JP3035692U - 平型柔軟ケーブル用電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の端子が装着された絶縁ハウジングと、
平型柔軟ケーブルの接続端部を端子のコンタクト片に押
し付けるためのアクチュエータとからなる平型柔軟ケー
ブル用電気コネクタであって、接続端部をコンタクト片
に押し付けた時にコンタクト片の反力によってアクチュ
エータが湾曲するのを避けることが可能な平型柔軟ケー
ブル用電気コネクタを提供する。 【解決手段】 図において、１が絶縁ハウジング、２が
アクチュエータ、３が平型柔軟ケーブル、６が絶縁ハウ
ジング１に複数、並列状態に装着されている端子であ
る。端子６の各々に、コンタクト片７と対向する反力受
片８が設けられている。アクチュエータ２には、掛合部
１９が設けられており、アクチュエータ２を回動および
スライドさせて、接続端部３ａを端子６のコンタクト片
７へ押し付けた時に、反力受片８と掛合部１９が掛合し
て、コンタクト片７の反力に対抗する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、平型柔軟ケーブル（ＦＦＣ：フレキシブルフラットケーブル、ＦＰ Ｃ：フレキシブルプリント基板等が含まれる。）とプリント基板の接続部などに 使用される平型柔軟ケーブル用電気コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、平型柔軟ケーブルとプリント基板の接続部などで使用される平型柔軟ケ ーブル用電気コネクタは、複数の端子を並列状態で装着された絶縁ハウジングと 、絶縁ハウジングに形成された開口部に挿入された平型柔軟ケーブルの接続端部 を端子のコンタクト片に押し付けるためのアクチュエータとで構成されている。 前記アクチュエータは、絶縁ハウジングに対して回動自在に設けて、絶縁ハウジ ングの開口部が開閉できるようにし、開口部を閉鎖した時に平型柔軟ケーブルの 接続端部がアクチュエータを介して、開口部内に臨むように配されたコンタクト 片に押し付けられるようにしている（例えば、実公平４−３６７１号、実開平４ −６１８８３号、実開平６−７７１８８号、特開平７−１４２１３０号公報等参 照）。アクチュエータを、絶縁ハウジングに形成された開口部に対して挿抜自在 に設けて、アクチュエータの挿入によって平型柔軟ケーブルの接続端部をコンタ クト片に押し付けるようにした構造も知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記のような平型柔軟ケーブル用電気コネクタにおいて、アクチュエータを介 して平型柔軟ケーブルの接続端部が端子のコンタクト片に押し付けられた接続状 態では、当然のことながら、コンタクト片の反力が、平型柔軟ケーブルの接続端 部を介してアクチュエータに作用している。この反力は、端子の極数が多くなる に従って大きくなる。そして、前記アクチュエータは絶縁ハウジングと同様に、 一般に、絶縁性のプラスチックを成形したものである。このため、端子の極数が 多い多極（例えば３０極以上）の平型柔軟ケーブル用電気コネクタでは、前記反 力によってアクチュエータの中央部分が外側に向かって湾曲することがあった。 そうすると、アクチュエータを閉鎖位置まで回動およびスライドさせると、正規 の状態に装着出来ない問題が生じていた。

【０００４】 本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもので、複数の端子が装着された絶縁 ハウジングと、この絶縁ハウジングの開口部に挿入された平型柔軟ケーブルの接 続端部を端子のコンタクト片に押し付けるためのアクチュエータとからなる平型 柔軟ケーブル用電気コネクタであって、前記接続端部をコンタクト片に押し付け た時にコンタクト片の反力によってアクチュエータが湾曲するのを避けることが 可能な構造の平型柔軟ケーブル用電気コネクタを提供することを目的としたもの である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成する本考案は、平型柔軟ケーブルの接続端部を受け入れる開 口部が形成され、この開口部内に臨むコンタクト片を有する端子が、複数、並列 状態に装着されている絶縁ハウジングと、前記開口部に受け入れられた平型柔軟 ケーブルの接続端部を前記端子のコンタクト片へ向けて押し付けるために、絶縁 ハウジングに対して、回動およびスライド可能に設けられたアクチュエータとを 備えている平型柔軟ケーブル用電気コネクタであって、前記複数の端子の各々に 、コンタクト片と対向する反力受片がコンタクト片と略平行に設けられていると 共に、前記アクチュエータには、前記反力受片のコンタクト片側に進入可能とし た掛合部が設けられており、アクチュエータを回動およびスライドさせて、平型 柔軟ケーブルの接続端部を端子のコンタクト片へ押し付けた時に、前記反力受片 と掛合部が掛合して、コンタクト片の反力に対抗するように構成されていること を特徴とする平型柔軟ケーブル用電気コネクタである。

【０００６】

【作用】

本考案の平型柔軟ケーブル用電気コネクタによれば、コンタクト片の反力を、 端子に設けられた反力受片とアクチュエータに設けられた掛合部の掛合によって 対抗し、アクチュエータがコンタクト片の反力を受けて湾曲しないようにできる 。この結果、端子の極数が多くなっても、平型柔軟ケーブルの全ての導体と全て の端子のコンタクト片との間で、信頼性の高い電気的接続を確保することができ る。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付の図１乃至図１０を参照して説明する。

【０００８】 実施例の平型柔軟ケーブル用電気コネクタは、絶縁ハウジング１とアクチュエ ータ２とを備えている。絶縁ハウジング１は、絶縁性のプラスチックを成形した もので、平型柔軟ケーブル３の接続端部３ａを受け入れるために形成した開口部 ４が一側に開口している。平型柔軟ケーブル３は、図の紙面に垂直の方向に幅広 のもので、絶縁ハウジング１もこれに応じて、紙面に垂直の方向に延びて所定の 幅を有している。この絶縁ハウジング１に複数の端子装着溝５が、幅方向に一定 のピッチで形成され、各端子装着溝５に対して端子６が、絶縁ハウジング１の後 面１ａ（図の右側）から装着されている。

【０００９】 前記端子６は、薄い金属板から打ち抜かれたもので、コンタクト片７と反力受 片８を略平行にして基部９から片持ち状に形成してある。コンタクト片７の先端 内側（反力受片８側）に平型柔軟ケーブル３の導体と当接するコンタクト部７ａ が突出させて形成してある。また、反力受片８の先端内側（コンタクト片７側） に、掛合突部１０がコンタクト片７に向かって形成してあると共に、掛合突部１ ０に隣接させて基部９に向かってスライド縁１１が形成してある。一方、前記基 部９の下部外側には半田テール１２が形成してある。この端子６を絶縁ハウジン グ１の端子装着溝５に装着した時、コンタクト片７が絶縁ハウジング１の底壁１ ｂに沿って延びて前記開口部４内に臨むと共に、反力受片８が絶縁ハウジングの 頂壁１ｃに沿って、頂壁１ｃを越えて延びて開口部４内に臨み、また、半田テー ル１２は絶縁ハウジング１の後面１ａから外側に突出した状態となるようにして ある。半田テール１２はプリント基板（図示していない）の導電パターンに表面 半田付けする形式のもので、絶縁ハウジング１の底面１ｄと略面一になるように してある。

【００１０】 アクチュエータ２は、絶縁性のプラスチックを成形した板状のもので、絶縁ハ ウジング１の開口部４を開閉するべく、絶縁ハウジング１に対し回動およびスラ イド自在に取り付けられている。前記回動およびスライドは、アクチュエータ２ の両側面に形成した突部１３およびカム突部１４と、絶縁ハウジング１の両側部 に設けた支持側壁１５および後面側に案内面１６が形成されたカム案内壁１７に よって可能となるようにしてある。即ち、アクチュエータ２の回動は支持側壁１ ５に当接させた突部１３を中心として可能とされている。そして、アクチュエー タ２が回動する時、カム案内壁１７の案内面１６にカム突部１４が当接するよう にしてアクチュエータ２がスライドするようにされている。

【００１１】 アクチュエータ２の中央部分の前縁に沿って、押さえ片１８が形成してある。 この押さえ片１８は、絶縁ハウジング１の開口部４内に受け入れられた平型柔軟 ケーブル３の接続端部３ａを前記コンタクト片７へ押し付けるためのものである 。更にこの押さえ片１８の前縁に、掛合部１９が立ち上げてあり、押さえ片１８ と掛合部１９が断面Ｌ字状に連続させてある。この押さえ片１８と掛合部１９に よって、アクチュエータ２の上面２ａ側には凹入部２０が幅方向に亘って形成さ れ、絶縁ハウジング１の頂壁１ｃを越えて開口部４内に突出した、前記端子６の 反力受片８の先端部分を収容できるようにしてある。

【００１２】 上記のように構成された平型柔軟ケーブル用電気コネクタに対して、平型柔軟 ケーブル３を接続する様子を次ぎに説明する。図１乃至図１０は、アクチュエー タ２の回動を進める段階に従って示したものである。先ず、図１、２に示したよ うに、アクチュエータ２の上面２ａが絶縁ハウジング１の頂壁１ｃに当たるまで 、アクチュエータ２を時計針方向に回動させて、絶縁ハウジング１の開口部４を 開放し、平型柔軟ケーブル３の接続端部３ａを開口部４に挿入する。開口部４に 受け入れられた接続端部３ａは、端子６のコンタクト片７と反力受片８の間を、 コンタクト片７に沿って進入する。次ぎに、図３、４および図５、６に示したよ うに、開口部４を閉鎖すべくアクチュエータ２を時計針と逆方向に回動させる。 この時の回動は、アクチュエータ２の両側部に形成した突部１３を中心として行 われる。回動を進めるに従って、アクチュエータ２の掛合部１９が端子６の反力 受片８の先端に形成した掛合突部１０のスライド縁１１側に入り込んで行く。

【００１３】 更にアクチュエータ２の回動を進めると、図７、８に示したように、アクチュ エータ２側のカム突部１４が絶縁ハウジング１側のカム案内壁１７の案内面１６ と当接し、アクチュエータ２は、絶縁ハウジング１の後面１ａ方向へのスライド を伴って回動する。この時、アクチュエータ２の前縁に形成した掛合部１９は反 力受片８のスライド縁１１と当接して、アクチュエータ２の回動の進行に従って 、押さえ片１８は平型柔軟ケーブル３の接続端部３ａをコンタクト片７へ向けて 押し付ける様になる。図９、１０はアクチュエータ２の回動を終了し、開口部４ をアクチュエータ２が閉鎖した状態で、押さえ片１８によって接続端部３ａがコ ンタクト片７に向かって十分に押し付けられて、コンタクト部７ａと接続端部３ ａの導体との間に、適度の当接圧の良好な電気的接続が形成される。アクチュエ ータ２の押さえ片１８による押し付け圧力に対して、複数の端子６の夫々のコン タクト片７の反力が接続端部３ａを介してアクチュエータ２側に作用するが、各 端子６の反力受片８のスライド縁１１がアクチュエータ２の掛合部１９と掛合し てこの反力に対抗する。アクチュエータ２の全幅に亘って、コンタクト片７の反 力に対して、掛合部１９と反力受片８が掛合して対抗する。この結果、コンタク ト片７の反力によって、アクチュエータ２が湾曲して、接続端部３ａの導体とコ ンタクト片７のコンタクト部７ａの当接圧が弱められることがなく、良好な電気 的接続を確実に形成することができる。端子６が例えば３０極以上の多極の場合 に特に有効なものである。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の平型柔軟ケーブル用電気コネクタによれば、アクチュエータが端子の コンタクト片から受ける反力を、アクチュエータに設けた掛合部と端子の反力受 片を掛合させて対抗するようにして、アクチュエータの湾曲が生じないようにし たので、端子の極数が多くなっても、平型柔軟ケーブルの全ての導体と全ての端 子のコンタクト片との間で、信頼性の高い電気的接続を確保できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例の断面図で、アクチュエー
タを開放状態に回動させた状態の図である。

【図２】 図１と同じ状態の側面図である。

【図３】 同じく実施例の断面図で、アクチュエータ
を閉鎖方向に回動させて略垂直とした状態の図である。

【図４】 図３と同じ状態の側面図である。

【図５】 同じく実施例の断面図で、アクチュエータ
を閉鎖方向に更に回動させて、アクチュエータのカム突
部が絶縁ハウジングのカム案内壁に当接した状態の図で
ある。

【図６】 図５と同じ状態の側面図である。

【図７】 同じく実施例の断面図で、アクチュエータ
を閉鎖方向に更に回動させて、アクチュエータの押さえ
片が接続端部をコンタクト片に向けて押し付け始める時
の図である。

【図８】 図７と同じ状態の側面図である。

【図９】 同じく実施例の断面図で、アクチュエータ
を閉鎖位置まで回動およびスライドさせた状態の図であ
る。

【図１０】 図９と同じ状態の側面図である。

【符号の説明】

１ 絶縁ハウジング １ａ 絶縁ハウジングの後面 １ｂ 絶縁ハウジングの底壁 １ｃ 絶縁ハウジングの頂壁 １ｄ 絶縁ハウジングの底面 ２ アクチュエータ ２ａ アクチュエータの上面 ３ 平型柔軟ケーブル ３ａ 平型柔軟ケーブルの接続端部 ４ 開口部 ５ 端子装着溝 ６ 端子 ７ コンタクト片 ７ａ コンタクト部 ８ 反力受片 ９ 端子の基部 １０ 掛合突部 １１ スライド縁 １２ 半田テール １３ 突部 １４ カム突部 １５ 支持側壁 １６ 案内面 １７ カム案内壁 １８ 押さえ片 １９ 掛合部 ２０ 凹入部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 平型柔軟ケーブル３の接続端部３ａを
   受け入れる開口部４が形成され、この開口部４内に臨む
   コンタクト片７を有する端子６が、複数、並列状態に装
   着されている絶縁ハウジング１と、前記開口部４に受け
   入れられた平型柔軟ケーブル３の接続端部３ａを前記端
   子６のコンタクト片７へ向けて押し付けるために、絶縁
   ハウジング１に対して、回動およびスライド可能に設け
   られたアクチュエータ２とを備えている平型柔軟ケーブ
   ル用電気コネクタであって、 前記複数の端子６の各々に、コンタクト片７と対向する
   反力受片８がコンタクト片７と略平行に設けられている
   と共に、前記アクチュエータ２には、前記反力受片８の
   コンタクト片７側に進入可能とした掛合部１９が設けら
   れており、アクチュエータ２を回動およびスライドさせ
   て、平型柔軟ケーブル３の接続端部３ａを端子６のコン
   タクト片７へ押し付けた時に、前記反力受片８と掛合部
   １９が掛合して、コンタクト片７の反力に対抗するよう
   に構成されていることを特徴とする平型柔軟ケーブル用
   電気コネクタ。