JP2777435B2 - 多層積層体 - Google Patents

多層積層体

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ジュース、コーヒーなどの飲料、カレーや
スープなどのレトルト食品などの包装材に適する多層積
層体に関する。特に食品の重要な商品価値の一つである
香気についてその保存性を向上し、且つヒートシール性
の良好な多層積層体に関する。
[従来の技術] 食品の香気(以下、フレーバーと略す。)は種々の炭
化数の有機化合物よりなっている。例えばテルペン系炭
化水素類(d−リモネン、ミルセンなど)、テルペンア
ルコール類(α−テルピネオール、リナロール、ゲラニ
オールなど)、アルコール類(オクタノール、イソアミ
ルアルコールなど)、アルデヒド類(オクタナール、シ
トラール、トランス−2−ヘキサナールなど)、エステ
ル類(エチルカプレイト、アミルベンゾエート、エチル
シンナメイトなど)等が挙げられる。
これらの香気を保存すべき食品包装用の多層積層体の
一般的な構成は、原則として内層にヒートシール可能な
ポリオレフィン系樹脂層、中間にガスバリヤー層として
エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリ
デン共重合体またはポリアミド樹脂の様なガスバリヤー
樹脂やアルミニウムなどの金属箔を用い、そしてその外
側に支持層或は保護層としてのポリオレフィン樹脂やポ
リエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂な
どの熱可塑性樹脂層からなっている。そして、これらの
各層は接着剤層によって積層されているのが一般的であ
る。
特に包装の自動化、効率化に大いに利用されているヒ
ートシール層は、ポリオレフィン系樹脂がほとんど独占
的に使用されている。しかし、内面側のヒートシール層
としてのポリオレフィン系熱可塑性樹脂は、ガスバリヤ
ー樹脂や金属箔とは互いに親和性がないため接着性に問
題がある。
このことはポリエチレンやポリプロピレンなどに代表
されるポリオレフィン系熱可塑性樹脂が無極性であるこ
とから容易に想像できる。
従って、一般的にはポリエステル系やアクリル系やポ
リウレタン系などの接着剤を介して積層するドライラミ
ネート法;ポリオレフィン樹脂を有機過酸化物を触媒と
して不飽和カルボン酸無水物と同時に押出、溶融グラフ
トする方法または熱キシレンにポリオレフィン樹脂を溶
解し、有機過酸化物で不飽和カルボン酸無水物をグラフ
トする方法などによって得られる、所謂変性ポリオレフ
ィン樹脂を接着剤層として多層共押出法によって多層積
層体を得る方法;など接着剤に頼っているのが普通であ
る。
ところで、包装される食品の重要な商品価値の一つに
そのフレーバーがある。これは食品の風味の一要素であ
り、フレーバーの劣化それ自体が商品としての食品の劣
化といっても過言ではない。このフレーバーは食品中に
含まれる多数の微量有機化合物成分によって作られてお
り、その食品独自の香気は、それら微量有機化合物成分
の蒸気濃度のバランスによって形成されている。
ところが食品と直接接するヒートシール層としてのポ
リオレフィン樹脂は、食品中のフレーバーを少なからず
収着してしまうのでヒートシール層を薄くすることが要
望されているが、これを薄くして使用することはヒート
シール層での破損などを招きがちであった。
フレーバーの保香性とポリマーの関係に関しては渡辺
渉ら;日本食品工業学会誌、Vol 10 No.4 P118(196
3)や食品工業別冊;食品の包装と材料、光淋(昭和54
年)、や榛田滋行;ジャパンフードサイエンス3月号
P49(1987)、PRECEEDING OF FUTURE−PAK87(RYDER
ASSOCIATES INC )NOVEMBERP9(1987)等に述べられて
いる。
フレーバーの保香に関する従来技術としては、ポリエ
チレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール共
重合体、ナイロンのうち少なくとも一種を内容物と接す
る最内層とする方法(特開昭57−163654及び特開昭60−
48344)、最内層をポリエステルとンポリアミドとの混
合物とする方法(特開昭61−64449)、最内層を形成す
る樹脂に食品香料を練り込む方法(特開昭59−174348、
59−174470)、分子量の異なるポリエステルの混合物を
内面材として用いる方法(特開昭57−163654)等が知ら
れている。
エチレン−ビニルアルコール共重合体を内容物と接す
る最内層としたペーパーボード(特開昭63−3950)、熱
封緘可能なグリコール変性ポリエチレングリコールを内
容物と接する最内層とするペーパーボード(特開昭62−
290534)、ポリオレフィン層と該ポリオレフィン層に接
着層を介して積層され、包装体内部表面を構成するエチ
レン−ビニルアルコール共重合体の厚みを5〜40μmと
する方法(公開実用63−21031)、最内層をポリオレフ
ィン樹脂層とし、ポリオレフィン樹脂の量を充填する食
品の量100%(重量)に対して0.5%以下とする方法(特
開昭62−268640)等の提案がなされている。
しかし、これらの方法はいずれも最内層として使用さ
れる面の樹脂がポリオレフィン樹脂より融点が高い樹脂
を使用するため、ヒートシール性が悪いという問題があ
ったり、また香料を練り込むときの混練り温度が高いた
め、食品香料を最内層樹脂に練り込むとき熱劣化を起こ
すという問題があったり、ヒートシールができても、ヒ
ートシールの性能が悪いために簡単にヒートシール部分
で破損が起きるなどの問題があったり、特開昭62−2686
40号公報のように充填食品の量100%(重量)に対して
ポリオレフィンの量を0.5%以下にするため、具体的に
は低密度ポリエチレンを10μmのように非常に薄くする
ことを必要とし、ヒートシール時に低密度ポリエチレン
より融点の高い樹脂で構成されている外側の層が未溶融
となり、ヒートシール強度が劣り、破損の問題などがあ
って充分な解決とは言えなかった。
なかには、大容量の充填食品の場合には有効な場合も
あるが、少容量の充填食品の時は必然的にポリオレフィ
ンの厚みを薄くするか、容器の大きさを小さくする制限
が存在し、商業的な制約があった。
[発明が解決しようとする課題] 従来のガスバリヤー性樹脂を最内層に用いる技術で
は、フレーバーバリヤー性はポリオレフィン樹脂より優
れているものの、ヒートシール性がポリオレフィン樹脂
よりも劣るため作業性、品質維持の点からみて問題があ
った。
例えば、フレーバーバリヤー性に関してはエチレン−
ビニルアルコール共重合体が最も優れているものの、ヒ
ートシール性がポリオレフィン樹脂より熱融解温度が高
いためヒートシール温度が高く、しかもタフネスに欠け
るためにヒートシール強度が劣るものであった。
この解決方法としてはエチレン含有量の多いエチレン
−ビニルアルコール共重合体を選択する方法があるが、
エチレン含有量の増加とともにヒートシール性は若干よ
くなるものの逆にフレーバーバリヤー性が悪化するた
め、ヒートシール性とフレーバーバリヤー性という相反
する問題点を同時には解決できなかった。
従って本発明の目的はヒートシール性に優れ、しかも
フレバーバリヤー性、機械的強度に優れた多層積層体を
得ることである。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記の課題を解決すべくなされたものであ
り、ポリビニルアルコールがポリビニルアルコールと酢
酸ビニルモノマーの合計量に対し、少なくとも10重量%
存在する状態で酢酸ビニルモノマー及びエチレンモノマ
ーをエマルジョン重合によって得られるエチレン含有量
1〜50重量%のポリビニルアルコール、酢酸ビニル、エ
チレンの単位からなるポリビニルアルコール系共重合体
樹脂層を少なくとも一層以上有し、該樹脂層に隣接し厚
み2μm以上30μmを越えない厚みのポリオレフィン系
熱可塑性樹脂層又は接着層とポリオレフィン系熱可塑性
樹脂層よりなる層を積層し、しかも物品を包装したと
き、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂層をヒートシール面
とすることによりヒートシール性に優れ且つフレーバー
バリヤー性、機械的強度に優れた多層積層体とすること
にある。
本発明のポリビニルアルコール系共重合体樹脂につい
ては、その製法について特開昭60−96637号公報及び特
開昭63−108016号公報にのべられている。
この樹脂の製造法の一例を挙げれば、平均重合度20〜
5000のポリビニルアルコールの存在下で公知の触媒を用
いて酢酸ビニル及びエチレンをエマルジョン共重合する
ことにより得られる。
使用されるポリビニルアルコールは平均ケン化度50な
いし99%を用いることが出来るが、80ないし99%のもの
が好ましい。酢酸ビニルとエチレンとの重合をしている
間、水性エマルジョン中に存在しているポリビニルアル
コールの量は、酢酸ビニル及びポリビニルアルコールの
合計量に対し少なくとも10重量%必要である。これ以下
の場合はフレーバーの収着が大きくなるため本発明の目
的には適さない。
上記の方法により製造されるポリビニルアルコール系
共重合体中のエチレン含有量は1ないし50重量%であ
り、10ないし45重量%が好ましい。
エチレン含有量が50重量%を越えるとヒートシール性
は良好となるがフレーバーの収着が多くなり本発明の目
的には適さない。逆に1重量%未満である場合は溶融成
形性が劣るため使用できない。
また酢酸ビニル単位の含有量については1ないし89重
量%がよい。1重量%未満であると溶融成形性が悪く、
また89重量%を越えるとフレーバーの収着が多くなる。
本ポリビニルアルコール系共重合体樹脂には更に10重
量%以内のエチレン性不飽和結合を持つモノマーを共重
合することが出来る。これらのモノマーの一例として
は、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、イタコン酸等の不飽和酸あるいはそれらのアルキ
ルエステル、プロピレン、ブテン、デセン、オクタデセ
ン等のα−オレフィンが挙げられる。
一方、ポリビニルアルコール系共重合体樹脂層に積層
するヒートシール層の熱可塑性樹脂としてはポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、4−メ
チルペンテン−1樹脂、EVA、エチレンと炭素数が3〜1
2のα−オレフィンとの共重合体樹脂等のポリオレフィ
ン樹脂あるいはその変性物(以下、ポリオレフィン樹脂
と称す。)、あるいはこれらのブレンド物等が挙げられ
る。
エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合
体樹脂の一例としてはエチレン−ブテン−1共重合体、
エチレン−4メチルペンテン−1共重合体、エチレン−
ヘキセン−1共重合体等が挙げられる。またエチレン−
プロピレンゴムなどをブレンドした変性ポリプロピレ
ン、変性ポリブテン、変性ポリ−4メチルペンテン−1
あるいは上述のポリオレフィン系ポリマーに不飽和カル
ボン酸またはその無水物を有機過酸化物存在のもとにグ
ラフトあるいは他のモノマー(例えばメチルメタアクリ
レート、エチルアクリレート等)と共に共重合したもの
も本発明ではポリオレフィン樹脂に含まれている。
一般に食品などの包装には、ヒートシール層にポリオ
レフィン系樹脂を用いるが、内容物のフレーバー成分が
ポリオレフィン樹脂に収着され、ときには内容物からフ
レーバー成分が失われてしまうことさえある。ここで云
う収着とは、低分子有機物がポリマーなどの固体中へ溶
解、拡散する現象をいう。
本発明者らは、この収着の問題に関して鋭意研究を重
ねた結果、ポリビニルアルコール樹脂が少なくとも10重
量%の存在下酢酸ビニルモノマー及びエチレンモノマー
をエマルジョン重合することによって得られるポリビニ
ルアルコール、酢酸ビニル、エチレンの単位からなるポ
リビニルアルコール系共重合体を少なくとも一層以上有
し、該樹脂に隣接してトータルの厚み2μm〜30μmの
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂層又は接着層とポリオレ
フィン系熱可塑性樹脂層とを積層した多層積層体を用
い、しかも物品を包装するとき、ポリオレフィン系熱可
塑性樹脂層を最内層すなわちヒートシール層として用い
ると、耐内容物性、フレーバーバリヤー性、ヒートシー
ル性、機械的強度に優れた多層積層体として有効である
ことを見いだした。
本発明の多層積層体の積層方法としてはウレタン系、
アクリル系等のドライラミ接着剤を用いる公知のドライ
ラミネーション法やサンドラミネーション法によって行
なわれるか、または共押出ラミ、共押出法(フィードブ
ロック、マルチマニホールド法)共射出法、共押出パイ
プ、共押出ブロー成形法等によって得ることが出来る。
但し、ドライラミネーション法においては、ポリオレ
フィン系熱可塑性樹脂層フィルムの厚みがあまり薄いと
ドライラミ中フィルムの破断やシワ発生の原因となるた
め、好ましくは厚み10μm以上がよい。
また、共押出成形法において、ポリビニルアルコール
系共重合体にラミネートしてヒートシール層を形成する
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂樹脂としては、ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹
脂、ポリエチレン系三元共重合体等のポリエチレンファ
ミリーの樹脂があるが、これらは接着層なしでも積層可
能である。より強固な層間接着強度を得るには通常エチ
レン−ビニルアルコール系樹脂等の接着に用いられる不
飽和カルボン酸又はそれらの無水物変性ポリオレフィン
樹脂やウレタン系・アクリル系・ポリエステル系等のド
ライラミ用接着剤を接着用樹脂層に用いても良い。
本発明による多層積層体の例としてはポリビニルアル
コール系共重合体樹脂層をB、厚み2μm〜30μmのポ
リオレフィン系樹脂層をA、接着樹脂層をC(但し、A
+Cで2μm〜30μmとする。)、その他の熱可塑性樹
脂をDで表わすと以下のようになる。A/B,A/C/B,A/B/C/
D,A/B/金属箔/D,A/C/B/金属箔/D等を挙げることが出来
る。
また、ガスバリヤー材であるエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、ポリ塩化ビニリデン共重合体、アクリロ
ニトリル共重合体、アルミ箔などの金属箔等は中間層と
して積層しても良い。
これら多層積層体の組み合わせは特に制限されるもの
でなく、A層を多層積層体の構成に於て最外層とし、A
層に隣接してポリビニルアルコール系共重合体樹脂を積
層し、しかも物品を包装するとき、ヒートシール面、す
なわち包装体の最内層として用いることによりフレーバ
ーバリヤー性、ヒートシール性に優れた多層積層体を得
ることが可能であって、A層の次にB層を積層するか、
またはA層にC層を介してB層を積層する必要があり、
B層をA層と離し中間層に用いたのではなんら効果がな
い。また、A層にC層を介してB層を積層する場合、A
層とC層の厚みの合計が30μm以下にしなければ効果が
ない。
ヒートシール層として用いるポリオレフィン系熱可塑
性樹脂の厚みが2μm以下では成形が困難であり、また
30μm以上になるとフレーバー成分の収着量大きくなり
好ましくない。好ましくはポリオレフィン系熱可塑性樹
脂または該樹脂層とC層の合計厚みが5μm〜20μmの
範囲になるように積層すると良い。
一方、ポリビニルアルコール系共重合体の樹脂層の厚
みについては特に制限されないが、経済性を考慮して50
μm以下にすると良い。
[作 用] 本発明に用いるポリビニルアルコール系共重合体樹脂
を含む多層積層体を用いて物品を包装したとき、厚み2
μm〜30μmのポリオレフィン系熱可塑性樹脂層をヒー
トシール層として用いる場合、フレーバーバリヤー性に
優れ且つヒートシール特性にも優れる理由については定
かでないが、ポリビニルアルコール系共重合体樹脂のよ
うに水酸基を含む樹脂のガスバリヤー性はガス分子のこ
れら樹脂中に於ける拡散速度に依存しており、吸湿して
樹脂が水を含むことにより高分子鎖間の拘束力が弱ま
り、高分子鎖間の運動性が増すと共にガス分子の拡散速
度も速くなるといわれている。
ところが、フレーバー収着に関してはポリビニルアル
コール系共重合体樹脂とフレーバー成分分子との相溶性
が大きく寄与しており、通常我々が香りとして感じるこ
とのできるフレーバー成分分子の範囲内では、大きな収
着性を示す分子が存在しないことに依るものと思われ
る。
一方、ヒートシール性に関しては、エチレン−ビニル
アルコール共重合体のような共重合体の側鎖は水酸基の
みであり、しかも隣接の水酸基同士で水素結合を取り、
しかも大部分が水酸基、即ちビニルアルコール成分とな
るので脆く、溶融しにくいためにヒートシール性が劣
る。
しかしながら、本発明で用いるポリビニルアルコール
系共重合体樹脂ではポリビニルアルコールにエチレン−
酢酸ビニル共重合体がグラフトしていると期待されるた
め、ヒートシール時に溶融しやすく、従ってA層が厳し
いヒートシール条件下にさらされてこの層の部分が流動
し、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂層が欠如しても、隣
接する層であるポリビニルアルコール系共重合体樹脂層
自身のヒートシール性能によりヒートシール部分が強固
に接着するものと思われる。
以下、実施例を挙げ本発明を説明する。
[実施例] (実施例1〜9、比較例1〜10) 《ポリビニルアルコール系共重合体の調製》 内容量20リッターのオートクレーブを使用し、重合度
500、けん化度88%の部分けん化ポリビニルアルコール
樹脂であるクラレ(株)製PVA205を用い、酢酸ビニルモ
ノマーに対する比を各々表−1左欄のように変化させた
状態で、触媒である過硫酸アンモニウム及びメタ重亜硫
酸ナトリウムを追添しながら、エチレンガスの圧力を変
更しエマルジョン重合を行ない表−1右欄に示す共重合
体エマルジョンを得た。このエマルジョンを−20℃で20
時間放置しポリマーを凍結析出した。得られたポリマー
を次に凍結粉砕、温度80℃で真空乾燥した。尚、ポリマ
ーのエチレン成分の割合はアルカリけん化法によって求
めた。
《多層積層体の調製》 表−1のポリビニルアルコール系共重合体を用い層の
厚み20μmとし、これにリニア−低密度ポリエチレン
(LLDPE,MI 0.8g/10min,密度0.918g/cc)と不飽和カル
ボン酸無水物変性ポリエチレン系接着性樹脂(MI 3.5g/
10min,密度0.92g/cc)を1対1で混合した樹脂組成物を
用い、40mmφ多層成形機で多層積層体を得た(実施例1
〜5,比較例1〜5)。一方、リニア−低密度ポリエチレ
ンをポリプロピレン(MFR 9g/10min)に変更し、不飽和
カルボン酸無水物変性ポリプロピレン系接着性樹脂(MF
R 5.5g/10min,密度0.8g/cc)を用い(実施例6〜9,比較
例6〜8)、またポリビニルアルコール系共重合体樹脂
をクラレ(株)エバールEPG110(EVOH,エチレン含有量4
7モル%)に、PPをLLDPEに変更し、リニア−低密度ポリ
エチレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂の
接着に不飽和カルボン酸無水物変性ポリエチレン系接着
性樹脂(MI 3.5g/10min,密度 0.92g/cc)を用い(比較
例9)、同じEVOHのままLLDPEをPPに変更し、PPとエチ
レン−ビニルアルコール共重合体樹脂の接着に不飽和カ
ルボン酸無水物変性ポリプロピレン系接着性樹脂(MFR
9g/10min)を用い(比較例10)、表−2に示す多層Tダ
イフィルムを得た。
《ヒートシール強度の評価》 テスター産業(製)ヒートシールテスターTP701を用
い、各フィルムについて圧力2(Kg/cm2)、ヒートシー
ル時間1秒とし各々ヒートシール温度を変化させ、幅15
mmを有するヒートシール評価用試料を得た。次にこのヒ
ートシール強度を東洋精機(株)製テンシロンを用い、
剥離速度300mm/minでT型剥離し、ヒートシール強度を
求めた。これらの測定結果をヒートシール強度が500g/1
5mm以上になる温度をもって表−2に示す。
《フレーバーの収着の評価》 表−2の本発明多層積層体フィルムに厚み9μmのア
ルミニウム箔及び厚み12μmのポリエチレンテレフタレ
ートフイルムをドライラミネートし多層積層体を得た。
ドライラミネートは東洋モートン(株)製の接着剤AD95
0A/Bを用い、塗布量は乾燥時、4g/m2となるように調製
し、その後40℃の恒温室で4日間エージングを行なっ
た。本発明の多層積層体を用いポリオレフィン系熱可塑
性樹脂層が内面となるようにヒートシールを行い、18cm
×10cmのパウチを作成した。このパウチの中に各種フレ
ーバー成分を溶解させた界面活性剤水溶液(リョートシ
ュガーエステルS−1170 0.5%水溶液、三菱化成食品
(株)製)を300ml封入し、23℃の恒温で70日間保持し
た。その後、パウチを開封し、パウチ内面のフィルムが
収着したフレーバー成分をエーテルにより抽出し、また
水溶液中に残存するフレーバー成分もエーテル抽出を行
なった。次にそれぞれについてガスクロマトグラフィー
を利用して、元の水溶液濃度に換算した収着量及び残存
量を各フレーバー成分について定量した。得られた結果
より、次式に従ってフレーバー収着の分配比を計算し
た。ここで分配比とは(1)式のように定義される。
分配比=収着量/残存量 (1) 即ち、分配比が大きい程フレーバー収着は強く、分配
比1のときは封入前に水溶液中に含まれていてフレーバ
ーの半分がパウチの内面層側に収着されており、分配比
が1よりも大きくなるに従って水溶液中に残るフレーバ
ーの濃度は少なくなっていく。この様に評価したフレー
バーの収着の結果を表−3に示す。
[効 果] 本発明の多層積層体は、フレーバーバリヤー性、ヒー
トシール性、機械的強度に優れ、食品包装材料、医療用
包装材料、その他フレーバーバリヤー性を要求される包
装材料として有用である。また本発明の多層積層体は金
属、紙等とラミネートすることもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコールがポリビニルアルコ
    ールと酢酸ビニルモノマーの合計量に対し少なくとも10
    重量%存在する状態で、酢酸ビニルモノマー及びエチレ
    ンモノマーをエマルジョン重合によって得られるエチレ
    ン含有量1〜50重量%のポリビニルアルコールおよび酢
    酸ビニル、エチレンの単位からなるポリビニルアルコー
    ル系共重合体樹脂層を少なくとも一層以上有し、該樹脂
    層に隣接し、厚み2μm以上30μmを越えない厚みのポ
    リオレフィン系熱可塑性樹脂層又は接着層とポリオレフ
    ィン系熱可塑性樹脂層よりなる層とを積層し、しかも物
    品を包装したとき、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂層を
    ヒートシール面とする多層積層体。
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