JP3016124B2 - 溶湯容器およびアルミニウム溶湯保持炉 - Google Patents

溶湯容器およびアルミニウム溶湯保持炉

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JP3016124B2 JP7342468A JP34246895A JP3016124B2 JP 3016124 B2 JP3016124 B2 JP 3016124B2 JP 7342468 A JP7342468 A JP 7342468A JP 34246895 A JP34246895 A JP 34246895A JP 3016124 B2 JP3016124 B2 JP 3016124B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶湯容器およびア
ルミニウム溶湯保持炉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般にアルミニウム溶湯保持炉の
内張は、鉄皮ケース内に外側の耐火物層、中間の断熱層
および溶湯に接触する内側の溶湯収容容器を配置した多
重構造からなっている。より詳細には、通常鉄皮ケース
内に断熱れんが、キャスタブル耐火物などを内張りする
ことにより、耐火物層を構成し、その内側に断熱れん
が、断熱ファイバーなどの高断熱性材料を配置して断熱
層を形成し、さらにその内側にセラミックボード、キャ
スタブル耐火物などの溶湯収容容器層を配置して構成さ
れている(例えば、特開昭54−18248号公報、実
開昭60−30998号公報などを参照)。
【0003】しかしながら、断熱層として断熱れんが或
いは断熱ファイバーを使用する溶湯保持炉には、断熱層
に到達した溶湯のそれ以上の浸透を阻止できないこと、
断熱材料の断熱性が十分でないため、断熱層の厚さが大
きくなり、炉の寸法が大きくなること、内張り作業に熟
練を要することなどの問題点がある。
【0004】また、溶湯収容容器層の構成材料(内張り
壁)として広く使用されているシリカ系ボード、キャス
タブル耐火物などは、アルミニウム溶湯或いは溶湯処理
用の各種フラックスと反応しやすいという問題点があ
る。反応生成物は、アルミニウム酸化物の生成原因とな
ったり、アルミニウム鋳物への混入によりハードスポッ
トを発生させたり、炉内壁からの除去に際し壁面の欠落
を発生させたりする。より詳細には、アルミニウム溶湯
および/またはスラグとセラミックス製内張り壁との反
応生成物であるハードスポットは、溶湯酸化物、非金属
介在物、初晶金属などが主な成分であり、セラミックス
中のシリカがアルミニウムにより還元されて黒色のシリ
コンとなっているので、それ自体黒色を呈している。ハ
ードスポットは、硬度が極めて高く(Hv=2500程度)且
つ高融点(融点=2000℃程度)であるため、その除去は
極めて困難である。そのため、内張り壁に付着したハー
ドスポットを除去する際に、内張り壁をも破壊してしま
うことが多い。さらに、アルミニウム鋳造製品に混入し
たハードスポットは、不良品の原因となるので、ハード
スポットの減少は、製品の歩留まり向上のためにも、極
めて重要である。
【0005】さらに、内張り壁として気孔率の高いシリ
カ系ボードを使用する場合には、溶湯処理に使用される
フラックスが、ボードに侵入し、そのナトリウム分がボ
ード含有成分と反応してボードのガラス化反応が進行す
る。ガラス化したシリカ系ボードは、溶湯に対する耐食
性が低いので、溶湯が滲みだして、内張り壁の亀裂を発
生させる原因となる。また、ガラス化した層は、母材よ
りも高い熱伝導性を示すので、保持炉の外周を構成する
鉄皮ケースの表面温度の上昇原因となり、加熱電力の使
用量を増大させる。さらにまた、シリカ系ボードは、板
状製品を接続して内張りに使用しているので、施工には
熟練を要し、且つ使用中の繰り返し熱応力により、接続
部から溶湯が漏れ出るという欠点もある。
【0006】一方、内張り材としてキャスタブル耐火
物、珪酸カルシウムスラリーなどの多量の水(30〜60重
量%程度)を含む不定形耐火物を使用する場合には、乾
燥に長時間を要する。これは、内張り材が外周の鉄皮ケ
ース内に位置しており、外周が気密となっているので、
内張り材の乾燥を内側からの片面加熱により行わざるを
得ないからである。もし、乾燥を短時間内に行う場合に
は、内張り材に収縮による亀裂を生じて、内張り壁に損
傷を与えることになる。
【0007】上記のような問題点を解決するために、乾
燥耐火物により内張り壁を構成す溶融金属用容器の内張
り構造(実開平2−1553号公報)或いは内張り耐火
物を予め別工程で一体成形し、乾燥し、焼成して一体型
としたバスをセットして内張り作業を簡単化させる技術
(特開昭58−224289号公報、実開昭61−12
0526号公報、特開平7−69744号公報など)が
提案されている。
【0008】しかしながら、乾燥耐火物を使用する場合
には、均質で緻密な内張りを形成するために必須である
スタンプ作業が困難となり、労力負荷が大きいという問
題点がある。一体型バスを使用する場合には、溶湯の浸
透という問題の他に、バスに亀裂を生じた際に、溶湯が
亀裂を通って外部に漏れ出すという問題点もある。
【0009】ハードスポットの生成を抑制するために
は、黒鉛を含有するバスを使用すること或いは黒鉛坩堝
を内張り容器として使用することなどが提案されている
(特開昭60−33486号公報、実開昭3−6789
4号公報など)。
【0010】黒鉛含有バスは、耐食性に優れているの
で、スラグ、フラックスなどとの反応が少なく、ハード
スポットの生成も抑制され、良好な鋳造が行えるという
利点を有している。しかしながら、黒鉛含有バスは、一
旦亀裂が発生して溶湯が外側に漏れた場合には、溶湯が
短時間内に断熱材を溶解させ、外部に漏れ出すという危
険を伴う。また、黒鉛および炭化珪素量を増大させて耐
熱衝撃性および耐食性を向上させようとすると、熱伝導
率が高くなって放冷による溶湯の温度低下という問題を
生じるので、これらの含有量の増大による特性改善に
は、限度がある。
【0011】また、溶湯保持炉は、通常薄肉広口の箱型
であるから、金型の設計上および製造上高価格となり、
黒鉛坩堝の製造時のプレス成形も極めて困難である。さ
らに、溶湯保持炉の内容積、寸法などの標準化は行われ
ていないので、その種類は極めて多く、それぞれに適合
した金型を準備することはやはり経済的に困難であると
いう問題点もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、
(イ)溶湯、フラックス、スラグなどとの反応性が低い
ので、内張り壁に酸化物などの付着が少なく、(ロ)断
熱性に優れているので、加熱電力消費量が低減でき、
(ハ)容器外部への溶湯の漏れ出し、滲み出しなどがな
く、(ニ)炉の内張り作業を短時間で行うことができ、
(ホ)内張り壁が耐衝撃強度および耐食性に優れてお
り、(ヘ)内張り壁が強度に優れているので、付着物の
除去作業によっても、破壊を生じない、(ト)構築が容
易であるなどの利点を備えたアルミニウム溶湯保持炉を
提供することを主な目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記のような
従来技術の問題点に留意しつつ研究を進めた結果、特定
の2層構造を有する溶湯容器を備えたアルミニウム溶湯
保持炉が優れた性能を具備していることを見出した。
【0014】すなわち、本発明は、下記のアルミニウム
溶湯保持炉を提供するものである: 1.非酸化物含有成形焼結体を珪酸カルシウム質耐火物
で鋳ぐるんだ一体容器型バスからなることを特徴とする
溶湯容器。
【0015】2.鉄皮ケース内に超断熱材料からなる第
一次断熱層、セラミックボードからなる第二次断熱層お
よび非酸化物含有成形焼結体を珪酸カルシウム質耐火物
で鋳ぐるんだ一体容器型バスからなる溶湯容器を備えた
ことを特徴とするアルミニウム溶湯保持炉。
【0016】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しつつ、本発明を
さらに詳細に説明する。
【0017】図1は、非酸化物含有成形焼結体1を珪酸
カルシウム質耐火物3により鋳ぐるんだ2層構造の一体
容器型バスからなる溶湯容器5の1例を示す斜面図であ
る。ただし、受湯容器、汲み出し容器、これらを繋ぐ連
通口などは示していない。
【0018】非酸化物含有成形焼結体1は、常法に従っ
て、予め準備した発泡樹脂型枠内に所定組成の不定形組
成物を流し込み、養生し、固化し、乾燥した後、樹脂型
を脱枠し、得られる上方開放の箱型容器を非酸化雰囲気
中所定の温度で焼成することにより、得られる。非酸化
物含有成形焼結体の原料としては、炭化珪素系材料、窒
化珪素系材料などが例示される。
【0019】これらの材料は、流し込みにより成形でき
るので、加工困難で高価な金型は必要ではなく、加工容
易で安価な発泡樹脂製の型を使用して、大型の容器或い
は複雑な形状の容器を簡単に製造することができる。
【0020】また、炭化珪素系および窒化珪素系の材料
は、アルミニウム溶湯と接触しても、反応せず、耐食性
に優れているので、ハードスポットの堆積が少なく、ま
た堆積物は容易に除去することができる。さらに、これ
らの材料は、熱伝導性が高いので、上方のヒーターから
の熱が溶湯容器表面を伝わって溶湯に移動するので、溶
湯の上下の温度差を小さくするという効果も達成され
る。炭化珪素系および窒化珪素系材料の熱伝導率の高さ
は、溶湯の放熱による温度低下を招くものであるが、本
発明では、後述の断熱性に優れた超断熱材料と珪酸カル
シウム質耐火物との併用により、放熱を最小限にとどめ
ることができる。
【0021】これらの炭化珪素系および窒化珪素系の材
料の組成は、特に限定されるものではないが、例えば、
表1に示す通りである。以下の各表において、“%”と
あるのは重量%を意味している。なお、以下の各表にお
いて、不可避的不純物は示していないので、合計が100
%とならない場合がある。
【0022】
【表1】
【0023】使用条件が過酷である場合或いは特に良好
な結果が求められる場合には、炭化珪素或いは窒化珪素
の含有量80%以上の材料を使用することが好ましい。
【0024】次いで、上記で得られた非酸化物含有成形
焼結体1を予め準備した発泡樹脂型枠内に開放部を下方
にして配置し、珪酸カルシウム系不定形耐火物を型内に
流し込んで非酸化物含有焼結体1を鋳ぐるんだ後、養生
し、固化した後、樹脂型を脱枠し、150〜300℃程
度で乾燥することにより、2層構造の溶湯容器5を得
る。この溶湯容器5は、工場内で各種の条件を厳重に管
理した状態で製造することができる。
【0025】珪酸カルシウム系不定形耐火物の組成も、
特に限定されるものではないが、例えば、表2に示すと
おりである。この様な珪酸カルシウム系不定形耐火物組
成物は、例えばワラストナイト、珪灰石、アルミナセメ
ントなどの混合物に適量(例えば、40%程度)の水を加
え、スラリー化することにより、調製することができ
る。
【0026】
【表2】
【0027】ワラストナイトは、針状繊維構造を有して
いるので、多量の水分を使用することにより、乾燥後の
珪酸カルシウム質耐火物成形体に多くの気孔が生成し
て、高度の断熱性を発揮する。また、珪酸カルシウム質
耐火物は、耐食性および耐熱性に優れているので、万一
溶湯が非酸化物成形焼結体1の亀裂などを通過して、珪
酸カルシウム質耐火物に直接接触したとしても、それ以
上の浸透を抑制することができるので、溶湯容器層の安
全性は著しく高まる。
【0028】図1に示す溶湯容器5は、輸送乃至移動を
容易ならしめるために、吊り具として必要な本数の高強
度の樹脂製バンド(7)、(9)が掛けられており、必
要ならば、適宜梱包された状態で、アルミニウム溶解現
場に輸送され、鉄皮ケース(図示せず)内に後述の断熱
層(図示せず)とともに配置されて、溶湯保持炉として
使用される。ポリプロピレン樹脂などの樹脂からなるバ
ンドは、樹脂繊維を織り上げたものであり、厚さ数mm以
下で適当な幅を有している。この様なバンドは、厚さが
小さいので、溶湯保持炉の構築に際して障害にはなら
ず、また炉の使用開始後短時間内に加熱により消失す
る。
【0029】図2および図3は、本発明による溶湯保持
炉の他の1実施態様を示す縦断面図および横断面図であ
る。本実施態様においては、鉄皮ケース11内に外側か
ら超断熱材料からなる第一次断熱層13、セラミックボ
ードからなる第二次断熱層15および溶湯容器5を順次
配置してある。
【0030】本発明において、「超断熱材料」とは、熱
伝導率0.03kcal/m・hr・℃以下の断熱材料を意味する。
より具体的な超断熱材料としては、例えば、平均粒子径
5〜12nm程度、SiO299.8%以上の超微粒子シリカに無
機繊維状物質と微粉状の赤外線不透明化剤などを配合し
た超断熱性耐火物組成物(商標名「マイクロサーム」、
日本マイクロサーム株式会社製)などが挙げられる。セ
ラミックボードとしては、シリカ系ボード、アルミナ系
ボードなどが例示され、切削、穴あけなどの加工性に優
れていることから、シリカ系ボードがより好ましい。シ
リカ系ボードとしては、例えば、最高使用温度1000℃
で、表3に示す組成を有するものが例示される。
【0031】
【表3】
【0032】図2、3に示すアルミニウム溶湯保持炉
は、ヒーター19を備えた蓋17により密閉可能であ
り、溶湯25は、連通口27を経て受湯容器21から汲
み出し容器23に移動することができる。
【0033】なお、図2および図3に示す溶湯保持炉に
おいては、使用条件によっては、第二次断熱層15を省
略することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような顕著な効
果が奏される。
【0035】(1)2層構造の溶湯容器は、耐熱衝撃性
および耐食性に優れているので、使用中に亀裂を生じる
ことは殆どない。また、溶湯、フラックス、スラグなど
との反応も少ないので、ハードスポットの生成がなく、
アルミニウム鋳造製品の歩留まりが向上する。
【0036】また、所定時間操業後に溶湯保持炉を清掃
するに際しても、溶湯接触面である非酸化物含有成形焼
結体の強度が極めて高いので、動力作動工具により内壁
付着物の除去などを行うことができる。
【0037】(2)溶湯接触面である非酸化物含有成形
焼結体の背面側に位置する珪酸カルシウム質耐火物は、
耐熱性および断熱性に優れており、施工時或いは使用時
に万一非酸化物含有成形焼結体層に亀裂或いは破損を生
じた場合にも、溶湯が炉外に漏れ出す危険性はないの
で、作業の安全性が高くなる。
【0038】(3)溶湯保持炉の溶湯接触面を構成する
非酸化物含有成形焼結体は、熱伝導性に優れているのに
対し、外側の断熱層を構成する超断熱材料は、断熱性に
極めて優れている。その結果、溶湯容器内での溶湯温度
差が大幅に低下するとともに(溶湯保持炉の寸法、形
状、操業条件などにもよるが、3℃以下とすることも可
能である)、内張り壁の断熱性が著しく改善されて、溶
湯保持炉外壁からの熱放散が著しく減少する。
【0039】(4)上記(3)の結果として、従来の溶
湯保持炉に比して、溶湯上層の汲み出し温度を保持する
ための電力使用量が低減するとともに、内張り壁の厚み
を減少させることができる。
【0040】(5)2層構造の溶湯容器は、現場施工で
はなく、厳重に工程管理された独立の工程で予め製造し
ておくことができるので、安定した品質が確保される。
【0041】(6)上記の2層構造の溶湯容器は、吊り
具としてのバンドを取り付けた状態で梱包され、現場に
輸送され、予め鉄皮ケース内に配置された断熱層または
セラミックボードの内側に設置されて、容易に溶湯保持
炉に組み込むことができる。バンドは、抜き取ることな
く、そのまま放置しておくことができる。
【0042】(7)溶湯保持炉の構築、修理などに高度
の熟練技能者を必要とせず、短時間内に作業を完了する
ことができる。
【0043】特に、溶湯保持炉の補修を行う場合には、
2層構造の溶湯容器のみを取り替えれば良いので、その
コストが大幅に低下する。
【0044】(8)内張り作業に際して水を使用しない
ので、運転前の炉内乾燥作業が不要となり、この点から
も作業時間が短縮される。
【0045】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0046】実施例1 図1に示す形式の2層構造の溶湯容器5を予め製造し
た。
【0047】まず、発泡スチルロール製の型を作り、炭
化珪素系不定形耐火物(商標名“SICTEX”、日本坩堝株
式会社製、SiC90%、Al2O34%、SiO23%)を型に流し込
み、養生し、固化し、乾燥した後、樹脂型を脱枠するこ
とにより、開口型の箱型容器成形体1を得た後、約1000
℃で焼成した。成形焼結体は、圧縮強度900kg/m2、かさ
比重2.59、熱伝導率8Kcal/m・hr・℃であった。
【0048】次いで、得られた成形焼結体1を溶湯容器
の外形に相当する発泡スチルロール製型の枠内に上下を
逆にして配置し、スラリー状の珪酸カルシウム不定形耐
火物(商標名“Al79”、日本坩堝株式会社製、Al2O334
%、SiO230%、CaO34%)を型内に流し込んで、炭化珪
素系成形焼結体1を鋳ぐるみ、養生し、固化し、脱枠
し、約260℃で乾燥して、2層構造の溶湯容器5を製造
した。得られた2層構造の溶湯容器は、圧縮強度105kg/
m2、かさ比重1.45、熱伝導率0.4Kcal/m・hr・℃であっ
た。
【0049】次いで、得られた2層構造の溶湯容器にポ
リプロピレン樹脂繊維からなるバンド7、9を掛け、梱
包した後、現場に輸送して、図2および図3に示す構造
のダイカスト用溶湯保持炉(1880mm×1300mm×高さ1170
mm、炉容量1500kg)を現場で構築した。
【0050】すなわち、鉄皮ケース11の内側面と底面
に第一次断熱層13として超断熱性耐火物(商標名「マ
イクロサーム」、日本マイクロサーム株式会社製、熱伝
導率0.03kcal/m・hr・℃)を厚さ45mmに施設し、さらに
第二次断熱層15として厚さ約100mmのシリカボード
(熱伝導率0.065Kcal/m・hr・℃)を配置した後、上記
の2層構造の溶湯容器5を設置した。
【0051】本発明による構築作業は、従来法に比し
て、作業時間が極めて短く、また高度の熟練作業者でな
くとも、容易に実施可能であった。
【0052】上記のようにして構築された炉を実際のア
ルミニウム溶湯保持に使用したところ、前記の様な操作
上の利点が達成された。
【図面の簡単な説明】
【図1】非酸化物含有成形焼結体1を珪酸カルシウム質
耐火物3により鋳ぐるんだ一体容器型バスからなる溶湯
容器5の1例を示す斜面図である。
【図2】図1に示す溶湯容器を使用する本発明による溶
湯保持炉の1例を示す縦断面図である。
【図3】図2に示す本発明よる溶湯保持炉の横断面図で
ある。
【符号の説明】
1…非酸化物含有成形焼結体 3…珪酸カルシウム質耐火物 5…溶湯容器層 7…バンド 9…バンド 11…鉄皮ケース 13…超断熱材料からなる第一次断熱層 15…セラミックボードからなる第二次断熱層 17…蓋 19…ヒーター
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F27B 14/10 F27B 14/10 F27D 1/00 F27D 1/00 D (72)発明者 川崎 仁八 愛知県春日井市高森台9丁目1番地 107−308号 (56)参考文献 特開 平4−329840(JP,A) 特開 昭57−61141(JP,A) 特開 平2−247492(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 41/02 B22D 45/00 C04B 41/87 F27B 14/06 F27B 14/10 F27D 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非酸化物含有成形焼結体を珪酸カルシウム
    質耐火物で鋳ぐるんだ一体容器型バスからなることを特
    徴とする溶湯容器。
  2. 【請求項2】鉄皮ケース内に熱伝導率0.03kcal/m・hr・℃
    以下の断熱材料からなる第一次断熱層、セラミックボー
    ドからなる第二次断熱層および非酸化物含有成形焼結体
    を珪酸カルシウム質耐火物で鋳ぐるんだ一体容器型バス
    からなる溶湯容器を備えたことを特徴とするアルミニウ
    ム溶湯保持炉。
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