JP3019279U - 平型柔軟ケーブル用電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 平型柔軟ケーブルの接続が迅速にでき、か
つ、導電ターミナルの極数に拘らず簡単に接続作業がで
きる平型柔軟ケーブル用電気コネクタを提供することを
目的としている。 【構成】 絶縁ハウジング１と、導電ターミナル２と、
カバー３を備えている。導電ターミナル２が、基部ビー
ム７とＵ字状のコンタクトビーム８が連結部９を介して
一体とされ、基部ビーム７の後端側に係合アーム１０が
設けられていると共に、コンタクトビーム８の後側にて
こアーム１２が連設された構成とされている。並列され
た複数の係合アーム１０で構成された係合部１７とカバ
ー３の係合部１６ａがカバー３の回動を可能とするよう
に互いに係合している。また、てこアーム１２とカバー
３の後端内面が対向し、カバー３の回動によって、てこ
アーム１２を介してコンタクトビーム８の対向部を開閉
可能としてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、フレキシブル・フラット・ケーブル（ＦＦＣ）或はフレキシブル・ プリント・サーキットボード（ＦＰＣ）と称される平型柔軟ケーブルを他のプリ ント回路基板その他の回路に接続するのに使用される平型柔軟ケーブル用電気コ ネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の電気コネクタとして特開平４−２４２０８７号公報に開示され たフレキシブルプリント基板用コネクタが知られている。この電気コネクタは、 絶縁ハウジングと、絶縁ハウジング内に並列して装着された複数の導電ターミナ ルと、平型柔軟ケーブルを各導電ターミナルのコンタクト部へ押圧するために絶 縁ハウジング内に嵌入されるアクチュエータとを備えている。平型柔軟ケーブル を接続する時には、前記アクチュエータは外部に取り外すようになっている。ア クチュエータを取り外すと、平型柔軟ケーブルの接続端を絶縁ハウジング内の、 前記コンタクト部にゼロ挿入力で挿入できる。平型柔軟ケーブルの接続端を挿入 した後、アクチュエータを絶縁ハウジングの内壁と平行になるように位置決めし て、絶縁ハウジングの内壁と平型柔軟ケーブルの間にスライドさせて押し込むと 、平型柔軟ケーブルとコンタクト部間に接触圧が生じて、接続が完了する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記のような従来の平型柔軟ケーブル用電気コネクタは、平型柔軟ケーブルの 挿入から接続完了までに、平型柔軟ケーブルの挿入、アクチュエータの位置 決め、アクチュエータのスライドの合計３アクションの動作が必要で、迅速な 接続作業の妨げとなっていた。

【０００４】 また、絶縁ハウジング内に装着された導電ターミナルの極数が多くなるに従っ て、アクチュエータをスライドさせて絶縁ハウジング内に嵌入するのに要する力 が大きくなり、接続作業が難しくなる問題点があった。

【０００５】 本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもので、平型柔軟ケーブルの接続が迅 速にでき、かつ、導電ターミナルの極数に拘らず簡単に接続作業ができる平型柔 軟ケーブル用電気コネクタを提供することを目的としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成する本考案の平型柔軟ケーブル用電気コネクタは、絶縁ハウ ジングに対してカバーを回動可能に設け、このカバーの回動を介して、絶縁ハウ ジング内で互いに対向させたコンタクトビーム間を開閉するようにしたものであ る。

【０００７】 即ち、本考案の平型柔軟ケーブル用電気コネクタは、前端に平型柔軟ケーブル の挿入口が設けられ、内部に並列して装着された複数の導電ターミナルのコンタ クトビームが前記挿入口に臨ませてある絶縁ハウジングと、絶縁ハウジングの後 端側上部に、絶縁ハウジングの前後方向で回動可能に設けられたカバーとからな り、前記導電ターミナルが、基部ビームとＵ字状のコンタクトビームが連結部を 介して一体とされ、基部ビームの後端側に係合アームが設けられていると共に、 コンタクトビームの後側にてこアームが連設された構成とされ、並列された複数 の導電ターミナルの各係合アームで構成された係合部と前記カバーの係合部がカ バーの回動を可能とするように互いに係合しており、かつ、前記てこアームとカ バーの後端側内面を対向させて、カバーの回動によって、てこアームを介してＵ 字状のコンタクトビームの対向部を開閉可能としてあることを特徴とする平型柔 軟ケーブル用電気コネクタである。

【０００８】

【作用】

本考案の平型柔軟ケーブル用電気コネクタにおいては、カバーを回動させると 、カバーの内面がてこアームを移動させ、てこアームの移動によって導電ターミ ナルのコンタクトビームの開閉が行われる。コンタクトビームが開くと平型柔軟 ケーブルの接続端をゼロ挿入力で挿入できる。コンタクトビームを閉じるとコン タクトビームの弾力で平型柔軟ケーブルとの間に接触圧が生ずる。即ち、平型柔 軟ケーブルの接続に当たっては、平型柔軟ケーブルの接続端の挿入と、カバーの 回動の２アクションで作業を終えることができる。また、平型柔軟ケーブルとコ ンタクトビーム間の接触圧はコンタクトビームの弾力で生ずるようにしており、 かつ、コンタクトビームの開閉はてこアームの作用を介しているので、カバーの 回動に大きな力を必要としなくできる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図を参照して説明する。図１乃至図５において、１が 絶縁ハウジング、２が導電ターミナル、３がカバーである。

【００１０】 絶縁ハウジング１は、プラスティックを一体成形したもので、内部には前後の 方向（図１において左右の方向）で、複数のターミナル装着溝４が所定のピッチ で並列させて形成してあり、導電ターミナル２が装着できるようになっている。 並列したターミナル装着溝４の前端側には、平型柔軟ケーブルの挿入口５が形成 され、絶縁ハウジング１の前端に開口している。挿入口５の下方には、各ターミ ナル装着溝４と連通する嵌入孔６が、ターミナル装着溝４と同一の位置で、同一 のピッチで形成されている。

【００１１】 導電ターミナル２は、薄金属板を打ち抜いて形成したもので、基部ビーム７と Ｕ字状のコンタクトビーム８が連結部９を介して上下に並列して連続した形状と されている。基部ビーム７は、その前端部を前記嵌入孔６に嵌入して、この導電 ターミナル２を絶縁ハウジング１内に固定するためのもので、略真直な帯板状と され、後端上側に逆Ｌ字状の係合アーム１０が、コンタクトビーム８の後方に突 出するように連設され、後端下側には、絶縁ハウジング１の外側に突出するテー ル１１が連設されている。一方、コンタクトビーム８は、各ビーム８ａ、８ｂの 先端内側に互いに対向するようにコンタクト部８ｃが突出させてある。そして、 前記連結部９で基部ビーム７と連続していない、上側のビーム８ａの後端側に、 てこアーム１２が、ビーム８ａと若干の角度をなして連設してある（図７参照） 。

【００１２】 前記導電ターミナル２が絶縁ハウジング１の各ターミナル装着溝４に装着して ある。各導電ターミナル２は、前記のように、基部ビーム７の前端が絶縁ハウジ ング１の嵌入口６に嵌入されて固定されている。絶縁ハウジング１内への嵌入が 一定の位置で停止するように、コンタクトビーム８の下方のビーム８ｂの先端下 縁８ｄがターミナル装着溝４の底部斜め壁４ａに当たり、また、基部ビーム７の テール１１前方に形成した係合縁７ａが絶縁ハウジング１の底壁後端１ａに当た るようにしてある。各導電ターミナル２のコンタクトビーム８が並列した状態で 、前記挿入口５に臨んで配置されている。また、各テール１１は、絶縁ハウジン グ１の底面１３と略面一で外部に突出するようにしてある。

【００１３】 次に、カバー３は、プラスティックを一体成形したもので、頂板１４と、頂板 １４の両側縁から垂下させて互いに対向する側板１５を備えている。両側板１５ の後端下部の角部間には、断面Ｌ字状の係合杆１６が架設してある。この係合杆 １６はその内側係合部１６ａが、前記導電ターミナル２に設けた係合アーム１０ の並列によって構成された係合部１７と係合させるもので、両係合部１６ａ、１ ７の係合によって、カバー３が絶縁ハウジング１に対して、前後の方向で回動可 能に装着してある。カバー３の側板１５の前端側下部外面には、操作突部１８が 形成してある。また、側板１５の前端側下部内面には、係合突部１９が形成して あり、絶縁ハウジング１の側壁に形成した係合突部２０と互いに係脱できるよう になっている。

【００１４】 前記カバー３を絶縁ハウジング１に装着すると、頂板１４の内面１４ａが前記 てこアーム１２のそれぞれの側縁と対向する。しかして、カバー３を回動すると 、頂板１４の内面１４ａがてこアーム１２を押下したり、押下を開放したりでき るようになっている。

【００１５】 上記実施例の平型柔軟ケーブル用電気コネクタに対して、平型柔軟ケーブル２ １を接続する様子を図６乃至図１１を参照して説明する。図６および図７は平型 柔軟ケーブル２１を接続する前の状態を表している。導電ターミナル２のコンタ クトビーム８は、コンタクト部８ｃの間隔が平型柔軟ケーブル２１の厚さよりも 狭い状態にある。平型柔軟ケーブル２１を接続するに当たっては、図８および図 ９に示したように、カバー３の前端側を上方に引き上げるようにしてカバー３を 、前記係合部１６ａ、１７を支点として回動させる。この回動によって、カバー ３の頂板１４が導電ターミナル２のてこアーム１２に当接して押下するので、図 ９に示したように、コンタクトビーム８のコンタクト部８ｃが開き、平型柔軟ケ ーブル２１の接続端２２を挿入可能とする。

【００１６】 上記のようにして接続の準備が整ったら、次に、図１０に示したように、平型 柔軟ケーブル２１の接続端２２を絶縁ハウジング１の挿入口５を通して、導電タ ーミナル２のコンタクトビーム８に挿入する。コンタクトビーム８のコンタクト 部８ｃの間隔は平型柔軟ケーブル２１の厚さよりも広い状態に開いており、平型 柔軟ケーブル２１の挿入力はゼロである。

【００１７】 続いて、カバー３の前端側を押し下げるようにして、カバー３の係合突部１９ が絶縁ハウジング１の係合部２０の下側に係合するまで、前記と反対の方向に回 動させる。この回動によって、カバー３の頂板１４によるてこアーム１２の押下 は図１１に示したように解除されるので、コンタクトビーム８の開いた状態がそ の弾力で復帰し、コンタクト部８ｃの間隔が平型柔軟ケーブル２１の厚さよりも 狭くなり、コンタクト部８ｃと平型柔軟ケーブル２１の導電部が電気的に接続さ れる。

【００１８】 以上のように、実施例の平型柔軟ケーブル用電気コネクタでは、平型柔軟ケー ブル２１の接続操作は、平型柔軟ケーブル２１の接続端２２を絶縁ハウジング１ の挿入口５に挿入する操作と、カバー３を図１０から図１１に示したように回動 させる操作の２アクションで行うことができる。従って、接続操作を迅速かつ簡 単に行うことができる。また、導電ターミナル２のコンタクトビーム８の開閉動 作は、閉じる際はコンタクトビーム８の弾力が作用し、また、開く際はてこアー ム１２のてこ作用で行うので、結局、カバー３の回動動作は、絶縁ハウジング１ に装着される導電ターミナル２の極数に関係なく、かつ、大きな力を必要とする ことなく、簡単に行うことができる。

【００１９】 絶縁ハウジング１の側壁下部に表れた２３は、この平型柔軟ケーブル用電気コ ネクタをプリント配線基板などに取り付ける際に使用する固定脚である。

【００２０】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案によれば、平型柔軟ケーブルの接続が迅速にで き、かつ、導電ターミナルの極数に拘らず簡単に接続作業ができる平型柔軟ケー ブル用電気コネクタを提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例の断面図である。

【図２】 同じく実施例の平面図である。

【図３】 同じく実施例の正面図である。

【図４】 同じく実施例の側面図である。

【図５】 同じく実施例の、カバーを開けた状態の側
面図である。

【図６】 実施例の使用状態を説明する図で、コンタ
クトビームを開く前の状態の側面図である。

【図７】 同じくコンタクトビームを開く前の状態の
断面図である。

【図８】 同じくカバーを回動させてコンタクトビー
ムを開いた状態の側面図である。

【図９】 同じくカバーを回動させてコンタクトビー
ムを開いた状態の断面図である。

【図１０】 同じく平型柔軟ケーブルを挿入した状態の
断面図である。

【図１１】 同じくカバーを回動させてコンタクトビー
ムを閉じた状態の断面図である。

【符号の説明】

１ 絶縁ハウジング １ａ 底壁後端 ２ 導電ターミナル ３ カバー ４ ターミナル装着溝 ４ａ 底部斜め壁 ５ 挿入口 ６ 嵌入口 ７ 基部ビーム ７ａ 係合縁 ８ コンタクトビーム ８ａ、８ｂ ビーム ８ｃ コンタクト部 ８ｄ 先端下縁 ９ 連結部 １０ 係合アーム １１ テール １２ てこアーム １３ 絶縁ハウジングの底面 １４ 頂板 １４ａ 内面 １５ 側板 １６ 係合杆 １６ａ 係合部 １７ 係合部 １８ 操作突部 １９ 係合突部 ２０ 係合突部 ２１ 平型柔軟ケーブル ２２ 接続端 ２３ 固定脚

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前端に平型柔軟ケーブルの挿入口が設
   けられ、内部に並列して装着された複数の導電ターミナ
   ルのコンタクトビームが前記挿入口に臨ませてある絶縁
   ハウジングと、絶縁ハウジングの後端側上部に、絶縁ハ
   ウジングの前後方向で回動可能に設けられたカバーとか
   らなり、前記導電ターミナルが、基部ビームとＵ字状の
   コンタクトビームが連結部を介して一体とされ、基部ビ
   ームの後端側に係合アームが設けられていると共に、コ
   ンタクトビームの後側にてこアームが連設された構成と
   され、並列された複数の導電ターミナルの各係合アーム
   で構成された係合部と前記カバーの係合部がカバーの回
   動を可能とするように互いに係合しており、かつ、前記
   てこアームとカバーの後端側内面を対向させて、カバー
   の回動によって、てこアームを介してＵ字状のコンタク
   トビームの対向部を開閉可能としてあることを特徴とす
   る平型柔軟ケーブル用電気コネクタ。
2. 【請求項２】 てこアームは、Ｕ字状のコンタクトビ
   ームの一方のビームの後端延長方向に連設してある請求
   項１記載の平型柔軟ケーブル用電気コネクタ。
3. 【請求項３】 カバーは、頂壁の両側に対向側壁を設
   けて構成され、側壁の後端側下側間にカバーの係合部が
   設けてある請求項１記載の平型柔軟ケーブル用電気コネ
   クタ。
4. 【請求項４】 対向側壁の前端側内面に、係合突部が
   設けてあり、絶縁ハウジングの側壁外面の係合突部と互
   いに係合可能としてある請求項３記載の平型柔軟ケーブ
   ル用電気コネクタ。