び防曇剤併用PP系樹脂)の配合量を、表3に示すとおりに変更した点以外は、実施例2の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
外層を構成する樹脂として、6−ナイロン(宇部興産社製「1030B2」、融点225℃)に代えて、6−ナイロン(宇部興産社製「1030B2」、融点225℃)(90質量部)と、植物由来の11−ナイロン(アルケマ社製「Rilsan BESVO A FDA」)(4質量部)と、の混合物を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
表1に示すように、ポリオレフィン系共重合体(I)−01に代えてポリエチレンを用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
表1に示すように、ポリオレフィン系共重合体(I)−01に代えてホモポリプロピレン(hPP)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
表1に示すように、ポリオレフィン系共重合体(I)−01に代えてポリブテン(PB)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
イージーピール層形成用組成物の製造時における、rPP及びポリオレフィン系共重合体(I)−02の配合量を、表1に示すとおりに変更した点以外は、実施例2の場合と同じ方法で、透明多層フィルム及び包装体を製造した。
<ホットタック強度比の算出>
上記の各実施例及び比較例において、別途、押出し成形法により、前記透明多層フィルム中のものと同じである、単層のイージーピール層(厚さ6μm)を作製し、これから幅25.4mmの試験片を作製した。
ホットタック強度測定器(テラー社製「モデルHTホットタックヒートシールテスター」)を用いて、この試験片の一方の面の全面を、ポリプロピレン製フィルム(厚さ440μm)の一方の面と重ね合わせて、シール温度160℃、シール圧力0.473N/mm2、シール時間1.0sec.の条件で加熱シールし、その500msec.後に、引張速度33.3mm/sec.の条件で剥離強度を測定し、その測定値をS160(N/25.4mm)として採用した。
そして、これら測定値から、ホットタック強度比(S170/S160)を算出した。結果を表1〜3に示す。
上記の各実施例及び比較例で得られた10枚の包装体について、1枚ずつ、底材からの蓋材の剥がれの有無を目視観察した。そして、下記基準に従って、加熱シール時の底材からの蓋材の剥がれ抑制効果を評価した。結果を表1〜3中の「蓋材の剥がれ抑制効果」の欄に示す。
A:すべての包装体で剥がれが認められなかった。
B:1枚以上の包装体で剥がれが認められた。
上記の各実施例及び比較例で得られた10枚の包装体において、1枚ずつ、蓋材を底材から剥離し、剥離箇所間での糸引きの有無を、目視により確認した。そして、下記基準に従って、蓋材の糸引き抑制効果を評価した。結果を表1〜3中の「蓋材の糸引き抑制効果」の欄に示す。
(評価基準)
A:すべての包装体で糸引きが全く認められなかった。
B:1枚以上の包装体で糸引きが認められた。
上記の各実施例及び比較例で得られた包装体について、包装体1つあたり10gの粉末胡椒を加えて包装した場合の、蓋材中のイージーピール層に対する、粉末胡椒の貼り付きの有無を目視にて確認した。そして、下記基準に従って、イージーピール層への粉末の貼り付き抑制効果を評価した。結果を表1〜3中の「イージーピール層への粉末の貼り付き抑制効果」の欄に示す。
(評価基準)
A:粉末の貼り付きが認められなかった。
B:粉末の貼り付きが認められた。
上記の各実施例及び比較例において、別途、押出し成形法により、前記透明多層フィルム中のものと同じである、単層のイージーピール層(厚さ6μm)を作製し。これを試験片とした。この試験片について、JIS C 2139−3−1:2018に準拠して、表面抵抗率(Ω/□)を測定した。結果を表1〜3に示す。
上記の各実施例及び比較例で得られた透明多層フィルムについて、JIS K 7136:2000に準拠して、そのイージーピール層側の外部からヘーズ(%)を測定した。結果を表1〜3に示す。
実施例1〜15においては、S170/S160が0.83以上(0.83〜0.98)と、十分に大きかった。
実施例1〜13、15の包装体においては、イージーピール層における、イージーピール層の総質量に対する、前記プロピレン単独重合体及びプロピレン系共重合体の合計含有量(ここでは、プロピレン単独重合体の含有量は0質量部である)の割合が、67質量%以上(67〜77質量%)であり、イージーピール層における、イージーピール層の総質量に対する、前記非プロピレン系共重合体及びポリエチレンの合計含有量の割合が、30質量%以下(20〜30質量%)であった。
実施例1〜14のイージーピール層は、防曇剤である脂肪酸エステル化合物を含有しており、この成分が帯電防止剤としても機能していると推測された。実施例1〜14の包装体においては、イージーピール層における、イージーピール層の総質量に対する、防曇剤の含有量の割合が、1〜4質量%であり、前記割合が高い方が、イージーピール層の表面抵抗率が低かった。
実施例1〜14の透明多層フィルムのヘーズは、10%以下(5〜10%)であった。
比較例1〜4においては、S170/S160が0.69以下(0.53〜0.69)であった。
11・・・イージーピール層
11a・・・イージーピール層の第1面
12・・・水蒸気バリア層
13・・・中間層
14・・・酸素バリア層
15・・・外層
101・・・包装体
10・・・蓋材
Claims (13)
- 少なくともイージーピール層を備えた透明多層フィルムであって、
前記イージーピール層は、ポリプロピレン系樹脂を含有し、
幅が25.4mm、厚さが6μmである前記イージーピール層の試験片と、厚さが440μmであるポリプロピレン製フィルムとを、シール温度170℃で加熱シールした場合のホットタック強度をS170とし、シール温度160℃で加熱シールした場合のホットタック強度をS160としたとき、S170/S160 が0.8〜0.99であり、
前記イージーピール層が、前記ポリプロピレン系樹脂として、プロピレン単独重合体及びプロピレン系共重合体のいずれか一方又は両方を含有し、さらに、下記一般式(i)−1及び(i)−2:
で表される構成単位を有する(ただし、前記一般式(i)−1で表される構成単位の数が、前記一般式(i)−2で表される構成単位の数よりも多い)ポリオレフィン系共重合体を含有するか、又は、前記ポリオレフィン系共重合体及び低密度ポリエチレンを含有しており、前記イージーピール層における、前記イージーピール層の総質量に対する、前記プロピレン単独重合体及びプロピレン系共重合体の合計含有量の割合が、55質量%以上であり、
前記イージーピール層が防曇剤を含有し、前記イージーピール層における、前記イージーピール層の総質量に対する、前記防曇剤の含有量の割合が、0.5〜5質量%であり、
前記透明多層フィルムが、さらに、ホモポリプロピレンを含有する水蒸気バリア層を備えており、
前記水蒸気バリア層が、前記イージーピール層に隣接して配置されており、
前記水蒸気バリア層において、前記水蒸気バリア層の総質量に対する、前記ホモポリプロピレンの含有量の割合が、70〜100質量%である、透明多層フィルム。 - JIS K 7136:2000に準拠して測定された、前記透明多層フィルムのヘーズが、14%以下である、請求項1に記載の透明多層フィルム。
- 前記透明多層フィルムが、さらに、中間層を備えている、請求項1又は2に記載の透明多層フィルム。
- 前記透明多層フィルムが、さらに、酸素バリア層を備えている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
- 前記水蒸気バリア層と前記中間層が、前記イージーピール層と、前記酸素バリア層と、の間に配置されている、請求項4に記載の透明多層フィルム。
- 前記透明多層フィルムが、前記酸素バリア層の前記中間層側とは反対側に、さらに、ポリアミド又はポリエステルを含有する外層を備えている、請求項4又は5に記載の透明多層フィルム。
- 前記外層が、前記ポリアミド又はポリエステルとして、バイオマス由来のポリアミド又はバイオマス由来のポリエステルを含有する、請求項6に記載の透明多層フィルム。
- JIS C 2139−3−1:2018に準拠して測定された、前記イージーピール層の表面抵抗率が、1×105〜1×1014Ω/□である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
- 前記中間層がポリアミドを含有する、請求項3〜8のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
- 前記中間層が、前記ポリアミドとして、バイオマス由来のポリアミドを含有する、請求項9に記載の透明多層フィルム。
- 前記水蒸気バリア層が結晶化核剤を含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
- 前記水蒸気バリア層の溶融張力が0.2g以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の透明多層フィルム。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の透明多層フィルムを備えた、包装体。
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