JP3027533B2 - 単純マトリクス型液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents

単純マトリクス型液晶表示装置の駆動方法

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JP3027533B2
JP3027533B2 JP8010515A JP1051596A JP3027533B2 JP 3027533 B2 JP3027533 B2 JP 3027533B2 JP 8010515 A JP8010515 A JP 8010515A JP 1051596 A JP1051596 A JP 1051596A JP 3027533 B2 JP3027533 B2 JP 3027533B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単純マトリクス型
液晶表示装置の駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、単純マトリクス型の液晶表示装置
は、走査線を線順次走査する電圧平均化法により駆動が
行なわれていた。しかし、この方法を高速応答の液晶パ
ネルに用いると、フレーム応答によってオン輝度が低く
なり、コントラストが低下してしまう。そこで、このよ
うなコントラストの低下を防止すべく、線順次走査では
なく、走査線を全ライン又は複数ライン同時に選択する
駆動方法が提案されている。
【0003】以下、走査線を全ライン又は複数ライン同
時に選択する駆動方法について説明する。液晶駆動を数
学的に考えると、下記(数2)のように表記することが
できる。
【0004】
【数2】
【0005】上記(数2)において、Xは画像データ行
列であり、オン状態が「−1」、オフ状態が「1」で表
される。また、Mは走査データ行列であり、選択状態が
「1」又は「−1」、非選択状態が「0」で表される。
そして、上記(数1)に従ってMとXの行列積で演算し
たYが信号データ行列となる。但し、信号データが画像
データに比例した形となるためには、走査データ行列M
は直交行列であることが必要である。
【0006】また、走査データ行列Mの各要素をm、画
像データ行列Xの各要素をx、信号データ行列Yの各要
素をyとしたとき、1フレーム内の(i,j)画素の信
号データyijは下記(数3)のように表記することがで
きる。
【0007】
【数3】
【0008】上記(数3)において、Nは画像データ行
列Xの全行数、tは時間である。また、信号データ行列
Yの1レベル当たりの電圧をVb 、kを定数としたと
き、1フレーム内の(i,j)画素への走査側電圧
r 、信号側電圧Vc はそれぞれ下記(数4)、(数
5)のように表記することができる。
【0009】
【数4】
【0010】
【数5】
【0011】上記各式に基づいて1フレーム内の(i,
j)画素への印加実効電圧Vijを求めたものを下記(数
6)に示す。
【0012】
【数6】
【0013】上記(数6)において、Nは画像データ行
列Xの全行数、Sは走査データ行列Mの任意の行の
「0」以外の要素数(以下「同時選択本数」とい
う。)、tは時間である。上記(数6)の第3項は、2
値表示の場合、すなわち画像データ行列Xの全要素が
「1」又は「−1」の場合、画像データ行列Xの全行数
N(定数)となり、印加実効電圧Vijへの画像データ行
列Xの要素xij依存は、上記(数6)の第2項のみとな
って、(i,j)画像データ行列の各要素xijに比例し
た実効電圧Vijが印加されることになる。一方、階調表
示を行う場合には、画像データ行列Xの各要素xij
「−1」から「1」の範囲にあり、かつ、「1」又は
「−1」以外の値をとるので、上記(数6)の第3項は
もはや定数とはならず、印加実効電圧Vijへの画像デー
タ行列Xの要素xij依存は第2項及び第3項となる。こ
の場合、(i,j)画像データ行列の各要素xijに比例
した実効電圧を印加するには、下記(数7)で表される
階調補正項を上記(数6)に挿入し、第3項が定数とな
るように階調補正を行うことが必要である。
【0014】
【数7】
【0015】以下に、一例として、上記従来の駆動方法
を用いてデューティ比1/240の液晶表示装置を駆動
する場合について説明する。図11は従来の走査線を全
ライン又は複数ライン同時に選択する駆動方法における
階調表示演算方法の一例を示すものである。図11にお
いて、61は走査データ行列M、62は画像データ行列
X、63は信号データ行列Y、66は画像データ行列X
中の所定の要素に挿入された階調補正項を示している。
ここで、走査データ行列61の行方向は時間を表し、列
方向は走査側ラインを示している。また、信号データ行
列63の列方向は信号側ラインを示している。
【0016】走査データ行列61は、16次のアダマー
ル行列(同時選択本数S=16)に例えば16次の平方
剰余で算出した符号をかけて生成したランダム反転型ア
ダマール行列(下記(数8)参照)を種関数(S1 、S
2 、・・・・、S18)67とし、この種関数67と18
次の単位行列とのクロネッカー積展開によって288次
の走査データ行列64が構成されている。また、この走
査データ行列64は、液晶のパルス応答を低減するため
に、65のように展開されている。
【0017】
【数8】
【0018】また、画像データ行列62は、例えば24
0行2列(N=240)とし、階調補正項66は、下記
(数9)によって7行ごとに計算され、画像データ行列
62の14行ごとに2行挿入されている。また、画像デ
ータ行列62の275行目から286行目にはダミーデ
ータが挿入され、287行目、288行目には273行
目から286行目までの階調補正項66が挿入されてい
る。これにより、全体として288行2列の画像データ
行列62が構成されている。尚、階調補正項66は、画
像データ行列62の最終行に一括して挿入してもよい
が、この場合、特にS=8又はS=16等の同時選択本
数では、信号側電極の電圧波高値が高くなり、消費電力
も大きくなってしまうので、階調補正項66は分散させ
て挿入する方が好ましい。
【0019】
【数9】
【0020】また、画像データ行列62の1列目の各要
素は、1行目から14行目までが「0」であり、その他
はすべて「1」である。また、画像データ行列62の2
列目の各要素は、1行目から14行目までが「1」であ
り、その他はすべて「0」である。
【0021】信号データ行列63は、走査データ行列6
1と画像データ行列62の行列積を演算することによっ
て求めることができる。尚、上記例では、走査データを
構成する種関数67として同時選択本数S=16の行列
を用いているが、種関数67は直交行列であればよい。
この例として、図12に示すように、下記(数10)で
示される2次の直交行列同士のクロネッカー積展開によ
って得られる256次のアダマール行列51を用いた場
合を以下に示す。
【0022】
【数10】
【0023】画像データ行列52は、240行2列(N
=240)とし、1列目の各要素は、1行目からN行目
までが「1」であり、(N+1)行目から(N+15)
行目までにダミーデータとして「0」が挿入されてい
る。画像データ行列52の2列目の各要素は、1行目か
らN行目までが「0」であり、(N+1)行目から(N
+15)行目までにダミーデータとして「0」が挿入さ
れている。また、1列目、2列目とも、(N+16)行
目に画像データから上記(数6)によって得られる階調
補正項6が挿入されている。これにより、全体として2
56行2列の画像データ行列52が構成されている。階
調補正項6は、N=240として上記(数6)より1列
目は「0」、2列目は「2401/2 」となる。
【0024】尚、図12の例は、全ライン同時選択駆動
に相当するが、この場合でも、演算方法は同じである。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の駆
動方法を用いて、単純マトリクス型液晶表示装置の動画
像表示を行った場合には、画像の縦方向に、線状の尾引
きが生じる(以下「スプライシング」という。)。図1
3は、このスプライシングの様子を示したものである。
図13において、1はSTN型液晶パネル、2はコラム
側液晶ドライバ、3はロウ側液晶ドライバ、4はSTN
型液晶パネル1の表示領域を示す。例えば、ある表示パ
ターン7の画像が横方向に移動したとき、表示パターン
7の移動に同期してその上下にスプライシング8が生じ
る。スプライシング8は、従来の単純マトリクス型液晶
表示装置の駆動方法として公知のAPT駆動方法を用い
た場合に生じるクロストークと同様の現象であるが、ク
ロストークが静止画像でも生じるのに対し、スプライシ
ング8は特に動画像表示において現れる。
【0026】上記したスプライシング8が生じる主な原
因を図14、図15及び図16を用いて説明する。スプ
ライシング8が生じる原因としては、液晶印加電圧の時
間的なパワー(実効値)の偏在が挙げられる。図14
は、図11に示した従来の駆動方法における全白パター
ン表示時のある画素における液晶印加電圧の累積実効値
の推移を示し、図15は、図12に示した従来の駆動方
法における全白パターン表示時のある画素における液晶
印加電圧の累積実効値の推移を示している。また、ここ
で、横軸は1フィールドに相当する時間、縦軸は1フィ
ールド期間に印加される実効値の累積値を表しており、
1フィールド期間で100(%)の実効値が印加され
る。また、図14、図15中の直線は、理想の印加実効
値を示している。図14、図15から、1フィールド期
間中の印加実効値の偏在が観測される。また、図16
は、図11に示した従来駆動における表示パターンが全
白からウインドウパターンに切り替わる期間(1フィー
ルド期間)における液晶印加電圧の累積実効値の差を示
している。静止画像の場合、フィールドごとの表示パタ
ーンは同じであるため、上記累積実効値の差は観測され
ないが、動画像表示のように1フィールド目と2フィー
ルド目で表示パターンが変化する場合には、上記累積実
効値の差が液晶の光学応答に影響を与え、この輝度変化
がスプライシングとなって現れる。この場合、表示パタ
ーンの切り替わり時におけるパワーの時間的な偏在が大
きい程、スプライシングが大きくなると考えられる。
【0027】パワーの時間的な偏在が生じるのは、従来
駆動が上記階調補正項によって本来目的とする液晶駆動
電圧の実効値を得るために1フィールドの期間を要する
からである。このため、従来の駆動方法を用いて動画像
を表示すると、スプライシングの影響によって表示品位
が大きく低下してしまう。
【0028】次に、上記問題とは別に、従来の直交行列
を用いて走査データ行列を構成した場合に生じる他の問
題について図17を用いて説明する。簡単のために、モ
デルとして、下記(数11)に示す8次の正規型アダマ
ール行列67を考える。
【0029】
【数11】
【0030】上記(数11)に示す行列においては、6
8に示すように、1行1列が「1」のみで構成されてい
る。ここで、「行方向が時間を、列方向が走査側のライ
ン数を表す」とおいた場合、走査側の電極には69に示
すような波形が印加される。この場合、行列要素のOA
用表示でよく出てくる特定のパターン、特にベタ表示等
を表示する際、「1」又は「−1」のみで構成されてい
る列に対応する走査側電極には、他のラインと比較し
て、印加波形の周波数成分としてDC成分に相当する電
圧が印加されることになるので、他のラインとの液晶の
光学応答の差が大きくなる。その結果、そのラインに輝
度むらが生じる(以下「横筋」という。)。
【0031】また、上記横筋は、走査データ行列として
8次の正規型アダマール行列67を用いた場合のみなら
ず、例えば、上記(数10)を種関数として得られるア
ダマール行列、あるいは上記(数9)の2次の直交行列
同士のクロネッカー積展開によって得られる高次の正規
型アダマール行列や巡回型アダマール行列など、別の方
法を用いて構成された直交行列からなる走査データ行列
及び走査データ行列を構成する種関数において、「1」
又は「−1]のみで構成されている列が存在する場合に
も現われる。
【0032】また、上記横筋は、走査側電極にDC成分
に相当する電圧が印加された場合だけではなく、隣り合
う走査側電極間で印加される駆動波形の周波数成分が大
きく変化した場合にも観測される。
【0033】このため、上記従来の駆動方法を用いて単
純マトリクス型液晶表示装置を駆動した場合には、横筋
の影響によって表示品位が大きく低下してしまう。本発
明は、従来技術における前記課題を解決するためになさ
れたものであり、スプライシング又は横筋を低減して高
品位な表示を行うことのできる単純マトリクス型液晶表
示装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第1の構成は、外部から入力された画像データを
記憶するための画像データ記憶手段と、前記画像データ
記憶手段から画像データ行列の特定の列の各要素を読み
出すための画像データ読み出し手段と、読み出された画
像データから階調補正項を算出するための階調補正手段
と、予め走査データを記憶しておくための走査データ記
憶手段と、前記走査データ記憶手段から特定の走査デー
タを読み出すための走査データ読み出し手段と、前記画
像データ記憶手段から読み出された特定の列の画像デー
タと前記走査データ記憶手段から読み出された走査デー
タと前記階調補正手段によって算出された階調補正項と
に基づいて信号データ行列を演算するための演算手段と
を具備し、振幅変調によって階調表示を行う単純マトリ
クス型液晶表示装置の駆動方法であって、読み出された
1つの画像データを前記階調補正手段によって演算され
た2つの画像データに分割し、分割されたそれぞれの画
像データと前記走査データとから信号データを演算し、
かつ、このとき単純マトリクス型液晶表示装置に印加す
る列信号のパルス幅を行信号のパルス幅の2分の1とす
ることにより、1ラインに相当する期間を2等分したそ
れぞれの期間で画像(階調)データの階調補正を行うこ
とを特徴とする。
【0035】また、前記本発明方法の第1の構成におい
ては、走査データを構成する走査データ行列が、1ライ
ン分に相当する期間において全ラインを同時に選択する
走査データ行列であるのが好ましい。
【0036】また、前記本発明方法の第1の構成におい
ては、走査データを構成する走査データ行列が、1ライ
ン分に相当する期間において複数ラインを同時に選択す
る走査データ行列であるのが好ましい。
【0037】また、本発明に係る単純マトリクス型液晶
表示装置の駆動方法の第2の構成は、外部から入力され
た画像データを記憶するための画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段から画像データ行列の特定の列
の各要素を読み出すための画像データ読み出し手段と、
読み出された画像データから階調補正項を算出するため
の階調補正手段と、予め走査データを記憶しておくため
の走査データ記憶手段と、前記走査データ記憶手段から
特定の走査データを読み出すための走査データ読み出し
手段と、前記画像データ記憶手段から読み出された特定
の列の画像データと前記走査データ記憶手段から読み出
された走査データと前記階調補正手段によって算出され
た階調補正項とに基づいて信号データ行列を演算するた
めの演算手段とを具備した単純マトリクス型液晶表示装
置の駆動方法であって、走査データを構成する走査デー
タ行列は、各要素が「1」又は「−1」からなる直交行
列であり、「1」及び「−1」のうちいずれか1つの値
の要素のみで構成される列成分を、実際に液晶表示に用
いる列成分の領域外に配置することを特徴とする。
【0038】また、前記本発明方法の第2の構成におい
ては、走査データ行列は、各要素が「1」又は「−1」
からなるS次の直交行列(同時選択本数)とi次の単位
行列とのクロネッカー積展開によって得られるn次の走
査データ行列であり、前記S次の直交行列は、「1」及
び「−1」のうちいずれか1つの値の要素のみで構成さ
れる列成分が実際に液晶表示に用いる列成分の領域外に
配置されるのが好ましい。また、この場合には、表示す
る画像データの数Nと、同時選択本数Sと、走査データ
行列の次数nとの間に上記(数1)の関係が成立するの
が好ましい。
【0039】前記本発明方法の第1の構成によれば、読
み出された1つの画像データを階調補正手段によって演
算された2つの画像データに分割し、分割されたそれぞ
れの画像データと走査データとから信号データを演算
し、かつ、このとき単純マトリクス型液晶表示装置に印
加する列信号のパルス幅を行信号のパルス幅の2分の1
とすることにより、1ラインに相当する期間を2等分し
たそれぞれの期間で画像(階調)データの階調補正を行
うようにしたので、1ライン期間で1つの画像(階調)
データの補正を完結することができる。その結果、階調
表示時における1フレーム中の印加実効電圧の時間的な
パワーの偏在が低減されるので、動画表示時に生じてい
たスプライシングの低減された高品位な表示が得られ
る。
【0040】また、前記本発明方法の第1の構成におい
て、走査データを構成する走査データ行列が、1ライン
分に相当する期間において全ラインを同時に選択する走
査データ行列であるという好ましい例によれば、フレー
ム応答によってオン輝度が低下することはないので、コ
ントラストの低下を防止することができる。
【0041】また、前記本発明方法の第1の構成におい
て、走査データを構成する走査データ行列が、1ライン
分に相当する期間において複数ラインを同時に選択する
走査データ行列であるという好ましい例によれば、フレ
ーム応答によってオン輝度が低下することはないので、
コントラストの低下を防止することができる。
【0042】前記本発明方法の第2の構成によれば、走
査データを構成する走査データ行列は、各要素が「1」
又は「−1」からなる直交行列であり、「1」及び「−
1」のうちいずれか1つの値の要素のみで構成される列
成分を、実際に液晶表示に用いる列成分の領域外に配置
することを特徴とするので、単純マトリクス型液晶表示
装置の液晶パネル上の走査電極にDC成分に相当する駆
動波形が印加されることはない。その結果、OA用表示
でよく出てくる特定のパターン、特にベタ表示等を表示
する際にも、他のラインとの液晶の光学応答の差が生じ
ることはないので、従来の駆動方法を用いた場合に観測
されていた横筋が低減される。
【0043】また、前記本発明方法の第2の構成におい
て、走査データ行列は、各要素が「1」又は「−1」か
らなるS次の直交行列(同時選択本数)とi次の単位行
列とのクロネッカー積展開によって得られるn次の走査
データ行列であり、前記S次の直交行列は、「1」及び
「−1」のうちいずれか1つの値の要素のみで構成され
る列成分が実際に液晶表示に用いる列成分の領域外に配
置されるという好ましい例によれば、単純マトリクス型
液晶表示装置の液晶パネル上の走査電極にDC成分に相
当する駆動波形が印加されることはない。その結果、O
A用表示でよく出てくる特定のパターン、特にベタ表示
等を表示する際にも、他のラインとの液晶の光学応答の
差が生じることはないので、従来の駆動方法を用いた場
合に観測されていた横筋が低減される。また、この場
合、表示する画像データの数Nと、同時選択本数Sと、
走査データ行列の次数nとの間に上記(数1)の関係が
成立するという好ましい例によれば、S次の直交行列中
に存在するN/S個の「1」又は「−1」のみからなる
成分のすべてを、実際に液晶表示に用いる列成分の領域
外に配置することができ、横筋を低減することができ
る。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、実施例を用いて本発明をさ
らに具体的に説明する。 〈第1の実施例〉まず、本発明の単純マトリクス型液晶
表示装置の駆動方法の好適な第1の実施例について、数
式及び図面を参照しながら説明する。
【0045】図1は本発明のデューティ比1/240
(N=240)の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第1の実施例における走査線を全ライン同時に選
択する階調表示演算方法の一例を示している。
【0046】図1において、11は走査データ行列Mで
あり、例えば256次のランダム反転アダマール行列が
用いられる。また、12は画像データ行列Xであり、こ
こでは240行2列(N=240から)とし、1列目の
各要素は、1行目からN行目までが「1」であり、(N
+1)行目から(N+16)行目までにダミーデータと
して例えば「0」が挿入されている。画像データ行列1
2の2列目の各要素は、1行目からN行目までが「0」
であり、(N+1)行目から(N+16)行目までにダ
ミーデータとして「0」が挿入されている。これによ
り、全体として256行2列の画像データ行列12が構
成されている。
【0047】本実施例において、画像データ行列12の
各要素Xi (i=1〜256)は、下記(数12)に示
す階調補正手段を用いて2つの画像データ行列13、1
4に分割される。
【0048】
【数12】
【0049】以下、上記(数12)について簡単に説明
する。上記(数12)は、振幅変調を用いて階調表示を
行うときの1ライン期間に相当する画像データXi をそ
れぞれXia及びXibに分割したものであり、それぞれの
画像データXia及びXibは下記(数13)及び(数1
4)から求められる。
【0050】
【数13】
【0051】
【数14】
【0052】上記(数13)は、1ライン分に相当する
期間を2等分したそれぞれの期間に画像データXia及び
ibを入力することを意味しており、上記(数14)
は、1ライン期間中に印加されるXiaとXibの実効値が
常に一定の値Cとなるように決定されることを意味して
いる。従って、1つの画像(階調)データは、1ライン
分に相当する走査データの出力期間を2等分したそれぞ
れの期間に、上記(数12)に示す階調補正手段によっ
て階調補正された値となって読み込まれるので、1ライ
ン期間で1つの画像(階調)データの補正を完結するこ
とができる。
【0053】このようにして得られた2つの画像データ
行列13、14と、走査データ行列(M)11とによ
り、2つの信号データ行列15、16が得られる。ま
た、2つの信号データ行列15、16から実際に印加す
べき1つの信号データ行列17が得られる。
【0054】図2は、簡単のために、上記演算方法を8
次の走査データ行列をモデルとして用いて示したもので
ある。画像データ行列22は、上記(数12)によって
2つの画像データ行列23、24に分割され、それぞれ
に対して、走査データ行列(M)21との演算が行われ
る。このようにして得られた2つの信号データ25、2
6は行列中に示した演算順序300の順番に並べ替えら
れ、実際に印加する信号データ行列27が生成される。
【0055】尚、図1、図2においては、行方向が時間
を表わすので、本駆動方法を用いて単純マトリクス型液
晶表示装置を駆動する場合、走査側の駆動周波数に対し
信号側の駆動周波数は2倍となる。
【0056】また、上記(数12)におけるCの値は、
C≧1の条件下で任意に設定することができるが、Cを
大きな値に設定すると、信号側の印加電圧が大きくな
り、信号側液晶ドライバの耐圧の問題が生じるおそれが
あるので、C=1とするのが望ましい。
【0057】次に、本実施例における単純マトリクス型
液晶表示装置の表示特性について、図3を参照しながら
説明する。図3は本実施例の駆動方法における全白パタ
ーン表示時のある画素における液晶印加電圧の累積実効
値の推移を示すものである。ここで、横軸は1フィール
ドに相当する時間、縦軸は1フィールド期間に印加され
る実効値の累積値の推移をそれぞれ表しており、1フィ
ールド期間で100(%)の実効値が印加される。ま
た、図3中の直線は、理想の印加実効値を示している。
【0058】図12の従来の駆動方法を用いた図15に
示す結果では、1フィールド期間中に、理想の印加実効
値となるポイントは最初と最後の2ポイントしかない
が、本実施例の駆動方法を用いた場合には、1フィール
ド期間中に数回のポイントで理想の印加実効値と一致
し、全体として時間的なパワーの偏在が小さくなる。そ
の結果、スプライシングが低減される。
【0059】実際に上記駆動方法を用いて、640*4
80ドット(デューティ比1/240)のカラーSTN
パネルを駆動し、動画像表示を行ったところ、スプライ
シングは大幅に低減され、高品位な画像が得られた。
【0060】従来の駆動方法では、画像(階調)データ
の補正を数ライン期間で行っていたが、上記のような駆
動方法を用いれば、1ライン期間で画像(階調)データ
に応じた補正を行うことができる。その結果、階調表示
時における1フレーム中の印加実効電圧の時間的なパワ
ーの偏在が低減されるので、動画表示時に生じていたス
プライシングの低減された高品位な表示が得られる。
【0061】次に、本発明の単純マトリクス型液晶表示
装置の駆動装置の第1の実施例の構成及びその動作つい
て、図1及び回路構成を示すブロック図である図4を参
照しながら説明する。
【0062】図4に示すように、単純マトリクス型液晶
表示装置の駆動装置は、外部から入力された画像データ
を記憶するための画像データフィールドメモリ70と、
画像データフィールドメモリ70から画像データ行列の
特定の列の各要素を読み出すための画像データ読み出し
回路71と、読み出された画像データから階調補正項を
算出するための階調補正項算出回路91と、予め走査デ
ータを記憶しておくための走査データメモリ80と、走
査データメモリ80から特定の走査データを読み出すた
めの走査データ読み出し回路81と、画像データフィー
ルドメモリ70から読み出された特定の列の画像データ
と走査データメモリ80から読み出された走査データと
階調補正項算出回路91によって算出された階調補正項
とに基づいて信号データ行列Yを演算するための演算回
路90と、演算後のデータを記憶するための信号データ
フィールドメモリ100と、信号データフィールドメモ
リ100から演算された信号データを読み出すための信
号データ読み出し回路101と、走査側ドライバ110
と、読み出されたデータ信号をディジタル信号からアナ
ログ信号に変換するためのD/A変換器120と、信号
側ドライバ130と、単純マトリクス型液晶表示装置1
40とを備えている。
【0063】外部から入力された画像データは、一旦画
像データフィールドメモリ70に記憶されると共に、画
像データ読み出し回路71によって画像データ行列12
の1列目の各要素が読み出される。読み出された画像デ
ータは、階調補正算出回路91により、まず、1列目の
各画像データに対して上記(数11)を用いて、X
ia(i=1〜n)及びXib(i=1〜n)が算出され
る。算出された各階調補正データは、Xia、Xibのそれ
ぞれについて走査データメモリ80に記憶されている走
査データ及び上記(数1)を用いて演算回路90で演算
され、Yia、Yibが得られる。このとき、走査データ行
列11は走査データ読み出し回路81により、1行目か
ら256行目までの各要素が順番に読み出される。
【0064】演算後の各データは、信号データフィール
ドメモリ100に記憶され、信号データ読み出し回路1
01によって信号側ドライバ130への転送順に読み出
され、DA変換器120によってディジタル信号からア
ナログ信号に変換された後、信号側ドライバ130に転
送される。信号側ドライバ130は、入力されたアナロ
グデータに応じた電圧を単純マトリクス型液晶表示装置
140の信号側電極に印加する。一方、走査側において
は、走査データ読み出し回路81により、走査データメ
モリ80から、走査データ行列11の1行目から256
行目までが順番に読み出され、走査側ドライバ110に
転送される。走査側ドライバ110は、その走査データ
に応じた電圧を単純マトリクス型液晶表示装置140の
走査側電極に印加する。このとき、ある1ラインの信号
側電極へはY1a、Y1b、Y2a、Y 2b・・・・、Yna、Y
nbの信号データの順に印加されると共に、走査データの
1行分を印加する期間に、Y1a及びY1bの2つの信号デ
ータが印加される。すなわち、信号側の駆動周波数は従
来の駆動方法と比較して2倍になる。
【0065】尚、本実施例においては、走査線を全ライ
ン同時に選択する駆動方法における走査データ行列とし
て、256次のランダム反転型アダマール行列11を用
いているが、走査データ行列としては必ずしもこの構成
に限定されるものではなく、直交行列である限り、他の
種々の走査データ行列を用いても同様の効果が得られ
る。
【0066】〈第2の実施例〉次に、本発明の単純マト
リクス型液晶表示装置の駆動方法の好適な第2の実施例
について、図5を参照しながら説明する。
【0067】図5は本発明のデューティ比1/240
(N=240)の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第2の実施例における走査線を複数ライン同時に
選択する階調表示演算方法の一例を示している。
【0068】図5において、31は走査データ行列M、
32は画像データ行列X、37は信号データ行列Yをそ
れぞれ示している。ここで、走査データ行列31の行方
向は時間を表し、列方向は走査側ラインを示している。
また、信号データ行列37の列方向は信号側ラインを示
している。
【0069】走査データ行列31としては、例えば16
次の正規型アダマール行列(同時選択本数S=16)を
例えば16次の平方剰余で算出した符号をかけて生成し
たランダム反転正規型アダマール行列(上記(数8)参
照)と、18次の単位行列とのクロネッカー積展開によ
って得られる288次の行列が用いられている。
【0070】また、画像データ行列32は、240行2
列(N=240)とし、241行目から288行目には
ダミーデータが挿入され、全体として288行2列の行
列として構成されている。
【0071】画像データ行列32の1列目の各要素は、
1行目から16行目までが「0」であり、その他はすべ
て「1」である。また、2列目の各要素は、1行目から
16行目までが「1」であり、その他はすべて「0」で
ある。
【0072】画像データ行列32の各要素Xi (i=1
〜n)は、上記(数12)、(数13)、(数14)を
用いて、2つの画像データ行列33、34に分割され
る。従って、1つの画像(階調)データは、1ラインに
相当する走査データの出力期間を2等分したそれぞれの
期間に、上記(数11)の階調補正手段によって階調補
正された値となって読み込まれるので、1ライン期間で
1つの画像(階調)データの補正を完結することができ
る。
【0073】このようにして得られた2つの画像データ
行列33、34と、走査データ行列(M)31とによ
り、2つの信号データ行列35、36が得られる。ま
た、2つの信号データ行列35、36から実際に印加す
べき1つの信号データ行列37が得られる。
【0074】尚、図5においては、行方向が時間を表わ
すので、本駆動方法を用いて単純マトリクス型液晶表示
装置を駆動する場合、走査側の駆動周波数に対し信号側
の駆動周波数は2倍となる。
【0075】また、上記(数11)におけるCの値は、
C≧1の条件下で任意に設定することができるが、Cを
大きい値に設定すると、信号側の印加電圧が大きくな
り、信号側液晶ドライバの耐圧の問題が生じるおそれが
あるので、C=1とするのが望ましい。
【0076】次に、本実施例における単純マトリクス型
液晶表示装置の表示特性について、図6、図7を参照し
ながら説明する。図6は本実施例の駆動方法における全
白パターン表示時のある画素における液晶印加電圧の累
積実効値の推移を示すものである。ここで、横軸は1フ
ィールドに相当する時間、縦軸は1フィールド期間に印
加される実効値の累積値の推移をそれぞれ表しており、
1フィールド期間で100(%)の実効値が印加され
る。また、図6中の直線は、理想の印加実効値を示して
いる。また、図7は表示パターンが全白からウインドウ
パターンに切り替わる期間(1フィールド期間)におけ
る液晶印加電圧の累積実効値差の推移を表している。
【0077】図11の従来の駆動方法を用いた図14及
び図16に示す結果では、1フィールド期間中に、理想
の印加実効値となるポイントは最初と最後の2ポイント
しかないが、本実施例の駆動方法を用いた場合には、1
フィールド期間中に数回のポイントで理想の印加実効値
と一致し、全体として時間的なパワーの偏在が小さくな
る。その結果、スプライシングが低減される。
【0078】実際に上記駆動方法を用いて、640*4
80ドット(デューティ比1/240)のカラーSTN
パネルを駆動し、動画像表示を行ったところ、スプライ
シングは大幅に低減され、高品位な画像が得られた。
【0079】従来の駆動方法では、画像(階調)データ
の補正を数ライン期間で行っていたが、上記のような駆
動方法を用いれば、1ライン期間で画像(階調)データ
に応じた補正を行うことができる。その結果、階調表示
時における1フレーム中の印加実効電圧の時間的なパワ
ーの偏在が低減されるので、動画像表示時に生じていた
スプライシングの低減された高品位な表示が得られる。
【0080】本実施例の単純マトリクス型液晶表示装置
の駆動装置の構成及びその動作は、上記第1の実施例と
何ら異ならないので、ここではその説明を省略する。
尚、本実施例においては、走査線を複数ライン同時に選
択する駆動方法における走査データ行列として、上記
(数8)に示す16次のランダム反転正規型アダマール
行列(同時選択本数S=16)と、18次の単位行列と
のクロネッカー積展開によって得られる288次の行列
を用いているが、走査データ行列としては必ずしもこの
構成に限定されるものではなく、直交行列である限り、
他の種々の走査データ行列を用いても同様の効果が得ら
れる。
【0081】〈第3の実施例〉次に、本発明の単純マト
リクス型液晶表示装置の駆動方法の好適な第3の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0082】図8は本発明のデューティ比1/240
(N=240)の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第3の実施例における走査線を全ライン同時に選
択する駆動方法に用いる走査データ行列の一例を示して
いる。
【0083】図8において、38は従来の駆動方法にお
ける走査データ行列、39は本実施例の駆動方法におけ
る走査データ行列であり、例えば上記(数10)に示さ
れる2次の直交行列同士のクロネッカー積展開によって
得られる256次のアダマール行列が用いられる。尚、
画像データは従来と何ら異ならないので、ここではその
説明を省略する。
【0084】走査データ行列39は、走査データ行列3
8の「1」のみで構成された1列目の各要素をそれぞれ
256列目と入れ替えたものである。走査データ行列に
おいては、基本的に任意の行及び列同士を入れ替えて
も、直交性が失われることはない。また、実際の表示に
用いる走査データ行列の領域は、N=240の場合、1
列〜240列であるので、走査データ行列の256列目
に「1」のみの成分を移動させても、実際の表示に影響
はない。
【0085】従って、走査データ行列39のように、1
列目の「1」のみで構成されている要素を実表示領域外
に配置することにより、単純マトリクス型液晶表示装置
の液晶パネル上の走査電極にDC成分に相当する駆動波
形が印加されることはなく、OA用表示でよく出てくる
特定のパターン、特にベタ表示等を表示する際にも、他
のラインとの液晶の光学応答の差が生じることはないの
で、従来の駆動方法を用いた場合に観測されていた横筋
が低減される。
【0086】以上説明したように、本発明の第3の実施
例によれば、走査線を全ライン同時に選択する階調表示
駆動方法に用いる走査データ行列のある行列要素が
「1」及び「−1」のうちいずれか1つの値の要素のみ
で構成される列成分を、実際の表示に用いる列成分領域
外に配置することにより、横筋が低減され、高品位な表
示が得られる。
【0087】尚、本実施例においては、1列目が「1」
のみで構成された走査データ行列を用い、この走査デー
タ行列の1列目を実表示領域外に配置した場合を例に挙
げて説明しているが、必ずしもこの構成に限定されるも
のではなく、1列目が「−1」のみで構成されている走
査データ行列を用い、その走査データ行列の1列目を実
表示領域外に配置した場合でも同様の効果が得られる。
また、本実施例においては、走査線を全ライン同時に選
択する駆動方法に用いる走査データ行列として、2次の
直交行列同士のクロネッカー積展開によって得られる2
56次の正規型アダマール行列を例に挙げて説明してい
るが、走査データ行列としては必ずしもこの構成に限定
されるものではなく、直交行列である限り、他の種々の
走査データ行列を用いても同様の効果が得られる。
【0088】〈第4の実施例〉次に、本発明の単純マト
リクス型液晶表示装置の駆動方法の好適な第4の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0089】図9は本発明のデューティ比1/240
(N=240)の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第4の実施例における走査線を複数ライン同時に
選択する駆動方法に用いる走査データ行列中の種関数の
従来との比較を示しており、図10は走査データ行列の
構成を示している。
【0090】図9において、40は従来の駆動方法にお
ける種関数、41は本実施例の駆動方法における種関数
をそれぞれ示しており、これらの種関数40、41は1
6次の正規形アダマール行列(同時選択本数S=16)
によって構成されている。そして、図10に示すよう
に、種関数40又は41と18次の単位行列とのクロネ
ッカー積展開によって288次の走査データ行列42が
構成されている。尚、画像データは従来と何ら異ならな
いので、ここではその説明を省略する。
【0091】走査データ行列42中には、この走査デー
タ行列42を生成するための種関数40又は41が18
個分存在する。また、その中で実表示に用いられる(N
=240より)列成分は15個である。従って、種関数
41では、種関数40と比較して、走査データ行列18
個中の、種関数部分が「1」のみで構成される15列分
の各要素と、走査データ行列42の241列目から25
8列目までの要素とがそれぞれ入れ替えられている。走
査データ行列においては、基本的に任意の行又は列を入
れ替えても、直交性が失われることはない。また、実際
の表示に用いる走査データ行列の領域は、240行24
0列であるので、走査データ行列42の241列目から
258列目に「1」のみの成分を移動させても、実際の
表示に影響はない。
【0092】また、走査線を複数ライン同時に選択する
駆動方法において、上記行列の操作を行うには、走査デ
ータ行列の次数をnとした場合、画像データ数N(本実
施例ではN=240)と同時選択本数Sとの間に上記
(数1)の関係が成立することが必要である。
【0093】従って、走査データ行列を上記構成とし、
種関数の1列目の「1」のみで構成されている要素(本
実施例では15列分)を実表示領域外に配置することに
より、単純マトリクス型液晶表示装置の液晶パネル上の
走査電極にDC成分に相当する駆動波形が印加されるこ
とはなく、OA用表示でよく出てくる特定のパターン、
特にベタ表示等を表示する際にも、他のラインとの液晶
の光学応答の差が生じることはないので、従来の駆動方
法を用いた場合に観測されていた横筋が低減される。
【0094】以上説明したように、本発明の第4の実施
例によれば、走査線を複数ライン同時に選択する階調表
示駆動方法に用いる走査データ行列を構成する複数の種
関数のある行列要素が「1」及び「−1」のうちいずれ
か1つの値の要素のみで構成される列成分を、実際の表
示に用いる列成分の領域外に配置することにより、横筋
が低減される。
【0095】尚、本実施例においては、走査データ行列
を構成している要素中の種関数部分が「1」のみを構成
する列要素について示しているが、「−1」のみで構成
されている列要素を実表示領域外に配置した場合でも同
様の効果が得られる。
【0096】また、本実施例においては、走査線を複数
ライン同時に選択する駆動方法に用いる走査データ行列
として、上記(数8)に示す16次の正規形アダマール
行列(同時選択本数S=16)と、18次の単位行列と
のクロネッカー積展開によって得られる288次の行列
を例に挙げて説明しているが、走査データ行列としては
必ずしもこの構成に限定されるものではなく、直交行列
である限り、他の種々の走査データ行列を用いても同様
の効果が得られる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る単純
マトリクス型液晶表示装置の駆動方法の第1の構成によ
れば、読み出された1つの画像データを階調補正手段に
よって演算された2つの画像データに分割し、分割され
たそれぞれの画像データと走査データとから信号データ
を演算し、かつ、このとき単純マトリクス型液晶表示装
置に印加する列信号のパルス幅を行信号のパルス幅の2
分の1とすることにより、1ラインに相当する期間を2
等分したそれぞれの期間で画像(階調)データの階調補
正を行うようにしたので、1ライン期間で1つの画像
(階調)データの補正を完結することができる。その結
果、階調表示時における1フレーム中の印加実効電圧の
時間的なパワーの偏在が低減されるので、動画表示時に
生じていたスプライシングの低減された高品位な表示が
得られる。
【0098】また、本発明に係る単純マトリクス型液晶
表示装置の駆動方法の第2の構成によれば、走査データ
を構成する走査データ行列は、各要素が「1」又は「−
1」からなる直交行列であり、「1」及び「−1」のう
ちいずれか1つの値の要素のみで構成される列成分を、
実際に液晶表示に用いる列成分の領域外に配置すること
を特徴とするので、単純マトリクス型液晶表示装置の液
晶パネル上の走査電極にDC成分に相当する駆動波形が
印加されることはない。その結果、OA用表示でよく出
てくる特定のパターン、特にベタ表示等を表示する際に
も、他のラインとの液晶の光学応答の差が生じることは
ないので、従来の駆動方法を用いた場合に観測されてい
た横筋が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第1の実施例における階調表示演算方法を示す図
である。
【図2】本発明の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第1の実施例における階調表示演算方法を示すモ
デル図である。
【図3】本発明の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第1の実施例における累積実効値の推移を示す図
である。
【図4】本発明の単純マトリクス型液晶表示装置の回路
構成図である。
【図5】本発明の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第4の実施例における走査データ行列を示す図で
ある。
【図6】本発明の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第2の実施例における累積実効値の推移を示す図
である。
【図7】本発明の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第2の実施例における累積実効値差の推移を示す
図である。
【図8】本発明の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第3の実施例における走査データ行列を示す図で
ある。
【図9】本発明の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法の第4の実施例における本発明及び従来の走査デー
タ行列の種関数の比較を示す図である。
【図10】本発明の単純マトリクス型液晶表示装置の駆
動方法の第4の実施例における走査データ行列の構成を
示す図である。
【図11】従来の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法における階調表示演算方法を示す図である。
【図12】従来の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法における階調表示演算方法を示す図である。
【図13】従来の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法における階調表示時の表示ムラを示す図である。
【図14】従来の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法における累積実効値の推移を示す図である。
【図15】従来の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法における累積実効値の推移を示す図である。
【図16】従来の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法における累積実効値差の推移を示す図である。
【図17】従来の単純マトリクス型液晶表示装置の駆動
方法における階調表示時の表示ムラを示す図である。
【符号の説明】
1、140:単純マトリクス型液晶表示装置 2:コラム側液晶ドライバ 3:ロウ側液晶ドライバ 4:表示領域 5:輝度ムラ(横筋) 8:線状の尾引き(スプライシング) 11、21、31、38、39、42、61、64、6
5、67:走査データ行列 12、13、14、22、23、24、32、33、3
4、62:画像データ行列 15、16、17、25、26、27、35、36、3
7、63:信号データ行列 40、41:種関数 6、66:階調補正項 68:DC項に相当する列 69:印加波形 70:画像データフィールドメモリ 71:画像データ読み出し回路 80:走査データメモリ 81:走査データ読み出し回路 90:演算回路 91:階調補正項算出回路 100:信号データフィールドメモリ 101:信号データ読み出し回路 110:走査側ドライバ 120:D/A変換器 130:信号側ドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浪 将仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−51718(JP,A) 特開 平6−347756(JP,A) 特開 平6−347755(JP,A) 特開 平6−51276(JP,A) 特開 平8−76725(JP,A) 特開 平9−101505(JP,A) 特開 平4−329592(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/133 575 G02F 1/133 545 G09G 3/36

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部から入力された画像データを記憶す
    るための画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手
    段から画像データ行列の特定の列の各要素を読み出すた
    めの画像データ読み出し手段と、読み出された画像デー
    タから階調補正項を算出するための階調補正手段と、予
    め走査データを記憶しておくための走査データ記憶手段
    と、前記走査データ記憶手段から特定の走査データを読
    み出すための走査データ読み出し手段と、前記画像デー
    タ記憶手段から読み出された特定の列の画像データと前
    記走査データ記憶手段から読み出された走査データと前
    記階調補正手段によって算出された階調補正項とに基づ
    いて信号データ行列を演算するための演算手段とを具備
    し、振幅変調によって階調表示を行う単純マトリクス型
    液晶表示装置の駆動方法であって、読み出された1つの
    画像データを前記階調補正手段によって演算された2つ
    の画像データに分割し、分割されたそれぞれの画像デー
    タと前記走査データとから信号データを演算し、かつ、
    このとき単純マトリクス型液晶表示装置に印加する列信
    号のパルス幅を行信号のパルス幅の2分の1とすること
    により、1ラインに相当する期間を2等分したそれぞれ
    の期間で画像(階調)データの階調補正を行うことを特
    徴とする単純マトリクス型液晶表示装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 走査データを構成する走査データ行列
    が、1ライン分に相当する期間において全ラインを同時
    に選択する走査データ行列である請求項1に記載の単純
    マトリクス型液晶表示装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】 走査データを構成する走査データ行列
    が、1ライン分に相当する期間において複数ラインを同
    時に選択する走査データ行列である請求項1に記載の単
    純マトリクス型液晶表示装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】 外部から入力された画像データを記憶す
    るための画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手
    段から画像データ行列の特定の列の各要素を読み出すた
    めの画像データ読み出し手段と、読み出された画像デー
    タから階調補正項を算出するための階調補正手段と、予
    め走査データを記憶しておくための走査データ記憶手段
    と、前記走査データ記憶手段から特定の走査データを読
    み出すための走査データ読み出し手段と、前記画像デー
    タ記憶手段から読み出された特定の列の画像データと前
    記走査データ記憶手段から読み出された走査データと前
    記階調補正手段によって算出された階調補正項とに基づ
    いて信号データ行列を演算するための演算手段とを具備
    した単純マトリクス型液晶表示装置の駆動方法であっ
    て、走査データを構成する走査データ行列は、各要素が
    「1」又は「−1」からなる直交行列であり、「1」及
    び「−1」のうちいずれか1つの値の要素のみで構成さ
    れる列成分を、実際に液晶表示に用いる列成分の領域外
    に配置することを特徴とする単純マトリクス型液晶表示
    装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】 走査データ行列は、各要素が「1」又は
    「−1」からなるS次の直交行列(同時選択本数)とi
    次の単位行列とのクロネッカー積展開によって得られる
    n次の走査データ行列であり、前記S次の直交行列は、
    「1」及び「−1」のうちいずれか1つの値の要素のみ
    で構成される列成分が実際に液晶表示に用いる列成分の
    領域外に配置される請求項4に記載の単純マトリクス型
    液晶表示装置の駆動方法。
  6. 【請求項6】 表示する画像データの数Nと、同時選択
    本数Sと、走査データ行列の次数nとの間に下記(数
    1)の関係が成立する請求項5に記載の単純マトリクス
    型液晶表示装置の駆動方法。 【数1】
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