JP4991345B2 - 熱成形用積層シート及び包装用容器 - Google Patents

熱成形用積層シート及び包装用容器 Download PDF

Info

Publication number
JP4991345B2
JP4991345B2 JP2007046837A JP2007046837A JP4991345B2 JP 4991345 B2 JP4991345 B2 JP 4991345B2 JP 2007046837 A JP2007046837 A JP 2007046837A JP 2007046837 A JP2007046837 A JP 2007046837A JP 4991345 B2 JP4991345 B2 JP 4991345B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
mass
parts
resin
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007046837A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008207471A (ja
Inventor
匡泰 坪根
高則 唐川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FP Corp
Original Assignee
FP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FP Corp filed Critical FP Corp
Priority to JP2007046837A priority Critical patent/JP4991345B2/ja
Publication of JP2008207471A publication Critical patent/JP2008207471A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4991345B2 publication Critical patent/JP4991345B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Packages (AREA)

Description

本発明は、断熱性、耐熱性、耐油性、電子レンジ加熱可能な耐熱性を有し、剛性および表面の平滑性が改良された熱可塑性樹脂シート及び該シートを成形して得られる包装用容器に関する。本発明の包装用容器は、調理済み食品や総菜類などの食品を包装するための包装用容器として好適に用いられる。
食品等の包装に用いられる包装用容器の材料である熱可塑性樹脂シートにおいて、耐熱、耐油を狙った素材や容器として、ポリオレフィン系樹脂発泡体、中でもポリプロピレン系樹脂発泡体が多く使われている。ポリプロピレン系樹脂発泡体は、電子レンジ加熱可能な耐熱性を有するが、ポリスチレン系樹脂発泡体に比べて剛性が低く、内容物が加熱されたときに容器の一方を手で持つと、その重さで撓んで内容物がこぼれたりする危険性がある。剛性を出すために容器を厚くしたり、発泡倍率を低く抑えたりすると容器が重くなり、材料費が嵩むという問題があった。
従来、ポリプロピレン系樹脂を用いた熱成形用積層シート及び包装用容器に関して、例えば、特許文献1、2に開示された技術が提案されている。
特許文献1には、ポリプロピレン系樹脂発泡体の剛性を高めるために、ポリプロピレン系樹脂発泡層の少なくとも片側にポリプロピレン系樹脂と充填剤を含有した特定のメルトテンションの非発泡層を積層した積層シートを熱成形した包装用容器が開示されている。
特許文献2には、フィラー含有ポリプロピレン発泡層を中間層とし、フィラー含有または非含有の熱可塑性樹脂層を表面層として積層したシートを雄雌片面に温度差をつけて成形し、肉厚分布や均一発泡をもたらす容器成形方法が開示されている。
一方、包装用容器の主要な材料である、ポリスチレン系樹脂発泡体は、耐油性が乏しく耐熱性が低いので、電子レンジ加熱する用途には使用できない。特許文献3には、その点を改良するべく、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂の混合樹脂と無機充填剤からなる発泡層の両面にポリオレフィン系フィルムを積層したシートからなる包装用容器が提案されている。
特開2003−225978号公報 特開平7−186292号公報 特公平5−23589号公報
しかしながら、前述した従来技術には、次のような問題があった。
特許文献1に開示された容器は、非発泡層に多量のフィラーを含有するものなので、容器が重くなり、表面の平滑性が損なわれる問題がある。
特許文献2に開示された容器は、両面金型で成形するのでコストが嵩む上に、成形速度も遅くなるという問題がある。
特許文献3に開示された容器は、発泡層のポリプロピレンとスチレン系樹脂との相溶性が不足して、耐熱性や剛性が充分でないという問題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、断熱性、耐熱性、耐油性、電子レンジ加熱可能な耐熱性を有し、剛性および表面の平滑性が改良された熱成形用積層シート及び該シートを成形して得られる包装用容器の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し無機フィラーを0.5〜33質量部含有する組成物からなる発泡層(A)と、その片面又は両面にポリオレフィン系樹脂100質量部に対し無機フィラーを3〜70質量部含有する組成物からなる非発泡の補強層(B)と、更に最外面にポリオレフィン系樹脂を主とする組成物からなる非発泡の表面層(C)とを積層したシートであって、
発泡層(A)は、厚みが0.1mm〜2.0mmの範囲であり、連続気泡率が30%以下であり、
補強層(B)は、厚みが0.05mm〜2.0mmの範囲であり、
表面層(C)は、表面粗さRzが15μm以下であり、
積層シートは、厚みが0.2mm〜2.5mmの範囲であり、且つ密度が0.15〜1g/cmの範囲であることを特徴とする熱成形用積層シートを提供する。
また本発明は、発泡層(A)と、その片面又は両面にポリオレフィン系樹脂と無機フィラーを含む組成物からなる非発泡の補強層(B)と、更に最外面にポリオレフィン系樹脂を主とする組成物からなる非発泡の表面層(C)とを積層したシートであって、
発泡層(A)の樹脂は、(a1)ポリオレフィン樹脂50〜96質量部、(a2)ポリスチレン系樹脂3〜40質量部、(a3)ゴム系樹脂0.5〜10質量部を含む組成物からなり、発泡層(A)中の無機フィラーは、樹脂100質量部に対し0.2〜33質量部の範囲であり、さらに発泡層(A)は、厚み0.2〜2.0mmの範囲であり、連続気泡率が30%以下であり、
補強層(B)は、樹脂100質量部に対し無機フィラー3〜70質量部を含み、厚み0.05〜2.0mmの範囲であり、
表面層(C)は、厚み0.003〜0.3mmの範囲であり、表面粗さRzが15μm以下であり、
積層シートは、厚みが0.3〜2.5mmの範囲であり、且つ密度が0.15〜1g/cmの範囲であることを特徴とする熱成形用積層シートを提供する。
本発明の熱成形用積層シートにおいて、表面層(C)がポリプロピレン系樹脂からなることが好ましい。
本発明の熱成形用積層シートにおいて、表面層(C)は、樹脂100質量部に対し無機フィラーを0.5〜17質量部含む樹脂組成物からなることが好ましい。
本発明の熱成形用積層シートにおいて、積層シートの片面又は両面にフィルム又は印刷フィルム(D)をラミネートしてなることが好ましい。
また本発明は、前述した本発明に係る熱成形用積層シートを容器形状に又は蓋付き容器形状に熱成形してなる包装用容器を提供する。
また本発明は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し無機フィラーを0.5〜33質量部含有する組成物からなる発泡層(A)と、その片面又は両面にポリオレフィン系樹脂100質量部に対し無機フィラーを3〜70質量部含有する組成物からなる非発泡の補強層(B)と、更に最外面にポリオレフィン系樹脂を主とする組成物からなる非発泡の表面層(C)とを積層したシートを熱成形してなる包装用容器であって、
容器全体の密度が0.15〜1g/cmの範囲であり、
容器の底部の厚みが0.1〜2.5mmの範囲であり、
底部と側壁部の境界で湾曲している部分の連続気泡率が55%以下であり、
且つ底部の容器内面側の平坦な部分の表面粗さRzが20μm以下であることを特徴とする包装用容器。
また本発明は、発泡層(A)と、その片面又は両面にフィラー含有ポリオレフィン系樹脂層を含む補強層(B)と、更に最外面にポリオレフィン系樹脂を含む表面層(C)とを積層したシートを成形した包装用容器であって、
発泡層(A)の樹脂は、(a1)ポリオレフィン樹脂50〜96質量部、(a2)ポリスチレン系樹脂3〜40質量部、(a3)ゴム系樹脂0.5〜10質量部を含む組成物からなり、発泡層(A)中の無機フィラーは、樹脂100質量部に対し0.2〜33質量部の範囲であり、
補強層(B)は、樹脂100質量部に対し無機フィラー3〜40質量部を含み、
容器全体の密度が0.15〜1g/cmの範囲であり、
容器の底部の厚みが0.1〜2.5mmの範囲であり、
底部と側壁部の境界で湾曲している部分の連続気泡率が55%以下であり、
底部の容器内面側の平坦な部分の表面粗さRzが20μm以下であることを特徴とする包装用容器を提供する。
本発明の包装用容器において、容器の少なくとも内面側にバックプリントされたフィルム層(D)が形成されていることが好ましい。このフィルム(D)は、例えば、酸化チタン(白色)その他の着色剤を含有させることができる。
本発明によれば、断熱性、耐熱性、耐油性、電子レンジ加熱可能な耐熱性を有し、剛性および表面の平滑性が改良された熱成形用積層シート及び該シートを成形して得られる包装用容器を提供することができる。
図1は、本発明に係る熱成形用積層シートの一実施形態を示す断面図である。本実施形態の熱成形用積層シート1は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し無機フィラーを0.5〜33質量部含有する組成物からなる発泡層2(A層)と、その両面にポリオレフィン系樹脂100質量部に対し無機フィラーを3〜70質量部含有する組成物からなる非発泡の補強層3(B層)と、最外面にポリオレフィン系樹脂を主とする組成物からなる非発泡の表面層4(C層)とを積層した構成になっている。
なお、図1に示す層構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明はこの例示のみに限定されない。例えば、前記補強層3(B層)は、発泡層2(A層)の片面側にみに積層してもよいし、前記表面層4(C層)は、B層をA層の片面側のみに積層した場合、B層の外側のみに積層しても良いし、B層の外側とB層を設けない側のA層の外側との両方にC層を設けてもよい。
以下に、本発明の熱成形用積層シートにおいて用いられる材料の詳細を記す。
(ポリオレフィン系樹脂)
本発明の熱成形用積層シートにおいて用いられるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、アイソタクティクポリプロピレン、シンジオタクティクポリプロピレン、アタックティクポリプロピレンなどのポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダムポリマー、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンブテンー共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体(例えばエチレン−メチルメタクリレート共重合体)、エチレン−不飽和カルボン酸金属塩共重合体(例えばエチレン−アクリル酸マグネシウム(又は亜鉛)共重合体)、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体、プロピレン−オレフィン共重合体(プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体)、ポリエチレン又はポリプロピレンの不飽和カルボン酸(例えば無水マレイン酸)変性物、及びこれ等二種以上の混合物などがあげられる。プロピレン単独重合かプロピレン単位を50モル%以上含むポリプロピレン系共重合体などのポリプロピレンが特に好ましい。
(ポリスチレン系樹脂)
本発明の熱成形用積層シートにおいて用いられるポリスチレン系樹脂としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等のモノマーを単独重合した樹脂、或いは、これらの2種以上のモノマーを共重合した樹脂が挙げられる。特にホモポリスチレン(PS)が好ましい。多分岐ポリスチレン(大日本インキ化学工業社製、商品名「HP550P」)も使用できる。また、耐熱性が必要な場合は、例えば、前記モノマーとアクリル酸、メタアクリル酸、アクリルニトリル、無水マレイン酸を3〜15質量%含むスチレン共重合体からなる耐熱性ポリポリスチレン系樹脂を使用しても良い。
(ゴム系樹脂(1):ハイインパクトポリスチレン系樹脂)
本発明の熱成形用積層シートにおいて用いられるゴム系樹脂の一つとして、ハイインパクトポリスチレン系樹脂(以下、HIPSと記す。)が挙げられる。このHIPSは、ポリブタジエン又はスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体などのゴム系重合体をスチレンモノマー中に溶解した後、ブタジエン系ゴム状重合体にスチレンをグラフト重合したゴム変性ポリスチレンがサラミ構造でポリスチレン内に分散したものであって、サラミ内のゴム分とサラミ外のポリスチレンの一部が結合しているゴム変性ポリスチレン樹脂、或いは、スチレンモノマーを塊状重合法又は懸濁重合法により重合させて得られるポリスチレンとスチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴムを一軸又は多軸押出機又はバンバリーミキサーなどの汎用混練機を用いて加熱混練して得られるゴム変性ポリスチレン系樹脂をいう。ここで使用されるスチレン系単量体としては、スチレンが一般的ではあるが、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレンなども使用できる。HIPSに含有されるスチレン量は、91〜97質量%が好ましい。
(ゴム系樹脂(2):スチレン−共役ジオレフィン系熱可塑性エラストマー)
本発明の熱成形用積層シートにおいて用いられるゴム系樹脂の別の例として、スチレン−共役ジオレフィン系熱可塑性エラストマー(以下、SBSと記す。)が挙げられる。このSBSは、スチレン系重合体ブロックと共役ジオレフィン系重合体ブロックから構成される熱可塑性エラストマーであって、スチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマーに代表されるように、主鎖に共役二重結合を持つ。スチレン系重合体ブロックを構成する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等で特にスチレンが挙げられる。これらは目的に応じて単独又は二種以上の混合物として用いることができる。また、共役ジオレフィン系重合体ブロックを構成する単量体は共役二重結合を有するジオレフィンであり例えば、1、3−ブタジエン、イソプレン、1、3−ペンタジエン、1、3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは目的に応じて単独又は二種以上の混合物として用いることができる。これらのブロック共重合体のなかでは、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体が特に好ましい。SBSに含有されるスチレンの量は、10〜70質量%が好ましい。
(ゴム系樹脂(3):スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン系熱可塑性エラストマー)
本発明の熱成形用積層シートにおいて用いられるゴム系樹脂のさらに別の例として、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン系熱可塑性エラストマー(以下、SBBSと記す。)が挙げられる。SBBSは、スチレン−ブタジエンブロックポリマーの二重結合の特定の部分を選択的に水素化したポリマーに代表される3種以上のモノマーからなる共重合体で、分子の一部に二重結合を持つ共重合体である。本発明において好ましいSBBSは、ハードセグメントである両末端のスチレン系重合体ブロックとその中間にありソフトセグメントであるオレフィン重合体(ブタジエン/ブチレン)ブロックとからなり、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体エラストマーのブタジエンブロックに水素を部分添加して得られる。ここで用いられるスチレン系重合体の例としてはスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びそれらの混合物である。SBBSに含有されるスチレンの量は、30〜70質量%が好ましい。
(ゴム系樹脂(4):スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン系熱可塑性エラストマー)
本発明の熱成形用積層シートにおいて用いられるゴム系樹脂のさらに別の例として、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン系熱可塑性エラストマー(以下、SEBSと記す。)が挙げられる。このSEBSは、ハードセグメントである両末端のスチレン系重合体ブロックとその中間にあるソフトセグメントであるオレフィン重合体(エチレン/ブチレン)ブロックとからなり、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体エラストマーのブタジエンブロックを完全水素化して得られる。ここで用いられるスチレン系重合体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びそれらの混合物である。SEBSに含有されるスチレンの量は、10〜70質量%が好ましい。
(無機フィラー)
本発明の熱成形用積層シートにおいて用いられる無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。これらの中でも、平均粒径1〜30μmのタルクが特に好ましい。これらの無機フィラーは単独、或いは2種以上を組み合わせて用いて使用できる。発泡層(A層)に用いる無機フィラーは、発泡セルが均一になりやすいので、平均粒径が小さいものが適している。平均粒径が0.6〜12μmのタルクが好ましい。B層(補強層)に用いるフィラーは、剛性が出やすいので、平均粒径が5μm前後の比較的大きめのものが適しているが、大きすぎると層凹凸になりやすい。平均粒径が2〜8μmのタルクが好ましい。
(発泡剤、気泡調整剤)
発泡層(A層)を作製するために使用する発泡剤としては、揮発性発泡剤や化学発泡剤などが挙げられる。
揮発性発泡剤としては、二酸化炭素、窒素、空気などのガス;プロパン、ブタン、ペンタン等の揮発性炭化水素;塩化メチルなどのハロゲン化炭化水素などが例示される。
化学発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、無水クエン酸モノナトリウム、炭酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド、4,4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等が例示される。
発泡剤の配合量としては、発泡層用樹脂100質量部に対して0.1〜6質量部の範囲内が好ましい。発泡剤の種類や量は、発泡倍率やシート押出条件などにより適宜選択する。
本発明においては、発泡層(A層)を良好に発泡させるため、該発泡層の樹脂組成物中に気泡調整剤を添加してもよい。気泡調整剤としては、炭酸水素ナトリウム−クエン酸系化合物などの無機有機複合系気泡調整剤;タルク、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、ホウ酸などの無機系気泡調整剤;セルロース粉末、木粉、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸マグネシウムやステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸金属塩、尿素、ジブチル錫ジマレート等の有機錫化合物などの有機系気泡調整剤等が挙げられる。
[発泡層(A層)]
本発明の熱成形用積層シートにおいて、発泡層は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し無機フィラーを0.5〜33質量部含有する組成物の発泡層である。この発泡層は、ポリオレフィン、特にポリプロピレン系樹脂を主とする樹脂と無機フィラーと発泡剤を含む組成物を押出発泡させて形成されたものである。この発泡層は、剛性を高めるために、ポリスチレン系樹脂やゴム系樹脂をブレンドしてもよい。
発泡層を構成する樹脂組成物中の無機フィラー量は、樹脂100質量部に対し、無機フィラー0.5〜33質量部の範囲である。無機フィラーの量が0.5質量部未満では、気泡が均一に出来ず、33質量部を超えると連続気泡化が進み剛性が低下するために好ましくない。
この発泡層の樹脂は、ポリオレフィン系樹脂にポリスチレン系樹脂をブレンドした樹脂を用いてもよい。ポリスチレン系樹脂の含有量を3質量部程度以上にすると、気泡構造が良くなり、得られる発泡層の剛性が増す。一方、40質量部を越すと発泡層とフィラー入りオレフィン層との融着性が悪くなり、成形時に層が剥離する恐れがある。
ポリスチレン系樹脂を5質量部以上加える場合は、ゴム系樹脂を0.5質量部以上加えることが好ましい。ゴム系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂の相溶化剤として働く。ゴム系樹脂を加えると、気泡が細かくかつ形状が良くなり、破泡が減る。一方、ゴム系樹脂含有量が10質量部を越えると、セル構成膜が柔らかくなり過ぎ、且つ連続気泡化で剛性が下がるので、好ましくない。
この発泡層は、連続気泡率が30%以下とする。この連続気泡率が30%を超えると、容器を成形したときに側壁の立ち上がり部の連続気泡率が55%以下に調整できず、容器の剛性が低下する。尚、この部分は、熱成形時にシートが延ばされかつ曲げられるので、気泡がずれて変形され、破泡しやすい。
本発明の熱成形用積層シートにおいて、発泡層の厚みは0.1〜2.0mmの範囲とする。発泡層の厚みが0.1mm未満であると、シート密度が上がり過ぎて軽量化の効果が出ない。2.0mmを超えるとシート押出し時の条件が決め難く、他の層と積層するときに発泡体の気泡が連続気泡化しやすい。又、シート全体の厚みが厚くなり成形時、容器形状が決まらない。
発泡倍率は、限定しないが、1.3〜10倍が好ましい。
[補強層(B層)]
本発明の熱成形用積層シートにおいて、補強層は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し無機フィラーを3〜70質量部含有する組成物からなる非発泡の樹脂層である。使用する樹脂は、発泡層と同じでも良いし、異なっていても良く、特に、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。また補強層に添加する無機フィラーは、発泡層で用いた無機フィラーと同じであっても異なっていても良く、特に、平均粒径が2〜8μmのタルクが好ましい。
補強層の無機フィラー量が3質量部未満では、剛性が出ない。一方、70質量部を越えると表面が荒れて、外側に積層する表面層(C層)を厚くせざるを得なくなり、重量が重くなる。また、成形時の伸びが悪くなり、容器のB層部分に穴明きが発生する恐れがある。
この補強層の厚みは、0.05mm〜2.0mmの範囲とする。この厚みが0.05mm未満では、成形後の層の厚みが薄くなり、剛性が出ない。一方、2.0mmを超えると、容器成形時に容器の形の出方が悪い。
[表面層(C層)]
本発明の熱成形用積層シートにおいて、表面層は、容器の表面を平滑にするための非発泡のポリオレフィン系樹脂からなる層である。表面層(C層)は、表面粗さRzが15μm以下である。この表面粗さが15μmを超えると、フィルム(無地、印刷)を積層後、成形した時に成形品表面にバブル発生や貼ったフィルムの破れ等が起こる。また、フィルム表面の艶も悪くなる。
この表面層の厚みは、厚み0.003〜0.3mmの範囲とする。この厚みが0.003mm未満では、表面の平滑性が得難く、成形時フィルムが切れることがある。また積層シートの表面の粗さを改善できない。一方、0.3mmを超えると、発泡層の連続気泡化が大きく成形が安定しない。
積層シートに剛性が必要なときは、この表面層にも無機フィラーを加えることも可能である。この場合、無機フィラーの量は、表面層の樹脂100質量部に対し0.5〜17質量部の範囲とするのが好ましい。無機フィラーの量が0.5質量部未満であると、剛性の改善効果が得られず、17質量部を超えると、表面層の表面が粗くなり、フィルム(無地、印刷)を積層後に成形すると、得られる成形品表面にバブル(気泡)が発生する恐れがある。
さらに、本発明の熱成形用積層シートは、その片面又は両面にフィルム又は印刷フィルム(D層)をラミネートすることもできる。フィルム又は印刷フィルム(D層)としては、前記表面層(C層)にラミネート可能なポリオレフィン系樹脂フィルム、例えばポリプロピレン系樹脂フィルムが好適であるが、バインダー樹脂を介してC層−D層間を接着する場合には、他の樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂フィルムやポリスチレン系樹脂フィルムを用いることもできる。
本発明の熱成形用積層シートは、複数の押出機において、発泡層(A層)、補強層(B層)及び表面層(C層)の材料樹脂(A層形成用の押出機では発泡剤を樹脂に混練する)を溶融し、共押出用のダイから共押出発泡することによって製造することができる。
なお、前記共押出発泡法に限らず、各層をそれぞれ別個に作製した後、これらを重ね合わせて熱ラミネートによって積層一体化する方法や、B層とC層を予め積層し、これを別個に作製したA層と重ね合わせて熱ラミネートによって積層一体化する方法を用いてもよい。
本発明の熱成形用積層シートは、トータル厚みが0.2mm〜2.5mmの範囲であり、且つ密度が0.15〜1g/cmの範囲とする。トータル厚みが0.2mm未満だと成形が均一にコントロールできない。2.5mmを超えると、成形時に容器形状が出せない。また密度が0.15g/cm未満であると、剛性が不十分となる。密度が1g/cmを超えるのは、発泡層の発泡倍率が低い、厚みが薄い、フィラーの含有量が多い、ポリスチレン系樹脂の混合量が多いなどの場合或いはこれらが複合した場合に生じ、発泡セルが不均一になったり、容器が重くなり過ぎたり、断熱性が低下したりする恐れがある。
本発明の熱成形用積層シートは、熱成形法によって所望の形状の包装用容器を製造するために用いることが好ましい。この熱成形法は、熱可塑性樹脂発泡シートを用いた各種容器の製造と同様の方法と装置を用いて行うことができる。
前記熱成形用積層シートを用いて製造された本発明に係る包装用容器は、形状や大きさに関して特に限定されず、平面視四辺形、円形、楕円形、多角形などの種々の形状とすることができ、また立体形状についても、箱形(特に弁当箱状)、トレー状、丼状などの種々の形状とすることができる。さらに、本発明の包装用容器は、蓋と容器本体が別個のタイプの他、蓋と容器本体とがヒンジ部となる側壁の一部を介して連結された蓋付き容器タイプであってもよい。
本発明の包装用容器は、容器全体の密度が0.15〜1g/cmの範囲であり、容器の底部の厚みが0.1〜2.5mmの範囲である。密度が0.15g/cm未満であると、剛性が不十分となる。密度が1g/cmを超えるのは、発泡層の発泡倍率が低い、厚みが薄い、フィラーの含有量が多い、ポリスチレン系樹脂の混合量が多いなどの場合或いはこれらが複合した場合に生じ、発泡セルが不均一になったり、容器が重くなり過ぎたり、断熱性が低下したりする恐れがある。また底部の厚みが0.1mm未満であると、容器の剛性が不足し、内容物の入った容器を手で持つと容器形状が潰れやすくなる。厚みが2.5mmを超えると、使用樹脂量が多くなって材料コストがかさみ、容器コストが高くなってしまう。
本発明の包装用容器は、底部と側壁部の境界で湾曲している部分(図2の包装用容器10において符号11で示す立ち上がり部)の連続気泡率が55%以下である。この部分の連続気泡率が55%を超えると、容器の剛性が低下し、また成形によりA層の気泡が破れて凹凸が生じ、外観を悪化させる。
本発明の包装用容器は、底部の容器内面側の平坦な部分の表面粗さRzが20μm以下である。この表面粗さRzが20μmを超えると、平滑性が悪くなり、見栄えが低下する。
<積層シートの製造方法>
発泡層(A)、補強層(B)、表面層(C)に使用する各組成物をそれぞれ押出機によりペレット化した。
前記発泡層(A)用のペレットを90mm押出機に供給し、前記補強層(B)用の組成物からなるペレットを65mm押出機に供給し、更に、表面層(C)に使用する各組成物からなるペレットを40mm押出機に供給し、Tダイから共押出発泡することにより、発泡層(A)の片面または両面に補強層(B)が積層され、更にその外面に表面層(C)が積層された4乃至5層構造の積層シートを製造した。
<容器の製造方法>
得られた積層シートを、上ヒータ220℃、下ヒータ210℃、サイクルタイム12秒の製造条件で成形し、中仕切りを有し、開口部寸法が125mm×178mm、底面寸法が125mm×75mm、深さが30mmの矩形の食品包装用容器を製造した。
<積層シート中の発泡層の発泡倍率>
積層シートから小片のサンプルを切り取り、断面を顕微鏡で観察し、補強層(B)と表面層(C)の厚さをそれぞれサンプルの3点において測定し、この平均値を補強層(B)と表面層(C)の厚みとする。積層シートから2cm×2cmの正方形サンプルを切り取り、厚みt及び重さを測定後、水中置換法により積層シートの見かけ比重を測定し、次の式から積層シート中の発泡層の発泡倍率を算出した。
f=[ρ×t]/[ρ×t−(ρ×t+ρ×t)]
但し、fは発泡層の発泡倍率、ρは発泡層(A)の固形成分の比重、tは発泡層(A)の厚み(mm)、ρは積層シートの見かけ比重、tは積層シートの厚み、ρは補強層(B)の比重、tは補強層(B)の厚み(mm)、ρは表面層(C)の比重、tは表面層(C)の厚み(mm)を表す。なお、発泡層厚みtは、式t=t−(t+t)から算出する。
<連続気泡率>
積層シートからランダムに2cm×2cmのサンプルを5枚切り取り、重さを測定する。このサンプルを水に浸漬させ0.09MPa以下の真空下で5分間放置後、取り出して表面及び断面の付着水分をよくふき取り真空下水浸漬後の重量を測定し、下式から連続気泡率を算出した。
F=(V/V)×100={(M−m)/[m×(f−1)/S]}×100
但し、Fは連続気泡率%、Vは連続気泡分体積(cm)、Vは発泡体の実気泡体積(cm)、Mは真空引後試料質量(g)、mは水浸漬前の試料質量(g)、fは発泡倍率(倍)、Sは積層体固体成分の比重をそれぞれ表す。尚、成形した容器の連続気泡率は、容器の各部からランダムに2cm×2cmのサンプルを5枚切り取り、上記と同様にして容器の連続気泡率とした。
<成形時のドローダウン性>
前記容器の製造において、積層シートを上下ヒータで加熱し、真空・圧空をかけずに成形サイクル時間保持した後でそのまま取り出して、中央部の弛みを計測する。
<積層シートの曲げ強度>
オートグラフAG−1(島津製作所社製)を使用し、25mm×長さ50mmの試験片幅を支点間20mmにセットし、冶具で試験片の中心を速度100mm/分で押圧して測定した。MDは、試験片の長手方向を積層シートの長手方向に、TDはMDと直交する方向とした。
<積層シートの密度の測定>
シートの幅方向5箇所からφ10mmのサンプルを切り出し、それぞれ質量と厚みを測定して、密度を計算し、その平均値をシートの密度とする。
<天地強度>
オートグラフAG−1(島津製作所社製)に成形した容器を伏せて乗せ、容器底面全体にアクリル板を置き、その中心を100mm/分のスピードで圧縮して容器が座屈する強度を測定した。
<シートの層別厚み構成>
・シートを押出し方向に直角に厚み方向に切断し、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製VH8000)を使用して各層の厚みをシートの幅方向等分に10点測定し、その平均値で表した。
<積層シートの表面粗さ 十点平均粗さRz>
JISB0601−1994に準拠し、ミツトヨ社製SJ−400を使用して、シートの幅方向に5点におけるシートの流れ方向と横断方向について、測定長さ4mmでRzを測定しその平均値を出した。
平均線から最も高い山頂までの高さPiと最も深い谷底までの深サViを足した数値をRzとし、粗さ値Rz=(Z1+Z2+Z3+Z4+Z5)/5として算出した。
<恒温槽内引張試験>
試料の流れ(MD)方向に試験片を採取し、オートグラフUA−X−TN(高温槽付 島津製作所社製)を使用し、100℃、110℃の各温度で引張試験を行い、最大点試験力、引張り強さ、弾性率を求めた。
引張速度:100[mm/分]。
実施数:n=5
恒温槽内放置時間:50秒
<成形した容器>
成形した容器は、開口部125mm×178mm、底部75mm×125mm、高さ30mmの矩形トレーとした。
<容器の圧縮強度>
オートグラフAG−1(島津製作所社製)を使用し、容器の短辺を縦方向にして上下方向に10mm圧縮したときの最大荷重を測定した。
<容器の立ち上がり部の連続気泡率>
容器の底部から側壁部が立上がる曲面部から25mm×30mmのサンプルを切り出し、以下、積層シートにおける連続気泡率と同様の方法で実施する。サンプル数は特に断らない限りn=5とする。
この部分の連続気泡率が55%を超えると、容器側面に圧力が加わったときにこの部分が内側が座屈して折れやすくなる。
[実施例1〜4,比較例1〜3]
使用した材料は次の通りとした。
ポリプロピレン;日本ポリプロ社製の樹脂で、A層(発泡層)用はノバテックEX−9A、B層(補強層)用はノバテックEA−7A、C層(表面層)用FY−6Cを使用。
フィラー(タルク):松村産業社製の製品で、A層用はハイフィラーの平均粒径6.5μm品、B層用はクラウンタルクの平均粒径15μm品を用いて、それぞれタルク60重量%+PP樹脂40重量%でマスターバッチ化して使用。
発泡剤(重曹/クエン酸系):EE−405D(永和化成社製)。
各層の組成を表1に記す。
Figure 0004991345
表1に示す材料を用い、C/B/A/B’/C’からなる三種五層の積層シートを製造した。
得られた積層シートを用い、熱成形法により食品包装用容器(成形品)を製造した。
表2中に記した実施例1〜4,比較例1〜3のそれぞれの積層シート、成形品を作製し、各層の厚み、積層シートの厚み、密度及び表面粗さ、成形品の評価を行い、比較した。その結果をまとめて表2に記す。
Figure 0004991345
表2に記した通り、本発明に係る実施例1〜4の積層シートを用いて製造した成形品は、外観、強度等に問題はなかった。
比較例1では、発泡層(A)の厚みが0.05mmと、本発明の規定値下限(0.1mm)未満であったため、発泡のコントロールができず、破泡や発泡セルサイズのばらつきが大きかった。
比較例2では、補強層B,B’の厚みが0.03mmと、本発明の規定値下限(0.05mm)未満であったため、得られる成形品は強度が不足していた。
比較例3では、表面層C,C’の厚みが0.002mmと、本発明の規定値下限(0.003mm)未満であったため、成型時にフィルム破れ、フィルム剥がれが発生した。また、本積層シートは表面粗さが19μmと、本発明の規定値(15μm以下)を超えていたため、積層シートに印刷フィルム等をラミネートして成形すると、部分的なフィルム剥離(バブル)が発生した。
[実施例5〜6,比較例4〜5]
前述した実施例1〜4の層構成において、補強層B、B’の無機フィラー(タルク)含有量を増減した。各層の組成を表3に示す。
Figure 0004991345
表4に示すように、B,B’層中のタルクの量を増減した実施例5〜6,比較例4〜5のそれぞれの積層シート、成形品を作製し、各層の厚み、積層シートの厚み、密度及び表面粗さ、成形品の評価を行い、比較した。その結果をまとめて表4に記す。
Figure 0004991345
表4の結果から、本発明に係る実施例5〜6の積層シートを用いて製造した成形品は、外観、強度等に問題はなかった。
比較例4は、B,B’層のタルクが2質量部と、本発明の規定値下限(3質量部)未満だったので、得られる成形品の剛性が不足した。
比較例5は、B,B’層のタルクが100質量部と、本発明の規定値上限(70質量部)を超えていたため、成形時に発泡層に穴あきが発生した。
[実施例7、比較例6]
前記実施例6の層構成において、各層の厚みを変更し、実施例7,比較例6のそれぞれの積層シート、成形品を作製し、各層の厚み、積層シートの厚み、密度及び表面粗さ、成形品の評価を行い、比較した。その結果をまとめて表5に記す。
Figure 0004991345
表5の結果より、発泡層(A)を薄くし、補強層(B、B’)を薄くし、表面層(C、C’)を厚くしたところ、気泡が連通化する傾向が増大した。
[実施例8〜9,比較例7〜9]
実施例1の層構成において、発泡層(A)、補強層(B,B’)の各層の厚みを増減し、限界の状況を確認した。その結果をまとめて表6に記す。
Figure 0004991345
表6の結果から、本発明に係る実施例8〜9の積層シートを用いて製造した成形品は、外観、強度等に問題はなかった。
比較例7〜9は、いずれかの層の厚みが本発明の規定値範囲外であり、得られた成形品の強度や外観が悪化した。
[実施例11〜15,比較例10〜11]
発泡層(A)へのポリスチレン系樹脂の添加を試みた。
補強層B,B’の無機フィラー量は25質量部とした。バッププリントしたフィルム20μmを、積層シートの成形後に容器内面となる側にラミネートしたシートを成形し、評価した。使用した樹脂は次の通り。
ポリプロピレン;A層:ノバテックEX−9A、EA9(日本ポリプロ社製)、B層:ノバテックEA−7A(日本ポリプロ社製)、C層:ノバテックFY−6C (日本ポリプロ社製)。
ポリスチレン(PS);ディックスチレンEX710(大日本インキ化学工業社製)。
ゴム系樹脂(SBBS);タフテックP−2000(旭化成ケミカルズ社製)。
無機フィラー(タルク):松村産業社製の市販品で、A層用はハイフィラーの平均粒径6.5μm品、B層用はクラウンタルクの15μm品を用いて、それぞれタルク60質量%+ポリプロピレン樹脂40質量%でマスターバッチ化して使用。
発泡剤(重曹/クエン酸系):EE−405D(永和化成社製)を樹脂100質量部に対し2〜5質量部で調整しながら添加した。
これらの材料を、表7に記した組成で用いて各層を形成し、実施例11〜15,比較例10〜11の積層シートを製造した。
Figure 0004991345
実施例11〜15,比較例10〜11のそれぞれの積層シート、成形品を作製し、各層の厚み、積層シートの厚み、密度及び表面粗さ、成形品の評価を行い、比較した。その結果をまとめて表8に記す。
Figure 0004991345
A層にポリスチレン系樹脂を混合することにより、気泡が細かく、気泡の形が整い、連続気泡が減少し、曲げ強度、圧縮強度が上がり、表面粗さも改善され、フィルム剥離も減少した。
[実施例16〜18,比較例12]
表面層(C)に無機フィラーとしてタルクを添加し、それ以外は実施例11と同様にして実施例16〜18,比較例12のそれぞれの積層シート、成形品を作製し、C層の表面粗さ、積層シートの強度、成形品の評価を行った。その結果をまとめて表9に記す。
Figure 0004991345
表層フィルムCにフィラーを添加すると強度が向上することがわかった。但し、添加量が多いと表面粗さが悪くなりフィルム剥離を発生させる。
貼った成型品の表面粗が20μmを超えるとフィルムの艶もなくなることがわかった。
本発明の熱成形用積層シートの一実施形態を示す断面図である。 本発明の包装用容器における立ち上がり部を示す概略図である。
符号の説明
1…熱成形用積層シート、2…発泡層(A層)、3…補強層(B層)、4…表面層(C層)、10…包装用容器、11…立ち上がり部。

Claims (9)

  1. ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し無機フィラーを0.5〜33質量部含有する組成物からなる発泡層(A)と、その片面又は両面にポリオレフィン系樹脂100質量部に対し無機フィラーを3〜70質量部含有する組成物からなる非発泡の補強層(B)と、更に最外面にポリオレフィン系樹脂を主とする組成物からなる非発泡の表面層(C)とを積層したシートであって、
    発泡層(A)は、厚みが0.1mm〜2.0mmの範囲であり、連続気泡率が30%以下であり、
    補強層(B)は、厚みが0.05mm〜2.0mmの範囲であり、
    表面層(C)は、表面粗さRzが15μm以下であり、
    積層シートは、厚みが0.2mm〜2.5mmの範囲であり、且つ密度が0.15〜1g/cmの範囲であることを特徴とする熱成形用積層シート。
  2. 発泡層(A)と、その片面又は両面にポリオレフィン系樹脂と無機フィラーを含む組成物からなる非発泡の補強層(B)と、更に最外面にポリオレフィン系樹脂を主とする組成物からなる非発泡の表面層(C)とを積層したシートであって、
    発泡層(A)の樹脂は、(a1)ポリオレフィン樹脂50〜96質量部、(a2)ポリスチレン系樹脂3〜40質量部、(a3)ゴム系樹脂0.5〜10質量部を含む組成物からなり、発泡層(A)中の無機フィラーは、樹脂100質量部に対し0.2〜33質量部の範囲であり、さらに発泡層(A)は、厚み0.2〜2.0mmの範囲であり、連続気泡率が30%以下であり、
    補強層(B)は、樹脂100質量部に対し無機フィラー3〜70質量部を含み、厚み0.05〜2.0mmの範囲であり、
    表面層(C)は、厚み0.003〜0.3mmの範囲であり、表面粗さRzが15μm以下であり、
    積層シートは、厚みが0.3〜2.5mmの範囲であり、且つ密度が0.15〜1g/cmの範囲であることを特徴とする熱成形用積層シート。
  3. 表面層(C)がポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱成形用積層シート。
  4. 表面層(C)は、樹脂100質量部に対し無機フィラーを0.5〜17質量部含む樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱成形用積層シート。
  5. 積層シートの片面又は両面にフィルム又は印刷フィルム(D)をラミネートしてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱成形用積層シート。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱成形用積層シートを容器形状に又は蓋付き容器形状に熱成形してなる包装用容器。
  7. ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し無機フィラーを0.5〜33質量部含有する組成物からなる発泡層(A)と、その片面又は両面にポリオレフィン系樹脂100質量部に対し無機フィラーを3〜70質量部含有する組成物からなる非発泡の補強層(B)と、更に最外面にポリオレフィン系樹脂を主とする組成物からなる非発泡の表面層(C)とを積層したシートを熱成形してなる包装用容器であって、
    容器全体の密度が0.15〜1g/cmの範囲であり、
    容器の底部の厚みが0.1〜2.5mmの範囲であり、
    底部と側壁部の境界で湾曲している部分の連続気泡率が55%以下であり、
    且つ底部の容器内面側の平坦な部分の表面粗さRzが20μm以下であることを特徴とする包装用容器。
  8. 発泡層(A)と、その片面又は両面にフィラー含有ポリオレフィン系樹脂層を含む補強層(B)と、更に最外面にポリオレフィン系樹脂を含む表面層(C)とを積層したシートを成形した包装用容器であって、
    発泡層(A)の樹脂は、(a1)ポリオレフィン樹脂50〜96質量部、(a2)ポリスチレン系樹脂3〜40質量部、(a3)ゴム系樹脂0.5〜10質量部を含む組成物からなり、発泡層(A)中の無機フィラーは、樹脂100質量部に対し0.2〜33質量部の範囲であり、
    補強層(B)は、樹脂100質量部に対し無機フィラー3〜40質量部を含み、
    容器全体の密度が0.15〜1g/cmの範囲であり、
    容器の底部の厚みが0.1〜2.5mmの範囲であり、
    底部と側壁部の境界で湾曲している部分の連続気泡率が55%以下であり、
    底部の容器内面側の平坦な部分の表面粗さRzが20μm以下であることを特徴とする包装用容器。
  9. 容器の少なくとも内面側にバックプリントされたフィルム層(D)が形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の包装用容器。
JP2007046837A 2007-02-27 2007-02-27 熱成形用積層シート及び包装用容器 Active JP4991345B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007046837A JP4991345B2 (ja) 2007-02-27 2007-02-27 熱成形用積層シート及び包装用容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007046837A JP4991345B2 (ja) 2007-02-27 2007-02-27 熱成形用積層シート及び包装用容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008207471A JP2008207471A (ja) 2008-09-11
JP4991345B2 true JP4991345B2 (ja) 2012-08-01

Family

ID=39784188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007046837A Active JP4991345B2 (ja) 2007-02-27 2007-02-27 熱成形用積層シート及び包装用容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4991345B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5883308B2 (ja) * 2012-02-13 2016-03-15 デンカ株式会社 熱可塑性多層樹脂シート及び成形容器
JP5673625B2 (ja) * 2012-07-25 2015-02-18 株式会社エフピコ 熱成形用積層シート及び積層樹脂製容器
JP6373141B2 (ja) * 2013-10-31 2018-08-15 積水化成品工業株式会社 熱成形用積層発泡シート、熱成形用積層発泡シートの製造方法、及び食品用又は包装用容器
WO2016159227A1 (ja) * 2015-04-03 2016-10-06 日東電工株式会社 発泡樹脂シートおよびこれを備える電気・電子機器
JP6621292B2 (ja) * 2015-10-13 2019-12-18 デンカ株式会社 熱可塑性樹脂シートおよびこれを用いた容器
JP2018069492A (ja) * 2016-10-26 2018-05-10 中央化学株式会社 合成樹脂積層発泡シート及びその製造方法、食品容器
JP7089843B2 (ja) * 2016-10-26 2022-06-23 中央化学株式会社 合成樹脂積層発泡シート及びその製造方法、食品容器
JP6935427B2 (ja) * 2017-01-16 2021-09-15 三井化学東セロ株式会社 ポリプロピレン系発泡シートおよび物品
JP6832405B1 (ja) * 2019-09-24 2021-02-24 株式会社エフピコ 熱成形シート積層用多層フィルム、熱成形用積層シート、及び、熱成形容器
JP7459205B1 (ja) 2022-09-29 2024-04-01 株式会社エフピコ トップシール用食品容器

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61130025A (ja) * 1984-11-29 1986-06-17 Asahi Chem Ind Co Ltd 発泡フイルムの製造方法
JPH01301235A (ja) * 1988-05-30 1989-12-05 Sekisui Plastics Co Ltd 真空成形に適した積層発泡シート
JPH0694190B2 (ja) * 1991-03-06 1994-11-24 積水化成品工業株式会社 真空成形に適した積層発泡シ−ト
JP3454863B2 (ja) * 1993-06-08 2003-10-06 旭化成株式会社 ポリプロピレン系樹脂組成物
JPH0716971A (ja) * 1993-06-30 1995-01-20 Dainippon Ink & Chem Inc 積層シートの製造方法
JP3254061B2 (ja) * 1993-08-20 2002-02-04 出光石油化学株式会社 多層シート及び該シートよりなる多層容器
JP3392994B2 (ja) * 1995-09-28 2003-03-31 三菱化学株式会社 ポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造方法
JP2001129942A (ja) * 1999-11-01 2001-05-15 Japan Polychem Corp ポリオレフィン系複合樹脂積層シート
JP4410398B2 (ja) * 2000-07-05 2010-02-03 株式会社ジェイエスピー ポリプロピレン系樹脂発泡シート積層体及び容器
JP3871557B2 (ja) * 2001-11-28 2007-01-24 日本ポリプロ株式会社 ポリオレフィン系樹脂発泡積層シート及びその製造方法
JP2004042954A (ja) * 2002-07-11 2004-02-12 Jsp Corp 食品容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008207471A (ja) 2008-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4991345B2 (ja) 熱成形用積層シート及び包装用容器
JP5673625B2 (ja) 熱成形用積層シート及び積層樹脂製容器
JP5792950B2 (ja) ポリスチレン系樹脂積層発泡シート
JP6292928B2 (ja) 積層発泡シート、積層発泡シート製造方法、及び、容器
JP2005111888A (ja) 樹脂発泡積層シート
JP2004352927A (ja) 発泡体およびその成形品
JP7359612B2 (ja) 合成樹脂発泡シート及びその製造方法、積層シート、食品容器
JP6083856B2 (ja) 熱成形用多層シート及び電子レンジ加熱用容器
JP4059415B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡体/ポリオレフィン系樹脂多層体
JP2009034934A (ja) 容器用積層シート
JP6502727B2 (ja) 熱成型用多層シート及びその製造方法、並びに加熱用容器
JP4535376B2 (ja) スチレン系樹脂積層発泡シート及びその製造方法並びにその成形品
JP3891658B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡シート及び容器
JP4610139B2 (ja) 多層ポリプロピレン系樹脂発泡板およびその組立箱
JP2006307228A (ja) 熱可塑性樹脂発泡シート及び容器
JP4063374B2 (ja) 合成樹脂発泡シートおよび容器
JP4338114B2 (ja) ポリスチレン系樹脂発泡体/ポリオレフィン系樹脂多層体
JPH11129369A (ja) 合成樹脂発泡シートおよびその製造方法
JP3024114B2 (ja) 熱可塑性樹脂シ―ト
JP2014054830A (ja) 熱成形用多層シート及び容器
JP2019177543A (ja) 積層発泡シート及び成形体
JP3448757B2 (ja) 積層ポリスチレン系樹脂発泡容器
JP2000015728A (ja) 樹脂発泡積層シート
JP2014111339A (ja) 積層発泡シート、及び、発泡成形品
JP2012006356A (ja) 熱可塑性樹脂積層発泡シート、及び、容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091203

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100409

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120413

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4991345

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250