JP3024114B2 - 熱可塑性樹脂シ―ト - Google Patents

熱可塑性樹脂シ―ト

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JP3024114B2
JP3024114B2 JP11027527A JP2752799A JP3024114B2 JP 3024114 B2 JP3024114 B2 JP 3024114B2 JP 11027527 A JP11027527 A JP 11027527A JP 2752799 A JP2752799 A JP 2752799A JP 3024114 B2 JP3024114 B2 JP 3024114B2
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sheet
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resin sheet
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宏之 柳井
直樹 脇田
智 角本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性や成形性等
が優れた熱可塑性樹脂シート及び熱可塑性樹脂発泡シー
ト、さらにそれらのシートから得られる容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】スチレ
ン系樹脂は成形性や剛性が優れているため、総菜等の各
種食品用の容器として汎用されている。しかし、スチレ
ン系樹脂は耐熱性が劣るため、総菜等を食品容器ごと電
子レンジで加熱した場合、容器が変形するという問題が
生じる。このような加熱による変形の問題は、特に食用
油を多く含む食品ほど著しい傾向がある。
【0003】このような問題を解決する方法としては、
スチレン系樹脂からなる容器表面を耐熱性樹脂シートで
被覆する方法が知られているが、製造工程が複雑化して
製造コストも上昇するため、改善の余地がある。
【0004】また、スチレン系樹脂と耐熱性樹脂との混
合物を押出成形して得たシートを成形して容器を得る方
法もあるが、単に耐熱性樹脂を混合した場合、耐熱性は
向上するものの成形性が低下してしまい、表面に凹凸が
生じたりすることにより、製品外観が低下するという問
題がある。このようなスチレン系樹脂と耐熱性樹脂との
混合物に関する先行技術としては、スチレン系樹脂と耐
熱性樹脂の粘度比を規定し、シートを得る方法が知られ
ている(例えば、特開平6−25487号公報参照)。
しかし、この方法の場合は、耐熱性、製品外観等が優れ
た高品質の製品を安定して供給できないという問題があ
る。
【0005】本発明は、成形性を低下させることなく、
耐熱性を向上させた熱可塑性樹脂シート及び熱可塑性樹
脂発泡シートを提供することを目的とする。また、本発
明は、前記の熱可塑性樹脂シート又は熱可塑性樹脂発泡
シートからなる容器を提供することを他の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために研究を重ねた結果、スチレン系樹脂と
耐熱性を有する樹脂を混合して耐熱性を向上させる際
に、耐熱性を有する樹脂として、所定の方法により測定
される結晶化開始温度と結晶化終了温度との差が所定値
以上となるものを用いることにより、スチレン系樹脂が
本来有している成形性を損なうことなく、耐熱性を大幅
に向上できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】即ち本発明は、(A)スチレン系樹脂5〜
95重量%及び(B)示差走査熱量測定装置を用いて得
られるJIS K7121の降温速度50K/分におけ
る結晶化開始温度(Ts)が90〜150℃で、結晶化
開始温度と結晶化終了温度(Te)の差が、次式:Ts
−Te≧15℃、で示される関係を有し、かつJISK
7210によるメルトフローレートが3以上である結晶
化熱可塑性樹脂95〜5重量%を含有する樹脂組成物を
成形して得られるものであることを特徴とする熱可塑性
樹脂シートを提供する。また本発明は、前記の樹脂組成
物を発泡成形して得られるものであることを特徴とする
熱可塑性樹脂発泡シートを提供する。さらに本発明は、
前記の熱可塑性樹脂シート又は熱可塑性樹脂発泡シート
からなることを特徴とする容器を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性樹脂シートは、
(A)成分のスチレン系樹脂と、(B)成分の熱可塑性
樹脂を含有する樹脂組成物を成形して得られるものであ
る。
【0009】樹脂組成物で用いる(A)成分のスチレン
系樹脂としては、スチレン系モノマーの重合体、スチレ
ン系モノマーとそれらと共重合可能な他のモノマーとの
共重合体を挙げることができる。
【0010】スチレン系モノマーとしては、スチレン、
2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチル
スチレン、4−エチルスチレン、4−t−ブチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン等のアルキル置換スチレ
ン、α−メチルスチレン、α−メチル−4−メチルスチ
レン等のα−アルキル置換スチレン、2−クロロスチレ
ン、4−クロロスチレン等のハロゲン化スチレン等から
選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0011】スチレン系モノマーと共重合可能な他のモ
ノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸、アクリ
ル酸メチル又はメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル
又はメタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル又はメタク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル又はメタ
クリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸(C1
8)エステル又はメタクリル酸(C1〜C8)エステ
ル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミドのような
N−置換マレイミド等のマレイン酸又はその誘導体等か
ら選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0012】(A)成分のスチレン系樹脂は、ゴム変性
スチレン系樹脂にすることもできる。ゴム変性スチレン
系樹脂の製造において用いるゴムとしては、ブタジエン
ゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、ブタジエン−アク
リロニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプ
レンゴム、アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム等
の非スチレン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチ
レン−イソプレンゴム等のスチレン系ゴムから選ばれる
1種以上を挙げることができる。なお、ブタジエンゴム
は、シス−1,4構造の含有率の高いハイシス型のもの
であっても、シス−1,4構造の含有率の低いローシス
型のものであってもよい。ゴム変性スチレン系樹脂にお
けるゴム粒子の粒径は、好ましくは1.5μmよりも大
きく6μm以下の範囲、特に好ましくは1.8〜2.5
μmの範囲であることが、容器の衝撃強度の改良の点で
望ましい。
【0013】(A)成分を共重合体にする場合の重合形
態は特に限定されるものではなく、ブロック共重合体、
ランダム共重合体、テーパーブロック構造を有する共重
合体であってもよい。
【0014】樹脂組成物における(A)成分の含有量
は、5〜95重量%であり、好ましくは40〜95重量
%であり、特に好ましくは60〜95重量%である。
【0015】樹脂組成物で用いる(B)成分の結晶性熱
可塑性樹脂は、示差走査熱量測定装置(DSC)を用い
て得られるJIS K7121の降温速度50K/分に
おける結晶化開始温度(Ts)が90〜150℃で、結
晶化開始温度と結晶化終了温度(Te)の差が、次式:
Ts−Te≧15℃、で示される関係を有しているもの
である。
【0016】結晶化開始温度(Ts)は、上記のとおり
90〜150℃であるが、好ましくは95〜130℃、
特に好ましくは95〜120℃である。結晶化開始温度
が90℃以上であると、ドローダウンが防止されて成形
性が向上し、150℃以下であると、(A)成分と
(B)成分の溶融挙動が近似するため、成形性及びシー
トの表面外観が向上する。
【0017】結晶化開始温度(Ts)と結晶化終了温度
(Te)の差は、上記のとおりTs−Te≧15℃で示
される関係を有しているものであるが、好ましくはTs
−Te≧20〜60℃、特に好ましくはTs−Te≧2
5〜40℃で示される関係を有しているものである。結
晶化開始温度(Ts)と結晶化終了温度(Te)の差を
15℃以上にした場合、樹脂組成物をシート状に成形す
る際において、溶融した樹脂組成物を大気中に押し出し
たとき、(A)成分と(B)成分との固化挙動(固化温
度及び固化速度)を近似させることにより、成形性を向
上させ、表面外観の美しいシートを得ることができる。
【0018】さらに、(B)成分の結晶性熱可塑性樹脂
は、Ts−Te≧15℃で示される関係を有していると
共に、JIS K7210によるメルトフローレート
(MFR,g/10分)が3以上のものである。このMFR
は、好ましくは3〜50であり、特に好ましくは5〜2
0である。MFRが3以上であると、溶融状態の組成物
がダイから押出される際にサージングが生じることを防
止でき、均一な厚みのシートを安定して製造することが
でき、しかも容器の成形性もよい。なお、MFRの測定
は、ポリオレフィン系樹脂の場合は230℃、荷重2.
16kgで測定し、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエーテル系樹脂、ポリケトン樹脂の場合は28
0℃、荷重2.16kgで測定したものである。
【0019】このような(B)成分の結晶性熱可塑性樹
脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエー
テル系樹脂、ポリケトン樹脂等から選ばれる1種以上を
挙げることができる。これらの中でも(B)成分として
はポリプロピレンが好ましい。
【0020】樹脂組成物における(B)成分の含有量
は、95〜5重量%であり、好ましくは60〜5重量%
であり、特に好ましくは40〜5重量%である。
【0021】樹脂組成物には、さらに(C)成分として
下記の(C−1)〜(C−4)から選ばれる1種以上の
相溶化剤を配合することができる。
【0022】(C−1)ビニル芳香族化合物と、共役ジ
エン化合物とからなる共重合体又はその水素添加物。ビ
ニル芳香族化合物としては、上記した(A)成分で用い
るモノマーを挙げることができ、共役ジエン化合物とし
ては、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等を挙げ
ることができる。
【0023】(C−2)ビニル芳香族化合物と、共役ジ
エン化合物とからなる共重合体のエポキシ化物又はその
水素添加物。ビニル芳香族化合物と、共役ジエン化合物
とからなる共重合体としては、(C−1)の共重合体を
挙げることができる。
【0024】(C−3)(A)成分の構成単位となるス
チレン系モノマーと、(B)成分の構成単位となるモノ
マーとの共重合体。
【0025】(C−4)ビニル芳香族化合物と、カルボ
キシル基を有する化合物又は酸無水物との共重合体。ビ
ニル芳香族化合物としては、上記した(A)成分で用い
るスチレン系モノマーを挙げることができ、カルボキシ
ル基を有する化合物及び酸無水物としては、(A)成分
で用いるスチレン系モノマーと共重合可能な他のモノマ
ーを挙げることができる。
【0026】(C)成分の相溶化剤の配合量は、(A)
及び(B)成分の合計量に対して、好ましくは0.1〜
20重量部であり、特に好ましくは1〜10重量部であ
る。
【0027】樹脂組成物には、さらに必要に応じて、顔
料等の着色剤、高級脂肪酸塩等の分散剤、タルク等の無
機充填剤、導電性付与剤、帯電防止剤、シリコーン等を
添加することができる。
【0028】本発明の熱可塑性樹脂シートは、例えば、
上記した樹脂組成物を通常の押出機により溶融混練した
のち、サーキュラーダイ、Tダイ等を介して押出し成形
して得ることができる。
【0029】本発明の熱可塑性樹脂シートの厚みは用途
等に応じて適宜設定することができるものであるが、例
えば0.1〜3.0mm、好ましくは0.2〜2.0mmに
することができる。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂シートは、一面又は
両面に、同一又は異なる材質からなる樹脂未発泡シート
を積層して、2層以上の積層体にすることができる。こ
の場合に用いる樹脂未発泡シートは、用途や付与しよう
とする性質、例えば、耐熱性、耐磨耗性、表面外観の向
上、印刷性等に応じて、所望の材質から適宜選択するこ
とができる。積層体の製造方法としては、共押出し法、
ドライラミネート法等の公知の方法を適用することがで
きる。積層する樹脂未発泡シート層の厚みは用途等に応
じて適宜設定することができるものであるが、例えば1
0〜100μm、好ましくは20〜60μmにすることが
できる。
【0031】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートは、上記
した樹脂組成物を発泡成形して得られるものである。発
泡成形の方法としては、化学発泡剤を添加して押出し成
形する方法、発泡ガス原料を注入しながら押出し成形す
る方法、液状の発泡ガス原料を樹脂組成物に含浸させた
ものを押出し成形する方法等を適用することができる。
化学発泡剤や発泡ガス原料としては、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素アンモニウム、アゾジカルボンアミド、ア
ゾビスイソブチロニトリル、液状のプロパン、ブタン等
の炭化水素等を挙げることができる。
【0032】熱可塑性樹脂発泡シートは、発泡倍率が好
ましくは1.1〜20倍、特に好ましくは1.1〜15
倍、さらに好ましくは1.2〜10倍である。また、熱
可塑性樹脂発泡シートは、厚みが好ましくは0.1〜
3.0mm、特に好ましくは0.3〜2.0mm、さらに好
ましくは0.5〜1.5mm、最も好ましくは0.5〜
1.0mmである。
【0033】本発明の熱可塑性樹脂発泡シートは、一面
又は両面に、同一又は異なる材質からなる樹脂未発泡シ
ートを積層して、2層以上の積層体にすることができ
る。この積層体は、上記した熱可塑性樹脂シートの積層
体の場合と同様にして製造することができる。積層する
樹脂未発泡シート層の厚みは用途等に応じて適宜設定す
ることができるものであるが、例えば10〜100μ
m、好ましくは20〜60μmにすることができる。
【0034】本発明の熱可塑性樹脂シート及び熱可塑性
樹脂発泡シートには、導電性付与剤、帯電防止剤、シリ
コーン等をコーティングすることができる。
【0035】本発明の容器は、上記した熱可塑性樹脂シ
ート又は熱可塑性樹脂発泡シートを所望形状に成形して
得られるものである。本発明でいう「容器」とは、本体
と蓋を含む意味であり、例えば、総菜用の容器であれ
ば、トレーと蓋を含む意味である。本発明の容器は食品
用容器、特に油分の多い食品用容器として好適である
が、勿論それらに限定されるものではなく、熱湯を注ぐ
タイプの各種インスタント食品容器、紙コップ、電子レ
ンジ等で加熱される容器、製造時及び使用時において加
熱殺菌される容器、各種の非加熱容器等にも適用するこ
とができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。なお、以下において用いた各成分の詳細は下記のと
おりである。
【0037】GPPS:スチレン樹脂(ダイセル化学工
業(株)製の#50) HIPS:ハイインパクトポリスチレン樹脂(ダイセル
化学工業(株)製の#S85) SBS:スチレン・ブタジエンブロック共重合樹脂(日
本合成ゴム(株)製のTR2003) PP:ポリプロピレン樹脂(グランドポリマー社製のF
219D) PA:ポリアミド(ナイロン6)(宇部興産社製の10
13B)。
【0038】実施例1〜5 表1に示す組成(重量%表示)の(A)成分、(B)成
分からなる樹脂組成物を、押出機(φ65mm、L/D3
2)により、樹脂温度約230℃で溶融混練した後、T
ダイから押し出し成形して、厚さ0.8mmの樹脂シート
を得た。なお、(A)成分及び(B)成分の詳細は以下
のとおりである。また、PPの相溶化剤として、クラレ
社製のセプトン2104を5重量部配合し、PAの相溶
化剤として、アーコケミカル社製のダイラーク232を
5重量部配合した。
【0039】実施例6 PPの相溶化剤を配合しなかった以外は実施例1〜5と
同様にして、厚さ0.6mmの樹脂シートを得た。
【0040】実施例7 実施例1〜5と同様にして得た樹脂シートに、ポリプロ
ピレンフィルム(大日本インキ工業(株)製の商品名デ
ィファレン,厚さ25μm)を熱ラミネートして、ポリ
プロピレン層を有する樹脂積層シートを得た。
【0041】実施例8、9 表1に示す組成の(A)成分、(B)成分からなる樹脂
組成物を、多層押出機(φ65mm、φ40mm、L/D=
32)のφ65mm押出機に投入し、表1の厚みとなる量
のポリプロピレンをφ40mm押出機に投入し、樹脂温度
約230℃で溶融混練した後、フィードブロック内で積
層し、Tダイから共押出して、ポリプロピレン層を有す
る樹脂積層シートを得た。
【0042】上記の実施例で得られた樹脂シートについ
て、下記方法により、シート押出性、容器成形性及び耐
熱性を試験した。結果を表1に示す。
【0043】(1)シート押出性 Tダイ出口を出た直後の溶融状態の樹脂組成物が、シー
トになる状態を目視で観察し、下記の基準でシート押出
性を評価した。 ◎:厚みが均一で表面が平滑であり、表面光沢もよい。 ○:厚みが均一で表面が平滑であるが、表面光沢が少し
劣る。 △:厚みは均一であるが、表面に和紙様の凹凸がある。 ×:厚みが不均一で、表面に和紙様の凹凸がある。
【0044】(2)容器成形性 浅野研究所製の単発真空成形機を用い、開口部径90m
m、底部径80mm、高さ50mmのコップ状の容器を成形
し、底面と側面の接する部分や側面の破れ、表面状態
(外観及び光沢)を目視で観察し、下記の基準で評価し
た。 ◎:破れがなく厚みも均一で、表面が平滑なものが得ら
れた。 ○:破れはなく厚みも均一であるが、表面に若干の和紙
様の凹凸があった。 △:破れはないが、厚みが不均一で、表面にかなり目立
つ和紙様の凹凸があった。 ×:破れがあり、表面の凹凸の程度も著しい。
【0045】(3)耐熱性 熱可塑性樹脂シートを10cm角に裁断したものにサラダ
油(日清製油社製)300mg/cm2を塗布した後、10
0℃の雰囲気中で2分間放置した。その後、室温になる
まで放冷した後、シート寸法の変化を測定するととも
に、目視で油のしみ込み具合を観察し、下記の基準で耐
熱性を評価した。なお、シート寸法の変化は、加熱放冷
後のシートの縦及び横の寸法の原寸法に対する百分率で
表した。 ◎:寸法変化の絶対値が10%未満で、油のしみ込みも
ない。 ○:寸法変化の絶対値が10%未満で、全面積の30%
未満に油がしみ込んでいた。 △:寸法変化の絶対値が10%以上20%未満であり、
全面積の30%以上50%未満に油がしみ込んでいた。 ×:寸法変化の絶対値が20%以上であり、全面積の5
0%以上に油がしみ込んでいた。
【0046】
【表1】
【0047】実施例1〜9の熱可塑性樹脂シートは、シ
ート押出性、容器成形性及び耐熱性のいずれにおいても
優れていた。特に、(A)成分の含有量が70重量%の
実施例1、2、4、6、7において、単層及び積層のい
ずれの場合も優れた結果が得られた。
【0048】実施例10〜14 表2に示す組成(重量%表示)の(A)及び(B)成分
からなる樹脂組成物に、発泡剤として重炭酸ナトリウム
/クエン酸モノナトリウムとの混合物(三協化学(株)
製のセルマイク623)を1重量部添加し、実施例1と
同じ押出機により、樹脂温度約230℃で溶融混練し
た。次に、Tダイよりシート状に押出し、シート表面
を、使用した(A)成分のガラス転移温度以下の温度
(約100℃)まで急冷し、厚さ0.8mmの樹脂発泡シ
ートを得た。得られた樹脂発泡シートについて、実施例
1と同様の方法により、シート押出性、容器成形性及び
耐熱性を試験した。結果を表2に示す。
【0049】実施例15〜17 表2に示す組成の(A)及び(B)成分からなる樹脂組
成物を、実施例1と同じ押出機により、樹脂温度約23
0℃で溶融混練した。次に、ブタンを圧入した後、樹脂
温度を約180℃に調整し、Tダイから押し出しながら
発泡成形して、厚さ1.0mmの樹脂発泡シートを得た。
得られた樹脂発泡シートについて、実施例1と同様の方
法により、シート押出性、容器成形性及び耐熱性を試験
した。結果を表2に示す。
【0050】実施例18〜20 実施例10〜14と同様にして得られた樹脂発泡シート
に、ポリプロピレンフィルム(大日本インク工業(株)
製の商品名テイファレン,厚さ25μm)を熱ラミネー
トするか又はホットメルトラミネートして、ポリプロピ
レン層を有する樹脂発泡積層シートを得た。得られた樹
脂発泡積層シートについて、実施例1と同様の方法によ
り、シート押出性、容器成形性及び耐熱性を試験した。
結果を表2に示す。
【0051】実施例21、22 表2に示す組成の(A)成分、(B)成分からなる樹脂
組成物に、発泡剤として重炭酸ナトリウム及びクエン酸
ナトリウムの混合物(三協化成(株)製;セルマイク6
23)を1重量を添加混合したものを用い、実施例8、
9と同様にして共押出して、ポリプロピレン層を有する
樹脂発泡積層シートを得た。得られた樹脂発泡積層シー
トについて、実施例1と同様の方法により、シート押出
性、容器成形性及び耐熱性を試験した。結果を表2に示
す。
【0052】比較例1〜5 表2に示す組成の(A)及び(B)成分からなる樹脂組
成物を用い、実施例6〜13と同様にして、厚さ0.8
mmの樹脂発泡シートを得た。ただし比較例1、2は、
(B)成分のPPとして、グランドポリマー社製のF7
69にタルク(富士タルク社製,LMS−300)を1
0重量%配合したものを用い、比較例4、5は、(B)
成分のPPとして、住友化学社製のノーブレンFS20
11D(MFR2.5)を用いた。得られた樹脂発泡シ
ートについて、実施例1と同様の方法により、シート押
出性、容器成形性及び耐熱性を試験した。結果を表2に
示す。
【0053】
【表2】
【0054】実施例10〜22の熱可塑性樹脂発泡シー
トは、シート押出性、容器成形性及び耐熱性のいずれに
おいても優れていた。特に、(A)成分の含有量が70
重量%の実施例10、11、13、15、16、18〜
20において、単層及び積層のいずれの場合も優れた結
果が得られた。比較例1〜5の熱可塑性樹脂発泡シート
は、比較例3以外は耐熱性は優れていたが、シート押出
性と容器成形性が劣っており、特に、Ts−Teの値及
びMFRが本発明の範囲外の(B)成分を用いた比較例
1、2、4、5は劣っていた。
【0055】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂シート及び熱可塑
性樹脂発泡シートは、構成材料であるスチレン系樹脂が
有している成形性を損なうことなく、耐熱性が向上され
ている。よって、このようなシートを用いることによ
り、耐熱性が優れ、表面外観が美しい容器を寸法精度よ
く成形できるため、高品質の各種容器を安定して供給す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 101/16 C08L 101/00 //(C08L 25/04 9:06) (C08L 101/16 9:06) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 C08L 25/04 C08L 101/16 B32B 5/18 B32B 27/30 C08J 9/00 WPI(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スチレン系樹脂5〜95重量%及
    び(B)示差走査熱量測定装置を用いて得られるJIS
    K7121の降温速度50K/分における結晶化開始
    温度(Ts)が90〜150℃で、結晶化開始温度と結
    晶化終了温度(Te)の差が、次式:Ts−Te≧15
    ℃、で示される関係を有し、かつJIS K7210に
    よるメルトフローレートが3以上である結晶化熱可塑性
    樹脂95〜5重量%を含有する樹脂組成物を成形して得
    られるものであることを特徴とする熱可塑性樹脂シー
    ト。
  2. 【請求項2】 さらに樹脂組成物に、(C)成分として
    下記の(C−1)〜(C−4)から選ばれる1種以上の
    相溶化剤が、(A)及び(B)成分の合計量に対して
    0.1〜20重量部含有されている請求項1記載の熱可
    塑性樹脂シート。 (C−1)ビニル芳香族化合物と、共役ジエン化合物と
    からなる共重合体又はその水素添加物、 (C−2)ビニル芳香族化合物と、共役ジエン化合物と
    からなる共重合体のエポキシ化物又はその水素添加物、 (C−3)(A)成分の構成単位となるスチレン系モノ
    マーと、(B)成分の構成単位となるモノマーとの共重
    合体、 (C−4)ビニル芳香族化合物と、カルボキシル基を有
    する化合物又は酸無水物との共重合体。
  3. 【請求項3】 同一又は異なる材質からなる樹脂未発泡
    シートとの2層以上の積層体である請求項1又は2記載
    の熱可塑性樹脂シート。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の熱可塑性樹脂
    シートからなることを特徴とする容器。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の樹脂組成物を発泡
    成形して得られるものであることを特徴とする熱可塑性
    樹脂発泡シート。
  6. 【請求項6】 発泡倍率が1.1〜20倍であり、厚み
    が0.1〜3.0mmである請求項5記載の熱可塑性樹脂
    発泡シート。
  7. 【請求項7】 同一又は異なる材質からなる樹脂未発泡
    シートとの2層以上の積層体である請求項5又は6記載
    の熱可塑性樹脂発泡シート。
  8. 【請求項8】 請求項5、6又は7記載の熱可塑性樹脂
    発泡シートからなることを特徴とする容器。
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