JP3028810B1 - 車両用回転座席のスライドロック装置 - Google Patents

車両用回転座席のスライドロック装置

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JP3028810B1
JP3028810B1 JP10353364A JP35336498A JP3028810B1 JP 3028810 B1 JP3028810 B1 JP 3028810B1 JP 10353364 A JP10353364 A JP 10353364A JP 35336498 A JP35336498 A JP 35336498A JP 3028810 B1 JP3028810 B1 JP 3028810B1
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裕 野間口
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Abstract

【要約】 【課題】 スライド側部材を後退位置にロックするスラ
イドロックおよびそのスライドロックを解除するロック
解除の各作動を個々に確実化し、スライドロックおよび
ロック解除に係る作動信頼性を向上する。 【解決手段】 スライドベース12に設けられたストラ
イカ102と、固定ベース31に設けられかつストライ
カ102を施錠可能なフック部材106と、回転側の扇
形ギヤ6に設けられかつフック部材106の施錠を解錠
するロック解除部材117とを備える。スライドベース
12が後退位置にスライドしたときにはフック部材10
6がストライカ102を施錠する。扇形ギヤ6が初期回
転した時にはロック解除部材117がフック部材106
を解錠する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用回転座席
のスライドロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、車両用回転座席の従来例について
図14〜図25を参照して述べる。なお、この車両用回
転座席には、同一出願人が先に出願した特願平9−23
6054号(本件出願時、未公開)で提案したものを具
体的に説明する。
【0003】車両室内の略体平面図を示した図14にお
いて、車両用回転座席1(以下、回転座席ともいう。)
は、車両Cのフロア(車両フロアともいう。)F上の所
定位置、すなわち運転席C1の左方に位置する助手席と
して設置されている。車両Cの助手席側のドアDrを開
いてドア開口部Dを開放した状態において、着座位置に
ある回転座席1(図14中、二点鎖線1参照)は、図1
4において左回り方向(反時計回り方向)にほぼ90°
回転(回動ともいう。)させながらスライドすることに
より、乗降位置(図14中、実線1参照)に移動するこ
とが可能である。
【0004】前記回転座席1を乗降位置とすると、例え
ば、高齢者や身体障害者等の乗員が回転座席1に楽に乗
降することができる。また、回転座席1は、乗降位置か
ら図14において右回り方向(時計回り方向)にほぼ9
0°回転させながらスライドすることにより、前記着座
位置に復帰することができる。
【0005】前記回転座席1は、大別すると、乗員(着
座者ともいう。)が着座する座席本体2(図15の斜視
図参照)と、前記座席本体2を昇降可能に支持する昇降
装置50(図16の斜視図参照)と、前記昇降装置50
を回転可能に支持する回転盤10(図17の斜視図参
照)と、前記車両フロアF上に設けられかつ前記回転盤
10をスライド可能に支持するスライド台30(図17
参照)とを備えている。なお、図14〜図21では、車
両前方が矢印「前」で示され、ドア開口部D(図14参
照)の外方が矢印「外」で示されている。
【0006】まず、説明の都合上、座席本体2から説明
する。図15に示すように、座席本体2は、シートクッ
ション2aとシートバック2bとを有している。前記シ
ートクッション2aの前下方にはフットレスト2cが設
けられている。フットレスト2cの左右一対の取り付け
アーム2dは、例えば、後述する昇降装置50の補強バ
ー58(図16参照)に取り付けられている。
【0007】次に、前記座席本体2を昇降可能に支持す
る支持する昇降装置50を説明する。図16に示すよう
に、昇降装置50の台座としての支持ベース53は、底
板部53bと、その底板部53bの左右両側縁より立ち
上がる左右の側板部53aとからなる。前記支持ベース
53の各側板部53aには、前後にほぼ平行をなす第1
リンクアーム51および第2リンクアーム52の下端部
がそれぞれ支点ピン51a,52aを介して回転可能に
軸支されている。
【0008】左右に平行する一対の第2リンクアーム5
2の下部間には、下側の連結バー54及び上側の連結バ
ー55が架設されている。下側の連結バー54の両端部
は、前記支持ベース53の当該側板部53aに対し前記
支点ピン52aを介して、第2リンクアーム52と一体
的に回転可能に取り付けられている。このため、左右の
両第2リンクアーム52は、前記支点ピン52aを回動
支点として一体的に回動(回転ともいう。)可能であ
る。
【0009】左右それぞれにおける第1リンクアーム5
1と第2リンクアーム52の上端部は、支点ピン51
b,52bを介して連結アーム56により回転可能に連
結されている。前記第1リンクアーム51と第2リンク
アーム52の上端部には、前記連結アーム56とともに
ほぼL字形状をした振り出しアーム57の上端部が前記
支点ピン51b,52bを介して回転可能に連結されて
いる。前記振り出しアーム57の下部アーム部57bは
前方へ向けられている。
【0010】前記支持ベース53の側板部53aと、第
1リンクアーム51と、第2リンクアーム52と、連結
アーム56および振り出しアーム57とによって、四節
リンク機構が構成されている。その四節リンク機構は、
支持ベース53の側板部53aを固定リンクとして、第
1リンクアーム51と第2リンクアーム52とが平行移
動することにより、連結アーム56および振り出しアー
ム57を前下方の下降位置へ下降させ、また、その下降
位置から逆方向に平行移動することにより、連結アーム
56および振り出しアーム57を後上方の原状位置すな
わち上昇位置へ上昇させる。
【0011】前記左右の振り出しアーム57の前方へ延
びる各下部アーム部57bには、図16に示すように、
相互に内方へ折曲された受承フランジ部57aが形成さ
れている。また、前記各下部アーム部57bの先端部間
には補強バー58が架設されている。前記両振り出しア
ーム57および前記補強バー58によって、前記座席本
体2のシートクッション2aが支承されている。
【0012】前記下側の連結バー54のほぼ中央部に
は、ほぼ逆L字形状をした左右2本の支持アーム59の
上端部が平行状に固定されている。図18に斜視図で示
すように、前記両支持アーム59の周辺部には、前記四
節リンク機構を作動するアクチュエーター60が組付け
られている。
【0013】前記アクチュエーター60は、ギヤボック
ス62を備えた電動モーターからなる作動用モーター6
1と、その作動用モーター61によって駆動されるボー
ルねじ63とを主体として構成されている。ボールねじ
63は、前記ギヤボックス62の出力軸(図示省略)と
連動するねじ軸63aと、そのねじ軸63aと螺合する
ブロック体形状のナット体63bとにより構成されてい
る。前記作動用モーター61を駆動すると、ギヤボック
ス62により増幅されたトルクをもってねじ軸63aが
回転し、これにより前記ナット体63bがねじ軸63a
の軸方向に移動される。
【0014】前記ねじ軸63aの基端部すなわち前記ギ
ヤボックス62との連結側の端部は、ねじ軸ケース63
cにより回転可能に支持されている。そのねじ軸ケース
63cは、前記ギヤボックス62に取り付けられている
とともに、前記左右2本の支持アーム59に回動支軸5
9aを介して回動可能に軸支されている。
【0015】一方、前記ナット体63bの左右両側面に
は、帯板状のブラケット63dがそれぞれ取り付けられ
ている。両ブラケット63dの先端部には、それぞれ支
軸64を介して固定ブラケット65が回転可能に連結さ
れている。前記固定ブラケット65は、前記支持ベース
53の底板部53bの前部上に固定されている。
【0016】前記アクチュエーター60によれば、図1
8に示す状態において、作動用モーター61を正転駆動
すると、前にも述べたように、ねじ軸63aが正転する
ことにより、ナット体63bが相対的にねじ軸63aの
先端方向へ移動する。前記ナット体63bは支軸64の
回りに回動するが、支持ベース53に固定されているの
で、前記ナット体63bを除くアクチュエーター60が
後方へ移動する。この状態が図25の略体側面図に二点
鎖線60で示されている。
【0017】前記アクチュエーター60が後方へ移動す
ると、支持アーム59および連結バー54(図16参
照)が支点ピン52aを中心として回転することによ
り、前記四節リンク機構が作動して、連結アーム56お
よび振り出しアーム57が下降位置へ移動されいわゆる
振り出した状態となる。このように、振り出しアーム5
7が振り出されることにより、座席本体2が図25に実
線2で示す上昇位置から図25に二点鎖線2で示す下降
位置へ下降される。また、座席本体2の下降位置におい
て、前記作動用モーター61を逆転駆動させると、前記
四節リンク機構が前記振り出しアーム57の振り出しに
係る作動と逆方向に作動し、前記座席本体2が前記上昇
位置に復帰される。
【0018】次に、前記昇降装置50を回転可能に支持
する回転盤10について説明する。図17に示すよう
に、回転盤10は、後述するスライド台30のスライド
可能なスライドベース12の後部上に設置されている。
なお、スライドベース12の左右両端部には、前後方向
に延びる2本の移動側レール部材11が相互に平行をな
して取り付けられている。
【0019】回転盤10は、外輪10aと内輪10bと
を備え、その外輪10aと内輪10bとの間に多数の鋼
球(図示省略)を転動可能に組込み、外輪10aと内輪
10bを相対回転可能に構成したものである。前記外輪
10aは、前記スライドベース12上に固定されてい
る。また、前記内輪10bは、前記昇降装置50におけ
る支持ベース53の底板部53b(図16参照)の下側
に固定されている。これにより、前記スライドベース1
2上に前記昇降装置50ひいては座席本体2が回転盤1
0を介して水平回転可能に支持されている。なお回転盤
10は、図19に略体平面図で示すように、ドア開口部
Dの外方にオフセットした位置に配置されている。
【0020】前記スライドベース12(図17参照)と
前記支持ベース53(図16参照)との間には、前記昇
降装置50を所定の回転位置でロック(回転ロックとも
いう。)およびそのロックの解除(回転ロック解除とも
いう。)をなす回転ロック装置が設けられている。その
回転ロック装置は、前記スライドベース12に設けられ
たロックプレート71(図17参照)および側部ロック
プレート72(図17参照)と、前記支持ベース53に
設けられた回転ロック機構70(図20の斜視図参照)
とからなる。
【0021】図17において、後部ロックプレート71
は、前記スライドベース12の後部中央部上に取り付け
られている。その後部ロックプレート71の後縁にはロ
ック凹部71aが形成されている。また、側部ロックプ
レート72は、前記スライドベース12の右部中央部上
に取り付けられている。その側部ロックプレート72の
右縁(室内側縁)にはロック凹部72aが形成されてい
る。
【0022】図20において、回転ロック機構70は、
前部(図20では左側に表されている。)に配置される
回転ロック解除レバー73と、後部に配置される回転ロ
ック部材74とを備えている。回転ロック解除レバー7
3は、ほぼ逆L字形状をなし、その折曲部がブラケット
73bに軸73dを介して回動可能に軸支されている。
前記回転ロック解除レバー73の前端部が操作部73c
となっている。前記ブラケット73bは、前記昇降装置
50(図16参照)における左側の振り出しアーム57
の前端部に取り付けられている。前記回転ロック解除レ
バー73は、例えば、図示しない引張りばねの付勢力に
よって常には操作部73cが上方位置に付勢されてい
る。
【0023】図20に示すように、前記回転ロック解除
レバー73の後部下端73aは、連動部材75の一端部
(図20において右端部)の前縁と当接可能となってい
る。前記連動部材75は、ブラケット76に支軸75a
を介して回動可能に軸支されている。ブラケット76
は、前記支持ベース53(図16参照)の底板部53b
の前端左隅角部に取り付けられている。このため、前記
回転ロック解除レバー73の操作部73cを押し下げ操
作すると、そのレバー73の後部下端73aにより連動
部材75の一端部が後方へ押されて、その連動部材75
が支軸75aを中心として回動する。
【0024】前記連動部材75の他端部(図20におい
て左端部)には、操作ワイヤー77の一端部(前端部)
が連結されている。操作ワイヤー77は、保護チューブ
78内に摺動可能に挿通されて後方に延びている。前記
操作ワイヤー77の後端部付近に配置されるブラケット
79は、前記支持ベース53(図16参照)の底板部5
3bの後端左隅角部に取り付けられている。
【0025】前記ブラケット79には、回転ロック部材
74が支軸74aを介して回動可能に取付けられてい
る。回転ロック部材74には、引掛け部74dが形成さ
れているとともに、回転ロックピン74cが取付けられ
ている。前記回転ロック部材74と前記ブラケット79
との間には、引張りばね74bが掛装されている。前記
引張りばね74bは、常には前記回転ロックピン74c
が前記後部ロックプレート71(図17参照)のロック
凹部71aあるいは前記側部ロックプレート72(図1
7参照)のロック凹部72aと係合する方向すなわち回
転ロック方向へ前記回転ロック部材74を付勢してい
る。
【0026】前記回転ロック部材74の引掛け部74d
には、前記操作ワイヤー77の他端部(後端部)が掛止
されている。このため、回転ロック解除レバー73の操
作部73cを押し下げ操作し、その回転ロック解除レバ
ー73の後部下端73aにより連動部材75が回動させ
られると、操作ワイヤー77を介して回転ロック部材7
4が引張りばね74bの付勢力に抗して反係合方向すな
わちアンロック方向に回動される。これにより、前記後
部ロックプレート71のロック凹部71aあるいは前記
側部ロックプレート72のロック凹部72aに対する回
転ロックピン74cの係合が解除される。すなわち、ス
ライドベース12に対する支持ベース53の回転ロック
が解除され、前記昇降装置50ひいては座席本体2が回
転可能となる。
【0027】また、回転ロック解除レバー73の操作部
73cに対する押し下げ操作を解除すると、回転ロック
部材74は引張りばね74bの付勢により復帰回動され
る。これにともない、前記後部ロックプレート71のロ
ック凹部71aあるいは前記側部ロックプレート72の
ロック凹部72aに前記回転ロックピン74cが係合可
能となる。なお、座席本体2の着座位置においては、前
記回転ロックピン74cが後部のロックプレート71の
ロック凹部71aと係合する。また、座席本体2の乗降
位置においては、前記回転ロックピン74cが側部のロ
ックプレート72のロック凹部72aと係合する。
【0028】また、図17に示すように、前記スライド
ベース12には、前記支持ベース53(図16参照)の
回動を利用して、スライドのロック(スライドロックと
もいう。)およびそのロックの解除(スライドロック解
除ともいう。)をなすスライドロック装置が組込まれて
いる。
【0029】スライドロック装置は、前記スライドベー
ス12のほぼ中央部に補助片81を介して設けられたス
ライドロック機構80と、図22の断面図に示すよう
に、前記支持ベース53の底板部53bの下面に重合状
に取り付けられたほぼ円弧板状の扇形ギヤ6(図21の
部分斜視図参照)と、その扇形ギヤ6の下面に重合状に
取り付けられたほぼ長四角形板状のカムプレート7と、
後述するスライド台30の固定ベース31に形成された
ロック孔31aとからなる。なお、図22に示すよう
に、カムプレート7の後端部(図22において右端部)
下面は、なだらかな斜面7aをもって前記扇形ギヤ6の
下面と連続している。
【0030】図22において、スライドロック機構80
は、補助片81に形成された挿通孔81aに挿着された
スリーブ82と、そのスリーブ82に上下動可能に設け
られたスライドロックピン83と、そのスライドロック
ピン83を上方へ付勢するコイルばねからなるばね84
とを備えている。
【0031】前記スライドロックピン83は、前記スリ
ーブ82に軸移動可能に嵌挿された嵌挿軸部83aと、
その嵌挿軸部83aの上端に形成された受承フランジ部
83bと、その受承フランジ部83bの上面に形成され
たボール受部83cと、そのボール受部83cに転動可
能に保持された鋼球からなるカムフォロア85とからな
る。なお、前記嵌挿軸部83aの下端部は、前記スライ
ドベース12のロック孔31aに対し挿脱可能である。
【0032】前記ばね84は、前記スリーブ82に外嵌
した状態で、前記補助片81と受承フランジ部83bと
の間に介在されている。このばね84によって、前記ス
ライドロックピン83が常には上方へ付勢され、前記カ
ムフォロア85は前記カムプレート7の下面および扇形
ギヤ6の下面に転動可能に当接する。
【0033】図22において、位置(イ)に実線で示す
ように、カムプレート7の下面にカムフォロア85が当
接する状態では、スライドロックピン83がばね84の
付勢力に抗してカムプレート7の板厚t分相当量が押し
下げられている。この状態では、前記スライドロックピ
ン83の嵌挿軸部83aが前記ロック孔31aに嵌入さ
れている。これにより、前記固定ベース31に対しスラ
イドベース12ひいては座席本体2がロックされる。こ
の状態では、前記スライドベース12が後退位置にロッ
クされる。
【0034】また、図22に位置(ロ)、位置(ハ)に
仮想線で示すように、カムプレート7における斜面7a
の上端部あるいは扇形ギヤ6の下面にスライドロック機
構80のカムフォロア85が当接する状態では、スライ
ドロックピン83がばね84の付勢により上動する。こ
の状態では、前記スライドロックピン83の嵌挿軸部8
3aが前記固定ベース31のロック孔31aから抜き出
されることにより、前記スライドベース12のロックが
解除される。なお、図22では、扇形ギヤ6およびカム
プレート7に対してスライドロック機構80を移動させ
た状態で示したが、実際には、スライドロック機構80
が固定であり、支持ベース53とともに扇形ギヤ6およ
びカムプレート7が相対的に移動する。
【0035】次に、前記回転盤10を前後方向にスライ
ド可能に支持するスライド台30を説明する。図17に
示すように、スライド台30は、前記スライドベース1
2と、前記車両C(図14参照)の車両フロアF上に固
定されかつ前記スライドベース12を前後方向にスライ
ド可能に支持する固定ベース31とからなる。
【0036】図23に断面図で示すように、前記スライ
ドベース12の各移動側レール部材11(図は一方を示
す。)の外側面には、前後方向に延びる断面V字状の溝
部11aがそれぞれ形成されている。また、前記固定ベ
ース31の左右両端部には、前後方向に延びる2本の固
定側レール部材32が相互に平行をなして取り付けられ
ている。各固定側レール部材32は、当該移動側レール
部材11の外側に隣接して配置される。各固定側レール
部材32の内側面には、前後方向に延びる断面V字状の
溝部32aがそれぞれ形成されている。
【0037】各移動側レール部材11と各固定側レール
部材32との間には、溝部11aおよび溝部32aに跨
って転動する多数の鋼球からなるガイドボール33が転
動可能に組込まれている。左右のそれぞれの移動側レー
ル部材11と固定側レール部材32とガイドボール33
とにより、左右の直線案内機構34が構成されている。
この両直線案内機構34により、前記回転盤10ひいて
は昇降装置50さらには座席本体2が滑らかに進退移動
すなわちスライド可能となっている。
【0038】次に、前記座席本体2の回転動作とスライ
ド動作とを連動させる連動機構について説明する。図2
1に示すように、室内側の固定側レール部材32には、
前後方向に延びかつ内側面にラック歯38aを有するラ
ック38が取付けられている。また、室内側の移動側レ
ール部材11には支持プレート35が固定され、その支
持プレート35上に中間ギヤ36が支軸37を介して回
転可能に支持されている。中間ギヤ36の外周面に形成
されたギヤ歯36aは、前記ラック38のラック歯38
aと噛み合わされている。
【0039】また、前記扇形ギヤ6は、図19に示すよ
うに、ほぼ90°の円弧形状をなし、その外周縁に前記
中間ギヤ36のギヤ歯36aと噛み合うギヤ歯6aを有
している。しかして、前記中間ギヤ36に対する扇形ギ
ヤ6の噛み合い当初側の端部(図19において左回り方
向の前端部)における一定角度範囲θ1(本実施の形態
では約26°の範囲)には、前記ギヤ歯6aが形成され
ていない。したがって、座席本体2を着座位置(図19
に実線で示す位置)から乗降位置方向へすなわち左回り
方向への角度範囲θ1は、扇形ギヤ6が中間ギヤ36と
噛み合わないため、座席本体2が空転する。その座席本
体2が空転する範囲を、非連動範囲あるいは空転域とも
いう。
【0040】また、前記座席本体2を前記非連動範囲以
上に回転させると、扇形ギヤ6が中間ギヤ36と噛み合
うため、座席本体2の回転に連動して中間ギヤ36が回
転する。中間ギヤ36は、前記ラック38と噛み合って
いるため、前記中間ギヤ36がその回転にともなって前
進することにより、前記スライドベース12(図17参
照)が進出し、ひいては座席本体2が乗降位置へ回転し
つつ進出する。また逆に、前記座席本体2を乗降位置か
ら逆転させると、前記と反対に、座席本体2が着座位置
へ回転しつつ後退する。なお、座席本体2が回転しつつ
進退する範囲を連動範囲ともいう。
【0041】前記スライドロック装置(図22参照)に
おいて、前記座席本体2の着座位置から乗降位置方向へ
の回転にともない、扇形ギヤ6が図22の位置(イ)か
ら図の左方へ移動し、スライドロックピン83のカムフ
ォロア85がカムプレート7の下面から扇形ギヤ6の下
面に相対的にずれて図22の位置(ハ)に移動する。こ
れにより、スライドロックピン83の嵌挿軸部83aが
固定ベース31のロック孔31aから抜けて、スライド
ロック機構80のスライドロックが解除される。
【0042】前記スライドロック解除のタイミングは、
座席本体2が回転操作されて前記扇形ギヤ6が中間ギヤ
36と噛み合う直前に設定されている。すなわち、座席
本体2を着座位置から乗降位置へ向けて回転させ始めた
当初約26°の回転(初期回転ともいう。)の範囲で
は、スライドロック機構80がスライドロック状態(図
22の位置(イ)参照)に維持されるため、スライドベ
ース12とともに座席本体2がロックされた状態とな
る。
【0043】また、座席本体2を前記初期回転以上に回
転させた時点で、スライドロックピン83が図22の位
置(ロ)に相対的に移動し、前にも述べたようにスライ
ドロック機構80のスライドロックが解除される。これ
により、スライドベース12とともに座席本体2がスラ
イド可能な状態となる。以後、座席本体2が乗降位置に
至るまで、スライドロック解除の状態すなわちスライド
アンロック状態(図22の位置(ハ)参照)が維持され
る。
【0044】逆に、座席本体2を乗降位置から着座位置
に向けて約64°回転する間は、スライドロック機構8
0がスライドアンロック状態に維持されるので、座席本
体2は着座位置に向けて回転しつつ後方へ移動する。座
席本体2を乗降位置から約64°以上回転した時点で、
スライドロック機構80がスライドロック状態(図22
の位置(イ)参照)となる。その後、座席本体2は約2
6°回転して着座位置に戻る。上記したように、スライ
ドロック機構80は、座席本体2の回転動作とスライド
動作とが連動されるタイミングに合わせてスライドロッ
ク・アンロックする。
【0045】なお、図17において、スライド台30の
左側部は左側部カバー41の取り付けにより覆われ、ス
ライド台30の右側部は右側部カバー42の取り付けに
より覆われ、スライド台30の後部は後部カバー43の
取り付けにより覆われる。
【0046】以上のように構成した回転座席1の操作手
順を図24の動作説明図の各状態(A)〜(D)を参照
して説明する。なお、図24では、座席本体2の回転中
心CP(回転盤10の回転中心)を基準とし、車両前後
方向の後退位置を符号L0で示し、その前進位置を符号
L1で示し、また、車両幅方向の移動範囲の室内側位置
を符号W0で示し、その室外側の進出位置を符号W1で
示している。また操作時において、車両CのドアDrは
開いているものとする。
【0047】図24に示す状態(A)は、座席本体2が
着座位置にある状態を示している。この状態(A)にお
いて、操作者が回転ロック機構70(図20参照)の回
転ロック解除レバー73を押し下げ操作して、回転ロッ
ク機構70の回転ロックを解除した後、座席本体2をド
ア開口部Dの方向(図24の左回り方向)へ回転する。
【0048】座席本体2を着座位置からドア開口部Dの
方向へ角度θ1(図19参照。約26°)回転させる
と、図24に示す状態(B)となる。状態(A)から状
態(B)までの間は、前にも述べたように、扇形ギヤ6
が中間ギヤ36と噛み合わないので座席本体2は空転す
る。しかしながら、角度θ1以上回転させた時点で、ス
ライドロック機構80がスライドアンロック状態(図2
2の位置(ロ)参照)となるとともに、扇形ギヤ6が中
間ギヤ36と噛み合い始める。
【0049】これ以後、座席本体2を回転させると、扇
形ギヤ6と中間ギヤ36との噛み合い作用および中間ギ
ヤ36とラック38の噛み合い作用により、座席本体2
が回転しつつスライドし、図24に示す状態(C)とな
る。状態(C)は、座席本体2が前方位置L1に進出す
るとともに、ドア開口部Dの外方に向いた横向き姿勢と
なる。
【0050】前記座席本体2が状態(C)となった時点
で、回転ロック機構70(図20参照)の回転ロックピ
ン74cが回転盤10(図17参照)の側部ロックプレ
ート72のロック凹部72aと係合する。これにより、
座席本体2が前記横向き姿勢の状態で回転ロックされ
る。座席本体2が回転ロックされるにともない、扇形ギ
ヤ6と中間ギヤ36との噛み合いおよび中間ギヤ36と
ラック38との噛み合いを介してスライドロックもなさ
れる。
【0051】次に、昇降装置50(図16参照)の作動
用モーター61を正転駆動させ、連結アーム56および
振り出しアーム57を前下方の下降位置へ下降させるこ
とにより、座席本体2が図24に示す状態(D)とな
る。状態(D)は、座席本体2が室外側位置W1に移動
し、かつ下降した乗降位置となった状態を示している。
この状態で、座席本体2に対し乗員が乗降することがで
きる。
【0052】以上のようにして、乗降位置に移動させた
座席本体2を着座位置に復帰させるには、上記と逆順
で、作動用モーター61を逆転させて、座席本体2を上
昇させつつ図24に示す状態(C)に戻す。この状態
(C)において、操作者が回転ロック機構70(図20
参照)の回転ロック解除レバー73を押し下げ操作し
て、回転ロック機構70の回転ロックを解除する。その
後、座席本体2を室内側の方向(図24の右回り方向)
へ回転させると、扇形ギヤ6と中間ギヤ36との噛み合
い作用および中間ギヤ36とラック38の噛み合い作用
により、座席本体2が回転しつつスライドし、図24に
示す状態(B)となる。その後、座席本体2をさらに角
度θ1(図19参照。約26°)回転すなわち空転させ
て着座位置とすることにより、図24に示す状態(A)
に復帰する。
【0053】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の回転座
席1においては、座席本体2の着座位置(図14の二点
鎖線1参照)において、着座した着座者の足元スペース
を広くしたいとの要求から、座席本体2の着座位置が車
両CのドアDr開口部に対し後方にずれた位置に設定さ
れる。このため、ドアDr開口部に対して座席本体2が
干渉しないように、座席本体2の回転およびスライドの
タイミングを最適化するため、座席本体2の着座位置付
近に非連動範囲いわゆる空転域が設定される。前記座席
本体2に空転域を設定すると、連動機構の中間ギヤ36
とラック38との相対位置すなわち連動時の中間ギヤ3
6とラック38との噛み合い位置にずれが発生する。
【0054】前記中間ギヤ36とラック38の噛み合い
位置がずれることを防止するために、前記スライドロッ
ク装置(図22参照)が組込まれている。しかしなが
ら、従来のスライドロック装置によると、非連動範囲と
連動範囲との切り替わり付近のきわめて少ない寸法域
(図22の位置(ロ)付近)において、スライドベース
12を後退位置にロックするスライドロックおよびその
スライドロックを解除するロック解除に係るスライドロ
ック機構80の正確な切り替え作動が求められる。この
ことから、前記スライドロックおよびロック解除の切り
替えに係るスライドロック機構80の組付け調整が難し
いものとなり、調整ガタによるラック38に対する中間
ギヤ36の歯跳びといった不具合の発生が予想され、作
動信頼性が低いという問題が残った。
【0055】本発明は上記した問題点を解決するために
なされたものであって、本発明が解決しようとする課題
は、スライド側部材を後退位置にロックするスライドロ
ックおよびそのスライドロックを解除するロック解除の
各作動を個々に確実化し、スライドロックおよびロック
解除に係る作動信頼性を向上することのできる車両用回
転座席のスライドロック装置を提供することにある。
【0056】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
発明は、車両フロアの固定側部材に対してスライド可能
に設けられたスライド側部材と、前記スライド側部材に
対して回転可能に設けられた回転側部材と、前記回転側
部材に設けられた座席本体とを備えた車両用回転座席の
スライドロック装置であって、前記固定側部材と前記ス
ライド側部材とのどちらか一方の部材に設けられた錠止
部材と、前記他方の部材に設けられかつ前記錠止部材を
施錠可能な施錠部材と、前記回転側部材に設けられかつ
施錠部材の施錠を解錠する解錠部材とを備え、前記スラ
イド側部材が後退位置にスライドしたときには前記施錠
部材が前記錠止部材を施錠し、また、前記回転側部材が
初期回転した時には前記解錠部材が前記施錠部材を解錠
する構成とした車両用回転座席のスライドロック装置で
ある。
【0057】上記した構成において、座席本体は、回転
側部材の回転動作とスライド側部材のスライド動作との
協動により回転およびスライドする。ここで、前記スラ
イド側部材が後退位置にスライドしたときには、施錠部
材により錠止部材が施錠されることによって、スライド
側部材がロックされる。また、後退位置にある座席本体
の進出に際して、回転側部材が初期回転したときには、
前記解錠部材が前記施錠部材を解錠することにより、ア
ンロックされた前記スライド側部材が進出可能となる。
【0058】上記した構成によると、固定側部材とスラ
イド側部材のどちらか一方の部材に設けられる錠止部材
の位置調整、および/または、他方の部材に設けられる
施錠部材の位置調整によって、スライド側部材を後退位
置にロックするスライドロックのタイミング調整が適確
に行なえる。また、回転側部材に設けられる解錠部材の
位置調整によって、前記スライドロックを解除するロッ
ク解除のタイミング調整が適確に行なえる。このよう
に、スライドロックのタイミング調整と、そのスライド
ロックを解除するロック解除のタイミング調整とが別々
に適確に行なえることにより、前記スライドロックおよ
びロック解除の各作動を個々に確実化し、スライドロッ
クおよびロック解除に係る作動信頼性を向上することが
できる。
【0059】請求項2の発明は、錠止部材がスライド側
部材に固定されたストライカで、施錠部材が固定側部材
に回動可能に設けられかつ前記ストライカと係合可能な
フック部材で、解錠部材が回転側部材に設けられかつ前
記フック部材を反係合方向へ回動させるロック解除部材
である請求項1記載の車両用回転座席のスライドロック
装置である。
【0060】上記した構成において、スライド側部材が
後退位置にスライドしたときには、フック部材によりス
トライカが施錠される。また、回転側部材が初期回転し
たときには、ロック解除部材が前記フック部材を解錠す
る。
【0061】上記した構成によると、スライド側部材に
固定されるストライカの位置調整、および/または、固
定側部材に設けられるフック部材の位置調整によって、
スライド側部材を後退位置にロックするスライドロック
のタイミング調整が適確に行なえる。そのタイミング調
整とは別に、回転側部材に設けられるロック解除部材の
位置調整によって、前記スライドロックを解除するロッ
ク解除のタイミング調整が適確に行なえる。したがっ
て、前記スライドロックおよびロック解除の各作動を個
々に確実化し、スライドロックおよびロック解除に係る
作動信頼性を向上することができる。
【0062】請求項3の発明は、錠止部材がスライド側
部材に固定されたタングで、施錠部材が固定側部材に設
置されかつ前記タングを施錠可能なバックルとそのバッ
クルに解離作用を付与する解離レバーで、解錠部材が回
転側部材に設けられかつ前記解離レバーを解離方向へ回
動させるロック解除部材である請求項1記載の車両用回
転座席のスライドロック装置である。
【0063】上記した構成において、スライド側部材が
後退位置にスライドしたときには、バックルによりタン
グが施錠される。また、回転側部材が初期回転したとき
には、ロック解除部材が前記バックルを解錠する。
【0064】上記した構成によると、スライド側部材に
固定されるタングの位置調整、および/または、固定側
部材に設けられるバックルの位置調整によって、スライ
ド側部材を後退位置にロックするスライドロックのタイ
ミング調整が適確に行なえる。そのタイミング調整とは
別に、回転側部材に設けられるロック解除部材の位置調
整によって、前記スライドロックを解除するロック解除
のタイミング調整が適確に行なえる。したがって、前記
スライドロックおよびロック解除の各作動を個々に確実
化し、スライドロックおよびロック解除に係る作動信頼
性を向上することができる。また、前記バックルおよび
タングには、シートベルトバックルおよびタングを流用
することができる。この場合、シートベルトバックルに
よるタングの施錠の信頼性と解錠の容易性、低コスト等
といったメリットを得ることが可能である。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態1および実施の
形態2について順次詳述する。なお、実施の形態1およ
び実施の形態2は、従来例の車両用回転座席1のスライ
ドロック装置に変更を加えたものであるから、スライド
ロック装置について詳述し、車両用回転座席1の構成に
ついては同一部分に同一符号を付して重複する説明は省
略する。
【0066】〔実施の形態1〕実施の形態1について図
1〜図7を参照して説明する。図1にスライドロック装
置の略体斜視図、図2に同平面図、図3に同側面図、図
4に同背面図が示されている。図1〜図4に示すよう
に、前記スライドベース12の後端部には、ストライカ
102が設けられている。ストライカ102は、図6に
斜視図で示すように、ほぼ平板形状の取り付け部102
aと、前記取り付け部102aより後方に延びるロッド
状の延出部102bと、前記延出部102bの先端部す
なわち後端部を上方に向けて折曲した係合部102cと
からなる。係合部102cの上部前側には、切欠き状の
段付き面102dが形成されている。前記取り付け部1
02aには、適数個、例えば2個のねじ孔102eが形
成されている。
【0067】一方、前記スライドベース12には、前記
ストライカ102の各ねじ孔102eとほぼ対応するね
じ挿通孔12aが形成されている。前記スライドベース
12の下面に前記ストライカ102の取り付け部102
aを重合させて、固定ねじ104のねじ軸104aを前
記各ねじ挿通孔12aを通して当該ねじ孔102eにそ
れぞれ締着することによって、スライドベース12にス
トライカ102が取り付けられている(図1〜図4参
照)。
【0068】前記スライドベース12のねじ挿通孔12
aを固定ねじ104のねじ軸104aの軸径より大きく
形成することにより、ストライカ102の取り付け位置
が調整可能となる。なお、前記スライドベース12は本
発明でいうスライド側部材に相当する。また、ストライ
カ102は本発明でいう錠止部材に相当する。
【0069】図1〜図4に示すように、前記固定ベース
31の後端部にはフック部材106が設けられている。
フック部材106は、図5に斜視図で示すように、ほぼ
中央部に軸孔106aを有するレバー形状をなしてお
り、その一端部すなわち前端部に側方に突出するフック
部106bが形成されている。フック部106bは、前
記ストライカ102(図6参照)の係合部102c詳し
くは段付き面102dに対し係脱可能である。また、フ
ック部106bは先細り形状に形成されており、その前
縁にほぼ円弧状の案内斜面106cが形成されている。
前記フック部106bの基部上面には受動ピン107が
立設されている。また、フック部材106の他端部すな
わち後端部には、ばね掛止孔106dが形成されている
とともに、そのばね掛止孔106dの前方に隣接する下
面にストッパーピン108が垂下されている。
【0070】一方、前記固定ベース31には、取り付け
ブラケット110の左右両端部がボルト111により固
定されている。取り付けブラケット110の中央部はほ
ぼ逆U字形状に折曲されており、その中央部にねじ孔1
10aが形成されている。取り付けブラケット110の
右端部上には、ばね掛止孔110cを有する立ち上がり
片110bが立設されている。
【0071】前記固定ベース31の中央部上面に前記フ
ック部材106を重合させて、取り付けねじ113のね
じ軸113aを前記軸孔106aに通してねじ孔110
aにねじ止めすることによって、固定ベース31にフッ
ク部材106が回動可能に取り付けられている(図2お
よび図3参照)。前記取り付けブラケット110のねじ
挿通孔を、前記スライドベース12のねじ挿通孔12a
と同様に、ボルト111のねじ軸(図示省略)の軸径よ
り大きく形成することにより、フック部材106を有す
る取り付けブラケット110の取り付け位置が調整可能
となる。
【0072】前記フック部材106のばね掛止孔106
dと、取り付けブラケット110の立ち上がり片110
bのばね掛止孔110cとには、係合用スプリング11
5の両端部が掛止されている。係合用スプリング115
は、フック部材106を常には図2において左回り方向
に付勢する。
【0073】また、フック部材106のストッパーピン
108は、前記取り付けブラケット110の後端縁と当
接することにより、係合用スプリング115の付勢力に
よる前記フック部材106の回転を所定位置すなわち係
合位置で回り止めする(図2および図3参照)。前記フ
ック部材106の回り止め状態でかつスライドベース1
2の後退位置においては、フック部106bに対し前記
ストライカ102の係合部102cが係合可能である。
【0074】また、スライドベース12の後退時の後退
位置付近においては、フック部106bの案内斜面10
6cにストライカ102の係合部102cが当接可能
で、前記スライドベース12の後退に伴ってフック部1
06bの案内斜面106cが押動されることにより、フ
ック部材106が係合用スプリング115の付勢力に抗
して回動すなわち図2において右回り方向(反係合方向
ともいう。)へ回動可能である(図2中、二点鎖線10
6参照)。なお、前記固定ベース31は本発明でいう固
定側部材に相当する。また、フック部材106は本発明
でいう施錠部材に相当する。
【0075】図1〜図4に示すように、前記扇形ギヤ6
の後端部上には、ロック解除部材117が設けられてい
る。ロック解除部材117は、図7に斜視図で示すよう
に、ほぼ長四角形平板状をなしており、その一端部すな
わち基端部に軸孔117aを有している。また、ロック
解除部材117の他端部すなわち先端部に前記受動ピン
107(図2参照)と対向可能な案内斜面117bが形
成されている。また、ロック解除部材117の中央部に
はばね掛止孔117cが形成されている。
【0076】一方、前記扇形ギヤ6には、適数個、例え
ば2個のねじ孔6bが形成されている。また、前記扇形
ギヤ6上に取り付けられる取り付けプレート109に
は、前記扇形ギヤ6の各ねじ孔6bと対応するねじ挿通
孔109aと、前記ロック解除部材117の軸孔117
aと対応するねじ孔109bが形成されている。取り付
けプレート109の後端部には、ばね掛止孔109dを
有する折曲片109cが上方に向けて折曲されている。
取り付けプレート109の中央外端部の上面には、スト
ッパーピン112が立設されている。
【0077】前記扇形ギヤ6の上面に前記取り付けプレ
ート109を重合させて、固定ねじ118のねじ軸11
8aを前記両ねじ挿通孔109aを通してねじ孔6bに
締着することによって、取り付けプレート109が扇形
ギヤ6に取り付けられている(図1〜図4参照)。さら
に、前記取り付けプレート109の上面に前記ロック解
除部材117を位置させ、取り付けねじ119のねじ軸
119aを前記ロック解除部材117の軸孔117aに
通して前記取り付けプレート109のねじ孔109bに
ねじ止めすることによって、取り付けプレート109に
ロック解除部材117が回動可能に取り付けられている
(図1〜図4参照)。前記取り付けプレート109のね
じ挿通孔109aを前記固定ねじ118のねじ軸118
aの軸径より大きく形成することにより、ロック解除部
材117を有する取り付けプレート109の取り付け位
置が調整可能となる。
【0078】前記ロック解除部材117のばね掛止孔1
17cと、前記取り付けプレート109の折曲片109
cのばね掛止孔109dとには、リターンスプリング1
21の両端部が掛止されている。リターンスプリング1
21は、ロック解除部材117を常には図2において右
回り方向に付勢する。
【0079】また、前記取り付けプレート109のスト
ッパーピン112には、前記ロック解除部材117が当
接することにより、リターンスプリング121の付勢力
による前記ロック解除部材117の回転を所定位置すな
わち前記受動ピン107と対向可能な位置で回り止めさ
れる(図2参照)。したがって、ロック解除部材117
の回り止め状態で、扇形ギヤ6が図2において左回り方
向に初期回転すると、前記受動ピン107に対し前記ロ
ック解除部材117の案内斜面117bが当接し、前記
扇形ギヤ6の回転に伴って受動ピン107が押動される
ことにより、前記フック部材106が前記係合用スプリ
ング115の付勢力に抗して反係合方向へ回動される
(図2中、二点鎖線106参照)。
【0080】また、扇形ギヤ6の逆転時の復帰位置付近
においては、フック部106bの受動ピン107に前記
ロック解除部材117の先端部117dが当接可能であ
る。前記扇形ギヤ6の逆転に伴ってロック解除部材11
7の先端部117dが受動ピン107により押動される
ことにより、ロック解除部材117がリターンスプリン
グ121の付勢力に抗して回動すなわち図2において左
回り方向へ回動する(図2中、二点鎖線117参照)。
【0081】続いて、ロック解除部材117は、前記受
動ピン107を通過すると、リターンスプリング121
の付勢力によって原状位置すなわちストッパーピン11
2と当接した位置に復帰する。なお、前記扇形ギヤ6は
本発明でいう回転側部材に相当する。また、ロック解除
部材117は本発明でいう解錠部材に相当する。
【0082】上記したスライドロック装置において、座
席本体2は、従来例と同様に、回転盤10とスライド台
30との協動により、回転しながら進出位置に向けてス
ライドし、逆に、進出位置から回転しながら後退位置に
向けてスライドする。ここで、前記スライドベース12
が図2の左方から後退位置にスライドしたときには、フ
ック部材106によりストライカ102が施錠されるこ
とによって、スライドベース12がロックされる。
【0083】このとき、フック部材106の案内斜面1
06cにストライカ102の係合部102cが当接可能
で、前記スライドベース12の後退に伴ってフック部材
106の案内斜面106cが押動されることにより、フ
ック部材106が係合用スプリング115の付勢力に抗
して反係合方向へ回動する。続いて、ストライカ102
の係合部102cが、フック部材106のフック部10
6bを通過すると、係合用スプリング115の付勢力に
よってフック部材106が原状位置すなわちストライカ
102の係合部102cと係合した位置に復帰する。こ
のように、ストライカ102の係合部102cにフック
部材106のフック部106bが係合することによるス
トライカ102の施錠によって、後退位置にスライドし
たスライドベース12がロックされる。
【0084】また、前記後退位置にある座席本体2の進
出に際して、扇形ギヤ6が初期回転したときには、ロッ
ク解除部材117が前記フック部材106の受動ピン1
07に作用することにより、前に述べたように、前記ス
ライドベース12に対するフック部材106の施錠が解
錠すなわちアンロックされる。このとき、前記ロック解
除部材117の案内斜面117bが前記フック部材10
6の受動ピン107と当接し、前記扇形ギヤ6の回転に
伴って受動ピン107が押動されることにより、前記フ
ック部材106が前記係合用スプリング115の付勢力
に抗して反係合方向へ回動し、前記ストライカ102の
係合部102cに対するフック部106bの係合が解除
される。このように、ロック解除部材117が前記フッ
ク部材106を解錠することにより、アンロックされた
前記スライドベース12が進出可能となる。以降、従来
例で述べたように、座席本体2が回転しながら前方にス
ライドする。なお、ロック解除部材117がフック部材
106の受動ピン107に当接して、フック部材106
とストライカ102の係合を解除するまでの回転動作が
空転域となる。
【0085】前記座席本体2が進出を開始した直後に、
ロック解除部材117は受動ピン107を通過する。す
ると、係合用スプリング115の付勢力によって、フッ
ク部材106が原状位置に復帰される。
【0086】なお、前記スライド台30のスライドベー
ス12が、前に述べたようにロックされた後の空転域
で、前記扇形ギヤ6が復帰位置に向けて逆転する際に
は、フック部材106の受動ピン107に前記ロック解
除部材117の先端部117dが当接し、前記扇形ギヤ
6の逆転に伴ってロック解除部材117の先端部117
dが押動されることにより、ロック解除部材117がリ
ターンスプリング121の付勢力に抗して回動すなわち
平面において左回り方向へ回動する。続いて、ロック解
除部材117は、受動ピン107を通過すると、リター
ンスプリング121の付勢力によって原状位置すなわち
ストッパーピン108と当接した位置に復帰する。
【0087】上記した構成によると、スライドベース1
2に固定されるストライカ102の位置調整、および/
または、固定ベース31に設けられるフック部材106
を有する取り付けブラケット110の位置調整によっ
て、スライドベース12を後退位置にロックするスライ
ドロックのタイミング調整が適確に行なえる。そのタイ
ミング調整とは別に、扇形ギヤ6に設けられるロック解
除部材117を有する取り付けプレート109の位置調
整によって、前記スライドロックを解除するロック解除
のタイミング調整が適確に行なえる。
【0088】このように、スライドロックのタイミング
調整と、そのスライドロックを解除するロック解除のタ
イミング調整とが別々に適確に行なえる。したがって、
前記スライドロックおよびロック解除の各作動を個々に
確実化し、スライドロックおよびロック解除に係る作動
信頼性を向上することができる。
【0089】〔実施の形態2〕実施の形態2について図
8〜図13を参照して説明する。図8にスライドロック
装置の略体斜視図、図9に同平面図、図10に同側面
図、図11に同背面図が示されている。図8〜図11に
示すように、前記スライドベース12の後端部にはタン
グ202が設けられている。タング202は、図12に
斜視図で示すように、ほぼ帯板形状をなし、その先端部
すなわち後端部にほぼ四角形状の係合孔202bを形成
した係合部202aを有している。なお、タング202
の基端部には、適数個、例えば2個のねじ孔(図示省
略)が前記ストライカ102(図6参照)のねじ孔10
2eとほぼ同様に形成されている。
【0090】図12において、前記スライドベース12
には、前記タング202の各ねじ孔(図示省略)とほぼ
対応するねじ挿通孔12bが形成されている。前記スラ
イドベース12の下面に前記タング202の基端部を重
合させて、固定ねじ204のねじ軸204aを前記各ね
じ挿通孔12bを通して当該ねじ孔(図示省略)にそれ
ぞれ締着することによって、スライドベース12にタン
グ202が取り付けられている(図9〜図10参照)。
なお、前記スライドベース12のねじ挿通孔12bを固
定ねじ204のねじ軸204aの軸径より大きく形成す
ることにより、タング202の取り付け位置が調整可能
となる。なお、前記スライドベース12は本発明でいう
スライド側部材に相当する。また、タング202は本発
明でいう錠止部材に相当する。
【0091】図8〜図11に示すように、前記固定ベー
ス31の後端部にはバックル206が設けられている。
バックル206は、図12に示すように、ほぼ四角形の
ブロック形状をなしている。このバックル206は、シ
ートベルトに使用されているシートベルトバックルと同
様の構造のもので、前記タング202の係合部202a
を、バックル206の前面に設けられたタング挿入部
(図示省略)に挿入することにより、前記タング202
を施錠する。また、後述する解離レバー213の作用部
213bを、バックル206の前面に設けられたレバー
挿入部(図示省略)に挿入することで、前記タング20
2を解離する機能を有している。
【0092】一方、前記固定ベース31には、図12に
示すように、取り付けブラケット210の左右両端部が
ボルト211により固定されている。取り付けブラケッ
ト210の中央部はほぼ偏平な逆U字形状に折曲されて
おり、その左端部上に前記バックル206が固定状態に
設置されている。取り付けブラケット210には、図1
2に示すように、前記バックル206の右側に隣接しか
つそのバックル206の上面とほぼ同一面上に位置する
ねじ孔210bが形成されている。
【0093】前記取り付けブラケット210の後右端部
には、ばね掛止孔210aが形成されているとともに、
そのばね掛止孔210aに隣接してストッパーピン21
2が立設されている。なお、前記取り付けブラケット2
10のねじ挿通孔(図示省略)を、前記スライドベース
12のねじ挿通孔12b(図12参照)と同様に、ボル
ト211のねじ軸(図示省略)の軸径より大きく形成す
ることにより、前記固定ベース31に対するバックル2
06の取り付け位置が調整可能となる。
【0094】前記取り付けブラケット210の右端部に
は解離レバー213が設けられている。解離レバー21
3は、図12に斜視図で示すように、ほぼ中央部に軸孔
213aを有するレバー形状をなしており、その一端部
すなわち前端部に左方に突出する作用部213bが形成
されている。作用部213bは、前記バックル206の
レバー挿入部に対し挿脱可能であり、その挿入によっ
て、前にも述べたように前記バックル206から前記タ
ング202が解離される。また、解離レバー213の他
端部すなわち後端部には、ばね掛止孔213cが形成さ
れているとともに、そのばね掛止孔213cに隣接して
受動片213dが折曲されている。
【0095】前記取り付けブラケット210の右部上面
に前記解離レバー213を重合させて、取り付けねじ2
15のねじ軸215aを前記軸孔213aに通してねじ
孔210bにねじ止めすることによって、前記取り付け
ブラケット210に解離レバー213が回動可能に取り
付けられている(図8〜図11参照)。
【0096】図9に示すように、前記解離レバー213
のばね掛止孔213cと、取り付けブラケット210の
ばね掛止孔210aとには、第1リターンスプリング2
08の両端部が掛止されている。第1リターンスプリン
グ208は、解離レバー213を常には図9において右
回り方向に付勢する。
【0097】また、解離レバー213は、取り付けブラ
ケット210のストッパーピン212と当接することに
より、第1リターンスプリング208の付勢力による前
記解離レバー213の回転を所定位置すなわち待機位置
で回り止めする。なお、前記固定ベース31は本発明で
いう固定側部材に相当する。また、バックル206およ
び解離レバー213は本発明でいう施錠部材を構成す
る。
【0098】図8〜図11に示すように、前記扇形ギヤ
6の後端部上には、ロック解除部材217が設けられて
いる。ロック解除部材217は、図12に斜視図で示す
ように、丸棒材からなり、その一端部すなわち基端部に
側方に向けてほぼL字形状に折曲されたばね取り付け部
217aを有している。ばね取り付け部217aの先端
部には、ばね掛止孔217b(図9参照)が形成されて
いる。また、ロック解除部材217の他端部すなわち先
端部には、下方に向けてほぼL字形状に折曲されかつ前
記解離レバー213の受動片213d(図9参照)と対
向可能な突出片217cが形成されている。
【0099】前記ロック解除部材217のばね取り付け
部217a側の端部は、前記扇形ギヤ6上に軸受プレー
ト219を介して軸移動不能にかつ軸回りに回動可能に
取り付けられている。軸受プレート219の両端部は、
固定ボルト220によって締着されている。前記軸受プ
レート219のねじ挿通孔(図示省略)を、前記スライ
ドベース12のねじ挿通孔12b(図12参照)と同様
に、固定ボルト220のねじ軸(符号省略)の軸径より
大きく形成することにより、ロック解除部材217の取
り付け位置が調整可能である。なお、前記ばね取り付け
部217aが前記扇形ギヤ6の上面と当接することによ
り、ロック解除部材217が回り止めされる。
【0100】前記ロック解除部材217のばね掛止孔2
17bには、第2リターンスプリング222の一端部が
掛止されている。また、前記支持ベース53(図16参
照)の底板部53bに設けられたばね掛止孔53cに、
前記第2リターンスプリング222の他端部が掛止され
ている。第2リターンスプリング222は、ロック解除
部材217を常には右回り方向、すなわち前記ばね取り
付け部217aが前記扇形ギヤ6の上面と当接する方向
に付勢する。この状態では、前に述べたように、前記ば
ね取り付け部217aが前記扇形ギヤ6の上面と当接
し、ロック解除部材217が回り止めされることによ
り、前記ロック解除部材217の突出片217cが前記
解離レバー213の受動片213dと対向可能な位置で
回り止めされる(図9および図11参照)。
【0101】前記ロック解除部材217の回り止め状態
で、扇形ギヤ6が図9において左回り方向に初期回転す
ると、前記解離レバー213の受動片213dに対し前
記ロック解除部材217の突出片217cが当接し、前
記扇形ギヤ6の回転に伴って解離レバー213の受動片
213dが押動されることにより、前記解離レバー21
3が前記第1リターンスプリング208の付勢力に抗し
て回動すなわち図9において左回り方向へ回動し、前記
バックル206の作用部213bがレバー挿入部に係入
可能である(図9中、二点鎖線213参照)。
【0102】また、扇形ギヤ6の逆転時の復帰位置付近
においては、解離レバー213の受動片213dに前記
ロック解除部材217の突出片217cが当接可能であ
る。前記扇形ギヤ6の逆転に伴ってロック解除部材21
7の突出片217cが押動されることにより、ロック解
除部材217が第2リターンスプリング222の付勢力
に抗して回動する(図9中、二点鎖線217c参照)。
【0103】続いて、ロック解除部材217は、突出片
217cが解離レバー213の受動片213dを通過す
ると、第2リターンスプリング222の付勢力によって
原状位置すなわちばね取り付け部217aが扇形ギヤ6
と当接した位置に復帰する。なお、前記扇形ギヤ6は本
発明でいう回転側部材に相当する。また、ロック解除部
材217は本発明でいう解錠部材に相当する。
【0104】上記したスライドロック装置において、座
席本体2は、従来例と同様に、回転盤10とスライド台
30との協動により、回転しながら進出位置に向けてス
ライドし、逆に、進出位置から回転しながら後退位置に
向けてスライドする。
【0105】ここで、前記スライドベース12が図13
の平面図の状態から後退位置にスライドしたときには、
バックル206によりタング202が施錠されることに
よって、スライドベース12がロックされる(図9参
照)。このとき、タング202の係合部202aが前記
バックル206のタング挿入部に挿入されることによ
り、そのバックル206によりタング202が施錠され
る。これによって、後退位置にスライドしたスライドベ
ース12がロックされる。
【0106】また、後退位置にある座席本体2の進出に
際して、扇形ギヤ6が初期回転したときには、前記ロッ
ク解除部材217が解離レバー213に作用して前記バ
ックル206を解錠することにより、アンロックされた
前記スライドベース12が進出可能となる。このとき、
前記ロック解除部材217の突出片217cが解離レバ
ー213の受動片213dに作用することにより、解離
レバー213が前記第1リターンスプリング208の付
勢力に抗して回動される(図9中、二点鎖線213参
照)。すると、解離レバー213の作用部213bが前
記バックル206のレバー挿入部に挿入され、前記バッ
クル206に解離作用を付与する。これにより、前記タ
ング202に対するバックル206の施錠が解錠され
る。これにより、前記座席本体2が進出可能となり、従
来例で述べたように、座席本体2が回転しながら前方に
スライドする。なお、ロック解除部材217が解離レバ
ー213の受動片213dに当接して、バックル206
がタング202を解錠するまでの回転動作が空転域とな
る。
【0107】なお、前記座席本体2が進出を開始した直
後に、ロック解除部材217の突出片217cは解離レ
バー213の受動片213dを通過する。すると、第1
リターンスプリング208の付勢力によって、解離レバ
ー213が原状位置に復帰される。
【0108】また、前記スライド台30のスライドベー
ス12が前記ロックされた後の空転域で、扇形ギヤ6が
さらに復帰位置に向けて逆転する際には、解離レバー2
13の受動片213dに前記ロック解除部材217の突
出片217cが当接し、前記扇形ギヤ6の逆転に伴って
ロック解除部材217の突出片217cが押動される
(図9中、二点鎖線217c参照)ことにより、ロック
解除部材217が第2リターンスプリング222の付勢
力に抗して回動する(図9中、二点鎖線213参照)。
続いて、ロック解除部材217は、その突出片217c
が解離レバー213の受動片213dを通過することに
より、第2リターンスプリング222の付勢力によって
原状位置に復帰する。
【0109】上記した車両用回転座席1のスライドロッ
ク装置によると、スライドベース12に固定されるタン
グ202の位置調整、および/または、固定ベース31
に設けられるバックル206を有する取り付けブラケッ
ト210の位置調整によって、スライドベース12を後
退位置にロックするスライドロックのタイミング調整が
適確に行なえる。そのタイミング調整とは別に、扇形ギ
ヤ6に設けられるロック解除部材217を有する軸受プ
レート219の位置調整によって、前記スライドロック
を解除するロック解除のタイミング調整が適確に行なえ
る。
【0110】このように、スライドロックのタイミング
調整と、そのスライドロックを解除するロック解除のタ
イミング調整とが別々に適確に行なえる。したがって、
前記スライドロックおよびロック解除の各作動を個々に
確実化し、スライドロックおよびロック解除に係る作動
信頼性を向上することができる。
【0111】また、前記バックル206およびタング2
02には、シートベルトシートに用いられるベルトバッ
クルおよびタングを流用することができる。この場合、
シートベルトバックルによるタング202の施錠の信頼
性と解錠の容易性、低コスト等といったメリットを得る
ことが可能である。
【0112】また、前記バックル206に、例えば、ア
ンロックウオーニングスイッチ付きのシートベルトバッ
クルと同様のバックルを使用することにより、VA(価
値分析)面でもメリットを得ることが可能となる。例え
ば、スライドロック時は昇降装置50の作動用モーター
61の駆動回路をオフさせるフューエルセーフ機構の回
路設計が可能である。また、前記アンロックウオーニン
グスイッチにより、スライド台30の後退位置すなわち
ストロークエンドを検出する検出手段を兼ねることがで
き、その検出のためにリミットスイッチ等の検出手段を
別設する必要がない等のVA面のメリットが得られる。
【0113】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更
が可能である。例えば、本発明の回転座席1は、助手席
の他、例えば、後部席、運転席C1等にも適用可能であ
る。また、上記実施の形態では、スライドベース12に
錠止部材を設け、固定ベース31に施錠部材を設けた
が、これを逆配置、すなわち固定ベース31に錠止部材
を設け、スライドベース12に施錠部材を設けることも
可能である。また、回転座席1の昇降装置50の昇降機
能は省略することもできる。
【0114】
【発明の効果】本発明の車両用回転座席のスライドロッ
ク装置によれば、スライド側部材を後退位置にロックす
るスライドロックのタイミング調整と、そのスライドロ
ックを解除するロック解除のタイミング調整とが別々に
適確に行なえることにより、前記スライドロックおよび
ロック解除の各作動を個々に確実化し、スライドロック
およびロック解除に係る作動信頼性を向上することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のスライドロック装置を示す略体
斜視図である。
【図2】スライドロック装置を示す略体平面図である。
【図3】スライドロック装置を示す略体側面図である。
【図4】スライドロック装置を示す略体背面図である。
【図5】フック部材の取り付け部周辺を示す分解斜視図
である。
【図6】ストライカの取り付け部周辺を示す分解斜視図
である。
【図7】ロック解除部材の取り付け部周辺を示す分解斜
視図である。
【図8】実施の形態2のスライドロック装置を示す略体
斜視図である。
【図9】スライドロック装置を示す略体平面図である。
【図10】スライドロック装置を示す略体側面図であ
る。
【図11】スライドロック装置を示す略体背面図であ
る。
【図12】スライドロック装置を示す分解斜視図であ
る。
【図13】スライドロック装置のアンロック状態を示す
略体平面図である。
【図14】車両の室内を示す略体平面図である。
【図15】座席本体の斜視図である。
【図16】昇降装置の斜視図である。
【図17】回転盤およびスライド台の斜視図である。
【図18】アクチュエーターの斜視図である。
【図19】座席本体の回転およびスライド動作に係る説
明平面図である。
【図20】回転ロック装置の分解斜視図である。
【図21】スライドロック装置の部分斜視図である。
【図22】スライドロック装置の部分断面図である。
【図23】直線案内機構の断面図である。
【図24】回転座席の動作説明図である。
【図25】回転座席の略体側面図である。
【符号の説明】
1 回転座席 2 座席本体 6 扇形ギヤ(回転側部材) 12 スライドベース(スライド側部材) 31 固定ベース(固定側部材) 102 ストライカ(錠止部材) 106 フック部材(施錠部材) 117 ロック解除部材(解錠部材) 202 タング(錠止部材) 206 バックル(施錠部材の一部) 213 解離レバー(施錠部材の一部) 217 ロック解除部材(解錠部材) F 車両フロア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹之下 雅 鹿児島県国分市上之段395番地1 株式 会社トヨタ車体研究所内 (56)参考文献 特開 平9−183325(JP,A) 特開 平10−329591(JP,A) 特開 平11−78625(JP,A) 特開 平11−78630(JP,A) 特開 平11−263157(JP,A) 特開 平11−310067(JP,A) 特開 平11−245694(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/00 - 2/54

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両フロアの固定側部材に対してスライ
    ド可能に設けられたスライド側部材と、前記スライド側
    部材に対して回転可能に設けられた回転側部材と、前記
    回転側部材に設けられた座席本体とを備えた車両用回転
    座席のスライドロック装置であって、 前記固定側部材と前記スライド側部材とのどちらか一方
    の部材に設けられた錠止部材と、前記他方の部材に設け
    られかつ前記錠止部材を施錠可能な施錠部材と、前記回
    転側部材に設けられかつ施錠部材の施錠を解錠する解錠
    部材とを備え、 前記スライド側部材が後退位置にスライドしたときには
    前記施錠部材が前記錠止部材を施錠し、また、前記回転
    側部材が初期回転した時には前記解錠部材が前記施錠部
    材を解錠する構成とした車両用回転座席のスライドロッ
    ク装置。
  2. 【請求項2】 錠止部材がスライド側部材に固定された
    ストライカで、施錠部材が固定側部材に回動可能に設け
    られかつ前記ストライカと係合可能なフック部材で、解
    錠部材が回転側部材に設けられかつ前記フック部材を反
    係合方向へ回動させるロック解除部材である請求項1記
    載の車両用回転座席のスライドロック装置。
  3. 【請求項3】 錠止部材がスライド側部材に固定された
    タングで、施錠部材が固定側部材に設置されかつ前記タ
    ングを施錠可能なバックルとそのバックルに解離作用を
    付与する解離レバーで、解錠部材が回転側部材に設けら
    れかつ前記解離レバーを解離方向へ回動させるロック解
    除部材である請求項1記載の車両用回転座席のスライド
    ロック装置。
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