JP3017887B2 - プリオネン、ウイルス及び他の感染因子の不活化方法 - Google Patents

プリオネン、ウイルス及び他の感染因子の不活化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体物質又はビオゲン
物質、特にはアルブミンを得るための出発物質として適
した血漿又は血清中に存在するプリオネン,ウイルス及
び他の感染因子、例えば細菌を不活化する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】動物(またはヒト)の材料から蛋白質を
調製する際には、出発物質に存在していた感染性粒子に
よる汚染の危険性が常にある。最近の一般的な例とし
て、HIV−ウイルス(AIDSの病原因子) による多
くのヒトの感染が挙げられるが、これは、例えば、血友
病患者に対する血液製剤の投与によるものであった。こ
れらの感染は、特にAIDS因子が発見される以前のこ
とであり、以降は、供血者の検査、即ち、スクリーニン
グが行なわれている。それに加えて、製造元は、場合に
よって供血者の血液中に存在することのあるHIV−ウ
イルスを血清蛋白質の精製及び治療薬の大量生産時に除
去する方法を検討している。
【0003】この病原因子の性質が解明されるにつれ、
一層簡便且つ迅速にこれを崩壊する方法の開発が更に可
能になるものと考えられる。歴史上見出された初めての
感染性粒子である細菌に対しては、数十年来周知の方法
(蒸気滅菌,乾熱滅菌,低温滅菌,濾過滅菌,エチレン
オキシド滅菌,放射線滅菌など)があり、それらはすべ
て一定の技術水準に達している。
【0004】20世紀に入って初めて発見されたウイルス
(多様な病原因子群)を除去する方法もあるが、すべて
の病原因子に対する特異的な方法はまだ見出されていな
い。多くのウイルスはpHを4に下げれば完全な崩壊を招
くが、高濃度の有機溶媒によって不活化される種類のウ
イルスもある。
【0005】数年前、分子生物学の定説に疑問を投げ掛
けるような新しいグループの病原因子が出現し、学術誌
に登場するようになった。この因子をプリオネンとい
う。このプリオネンの物性はまだ明らかでないが、科学
者のなかには、プリオネンを極微小のウイルス、即ち、
数種の外皮蛋白質を有する小さな棒状の核酸と考えるも
のがいる。一方、プリオネンに前記核酸の存在を証明出
来ないため、プリオネンはDNA又はRNAをもたない
感染性蛋白質が関連しているという革新的な結論を導き
出す科学者が大部分である。これは、核酸(遺伝物質)
が感染性粒子の複製にとって不可欠であるという定説に
対する最初の反論である。
【0006】プリオネンの性質に関しては、まだ不明の
ところが多く、ヒト又は動物がかかる数種の疾病が知ら
れているだけであるが、これに対する治療の方法がない
ため、この疾病は致死的疾病である。潜伏期が30年にも
わたる感染症にかかわる問題なので、治療薬の研究と創
製は極めて難しいが、消費の増大は当然見込まれてい
る。これらの疾病の一つには、BSE(ウシの海綿状脳
症)−英国で生じている未解明のウシ伝染病−がある。
一般的で、非常に類似した疾病として、ヒツジ及びヤギ
におけるスクラピー(おそらく、現在のBSE疾病の起
源)が挙げられる。
【0007】ヒトの場合では、クールー(パプアニュー
ギニアで祭儀の際に見られる疾病),ヤコブ・クロイツ
フェルト症候群及びゲルシュタットマン・シュトロイッ
スラー症候群などがある。これらの珍しい疾病は、幸い
にして、発病率が低く、百万分の1程度であるが、アル
ツハイマー病と非常に良く類似している。
【0008】BSEは、スクラピーにかかったヒツジを
処分する動物処理施設からの動物用飼料の投与によっ
て、英国で蔓延したという証拠がある。残念ながら、ヒ
トにも対応する疾病があり、これはヒトの脳下垂体から
ヒト成長ホルモン(分泌物質)を製造するに際して、製
造元の責任でクロイツフェルド・ヤコブ症候群の病原因
子が混入したことによるものである。これらの疾病の多
くは、このホルモンの投与患者で既に発現しており、若
年者から50歳以上の人まで認められている。
【0009】この新たな型の疾病からは、潜在的な危険
性が指摘されている。この新たな病原因子であるプリオ
ネンに関する知識が乏しいために、治療に対しても全く
同様に危険性を評価することは困難である。また、プリ
オネンは殆ど全く核酸をもっていないこと、及びそのプ
リオネン蛋白質はある宿主によってコードされた後に病
原体へと変化すること、が考えられる。その他、プリオ
ネンは、抗体形成のような免疫応答を生じないため、診
断が非常に困難である。
【0010】プリオネンを崩壊させる試みがなされてい
るが、一つの大きな問題点がある。即ち、プリオネン
は、あらゆる物理的及び化学的方法に対して、極めて強
い抵抗性を示すが、好ましくは高温で高濃度の鉱酸又は
アルカリ溶液での処理、次亜塩素酸−アルカリ溶液での
処理、または150℃以上の温度によって除去されること
が今までに知られている。しかし、このような強力な処
理では、いかなる生物学的治療薬もただちに崩壊される
か、少なくとも効果が失われることは明らかである。
【0011】今まで、プリオネンを含まない生体物質を
調製するために、以前上記の伝染病が発生していない地
域から出発物質を入手することが試みられていたが、潜
伏期間が30年と極めて長いため、この方法では、まだ大
きな危険性が含まれていると考えられる。上記のように
免疫応答が生じないので、出発物質のスクリーニングに
よって、プリオネンの存在を確認することは出来ない。
生物学的試験(マウスの脳への目的物質の注射、病理学
的反応に対する評価、マウスの解剖、分子生物学的及び
組織学的所見ならびにマウスの脳への再注射による確
認)は、約14カ月を要し、多用されているので、出発物
質の対照のためばかりでなく、完成した薬剤の過剰付加
試験に対しても適当であり、この試験は、新たな製造方
法(プリオネン添加後)の有効性を調べるためにも有用
である。実験動物が飼育され、試験が行なわれる(P3
ゾーン)、特殊な実験室中の確実な安全装置下で行なわ
れなければならない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決
しようとする課題は、生体物質又はビオゲン物質を分解
せずに、既知のすべてのウイルス群を崩壊させると共
に、これらの物質中に存在するプリオネンを確実に除去
する方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
することを目的としてなされたもので、その構成は、あ
らゆる生体物質又はビオゲン物質、特にはアルブミンを
得るための出発物質として適した血漿又は血清中に存在
するプリオネン、ウイルス及び他の感染因子をカオトロ
ピック試薬で不活化する方法であって、前記物質をカオ
トロピック試薬で処理する前又はパイロジェンを含まな
い滅菌水で希釈した後、1g/lの界面活性剤を添加し、7
0℃の温度で撹拌した後、得られた溶液を前記カオトロ
ピック試薬で12〜18時間常温で処理することを特徴とす
るものである。
【0014】即ち、プリオネンをカオトロピック試薬で
長時間常温(20〜25℃)で処理することは、画期的であ
るといえよう。この種の処理によって、例えば、アルブ
ミンのような生体物質が分解されることはない。また、
その処理によって、ウイルス及び細菌は確実に除去され
る。
【0015】カオトロピック試薬としては、全体量に対
して6〜8モルの尿素、又は全体量に対して1〜2モル
のナトリウムチオシアネートを添加することが好まし
い。これらの試薬は処理後、透析,膜濾過又はゲル濾過
クロマトグラフィによって、取り除くことが出来る。
【0016】病原因子を除去する確実性を高めるために
は、カオトロピック試薬での処理の前又はパイロジェン
を含まない滅菌水での希釈後に生体物質又はビオゲン物
質をpH約6.5に調節し、約1g/lの界面活性剤、特にはア
ニオン性界面活性剤を添加することが好ましい。界面活
性剤としては、アルキルスルフェート又はその誘導体、
好ましくはナトリウムアルキルスルフェート、及び/又
はサルコシネート、好ましくはナトリウム(N−ラウリ
ルサルコシネート)、及び/又はアルキルスルフォネー
トもしくはその誘導体のいずれか又はその混合物を添加
することが出来る。目的に応じて、希釈塩酸の投与によ
り、そのpH値を調節する。
【0017】更に、8〜10容量%のメチルアルコール又
はエチルアルコールを添加することが好ましい。
【0018】最後は、界面活性剤、場合によってはメチ
ルアルコール又はエチルアルコールの添加後、約70℃で
ゆっくり撹拌しながら、生体物質又はビオゲン物質を加
熱して、この温度では少なくとも15分間、好ましくは約
30分間更に撹拌し、その後、これを急速に冷却し、pH値
を4〜4.2に低下させて沈殿したグロブリンを分離す
る。
【0019】本発明方法では、アルブミンとして、例え
ば、ウシ血清アルブミン(BSA)が選ばれる。それが
大量に使用され、材料源である「ウシ」がBSEによっ
て危険にさらされているからであり、更に、これに対す
るヒトの類似物であるヒト血清アルブミン(HSA)が
極めて重要な治療薬だからである。この方法は変更を加
えずに直接HSAの産出に転用可能であり、また、この
方法は、動物又はヒト起源の他の蛋白質に修飾を加える
ことができる。例えば、血清及びIgGを挙げることが出
来る。
【0020】本発明方法をBSAに適用する場合の例は
次のとおりである。それからBSA又はHSAを得られ
る血漿又は血清を水で希釈した後、そのpH値を6.5に調
製して、強力な界面活性剤、好ましくはナトリウムラウ
リルスフェート(ドデシル硫酸ナトリウム)もしくは類
似体、ナトリウム−(N−ラウリルサルコシネート)又
は他の類似体(1g/l)の存在下で、エチルアルコール
又はメチルアリコールを添加して、15〜30分間70℃の温
度で撹拌する。その後、直ちにpH値を4.0〜4.2に調節
し、沈殿したグロブリンを除いて、清澄な溶液を中和す
る。
【0021】高濃度の強いカオトロピック試薬(好まし
くは、尿素6〜8モル又はナトリウムチオシアネート1
〜2モル)を添加してから、この溶液を室温で16時間放
置し、その後、この試薬を、好ましくは、クロマトグラ
フィ、透析又は膜濾過によって除去することが出来る。
次いで、塩が除かれた溶液を、濃縮してから添加物を加
え、濾過滅菌して滅菌状態で他の容器に移し変えるか、
特には凍結乾燥によって乾固させる。溶液の熱後処理
(安定剤の存在下での「パスツール滅菌」)又は粉末の
熱後処理(蒸気注入)を組み合わせることが出来る。
【0022】尚、上記における血清又は血漿に代えて、
アルブミンが存在する他のいずれの出発物質、例えば、
胎盤血,コーン法による血漿分画された画分なども使用
される。
【0023】而して、有効性は、生物学的実験モデルに
おいて、原料血漿へのスクラピー/プリオネンの添加、
及びマウスの脳へのアルブミン溶液の注射によって証明
された。同様に、ウシのウイルス性下痢(BVD)ウイ
ルス、ウシの感染性鼻気管炎ウイルス、3型パライフル
エンザウイルス、口蹄病ウイルス、レトロ−ビスナウイ
ルス、及びヒツジのパラポクスウイルスといった従来の
ウイルスを高濃度で投与することによっても証明され
た。こうして処理されたアルブミン溶液は自己滅菌性が
あり、細菌の崩壊が見られた。
【0024】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。3g
のウシの凍結乾燥血漿(蛋白質2g に相当)を35mlの蒸
留滅菌水に溶解し、これに水とは混合しない4mlのエタ
ノールを添加した後、希塩酸でpHを6.5に調節し、45mg
(=0.1%)のラウリル酸ナトリウム(少なくとも純度9
5%)を溶解させた。総容量は44mlとなった。これに、
十分な安全施設(P3レベル実験室、層流フードなど)
のもとで、20%のスクラピー/脳/ホモジネート(力
価:2.10LD/g)225μl又は高濃度のウイルス溶液を添加
して均質化した。
【0025】この溶液を70℃の水浴中に入れた。10分
後、内容物の温度は同様に70℃であり、続いて、上記の
処理をなお30分間行なった。10分間ごとに1分間マグネ
ットスターラーで撹拌した。インキュベーション終了
後、試料を氷上に移して冷却し、冷却された溶液を、20
0μlの塩酸でpHを4.2とし、更に均質化した。
【0026】このものを10分間4℃で6000rpm(4000 g
に相当) の遠心力によって沈殿したグロブリンを除去し
た。透明な上澄は傾斜法によって得られ、純粋なウシア
ルブミン溶液(容量:20.5ml)であった。
【0027】この溶液を、苛性ソーダ溶液250μlの添加
によって中和した(pH 7.0)。その後、15gの尿素を添
加して、容量を30mlに増量した結果、濃度は8モルとな
った。これらの溶液を、16時間室温(21℃)に放置し
た。
【0028】尿素の除去には、以下のように、ゲル濾過
クロマトグラフィ法を利用した。500mlの滅菌蒸留水に
溶かした15gのセファデックスG50(ファルマシア社、ウ
プサラ)を加熱し、一晩放置した。膨潤したゲルを、直
径5cm,高さ30cmのアクリル製カラムに充填し、滅菌蒸
留水(200ml)で洗浄した。流速は7.5ml/minであった。
この溶液30mlをカラムにかけてから、水100mlで洗浄し
た。得られた画分を50mlと40mlとに分けた。その後は、
溶出液中に蛋白質は全く認められなかった。この90mlを
凍結乾燥したところ、0.7gのウシ血清アルブミンが得ら
れた。
【0029】数種の実験では、クロマトグラフィに代わ
るものとして、アミコンS-1モデル(カットオフ値:10,
000d)での膜濾過によって尿素を除去した。その際、約
1000mlの蒸留水で膜濾過を行ない、約50mlに濃縮してか
ら、凍結乾燥した。
【0030】次に、各種の生物学的試験について説明す
る。尚、これらの試験の結果は表1に示すとおりであっ
た。 スクラピー/BSEに関する生物学的試験: 上記のアルブミンを3mlの生理食塩水に溶解し、マウス
の脳の半分ごとに20μlの試薬を注射した。マウスの総
数は136匹、また、その系統は C57/B16であった。この
スクラピー/接種物(力価:2.10 LD/g)、即ち、8倍
希釈したものを陽性対照とし、また、スクラピー/接種
物を含まずに調製した上記のようなウシ血清アルブミン
を陰性対照とした。すべての接種は、12匹の動物1匹づ
つ行なった。即ち、12回繰り返したことになる。この試
験の結果は、陽性対照のものは罹病が確認されたのに対
し、陰性対照のものに病気や死亡は認められなかった。
【0031】従来のウイルスを使用した場合の生物学的
試験: 上記のBSAを細胞培養液に溶解した。この培地は哺乳
動物細胞用の栄養培地として使用され、哺乳動物細胞は
特異的ウイルスの宿主細胞となり得る。陽性(ウイルス
株溶液)及び陰性(培地のみ)の対照、ならびにアルブ
ミンの非特異的細胞障害試験を加えることによって試験
を行なった。この結果は、被験ウイルス株のいずれで
も、感染性ウイルス粒子は生存出来ず、この客観的な方
法によって、致死率は1/106(百万分の一)を超えた。
【0032】類似した試験で、血漿からのアルブミンの
調製に際して、界面活性剤として、N−ラウリルサルコ
シネートとラウリルスルフェートが同等の有効性を示す
ことを確かめたが、感染性物質の投与は行なわなかっ
た。測定されたパラメータは、両界面活性剤が98%以上
のもとでのBSAの収率及び純度であった。
【0033】インフルエンザウイルスのリボヌクレオ蛋
白質−粒子(核酸−蛋白質の相互作用を調べる実験モデ
ル)を処理する際、及びゼラチン−フィプロネクチンの
ような親和性結合を解離させる際、カオトロピック試薬
として、当量の尿素とナトリウムチオシアネートを試用
して有効性を証明した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明は上述のとおりであって、あらゆ
る生体物質又はビオゲン物質、特にはアルブミンを得る
ための出発物質として適した血漿又は血清中に存在する
プリオネン、ウイルス及び他の感染因子をカオトロピッ
ク試薬で不活化する方法であって、前記物質をカオトロ
ピック試薬で処理する前又はパイロジェンを含まない滅
菌水で希釈した後、1g/lの界面活性剤を添加し、70℃
の温度で撹拌した後、得られた溶液をカオトロピック試
薬で12〜18時間常温で処理することにより、不活化する
方法であるから、生体物質又はビオゲン物質を分解せず
に、既知のすべてのウイルス群を崩壊させると共に、こ
れらの物質中に存在するプリオネンを簡易にしかも確実
に除去することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 31/12 A61P 31/12 (56)参考文献 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA Vol.79,No.17 (1982)p5220−5224 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 61/00 WPI(DIALOG)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 あらゆる生体物質又はビオゲン物質、特
    にはアルブミンを得るための出発物質として適した血漿
    又は血清中に存在するプリオネン、ウイルス及び他の感
    染因子をカオトロピック試薬で不活化する方法であっ
    て、前記物質をカオトロピック試薬で処理する前又はパ
    イロジェンを含まない滅菌水で希釈した後、1g/lの界
    面活性剤を添加し、70℃の温度で撹拌した後、得られた
    溶液を前記カオトロピック試薬で12〜18時間常温で処理
    することを特徴とするプリオネン、ウイルス及び他の感
    染因子の不活化方法。
  2. 【請求項2】 カオトロピック試薬として、全体量に対
    して6〜8モル濃度の尿素を使用することを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 カオトロピック試薬として、全体量に対
    して1〜2モル濃度のナトリウムチオシアネートを使用
    することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 カオトロピック試薬を、透析,膜濾過又
    はゲル濾過クロマトグラフィによる処理後に除去するこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 カオトロピック試薬での処理前又はパイ
    ロジェンを含まない滅菌水での希釈後、生体物質又はビ
    オゲン物質のpH値を6.5の弱酸性に調節し、1g/lのアニ
    オン系界面活性剤を添加することを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 界面活性剤として、アルキルスルフェー
    ト又はその誘導体、又は、ナトリウムアルキルスルフェ
    ート及び/又はサルコシネート、若しくは、ナトリウム
    (N−ラウリルサルコシネート)及び/又はアルキルス
    ルフォネート若しくはその誘導体を添加することを特徴
    とする請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 pH値を希塩酸の投与によって調節するこ
    とを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 8〜10容積%のメチルアルコール又はエ
    チルアルコールを添加することを特徴とする請求項5な
    いし7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 界面活性剤、場合によってはメチルアル
    コール又はエチルアルコールの添加後、70℃でゆっくり
    撹拌しながら生体物質又はビオゲン物質を加熱して、こ
    の温度で15〜30分間更に撹拌してから、これを急速に冷
    却し、pH値を4〜4.2の強酸性に低下させて、沈殿した
    グロブリンを分離することを特徴とする請求項1ないし
    8のいずれかに記載の方法。
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